JP4544561B2 - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、井戸水・水道水等の上水の浄化、生活排水・産業排水等の下排水の浄化、工業プロセス等における固液分離に用いる、空糸膜モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体の濾過に用いられる中空糸膜モジュールは、複数本の中空糸膜が収束され、その少なくとも一方の端部において中空糸膜が開口した状態で、ポッティング材によりハウジングに固定されてなり、被処理液より固形分を中空糸膜壁により除去し、透過液を得る。
濾過の方向としては、中空糸膜の外側から内側に液を透過させる外圧型と、中空糸膜の内側から外側に液を透過させる内圧型があり、井戸水・水道水等の上水の浄化をはじめ、生活排水・産業排水等の下排水の浄化、さらに、酒類や染料の濾過等の工業プロセスにも用いられている。
例えば、井戸水・水道水等の吸引濾過においては、中空糸膜モジュールを被処理水中に浸漬し中空糸膜の内側を吸引することにより、被処理水中の濁質が中空糸膜外表面で阻止され、中空糸膜の内側には濁質が除去された処理水が得られる。
産業用途等において使用される中空糸膜モジュールは、頻繁に交換することができないため長期にわたって使用される。そこで、膜面閉塞を防止するため、濾過処理と膜面洗浄が繰り返し行われる。膜面洗浄の方法としては、エアスクラビングにより中空糸膜を揺動させる方法や、濾過処理と逆方向に処理水を通液する方法、超音波の振動を与える方法、薬品を用いる方法などが用いられる。
【0003】
中空糸膜モジュールの形態には、中空糸膜を円筒状に集積しポッティングしたものや、中空糸膜をシート状に配列した状態でポッティングしたモジュール(以下、平型中空糸膜モジュールと記す)等がある。
中空糸膜モジュールは、膜面を有効に利用するため中空糸膜が密着しないように配設することが望ましい。そこで、中空糸膜間に距離を保つように、ある程度の本数づつ中空糸膜を集束して拘束する拘束部材を設け、中空糸膜を適度な小集団に分割する手法が、特開平5−220356号公報に提案されている。
【0004】
拘束部材は、ポッティング材により固定される中空糸膜の固定部分、及びその近傍部分、あるいはそれ以外の部分にも設けられる。拘束部材を設けて中空糸膜を適度に分割することにより、中空糸膜の密着が防止されるとともに中空糸膜の絡みつきによる損傷も防止される。また、複数の中空糸膜を一体として取り扱えるため、モジュール加工性が著しく向上する。
【0005】
さらには、中空糸膜のポッティングにおいて、毛管現象により中空糸膜の固定部から長手方向にポッティング材が這い上がる。このような中空糸膜モジュールに対しエアスクラビング等の洗浄を行うと、中空糸膜が揺動した際に這い上がり部と中空糸膜の界面に中空糸膜の座屈による応力が集中し、中空糸膜の損傷を起こす場合がある。中空糸膜のポッティング材による固定部の近傍に拘束部材を設けると、この損傷をある程度防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
中空糸膜モジュールの損傷は、長期間濾過処理に使用すると、中空糸膜のポッティング材の固定部分近傍に拘束部材を設けた場合でも、完全には防止できない場合があり、座屈応力の集中の緩和のみでは対策として不十分である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題に関し検討を加えた結果、中空糸膜の損傷は、座屈応力の集中のみならず、中空糸膜の固定部分に隣接する非固定部分の中空糸膜の自由度が低い部分において、中空糸膜の膜間に異物が侵入し、これと中空糸膜がこすれ合うことによって起こっている事を見いだした。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、複数の中空糸膜ポッティング材により固定された中空糸膜モジュールであって、複数の中空糸膜が拘束部材にて収束された固定部分を有し、かつ該固定部分と、その近傍における中空糸膜の非固定部分とにわたる領域において該固定部分と該非固定部分の外表面に可撓性部材層を有することを特徴とする中空糸膜モジュールにある。
これにより、座屈応力の集中を緩和するのみならず、中空糸膜の固定部分近傍での膜間への異物の侵入を防ぎ、中空糸膜が損傷することを確実に防止できる。
【0009】
また、前記可撓性部材が一液硬化型ウレタン樹脂からなることが、適度な可撓性を有し、中空糸膜の損傷防止効果が高いばかりでなく、作業性が向上するため好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる可撓性部材としては、中空糸膜の固定部分と非固定部分とにわたる領域に柔軟性を付与し、中空糸膜の座屈による損傷を防止しつつ、被処理水中の異物を阻止できればその材質、構造等特に制限無く使用することができる。その例としては、樹脂製のフィルムや不織布、可撓性の樹脂等をあげることができるが、中でも可撓性の樹脂が、容易に塗布できるため好ましい。
【0011】
可撓性の樹脂としては、一液硬化型樹脂、二液硬化型樹脂、光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等を例示することができるが、複雑な工程が不要で、且つ作業性が容易なことから、一液硬化型樹脂が好ましい。
その材質としてはウレタン樹脂、シリコン樹脂等が適度な可撓性を持つため好ましいが、中でも適度な柔軟性と耐久性を併せて有するウレタン樹脂がより好ましい。
【0012】
中空糸膜の固定部分とは、隣接する中空糸膜が互いに独立して揺動しない部分をいう。すなわち、拘束部材によって拘束されている部分をいう。また、拘束部材が複数設けられている際、拘束部材同士の間に存在する中空糸は、隣接する中空糸膜が実質的に互いに独立して揺動しない場合は固定部分に含まれる。さらに、拘束部材がポッティング部分近傍に設けられているときは、中空糸膜にポッティング材が浸透し、中空糸膜が接着固定されている部分も含む。
一方、非固定部分とは、隣接する中空糸が互いに独立して揺動が可能で、かつ固定部分に隣接する部分をいう。
【0013】
また、中空糸膜の固定部分と非固定部分とにわたる領域とは、固定部分及び非固定部分の両方を含む領域をいう。固定部分が隣接して複数ある場合は、そのすべての固定部分と、それに隣接する非固定部分を連続して含む領域をいう。
【0014】
可撓性部材は、異物侵入を防止できるのであれば、例えば網、不織布等の目開きを有する部材を用いても構わないし、また、樹脂等を塗布して完全に覆っても構わない。
可撓性部材を設ける方法としては、可撓性部材がフィルムや不織布の場合、例えば中空糸膜を挟み込むように可撓性部材を配置し、中空糸膜と可撓性部材を接着する、可撓性部材同士の縁部分を貼りあわせる等の手段、あるいは可撓性部材を中空糸に巻き付けた後に接着する手段等により装着することができる。
【0015】
また、樹脂を用いる場合は、例えば、中空糸膜の両面から刷毛で塗布したり、中空糸膜を、樹脂を入れた浴に漬漬する等の方法により装着することができる。
なお、これらの樹脂は、前述のフィルムや不織布の接着を行うための樹脂としても使用することができる。
【0016】
また拘束部材は、中空糸膜間に距離を保つように、ある程度の本数づつ中空糸膜を集束して拘束するものであり、材料としては特に限定されるものではなく、テープ、ひも状或いは糸状部材を用いることができる。中でも、ポリエステル繊維などの合成繊維製のマルチフィラメント糸や紡績糸を用いると、柔軟性があり拘束時に中空糸膜を損傷しないため好ましい。
【0017】
本発明に用いられる中空糸膜としては、その寸法、材質、構造、形態等、特に制限無く使用することができ、例えば、公知の逆浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等を必要に応じ適宜使用することができる。
例えば、上水、下排水の濾過においては、外径0.2〜5mm、膜厚0.01〜2mm、平均孔径0.01〜2μm、空孔率20〜90%の中空糸膜を用いることが好ましい。外径が0.2mmよりも小さいと、中空糸膜内部を流れる液の管内抵抗が大きくなり、5mmを超えると耐圧性の低下やモジュール化した際にコンパクトさを失う。また、平均孔径が0.01μmよりも小さいと濾過流束が不足し、2μmよりも大きいと分離性能が不足する。また、空孔率が20%よりも小さいと濾過流束が不足し、90%よりも大きいと耐圧性能が不足する。
【0018】
中空糸膜の材質としては、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が例示できるが、特に制限なく用いることができる。また、水の濾過に疎水性の中空糸膜を用いる場合には、親水化処理して用いることもできる。
【0019】
本発明の中空糸膜モジュールに用いるポッティング材としては、十分な接着強度を有し、各用途で求められる要求性能を満たすものを適宜選定することができる。例えば、ウレタン系、エポキシ系、シリコン系、不飽和ポリエステル系等のポッティング材を挙げることができる。
ポッティングの方法としては、遠心力を利用する方法や、中空糸束を静置した状態でポッティング材をポッティング部分に流し込む方法等、公知の方法を使用することができる。
【0020】
本発明の中空糸膜モジュールは、必要に応じ中空糸膜がハウジングの内部に挿入固定されて使用される。ハウジングについても同様に、各用途の要求性能にあわせ適宜選定し使用することができる。例えば、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられ、ポッティング材との接着性が低い場合にはプライマー処理を施し使用することも可能である。
【0021】
以下、本発明の中空糸膜モジュールの実施の形態を、図面により詳細に説明する。本発明の中空糸膜モジュールの作成に当たっては、可撓性部材は、中空糸膜をポッティング材によって固定した後に設けることも可能であるが、固定前に中空糸膜に装着しておくことが、作成しやすいため好ましい。なお、中空糸膜をかせ状にして中空糸膜モジュールを作成することも可能であるが、予めシート形状となるように中空糸膜を編み加工しておくと、取り扱い性が非常に良くなるため好ましい。
図1は本発明の中空糸膜モジュールに供する中空糸膜の一例を示す外観図であり、拘束部材の上に可撓性部材を設けた中空糸膜シートの一例を示す外観図である。中空糸膜シート1は、中空糸膜2、編成糸からなる拘束部材3、可撓性部材4、とから概略構成される。
拘束部材3は、中空糸膜シートを形成する際にシートの両端部及び途中部分において中空糸膜を拘束するものであり、望む中空糸膜シートの幅に合わせてその位置が決定される。
中空糸膜シート1は、1本の中空糸膜2を折り返しながら、編成糸によりかがりながら形成することもできるし、任意の本数の中空糸膜を一束としてこれらをまとめて折り返し形成することもできる。また、概略同じ長さの中空糸膜を1本づつ或いは複数本づつ並べ、編成糸によって簾状に形成することも可能である。
【0022】
可撓性部材4は、ポッティング材により固定される部分と、ポッティング材により固定されない部分とにわたる領域に設けられている。
可撓性部材4を設ける部位は、少なくとも中空糸膜の固定部分と非固定部分とにわたる領域に設ける必要があるが、その他の部位については、中空糸膜モジュールの形状及び使用状態からくる必要性に応じて適宜設けても構わない。
【0023】
可撓性部材4を設ける長さは、ポッティング材中にある程度埋没するように設けられることが好ましい。余り長く埋没させると、ポッティング材の切断により中空糸膜端面を開口させる際に、可撓性部材までが露出し、耐圧性能が低下する可能性があることから、15mm以下とすることが好ましい。また、埋没させる長さが余り短すぎると、ポッティング材と可撓性部材との接着界面が小さくなり、中空糸膜の揺動時の応力にて破壊しやすくなることから、5mm以上とすることが好ましい。
一方、非固定部分においては、余り短いと、中空糸の保護効果が十分に発揮されない可能性があることから、中空糸膜の長手方向に非固定部分を5mm以上覆うことが好ましい。また、余り長いと膜面積が犠牲になることから、20mm以下とする事が好ましい。
【0024】
また、可撓性部材の厚みとしては、中空糸膜の外表面から100μm以上を覆うことが、はがれることなく中空糸膜を確実に保護できることから好ましい。また、可撓性部材が目開きを有する場合、その目開きは50μm以下とすれば、異物の侵入を実質的に防止でき、好ましい。
【0025】
図2は、本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す概念図である。中空糸膜モジュール7は、中空糸膜2、拘束部材3、可撓性部材4、ポッティング材5、ハウジング6とから概略構成される。
【0026】
中空糸膜モジュール7は、シート状に配列された複数本の中空糸膜2が、その両端部が開口状態を保ったままポッティング材5によりハウジング6に固定されている。中空糸膜の固定部分と、それに隣接する非固定部分とにわたる領域には、可撓性部材4が設けられている。可撓性部材4は一部がポッティング材5中に埋没するように設けられている。
【0027】
図3は、本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す概念図である。図3においては、中空糸膜モジュール7は、中空糸膜2のポッティング部近傍及び長手方向中央部に拘束部材3を有しており、各々の拘束部材3に対して可撓性部材4が設けられている。
【0028】
長手方向中央部の拘束部材3に対して可撓性止部材4を設ける場合の長さとしては、拘束部材の左右の非固定部分に5mm以上設けることが好ましい。可撓性部材の幅、厚み、目開き等は前述と同様である。
可撓性部材4は、ポッティング部近傍以外の拘束部材に対しても、同様の効果が得られる。
【0029】
図4は、本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す断面図である。中空糸膜モジュール7は、中空糸膜2、拘束部材3、可撓性部材4、ポッティング材5、ハウジング6とから概略構成される。
【0030】
中空糸膜モジュール7は、図1に示される中空糸膜シート1を巻いて円筒形と成し、円筒状のハウジング6内に装填し、中空糸膜2の両端部が開口状態を保ったままポッティング材5によりハウジング6に固定されている。
【0031】
中空糸膜2のポッティング材により固定される部分と、ポッティング材により固定されない部分とにわたる領域に、拘束部材3及び可撓性部材4が設けられている。本発明は、中空糸膜がシート状に配列されたスクリーン状の中空糸膜モジュールのみではなく、円筒の中空糸膜モジュールにも適用することができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
中空糸膜として、親水化ポリエチレン多孔質中空糸膜EX410TS(三菱レイヨン(株)製、内径:270μm、外径:410μm、材質:ポリエチレン)を用い、ポリエステル製のマルチフィラメントで鎖編みを行い、図1に示すように、ポッティング部近傍に、ポリエステル製のマルチフィラメントからなる拘束部材(本数:左右のポッティング部近傍に各5箇所、各拘束部材間の幅12mm)を有する中空糸膜シートを作製した(編み幅:290mm、折り返す際の一束の中空糸膜数:24本、中空糸束の数:64)。
次いで、ポッティングによる中空糸膜の固定部と非固定部とにわたる領域に、可撓性部材として、可撓性の樹脂「ニッポランN5120」(日本ポリウレタン工業(株)製一液硬化ポリウレタン樹脂、伸び750%)を刷毛で塗布した。樹脂乾燥後、中空糸膜シートを裏返し、同様に可撓性部材を塗布し乾燥することにより、図2に示すような可撓性部材を設けた中空糸膜シートを作製した。なお、可撓性部材は、ポッティング材により固定される部分と、ポッティング材により固定されない部分とに設けられ、その中空糸膜外表面からの厚みは110μmであった。なお、厚みは、中空糸膜シート全体を挟んで2枚の板を置いた際の板間の距離を、樹脂の塗布前後で測定し、その差を2で割った値とした。なお、伸びはJIS K−6301の方法にて測定した。
【0033】
次いで、ポッティング材により中空糸膜シートの両端部をハウジングに固定し、硬化したポッティング材を中空糸膜とともに切断して中空糸膜を開口させ、図2に示すような中空糸膜モジュールを作製した(有効中空糸長:210mm、ポッティング長:15mm、膜面積:0.42m)。なお、可撓性部材の塗布部分は、中空糸膜の非固定部に15mm突出し、ポッティング材に10mm埋没していた。拘束部材は、ポッティング材中に埋没して2箇所、ポッティング材の外側に3箇所、位置するように存在していた。
【0034】
(実施例2)
実施例1において、可撓性部材として可撓性の樹脂「ニッポランN5199」(日本ポリウレタン工業(株)製一液硬化ポリウレタン樹脂、伸び450%)を用いた以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0035】
(実施例3)
可撓性部材としてポリエチレンフィルム(厚み200μm)を、中空糸膜シートの両側に配置し、接着樹脂として、実施例1に用いたニッポランN5120を用いて2枚のポリエチレンフィルムを貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0036】
(実施例4)
可撓性部材としてポリエステル不織布(厚み100μm、目開き50μm)を中空糸膜シートの両側に配置し、接着樹脂として、実施例2に用いたニッポランN5199を用い、2枚のポリエステル不織布を貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0037】
(比較例1)
可撓性部材の装着を行わない以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
【0038】
「中空糸膜モジュールの耐損傷性試験」
実施例1〜4及び比較例1で作製した中空糸膜モジュールを使用し、耐損傷性試験を行った。試験は、中空糸膜モジュールの片方のポッティング部を異物分散液(異物:アンスラサイト・平均粒子径0.9mm+平均粒子径0.6mm,濃度各2%)中に浸漬固定し、もう一方の端部を往復運動(振幅120mm)させ、1000サイクル終了後に中空糸膜モジュールのリーク検査を行い、リークの有無を評価し結果を表1に示した。
【0039】
なお、リーク検査は、中空糸膜モジュールを水中に浸漬し、中空糸膜内側から加圧空気(圧力0.05MPa)を供給し、中空糸膜外側への気泡の漏れの有無を確認することにより行った。
【0040】
【表1】
Figure 0004544561
表1に示した結果より、本発明に係わる実施例においては、耐損傷性試験におけるリークがなく、保護効果があることが明らかとなった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の中空糸膜モジュールによれば、中空糸膜の固定部と非固定部とにわたる領域等に可撓性部材を設けることによって、座屈による中空糸膜の損傷を防止しつつ、更に異物侵入による中空糸膜の損傷も併せて防止することができる。
また、可撓性部材を一液硬化型ウレタン樹脂とすることにより、モジュール製作時の加工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸膜モジュールに供する可撓性部材を設けた中空糸膜シートの一例を示す外観図である。
【図2】本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す概念図である。
【図3】本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す概念図である。
【図4】本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す概念図である
【符号の説明】
1 中空糸膜シート
2 中空糸膜
3 拘束部材
4 可撓性部材
5 ポッティング材
6 ハウジング
7 中空糸膜モジュール

Claims (2)

  1. 複数の中空糸膜ポッティング材により固定された中空糸膜モジュールであって、複数の中空糸膜が拘束部材にて収束された固定部分を有し、かつ該固定部分と、その近傍における中空糸膜の非固定部分とにわたる領域において該固定部分と該非固定部分の外表面に可撓性部材層を有することを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 該可撓性部材は、一液硬化型ウレタン樹脂からなることを特徴とする、請求項1記載の中空糸膜モジュール。
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