JP6002755B2 - イオン検出 - Google Patents

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Description

本発明は、イオンにある周期で振動するイオンパケットを形成させる質量分析器のイオン検出に関し、イオン検出器およびイオン検出方法を含む。そのような質量分析器は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FTICR)質量分析器、静電軌道トラッピング型質量分析器または他の任意のイメージ電流検出イオントラップを含み得る。
フーリエ変換質量分析法(FTMS)の場合、質量対電荷(m/z)比分析の検出限界については、Marshall,A.G.,Hendrickson C.L.,“Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance Detection:Principles and Experimental Configurations”,Int.J.Mass Spectrom.2002,215,59−75で定義されている。そこでは、検出限界は、信号対雑音比3:1で検出された電荷qのイオンの最小数Mと見なされている。この検出限界は、前置増幅器の入力トランジスタの電圧雑音(V)と検出回路のキャパシタンス(Cdet)とに比例し、検出された振動の相対振幅Aに反比例するものとして示されている。言い換えれば、以下の通りである。
電圧雑音は半導体製造過程によって決定され、ここでの改善は制限される。また、検出された振動の相対振幅はトラッピング場の質によって制限され、ここでの改善もまた難しい(例えば、実用的な静電軌道トラッピング型分析器では、Aは60〜70%近くである)。したがって、検出限界の改善は、検出回路のキャパシタンスCdetを低減することによって達成できる可能性が高い。
国際公開第2008/103970号パンフレットは、FTMS用の広帯域前置増幅器を示している。しかし、この設計では、前置増幅器のJFETトランジスタの入力キャパシタンスが配線キャパシタンスと検出板のキャパシタンスとの和に等しいときに信号対雑音比が最適化されることが示唆される。これは、上記で推奨されるキャパシタンスの低減とは異なる手法である。
質量分析器の寄生キャパシタンスの低減は、通常、例えば、検出電極を分離することによって、検出電極のサイズを縮小することによって、または、ワイヤをできる限り短く薄くすることによってなどの消極策を介して実装される。これらのすべての方法は、漸進的な改善のみを提供する。別の方法を使用して複数のキャパシタンス源の大幅な低減を提供することが望ましい。
この背景に対して、イオンに、ある周期で振動するイオンパケットを形成させる質量分析器用のイオン検出器が提供される。イオン検出器は、質量分析器においてイオンから複数のイメージ電流信号を検出するよう構成された複数の検出電極、および、複数の検出イメージ電流信号に基づいて出力信号を提供するよう構成された前置増幅器であって、出力信号はある信号対雑音比を有する、前置増幅器を備える検出構成と、少なくとも1つの補償信号を提供するよう構成された補償回路であって、各補償信号は、検出構成のそれぞれの補償部に提供され、複数の検出イメージ電流信号のうちの1つまたは複数に基づく、補償回路とを備える。検出構成の補償部の各々と検出構成のそれぞれの信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前置増幅器出力信号の信号対雑音比に影響を及ぼす。
それにより、補償回路は、検出構成の各補償部と検出構成のそのそれぞれの信号搬送部との間のキャパシタンスを低減させる。この低減は、そうでなければ補償回路が存在しない場合にそうであろう値から来ている。
言い換えれば、検出構成の補償部の各々と検出構成のそれぞれの信号搬送部との間のキャパシタンスは、補償信号が印加されていないときに定義される。しかし、各補償信号が印加されると、各補償信号は、検出構成のそれぞれのキャパシタンスを補償し、前置増幅器出力信号の信号対雑音比に影響を及ぼす。補償信号が印加されているときの検出構成の補償部の各々と検出構成のそれぞれの信号搬送部との間のキャパシタンスは、補償信号が印加されていないときのキャパシタンスと比べて低減される。実際には、補償信号が印加されているときの検出構成の補償部と検出構成のそれぞれの信号搬送部との間のキャパシタンスは、事実上または実質的にゼロであり得る。
有利には、検出構成の補償部に印加される補償信号は、検出構成のそれぞれの信号搬送部によって搬送された信号に基づく。好ましくは、補償信号のac部分とそれぞれの信号搬送部によって搬送された信号のac部分との間の信号振幅の差は、それぞれの信号搬送部によって搬送された信号のac部分の信号振幅と比べて比較的小さい。場合により、ac部分の信号振幅の差は、10%、5%、2.5%、1%または0.5%以下であってもよい。有益には、補償信号とそれぞれの信号搬送部によって搬送された信号との間の位相の差は小さい。場合により、位相の差は、90度、45度、30度、15度、10度、5度または1度未満であってもよい。
一実施形態では、検出構成の信号搬送部は、複数の検出電極からの検出電極を備え、検出構成のそれぞれの補償部は、検出電極用のシールドを備える。それぞれの補償信号をシールドに提供して、シールドと検出電極との間に事実上ゼロのキャパシタンスを生じさせることができる。ここで、シールドは、検出電極に隣接し得る。好ましくは、検出電極用のシールドは、検出電極の周りに導電面を備え、検出電極から絶縁される。より好ましくは、検出電極用のシールドは、誘電材料、好ましくは、ガラスで作られ、外部および内部金属塗装が施され、内部金属塗装はイオン信号を検出するよう構成され、外部金属塗装は補償信号を受信するよう構成される。この構成は、例えば、米国特許第5,886,346号明細書で説明される型で、Orbitrapの商号で入手可能な、静電軌道トラッピング型質量分析器の場合に特に有利である。
それに加えてまたはその代替として、検出構成の信号搬送部は、複数の検出電極からの検出電極と前置増幅器との間にワイヤなどの接続部を備え得、検出構成のそれぞれの補償部は、接続部用のシールドを備え得る。それぞれの補償信号をシールドに提供して、シールドと接続部との間に事実上ゼロのキャパシタンスを生じさせることができる。検出電極用のシールドおよび接続部用のシールドは、電気的に接続することができる。そして、検出電極用のシールドと接続部用のシールドの両方に単一の共通の補償信号を提供することができる。
好ましい実施形態では、前置増幅器は、複数のイメージ電流信号からの第1のイメージ電流信号を受信するよう構成された第1の電圧緩衝器を備える。そのような実施形態では、補償回路は、第1の補償信号を提供するよう構成することができ、第1の補償信号は、第1の電圧緩衝器の出力を含む。このように、第1の補償信号は、第1のイメージ電流信号に基づく。第1の電圧緩衝器は、低出力インピーダンスを提供することができる。好ましくは、第1の電圧緩衝器は、トランジスタを備え、最も好ましくは、ゲートキャパシタンスが可能な限り低く、相互コンダクタンスが可能な限り高い低雑音JFETを備える。
いくつかの実施形態では、補償回路は、複数の検出イメージ電流信号からの第2のイメージ電流信号に基づいて、第2の補償信号を提供するようさらに構成される。第2の補償信号は、検出構成の第2の補償部に提供することができ、検出構成の第2の補償部と検出構成のそれぞれの第2の信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前置増幅器出力信号の信号対雑音比に影響を及ぼす。ここで、前置増幅器は、第2のイメージ電流信号を受信するよう構成された第2の電圧緩衝器をさらに備え得、第2の補償信号は、第2の電圧緩衝器の出力を含む。この場合もやはり、第2の電圧緩衝器は、低出力インピーダンスを提供することができる。好ましくは、第2の電圧緩衝器は、トランジスタを備え、最も好ましくは、ゲートキャパシタンスが可能な限り低く、相互コンダクタンスが可能な限り高い低雑音JFETを備える。場合により、この構成の場合、検出構成の第1の信号搬送部は、第1の検出電極を備え、それぞれの補償部は、第1の検出電極用の第1のシールドを備える。これにより、第1の検出電極と接地との間のキャパシタンスが低減される。また、第2の信号搬送部は、第2の検出電極を備え得、それぞれの補償部は、第2の検出電極用の第2のシールドを備える。これにより、第2の検出電極と接地との間のキャパシタンスが低減される。
場合により、第1の電圧緩衝器は、共通のドレイン構成のトランジスタを備えてもよい。そして、補償回路は、トランジスタのドレインにドレイン補償信号を提供するようさらに構成することができる。これにより、トランジスタのゲートとドレインとの間の実効キャパシタンスを低減することができる。いくつかの事例では、補償回路は、検出構成の第2の補償部に第2の補償信号を提供するよう構成され、前置増幅器は、第2のイメージ電流信号を受信するよう構成された第2の電圧緩衝器を備え、第2の補償信号は、第2の電圧緩衝器の出力を含む。そのような事例では、前置増幅器は、第1の電圧緩衝器の出力および第2の電圧緩衝器の出力を受信して差動出力を提供するよう構成された差動増幅器をさらに備え得、好ましくは、差動増幅器は、ドレイン補償信号を提供するようさらに構成される。場合により、ドレイン補償信号は、特に対称差動入力信号の場合は、第2のイメージ電流信号に基づく。
場合により、補償信号は、より従来の方法で、すなわち、入力緩衝器のカスケード構成を使用して、提供してもよい。これは、入力緩衝器の追加のトランジスタが入力フォロワのドレインと共通のベース(またはゲート)構成で直列に接続され、共通のベース(またはゲート)トランジスタのベース(またはゲート)は、入力緩衝器の出力とDC結合またはAC結合されることを意味する。したがって、これにより、補償信号の提供に不要な第2の信号出力を活用することができる。
好ましくは、差動増幅器は、第1の電圧緩衝器の出力を受信するよう構成された第1の増幅トランジスタと、第2の電圧緩衝器の出力を受信するよう構成された第2の増幅トランジスタとを備え、第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成される。ドレイン補償信号は、第2の増幅トランジスタのドレイン側の信号から提供することができる。場合により、ドレイン補償信号は、第1の電圧緩衝器のトランジスタのドレインに提供される第1のドレイン補償信号であり、第2の電圧緩衝器は、共通のドレイン構成のトランジスタを備えてもよい。そして、少なくとも1つの補償信号は、第2の電圧緩衝器のトランジスタのドレインに提供される第2のドレイン補償信号をさらに含み得、第2のドレイン補償信号は、第1の増幅トランジスタのドレイン側の信号から提供される。これにより、トランジスタのゲートとドレインとの間のキャパシタンスを低減することができる。
好ましい実施形態では、補償回路は、検出構成の第1のシールド補償部に第1のシールド補償信号を提供し、検出構成の第2のシールド補償部に第2のシールド補償信号を提供するよう構成される。そして、第1のシールド補償信号と第2のシールド補償信号は同じであり得る。場合により、第1のシールド補償部は、複数の検出電極からの第1の検出電極用のシールドを備えてもよく、第2のシールド補償部は、第1の検出電極と前置増幅器との間の接続部用のシールドを備えてもよい。あるいは、第1のシールド補償部は、複数の検出電極からの第2の検出電極用のシールドを備え得、第2のシールド補償部は、第2の検出電極と前置増幅器との間の接続部用のシールドを備え得る。有利には、第1の検出電極用のシールド、第2の検出電極用のシールド、第1の検出電極と前置増幅器との間の接続部用のシールド、および、第2の検出電極と前置増幅器との間の接続部用のシールドに対する補償信号が提供される。
イオン検出器のさらなる有利な特徴は、複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置され、好ましくは外部の、電圧源に接続するよう構成された遮蔽導体であり得る。電圧源は、場合により、固定電圧を提供してもよい。これにより、第1の検出電極と第2の検出電極との間のキャパシタンスが低減される。場合により、電圧源は、空間電荷に起因するイオントラッピングボリュームに閉じ込められたイオンの振動の周波数の変化を補償するために、複数の検出電極のうちの少なくとも1つで検出されたイメージ電流に基づいて遮蔽導体に電圧を提供するよう構成されてもよい。
有益には、前置増幅器は、複数の増幅トランジスタ対を備える差動増幅器を備え得る。ここで、各増幅トランジスタ対は、第1のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第1の増幅トランジスタと、第2のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第2の増幅トランジスタとを備え得る。そして、各増幅トランジスタ対のそれぞれの第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成することができ、複数の増幅トランジスタ対は、並列に配列することができる。これにより、1つの増幅トランジスタ対のみが使用される場合と比べて、複数の増幅トランジスタ対によって生成された雑音の総パワースペクトル密度が低減される。
また、本発明は、本明細書に記載されるような質量分析器とイオン検出器とを備える質量分析計も提供する。
本発明の関連態様では、ある周期で振動するイオンパケットをイオンに形成させる質量分析器のイオン検出方法が提供される。本方法は、検出構成の一部を形成する複数の検出電極を使用して複数のイメージ電流信号を検出する工程であって、検出構成は、前置増幅器をさらに備え、前置増幅器は、複数の検出イメージ電流信号に基づいて出力信号を提供するよう構成され、出力信号は、ある信号対雑音比を有する、工程と、少なくとも1つの補償信号を提供する工程であって、各補償信号は、検出構成のそれぞれの補償部に提供され、複数の検出イメージ電流信号のうちの1つまたは複数に基づく、工程とを含む。検出構成の補償部の各々と検出構成のそれぞれの信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前置増幅器出力信号の信号対雑音比に影響を及ぼす。
あるいは、イオンに、ある周期で振動するイオンパケットを形成させる質量分析器のイオン検出方法について説明することができる。本方法は、検出構成の一部を形成する複数の検出電極を使用して複数のイメージ電流信号を検出する工程であって、検出構成は、前置増幅器をさらに備え、前置増幅器は、複数の検出イメージ電流信号に基づいて出力信号を提供するよう構成され、出力信号は、ある信号対雑音比を有する、工程と、少なくとも1つの補償信号を提供する工程であって、各補償信号は、検出構成のそれぞれの補償部に提供され、検出構成のそれぞれのキャパシタンスを補償し、前置増幅器出力信号の信号対雑音比に影響を及ぼす、工程とを含む。好ましくは、各補償信号は、複数の検出イメージ電流信号のうちの1つまたは複数に基づく。
好ましくは、検出構成の信号搬送部は、複数の検出電極からの検出電極を備え、検出構成のそれぞれの補償部は、検出電極用のシールドを備える。より好ましくは、検出電極用のシールドは、検出電極の周りに導電面を備え、検出電極から絶縁される。
それに加えてまたはその代替として、検出構成の信号搬送部は、複数の検出電極からの検出電極と前置増幅器との間に接続部を備え、検出構成のそれぞれの補償部は、接続部用のシールドを備える。
いくつかの実施形態では、前置増幅器は、複数のイメージ電流信号からの第1のイメージ電流信号を受信するよう構成された第1のトランジスタ電圧緩衝器を備え、少なくとも1つの補償信号は、第1の補償信号を含み、第1の補償信号は、第1のトランジスタ電圧緩衝器の出力を含む。このように、第1の補償信号は、第1のイメージ電流信号に基づく。場合により、少なくとも1つの補償信号は、複数の検出イメージ電流信号からの第2のイメージ電流信号に基づいて、第2の補償信号をさらに含んでもよく、第2の補償信号は、検出構成の第2の補償部に提供され、検出構成の第2の補償部と検出構成のそれぞれの第2の信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前置増幅器出力信号の信号対雑音比に影響を及ぼす。そして、前置増幅器は、第2のイメージ電流信号を受信するよう構成された第2のトランジスタ電圧緩衝器をさらに備え得、第2の補償信号は、第2のトランジスタ電圧緩衝器の出力を含む。一実施形態では、検出構成の第1の信号搬送部は、第1の検出電極を備え、それぞれの補償部は、第1の検出電極用の第1のシールドを備え、第2の信号搬送部は、第2の検出電極を備え、それぞれの補償部は、第2の検出電極用の第2のシールドを備える。
いくつかの実施形態では、第1の電圧緩衝器は、共通のドレイン構成のトランジスタを備え、少なくとも1つの補償信号は、トランジスタのドレインに提供されるドレイン補償信号をさらに含む。
そして、本方法は、場合により、前置増幅器の差動増幅器で第1のトランジスタ電圧緩衝器の出力および第2のトランジスタ電圧緩衝器の出力を受信する工程と、差動増幅器から差動出力を提供する工程とをさらに含んでもよい。そして、少なくとも1つの補償信号を提供する工程は、差動増幅器からドレイン補償信号を提供する工程を含み得る。ここで、ドレイン補償信号は、第2のイメージ電流信号に基づき得る。
好ましくは、差動増幅器は、第1のトランジスタ電圧緩衝器の出力を受信するよう構成された第1の増幅トランジスタと、第2のトランジスタ電圧緩衝器の出力を受信するよう構成された第2の増幅トランジスタとを備え、第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成される。好ましくは、ドレイン補償信号は、第2の増幅トランジスタのドレイン側の信号から提供される。場合により、ドレイン補償信号は、第1のドレイン補償信号であり、第2の電圧緩衝器は、共通のドレイン構成のトランジスタを備え、少なくとも1つの補償信号は、第2の電圧緩衝器のトランジスタのドレインに提供される第2のドレイン補償信号をさらに含む。そして、第2のドレイン補償信号は、第1の増幅トランジスタのドレイン側の信号から提供することができる。これにより、トランジスタのゲートとドレインとの間のキャパシタンスを低減することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補償信号は、検出構成の第1のシールド補償部に提供される第1のシールド補償信号と、検出構成の第2のシールド補償部に提供される第2のシールド補償信号とを含む。そして、第1のシールド補償信号と第2のシールド補償信号は、好ましくは、同じである。第1のシールド補償部は、複数の検出電極からの第1の検出電極用のシールドを備え得、第2のシールド補償部は、第1の検出電極と前置増幅器との間の接続部用のシールドを備え得る。
好ましい実施形態では、本方法は、複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置される、電圧と結合された遮蔽導体を提供する工程をさらに含む。
また、好ましい実施形態では、前置増幅器は、複数の増幅トランジスタ対を備える差動増幅器を備え得、各増幅トランジスタ対は、第1のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第1の増幅トランジスタと、第2のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第2の増幅トランジスタとを備え、各増幅トランジスタ対のそれぞれの第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成され、複数の増幅トランジスタ対は、並列に配列される。
別の態様では、本発明は、イオンが閉じ込められるイオントラッピングボリュームを定義するトラッピング場を提供するよう構成されたトラッピング場生成器と、複数の検出電極を使用して、イオントラッピングボリュームに捕捉されたイオンからイメージ電流を検出するよう構成された検出構成と、複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置される遮蔽導体と、複数の検出電極のうちの少なくとも1つで検出されたイメージ電流に基づいて遮蔽導体に電圧を印加するよう構成されたコントローラとを備える静電イオントラッピングデバイスを提供する。
この静電イオントラッピングデバイス(場合により、静電軌道トラッピング型デバイスでもよい)は、有利には、第1の検出電極と第2の検出電極との間に遮蔽導体を備え、遮蔽導体は、これらの2つの電極間のキャパシタンスを低減する。好ましくは、イオントラッピングデバイスは、軸を定義し、遮蔽導体は、この軸に沿って第1の検出電極と第2の検出電極との間にある。より好ましくは、トラッピング場生成器は、軸に沿ってイオンを振動させるため、イオンを閉じ込めるよう構成される。軸は、場合により、長手方向であってもよい。有益には、コントローラは、AC電圧を遮蔽導体に印加するよう構成される。
その上、遮蔽導体は、上記で説明される補償回路とは異なる利益を提供する。イオン数が多いと、イオンの移動によってすべての電極に誘起されるイメージ電荷が主な原因で、イオンの振動周波数はシフトする。電極で誘起された電圧を、検出イメージ電流信号と同相のまたは位相がずれた状態に変調することで、この影響は無効になり、質量精度および分析のダイナミックレンジが改善される。
有利には、コントローラは、空間電荷に起因するイオントラッピングボリュームに閉じ込められたイオンの振動の周波数の変化を補償するために、複数の検出電極のうちの少なくとも1つで検出されたイメージ電流に基づいて遮蔽導体に電圧を印加するよう構成される。イオントラッピングボリュームは軸を定義し、振動の周波数は軸方向振動に関連することが理解できる。
場合により、トラッピング場生成器は、軸に沿って配列された内部電極を備えてもよく、静電イオントラッピングデバイスは、第1および第2の外部電極をさらに備え、第1および第2の外部電極は、内部電極に同心円状に軸に沿って配置され、内部電極を包み込み、内部電極と外部電極との間の空間を定義し、前記空間は、イオントラッピングボリュームを定義してもよい。実施形態では、複数の検出電極は、内部電極、第1の外部電極および第2の外部電極のうちの1つまたは複数を備える。
好ましくは、第1の検出電極は第1の外部電極であり、第2の検出電極は第2の外部電極である。あるいは、検出電極のうちの1つは、内部電極を含み得る。また、場合により、複数の内部電極を提供してもよい。そのようないくつかの事例では、第1の検出電極は、第1の内部電極であり得る。場合により、第2の検出電極は、第2の内部電極であってもよい。
いくつかの実施形態では、遮蔽導体は、内部電極に同心円状のリングを備える。それに加えてまたはその代替として、遮蔽導体は、内部電極の中央部分(軸に沿って)で形成されるセグメントを備え得る。
好ましくは、遮蔽導体は、検出電極からのAC信号の有意な結合を回避するために位置する。これにより、遮蔽導体に向かう大き過ぎる引力が回避される。
さらなる態様では、イオントラッピングボリュームにイオンを捕捉する工程と、複数の検出電極を使用して、イオントラッピングボリュームに捕捉されたイオンからイメージ電流を検出する工程と、複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置される遮蔽導体を提供する工程と、複数の検出電極のうちの少なくとも1つで検出されたイメージ電流に基づいて遮蔽導体に電圧を印加する工程とを含む静電イオントラッピング方法が提供される。この方法は、場合により、本明細書で定義される対応する静電イオントラッピングデバイスに関して定義されたものを反映するため、追加の特徴をさらに含み得る。
また、本発明は、明確に開示される特徴の特定の組合せばかりでなく、独立して説明され、当業者が一緒に実装できる特徴のいかなる組合せにも限定されないことが理解されよう。
本発明は、様々な方法で実践することができ、ここでは、その中の1つが、単なる例示として、添付の図面を参照して説明される。
静電トラップ型質量分析器と外部貯蔵デバイスとを含む既存の質量分析計の概略構成を示す。 既存の検出回路とともに、より詳細に、図1の既存の静電トラップ型質量分析器を示す。 本発明によるイオン検出構成の第1の実施形態を示す。 追加の詳細とともに、図3に示されるイオン検出構成実施形態の概略図を示す。 図4のイオン検出構成とともに使用するための、本発明による前置増幅器の第2の実施形態を示す。 本発明の第3の実施形態による静電トラップ型質量分析器を描写する。 図4のイオン検出構成とともに使用するための、本発明による前置増幅器の第3の実施形態を示す。 図6の静電トラップ型質量分析器と図7の前置増幅器の第3の実施形態とを組み込んだイオン検出構成を示す。 図7および8の差動入力段のための設計解の変形形態を示す。
最初に図1を参照すると、静電トラップ型と外部貯蔵デバイスとを含む既存の質量分析計の概略構成が示されている。図1の構成については、同一出願人による国際公開第A02/078046号パンフレットおよび国際公開第A2006/129109号パンフレットで詳細に説明されており、ここでは詳細に説明しない。この構成のさらなる詳細に関しては、これらの2つの文書で見ることができ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1は、静電トラップ型質量分析器の用途や目的をより良く理解するために含まれている。本発明はそのような静電トラップ型質量分析器に関連して説明されているが、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FTICR)質量分析器など、イメージ電流検出またはイオンにある周期で振動するイオンパケットを形成させる静電場を使用する他の種類の静電トラップ型質量分析器にも適用することができることが理解されよう。
図1に示されるように、質量分析計10は、連続またはパルスイオン源20と、イオン源ブロック30と、イオンを冷却するためのRF伝送デバイス40と、線形イオントラップ質量フィルタ50と、移動八重極デバイス55と、イオンを貯蔵するための曲線状の線形トラップ60と、偏向レンズ構成70と、静電軌道トラッピング型質量分析器(Orbitrapの商号の下、Thermo Fisher Scientificによって販売されるような)である静電トラップ75とを備え、静電トラップ75は、分割した外部電極(第1の電極80および第2の電極85を備える)と、内部電極90とを備える。また、イオンビームの光軸上に、任意選択の補助電子増倍管(図示せず)も存在し得る。
ここで図2を参照すると、既存の検出回路とともに、より詳細に、図1の既存の静電トラップ型質量分析器が示されている。イメージ電流は、図2に示されるように、トラップの第1の外部電極80および第2の外部電極85上の差動増幅器を使用して検出される。第1の外部電極80および第2の外部電極85は、検出電極と呼ばれる。第1の導体81および第2の導体86はそれぞれ、第1のイメージ電流信号および第2のイメージ電流信号を前置増幅器200に搬送する。
前置増幅器200は、第1の増幅トランジスタT2と、第2の増幅トランジスタT1と、第1の抵抗器R1と、第2の抵抗器R2と、演算増幅器OP1とを備える。第1の増幅トランジスタT2および第2の増幅トランジスタT1は、差動対として、第1の抵抗器R1、第2の抵抗器R2および定電流源とともに接続され、差動増幅器を形成する。
また、図2は、様々な部分的な寄生キャパシタンスを概略的に描写し、その相互作用により、検出回路の総キャパシタンスが生じる。また、いくつかの寄生抵抗も完全を期すために示されている。検出回路の総キャパシタンスCdetは、以下の部分的なキャパシタンスの組合せである(標準の静電軌道トラッピング型分析器に対する標準値は括弧内に提示されている)。
1.第1の外部電極80と第2の外部電極85との間のキャパシタンス(C1=5pF、概算)
2.各検出電極と接地との間のキャパシタンス(C2=20pF)
3.各検出電極から前置増幅器に通じる導体(ワイヤ)と接地との間のキャパシタンス(C3=5pF)
4.各検出電極と中央電極90との間のキャパシタンス(C4=3pF)
5.各検出電極と例えば偏向レンズ構成70などの他の電極との間のキャパシタンス(C5=3pF)
6.前置増幅器の第1の入力トランジスタT2のゲートドレインキャパシタンスおよび前置増幅器の第2の入力トランジスタT1のゲートドレインキャパシタンス(C6=10pF)
上記で例示されたキャパシタンス値に対し、検出器電極および前置増幅器を含む検出構成の総キャパシタンスは、以下の数式から得られる。
det=C1+ 0.5*(C2+C3+C4+C5+C6)
上記で得られる標準推定値に基づくと、Cdet=25.5pFである。
第1の増幅トランジスタT2および第2の増幅トランジスタT1は、通常、JFETトランジスタである。単一のJFETトランジスタは、スペクトル雑音密度N(通常、nV/√Hzで測定される)を有し、標準値は0.85nV/√Hzである。差動入力段の総雑音密度は、√2*Nによって得られる。したがって、図2に示される構成の信号対雑音比(S/N)は、以下の数式に比例する。
S/N∝1/(Cdet*√2*N)
detを減少することによって信号対雑音比を増加することで、上記で特定される検出限界Mも改善できることが理解されよう。Cdetを低減することによって信号対雑音比を増加すれば、逆に、同じ信号対雑音比の達成に必要とされるイオンの数は低減される。
次に図3を参照すると、本発明によるイオン検出構成の第1の実施形態が示されている。図3に示される実施形態は、図2のものに基づいているが、かなりの数の変更を伴う。この実施形態は、イメージ電流信号を検出する方法を例示する。図1または2に示されるものと同じ特徴は、同一の参照番号で識別される。
この場合、外部電極80および85は、好ましくは、温度膨張係数の低い透明または高抵抗のガラスで作られる。それは、外部塗装は、電極80および85を形成する内部塗装とは接続されないが、第1の導電面100および第2の導電面105を形成し、その各々は、電極80および85の周りを囲み、それに応じておよびそれにより、シールドとして機能するように、金属塗装(すなわち、金属被覆)される。これらの表面100、105は、それらの間に間隙を有することも、場合により、この間隙を高抵抗層110で覆うこともできる(全抵抗は、好ましくは、1MOhmを上回り、より好ましくは、10MOhmを上回る)。好ましくは、これらの表面は、ガラス形態の内部表面(図示せず)との接続も有し、電極80と電極85との間にバリアを形成する。
第1の検出電極80および第2の検出電極85からの第1の導体(ワイヤ)81および第2の導体(ワイヤ)86は、FETトランジスタ82および87によってそれぞれ形成される緩衝または増幅の第1の段にこれらの電極を接続する。これらのワイヤは、第1の導電性シールド101および第2の導電性シールド106によって周りを囲まれ、第1の導電性シールド101および第2の導電性シールド106もまた、導電面100および105にそれぞれ電気的に接続される。しかし、導電面100および105が補償信号とのそれら自体の接続を有する場合は、接続用の導電性シールド101および106は、導電面100および105に電気的に接続する必要はない。
電極80および85からの信号がFETトランジスタ82および87によって増幅されると、入力信号とは分離され、増幅器120による差動増幅ばかりでなく、能動的補償にも使用することができる。後者の場合、第1の中継器(緩衝器または増幅器)83および第2の中継器(緩衝器または増幅器)88は、シールド101および106ならびに導電面100および105に信号を返す。このように、入力信号の全減衰は、ちょうど1である(または1に近い)。
したがって、電極80、85と、対応する導電面(シールドとして機能する)100および105との間には、電圧差は形成されない。これは、第1の電極80と第1の導電面100との間の電位差が最小化され、その結果、第1の電極80と第1の導電面100との間のキャパシタンスが事実上無効化されるためである。同じことが、第2の電極85と第2の導電面105にも当てはまる。拡大解釈すれば、これは、第1の導体81と第1のシールド101、そして、第2の導体86と第2のシールド106にも当てはまる。この手法により、C2、C3、C5を実質的にゼロに低減することができる。それに加えて、上記で説明されるように、第1の電極80と第2の電極85との間にバリアが提供されれば、C1を減少することができる。国際公開第03/048789号パンフレットは、医学的応用のための動電型センサに適用されるような、ある意味ではここで使用される補償と同様の一般的なキャパシタンス補償手法についての何らかの情報を提供する。
実際には、第1のFET 82、第2のFET 87、第1の中継器83および第2の中継器88の有限応答時間により、電極によって検出されたイメージ電流信号と能動的補償信号との間の小さな位相シフトが現れる。しかし、通常の対象周波数範囲(200〜2000kHz)の場合、この位相シフトはほんの数度である。これは、少なくとも5〜10倍でのC2、C3、C5の減少を妨げることはない。
次に図4を参照すると、追加の詳細とともに、図3に示される実施形態の概略図が示されている。また、図2に示される寄生キャパシタンスおよび抵抗もこの図面に示されている。ここでは、検出電極の各々と接地との間および導体(ワイヤ)と接地との間のキャパシタンス(C2+C3)ならびに前置増幅器への入力と接地との間のキャパシタンス(C6)がCdetに最も貢献している。シールド100、105および101、106に加えて、第1の電圧フォロワ130の一部として第1の緩衝トランジスタT4を、そして、第2の電圧フォロワ135の一部として第2の緩衝トランジスタT3を使用して(第1の緩衝トランジスタT4と第2の緩衝トランジスタT3は同じ雑音スペクトル密度Nを有する)、追加の緩衝増幅器を提供することによって、さらなる能動的遮蔽が実装される。第1の電圧フォロワ130は、第1のシールド101および第1の導電面100を駆動し、第2の電圧フォロワ135は、第2のシールド106および第2の導電面105を駆動する。
この手法は、実際に、総雑音スペクトル密度を√2倍に増加するが、検出回路の実効キャパシタンス値Cdetは、大幅に低減する。キャパシタンスC2およびC3を補償し、キャパシタンスC6を元の値の約1/5に減少することで、標準実効キャパシタンスの合計は、以下の通りとなる。
C’det=C1+0.5*(C2+C3+C4+C5+C6)
=5+0.5*(0+0+3+0+2)=7.5pF
上述のように、前置増幅器120の雑音スペクトル密度は、√2倍に悪化され、2N nV/√Hzと等しくなる。それにもかかわらず、この回路のS/Nは、以下の通りとなる。
S/N’ 〜1/(7.5*2*N)
図2の実施形態に対して上記で得られる1/(Cdet*√2*N)と比べると、S/Nの改善Gは、大体以下の通りである。
G=(25.5*√2)/(7.5*2)=2.4
したがって、キャパシタンスの低減はS/Nを改善させ、それは、前置増幅器の雑音パワースペクトル密度の増加に起因するS/Nの低減よりもはるかに優れたものである。しかし、特に前置増幅器内において、さらなる改善も可能である。
ここで図5を参照すると、図4のイオン検出構成とともに使用するための、本発明による前置増幅器の第2の実施形態が示されている。前置増幅器300は、図4に示される前置増幅器120と同様である。しかし、前置増幅器300は、前置増幅器の入力キャパシタンスを補償するための追加の特徴も含む。
第1の検出電極80から前置増幅器への入力信号と同じ振幅および位相を有する信号は、第1の電圧フォロワ130の一部であるFETトランジスタT4のドレインに接続される。同様に、第2の検出電極85から前置増幅器への入力信号と同じ振幅および位相を有する信号は、第2の電圧フォロワ135の一部であるFETトランジスタT3のドレインに接続される。これは、各電圧フォロワに対するトランジスタのすべての3つの端子が同じAC電圧を有し、事実上、端子間の入力キャパシタンスがないことを意味する。
これは、第1の電圧フォロワ130のFETトランジスタT4のドレインに印加される信号を、追加の抵抗器R4を用いて、第2の増幅トランジスタT1のドレインから得ることによって達成される。同様に、第2の電圧フォロワ135のFETトランジスタT3のドレインに印加される信号は、追加の抵抗器R3を用いて、第1の増幅トランジスタT2のドレインから得られる。R3およびR4の抵抗値は、以下の方程式から選ぶべきである。
R=2/Yfs
式中、Yfsは、JFETトランジスタの順伝達アドミタンスである。ここでは、C6が事実上およそゼロまで減少するため、Cdetの標準値は、7.5pFから6.5pFに低減される。そして、S/Nの総合的な改善Gは、この場合、以下の通りとなる。
G=(25.5*√2)/(6.5*2)=2.77
R3およびR4の抵抗値は、上記の方程式とは異なるように選ぶこともできる。例えば、R3およびR4の抵抗値は、C6を過補償するように選ぶことができる。しかし、検出回路の全体的な総キャパシタンスの過補償は、前置増幅器の不安定性に通じる恐れがあるため、望ましくはない。
キャパシタンスのさらなる低減は、補償以外の手段で達成することができる。次に図6を参照すると、本発明の第3の実施形態による静電トラップ型質量分析器が示されている。これは、図1〜4に示される静電軌道トラッピング型質量分析器を示すが、追加の特徴を備えている。ここでは金属リング140として形成される導体は、第1の検出器電極80と第2の検出器電極85との間に設置される。金属リング140と電極の各々との間の間隙は同じであり、金属リング140は電圧源145に接続される。電圧源145は、好ましくは、外部にある。
通常、質量分析器の内側に適正に場を得るため、金属リング140には数百ボルトが印加される。この電圧は、望ましくは、検出の間は静電圧であるが、他の時間は切替可能であり得る。好ましくは、この電圧は、数(1、2または3)ミリボルトを下回るリップルを有し、好ましくは、100〜200kHzを下回る周波数範囲内である。金属リング140上の電圧は、例えば、分析されたすべてのm/zに対する最小限の過渡減衰など、機器の最適な性能を提供するように調整される。
この導体は、寄生キャパシタンスC1を同じ値で2つの部分に分割し、そのキャパシタンスを半分に低減させる。この導体に印加される電圧は、好ましくは、外部源からのものであり、米国特許第7,399,962号明細書の図11または米国特許第7,714,283号明細書の図5で説明されるように、イオン周波数の調整に使用することができる。この金属リング電極140は、デバイス性能の優れた最適化に使用され、この最適化は、好ましくは、異なるm/z比を有するイオンの異なる強度に対して較正を行う過程中に行われる。最適化の基準は、所定のm/zに対するすべての強度のイオン動態に対する一定の減衰定数、および、m/z(好ましくは(m/z)−1/2)に対するこの減衰定数の単調依存性を提供することである。
この場合、Cdetの標準値は4pFに低減し、ここでは、S/Nは以下の数式に比例する。
S/N’’∝1/(4*2*N)
そして、S/Nの総合的な改善は、以下の通りとなる。
G=(25.5*√2)/(4*2)=4.5
次に図7を参照すると、図4のイオン検出構成とともに使用するための、本発明による前置増幅器の第3の実施形態が示されている。この前置増幅器310は、図5の前置増幅器300に示される特徴のすべてを含む。しかし、ここでは、前置増幅器310は、S/N比をさらに改善するための追加の特徴を含む。第1の増幅トランジスタT2および第2の増幅トランジスタT1は、並列に接続された一連のトランジスタ(通常、実質的に同一である)から形成される。K個のそのようなトランジスタが提供される場合(Kは1より大きい整数である)、複数の第1の増幅トランジスタT2_1〜T2_Kおよび複数の第2の増幅トランジスタT1_1〜T1_Kが存在する。
この手法は、前置増幅器の総スペクトル雑音密度を2N〜√2Nの範囲で低減する。K個のそのような並列のトランジスタ対の場合、緩衝段での前置増幅器の総雑音スペクトル密度は、N[2(1+1/K)]1/2と等しくなる。
実際には、並列トランジスタの入力キャパシタンスが高くなり過ぎるため、単一のJFETから形成される単一の電圧緩衝器によって3または4つを超える並列トランジスタを駆動する際に困難があり得る。以下の表は、図2に示される設計に対して、差動段の両側に最大4つのトランジスタを備えた回路におけるS/Nの改善の推定値を提供する。また、図3〜6に示される改善についても考慮される。
S/Nの総合的な改善に対して表に示されるすべての数値は、イメージ電流検出システムの単純解析のための絶対上限値と見なすことができる。実際には、S/Nの改善は、より低いものであり得、入力トランジスタの型や、増幅器の入力緩衝段で補償信号によって作成される容量帰還の深さに依存し得る。
ここで図8を参照すると、図6の静電トラップ型質量分析器と図7の前置増幅器の第3の実施形態とを組み込んだイオン検出構成が示されている。また、図2に示されるものと比較するため、残存するいかなる寄生キャパシタンスおよび抵抗も示されている。
寄生キャパシタンスC4は、静電軌道トラッピング型質量分析器の物理設計によって決定される。原理上、寄生キャパシタンスC4は、図6に示される実施形態によって採られる手法と同様の方法で、中央電極90を2つに分割し、高電圧キャパシタンスの分離を介して能動的補償を各半分に供給することによって、低減することができる。これは、講じられる他の対策から独立して取り組むことができる。しかし、この対策からの利得は、実質的である可能性が低く、したがって、複雑性およびコストの大幅な増加を正当化しない。その上、C4は、信号強度に影響を及ぼす最小寄生キャパシタンスを表し、中央電極90に印加される高電圧(通常、5kVに達し得る)が原因で補償が最も難しいものである。
要するに、上記で説明されるように、能動的補償により、原理上、標準実効キャパシタンス(Cdet)を約24pFから約5または6pFに低減することができる。それに加えて、採られる補償手法は、追加の設計の自由を可能にすることが期待される。例えば、ここでは、質量分析計チャンバの壁を質量分析器アセンブリにかなり近付けることができ、前置増幅器へのワイヤをより長くすることができる(必要に応じて)。最も重要なことに、能動的補償に使用されるシールド101および106ならびに導電面100および105は、他の雑音源から(特に、接地ループから)の検出電極80および85の遮蔽も行う。したがって、上記で推奨されるものに対するさらなるS/Nの改善が可能であり得る。
次に図9を参照すると、図7および8の差動入力段のための設計解の変形形態が示されている。示される入力差動段は、トランジスタの何らかのカスコード組合せを備える任意の公知の回路または図9に示されるものと同じ効果を提供する他の任意の公知の回路ソリューションであり得る。
その段上のトランジスタは、JFET、MOSFETまたはBJT npn/pnpのような任意の低雑音型のものであり得る。Vbias電圧は、定電位でも、入力同相信号に従う電圧でもあり得る。図7および8の入力緩衝トランジスタT3およびT4は、非常に低いスペクトル雑音密度を有するトランジスタを使用することによって、総雑音密度の低減を可能にする。通常、そのような超低雑音トランジスタは、極めて大きな入力キャパシタンスを有し、例えば、IF3601(InterFet Corp.が製造)は、雑音スペクトル密度0.3nV/√Hzおよび入力キャパシタンス300pFを有し、IF9030の場合は、これらの数値は、0.5nV/√Hzおよび60pFである。
図7および8に示される共通のドレイン(コレクタ)トポロジを有する入力緩衝器は、その入力キャパシタンスを無効にし、したがって、大きな入力キャパシタンスで並列トランジスタを駆動する可能性を開く。この技法は、入力緩衝器なしで差動段においてBF862(雑音スペクトル密度0.8nV/√Hzおよび入力キャパシタンス10pFでNXP Semiconductorが製造)などの従来の低キャパシタンスJFETを使用する前置増幅器と比べて、前置増幅器雑音スペクトル密度(最大2倍まで)の良い改善を提供することができる。
特定の実施形態について本明細書で説明してきたが、当業者は、様々な変更形態および代替形態を企図することができる。
例えば、この発明は、FT−ICR機器、RFイオントラップおよび静電トラップのすべての型に適用することができ、複数の検出電極(奇数個と偶数個の両方のそのような電極)を備えた機器を含む。
また、この発明は、空間電荷に関連する影響の能動的補償にも使用することができる。例えば、イオン数が多いと、いかなるトラップにおいてもイオンの振動周波数はシフトする。これは、イオンの移動によってすべての電極に誘起されるイメージ電荷が主な原因である。いくつかの電極上で誘起された電圧が信号と同相のまたは位相がずれた状態に変調されれば、この影響を無効にすることができ、高い空間電荷に対するトラップの耐性をより高くすることができる。これは、順に、質量精度および分析のダイナミックレンジを改善する。
これを達成する方法の1つは、補償DC電圧ばかりでなく、AC信号も、金属リング140に印加することである。好ましくは、AC電圧は、両方の検出信号から得られ、例えば、それらの差は、ある係数でスケーリングされる。DC電圧もまた、空間電荷に起因する周波数変化を補償するためなど、信号に応じて補正することができる。これにより、質量精度を改善することができる。同じ効果に対して、検出電極自体を含む他の電極を使用することができる。
一例として、すべての外部電極上のDC電圧は、空間電荷に起因する軸方向の周波数の低下を補償する電圧によってバイアスを付加することができる。予想される空間電荷は、分析器に注入するよう要求されたイオン数から、または、過渡信号の最初の数ミリ秒から直接、推定することができる。次いで、補償電圧を必要なレベルまでゆっくり直線状に増減することができ、その結果、全過渡信号にわたる周波数シフトが無効化される。
別の例では、中央電極の中央部分の近くに追加のセグメントを形成し、その結果、イオンはこれらの追加のセグメント近くを通過するが、これらのセグメントが検出電極から遠過ぎて後者へのAC信号の有意な結合を引き起こすことができないようにすることができる。AC信号が検出信号から形成され、次いで、これらのセグメントに同相で印加されれば、これにより、イオンがセグメントに引き付けられる可能性がある。追加の増幅器を使用してAC信号の振幅を調整することで、検出電極に形成されたミラー電荷からの引力を完全に補償する引力を引き起こすことが可能になる。その結果、振動の周波数は、ビーム全体に対して全体的にも、そして、特定のm/zまたは限られたm/z範囲に対して部分的にも、空間電荷に依存しなくなる。
当業者であれば、この発明と併せて異なる型のトランジスタを使用することができることが理解されよう。一部のトランジスタは、他のトランジスタよりも低い雑音レベルではあるが、高いキャパシタンスを有し得る。そのような事例でも、これらのトランジスタがこの発明とともに使用される場合は、依然として、前置増幅器の出力側の総雑音が低減されることになる。これは、上記で説明されるように、他の発生源に起因するCdetの低減も考慮している。

Claims (36)

  1. イオンに、ある周期で振動するイオンパケットを形成させる質量分析器用のイオン検出器であって、
    前記質量分析器においてイオンから複数のイメージ電流信号を検出するよう構成された複数の検出電極、および、前記複数の検出イメージ電流信号に基づいて出力信号を提供するよう構成された前置増幅器であって、前記出力信号はある信号対雑音比を有する、前置増幅器を備える検出構成と、
    少なくとも1つの補償信号を提供するよう構成された補償回路であって、各補償信号は、前記検出構成のそれぞれの遮蔽導体に提供され、前記複数の検出イメージ電流信号のうちの1つまたは複数に基づく、補償回路と
    を備え、
    前記検出構成の前記遮蔽導体の各々と前記検出構成のそれぞれの信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前記前置増幅器出力信号の前記信号対雑音比に影響を及ぼし、前記補償回路は、各キャパシタンスを低減させ、信号対雑音比を改善するように構成されている、イオン検出器。
  2. 前記検出構成の信号搬送部は、前記複数の検出電極の中の1つの検出電極を備え、前記検出構成の前記それぞれの遮蔽導体は、前記検出電極用のシールドを備える、請求項1に記載のイオン検出器。
  3. 前記検出電極用の前記シールドは、前記検出電極の周りに導電面を備え、前記検出電極から絶縁される、請求項2に記載のイオン検出器。
  4. 前記検出電極用の前記シールドは、誘電材料で作られ、外部金属塗装が施され、前記外部金属塗装は前記補償信号を受信するよう構成される、請求項3に記載のイオン検出器。
  5. 前記検出構成の信号搬送部は、前記複数の検出電極の中の1つの検出電極と前記前置増幅器との間に接続部を備え、前記検出構成の前記それぞれの遮蔽導体は、前記接続部用のシールドを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  6. 前記前置増幅器は、前記複数のイメージ電流信号からの第1のイメージ電流信号を受信するよう構成された第1の電圧緩衝器を備え、
    前記補償回路は、第1の補償信号を前記検出構成の第1の遮蔽導体に提供するよう構成され、前記第1の補償信号は、前記第1の電圧緩衝器の出力を含み、それにより、前記第1の補償信号は、前記第1のイメージ電流信号に基づく、請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  7. 前記補償回路は、前記複数の検出イメージ電流信号からの第2のイメージ電流信号に基づいて、第2の補償信号を提供するようさらに構成され、前記第2の補償信号は、前記検出構成の第2の遮蔽導体に提供され、前記検出構成の前記第2の遮蔽導体と前記検出構成のそれぞれの第2の信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前記前置増幅器出力信号の前記信号対雑音比に影響を及ぼし、
    前記前置増幅器は、前記第2のイメージ電流信号を受信するよう構成された第2の電圧緩衝器をさらに備え、前記第2の補償信号は、前記第2の電圧緩衝器の出力を含む、請求項6に記載のイオン検出器。
  8. 前記検出構成の第1の信号搬送部は、第1の検出電極を備え、前記第1の遮蔽導体は、前記第1の検出電極用の第1のシールドを備え、前記第2の信号搬送部は、第2の検出電極を備え、前記第2の遮蔽導体は、前記第2の検出電極用の第2のシールドを備える、請求項7に記載のイオン検出器。
  9. 前記第1の電圧緩衝器は、ドレインを含むトランジスタを備え、前記補償回路は、前記トランジスタの前記ドレインにドレイン補償信号を提供するようさらに構成される、請求項6〜8のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  10. 前記前置増幅器は、前記第1の電圧緩衝器の前記出力および前記第2の電圧緩衝器の前記出力を受信して差動出力を提供するよう構成された差動増幅器をさらに備え、前記差動増幅器は、前記ドレイン補償信号を提供するようさらに構成される、請求項7に従属する際の請求項9に記載のイオン検出器。
  11. 前記ドレイン補償信号は、前記第2のイメージ電流信号に基づく、請求項7に従属する際の請求項10または9に記載のイオン検出器。
  12. 前記差動増幅器は、前記第1の電圧緩衝器の前記出力を受信するよう構成された第1の増幅トランジスタと、前記第2の電圧緩衝器の前記出力を受信するよう構成された第2の増幅トランジスタとを備え、前記第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成され、前記ドレイン補償信号は、前記第2の増幅トランジスタの前記ドレイン側の信号から提供される、請求項10に記載のイオン検出器。
  13. 前記ドレイン補償信号は、第1のドレイン補償信号であり、前記第2の電圧緩衝器は、ドレインを含むトランジスタを備え、前記少なくとも1つの補償信号は、前記第2の電圧緩衝器の前記トランジスタの前記ドレインに提供される第2のドレイン補償信号をさらに含み、前記第2のドレイン補償信号は、前記第1の増幅トランジスタの前記ドレイン側の信号から提供される、請求項12に記載のイオン検出器。
  14. 前記補償回路は、前記検出構成の第1の遮蔽導体シールドに第1のシールド補償信号を提供し、前記検出構成の第2の遮蔽導体シールドに第2のシールド補償信号を提供するよう構成され、前記第1のシールド補償信号と前記第2のシールド補償信号は同じ電圧を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  15. 前記第1の遮蔽導体シールドは、前記複数の検出電極からの第1の検出電極用のシールドを備え、前記第2の遮蔽導体シールドは、前記第の検出電極と前記前置増幅器との間の接続部用のシールドを備える、請求項14に記載のイオン検出器。
  16. 前記複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置され、電圧源に接続するよう構成された遮蔽導体
    をさらに備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  17. 前記前置増幅器は、複数の増幅トランジスタ対を備える差動増幅器を備え、各増幅トランジスタ対は、第1のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第1の増幅トランジスタと、第2のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第2の増幅トランジスタとを備え、各増幅トランジスタ対の前記それぞれの第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成され、前記複数の増幅トランジスタ対は、並列に配列される、請求項1〜16のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の質量分析器とイオン検出器とを備える質量分析計。
  19. イオンが閉じ込められるイオントラッピングボリュームを定義するトラッピング場を提供するよう構成されたトラッピング場生成器と、
    複数の検出電極を使用して、前記イオントラッピングボリュームに捕捉されたイオンからイメージ電流を検出するよう構成された検出構成と、
    前記複数の検出電極の中の第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置される遮蔽導体と、
    前記複数の検出電極のうちの少なくとも1つで検出されたイメージ電流に基づいて決定される電圧を前記遮蔽導体に印加し、前記遮蔽導体と、前記検出構成の信号搬送部との間のキャパシタンスを低減させるよう構成されたコントローラと
    を備える、静電イオントラッピングデバイス。
  20. イオンに、ある周期で振動するイオンパケットを形成させる質量分析器のイオン検出方法であって、
    検出構成の一部を形成する複数の検出電極を使用して複数のイメージ電流信号を検出する工程であって、前記検出構成は、前置増幅器をさらに備え、前記前置増幅器は、前記複数の検出イメージ電流信号に基づいて出力信号を提供するよう構成され、前記出力信号は、ある信号対雑音比を有する、工程と、
    少なくとも1つの補償信号を提供する工程であって、各補償信号は、前記検出構成のそれぞれの遮蔽導体に提供され、前記複数の検出イメージ電流信号のうちの1つまたは複数に基づく、工程と
    を含み、
    前記検出構成の前記遮蔽導体の各々と前記検出構成のそれぞれの信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前記前置増幅器出力信号の前記信号対雑音比に影響を及ぼ
    前記補償回路は、各キャパシタンスを低減させ、信号対雑音比を改善するように構成されている、方法。
  21. 前記検出構成の信号搬送部は、前記複数の検出電極の中の1つの検出電極を備え、前記検出構成の前記それぞれの遮蔽導体は、前記検出電極用のシールドを備える、請求項20に記載の方法。
  22. 前記検出電極用の前記シールドは、前記検出電極の周りに導電面を備え、前記検出電極から絶縁される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記検出構成の信号搬送部は、前記複数の検出電極の中の1つの検出電極と前記前置増幅器との間に接続部を備え、前記検出構成の前記それぞれの遮蔽導体は、前記接続部用のシールドを備える、請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記前置増幅器は、前記複数のイメージ電流信号からの第1のイメージ電流信号を受信するよう構成された第1のトランジスタ電圧緩衝器を備え、
    前記少なくとも1つの補償信号は、前記検出構成の第1の遮蔽導体に提供される第1の補償信号を含み、前記第1の補償信号は、前記第1のトランジスタ電圧緩衝器の出力を含み、それにより、前記第1の補償信号は、前記第1のイメージ電流信号に基づく、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの補償信号は、前記複数の検出イメージ電流信号からの第2のイメージ電流信号に基づいて、第2の補償信号をさらに含み、前記第2の補償信号は、前記検出構成の第2の遮蔽導体に提供され、前記検出構成の前記第2の遮蔽導体と前記検出構成のそれぞれの第2の信号搬送部との間にはキャパシタンスが存在し、前記前置増幅器出力信号の前記信号対雑音比に影響を及ぼし、
    前記前置増幅器は、前記第2のイメージ電流信号を受信するよう構成された第2のトランジスタ電圧緩衝器をさらに備え、前記第2の補償信号は、前記第2のトランジスタ電圧緩衝器の出力を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記検出構成の第1の信号搬送部は、第1の検出電極を備え、前記第1の遮蔽導体は、前記第1の検出電極用の第1のシールドを備え、前記第2の信号搬送部は、第2の検出電極を備え、前記第2の遮蔽導体は、前記第2の検出電極用の第2のシールドを備える、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第1の電圧緩衝器は、ドレインを含むトランジスタを備え、前記少なくとも1つの補償信号は、前記トランジスタの前記ドレインに提供されるドレイン補償信号をさらに含む、請求項23〜25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記前置増幅器の差動増幅器で前記第1のトランジスタ電圧緩衝器の前記出力および前記第2のトランジスタ電圧緩衝器の前記出力を受信する工程と、
    前記差動増幅器から差動出力を提供する工程と
    をさらに含み、
    少なくとも1つの補償信号を提供する前記工程は、前記差動増幅器から前記ドレイン補償信号を提供する工程を含む、請求項25に従属する際の請求項27に記載の方法。
  29. 前記ドレイン補償信号は、前記第2のイメージ電流信号に基づく、請求項25に従属する際の請求項28または27に記載の方法。
  30. 前記差動増幅器は、前記第1のトランジスタ電圧緩衝器の前記出力を受信するよう構成された第1の増幅トランジスタと、前記第2のトランジスタ電圧緩衝器の前記出力を受信するよう構成された第2の増幅トランジスタとを備え、前記第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成され、前記ドレイン補償信号は、前記第2の増幅トランジスタの前記ドレイン側の信号から提供される、請求項28に記載の方法。
  31. 前記ドレイン補償信号は、第1のドレイン補償信号であり、前記第2の電圧緩衝器は、ドレインを含むトランジスタを備え、前記少なくとも1つの補償信号は、前記第2の電圧緩衝器の前記トランジスタの前記ドレインに提供される第2のドレイン補償信号をさらに含み、前記第2のドレイン補償信号は、前記第1の増幅トランジスタの前記ドレイン側の信号から提供される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1つの補償信号は、前記検出構成の第1の遮蔽導体シールドに提供される第1のシールド補償信号と、前記検出構成の第2の遮蔽導体シールドに提供される第2のシールド補償信号とを含み、前記第1のシールド補償信号と前記第2のシールド補償信号は同じ電圧を有する、請求項20〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記第1の遮蔽導体シールドは、前記複数の検出電極からの第1の検出電極用のシールドを備え、前記第2の遮蔽導体シールドは、前記第の検出電極と前記前置増幅器との間の接続部用のシールドを備え得る、請求項32に記載の方法。
  34. 前記複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置される、電圧と結合された遮蔽導体を提供する工程
    をさらに含む、請求項20〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記前置増幅器は、複数の増幅トランジスタ対を備える差動増幅器を備え、各増幅トランジスタ対は、第1のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第1の増幅トランジスタと、第2のイメージ電流信号に基づいて信号を受信するよう構成されたそれぞれの第2の増幅トランジスタとを備え、各増幅トランジスタ対の前記それぞれの第1および第2の増幅トランジスタは、差動対として構成され、前記複数の増幅トランジスタ対は、並列に配列される、請求項20〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. イオントラッピングボリュームにイオンを捕捉する工程と、
    複数の検出電極を使用して、前記イオントラッピングボリュームに捕捉されたイオンからイメージ電流を検出する工程と、
    前記複数の検出電極からの第1の検出電極と第2の検出電極との間に配置される遮蔽導体を提供する工程と、
    前記複数の検出電極のうちの少なくとも1つで検出されたイメージ電流に基づいて決定される電圧を前記遮蔽導体に印し、前記遮蔽導体と、前記第1の検出電極および前記第2の検出電極を含む検出構成の信号搬送部との間のキャパシタンスを低減させる工程と
    を含む、静電イオントラッピング方法。
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