JP6002444B2 - 水冷式空調システム - Google Patents
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Description
さらに、熱交換器出入りを結ぶバイパス配管を還水の一部を設け熱交換器入口側に戻して熱交換器熱量を制御可能とする技術が提案されている(例えば特許文献2)。
(1)冷水発生源である熱源機(2a)と、熱源機(2a)で作られた冷水を往水側ヘッダー(2d)に供給する熱源機出側配管(2c)と、還水側ヘッダー(2e)からの還水を熱源機(2a)に戻す熱源機入側配管(2f)と、両ヘッダー間を直接結ぶバイパス配管(2g)と、を備えた熱源機冷水系統(2)と、
往水側ヘッダー(2d)及び還水側ヘッダー(2e)と分岐・合流し、それぞれ空調機(5,6)に冷水を供給する分岐循環系統Aと、分岐循環系統Bと、を備えて成り、
各空調機(5,6)は、冷水と空調対象室(7)の空気とを熱交換させて、冷風を室内に給気可能に構成し、
分岐循環系統Aは、空調機(5)入り側に流量制御手段(3d)と、空調機出側に出口温度計測手段(S1)と、を備え、
分岐循環系統Bは、空調機(6)出の還水を再度空調機(6)に戻す再循環配管(4e)と、再循環配管経路中に再循環ポンプ(4c)と、を備え、
往水側ヘッダーと還水側ヘッダーの温度差(往還温度差:ΔTh)に対応して、
分岐循環系統Aに属する空調機(5)について、給気温度を一定に制御する給気温度一定制御、
分岐循環系統Bについて、再循環ポンプ(4c)を稼働させて空調機(6)出の還水を再度空調機(6)に戻す再循環運転制御、
分岐循環系統Aに属する空調機(5)について、空調機出口水温を一定に制御する出口水温一定制御、又は、
熱源機(2a)の冷水温度を上昇させる熱源機冷水温度制御、
のいずれか、又は、これらを複合させて制御可能に構成したことを特徴とする。
(a−1)システム全体として大〜中程度の空調負荷である場合において、系統Bの中に冷房負荷が小さい系統が存在する。
(a−2)システム全体として中程度の空調負荷である場合において、系統Aの中に入出温度差がとれない空調機が存在する。
(b)システム全体として中〜小、又は小程度の空調負荷である場合において、往還ヘッダー間のバイパス量が多い。
(a−1)のケースでは、系統Bについて還水を再循環することにより入口水温を上昇させ、還水温度を上昇させる。
(a−2)のケースでは、系統Aについて流量制御弁の制御方式を変更して、空調機出口水温を上昇させ、還り水温を上昇させる。
(b−1)中〜小程度の空調負荷の場合は、系統Aについて流量制御弁の開度制御により、空調機出口水温を低下させて循環水量還り水温を増加させバイパス量を減少させる。
(b−2)小程度の空調負荷の場合は、冷凍機の出口水温を上昇させる。
これらの制御により、循環水量の減少及び/又は熱源機の冷水製造のための消費エネルギーの減少が可能となる。
但し、実際のシステムでは、1台の熱源機に1又は複数の冷水系統が接続されるとは限らず、複数熱源機が複数系統に接続される場合もあり、上記原因の特定は容易ではない。このため、以下の各発明を順次実施していくことが実際的であり、これにより効率的な運転制御が可能となる。以上をまとめると図5の通りである。
(2)上記(1)の水冷式空調システムにおいて、
制御開始時には、分岐循環系統Aについて前記給気温度一定制御により運転し、
往還温度差(ΔTh)が所定の閾値(TL)を下回る状態に至ったときは、全ての空調対象室(7)の室内温度(Tr)が所定の許容値内にあることを条件として、分岐循環系統Bについて前記再循環運転制御により運転する、
ことを特徴とする。
全ての空調対象室(7)の室内温度(Tr)が所定の許容値内にあることを条件として、流量制御手段(3d)の制御により、出口水温設定値(Tws)を下限設定値(TWL)に至るまで下げて、往還温度差を大きくする制御を行う、
ことを特徴とする。
分岐循環系統Aについて、空調機出口水温設定値(Tws)を下限設定値(Tx)に至るまで下げて、往還温度差を確保する制御を行うことを特徴とする水冷式空調システムにおける運転制御方法。
図1(a)を参照して、空調システム1は、熱源機冷水系統2と分岐循環系統3とにより構成されている。熱源機冷水系統2は、冷水発生源である熱源機2aと、熱源機2aで作られた冷水を往水側ヘッダー2dに供給する熱源機出口配管2cと、還水側ヘッダー2eからの還水を熱源機2aに戻す熱源機入口配管2fと、両ヘッダー間を直接結ぶバイパス配管2gと、により構成されている。
系統Aは再循環回路を持たない系統であり往水側ヘッダー2dと空調機とを結び、空調機に冷水を供給する往水配管3aと、空調機と還水側ヘッダー2eとを結び、還水を熱源機に戻す還水配管3bと、往水配管経路中に配設される流量制御弁3dと、還水配管経路中に配設される温度センサS1と、を備えて構成されている。後述するように、温度センサの計測値に基づいて流量制御弁の開度を調整可能に構成されている。
なお、図1では系統Aについて2つの系統を示しているが、さらに多くの系統を備えることもできる。また、2つの系統を独立して分岐する例を示したが、1系統から並列に分岐する態様とすることもできる。
図2を参照して、制御開始時においては従来制御方式、すなわち、A系統に属する各空調機5は給気温度(吹き出し温度)一定(例えば20℃)となるように、流量制御弁の開度制御が行われる(S101)。制御開始時においては系統Bの再循環ポンプ4cは停止状態にある。
その間、系統A,Bの各空調対象室7の室温(Tr)が温度センサS3により計測され、各部屋の室温が許容温度範囲内(T2≧Tr≧T1)に維持されているか否かが判定される(S104)。
下限値(TL)を下回っている場合には(S105においてY)、再循環制御では往還温度差確保が困難と判定し、次のステップ(STEP2)に移行する。
図3を参照して、本ステップでは系統Aについて前ステップの給気温度一定制御(S101)から、空調機5の出口水温Tw一定(例えばTw=13℃)とする制御(出口水温一定制御)に変更される(S201)。
制御中は系統A,Bの各空調対象室7の室温(Tr)が許容温度範囲内(T2+β≧Tr≧T2−β)に維持されているか否かが判定される(S202)。
許容温度範囲内に維持されている場合には(S202においてY)、出口水温制御(制御B)により室温制御が円滑に行われていることを示していると判断され、さらに該当する空調機について、流量制御弁3dの操作により出口水温設定値を+1℃上昇させ(S203)、出口温度一定制御を継続する(S202へ)。
許容温度範囲から外れている場合には(S202においてN)、出口水温設定値が上限設定値(TwH)に至るまでは(S204においてN)、出口水温設定値を1℃下げ(S205)、出口温度一定制御を継続する(S202へ)。
S204においてY、すなわち出口水温設定値が下限設定値(TwL)に至った場合には、従来制御方式に戻して(S206)、さらに次のステップ(STEP3)に移行する。
図4を参照して、本ステップでは、系統Aについて前ステップの出口水温一定制御から、従来制御方式に変更される(S301)。これにより、系統Aに属する各空調機5は給気温度一定となるように流量制御弁3dの開度制御が行われる。系統Bの再循環ポンプ4cは停止状態とする。
この状態で両ヘッダー間の温度差ΔThが計測され、この値が下限閾値(TL)を下回ったか否かが判定される(S302)。閾値以上の場合には(S302においてN)、従来制御が維持される(S301)。
下限値(TL)を下回っている場合には(S302においてY)、従来制御では往還温度差確保が困難と判定し、出口水温設定値を設定下限値に至るまで1℃ずつ下げる操作を行う(S303、S304)。
出口水温設定値が下限設定値(Tx)に至った場合には(S303においてY)、本ステップを終了してさらに次のステップ(STEP4)に移行する(S305)。
2・・・・熱源機冷水系統
2a・・・熱源機
2d・・・往水側ヘッダー
2e・・・還水側ヘッダー
2f・・・冷却水系統制御部
3・・・・分岐循環系統
3d・・・流量制御弁
4c・・・再循環ポンプ
4e・・・再循環配管
5、6・・・・空調機
7・・・・空調対象室
S1〜S3・・・・温度センサ
Claims (5)
- 冷水発生源である熱源機(2a)と、熱源機(2a)で作られた冷水を往水側ヘッダー(2d)に供給する熱源機出側配管(2c)と、還水側ヘッダー(2e)からの還水を熱源機(2a)に戻す熱源機入側配管(2f)と、両ヘッダー間を直接結ぶバイパス配管(2g)と、を備えた熱源機冷水系統(2)と、
往水側ヘッダー(2d)及び還水側ヘッダー(2e)と分岐・合流し、それぞれ空調機(5,6)に冷水を供給する分岐循環系統Aと、分岐循環系統Bと、を備えて成り、
各空調機(5,6)は、冷水と空調対象室(7)の空気とを熱交換させて、冷風を室内に給気可能に構成し、
分岐循環系統Aは、空調機(5)入り側に流量制御手段(3d)と、空調機出側に出口温度計測手段(S1)と、を備え、
分岐循環系統Bは、空調機(6)出の還水を再度空調機(6)に戻す再循環配管(4e)と、再循環配管経路中に再循環ポンプ(4c)と、を備え、
往水側ヘッダーと還水側ヘッダーの温度差(往還温度差:ΔTh)に対応して、
分岐循環系統Aに属する空調機(5)について、給気温度を一定に制御する給気温度一定制御、
分岐循環系統Bについて、再循環ポンプ(4c)を稼働させて空調機(6)出の還水を再度空調機(6)に戻す再循環運転制御、
分岐循環系統Aに属する空調機(5)について、空調機出口水温を一定に制御する出口水温一定制御、又は、
熱源機(2a)の冷水温度を上昇させる熱源機冷水温度制御、
のいずれか、又は、これらを複合させて制御可能に構成したことを特徴とする水冷式空調システム。 - 請求項1に記載の水冷式空調システムにおいて、
制御開始時には、分岐循環系統Aについて前記給気温度一定制御により運転し、
往還温度差(ΔTh)が所定の閾値(TL)を下回る状態に至ったときは、全ての空調対象室(7)の室内温度(Tr)が所定の許容値内にあることを条件として、分岐循環系統Bについて前記再循環運転制御により運転する、
ことを特徴とする水冷式空調システムにおける運転制御方法。 - 請求項2において、
往還温度差が所定の閾値(TL)を下回る状態が継続する場合には、分岐循環系統Aにについて前記出口水温一定制御に移行し、かつ、
全ての空調対象室(7)の室内温度(Tr)が所定の許容値内にあることを条件として、流量制御手段(3d)の制御により、出口水温設定値(Tws)を下限設定値(TWL)に至るまで下げて、往還温度差を大きくする制御を行う、
ことを特徴とする水冷式空調システムにおける運転制御方法。 - 請求項3の制御によっても、なお、往還温度差が所定の閾値(TL)を下回る状態が継続する場合には、分岐循環系統Aについて前記給気温度一定制御に戻し、
分岐循環系統Aについて、空調機出口水温設定値(Tws)を下限設定値(Tx)に至るまで下げて、往還温度差を確保する制御を行うことを特徴とする水冷式空調システムにおける運転制御方法。 - 請求項4の制御によっても、なお、往還温度差が所定の閾値(TL)を下回る状態が継続する場合には、
熱源機出口水温を段階的に上げていくことを特徴とする水冷式空調システムにおける運転制御方法。
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