しかしながら、このような割り装置では、次の通りの解決すべき問題がある。第1に、この割り装置は、銀杏などの果実種の外殻を単に亀裂を生じさせるに留まるものであり、それ故に、外殻の亀裂からこの外殻を取り外して実(種核)を取り出す必要がある。この実(種核)の取出し作業は手作業となり、その作業が煩雑となる。
第2に、銀杏などの果実種の外殻を割る場合、押圧力を加える方向にばらつきがあると、亀裂の生じ方にばらつきが発生し、外殻と実(種核)を割りにくい状態が発生することがあり、このようなことから、押圧力を加える方向を一定にすることが重要であるが、この割り装置では、果実種の姿勢を整えるための手段が採用されておらず、従って、割れやすい亀裂が安定して発生せず、かえってこの果実種の外殻と実(種核)が分離しづらいことになっている。
本発明の目的は、果実種の内側の実(種核)に傷を付けることなく、果実種の外殻を割った後に実(種核)から外殻を分離して外殻と実(種核)とを分別することができる果実種の殻割り分離分別装置を提供することである。
本発明の他の目的は、果実種の外殻を割る前にその姿勢を整え、且つ殻割りするまで一定の姿勢で搬送することにより、殻割りの際の力の方向を一定にし、これによって、外殻を確実に割ることができる果実種の殻割り分離分別装置を提供することである。
本発明の請求項1に記載の果実種の殻割り分離分別装置は、果実種を供給するための供給手段と、果実種の外殻を割る殻割り手段と、前記果実種供給手段から供給される供給域から前記殻割り手段に送給する送給域まで果実種を搬送するための果実種搬送手段と、前記殻割り手段にて外殻を割った果実種を外殻と実(種核)とに分離して分別するための分離分別手段とを備え、
前記果実種搬送手段は、前記供給域から前記送給域に向けて延びる搬送レール部材と、前記搬送レール部材の上方に配設された無端状部材と、前記無端状部材に間隔をおいて取り付けられた押し部材とを備え、前記搬送レール部材の表面には、前記送給域に向けて延びる溝部が設けられており、
前記無端状部材が所定方向に移動されると、前記果実種供給手段から供給された果実種は、前記押し部材の作用によって前記搬送レール部材に沿って前記供給域から前記送給域に向けて搬送され、果実種の底部が前記搬送レール部材の前記溝部に沈んで搬送されることによって、搬送方向に細長い姿勢に整えられることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記搬送レール部材は、前記供給域から延びる第1レール部と、前記第1レール部の先端部から前記送給域に向けて延びる第2レール部とを含み、前記第1レール部は平坦状であり、前記第2レール部に前記溝部が設けられ、前記第1レール部の搬送面と前記第2レール部の前記溝部の底面とが同一面を規定していることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記殻割り手段は、果実種を挟持して外殻を割るための一対の挟持部材と、前記一対の挟持部材を相互に近接及び離隔する方向に移動させるための移動機構と、前記移動機構を駆動する移動駆動源とを備えており、
果実種の外殻を割るときには、前記一対の挟持部材は、前記移動駆動源及び前記移動機構によって、相互に近接する方向に移動されて果実種を挟持し、この挟持状態から更に相互に近接する方向に所定割り量移動されて果実種の外殻を割ることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記一対の挟持部材に関連して、果実種を弾性的に押圧保持するための弾性押圧手段が設けられ、前記一対の挟持部材は、前記弾性押圧手段により弾性的に押圧保持された状態にて果実種を挟持保持することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記一対の挟持部材の各々は、果実種を挟持保持するための少なくとも二つの挟持部を有し、前記一対の挟持部材の前記少なくとも二つの挟持部は、果実種の長軸方向に間隔をおいた部位を挟持保持することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記一対の挟持部材の各々は、果実種を挟持保持するための一対の挟持部を有し、前記一対の挟持部材のうちの一方の挟持部材の各挟持部には、他方の挟持部材に向けて外側に傾斜する傾斜面が設けられ、また前記他方の挟持部材の各挟持部には、前記一方の挟持部材に向けて外側に傾斜する傾斜面が設けられ、前記一方の挟持部材及び前記他方の挟持部材の前記傾斜面には切欠き部又は溝部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の果実種の分離分別装置では、前記一方の挟持部材の前記傾斜面は、前記他方の挟持部材に向けて外側に20〜45度傾斜して延び、また前記他方の挟持部材の前記傾斜面は前記一方の挟持部材に向けて外側に20〜45度傾斜して延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記一対の挟持部材の一方は、果実種を挟持保持するための一対の挟持部を有し、前記一対の挟持部は、果実種の長軸方向に間隔をおいた部位を保持し、前記一対の挟持部材の他方は、果実種を保持するための一つの挟持部を有し、前記一つの挟持部は、前記一対の挟持部の間にて果実種を保持することを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載の殻割り分離分別装置では、前記分離分別手段は、所定方向に回転駆動される分離分別ドラムを備え、前記分離分別ドラムは、前記殻割り手段にて外殻が割られた果実種が投入される一端側から他端側に向けて下方に傾斜して配設され、前記分離分別ドラムの内周面には、軸方向に間隔をおいて複数の環状仕切り壁が設けられているとともに、周方向に間隔をおいて持上げ部材が設けられており、
前記分離分別ドラムが所定方向に回動すると、前記分離分別ドラムの前記一端側に投入された果実種は、前記持上げ部材により上方に持ち上げられた後落下することによって他端側に移動されるとともに衝撃が加えられ、前記他端側に移動される間に、外殻が外れた果実種は、外殻と実(種核)とに分離されることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記分離分別ドラムに、所定方向に回動されるドラム本体を備え、前記ドラム本体には、多数のふるい孔が設けられたふるい部が設けられ、前記ドラム本体の回動に伴い前記持上げ部材により上方に持ち上げられた果実種は、前記ドラム本体の壁部に落下した後前記ふるい部に流れ、前記ドラム本体の前記壁部に落下する衝撃によって外殻が割れて外殻と実(種核)とに分離され、前記ふるい部において外れた外殻が前記ふるい孔を通して下方に落下することを特徴とする。
また、本発明の請求項11に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記ドラム本体の内周面には、実質上120度の間隔をおいて前記持上げ部材が設けられ、前記ドラム本体の回動方向に見て前記持上げ部材の上流側に前記ふるい部が設けられ、前記持上げ部材の下流側に前記壁部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項12に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記ドラム本体の上部外側には、前記ドラム本体に設けられた前記ふるい部に作用して目詰まりを防止する目詰まり防止部材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項13に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記分離分別ドラムの下方にホッパー部材が配設され、前記ホッパー部材の排出開口に近接して、外れた外殻を回収する殻回収手段が設けられ、前記殻回収手段の外側に、外殻から分離された実(種核)を回収する実回収手段が設けられていることを特徴とする。
更に、本発明の請求項14に記載の果実種の殻割り分離分別装置では、前記分離分別手段は、分離分別された果実種の実(種核)と外殻とを分別するための分別機構とを含み、前記分別機構は、上下方向に傾斜して配設された分別ベルトと、前記分別ベルトの前記傾斜方向下方側に配設された実回収手段と、前記分別ベルトの前記傾斜方向上方側に配設された殻回収手段と、を有しており、
前記分別ベルトの上走行部が前記傾斜方向上方側に移動すると、分離分別された果実種の実(種核)は、前記分別ベルトの前記上走行部の傾斜に沿って下方側に移動して前記実回収手段に回収され、この果実種の外殻は、前記分別ベルトの前記上走行部の移動によって前記傾斜方向上方側に搬送されて前記殻回収手段に回収されることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、果実種搬送手段は、供給域から送給域に向けて延びる搬送レール部材と、無端状部材によって移動される押し部材とを含み、搬送レール部材の表面に送給域に向けて延びる溝部が設けられているので、押し部材によって果実種を送給域に向けて搬送すると、この果実種は、その底部が搬送レール部材の溝部に沈んで搬送される。このとき、果実種が略楕円状であると、この溝部に沈み込もうとするために果実種の姿勢が整えられ、その姿勢は、その長軸方向がこの溝部に沈み込む状態となる。そして、送給域まで搬送されると、果実種は所定の姿勢に揃えられ、このように整えられた姿勢でもって外殻を割るので、殻割り手段をもって外殻を確実に割ることができる。
また、本発明の請求項2に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、搬送レール部材の第1レール部は平坦状であり、その第2レール部に溝部が設けられ、この第1レール部の搬送面と第2レール部の溝部の底面とが同一面を規定しているので、第1レール部から第2レール部に移動する際に果実種の底部が第2レール部の溝部に導かれ、この溝部に沈み込んだ状態で送給域に向けて搬送することができる。
また、本発明の請求項3に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、殻割り手段は、果実種を挟持して外殻を割るための一対の挟持部材と、かかる一対の挟持部材を相互に近接及び離隔する方向に移動させるための移動機構とを含み、一対の挟持部材は、相互に近接する方向に移動されて果実種を挟持し、この挟持状態から更に相互に近接する方向に所定割り量移動されて果実種の外殻を割るので、果実種の大きさに対応した動きでもってその外殻を割ることができ、その結果、実(種核)を傷つけることなく外殻を割ることができる。
また、本発明の請求項4に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、果実種を弾性的に押圧保持するための弾性押圧手段が設けられ、この弾性押圧手段でもって弾性保持した状態でもって一対の挟持部材が果実種を挟持保持するので、一対の挟持部材でもって果実種を確実に挟持保持することができる。
また、本発明の請求項5に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、一対の挟持部材は少なくとも二つの挟持部を有し、かかる少なくとも二つの挟持部が果実種の長軸方向に間隔をおいた部位を挟持保持するので、果実種を確実に挟持保持することができるとともに、殻割りの際にこれら挟持部が果実種の外殻に効果的に作用して外殻を確実に割ることができる。
また、本発明の請求項6に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、一対の挟持部材のうちの一方の挟持部材の各挟持部には、他方の挟持部材に向けて外側に傾斜する傾斜面が設けられ、また他方の挟持部材の各挟持部には、一方の挟持部材に向けて外側に傾斜する傾斜面が設けられているので、一方の挟持部材の傾斜面が片側から果実種に作用すると共に、他方の挟持部材の傾斜面が他側から果実種に作用し、果実種を所要の通りに挟持して外殻を割ることができる。また、一方の挟持部材及び他方の挟持部材の傾斜面に切欠き部又は溝部が設けられているので、これら切欠き部又は溝部により傾斜面に挟持突部が生じ、これら挟持突部によって果実種を確実に挟持して外殻を割ることができる。
また、本発明の請求項7に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、一方の挟持部材の傾斜面は、他方の挟持部材に向けて外側に20〜45度傾斜して延び、また他方の挟持部材の傾斜面は一方の挟持部材に向けて外側に20〜45度傾斜して延びているので、これら傾斜面は果実種の外形にほぼ対応し、果実種を所要の通りに挟持保持することができる。
また、本発明の請求項8に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、一対の挟持部材の一方は、果実種の長軸方向に間隔をおいて作用する一対の挟持部を有し、それらの他方は、一対の挟持部の間にて果実種に作用する一つの挟持部を有するので、少ない挟持部でもって果実種を確実に挟持保持することができるとともに、殻割りの際にこれら挟持部が果実種の外殻に効果的に作用して外殻を確実に割ることができる。
また、本発明の請求項9に記載の殻割り分離分別装置によれば、分離分別手段の分離分別ドラムは、果実種が投入される一端側から他端側に向けて下方に傾斜して配設され、この分離分別ドラムの内周面には、軸方向に間隔をおいて複数の環状仕切り壁が設けられているとともに、周方向に間隔をおいて持上げ部材が設けられているので、投入された果実種は、分離分別ドラムの回動に伴って、持上げ部材により上方に持ち上げられた後落下し、この落下の際に他端側に移動され、かくして、分離分別ドラムの回動を利用して果実種を他端側に移動させるとともに衝撃を加えることができ、そして、この他端側に移動される間に、外殻が外れた果実種の外殻と実(種核)とを分離することができる。
また、本発明の請求項10に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、分離分別ドラムのドラム本体にふるい部が設けられているので、果実種の実(種核)から取り除かれた外殻は、このふるい部のふるい孔を通して下方に落下し、これによって、果実種の実(種核)と外殻を分別することができる。また、ドラム本体の回動に伴い持上げ部材により上方に持ち上げられた果実種は、ドラム本体の壁部に落下した後ふるい部に流れるので、落下する衝撃を利用して果実種の外殻と実(種核)とを分離することができ、またこの分離した外殻及び実(種核)がふるい部に流れるので、このふるい部で外殻を効率よく分別することができる。
また、本発明の請求項11に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、ドラム本体の内周面に実質上120度の間隔をおいて持上げ部材が設けられ、このドラム本体の回動方向に見て持上げ部材の上流側にふるい部が設けられ、その下流側に壁部が設けられているので、持上げ部材により持ち上げられた果実種は、ドラム本体の壁部に向けて落下した後にふるい部に流れるようになり、またドラム本体の2回転毎に3回の割合でもって果実種に衝撃を加えて分別することができ、果実種の外殻の分離、分別を効率よく行うことができる。
また、本発明の請求項12に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、ドラム本体の上部外側に目詰まり防止部材が設けられているので、この目詰まり防止部材が分離分別ドラムのふるい部に詰まった外殻に作用して落下させるので、ふるい部の目詰まりを防止することができる。
また、本発明の請求項13に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、分離分別ドラムの下方にホッパー部材が配設され、このホッパー部材の排出開口に近接して殻回収手段が設けられ、また殻回収手段の外側に実回収手段が設けられているので、比較的軽い外殻は、排出開口に近い殻回収手段に回収され、また比較的重い実(種核)は、排出開口から離れた実回収手段に回収され、ホッパー部材の排出開口を通して排出される速度を利用して外殻と実(種核)とを分別することができる。
また、本発明の請求項14に記載の果実種の殻割り分離分別装置によれば、殻割り手段にて外殻を割った果実種を外殻と実(種核)とに分離して分別するための分離分別手段は、分離分別された果実種の実(種核)と外殻とを分別するための分別機構とを含み、この分別機構は、上下方向に傾斜して配設された分別ベルトを有しているので、この分別ベルトの上走行部が傾斜方向上方側に移動すると、分離分別ドラムにて分離分別された果実種の実(種核)は、分別ベルトの上走行部の傾斜に沿って下方側に移動して実回収手段に回収され、また果実種の外殻は、分別ベルトの上走行部の移動によって傾斜方向上方側に搬送されて殻回収手段に回収され、このように分別ベルトの傾斜とその上走行部の移動方向を利用して果実種の実(種核)と外殻とを確実に分離することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う殻割り分離分別装置の一実施形態について説明する。図1において、図示の殻割り分離分別装置2は、果実種としての銀杏を供給するための果実種供給手段4と、果実種供給手段4から供給された銀杏の外殻を割る殻割り手段6と、果実種供給手段4から供給された銀杏を殻割り手段6に向けて搬送するための果実種搬送手段8と、殻割り手段6にて外殻が割れた銀杏の外殻を実(種核)から分離して分別する分離分別手段10とを備え、更に、果実種搬送手段8と殻割り手段6との間に、果実種搬送手段8により搬送された銀杏を殻割り手段6に移送するための果実種移送手段12が設けられている。
この殻割り分離分別装置2による殻割り、分離及び分別を概説すると、次の通りである。果実種供給手段4からは、矢印7で示すように、銀杏が一つずつ果実種搬送手段8に供給される。果実種搬送手段8の上流側部には供給域14が設けられ、果実種搬送手段8からの銀杏は、後述するようにして果実種搬送手段8の供給域14に供給される。果実種移送手段12には送給域16が設けられ、果実種搬送手段8は、矢印11で示すように、果実種供給手段4からの銀杏を果実種移送手段12の送給域16に搬送し、この搬送の間に銀杏を外殻を割りやすい姿勢に整える。
また、殻割り手段6には殻割り域18が設けられ、果実種移送手段12に搬送された銀杏は、矢印13で示すように、果実種移送手段12によって殻割り域18に移送される。殻割り域18においては、殻割り手段6が銀杏を後述するように挟持保持して外殻を割り、外殻が割られた銀杏は、矢印15で示すように、分離分別手段10に投入される。分離分別手段10は、銀杏の実(種核)を回収する実回収手段20及び銀杏の殻を回収する殻回収手段21を備え、殻割り手段18に投入された銀杏(外殻が割られたもの)は、この分離分別手段10によって後述するように実(種核)から外殻が分離され、外殻が除かれた実(種核)は実回収手段20に回収され、実(種核)から分離された比較的大きな外殻及び外殻が外れなかった銀杏は、後述するようにして殻回収手段21に回収される。
次に、図2及び図3を参照して、果実種供給手段4について説明する。図2及び図3において、図示の果実種供給手段4は、銀杏22を収容する収容槽24と、この収容槽24から供給域14に延びる案内手段25を備えている。収容槽24は、支持基板26と、この支持基板26に取り付けられた環状壁部28と、矢印30で示す方向に回動される回転テーブル32とを備えている。支持基板26は、複数の脚部材33を介して供給ベース部材(図示せず)に支持され、この供給ベース部材が工場の床面などに設置される。
環状壁部28の内側には支持プレート34が配設され、この支持プレート34が支持部材36を介して支持基板26に支持されている。回転テーブル32は、支持プレート34の上方に配設され、その中心部に中心軸部38が設けられ、この中心軸部38が軸受40を介して支持プレート34に取り付けられた支持スリーブ42に回転自在に支持されている。また、支持基盤26には、駆動源としての駆動モータ44が取り付けられ、この駆動モータ44の出力軸46が連結手段48を介して回転テーブル32の中心軸部38に駆動連結されている。このように構成されているので、駆動モータ44が作動すると、その出力軸46、連結手段48及び中心軸部38を介して回転テーブル32が所定方向(矢印30で示す方向)に回動される。
この形態では、収容槽24の環状壁部28及び回転テーブル32が収容空間50を規定し、この収容空間50内に、後述する如くして外殻を取り除く銀杏22が収容される。回転テーブル32の上面は、径方向外方に向けて下方に傾斜しており、従って、収容空間50内に収容された銀杏22は、回転テーブル32の所定方向の回動に伴って径方向外方に移動する。
回転テーブル32の上述した構成に関連して、環状壁部28の所定部位に流出開口52が設けられ、また流出開口52に隣接して環状壁部28の内面には、案内片54が設けられている。案内手段25は、収容槽24の流出開口52から果実種搬送手段8の供給域14まで延びている。案内手段25は、供給域14に向けて下方に傾斜して延びる案内プレート56を備え、この案内プレート56の両側部にガイド部58が設けられている。この案内プレート56は支持部材60を介して支持基板26に支持されている。
案内手段25の所定部位には、銀杏22の移動を阻止する移動阻止片61が設けられ、この移動阻止片61の上流側に押出し制御片62が設けられている。この押出し制御片62は、案内プレート56の開口を通して上方に突出する押出し位置(図3に一点鎖線で示す位置)と、案内プレート56の開口を通してその下方に位置する後退位置(図3に実線で示す位置)との間を移動自在に設けられている。この押出し制御片62は取付部材64を介して作動源66(例えば、空圧シリンダ機構から構成される)の出力部に連結されている。作動源66が非作動のときには、押出し制御片62は上記後退位置に保持され、銀杏22は、図2に示すように、押出し制御片62の上方を通過して移動阻止片61に当接してその移動が阻止され、また作動源66が作動すると、押出し制御片62は上方に移動して、移動阻止片61に当接して停止している銀杏22に作用し、押し上げられた銀杏22は、移動阻止片61を乗り越えるようにして案内プレート56に沿って供給域14に向けて供給される。
この実施形態では、更に、収容槽24の流出開口52の近傍から押出し制御片62の近傍にわたって案内プレート56の上方が上カバー68により覆われており、このように上カバー68を設けることによって、移動阻止片61に向けての移動の際に銀杏22が上方に飛び上がるのを防止している。また、上カバー68の先端部が下流側に向けて上方に傾斜している(図3参照)が、これは押出し制御片62によって押し上げられた銀杏22が移動阻止片61を乗り越えて下流側に導かれるようにするためである。更に、案内プレート56を支持する支持部材60に加振手段70が設けられている。この加振手段70は、例えば、電動シリンダ機構、エアシリンダ機構(所謂、ハンマシリンダ)などから構成され、案内プレート56に振動を加えて、案内手段25での銀杏22の詰まりを防止している。
果実種供給手段4による銀杏22の供給は、次のようにして行われる。駆動モータ44によって回転テーブル32が所定方向に回動され、この回動によって、収容空間50内の銀杏22は、矢印30で示す方向に移動しながら径方向外方に移動する。そして、このようにして収容槽24の環状壁部28内周面に沿って移動する銀杏22は、案内片54に当接して流出開口52を通して案内手段25の案内プレート56に導かれる。そして、案内プレート56上を下方に移動する銀杏22は、移動阻止片61に当接して移動が阻止され、移動阻止片61の上流側に溜まる。このような状態において、押出し制御片62が上記押出し位置に移動すると、この押出し制御片62が溜まっていた銀杏22(最下流側のもの)に作用して上方に押し出して下流側に送り、このようにして銀杏22が一つずつ供給域14に供給される。このとき、銀杏22は、一対のガイド部58に案内されながら案内プレート56の上面に沿って流下する。
次に、図4〜図6を参照して、果実種搬送手段8について説明する。図4〜図6において、図示の果実種搬送手段8は、供給域14から果実種移送手段12の送給域16に向けてその近傍まで直線状に延びる搬送レール部材72を備え、この搬送レール部材72は供給域14から延びる第1レール部74と、この第1レール部74から送給域16に向けて延びる第2レール部76を有している。第1レール部74の表面(搬送面として機能する)は平坦状に形成され、第2レール部76の幅方向中央部には、送給域16に向けて直線状に延びる溝部78が設けられている。溝部78の断面形状は、図6に示すように、矩形状に形成され、この溝部78の底面と第1レール部74の表面は実質上同一の面を規定し、この溝部78に第2レール部76を搬送される銀杏22の底部が沈み込むように構成される。尚、溝部78の断面形状は、銀杏22の底部が沈み込む形状であれば、台形状、楕円形状などの適宜の形状でよい。
搬送レール部材72の両側部には、一対のガイド部材80が設けられている。一対のガイド部材80に関し、第1レール部74に対応する領域の上流側部位81の間隔は、第2レール部76に対応する領域の下流部位83の間隔より幾分広くなっており、また上流側部位と下流側部位との接続部に幅方向(図5において上下方向、図6において左右方向)に傾斜する傾斜ガイド部82が設けられている。
この搬送レール部材72は、複数の支持脚84を介して搬送ベース部材86に取り付けられ、この搬送ベース部材86が工場の床面などに設置される。搬送レール部材72の上方には、供給域14から送給域16にわたって延びる無端状チェーン88(無端状部材を構成する)が設けられている。この形態では、搬送ベース部材86に複数の支持柱90が取り付けられ、かかる支持柱90に支持壁92が取り付けられている。支持壁92には、銀杏22の搬送方向に間隔をおいて一対の支持軸94,96が回転自在に支持され、これら支持軸94,96に固定されたスプロケット98,100間に無端状チェーン88が巻き掛けられている。また、支持軸94には駆動源としての駆動モータ102が駆動連結されている。
無端状チェーン88には、所定の間隔をおいて複数の押し部材104が取り付けられている。各押し部材104は、無端状チェーン88に取り付けられた基部106から外側に略直線状に延び、その先端部108は銀杏22の一部を覆うように搬送方向上流側に弧状に延びている。押し部材104をこのような形状にすることによって、その先端弧状部108が銀杏22の一部を覆うように作用し、この銀杏22を上流側から押すようにして送給域16に向けて搬送することができる。
このように構成されているので、駆動モータ102が作動すると、無端状チェーン88の下走行部110が矢印112で示す方向に移動し、この無端状チェーン88の移動とともに押し部材104も同様に移動される。
果実種搬送手段8による銀杏22の搬送は、次のようにして行われる。駆動モータ102によって無端状チェーン88が所定方向に回動され、この無端状チェーン88と一体的に複数の押し部材104が移動する。このように移動すると、供給域14に供給された銀杏22に押し部材104が作用し、押し部材104の移動とともに銀杏22が矢印11で示す方向に移動される。銀杏22が第1レール部74から第2レール部76に移動するとき、一対のガイド部材80の傾斜ガイド部82に案内されて銀杏22の底部は第2レール部76の溝部76に導かれ、この第2レール部76を送給域16に向けて搬送されるときは、銀杏22の底部は第2レール部76の溝部78に沈み込んだ状態で搬送される。
銀杏22は、拡大して示すと、例えば、図4に示すような略楕円形状をしており、第2レール部76の溝部78に沈み込んだ状態で上流側から押すように搬送すると、銀杏22の長軸114の部位がこの溝部78に沈み込む傾向にあり、仮にその短軸116の部位がこの溝部78に沈み込んだとしても送給域16に向けて搬送される間に、銀杏22が移動してその姿勢は、長軸114の部位が溝部78に沈み込んだ状態となる。従って、送給域16に向けて搬送される間に、銀杏22の姿勢が整えられ、その姿勢は、その長軸114の方向が第2レール部76の溝部78の延びる方向となり、このように銀杏22の姿勢を整えることによって、殻割り手段6による外殻の割りを確実に行うことができる。尚、銀杏22は、搬送レール部材72の上面上を一対のガイド部材80に案内されながら送給域16に搬送される。
次に、図5とともに図8〜図10を参照して、果実種移送手段12及び殻割り手段6について説明する。図5及び図7において、果実種移送手段12は、銀杏22を受け取る受け部材122を備え、この受け部材122に、搬送レール部材72の溝部78と同様の溝部124が設けられている。この受け部材122は支持部材126の上面に取り付けられ、支持部材126はスライド機構128を介して移送ベース部材(図示せず)に取り付けられている。スライド機構128は、相互にスライド自在に装着された固定レール130及び移動レール132を有し、固定レール130が移送ベース部材(図示せず)に取り付けられ、移動レール132が支持部材126に取り付けられている。このスライド機構128に関連して、駆動源としてのシリンダ機構134(例えば、電動シリンダ機構、空圧シリンダ機構などでよい)が設けられ、このシリンダ機構134のシリンダ本体136が移送ベース部材に取り付けられ、その出力ロッド138が移動レール132に固定されている。
このように構成されているので、シリンダ機構134が収縮すると、移動レール132、支持部材126及び受け部材122が矢印140で示す方向に移動して図5に実線で示す状態となり、受け部材122が送給域16に位置付けられる。この状態においては、図5に示すように、受け部材122の溝部124は、搬送レール部材72の溝部78の延長線上に位置し、これら溝部124及び78は実質上連続した溝部を規定し、搬送レール部材72の溝部78に沈み込んで搬送されてきた銀杏22は、溝部124に沈み込んだ状態で受け部材122に受け入れられる。また、シリンダ機構134が伸長すると、移動レール132、支持部材126及び受け部材122が矢印142で示す方向に移動し、受け部材122は、図5に一点鎖線で示す通りに殻割り域18に位置付けられる(この状態は、図8にも示す)。この状態においては、後述するようにして銀杏22の外殻の割り動作が行われる。
次いで、殻割り手段6について説明する。図8及び図9において、この殻割り手段8は、工場の床面などに設置される殻割りベース部材152を備え、この殻割りベース部材152に、銀杏22の殻を割る殻割り機構154及び位置付け機構156が設けられている。殻割り機構154は、銀杏22を挟持保持するための一対の挟持部材158、160と、一対の挟持部材158,160を移動させるための移動機構(図示せず)と、この移動機構を駆動する移動駆動源162を備えている。一対の挟持部材158,160はブロック状の部材から構成され、図9に一点鎖線で示す状態(即ち、銀杏22を挟持する状態)と図9に実線で示す状態(即ち、銀杏22の挟持を解除する状態)との間を移動自在に挟持本体部164に装着されている。また、移動機構は、作動カム(図示せず)などを含むそれ自体周知の構成のものであり、作動カムが下方に移動すると、一対の挟持部材158,160は、相互に離隔する方向(矢印166で示す方向)に移動して上記挟持解除状態(図9に実線で示す状態)に保持され、また作動カムが上方に移動すると、一対の挟持部材158,160は、相互に近接する方向(矢印168で示す方向)に移動して上記挟持状態(図9に一点鎖線で示す状態)に保持される。
この移動機構の作動カム(図示せず)を移動させる移動駆動源162は、取付フレーム170に装着されたシリンダ機構172(例えば、電動シリンダ機構などでよい)と、このシリンダ機構172によって移動される揺動アーム174を含んでいる。取付フレーム170は取付ベース176を備え、取付ベース176に取付ブラケット178が取り付けられ、この取付ブラケット178にピン180を介して揺動アーム174の一端部が揺動自在に装着されている。この揺動アーム174の他端部には第1長孔182が設けられ、その中間部に第2長孔184が設けられている。
取付ベース176には、複数本(例えば、4本)のロッド部材186を介して取付部材188が取り付けられ、この取付部材188にシリンダ機構172のシリンダ本体190が取り付けられている。このシリンダ機構172の出力ロッド192には第1連結部材194が装着され、この第1連結部材194の先端部にピン196を介して第1コロ198が回転自在に装着され、この第1コロ198が揺動アーム174の第1長孔182内に所定範囲にわたって移動自在に受け入れられている。また、移動機構の作動カム(図示せず)には第2連結部材200が装着され、この第2連結部材200の先端部にピン202を介して第2コロ204が回転自在に装着され、この第2コロ204が揺動アーム174の第2長孔184内に所定範囲にわたって移動自在に受け入れられている。
このように構成されているので、シリンダ機構172が収縮すると、その出力ロッド192、第1連結部材194、ピン196及び第1コロ198を介して揺動アーム174がピン180を中心として上方に一点鎖線で示す状態に揺動される。そして、この揺動アーム174の移動によって、第2コロ204、ピン202及び第2連結部材200を介して移動機構の作動カム(図示せず)が上方に移動され、一対の挟持部材158,160は、相互に近接する方向(矢印168で示す方向)に移動されて図9に一点鎖線で示す挟持状態に保持される。また、シリンダ機構172が伸張すると、その出力ロッド192、第1連結部材194、ピン196及び第1コロ198を介して揺動アーム174がピン180を中心として下方に実線で示す状態に揺動される。そして、揺動アーム174の移動によって、第2コロ204、ピン202及び第2連結部材200を介して移動機構の作動カム(図示せず)が下方に移動され、一対の挟持部材158,160は、相互に離隔する方向(矢印166で示す方向)に移動されて図9に実線で示す挟持解除状態に保持される。
この形態では、一対の挟持部材158,160に関連して、銀杏22を弾性的に押圧保持するための弾性押圧手段206が設けられている。この弾性押圧手段206は、銀杏22に作用する押圧部材208と、この押圧部材208を弾性的に押圧するばね部材210とを有し、これら押圧部材208及びばね部材210が、挟持本体部164に取り付けられた押圧本体部212の取付空間214に収容され、押圧部材208の作用部216が押圧本体部212から下方に突出している。
この形態では、更に、取付フレーム170は、支持本体218(図8参照)に取り付けられ、この支持本体218が昇降シリンダ機構(図示せず)(例えば、電動シリンダ機構、空圧シリンダ機構などでよい)の出力ロッドに連結され、そのシリンダ部が殻割りベース部材152に取り付けられている。従って、昇降シリンダ機構の出力ロッドが伸張すると、支持本体218、取付フレーム170などが矢印220で示す上方に移動される。また、昇降シリンダ機構の出力ロッドが収縮すると、支持本体218、取付フレーム170などが矢印222で示す下方に移動され、図8に示す下降位置に保持される。
次に、位置付け機構156について説明する。この位置付け機構156は、殻割り手段6の殻割り域18に対向して配設され、銀杏22を殻割り域18の所定位置に位置付ける位置付け部材224と、位置付け部材224が取り付けられた取付部材226と、取付部材226を移動させる作動シリンダ機構228(例えば、電動シリンダ機構、空圧シリンダ機構などから構成される)とを含み、作動シリンダ機構228のシリンダ本体230が殻割りベース部材152に取り付けられ、その出力ロッド232が取付部材226に連結されている。
このように構成されているので、作動シリンダ機構228が収縮すると、その出力ロッド232及び取付部材226を介して位置付け部材224が矢印234で示す方向(殻割り域18から後退する方向)に移動し、位置付け部材224が果実種移送手段12の受け部材122上の銀杏22に作用することはない。一方、作動シリンダ機構228が伸張すると、その出力ロッド232及び取付部材226を介して位置付け部材224が矢印236で示す方向(殻割り域18に近接する方向)に移動し、位置付け部材224の先端部が、殻割り域18に位置する果実種移送手段12の受け部材122上の銀杏22に作用して所定の把持位置に位置付け、このように把持位置に位置付けることによって、殻割り手段6の一対の挟持部材158,160による銀杏22の挟持を確実に行うことができる。
この果実種移送手段12及び殻割り手段6による銀杏22の移動及び外殻の殻割りは、例えば、次のように行われる。主として、図5、図8及び図10を参照して、果実種搬送手段8により搬送された銀杏22は、果実種移送手段12の送給域16に搬送されて受け部材122(送給域16に位置している)に受け入れられる。かくすると、シリンダ機構134が伸張し、移動レール132、支持部材126及び受け部材122が矢印142で示す方向に移動し、受け部材122が、図10(a)に示すように殻割り域18に位置付けられる(図5に一点鎖線で示すとともに、図8に示す位置に位置付けられる)。
そして、殻割りの前に、銀杏22の挟持保持の前に、所定位置への位置付けが行われる。即ち、作動シリンダ機構228が伸張して取付部材226とともに位置付け部材224が矢印236で示す方向に移動され、位置付け部材224の先端部が受け部材122上の銀杏22に作用して矢印236で示す方向に移動し、このようにして銀杏22の正確な位置付けが行われる。銀杏22の位置付けが終了した後、作動シリンダ機構228が収縮され、位置付け部材224は元の位置に戻る。尚、銀杏22の受け部材122の送給域16への位置付け、またこの送給域16から殻割り域18への位置付けを正確に行うことができる場合、この位置付け部材224及びこれに関連する構成を省略することができる。
銀杏22の位置付けの終了後に、昇降シリンダ機構(図示せず)が収縮され、支持本体218及び取付フレーム170など(これに取り付けられた移動駆動源162、移動機構及び一対の挟持部材158,160など)が、図10(b)で示すように、矢印222で示す方向に下降される。かく下降すると、押圧部材208の先端部が、上方から受け部材122上の銀杏22に作用し、ばね部材210が幾分弾性変形することによって、押圧部材208は弾性的に銀杏22を押圧保持し、銀杏22は受け部材122に載った状態に保持される。この下降状態においては、一対の挟持部材158,160は、受け部材122上の銀杏22の両側に位置するようになる。尚、銀杏22の押圧保持を確実にするために、押圧部材208の先端部にV字状のカットを設けるようにしてもよい。
次いで、シリンダ機構172が収縮され、揺動アーム174がピン180を中心に上方に揺動され、これによって、第2コロ204、ピン202及び2連結部材200を介して移動機構の作動カム(図示せず)が上方に移動され、一対の挟持部材158,160は、図10(c)で示すように、相互に近接する方向(矢印168で示す方向)に移動され、受け部材122上の銀杏22は、一対の挟持部材158,160間に挟持保持される。このとき、シリンダ機構172の推力を検知し、銀杏22を挟持してシリンダ機構172の推力が上昇して所定値になると、銀杏22を挟持保持したとしてシリンダ機構172の収縮を停止し、このようにして銀杏22を挟持保持してその大きさを検知する。
次に、昇降シリンダ機構(図示せず)が伸張され、支持本体218及び取付フレーム170など(これに取り付けられた移動駆動源162、移動機構及び一対の挟持部材158,160など)が、図10(d)で示すように、矢印220で示す方向に上昇され、受け部材12上の銀杏22は、一対の挟持部材158,160に挟持保持された状態で上方に持ち上げられる。このように持ち上げた後、シリンダ機構134が収縮され、受け部材122は、殻割り域18から送給域16に戻り、果実搬送機構8から送られてくる次の銀杏22を受け入れる。
その後、シリンダ機構172が更に幾分収縮され、これによって、揺動アーム174が上方に揺動し、上述したと同様にして一対の挟持部材158,160が更に相互に近接する方向(矢印168で示す方向)に移動され、この移動によって、一対の挟持部材158,160が銀杏22に強く作用して外殻が割れる。このとき、シリンダ機構172の収縮量を制御して一対の挟持部材158,160の移動量を所定量(例えば、2〜3mm程度)にすることによって、一対の挟持部材158,160を銀杏22の大きさに関係なく同様に作用させることができ、実(種核)を傷つけることなく外殻を割ることができる。
この形態においては、果実種搬送手段8の搬送時に銀杏22の姿勢が整えられ、整えられた状態で殻割り域18に移動され、この殻割り域18にて略楕円形状の銀杏22の短軸方向に一対の挟持部材158,160にて挟持保持して外殻を割るので、銀杏22の外殻をきれいに確実に割ることができ、後の外殻と実(種核)との分離においても外殻の分離が容易となるように割ることができる。
銀杏22の殻割りが終了すると、シリンダ機構172が伸張され、これによって、揺動アーム174が下方に揺動し、上述したとは反対に、一対の挟持部材158,160が相互に離隔する方向(矢印168で示す方向)に移動される。かくすると、一対の挟持部材158,160による挟持保持が解除され、外殻の割れた銀杏22は、下方に落下して傾斜ガイドプレート242(図8参照)を通して分離分別手段10に投入される。
次に、図11〜図13を参照して、分離分別手段10について説明する。図11〜図13において、この分離分別手段10は、銀杏22の外殻と実(種核)とを分離分別するための分離分別ドラム252を備え、この分離分別ドラム252は所定方向に回動されるドラム本体253を備えている。このドラム本体253の両端部には支持軸254,256が設けられ、これら支持軸254,256が支持部材258.260に回転自在に支持されている。分離分別手段10は、工場の床面などに設置される分離分別ベース部材262を備え、この分離分別ベース部材262の両端部に支持柱264,266が取り付けられ、一方の支持柱264に支持部材258が取り付けられ、他方の支持柱266に支持部材260が取り付けられている。また、支持軸256には、駆動源としての駆動モータ268が駆動連結され、ドラム本体253は、駆動モータ268によって矢印270(図13参照)で示す所定方向に回動される。
このドラム本体253の回転軸271(図12参照)は、水平軸273に対して所定傾斜角度α(図12)傾斜している。この傾斜角度αは、3〜10度、好ましくは5〜7度程度傾斜しているのが好ましく、このように傾斜させることによって、分離分別ドラム252の回動によって、その内部に投入された銀杏22(銀杏22の実(種核)及び外殻を含む)は、一端側(図11及び図12において左端側)から他端側(図11及び図12において右端側)に移動される。
このドラム本体253の周側壁272の所定部位には、その軸方向に細長い取付開口が設けられ、この取付開口を覆うようにふるい部材274が配設され、ふるい部材274は一対の取付プレート277を周側壁272に取り付けることによって、交換可能に周側壁272の外面に装着される。このふるい部材274には、多数のふるい孔275が設けられ、ドラム本体253のふるい部として機能し、これらふるい孔275を通して分離された銀杏22の実(種核)が下方に落下する。
また、分離分別ドラム252のドラム本体253の内周面には、軸方向に間隔をおいて複数(実施形態では、7つ)の環状仕切り壁276が設けられ、これら環状仕切り壁276によって、周側壁272の径方向外周部(ドラム本体253の内面側)に環状空間278を規定する。また、各環状空間278には、図13に示すように、持上げ部材280が配設されている。持上げ部材280は、ドラム本体253の周側壁272の内面に取り付けられ、その先端部は径方向内方に突出している。
この形態では、図13に示すように、持上げ部材280は、ドラム本体253の周方向に実質上120度の間隔をおいて配設され、このことに関連して、ふるい部材274もドラム本体253の周方向に実質上120度の間隔をおいて取り付けられている。この持上げ部材280とふるい部材274との周方向の位置関係は、図13(図13において示す領域Rにふるい部材274が配設されている)に示すように、分離分別ドラム252の矢印で示す回転方向に見て、持上げ部材280の上流側にふるい部材274が設けられ、この持上げ部材280の下流側にドラム本体253の周側壁272の壁部が存在するように構成するのが望ましい。このように構成することによって、図13から理解されるように、持上げ部材280によって持ち上げられた銀杏22(分離した実(種核)及び外殻を含む)は、ドラム本体253の周側壁272の壁部に落下し、この落下によって銀杏22に衝撃が加えられ、この落下する衝撃を利用して銀杏22の実(種核)から外殻が分離される。そして、このように衝撃が加えられた後にふるい部材274に流れるので、外殻が外れた実(種核)は、ふるい部材274のふるい孔275を通して下方に落下し、このようにして銀杏22の実(種核)と外殻とを効率良く分別し、外殻が外れた実(種核)を傷付けることなく早く回収することができる。
ドラム本体253の下方には、回収ガイド282,284,286,288が設けられ、回収ガイド282,284上に落下した銀杏22の実(種核)は、これら回収ガイド282,284に沿って流下して実回収手段20に回収され、回収ガイド286,288上に落下した銀杏22の大きな外殻及び外殻が外れなかった銀杏22は、回収ガイド286,288に沿って流下して殻回収手段21に回収される。尚、実回収手段20は、例えば、上面が開放された実回収容器294から構成され、また殻回収手段21は、例えば、上面が開放された殻回収容器296から構成される。
この形態では、ふるい部材274のふるい孔275の目詰まりを防止するために、目詰まり防止部材298が設けられている。目詰まり防止部材298は、目詰まり防止ローラ300から構成され、その両端軸部302,304が、支持柱264,266に取り付けられたローラ支持部材306,308に回転自在に支持されている。目詰まり防止ローラ300は、ドラム本体253の周側面に接触し、ドラム本体253の矢印270で示す方向の回動によって従動し、ふるい部材284のふるい孔275に詰まった外殻に作用して内側に(即ち、ドラム本体253内)に押すように作用して詰まった外殻を取り除く。
この分離分別手段10による銀杏の実(種核)と外殻との分離、分別は、次のように行われる。殻割り手段6にて外殻が割れた銀杏22は、傾斜ガイドプレート242に案内されて分離分別手段10に流下して投入開口298を通して分離分別ドラム252内に投入される。分離分別ドラム252内は環状仕切り壁276によって複数の環状空間278に仕切られており、傾斜ガイドプレート242からの銀杏22は、このドラム本体253の第1番目の環状空間278aに投入される。
分離分別のときには、分離分別ドラム252は、一端側(即ち、投入側)が上に、他端側(排出側)が下となるように所定傾斜角度α傾いた状態で回動されるので、この回動に伴い、第1番目の環状空間278aにおいて持上げ部材280により上方に持ち上げられた銀杏22(実(種核)及び外殻を含む)は、持上げ部材280からこぼれて下方に落下し、その落下は、図12に一点鎖線の矢印で示すように、第2番目の環状空間278bに落下する。また、第2番目の環状空間278bにおいて持上げ部材280により上方に持ち上げられた銀杏22(実(種核)及び外殻を含む)は、持上げ部材280からこぼれて下方に落下し、その落下は、一点鎖線の矢印で示すように、第3番目の環状空間278cに落下する。このように持上げ部材280により持ち上げられた銀杏22(実(種核)及び外殻を含む)は、落下する際に一つ下流側の環状空間278に落下し、このように落下することによって、銀杏22(実(種核)及び外殻を含む)は他端側に向けて移動し、外殻が外れた実(種核)は、ふるい部材274のふるい孔275を通し実回収手段20に回収され、実(種核)から外れた大きな外殻及び外殻が外れなかった銀杏22は、殻回収手段21に回収される。
尚、分離分別ドラム252の排出開口300からの大きな外殻及び外殻の付いた銀杏22の排出を効率良く行うために、下流端の環状空間278については、環状部材302で覆うようにするのが望ましい。このように環状部材302で覆うことによって、下流端から第2番目の環状空間278において持上げ部材280により持ち上げられた大きな外殻及び外殻のついた銀杏22は、落下した際にこの環状部材302上に落下し、この環状部材302から排出開口300を通して排出される。
尚、実回収手段20には、ふるい部材274のふるい孔275を通して銀杏22の実(種核)及び小さな外殻が回収されるようになるが、このような実(種核)及び外殻を分別するために、例えば次のように構成することができる。即ち、分離分別ドラム252の下方に所定方向に傾斜したホッパー部材を設け、このホッパー部材の排出開口に近接して殻回収手段を設け、またこの殻回収手段の外側に実回収手段を設けるようにしてもよい。この場合、比較的小さく軽い外殻は、ホッパーの排出開口に近い殻回収手段に回収され、また比較的重い実(種核)は、ホッパーの排出開口から離れた実回収手段に回収され、ホッパー部材を流下して排出される速度を利用して実(種核)と小さい外殻とを分別することができる。
以上、本発明に従う殻割り分離分別装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、本発明を銀杏の殻割り、分離及び分別に適用して説明したが、銀杏に限定されず、果実種としての落花生、ピスタチオ、クルミなどの殻割り、分離及び分別にも同様に適用することができる。
また、例えば、上述した形態では、殻割り手段6の一対の挟持部材158,160の挟持面を平坦な面に形成し、各挟持部材158,160の一点で銀杏22を挟持保持する構成であるが、このような挟持部材158,160を図15に示すように構成することもできる。図15において、この挟持部材160A(158A)は、矩形状の挟持本体310を備え、この挟持本体310の両端部に第1及び第2割り部材312,314が設けられ、またその中間部に第3割り部材316が設けられ、これら第1〜第3割り部材312〜316が挟持部を構成する。第1〜第3割り部材312,314,316(第1〜第3挟持部)には長孔318が設けられ、これら長孔318を通して固定用ねじ320を挟持本体310に螺着することによって、これら第1〜第3割部材312,314,316が位置調整自在に挟持本体310に取り付けられる。尚、図15においては、一対の挟持部材158A,160Aのうち一方の挟持部材158Aを図示しているが、上述した記載から理解されるように、他方の挟持部材160Aは、この一方の挟持部材158Aと対称の構造となっている。
このような構成の挟持部材158A,160Aを用いた場合、果実種の種類、大きさなどによって一対の挟持部材158A,160Aによる挟持状態を調節し、銀杏22などの果実種の外殻を確実に割ることができる。また、銀杏22などの果実種との接触点が各挟持部材158A,160Aにおいて3点で接触する(第1及び第2割り部材312,314は、例えば、略楕円形状の銀杏22の短軸部分の両側に接触し、第3割り部材316は、例えば、この銀杏22の短軸部分に接触する)ので、これら第1〜第3割り部材312,314,316が安定して銀杏22などの果実種に作用し、果実種の外殻を確実に割ることができる。
尚、図15の形態では、挟持本体310に三つの割り部材312,314,316(第1〜第3挟持部)を設けているが、必ずしも三つ設ける必要はなく、二つ設けることによっても所望の効果を達成することができる。この場合、第3割り部材316(第3挟持部)を省略し、第1及び第2割り部材312,314(第1及び第2挟持部)を設けるのが望ましい。
このような挟持部材は、図16に示すように構成することもでき、この場合、一対の挟持部材と銀杏などの果実種との接触点は三点となる。図16において、一方の挟持部材158Bは、矩形状の挟持本体402を備え、この挟持本体402に一つの割り部材404が設けられている。また、他方の挟持部材160Bは、矩形状の挟持本体406を有し、この挟持本体406に一対の割り部材408,410が設けられている。一対の割り部材408.410は、他方の挟持部材160Bの挟持本体406の両端部に設けられ、これら割り部材408,410は、略楕円形状の銀杏22の短軸部分の両側に接触する。また、一つの割り部材404は、一方の挟持部材158Bの挟持本体402の中央部に設けられ、他方の挟持部材160Bの一対の割り部材408,410間にて銀杏22に作用し、例えば、略楕円形状の銀杏22の短軸部分に接触する。これら割り部材404,408,410は、銀杏22を挟持するための挟持部として機能し、図示していないが、上述したと同様に、長孔と固定用ねじによって位置調整自在に構成するのが望ましい。
このように構成しても、これら三つの割り部材404,408,410(片側の一つの割り部材404と他側の二つの割り部材408,410)が銀杏22などの果実種に安定して作用し、果実種の外殻を確実に割ることができる。
この殻割り手段6の一対の挟持部材158,160は、果実種(例えば、銀杏22)の外殻をより確実に割るために、例えば図17及び図18に示すように構成することもできる。図17及び図18において、この挟持部材160C(158C)は、矩形状の挟持本体510を備え、この挟持本体510の両端部に第1及び第2割り部材512,514(第1及び第2挟持部)が設けられている。第1及び第2割り部材512,514には長孔518が設けられ、これら長孔318を通して固定用ねじ520を挟持本体510に螺着することによって、第1及び第2割部材512,514が位置調整自在に挟持本体510に取り付けられる。
この形態では、更に、第1及び第2割り部材512,514(第1及び第2挟持部)の隣接する角部(内側の角部)に傾斜面522,524が設けられている。一方の挟持部材160Cの第1及び第2割り部材512,514の傾斜面522,524は、他方の挟持部材158Cに向けて外側に傾斜して延びており、かかる傾斜面522,524の傾斜角度α(図18)(即ち、第1及び第2割り部材512,514の隣接する上記角部を結ぶ線に平行な基準線Lに対する傾斜角度)は、20〜45度であるのが好ましく、25〜35度であるのが一層好ましい。
挟持部材160C(158C)の第1及び第2割り部材512,514の傾斜面522,524には、傾斜方向に実質上連続して複数(図示の形態では、2つ)の切欠き部526,528が設けられ、このように切欠き部526,528を設けることによって、かかる傾斜面526,528に傾斜方向に間隔をおいて挟持突部530,532が生じる。切欠き部526,528は図17及び図8において紙面に垂直な方向に延びており、従って挟持突部530,532も同様に直線状に延び、これら挟持突部530,532の作用によって、果実種(例えば、銀杏22)が挟持されてその外殻が割られる。
第1及び第2割り部材512,514の挟持突部530,532の間隔W(基準線Lの方向の間隔)は0.5〜1.0mm程度であるのが好ましく、このような挟持突部530,532を形成するための切欠き部526,528は、1〜5個程度設けることができ、これによって、第1及び第2割り部材512,514の傾斜面522,524には、傾斜方向に間隔をおいて2〜6個程度の挟持突部530,532が設けられる。尚、切欠き部526,528に代えて溝部(図示せず)を設けるようにしてもよく、このような溝部を設けることによっても、上述した傾斜面526,528に同様の挟持突部530,532を形成することができる。
例えば、図15に示すように、第1及び第2割り部材312,314(傾斜面に挟持突部が設けられていないもの)の隣接する角部によって果実種を挟持して割る場合、一対の挟持部材158A,160Aを相互に近接する方向に移動させて割る際に、それらの第1及び第2割り部材312,314の角部が果実種(例えば、銀杏22)に作用すると、果実種に矢印D,Eで示す方向(図17参照)の力が生じる。このとき、例えば果実種の外殻の第1部位(第1割り部材312の角部が作用する部位)が先に割れると、矢印Eの方向の力が果実種に作用しなくなり、これによって、外殻の割れていない第2部位(第2割り部材314の角部が作用する部位)に作用する矢印Dの方向の力によって果実種が矢印Dの方向にずれる傾向にあり、果実種の外殻を所要の通りに確実に割ることができないおそれが生じる。尚、果実種の外殻の上記第2部位が先にわれた場合、上述したとは反対に、外殻の上記第1部位に作用する矢印Eの方向の力によって果実種が矢印Eの方向にずれる傾向にあり、同様の問題が生じるおそれがある。
これに対して、この実施形態のように、一対の挟持部材158C,160Cの第1及び第2割り部材512,514の傾斜面522,524に複数の挟持突部530,532を設けた場合、これら挟持突部530,532が果実種の外殻に食い込んで挟持保持するようになるために、果実種の外殻を割る際に矢印D,Eの方向の力が作用することはほとんどなく、その結果、外殻の第1部位(又は第2部位)が先に割れたとしても果実種が矢印D(又は矢印E)の方向にずれることがなく、果実種の外殻を確実に割ることができる。
このような一対の挟持部材158C,160Cを備えた殻割り手段は、果実種を上述したように自動で割って外殻と実(種核)とを分離、分別する殻割り分離分別装置に適用することができるが、このような殻割り分離分別装置に限定されず、ニッパーのように手動で一対の挟持部材158C,160Cを移動させて外殻を割る手動の果実種の殻割り具にも同様に適用することができる。
また、分離分別手段10の分離分別ドラム252に関連して図19に示す分別機構422を設けるようにしてもよく、この分別機構422を用いて実回収手段20にて回収された実(種核)及び小さい外殻を分別するようにしてもよい。
図19において、図示の分別機構422は、間隔をおいて配設された一対のローラ424,426を有し、これら一対のローラ424,426間に無端状の分別ベルト428が巻き掛けられている。この形態では、片方(図19において左側)のローラ424は他方(図19において右側)のローラ426よりも下方に位置しており、従って、分別ベルト428は、その一端側(ローラ424側)から他端側(ローラ426側)に向けて上方に傾斜して配設されている。
この形態では、他方のローラ426が駆動ローラとして機能し、このローラ426に、駆動源としての電動モータ430の出力部が駆動連結されている。分別ベルト428が上述したように傾斜していることに関連して、ローラ426は矢印432で示す方向に回動され、これによって分別ベルト428の上走行部434は矢印436で示す方向、即ち上走行部434が他方のローラ426に向かうように移動される。
分別ベルト428が上述したように構成されているので、銀杏22などの果実種の実(種核)433は、分別ベルト428の上走行部434に沿って下方に転がり落ち、それ故に、一方のローラ424の下方に実回収手段20B、例えば実回収容器438が配設され、また果実種の小さな外殻435は、分別ベルト428の上走行部434により他方のローラ426に向けて搬送され、それ故に、他方のローラ426の下方に殻回収手段21B、例えば殻回収容器440が配設される。
この分別ベルト428の上走行部434の走行方向略中央部の上方には、投入ホッパ442が配設され、この投入ホッパ442を通して分別すべき実(種核)433及び小さな殻435の混合物が投入される。この分別機構422を上述した分離分別手段10に組み合わせて適用する場合、図11における回収ガイド282,284に代えて、この投入ホッパ442が用いられ、ふるい部材274のふるい孔275を通して落下した実(種核)及び外殻が投入ホッパ442を通して分別ベルト428の上走行部434上に落下する。
この分別機構422では、次の通りにして銀杏22などの果実種の実(種核)433と外殻435との分別が行われる。即ち、分別ベルト428の上走行部434が矢印436で示す方向に移動しているときに投入ホッパ442を通して実(種核)433及び外殻435の混合物が上走行部434上に落下すると、略楕円形状の実(種核)433は傾斜に沿って下方に転がり易く、上走行部434の上面に沿って下方に転がり落ち、一方のローラ424側から下方に落ちて実回収手段20Bに回収される。また、薄い殻435は、上走行部434に載ったまま矢印436で示す移動方向(即ち、傾斜方向上方)に移動され、他方のローラ426側から下方に落ちて殻回収手段21Bに回収される。このように、この分別機構422を用いることによって、果実種の実(種核)433とその殻435とを確実に分別することができる。