JP5999262B2 - 中空糸膜シート積層体、中空糸膜シート積層体の製造方法、中空糸膜モジュールおよび中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

中空糸膜シート積層体、中空糸膜シート積層体の製造方法、中空糸膜モジュールおよび中空糸膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体の分離、精製、固液分離等に使用される中空糸膜シート状物、中空糸膜シート状物の製造方法、中空糸膜シート状物が複数枚積層した中空糸膜シート積層体、中空糸膜シート積層体の製造方法、中空糸膜シート状物を備えた中空糸膜モジュールおよび中空糸膜モジュールの製造方法に関する。本願は、2014年04月03日に、日本に出願された特願2014−077234号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、たとえば無菌水、飲料水、高度純水の製造などに使用される中空糸膜モジュールとして、複数本の中空糸膜の端部に集水用のハウジングが設けられた形態のものが知られている(たとえば特許文献1参照。)。
このような中空糸膜モジュールはたとえば次の方法で製造できる。
まず、複数本の中空糸膜を引き揃えて、その端部を容器に入れる。ついで、容器内に固定用の液状の樹脂を注入して硬化させることにより、中空糸膜の端部同士を固定、一体化し、中空糸膜集束体とする(第1の固定工程)。ついで、容器を中空糸膜集束体から取り外し、固定用の樹脂で一体化された部分の中空糸膜を樹脂ごと切断し、各中空糸膜の端部が開口した中空糸膜集束体を得る(切断工程)。その後、中空糸膜集束体の開口した端部をハウジング内に挿入し、ついで接着用の樹脂を流し込み、硬化させる(第2の固定工程)。なお、切断工程では、容器を取り外さずに、樹脂で一体化された部分を容器ごと切断してもよい。
特開2009−18283号公報
しかしながら、このような中空糸膜モジュールの製造方法は、樹脂を注入し硬化させる手間のかかる工程が、第1の固定工程と第2の固定工程との2回必要であり、煩雑であった。
また、切断工程で取り外した容器と、切断工程で切り落とされた部分は、いずれも廃棄されるため、資源の無駄があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、樹脂を注入し硬化させる工程を1回のみに低減でき、簡略で、資源の無駄も低減された中空糸膜モジュールの製造方法、該製造方法で製造された中空糸膜モジュール、該中空糸膜モジュールの製造に使用される中空糸膜シート状物、該中空糸膜シート状物の製造方法、中空糸膜シート状物が複数枚積層した中空糸膜シート積層体および中空糸膜シート積層体の製造方法の提供を目的とする。
[1]複数本の中空糸膜が平行に引き揃えられ、各中空糸膜の長手方向の両端面が開口した状態で互いに固定された中空糸膜シート状物の少なくとも1枚と、長手方向に沿う開口部が形成された一対の長尺なハウジングとを有し、前記中空糸膜シート状物の両端部が前記開口部に挿入され固定された中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜シート状物の両端部には、JIS K6251で規定される伸び(E)が100%以上の弾性体からなり、前記長手方向に対して直交する方向に延びる帯状の結束部が、両端部に少なくともそれぞれ2列ずつ形成されて、前記複数本の中空糸膜が互いに固定され、前記中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部のみが前記開口部から各ハウジング内に挿入された状態で、前記中空糸膜シート状物が前記ハウジング内に樹脂で液密に固定されている、中空糸膜モジュール
[2]前記弾性体のJIS K6253で規定されるデュロメータ硬さがA10〜95である、[1]に記載の中空糸膜モジュール
[3]前記弾性体が熱可塑性エラストマーである、[2]に記載の中空糸膜モジュール
[4]前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマーである、[3]に記載の中空糸膜モジュール
[5]前記結束部のそれぞれにおいて、隣り合う前記中空糸膜間の距離が、0〜1mmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール
[6]前記中空糸膜シート状物の両端部には、前記結束部がそれぞれ2列ずつ形成され、前記2列の結束部のうち、各端部においてハウジングから露出している1列の結束部は、各ハウジングの開口部からの距離Lが1〜30mmの位置に形成されている、[〜[5]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
]前記ハウジングの内面には、該ハウジング内に挿入された結束部を挟むように対向する少なくとも一対の凸条部が、前記ハウジングの長手方向に沿って延設されている、[〜[6]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
]前記中空糸膜シート状物を複数枚有し、該複数枚の中空糸膜シート状物は互いに接着され中空糸膜シート積層体を構成している、[]〜[]のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
][]〜[]のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部のみがハウジング内に位置するように、少なくとも1枚の中空糸膜シート状物を前記開口部から前記ハウジング内に挿入する工程(d)と、前記開口部から前記ハウジング内に樹脂を注入して硬化させ、各中空糸膜の端面が開口した状態で、前記中空糸膜シート状物を前記ハウジング内に液密に固定する工程(e)と、を有する、中空糸膜モジュールの製造方法。
10]前記工程(d)では、中空糸膜シート状物が複数枚積層され互いに接着されている中空糸膜シート積層体を前記開口部から前記ハウジング内に挿入する、[]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
11]複数本の中空糸膜が平行に引き揃えられ、各中空糸膜の長手方向の両端面が開口した状態で互いに固定された中空糸膜シート状物であって、前記中空糸膜シート状物の両端部には、JIS K6251で規定される伸び(E)が100%以上の弾性体からなり、前記長手方向に対して直交する方向に延びる帯状の結束部が、両端部に少なくとも1列ずつ形成されて、前記複数本の中空糸膜が互いに固定されている中空糸膜シート状物が複数枚積層され、隣接する中空糸膜シート状物が、これらの中空糸膜シート状物間に設けられた点状の点接着部により、互いに接着された中空糸膜シート積層体であって、
前記点接着部は、各中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部の近傍であって、かつ、該結束部よりも前記長手方向の中央側の位置において、隣接する中空糸膜シート状物の中空糸膜同士を接着するように、該結束部の長手方向に沿って前記両端部に複数ずつ設けられている、中空糸膜シート積層体。
12]前記点接着部が熱可塑性樹脂からなる、[11]に記載の中空糸膜シート積層体。
13]前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂である、[12]に記載の中空糸膜シート積層体。
14][11]〜[13]のいずれかに記載の中空糸膜シート積層体の製造方法であって、中空糸膜シート状物を用意し、該中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部の近傍であって、かつ、該結束部よりも前記長手方向の中央側の位置の中空糸膜上に、点接着部を形成するための樹脂を該結束部の長手方向に沿って前記両端部に複数ずつ点状に配置する工程(f)と、前記樹脂が点状に複数配置された前記中空糸膜シート状物の前記樹脂が配置された側に、別の中空糸膜シート状物を重ねる工程(g)と、前記工程(f)で配置された点状の樹脂を冷却固化または反応硬化させて、中空糸膜シート状物の中空糸膜同士を接着する工程(h)と、を有する、中空糸膜シート積層体の製造方法。
15]前記工程(f)では、加熱した前記樹脂を中空糸膜上に配置して、該中空糸膜に熱融着させる、[14]に記載の中空糸膜シート積層体の製造方法。
本発明によれば、樹脂を注入し硬化させる工程を1回のみに低減でき、簡略で、資源の無駄も低減された中空糸膜モジュールの製造方法、該製造方法で製造された中空糸膜モジュール、該中空糸膜モジュールの製造に使用される中空糸膜シート状物、該中空糸膜シート状物の製造方法、中空糸膜シート状物が複数枚積層した中空糸膜シート積層体および中空糸膜シート積層体の製造方法を提供できる。
中空糸膜シート状物の一例を示す平面図である。 中空糸膜シート状物の他の一例を示す平面図である。 図1の中空糸膜シート状物のA−A’線に沿う断面図である。 中空糸膜シート状物の製造方法を説明する斜視図である。 中空糸膜シート状物の製造方法を説明する斜視図である。 中空糸膜シート状物の製造方法を説明する斜視図である。 中空糸膜シート状物の製造方法を説明する斜視図である。 中空糸膜シート状物の製造方法を説明する斜視図である。 中空糸膜シート積層体の一例を示す斜視図である。 図9の中空糸膜シート積層体の平面図である。 中空糸膜シート積層体の製造方法を説明する斜視図である。 中空糸膜モジュールの一例を示す斜視図である。 図12の中空糸膜モジュールのB−B’線に沿う断面図である。 中空糸膜モジュールの他の一例について部分的に示す断面図である。 中空糸膜モジュールのさらに他の一例について部分的に示す断面図である。 中空糸膜モジュールのさらに他の一例について部分的に示す断面図である。 中空糸膜モジュールのさらに他の一例について部分的に示す断面図である。 中空糸膜モジュールのさらに他の一例について部分的に示す断面図である。 中空糸膜モジュールの製造方法を説明する断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<中空糸膜シート状物>
図1は、本発明の中空糸膜シート状物の一例を示す平面図、図2は、本発明の中空糸膜シート状物の他の一例を示す平面図、図3は図1の中空糸膜シート状物のA−A’線に沿う断面図である。
図1および図2の例の中空糸膜シート状物1A,1Bは、複数本の中空糸膜2が、互いに平行に引き揃えられ、各中空糸膜2の長手方向の両端面2aがいずれも開口した状態で、互いに固定されたものである。
中空糸膜シート状物1A,1Bにおいては、その両端部(各中空糸膜の長手方向の両端部に相当。)のそれぞれに、中空糸膜2の長手方向に対して直交する方向に延びる、一定の幅の帯状の結束部3a,3bが形成され、これらの結束部3a,3bにより、複数本の中空糸膜2が互いに固定されている。この例では、結束部3a,3bは、中空糸膜シート状物1A,1Bの各端部のそれぞれに2列ずつ互いに重ならないように離間して形成され、各中空糸膜シート状物1A,1Bにおいて、合計で4列設けられている。
結束部3a,3bは、JIS K6251で規定される伸び(E)が100%以上の弾性体から形成されている。
各端部に形成された2列の結束部3a,3bのうち、中空糸膜シート状物1A,1Bの最も端部側に設けられた各結束部(以下、「第1結束部」ともいう。)3aは、該中空糸膜シート状物1A,1Bに対して、集水管として作用する長尺なハウジングを装着して中空糸膜モジュールを製造する際に、ハウジングからはみ出ることなくハウジング内に挿入される部分である。一方、2列の結束部3a,3bのうち、中空糸膜シート状物1A,1Bの長手方向の中央側に設けられた各結束部(以下、「第2結束部」ともいう。)3bは、中空糸膜モジュールを製造する際に、ハウジング内には挿入されず、ハウジングから露出する部分である。
第1結束部3aは、伸び(E)が100%以上の弾性体から形成されているため、中空糸膜モジュールの製造時にハウジング内に挿入された際に、詳しくは後述するように、ハウジングの内面と液密に密着し、シール性を発揮する。このように第1結束部3aがシール性を発揮しつつハウジング内に挿入された状態において、ハウジング内に、中空糸膜シート状物1A,1Bをハウジング内に固定するための液状の樹脂を注入することにより、ハウジング内の流路(集水空間)にまで樹脂が垂れる「樹脂ダレ」を防止しつつ、中空糸膜間や、中空糸膜とハウジングの内面との間に、樹脂を行きわたらせることができる。仮に樹脂ダレが生じると、ハウジングの集水空間や、中空糸膜2の開口している端面(以下、「開口端面」ともいう。)2aが閉塞され、中空糸膜モジュールの濾過機能が損なわれる。
第2結束部3bは、中空糸膜シート状物1A,1Bにハウジングを装着したときに、ハウジングから露出する位置に形成されている。そのため、中空糸膜モジュールを製造するにあたって、中空糸膜シート状物1A,1Bの第1結束部3aをハウジング内に挿入後、固定用の樹脂をハウジング内に注入したときに、いわゆる「樹脂の這い上がり」が生じたとしても、第2結束部3bの存在によりこれを阻止でき、第2結束部3bを越えての樹脂の這い上がりが防止される。「樹脂の這い上がり」とは、中空糸膜2が密に集束されているために毛細管現象が生じ、そのため、ハウジング内に樹脂を注入した際に、樹脂が中空糸膜2に沿って、中空糸膜2の長手方向の中央側に向かって這い上がってしまう現象である。樹脂が這い上がった部分の中空糸膜2は、表面が樹脂で被覆された状態となり、膜として機能しない。そのため、樹脂の這い上がりは、できるだけ抑制されることが好ましい。
また、第2結束部3bは、中空糸膜モジュールのエアスクラビング処理時における膜損傷を防止する作用も奏する。一般に、中空糸膜モジュールを処理水槽に浸漬して膜濾過する場合には、汚泥などの固形分が膜表面に付着することを防ぐために、モジュール下部から上方に向けて空気を送るエアスクラビング処理を行う。このようなエアスクラビング処理を行うと、発生した気液混合流により中空糸膜は激しく搖動する。そして、特に、上述の樹脂の這い上がりによって被覆された部分と、被覆されていない部分との境界において、中空糸膜が急激に折れ曲がり、その部分が損傷しやすい。これに対して、伸び(E)が100%以上の弾性体から形成される第2結束部3bを設けると、第2結束部3bが、中空糸膜2を補強するとともに、エアスクラビング処理により中空糸膜2に加わる応力を緩和し、中空糸膜2の急激な折れ曲がりを防止し、膜損傷を抑制できる。
このように第2結束部2bは、樹脂の這い上がりを阻止するストッパとしての役割と、エアスクラビング処理時に中空糸膜2に加わる応力を緩衝しつつ、中空糸膜2を補強する補強緩衝部としての2つの役割を奏する。
第1結束部3aの幅L1および第2結束部3bの幅L3は、それぞれ3〜30mmの範囲であることが好ましい。上記範囲の下限値以上であると、各結束部3a,3bと中空糸膜2との接合部が充分な強度となり、中空糸膜シート状物1A,1Bが破断しにくい。上記範囲の上限値以下であると、各結束部3a,3bを形成することによる膜面積の低下を抑えられる。なお、第1結束部3aは、ハウジングからはみ出ないように挿入される部分であるため、第1結束部3aの幅L1は、3〜30mmの範囲内において、ハウジングの大きさも勘案して決定することが好ましい。
第1結束部3aの幅L1と第2結束部3bの幅L3とは、同じでも異なっていてもよい。
図1の例では、帯状の第1結束部3aの両側端面のうち、中空糸膜シート状物1Aのより端部側に位置する方の一側端面が、中空糸膜2の開口端面2aと同一平面上に位置するように、すなわち、第1結束部3aの上記一側端面と中空糸膜2の開口端面2aとが面一となるように、第1結束部3aが設けられている。
第1結束部3aは、図2の例のように、上記一側端面が、中空糸膜2の開口端面2aよりも中空糸膜2の長手方向の中央側に、距離L10だけ、ずれるように設けられ、中空糸膜2の端部が距離L10の分だけ第1結束部3aよりも外方に突出していても構わない。しかしながら、突出した部分の中空糸膜2は、中空糸膜モジュールを製造したときには、詳しくは後述するように、ハウジング内に埋設され、膜として機能しなくなる部分である。よって、膜面積の点から、突出する中空糸膜2の長さ、すなわち距離L10は小さいことが好ましく、10mm以下が好ましく、図1の形態のように0であることが最も好ましい。
第2結束部3bは、上述のとおり、中空糸膜モジュールを製造したときに、ハウジングから露出する位置に形成される。そのため、第2結束部3bの形成位置は、ハウジングの大きさ等に応じて決定されるが、通常は、中空糸膜の全長を100%としたときに、端部から5%までの範囲内に収まるように、設けられる。詳しくは後述するが、第2結束部3bは、各ハウジングの開口部からの距離Lが1〜30mmとなる位置に形成されることが好ましい。
第1結束部3aおよび第2結束部3b内は、図3に示すように、中空糸膜2間に弾性体が隙間なく密に充填されるように形成されていることが好ましい。第1結束部3aがこのように形成されていると、上述したシール性が充分に発揮され、上述の樹脂ダレをより抑制できる。第2結束部3bがこのように形成されていると、補強緩衝部としての作用がより優れる。
また、第1結束部3aおよび第2結束部3bの表面3cは、両面ともに平坦であることが好ましい。特に第1結束部3aの表面が平坦であると、詳しくは後述するように、中空糸膜シート状物1A,1Bを2枚以上重ね、重ねられた第1結束部3aをハウジング内に挿入して中空糸膜モジュールを製造する際において、第1結束部3a同士が隙間なく液密に密着して高いシール性を発揮しやすい。これにより第1結束部3a同士の隙間からの樹脂ダレが防止される。また、中空糸膜シート状物1A,1Bを2枚以上重ねて互いに接着し、後述の中空糸膜シート積層体を形成する場合にも、第1結束部3a同士が隙間なく液密に密着して高いシール性を発揮しやすい。
第1結束部3aおよび第2結束部3bのそれぞれにおいて、中空糸膜2上に被覆される弾性体の厚みt1は、0.1〜1mmの範囲が好ましい。上記範囲の下限値以上であると、弾性体と中空糸膜2の接合部とが充分な強度となり、中空糸膜シート状物1A,1Bが破断しにくい。上記範囲の上限値以下であると、弾性体の使用量が抑制され、コストが低減される。また、第1結束部3aについては、中空糸膜シート状物1A,1Bを2枚以上重ね、重ねられた第1結束部3a同士をハウジング内に挿入して中空糸膜モジュールを製造した際に、中空糸膜モジュールあたりの膜の充填密度を充分に高くできる。また、中空糸膜シート状物1A,1Bを2枚以上重ねて互いに接着し、後述の中空糸膜シート積層体を形成し、これを中空糸膜モジュールの製造に用いた場合にも、中空糸膜モジュールあたりの膜の充填密度を充分に高くできる。
第1結束部3aおよび第2結束部3bのそれぞれにおいて、隣り合う中空糸膜2間の距離L4は、0〜1mmの範囲が好ましい。上記範囲内であれば、中空糸膜2の本数に対する弾性体の使用量を抑制でき、コストを抑えられる。また、隣り合う中空糸膜2間の距離L4は、0〜0.5mmの範囲が更に好ましく、中空糸膜シート状物あたりの膜面積も充分に確保できる。
弾性体は、JIS K6251で規定される伸び(E)が100%以上の弾性体であることが必要である。このような伸び(E)の弾性体で形成された第1結束部3aは、上述のシール性を充分に発揮する。また、このような伸び(E)の弾性体で形成された第2結束部3bは、エアスクラビング処理による中空糸膜の損傷を防止するための補強緩衝部として充分に作用する。弾性体の伸び(E)は、200%以上であることが更に好ましく、中空糸膜の折れ曲がりを補強する効果が更に高まる。伸び(E)の上限には特に制限はないが、通常は600%程度である。
弾性体は、JIS K6253で規定されるデュロメータ硬さが、A10〜95の範囲であることが好ましい。上記範囲内であると、第2結束部3bは、エアスクラビング処理による中空糸膜2の損傷を防止するために充分な強度を有し、かつ、充分な応力緩衝作用を奏する。また、デュロメータ硬さが上記範囲内であると、第1結束部3aは、上述のシール性を充分に発揮する。弾性体のデュロメータ硬さは、A40〜90であることが更に好ましい。A40以上であれば、第1結束部3aと第2結束部3bに十分な強度を得るための弾性体の使用量を抑えられるのでコストを抑制できる。A90以下であれば、第2結束部3bの柔軟性が増すので中空糸膜の損傷を防止する効果がより高まる。
なお、JIS K6253のデュロメータ硬さの規格は、ISO 7619に対応する。
弾性体の材質としては、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーの種類は、中空糸膜シート状物1A,1Bが使用される環境に応じて、環境への耐性等を勘案して選択でき、たとえば、スチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、塩化ビニル系エラストマー(TPVC)、エステル系エラストマー(TPC)、ウレタン系エラストマー(TPU)、アミド系エラストマー(TPA)などが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。なかでも、ゴム弾性が高く、耐薬品性に優れている点から、スチレン系エラストマー(TPS)が好ましい。また、本発明で用いる弾性体の材質は、熱可塑性エラストマーに限定されるものではなく、上記の伸び(E)とデュロメータ硬さが適しており、且つ使用環境に耐えうるものであればよい。たとえば、弾性体としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂も使用できる。
中空糸膜の材質としては、例えば、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートなどが挙げられ、これらのうち1種以上を含む樹脂を使用できる。また、これらの樹脂の共重合体や一部に置換基を導入したものであってもよい。
<中空糸膜シート状物の製造方法>
中空糸膜シート状物1A,1Bは、下記の工程(a)〜(c)を有する方法により、製造できる。
工程(a):複数本の中空糸膜を平行に引き揃える工程。
工程(b):引き揃えられた複数本の中空糸膜2の複数箇所に、弾性体からなる帯状物を中空糸膜の長手方向に対して直交する方向に配置して接合する工程。
工程(c):帯状物が中空糸膜に接合して形成された結束部またはその近傍の1箇所以上で、複数本の中空糸膜を中空糸膜の長手方向に対して直交する方向に切断し、少なくとも1枚の中空糸膜シート状物を得る工程。
工程(c)において、結束部において中空糸膜を切断すると、たとえば図1の形態の中空糸膜シート状物1Aが得られ、結束部の近傍(結束部以外の位置)で中空糸膜を切断すると、たとえば図2の形態の中空糸膜シート状物1Bが得られる。
具体的には、図4〜8を挙げて以下に説明するように、複数枚の中空糸膜シート状物を製造できる方法が好ましい。
たとえば図4に示すように、2本1組の溝付きロール8,8を回転させて、供給される中空糸膜2をこれらの溝付きロール8,8で巻き取っていく。これにより複数本の中空糸膜2を平行に引き揃える(工程(a))。
ついで、伸び(E)が100%以上の弾性体からなる帯状物(テープ)を用意し、その長手方向が中空糸膜2の長手方向に対して直交する方向となるように、引き揃えられた複数本の中空糸膜2の複数箇所に配置する。そして、図8(a)〜(c)に示すように、たとえばインパルスヒータ9等の加熱手段を用いて帯状物3’を熱融着することにより、中空糸膜2に接合する(工程(b))。図4は、工程(b)において、帯状物の接合を、中空糸膜2の長手方向に離間した2つの領域において、それぞれ3箇所ずつ、合計6箇所に対して行っている例である。図8(a)〜(c)は、各箇所における帯状物3’の接合方法を示している。
工程(b)の好適な態様について、具体的に説明する。
まず、図8に示すように、各箇所において、引き揃えられた複数本の中空糸膜2を挟持するように、2本の帯状物3’を中空糸膜2の両側に対向配置する(図8(a))。
ついで、たとえば上側部9aと下側部9bとを有し、瞬間的に電流を流すことで対象物を加熱するインパルスヒータ9を用い、その上側部9aと下側部9bの平坦なシール面で、対向配置された2本の帯状物3’を外側から挟む。ついで、インパルスヒータ9に電流を流し、2本の帯状物3’の両方を外側から加熱しながら加圧する(図8(b))。
これにより、各帯状物3’を構成する弾性体が溶融、流動し、中空糸膜2間に行きわたる。
その後、インパルスヒータ9の電流を切り、弾性体の温度を放冷により低下させ、弾性体が固化してから、上側部9aと下側部9bとを開放し、インパルスヒータ9を帯状物3’から離す。これにより、結束部3a,3bが形成される(図8(c))。
ついで、図4に示すように、工程(c)において形成された結束部3a,3bまたはその近傍の1箇所以上で、複数本の中空糸膜2を中空糸膜2の長手方向に対して直交する方向に切断する。図4の例においては、帯状物により形成された3本並んだ結束部3a,3bのうち、中央の結束部3aの中心線(長さ方向に沿う線)α1およびα2に沿う2箇所を切断する。
これにより、図1の形態の中空糸膜シート状物1Aを2枚得ることができる。
このように弾性体からなる帯状物3’を用いて結束部3a、3bを形成する方法は、特別な装置を必要とせず、簡便に行える。たとえば、ホットメルト樹脂を中空糸膜に帯状に供給することで、結束部を形成する方法では、ホットメルトアプリケーターなどの樹脂供給装置が別に必要となり、設備コストが高くなる。
帯状物3’の材質としては、結束部3a,3bについて先に説明したとおりであり、伸び(E)が100%以上の弾性体からなるものが使用できる。好ましくはデュロメータ硬さがA10〜95の範囲である、TPS、TPO、TPVC、TPC、TPU、TPAなどの熱可塑性エラストマーからなるテープが挙げられる。
帯状物3’の厚みは、中空糸膜2の外径の0.15〜0.25倍であると、図3に示すように中空糸膜2間に弾性体が隙間なく密に充填され、厚みt1が適切な中空糸膜シート状物1A,1Bが得られやすい。また、帯状物3’の厚みは、このような条件を満たし、かつ、0.2〜1mmの範囲内であることが好ましい。
工程(b)で用いる加熱手段には制限はないが、上述のようなインパルスヒータ9を用いると、短時間で、簡便に、加熱と加圧と冷却を行うことができ、平滑な表面3cを有し、中空糸膜2間に弾性体が隙間なく密に充填された図3に示すような結束部3a,3bを形成しやすい。たとえば、金属などのブロックを高温に保ったホットプレートで加熱する方法等もあるが、この方法では、帯状物を加熱した後、冷却機構が別途必要となり、装置が複雑になる。これに対してインパルスヒータ9であれば、電流を瞬間的に流して加熱するものであるために、冷却機構を別途設けて冷却しなくても、電流を切れば比較的短時間で、加熱対象物の温度が低下する。
工程(c)で用いる切断手段としては、中空糸膜2を潰さずに開口を維持しつつ切断でき、かつ、その切断面が滑らかとなるように切断できるものであれば特に限定されず、カッターナイフ、はさみ、ギロチンカッター、ロータリーカッター、超音波カッターなどを使用できる。
なお、図4の例では、引き揃えられた複数本の中空糸膜2に対して、帯状物3’を6箇所に接合し、その後、複数箇所を適宜切断することにより、図1の形態の中空糸膜シート状物1Aを2枚一括に得る方法を示したが、本発明の中空糸膜シート状物の製造方法はこれに限定されない。
たとえば、図5に示すように、帯状物の接合を2領域4箇所ずつの8箇所において行い、帯状物により形成され4本並んだ結束部3a,3bを、2本ずつに分ける線α3およびα4に沿って、中空糸膜2のみを切断し、図2の形態の中空糸膜シート状物1Bを2枚一括に得てもよい。また、図6に示すように、帯状物の接合を4領域3箇所ずつの12箇所において行い、帯状物により形成され3本並んだ結束部3a,3bのうち、中央の結束部3aの中心線であるα5〜α8に沿って切断することにより、図1の形態の中空糸膜シート状物1Aを4枚一括に得ることもできる。
このように結束部を形成する本数、領域等を適宜変更し、また、必要とされる中空糸膜シート状物の長さに応じて、使用する2本の溝付きロール8,8のロール径、ロール間距離等を適宜調整することにより、任意の長さの複数枚の中空糸膜シート状物を一括して得ることができる。
なお、工程(a)は、たとえば図7に示すように、2本1組のニップロール10を1組以上用いて、図示略のクリール装置から供給された複数本の中空糸膜2を搬送しながら引き揃える方法で行ってもよい。この方法によれば、複数枚の中空糸膜シート状物を連続的に製造できる。
<中空糸膜シート積層体>
図9は、本発明の中空糸膜シート積層体の一例を示す斜視図であって、図1の中空糸膜シート状物1Aが複数枚積層され、隣接する中空糸膜シート状物1Aが互いに接着され固定されたものである。この例の中空糸膜シート積層体30は、4枚の中空糸膜シート状物1Aが積層されて構成されている。図10は、図9の中空糸膜シート積層体30の平面図である。
この例の中空糸膜シート積層体30は、隣接する中空糸膜シート状物1Aが、これらの中空糸膜シート状物1A間に設けられた複数の点状の点接着部21により互いの中空糸膜2同士が接着するように、積層している。具体的には、中空糸膜シート状物1Aの両端部に形成された結束部3a,3bのうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部(第1結束部)3aの近傍であって、かつ、該第1結束部3aよりも中空糸膜2の長手方向の中央側の位置において、中空糸膜2同士が接着する位置に配置されている。この例では、中空糸膜シート状物1Aの両端部のそれぞれにおいて、第1結束部3aと第2結束部3bの間に点接着部21が配置され、中空糸膜2同士が接着している。また、点接着部21は、中空糸膜シート状物1Aの両端部のそれぞれにおいて、第1結束部3aの長手方向に沿って、複数ずつ(この例では3つずつ。)配置されている。
このように点接着部21が、隣接する中空糸膜シート状物1Aの第1結束部3a同士または第2結束部3b同士を接着する位置ではなく、中空糸膜2同士を接着する位置に設けられていると、隣接する中空糸膜シート状物1Aの第1結束部3a同士、第2結束部3b同士を隙間なく密着させることができる。そのため、得られた中空糸膜シート積層体30の第1結束部3aをハウジング内に挿入して中空糸膜モジュールを製造する際に、第1結束部3a同士が隙間なく液密に密着して高いシール性を発揮しやすい。
これに対して、仮に、点接着部が第1結束部同士を接着する位置に設けられていると、中空糸膜シート状物を積層したときに、点接着部の厚みにより、第1結束部同士の合わせ面に隙間が生じる。そのため、中空糸膜モジュールを製造するにあたって、得られた中空糸膜シート積層体の第1結束部をハウジング内に挿入し液状の樹脂を注入したときに、該隙間から樹脂が垂れる「樹脂ダレ」が生じやすく、好ましくない。
また、仮に、点接着部が第2結束部同士を接着する位置に設けられていると、中空糸膜シート状物を積層したときに、点接着部の厚みにより、第2結束部同士の合わせ面に隙間が生じる。そのため、得られた中空糸膜シート積層体の厚みが第2結束部の部分で不均一となり、好ましくない。
点接着部21は、この例のように、第1結束部3aの近傍であって、かつ、第1結束部3aよりも長手方向の中央側の位置の中空糸膜2上に配置されていると、得られた中空糸膜シート積層体30を用いて、良好な品質の中空糸膜モジュールを歩留まりよく製造できる。
仮に、点接着部が第2結束部の近傍に設けられていると、製造後の中空糸膜モジュールにおいて、点接着部はハウジングから露出した部分の中空糸膜同士を接着することになる場合が多い。この場合、中空糸膜が搖動したとき、点接着部に応力が集中して、膜損傷しやすくなり、中空糸膜モジュールとしての性能が低下する。また、点接着部がハウジング内に収まるように第1結束部と第2結束部との間に設けられていたとしても、その位置が第1結束部の近傍ではない場合には、ハウジングの開口部に近い位置に点接着部が位置することになり、該点接着部が、ハウジング内に液状の樹脂を注入した時の樹脂の流動を妨げる場合がある。その結果、ハウジング内に樹脂が行きわたらない空洞が発生し、中空糸膜モジュール生産時の歩留まりが低下する可能性がある。
これに対して、点接着部21が第1結束部3aの近傍であって、かつ、第1結束部3aよりも長手方向の中央側の位置の中空糸膜2上に配置されていると、上述の問題が生じず、良好な品質の中空糸膜モジュールを歩留まりよく製造できる。
なお、第1結束部3aの近傍とは、第1結束部3aにおける両側端部のうち中空糸膜2の長手方向の中央側の方の側端部から、中空糸膜2の長手方向に沿って測定される図10に示す距離L20が、0〜10mmまでの範囲のことをいう。この範囲内に点接着部21が収まるように配置されていれば、点接着部21は第1結束部3aの近傍に位置していることになる。
1つの点接着部21を平面視したときの径(平面視)は、1〜10mmが好ましい。なお、点接着部が円形の場合には、上記「径」とは直径を意味し、円形以外の形状の場合には、点接着部の外接円を想定したときの該外接円の直径を意味する。
中空糸膜シート積層体30の形状を安定化させるために、点接着部21は、中空糸膜シート状物1Aの両端部のそれぞれにおいて、複数ずつ設けられている。中空糸膜シート状物1Aの大きさにもよるが、各端部においてそれぞれ、2〜20箇所に設けられていることが好ましく、3〜10箇所に設けられていることが更に好ましい。上記範囲内であれば、中空糸膜シート積層体30の形状を安定に維持できる。また、点接着部21の使用量及び接着に要する加工時間を抑制でき、コストも抑えられる。
点接着部21の材質としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂を採用することにより、広く市販されているグルーガンを用いて、極めて短時間かつ抵低コストで、中空糸膜同士を接着できる。
熱可塑性樹脂の種類は、中空糸膜シート積層体30が使用される環境への耐性等を考慮し、該環境に応じて選択できる。熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)などが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。なかでも、燃焼により有毒ガスが発生しにくく、耐薬品性に優れている点から、PE、PP、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)などのオレフィン系樹脂が好ましい。
点接着部21の材質は、熱可塑性樹脂に限定されず、熱可塑性エラストマー;エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂も使用できる。
<中空糸膜シート積層体の製造方法>
図11は、図9および図10の中空糸膜シート積層体30の製造方法を説明する斜視図である。中空糸膜シート積層体30は、下記の工程(f)〜(h)を有する方法により、製造できる。
工程(f):図11(a)に示すように、中空糸膜シート状物1Aを用意し、該中空糸膜シート状物1Aの両端部に形成された第1結束部3aの近傍であって、かつ、第1結束部3aよりも中空糸膜2の長手方向の中央側の位置の中空糸膜2上に、点接着部21を形成するための樹脂21’を第1結束部3aの長手方向に沿って前記の両端部に複数ずつ点状に配置する工程。
この例では、樹脂21’は各端部において、3箇所ずつ互いに離間して設けられている。
工程(f)において、中空糸膜2上への樹脂21’の供給、配置には、加熱された樹脂を定量吐出するノズル22を備えたグルーガンを使用することが好ましい。グルーガンは、市販品を使用できる。グルーガンを用いると、加熱された熱可塑性樹脂を定量吐出する作業を容易に行えるので、点接着の作業時間を短縮できる。
なお、樹脂21’の供給、配置は、グルーガンを用いる方法に限定されず、たとえば、注射器を利用してポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を供給して、点接着の作業を行っても構わない。
工程(g):図11(b)に示すように、樹脂21’が点状に複数配置された中空糸膜シート状物1Aの樹脂21’が配置された側に、別の中空糸膜シート状物1Aを重ねる工程。
工程(h):工程(f)で配置された点状の樹脂を冷却固化または反応硬化させて、中空糸膜シート状物1Aの中空糸膜2同士を接着する工程。これにより、図11(c)に示すように中空糸膜シート積層体30が得られる。
樹脂21’として熱可塑性樹脂を用いた場合には、工程(h)では該樹脂を温度降下により冷却固化させ、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いた場合には、工程(h)では該樹脂を加熱、光照射等により反応硬化させる。
上記工程(f)〜工程(h)を必要に応じて繰り返し行うことにより、複数枚の中空糸膜シート状物1Aが積層されて互いに接着した中空糸膜シート積層体を製造できる。
<中空糸膜モジュール>
図12は、図1の中空糸膜シート状物1Aを備えた本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す斜視図、図13は、図12の中空糸膜モジュールのB−B’線に沿う断面図である。
この例の中空糸膜モジュール4Aは、重ねられた4枚の中空糸膜シート状物1Aと、4枚の中空糸膜シート状物1Aの両端部に装着された一対の長尺なハウジング5a,5bとを有して構成されている。各ハウジング5a,5bには、重ねられた中空糸膜シート状物1Aの端部が挿入され、固定用の樹脂6により、4枚の中空糸膜シート状物1Aがハウジング5a,5b内に液密に固定されている。
この形態の中空糸膜モジュール4Aにおいては、中空糸膜2で濾過された処理後の液体は、ハウジング5a,5b内の長手方向に沿う流路、すなわち集水空間7に一旦集められてから、ハウジング5a,5bの長手方向の末端に形成された取水口5cを経て、中空糸膜モジュール4Aの外部へ取り出される。
なお、この例の中空糸膜モジュール4Aは、中空糸膜シート状物1Aを4枚具備しているが、本発明の中空糸膜モジュールは、中空糸膜シート状物を1枚以上有していればよく、1枚でも、2枚以上の任意の枚数であってもよい。
この例のハウジング5a,5bは、長手方向に直交する断面がU字状に形成されたものであって、長手方向に沿うスリット状の開口部14が形成されている。具体的には、この例のハウジング5a,5bは、長手方向に沿って延在し、互いに対向する一対の側壁部15a,15bと、一対の側壁部15a,15bをつなぐ底部15cとで形成され、底部15cに対向する位置に、開口部14が形成されている。
4枚の中空糸膜シート状物1Aは、結束部同士が密着するように、具体的には、それぞれの第1結束部3a同士、第2結束部3b同士が密着するように、重ねられている。そして、このように重ねられた状態で、各中空糸膜シート状物1Aの第1結束部3aが、開口部14からハウジング5a,5b内に挿入されている。
この例のハウジング5a,5bの各側壁部15a,15bの内面には、長手方向に沿う段差部16が互いに対向する位置に形成され、この段差部16を境にして、底部15c側の方が、開口部14側よりも、側壁部15a,15b間の距離(クリアランス)が小さくなっている。そして、この底部15c側の側壁部15a,15b間の距離が、重ねられた第1結束部3aの総厚みと同程度かやや小さく設定されている。これにより、図13に示すように、重ねられた第1結束部3aが段差部16よりも底部15c側まで挿入されると、側壁部15a,15bの内面と液密に密着し、シール性を発揮する。また、各第1結束部3a同士も液密に密着し、シール性を発揮する。この例では、段差部16の位置と、帯状に形成された第1結束部3aにおける両側端部のうち中空糸膜2の長手方向の中央側の方の側端部の位置とが、一致するように、ハウジング5a,5b内に挿入されている。
このように第1結束部3aによるシール性が発揮されることにより、開口部14からハウジング5a,5b内に、固定用の液状の樹脂6を注入した場合、樹脂6は第1結束部3aや段差部16よりも開口部14側のみに充填され、底部15c側の集水空間7に樹脂ダレすることがない。また、中空糸膜2間には、第1結束部3aを構成している弾性体が存在するため、中空糸膜2間を通じて下方への樹脂ダレが起こることもない。仮に、第1結束部が設けられていない中空糸膜シート状物を用い、その端部をハウジング内に挿入した状態で、ハウジング内に液状の樹脂を注入すると、中空糸膜間や、中空糸膜とハウジングの内面との間を液状の樹脂が通り抜け、樹脂ダレが生じる。その結果、ハウジングの集水空間や中空糸膜の開口端面が閉塞され、中空糸膜モジュールの濾過機能が損なわれる。
第2結束部3bは、図13に示すように、ハウジング5a,5bから露出している。具体的には、第2結束部3bは、開口部14からの距離Lが1〜30mmのところに位置することが好ましく、3〜10mmのところに位置することがより好ましい。なお、距離Lとは、図示のように、ハウジング5a,5bの開口部14から、帯状の第2結束部3bの両側端部のうち、中空糸膜2の長手方向の端部側の側端部までの、中空糸膜2に沿う直線長さである。
距離Lが上記範囲の下限値以上であると、ハウジング5a,5bの開口部14と第2結束部3bとが充分に離れているため、開口部14からハウジング5a,5b内に液状の樹脂を注入するときに充分な開口が確保される。その結果、樹脂はハウジング内の空気を効率的に押し出し、空気と入れ替わりながら、円滑に短時間で注入される。距離Lが上記範囲の下限値未満であると、液状の樹脂を注入するときに充分な開口を確保できず、その結果、樹脂がこぼれるなどして注入しにくく、注入に時間を要する。また、このように樹脂の注入に時間を要すると、樹脂がハウジング内に充分に行きわたる前に、樹脂の粘度が上昇してしまう。その結果、樹脂の円滑な注入がさらに困難となるとともに、ハウジング内に樹脂が行きわたらない空洞が形成されて封止が不充分となり、いわゆるリークの発生率が高くなる。リークの発生率が高くなると、中空糸膜モジュールの生産歩留まりが低下する。一方、距離Lの部分に位置する中空糸膜は、膜としては機能しにくいため、距離Lが上記範囲の上限値を超えると、中空糸膜モジュールの膜面積の減少につながり好ましくない。
図14は、本発明の中空糸膜モジュールの他の一例について、その一部を示す断面図である。図14の中空糸膜モジュール4Bは、第1結束部3aよりも中空糸膜2が突出した図2の形態の中空糸膜シート状物1Bを備えている。上述したように、この突出した部分の中空糸膜2は、ハウジング内に埋設され、膜として機能しないため、その長さは短いことが好ましく、10mm以下がより好ましく、突出していない、すなわち0であることが最も好ましい。
図15は、本発明の中空糸膜モジュールのさらに他の一例について、その一部を示す断面図である。図15の中空糸膜モジュールは、ハウジング25a,25bとして、長手方向に直交する断面がH字状に形成されたものを備えている。このようなハウジング25a,25bは、長手方向に沿って延在し、互いに対向する一対の脚部11,11を有する。そのため、このような脚部を有しない図13に示されるようなハウジング5a,5bと比較して、断面2次モーメントが増して、機械的な曲げ強度が高まる。また、後述するように、ハウジング25a,25bの内部へ中空糸膜シート状物1Aの端部を挿入するときに、脚部11,11同士を互いに近づけるような図中矢印方向の力を加えることで、ハウジング25a,25bの開口部14が充分に広がり、中空糸膜シート状物1Aの挿入が容易になる。なお、この例では、各脚部11,11の内面のそれぞれに、長手方向に沿って延在し、互いに対向する一対のリブ17,17が設けられ、脚部11,11の強度が高められている。
また、図16に示すように、ハウジング35a,35bの一対の側壁部15a,15bは、底部15c側から開口部14側に向けて、互いの距離が徐々に広がるように形成されていてもよい。このように徐々に広がる部分12を設けることで、ハウジング35a,35b内に液状の樹脂を注入する際に充分な開口を確保できる。また、この部分12は樹脂がこぼれないようにする堰としても作用する。そのため、樹脂の注入を容易に短時間で行える。
また、図17に示すように、ハウジング45a,45bの内面、具体的には一対の側壁部15a,15bの内面には、ハウジング45a,45b内に挿入された第1結束部3aを挟むように対向する少なくとも一対の凸条部が、ハウジング45a,45bの長手方向に沿って延設されていてもよい。図17(b)〜(d)は、図17(a)中の円で囲まれた部分を拡大して図示するものである。凸条部としては、図17(b)に示すような断面が三角形の凸条部20a、図17(c)に示すような断面が四角形の凸条部20b、図17(d)に示すような断面が半円形の凸条部20c等が挙げられる。
このような凸条部20a,20b,20cを設けることにより、中空糸膜シート状物1Aの第1結束部3aに凸条部20a,20b,20cが食い込み、中空糸膜シート状物1Aがずれないように確実に保持され、寸法のばらつきのない中空糸膜モジュールを安定に生産できる。
凸条部は二対以上を設けてもよく、その数に制限はない。また、凸条部の突出高さは、特に限定されず、ハウジングの大きさや中空糸膜シート状物の厚さ等に合わせて適宜決定できる。
なお、以上の例の中空糸膜モジュールは、重ねられた4枚の中空糸膜シート状物1A,1Bを備えているが、図18に示すように、これらの中空糸膜シート状物1Aがあらかじめ点接着部21で互いに接着された上述の中空糸膜シート積層体30を備えていてもよい。
この例の中空糸膜シート積層体30は、第1結束部3aの近傍であって、かつ、第1結束部3aよりも中空糸膜2の長手方向の中央側の位置に設けられた点接着部21により、隣接する中空糸膜シート状物1Aの中空糸膜2同士が接着したものである。このような中空糸膜シート積層体30を用いた場合、点接着部21により接着した部分の中空糸膜2は、第1結束部3aとともに、ハウジング25a,25b内に位置する。中空糸膜シート積層体30は、中空糸膜シート状物1Aの両端部側が互いに接着、一体化されており、形状安定性に優れるため、取扱性に優れる。そのため、中空糸膜モジュール製造時に、中空糸膜シート積層体30をハウジング25a,25bにその開口部14から挿入する作業をより簡単に行える。
また、先に説明したとおり、点接着部21が第1結束部3aの近傍であって、かつ、第1結束部3aよりも長手方向の中央側の位置の中空糸膜2上に配置されていると、得られた中空糸膜シート積層体30を用いて、良好な性能の中空糸膜モジュールを歩留まりよく製造できる。
ハウジングの材質としては、機械的強度および耐久性を有するものが好適に用いられ、たとえばポリカーボネート、ポリスルホン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)などが挙げられ、これらのうち1種以上を含む樹脂を使用できる。
固定用の樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系充填材、各種ホットメルト樹脂が挙げられる。
<中空糸膜モジュールの製造方法>
中空糸膜モジュールは、下記の工程(d)〜(e)を有する方法により、製造できる。
工程(d):中空糸膜シート状物の両端部に形成された結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部(第1結束部)のみがハウジング内に位置するように、少なくとも1枚の中空糸膜シート状物をハウジングの開口部からハウジング内に挿入する工程。
工程(e):ハウジングの開口部からハウジング内に樹脂を注入して硬化させ、各中空糸膜の端面が開口した状態で、中空糸膜シート状物をハウジング内に液密に固定する工程。
以下、断面がH状のハウジング25a,25bを用いた場合を例に挙げて、中空糸膜モジュールの製造方法を図19を参照しつつ説明する。
中空糸膜シート状物を複数枚用いて中空糸膜モジュールを製造する場合には、工程(d)において、図19(a)に示すように、まず中空糸膜シート状物1Aを複数枚積層する。この際、各中空糸膜シート状物1Aの第1結束部3a同士、第2結束部3b同士が重なるように、積層する。ついで、このように積層された中空糸膜モジュール1Aの積層体の結束部3a,3bのうち、第1結束部3aのみがハウジング25a,25b内に位置するように、中空糸膜シート状物1Aをハウジング25a,25bの開口部14から挿入する(図19(b)〜(c))。この際、図19(b)に示すように、ハウジングの脚部11,11同士を互いに近づけるような力を加えることで、ハウジング25a,25bの開口部14が充分に広がり、中空糸膜シート状物1Aの積層体の挿入が容易になる。
また、第1結束部3aは、段差部16よりも底部15c側の部分に収まるように挿入、配置される。
ついで、図19(d)に示すように、工程(e)において、ハウジング25a,25bの開口部14からハウジング内に樹脂6を注入して硬化させ、各中空糸膜2の端面2aが開口した状態で、中空糸膜シート状物1Aをハウジング内に液密に固定する。これにより中空糸膜モジュールを製造できる。なお、ハウジング内に樹脂6を注入する際には、ハウジングの形態に応じて、あらかじめハウジングの両端に集水キャップ、プラグ等を取り付けてもよい。
なお、工程(d)では、中空糸膜シート状物1Aが複数枚積層され上述の点接着部21により互いに接着されている中空糸膜シート積層体30を採用し、これをハウジング25a,25b内に挿入してもよい。
以上説明した中空糸膜モジュールの製造方法においては、中空糸膜シート状物として、特定の弾性体からなる結束部により固定されているものを用いている。そのため、中空糸膜モジュールを製造するにあたって、樹脂を注入し硬化させる工程を、中空糸膜シート状物をハウジングに固定する際の1回のみに低減でき、工程を簡略化できる。また、中空糸膜シート状物を得る際の中空糸膜同士の固定を、液状の樹脂を硬化させることで行うものではないため、樹脂で固定された部分の中空糸膜を切断して開口する工程も不要となり、工程がより簡略となる。また、このような切断工程が不要となるため、この工程において従来必要とされていた容器も不要となり、また、切断により廃棄される部分も生じず、資源の無駄を回避できる。さらに、このような切断工程では、特別な切断装置が必要となるが、その設備費、メンテナンスに係る費用も不要となる。
このように本発明によれば、従来の中空糸膜モジュールの製造方法と比べて、製造工程を簡略化でき、低コストで、中空糸膜モジュールを製造できる。
なお、以上の説明では、中空糸膜シート状物に形成する結束部として、各端部に第1結束部と第2結束部とを設けたが、少なくとも第1結束部を設けた中空糸膜シート状物を用いることによって、上述のような簡略化された工程で、かつ、資源の無駄を生じさせることなく中空糸膜モジュールを製造できる。
そして、さらに第2結束部を設けた中空糸膜シート状物を用いることによって、樹脂の這い上がりが抑制されて充分な膜面積を有し、かつ、エアスクラビング処理による膜損傷を防止できる中空糸膜モジュールを製造できる。
以下、本発明について実施例を示し、具体的に説明する。
[実施例]
まず、図1に示す形態の中空糸膜シート状物1Aを作製した。中空糸膜シート状物1Aの外形寸法は、幅515mm、長さ1260mmである。
具体的には、図4に示したように、2本1組の溝付きロール8,8を用いて、供給されるPVDF製の中空糸膜(孔径0.1μm、外径1.65mm、内径1.1mm)2を巻き取り、平行に引き揃え、280本の中空糸膜2をシート状に配列した。
ついで、このようにシート状に引き揃えられた中空糸膜2の6箇所において、その両面に、図8に示したように、帯状物(熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー)製のテープ、幅10mm、厚さ0.35mm)3’,…,3’を配置し、上側部9aと下側部9bと有するインパルスヒータ9で各帯状物3’,…,3’をそれぞれ両側から挟み、電流を流して加熱して、中空糸膜2に熱融着させ、結束部3a,3bとした。インパルスヒータ9は、電流を切った後、弾性体が冷却、固化してから、上側部9aと下側部9bとを開放した。
帯状物を構成しているスチレン系エラエストマーのJIS K6251で規定される伸び(E)は550%、JIS K6253で規定されるデュロメータ硬さはA80であった。
ついで、図4に示したように、3本1組で並んだ結束部3a,3bのうちの中央の各結束部3a,3aの中心線α1およびα2のそれぞれに沿って、中空糸膜2を結束部3a,3aごと切断した。すなわち、2箇所を切断した。これにより、図1の形態の中空糸膜シート状物1Aを2枚得た。
以上の操作を繰り返し、多数枚の中空糸膜シート状物1Aを作製した。
作製した中空糸膜シート状物1Aにおける中空糸膜上に被覆された弾性体の厚みt1は、0.1mmであった。なお、得られた中空糸膜シート状物1Aのうちの1枚について、上述の切断によって得られた2面の切断面(第1結束部)のそれぞれおいて、任意に3箇所ずつ、弾性体の厚みをマイクロメーターで測定した。そして、これらの平均値を上記厚みt1とした。
また、その中空糸膜シート状物1Aは、第1結束部3aおよび第2結束部3bの図3で示した厚みt2がいずれも1.85mmであった。
また、第1結束部3a、第2の結束部3bのそれぞれについて、中空糸膜2の長手方向に対し垂直方向に引っ張ったときの破断強度は、いずれも約50Nであり、各結束部3a,3bは、取扱い上、いずれも充分な強度を有していた。
ついで、4枚の中空糸膜シート状物1Aを用いて、両端部に一対のハウジングが装着された中空糸膜モジュールを作製した。中空糸膜モジュールの外形寸法は、幅600mm、高さ1300mm、奥行き13mmである。
ハウジングとしては、図15に示した断面がH字状で、一対の脚部11,11を有するものを使用した。そして、図19に示したように、脚部11,11同士を互いに近づけるように力を加え、ハウジング25a,25bの開口部14を充分に広げて、中空糸膜シート状物1Aを4枚重ねて、挿入した。挿入後、脚部11,11同士を互いに近づけるような力は解除した。これにより、ハウジング25a,25bに中空糸膜シート状物1Aを把持させた。ハウジング25a,25bは、中空糸膜シート状物1Aの両端部にそれぞれ設けた。
次に、ハウジング25a、25bの両端へ集水キャップとプラグをそれぞれ取り付けた。
ついで、固定用樹脂(ウレタン樹脂;第一工業製薬製「H7829−18」)を各ハウジングの開口部から各ハウジング内に注入して硬化させて、中空糸膜モジュールを作製した。このようにして図19(d)に示すようにハウジング25a,25bが装着された中空糸膜モジュールを得た。
以上の操作を繰り返して、中空糸膜モジュールを10本製作した。
10本の中空糸膜モジュールについて、その外部を観察したところ、いずれにおいても、ハウジング25a,25b外に露出している第2結束部3bにより樹脂の這い上がりが確実に阻止されており、第2結束部3bよりも中空糸膜2の長手方向の中央側において、樹脂の這い上がりは認められなかった。
また、10本の中空糸膜モジュールの有する20本のハウジングのうちの20本について、その内部を観察したところ、集水空間および中空糸膜2の開口端面2aへの樹脂ダレは一切認められなかった。
10本の中空糸膜モジュールを30質量%濃度のアルコール水溶液に浸漬し、親水化処理を行った後、水中に移し、ハウジング25a,25bの長手方向の末端に形成された取水口から、中空糸膜モジュールの内圧が100kPaとなるように空気を供給し、リーク試験を行った。その結果、10本の中空糸膜モジュールの全てにおいて、中空糸膜モジュールからのエア漏れは認められず、ハウジング25a,25bと中空糸膜2の固定部分が樹脂で確実に封止されていることが確認できた。
以上の結果より、本発明によれば、樹脂を注入し硬化させる工程を、中空糸膜シート状物をハウジングに固定する際の1回のみに低減できること、樹脂で固定された部分の中空糸膜を切断して開口する工程が不要で、この工程において従来必要とされていた容器も不要となること、また、切断により廃棄される部分も生じさせずに、リークのない中空糸膜モジュールを簡便に製造できることが示された。
本発明の中空糸膜モジュールは、たとえば無菌水、飲料水、高純度純水の製造、空気の浄化等の用途に加えて、下水処理場における2次処理、3次処理や、浄化槽における固液分離、産業排水中のSS(懸濁物質)の固液分離等の高汚濁水の処理用途等、繰り返し加圧、吸引が行われ、高い耐圧性の要求される用途等に好適に使用される。
1A、1B:中空糸膜シート状物
2:中空糸膜
2a:中空糸膜の開口端面
3a:第1結束部
3b:第2結束部
3’:帯状物
4A,4B:中空糸膜モジュール
5a,5b,25a,25b,35a,35b,45a,45b:ハウジング
5c:取水口
6:固定用の樹脂
14:開口部
20a,20b,20c:凸条部
21:点接着部
22:ノズル

Claims (15)

  1. 複数本の中空糸膜が平行に引き揃えられ、各中空糸膜の長手方向の両端面が開口した状態で互いに固定された中空糸膜シート状物の少なくとも1枚と、長手方向に沿う開口部が形成された一対の長尺なハウジングとを有し、前記中空糸膜シート状物の両端部が前記開口部に挿入され固定された中空糸膜モジュールであって、
    前記中空糸膜シート状物の両端部には、JIS K6251で規定される伸び(E)が100%以上の弾性体からなり、前記長手方向に対して直交する方向に延びる帯状の結束部が、両端部に少なくともそれぞれ2列ずつ形成されて、前記複数本の中空糸膜が互いに固定され
    前記中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部のみが前記開口部から各ハウジング内に挿入された状態で、前記中空糸膜シート状物が前記ハウジング内に樹脂で液密に固定されている、中空糸膜モジュール
  2. 前記弾性体のJIS K6253で規定されるデュロメータ硬さがA10〜95である、請求項1に記載の中空糸膜モジュール
  3. 前記弾性体が熱可塑性エラストマーである、請求項2に記載の中空糸膜モジュール
  4. 前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマーである、請求項3に記載の中空糸膜モジュール
  5. 前記結束部のそれぞれにおいて、隣り合う前記中空糸膜間の距離が、0〜1mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール
  6. 前記中空糸膜シート状物の両端部には、前記結束部がそれぞれ2列ずつ形成され、
    前記2列の結束部のうち、各端部においてハウジングから露出している1列の結束部は、各ハウジングの開口部からの距離Lが1〜30mmの位置に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 前記ハウジングの内面には、該ハウジング内に挿入された結束部を挟むように対向する少なくとも一対の凸条部が、前記ハウジングの長手方向に沿って延設されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。
  8. 前記中空糸膜シート状物を複数枚有し、該複数枚の中空糸膜シート状物は互いに接着され中空糸膜シート積層体を構成している、請求項のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュール。
  9. 請求項のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部のみがハウジング内に位置するように、少なくとも1枚の中空糸膜シート状物を前記開口部から前記ハウジング内に挿入する工程(d)と、
    前記開口部から前記ハウジング内に樹脂を注入して硬化させ、各中空糸膜の端面が開口した状態で、前記中空糸膜シート状物を前記ハウジング内に液密に固定する工程(e)と、を有する、中空糸膜モジュールの製造方法。
  10. 前記工程(d)では、中空糸膜シート状物が複数枚積層され互いに接着されている中空糸膜シート積層体を、前記開口部から前記ハウジング内に挿入する、請求項に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  11. 複数本の中空糸膜が平行に引き揃えられ、各中空糸膜の長手方向の両端面が開口した状態で互いに固定された中空糸膜シート状物であって、前記中空糸膜シート状物の両端部には、JIS K6251で規定される伸び(E)が100%以上の弾性体からなり、前記長手方向に対して直交する方向に延びる帯状の結束部が、両端部に少なくとも1列ずつ形成されて、前記複数本の中空糸膜が互いに固定されている中空糸膜シート状物が複数枚積層され、隣接する中空糸膜シート状物が、これらの中空糸膜シート状物間に設けられた点状の点接着部により、互いに接着された中空糸膜シート積層体であって、
    前記点接着部は、各中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部の近傍であって、かつ、該結束部よりも前記長手方向の中央側の位置において、隣接する中空糸膜シート状物の中空糸膜同士を接着するように、該結束部の長手方向に沿って前記両端部に複数ずつ設けられている、中空糸膜シート積層体。
  12. 前記点接着部が熱可塑性樹脂からなる、請求項11に記載の中空糸膜シート積層体。
  13. 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂である、請求項12に記載の中空糸膜シート積層体。
  14. 請求項1113のいずれか一項に記載の中空糸膜シート積層体の製造方法であって、
    中空糸膜シート状物を用意し、該中空糸膜シート状物の両端部に形成された前記結束部のうち、各端部において最も端部側に設けられた結束部の近傍であって、かつ、該結束部よりも前記長手方向の中央側の位置の中空糸膜上に、点接着部を形成するための樹脂を該結束部の長手方向に沿って前記両端部に複数ずつ点状に配置する工程(f)と、
    前記樹脂が点状に複数配置された前記中空糸膜シート状物の前記樹脂が配置された側に、別の中空糸膜シート状物を重ねる工程(g)と、
    前記工程(f)で配置された点状の樹脂を冷却固化または反応硬化させて、中空糸膜シート状物の中空糸膜同士を接着する工程(h)と、
    を有する、中空糸膜シート積層体の製造方法。
  15. 前記工程(f)では、加熱した前記樹脂を中空糸膜上に配置して、該中空糸膜に熱融着させる、請求項14に記載の中空糸膜シート積層体の製造方法。
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