JP5999365B2 - スタックの締結方法、スタックの締結用の治具 - Google Patents

スタックの締結方法、スタックの締結用の治具 Download PDF

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Description

本発明は、スタックの締結方法、スタックの締結用の治具に関する。
燃料電池スタックは発電部と非発電部とから構成されており、これら構成品がアッセンブリ化され、スタックが締結されることによってユニットとされる。このようなスタック構造としては、従来、スタックの締結をエンドプレートとエンドプレートとの間にて行い、締結されたスタックをケース内に挿入するというものが利用されていた。
一方で、このような燃料電池スタックとして、スタックの積層方向の片側に配置されるエンドプレート対応部分を、剛性ケースの端面壁として使用するスタック構造も提案されている。このようなスタック構造によれば、ケースをスタック締結部材の一部として用いることができるので、部品数の低減、省スペース化が可能になるという利点がある(例えば特許文献1参照)。
特開2011−253730号公報
しかしながら、上述のようにスタック締結部材を備えるエンドプレートをケースの端面壁として用いるスタック構造においては、スタックのケース内への挿入、スタックの締結といった工程を簡便に行うことが困難な場合がある。
そこで、本発明は、スタック締結部材を備えるエンドプレートをケースの端面壁として用いるスタック構造の場合に、スタックのケース内への挿入、スタックの締結といった工程を簡便に行うことを可能としたスタックの締結方法、スタックの締結用の治具を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。スタック締結部材を備えるエンドプレートをケースの端面壁として用いるスタック構造においては、ケースに締結用の機能を持たせている点が一つの特徴となっている。ところが、このような構造の場合、以下のような問題ないしはその原因があると考えられる。すなわち、(1)エンドプレートには、積層体側の面とケース側の面とで段付きの異形状となっているものがあり、また、段付きの積層体シール面にセル基準と同位置の基準を持たせているものがある。このようなエンドプレートを用いた場合、基準側からエンドプレート越しに積層体を積んでいき、加圧シャフトにて積層体(スタック)を加圧した状態でケースに挿入する必要がある。これは、エンドプレートとケースとをシールする界面を形成するべく、ケースのRH(本発明の実施形態の最初の段落参照)の端部に梁を一本通していることから、後からセルをケースに入れられない構造となっていることに起因している。(2)セルは無負荷の状態(積層方向に加圧されていない状態)ではケース内寸よりも長いことから、加圧状態を保持しながらスタックをケース内へ挿入する必要がある。これらの点に着目し、上述の工程を簡便に行うという観点からさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
本発明はかかる知見に基づくもので、片側にエンドプレートを有し、該エンドプレートを端にした状態でセルを積層してなるスタックの締結方法において、
セルの積層後、該セル積層方向におけるエンドプレートの反対側からシャフトにて積層方向に沿って荷重を加え、
セルが積層された状態を保持し、
シャフトが通過可能であり尚かつ当該ケース内の換気用でもある透孔を備えたケースの当該透孔にシャフトを通し、
ケースをシャフトに沿ってスライドさせ、
ケースとエンドプレートを締結することを特徴とする
ことを特徴とするものである。
セルを積層してなるスタック構造用のケースには、換気用の透孔が形成されているものがある。上述の観点から検討を重ねた本発明者は、この透孔に着目し、加圧のためのシャフト用の孔として兼用するという知見を得るに至った。このような知見に基づく本発明によれば、スタックのケース内への挿入、スタックの締結といった工程を簡便に行うことが可能となる。しかも、これは、透孔(ケースの換気孔)に、シャフトを差し込むことを可能にすることで新たな機能を付加するものであるから、既存の構造を利用し、あるいは活用しやすいという利点もある。
また、本発明では、かかるスタックの締結方法において、シャフトとして、積層されたセルの積層方向長さよりも長いものを使用する。
さらに、本発明にかかるスタックの締結用の治具は、上述したスタックの締結方法に使用するシャフトを含む治具であって、該シャフトは、積層されたセルの積層方向長さよりも長いものであることを特徴とするものである。これによれば、ケースをシャフトに通した状態で全スタックの積層状況を目視することが可能となることから、組付時、製造時における視認性能が向上する。
本発明によれば、スタック締結部材を備えるエンドプレートをケースの端面壁として用いるスタック構造の場合に、スタックのケース内への挿入、スタックの締結といった工程を簡便に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態を示すスタック、ケース等の斜視図である。 図1に示すスタックをケースへ挿入した状態を示す斜視図である。 ケースの一例を示す斜視図である。 スタック、ケース等の構成例を示す、図3のA−A線における断面を表す図である。 加圧されていない状態のスタックを示す図である。 加圧された状態のスタックを示す図である。 スタックの締結方法を示す一連の図面のうちの最初の図であり、積層工程について示す。 スタックの締結方法における治具組み付け〜装置内へ投入するまでの工程を示す図である。 スタックの締結方法における加圧工程を示す図である。 スタックの締結方法におけるプレクリープ、締結荷重付与、積層ズレ検査の工程を示す図である。 スタックの締結方法におけるケーシングの工程を示す図である。 スタックの締結方法におけるスタック締結の工程を示す図である。 セルの辺の位置規制の一例を示す図である。 セルパレット(積層治具)の一例を示す斜視図である。 図14のXV-XV線におけるセルパレットの断面を示す図である。 バックアッププレートによって支持されたエンドプレートの支持構造を示す図である。 ケースの一例を示す斜視図である。 透孔が設けられた面からみたケースを示す図である。 ケースおよび該ケースの透孔に着脱可能な換気カバーを示す斜視図である。 従来のスタック締結方法の一例を参考例として示す図である。 図20の次の工程を示す図である。 図21の次の工程を示す図である。 図22の次の工程を示す図である。 図23の次の工程を示す図である。 図24の次の工程を示す図である。 図25の次の工程を示す図である。 図26の次の工程を示す図である。 図27の次の工程を示す図である。 従来のスタックの一例を比較例として示す図である。 図29に示すスタックをケースへ挿入した状態を比較例として示す斜視図である。 スタックの締結の従来例を比較例として示す一連の図面のうちの最初の図であり、積層工程を示す。 スタックの締結の従来例における引き込みの工程を比較例として示す図である。 スタックの締結の従来例における積層体移動の工程を比較例として示す図である。 スタックの締結の従来例におけるエンドプレート締結の工程を示す図である。 スタックの締結の従来例におけるプレクリープの工程を比較例として示す図である。 スタックの締結の従来例におけるスタック締結の工程を比較例として示す図である。 セル位置決め時の組み付け基準の一例を示す斜視図である。 セル位置決め時の組み付け基準の他の例を示す図である。 従来のスタックの締結構造における課題の一つを比較例として示す図である。 従来のスタックの締結構造における課題の一つを比較例として示す図である。 従来のスタックの締結構造における課題の一つを比較例として示す図である。 従来のスタックの締結構造における課題の一つを比較例として示す図である。 従来のスタックの締結構造における課題の一つを比較例として示す図である。 従来のスタック構造の一例を比較例として示す斜視図である。 従来のスタック構造の一例を比較例として示す斜視図である。 従来のケースの一例を示す斜視図である。 透孔が設けられた面からみた従来のケースの一例を示す図である。
図1〜図19に本発明の実施形態を示す。以下に説明する実施形態においては、燃料電池におけるスタックを示しつつ、当該燃料電池1を構成するセル(発電モジュール)2およびスタック(セル積層体)3の概略を説明し、その後、スタックの締結方法、スタックの締結用の治具について説明することとする。なお、本明細書中において、スタック3における向きや方向を便宜的に表すため、「RH」(セル積層方向の右)、「LH」(セル積層方向の左)、「LWR」(セル積層方向の右下)、「UPR」(セル積層方向の右上)の各記号を用いる。
燃料電池1を構成するセル2は、発電モジュールとして機能するもので、順次積層されることによってセル積層体3(本明細書ではスタックともいう)を構成する。このように形成されたスタック3は、その積層方向の方側にエンドプレート8が配置され、ケース4の端面壁と該エンドプレート8との間に積層方向への荷重がかけられて締結されるようになっている。
上述のようなセル2が積層されたスタック3によって構成される燃料電池1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システムとして用いることができる。また、場合によっては定置の燃料電池1として用いることも可能である。
また、特に図示はしていないが、セル2に含まれる電解質としては、膜−電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)あるいは膜−電極−拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)を用いることができる。セル2は、このようなMEGA(膜−電極−拡散層接合体)と、MEGAを挟持する一対のセパレータとを含む。さらに、MEGAと各セパレータとは、それらの間の周辺部をシール部材とともに成形樹脂によってモールドされている。
MEGAは、高分子材料のイオン交換膜からなる高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ともいう)と、電解質膜を両面から挟んだ一対の電極(アノード触媒層およびカソード触媒層)とで構成されている。これらのうち、電解質膜は、各電極よりも僅かに大きくなるように形成されている。MEGAを構成する電極は、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材(拡散層)で構成されている。一方の電極(アノード触媒層)には燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード触媒層)には空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEGA内で電気化学反応が生じてセル2の起電力が得られるようになっている。
セパレータは、ガス不透過性の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。本実施形態のセパレータの基材は板状のメタルで形成されているものであり(メタルセパレータ)、この基材の電極側の面には耐食性に優れた膜(例えば金メッキで形成された皮膜)が形成されている。
また、セパレータは流路形成部材として機能するものであり、これらセパレータの両面には、複数の凹部によって構成される溝状の流路が形成されている。これら流路は、例えば板状のメタルによって基材が形成されている本実施形態のセパレータの場合であればプレス成形によって形成することができる。このようにして形成される溝状の流路は、酸化ガスのガス流路や水素ガスのガス流路、あるいは冷却水流路を構成している。
ケース4は燃料電池1の筐体として機能する。本実施形態のケース4には、当該ケース4の外部と内部との間における換気を可能とする透孔5が形成されている(図3等参照)。
続いて、スタック3の締結方法、スタック3の締結用の治具について説明する(図1等参照)。なお、従来のスタック締結方法の一例を比較例として後述するのでそちらも参照されたい。
上述したように、本実施形態の燃料電池1においては、スタックケース(本明細書では単に「ケース」ともいう)4に、締結部材、エンドプレート8のLH側の機能を持たせることで、スタック3を締結すると同時に(あるいは並行して)当該スタック3がケース4内に挿入される構造としている(図1〜図3等参照)。別言すれば、本実施形態では、スタック3の積層方向の片側に配置されるエンドプレート8に対応する部分をケース4の端面壁として使用することにより、当該ケース4の端面壁にエンドプレートとしての機能を付加した構造としている。なお、図中の符号18はテンションシャフトを表す(図2等参照)。
ただし、このように機能を付加すると、(1)エンドプレート8越しに積層体を積んでいき、加圧用のシャフト6にてスタック(セル積層体)3を加圧した状態でケース4に挿入する必要があり、(2)セル2は無負荷の状態(積層方向に加圧されていない状態)ではケース4の内寸よりも長いことから(図5参照)、加圧状態を保持しながらスタック3をケース4内へ挿入する必要がある(図6参照)、という課題が生じる。ちなみに、上記(1)の課題は、エンドプレート8とケース4との間をシールする界面を形成するべく、ケース4のRHの端部にケース梁7を通していることから(図3、図4参照)、後からセル2をケース4に入れられない構造となっていることに起因している。
これらの点を鑑み、本実施形態では、ケース4に形成されている換気用の透孔5を利用し、該透孔5を通過可能なシャフト6を用いることによってスタックをケース4内へ簡便に挿入することが可能な構造としている。より具体的には、換気用である透孔5をシャフト6の差し入れが可能な孔として兼用し、スタック3をケース4に挿入する際にシャフト6を差し入れて当該スタック3を加圧しながら挿入することができるようにしている。
以下、本実施形態におけるスタック3の締結方法、該締結方法に用いられる治具について説明する(図7等参照)。
本実施形態では、上述した加圧用のシャフト6と、セル2を積層する際に用いるセルパレット10とを、スタック締結用の治具として用いる。セルパレット10は、セル2が積層される際、各セル2の一辺の位置を規制して(外段取りして)位置決めし、加圧時のずれやうねりを排除するガイドとして機能する(図7等参照)。一辺の位置の規制の仕方は種々あるが、本実施形態では、セル2の長辺に2箇所、短辺に1箇所の積層基準部26を設け(図13参照)、これら積層基準部26をセルパレット10の表面にあてがい(図14、図15参照)、各セル2の複数点の位置および辺の位置を規制することとしている。
(1)積層
セル2を、エンドプレート(スタックマニホールド)8の側から順にセルパレット10上に積層し、スタック3とする。また、この際、セル2の外段取りを実施する(図7参照)。スタック3のうちエンドプレート8と反対側の端部は、例えばラチェット式の抑え部材12によって拘束されている(図8参照)。
なお、図7等では詳細に示されていないが、エンドプレート8は、バックアッププレート34によって支持されている。この支持構造について図16を用いて説明しておくと、バックアッププレート28は、締結装置本体30のベースプレート32に取り付けられた状態で、エンドプレート8を支持するように構成されている(図16参照)。符号36は、補機20と干渉しないよう、エンドプレート8の特定部位(抑え部位)のみを狙って抑えるための治具シャフトである。なお、補機20を仮に先にエンドプレート8に組み付けたとしても、バックアッププレート34にてエンドプレート8を支持するため、先付けすることも可能である。
(2)エンドプレート加圧用治具の組み付け〜装置内へ投入
装置(セルパレット10等を含む、組み付け用装置)内へケース4を投入する(図8参照)。この際、ケース4を、積相対加圧用のシャフト6で貫通する形でセットする。この工程においては、装置外でスタック3がずれ、うねりを起こさない程度の荷重(一例として、1〜5kN)を付与して装置内へ投入する。
(3)加圧
副基準側(各セル2を外段取りするセルパレット10のある主基準側とは反対の側)に、セル2の動き(例えば、加圧時のずれ、うねり)を拘束するための拘束用ガイド14を設置する(図9参照)。この拘束用ガイド14は、例えば、セル2の外形ノミナル値に対してズレ規格値で設定される。なお、「積層ズレ」は、上述した積層基準部26側の各セル2の相対位置ズレ量のことをいう。副基準側はセル2の構成部品であるセパレータの外形公差分が加わってしまうため積層ズレなのか、外形寸法による影響なのかわからない。しかし、拘束するためのガイド(拘束ガイド)は、積層基準部26が設けられていない副基準側にしか設けることができない。副基準側でセル積層ズレの拘束を行う際に、セル外形のノミナル値に対してセル積層ズレ規格値で設定した場合、セル外形公差最小品がきた場合、ズレ規格値+公差最小分だけの空間が空いてしまうため、積層基準部26の積層ズレが規格値以内とならない可能性がある。そのため、拘束用ガイドの位置設定はセル外形最小値に対してズレ規格値で設定する。
(4)プレクリープ、締結荷重付与、積層ズレ検査
プレクリープ(スタック3のダンパー成分除去→運転時のダンパーの遅れによる荷重低下防止)を実施し、締結荷重を付与する(図10参照)。また、締結前の完了状態を、例えばレーザー変位計を用いた積層ズレ検査装置16にて測定する。従来においては積層〜加圧状態でのセル積層ズレ、うねりの検査が不可能であったのに対し、本実施形態においてはこれらセル積層ズレやうねりの検査を実施することが可能である。スタック3をケース4に挿入する前に当該スタック3に対する加圧工程を完了する。
(5)ケーシング
スタック3にケース4を挿入する。本実施形態では、ケース4をスタック3側へと相対移動させることによって実施している(図11参照)。この際、シャフト6を使ってスタック3に作用させている締結荷重は保持したままとする。また、この工程時、主基準たるセルパレット10、副基準たる拘束用ガイド14をそれぞれスタック3から逃がす。
(6)スタック締結
スタック3を締結する(図12参照)。エンドプレート8は、テンションシャフト18等によってケース4に締結された状態となる。また、スタック3とケース4と間には荷重調整ネジ22が配置される。
以上がスタック3の締結方法の一例であるが、このような締結方法を実施するにあたっては、より好適なスタック構造とすることもできる。以下、このような構造を例示しながら説明する(図17等参照)。ここに例示する構造においては、シャフト6の貫通用の透孔5の径を拡大し、さらに、当該透孔5の数を増やしている(図17、図18参照)。
すなわち、本発明に係るスタック3の締結方法および締結用の治具10の一実施形態は上述のとおりだが、説明したごとくシャフト6をケース4に貫通させつつさらにスタック3を荷重フリーの状態から最大荷重までストロークを変化させようとすれば、それに応じた非常に長いシャフト6が必要となる。こうした状況下、ここに例示するごとく透孔5の径を拡大することは、より大きな径のシャフト6を採用することを可能とするから、当該シャフト6の断面2次モーメントをできるだけ大きくし、シャフト6自体の座屈および撓みを最小に抑えることを可能とする。
また、スタック3を例えば2本のシャフト6で加圧する場合、所定方向に作用する外力(例えば、2本のシャフト6を横方向に配置している場合であれば、上下方向に作用する外力)に十分に抗することが難しい場合があるが(図46、図47参照)、本実施形態におけるごとく、透孔5の数を増やすことによって、当該シャフト6に座屈や撓みを抑えることが可能となる(図17、図18参照)。いうまでもなく、これら透孔5は直線状とならないように配置されている。荷重を分担するという観点からすれば、透孔5の数は多いほうが好ましい。なお、透孔5に着脱可能な換気カバー24によって上述の透孔5を適時塞ぐようにしてもよい(図19参照)。
上述した透孔5は、換気孔であって、尚かつシャフト6を貫通させてスタック3を加圧しながらケース4に挿入することを可能とする透孔5である限り、ケース4上における配置は特に限定されることはなく、例えばケース4の側面にこれら透孔5を配置してもよい(図19参照)。なお、透孔5をこのようにケース4の側面に配置した場合は、換気孔が上面に配置された構造に比べると、当該スタック3が水中に落下した際における当該透孔5と水面との距離は近いものの、ケース4内へ浸水した水が排水されやすいという利点がある。
ここまで説明したように、本実施形態のスタック3の締結方法および締結用の治具10によれば、スタック締結部材を備えるエンドプレート8をケース4の端面壁として用いるスタック構造である場合に、スタック3の当該ケース4内への挿入、スタック3の締結といった工程を簡便に行うことが可能となる。
また、従来の透孔はといえば、当該透孔の径(面積)が小さく、スタックケース内から換気を行うだけの機能を有することができなかったことから、シャフトを貫通させて中にスタックを引き込むために用いられるだけの孔にすぎなかった。このため、従来構造ではケース上面に換気用の別の孔を作成して換気を行っていたわけであり、このような点で従来の換気孔はただの透孔にすぎなかった。これに対し、本実施形態においては、ケース4に形成されている換気用の透孔5を利用し、該透孔5を通過可能なシャフト6を用いることによってスタックをケース4内へ簡便に挿入することが可能な構造としているため、従来は塞ぐだけであった透孔5に新たな機能を付加することが可能となっている。
また、スタック締結部材を備えるエンドプレート8をケース4の端面壁として用いる構造であることから、従来の構造と同様、ケース4をスタック締結部材の一部として用いることができ、部品数の低減、省スペース化が可能になるという利点もあることはいうまでもない。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述の実施形態においては、スタック締結用の治具を構成する部材としてシャフト6を挙げて説明したが、これは好適な一例にすぎない。要は、セル2の積層後、エンドプレート8の反対側から積層方向に沿ってスタック3に荷重を加えられるものの代表例としてシャフトが挙げられているにすぎないのであって、透孔5を通過してスタック3に荷重を加えられるものであれば上述したシャフト6には限定されない。
比較例
従来のスタックの締結方法、スタックの締結用の治具の一例を以下に比較例として説明する(図20等参照)。なお、以下では、上述した実施形態に対応する構成の符号にそれぞれ「’」を付けて示す。
一般的な締結方法を参考例として図20〜図28に示す。ここでは、まずエンドプレート8’が底面となるようにして(図20参照)、エンドプレート8’上に載置するようにして複数のセル2’を重ね合わせ(図21参照)、最後にもう一方のエンドプレート8’を重ね合わせる(図22参照)。その後、加圧シャフト6’を用いて(加圧プレートを介してもよい)スタック3’を加圧し(図23参照)、テンションシャフト18’を用いてスタック3’を締結する(図24参照)。締結が完了したら(図25参照)、ケース4’からスタック3’を取り出し(図26参照)、該スタック3’をケース4’に投入し(図27参照)、ケーシングを完了する(図28参照)。上述の従来方法は、スタック(セル積層体)3’の締結を、エンドプレート8’とエンドプレート8’との間で行い、締結されたスタック3’をケース4’内に挿入するという工法となっていた(図20〜図28参照)。
続いて、従来方法の別の例を以下に示す。ここに示す従来の締結工法は、以下の(1)〜(6)のごとき手順にて行われていた(図29等参照)。
(1)積層
エンドプレート8’に伸縮式の積層基準を取り付け、スタック(セル積層体)受けをケース4’のLWR側を貫通させる形で取り付ける(図31参照)。このとき、LH←→RH方向はスタック受け、UPR←→LWR方向は積層基準にて位置決めを行い、セル2’を積んでいく。なお、図中の符号18’はテンションシャフトを表す(図29等参照)。
位置決め時の組み付け基準(スタック受け、積層基準)は、より具体的には、例えば伸縮する基準(図37参照)、固定された基準、可動の基準(図38参照)などで構成される。図37に示す伸縮基準は一対であり、それぞれがエンドプレート8’に組み付けられる。また、ここでいう可動基準は、リニアガイド上を動くように構成されているものである。あるいは、セルの長辺に2箇所、短辺に1箇所など設けられた位置決め基準を利用することも可能である。
(2)引き込み
スタック3’がある程度(例えば100セル)の長さになったところで、スタックRH側にセル押さえを積層し、セル押さえとスタック受け間でクランプする(図32参照)。スタック受けをLH方向に移動することで、セル2’がずれないように拘束荷重を作用させながらケース4’内へ引き込む。
(3)スタック移動
すべてのセル2’を積層した状態で、スタック受けから加圧シャフト6’へ受け渡しを行う。その後、エンドプレート8’をRH方向へ移動させて加圧する(図33参照)。スタック3’を圧縮保持した状態でケース4’に挿入する。
(4)エンドプレート締結
ケース4’とエンドプレート8’を締結したところで伸縮積層基準をエンドプレート8’から外し、伸縮分をすべて押し込む(図34参照)。
(5)プレクリープ
スタック基準をケースLWR開口部から下方向へ外し、プレクリープを実施する(図35参照)。
(6)スタック締結
加圧シャフト6’、荷重調整ネジを組み付け、締結荷重を抜きスタック3’に荷重を受け渡し、締結が完了する(図36参照)。
ただし、以上のごとき従来の締結工法には以下に説明するような課題があった(図39等参照)。
<積層ズレ>
セル2’への拘束力が小さいため、スタック3’をケース4’に挿入する際の摺動抵抗でセル2’が持ち上がられてしまい、これに起因する積層ズレが生じていた(図39、図40参照)。
<うねり(1)>
積層基準に剛性がなく、基準セットのままプレクリープを行うと変形してしまっていた(図41参照)。また、積層基準を取り外した後、プレクリープを実施するため、セル2’の自重と加圧による撓みとに基づいてスタック3’にうねりが発生する場合があった(図42参照)。
<うねり(2)>
シャフト6’の加圧部が2点あるため(図43参照)、上下方向への力を押さえ込むことができず、上述のうねり(1)と同様、スタック3’に撓み、うねりが発生することがあった。
<その他>
また、燃料電池スタックであって、車両への搭載位置がFRシート下である場合、水が浸入するおそれがある。このような配置である場合、水がかかりやすく、また、かかった水がそこに溜まってしまうおそれもある。このような課題に対処しようとすれば、組み付け時に利用される孔を塞ぐためだけの部品が別途必要になってしまう。例示すれば、ケース4’内の水素の換気カバーをケースURR面に組み付けたり(図44参照)、スタック加圧用の孔をカバーで孔埋めしたり(図45参照)、といった具合である。
本発明は、片側にエンドプレートを有し、該エンドプレートを端にした状態でセルを積層してなるスタックを締結する際に適用して好適なものである。
2…セル、3…セル積層体(スタック)、4…ケース、5…透孔、6…シャフト(治具)、8…エンドプレート、10…セルパレット(治具)

Claims (2)

  1. 片側にエンドプレートを有し、該エンドプレートを端にした状態でセルを積層してなるスタックの締結方法において、
    前記セルの積層後、該セル積層方向における前記エンドプレートの反対側からシャフトにて積層方向に沿って荷重を加え、
    前記セルが積層された状態を保持し、
    前記シャフトが通過可能であり尚かつ当該ケース内の換気用でもある透孔を備えたケースの当該透孔に前記シャフトを通し、
    前記ケースを前記シャフトに沿ってスライドさせ、
    前記ケースと前記エンドプレートを締結することを特徴とする、スタックの締結方法。
  2. 前記シャフトとして、前記積層されたセルの積層方向長さよりも長いものを使用することを特徴とする、請求項1に記載のスタックの締結方法。
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