以下、本発明の実施形態として、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)を詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の前面枠セット14の構成を示す斜視図である。図3は、パチンコ機10の遊技盤30の構成を示す正面図であり、図4は、図1に示すパチンコ機10のA−A線断面図(前面枠セット14のみを示す)であり、図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えばパチンコ機10の正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体としてパチンコ機10の正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、木製の板材に代えて樹脂やアルミニウム等の軽金属を一部または全部に使用して構成されていても良い。
内枠12は、外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)を備え、この樹脂ベースに前面枠セット14が片開き可能に取着される。また、この内枠12の樹脂ベースは、パチンコ機10の正面視で、外形が外枠11と略同一サイズの矩形状とされ、略中央箇所を開口中心とする開口部が設けられる。この樹脂ベースには、遊技盤30が裏面側から取着され、開口部からは、遊技盤30の前面部がパチンコ機10の正面側から視認可能とされている。
遊技盤30(図3参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部内に位置させるようにして当該樹脂ベースに着脱自在に取り付けられる。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。この前面枠セット14は、当該前面枠セット14の裏面側全体を形成するベース部品としての樹脂製のガラス枠ベースと、このガラス枠ベースの前面側で最下部に取り付けられる下皿ユニット13と、ガラス枠ベースの前面側で下皿ユニット13の上側に取り付けられる上皿ユニット21と、ガラス枠ベースの前面側で上皿ユニット21の上側に取り付けられるガラス枠部23と、に大別される。
下皿ユニット13は、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ガラス枠ベースに対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能とされている。
球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで、発射装置229(図5参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれる。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ガラス枠ベースに対してネジ等の締結具により固定されており、球受皿としての上皿19と、前面枠セット14および内枠12を開放する際に操作される鍵操作部14aを備えている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながらパチンコ機10の内側に設けられる発射装置229の方へ遊技球を案内する。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部と、音出力口24等によって構成される。
窓部101は、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状に形成されている。この窓部101は、中央部分が開口した形状とされ、その開口部分に略楕円形状のガラスユニット137が取り付けられている。ガラスユニット137は、透明な二重のガラスがその外周を囲う樹脂部品に接着されて一体化された板状部品で構成されている。なお、ガラスユニット137に使用する透明部品は、ガラスに限定されず、アクリル樹脂やポリカーボネート等の樹脂部品を使用しても良い。
前面枠セット14の前面側で窓部101の周囲(例えば、上箇所、左箇所、右箇所など)には、各種の電飾部(後述する上側電飾部400、左側電飾部410、右側電飾部430およびコーナー電飾部480)が設けられている。これらの電飾部は、パチンコ機10の装飾に使用されるものであり、大当たり遊技中や所定のリーチ演出等といった遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たしている。また、電飾部の一部は、パチンコ機10の機種特有の色等で発光して遊技者に遊技機メーカー、機種イメージ、大当り確率等といった情報を伝達するために用いられるものであり、この内容詳細については後述する。
窓部101の周縁で左右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらにカード等の残額情報を表示する度数表示部を設けるようにしても良い。また、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要であり、この場合には、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等を付しても良く、これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部を共通化することができる。
前面枠セット14の上部のコーナー電飾部480には、LED等の発光部品と、前面枠セット14内(あるいは背面であっても良い)に設けられたスピーカからの音を出力するための音出力口24とが設けられる。
遊技盤30は、図3に示すように、正面視で略四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着される。この遊技盤30の前面側の略中央部分に位置する遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101を通じて内枠12の前面側から視認可能な状態とされる。
遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出されると、この検出スイッチの出力に基づいて上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。
上部側の第1の始動口33aおよび下部側の第1の始動口33bには、それぞれ作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、各始動口33a,33bへの入球が別々に検出可能に構成されている。上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無いが、賞球数が異なり、例えば、上部側の第1の始動口33aでは3球、下部側の第1の始動口33bでは5球とされている。これら上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bは、一体化された単一の始動入賞装置33として遊技盤30に固定されている。
遊技盤30の下部には、図3に示すように、アウト口36が設けられ、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設され、また風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、上下の第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42と、遊技盤30の正面視(図3の紙面垂直奥方向視)において第3図柄表示装置42の画像表示面を囲むようにして配設されるセンターフレーム47とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施形態では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示すLED40c(以下、必要に応じて「保留ランプ」と称す。)とを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施形態では各LED40a,40bの発光色態様)が変動表示状態であることを表示し、例えば、変動表示の後に両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れの結果であることを示す。
保留ランプ40cは、遊技球が第1の始動口33a,33bを通過し、変動表示が未だ実行されずに保留された回数を表示するものである。保留回数は最大4回とされ、その保留回数が保留ランプ40cによって点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で画像により回数表示される構成等、他の構成によって表示しても良い。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3つ以上の発光が可能なタイプのLEDを採用しても良いし、1色の発光が可能なタイプのLEDを複数組み合わせて構成しても良い。各色の発光を交互に行うようにすること等によって第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第1の色とは別の第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第1及び第2の色とは別の第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしても良い。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ(保留LED)41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態とされる(開放される)。具体的には、下部側の第1の始動口33bには、電動役物としての左右に開放可能な羽根状の部材を開放動作させる作動口ソレノイドが設けられ、その作動口ソレノイドの電気的な制御によって下部側の第1の始動口33bが作動状態となる。
遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bおよび保留ランプ41cは、その内部にLED(発光ダイオード)を有し、LEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示および変動停止される。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの装飾図柄列が表示される。各装飾図柄列は複数の装飾図柄によって構成され、これら装飾図柄が装飾図柄列毎にスクロールするように第3図柄表示装置42に表示される。
可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられる。大入賞口32aは、通常は遊技球が入賞できない閉状態とされ、大当たりの際には遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とを交互に繰り返す。大当たりの際に可変入賞装置32の大入賞口32aが開状態と通常の閉状態とを繰り返し形成する状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)とも称され、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球として払い出しされることから、通常の遊技状態と比べて遊技者に有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示として予め設定した当選の発光態様とされる場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止した発光態様の場合は、確変大当り(特定当り)に当選した場合であって、その後に特別遊技状態が発生する。両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様とされる場合は通常大当り(非特定当り)に当選しており、この場合にも特別遊技状態が発生する。両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れであり、特別遊技状態の抽選に落選したことが示される。
この特別遊技状態は、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)が一定期間継続した状態が複数回繰り返されることによって構成される。具体的には、当該開放状態についての予め定めた継続時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば9個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(例えば15回、以下、ラウンド数とも称す。)繰り返し開放されることで特別遊技状態が形成される。
遊技盤30には、図3に示すように、発射装置229(図5参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられている。遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50によって形成される球案内通路49を通じて遊技領域30aに案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)と、この樹脂成型品に対して内外二重に取り付けられた金属製の内レール51と外レール52とを有する。
内レール51は、全周の上方および右側に相当する約1/2ほどを除いた略半円状に配置されている。外レール52は、その一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして配置されている。これら内レール51と外レール52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)によって発射装置229から発射された遊技球を遊技領域30aへ案内する球案内通路49が形成される。この球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成され、開放部分が上記したガラスユニット137(ガラス)によって覆われている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。戻り球防止部材53は、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ることを防止する。外レール52の右上側端部は遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)であり、その位置に返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返される。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯によって形成され、遊技球の飛翔がより滑らかなものとされている。
レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。
レールユニット50の上下左右の各端部は、略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においては、内レール51及び外レール52に対して一定量外側に広げられた形状のフランジ56の一部が切り落とされた形状とされている。これにより、パチンコ機10の幅および高さに制限があっても、レール径を最大限に拡張しつつフランジ56を形成する領域も確保し、遊技盤30前面の遊技領域30aの拡張が図られている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。
遊技盤30の右下隅部及び左下隅部には、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図3のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースが設けられる。この貼着スペースを大きく確保するために、フランジ56の一部が欠落した形状とする切欠部58,59が設けられる。
遊技領域30aは、図3に示すように、レールユニット50の内レール51及び外レール52により略円形状に区画形成された領域である。この遊技領域30aは、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である球案内通路49を除いた領域として規定している。このため、球案内通路49の部分は遊技領域30aに含まれず、遊技領域30aの向かって左側の限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51を延長した形状に内側が形成されたレールユニット50の樹脂成型品の壁部によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は内レール51の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
次に、前面枠セット14の装飾部品の配置および発光態様について図1から図4を用いて詳細に説明する。
窓部101の周縁のうち左側箇所及び右側箇所には、LED等を内蔵した左側電飾部410及び右側電飾部430がそれぞれ設けられる。窓部101の周縁のうち上側箇所(パチンコ機10の最上部)には、同じくLED等を内蔵した上側電飾部400が設けられる。窓部101の周縁のうち左右斜め上のコーナー箇所には、同じくLED等を内蔵したコーナー電飾部480がそれぞれ設けられる。各電飾部のうち左側電飾部410、右側電飾部430および上側電飾部400の一部は、大当たり遊技の装飾ランプとして機能し、大当たり遊技中に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、コーナー電飾部480は、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とを備え、各状態に対応して点灯制御が行われる。
左側電飾部410と右側電飾部430は、およそ同様の構成物品から成っており、両者は略左右対称の形状とされている。まず、右側電飾部430の構成について説明し、左側電飾部410については右側電飾部430との相違点を説明する。
右側電飾部430には、図1及び図4に示すように、複数個(本実施形態では窓部101側に6個で外側に6個の合計12個)のLED431が内蔵される。このLED431のうち窓部101に近い側のLED431(演出LED431c)の前側(図4の下側)には、このLED431からの光を窓部101側に拡散出力する開口側傾斜壁436aが設けられ、前面枠セット14の外側に位置するLED431(枠色LED431a)の前側には、このLED431からの光を窓部101側とは反対側へ出力する外側傾斜壁436bが設けられている。なお、LED431の数および配置位置は、本形態に限定されるものでなく、また発光手段として必ずしもLEDで構成する必要はなく、他の発光手段で構成しても良い。
また、右側電飾部430には、図4に示すように、複数個のLED431が実装されたLED基板435がパチンコ機10の前面側を向いた状態で設けられる。また、右側電飾部430には、LED基板435が収容される基板保護ベース437と、LED基板435の光出力方向(パチンコ機10の前面側)に設けられ、光透過性を有する材料でパチンコ機10の前面の一部を形成するケース部材436と、LED431とケース部材436との間に設けられるプレート438と、このプレート438上に立設されてケース部材436の内部を窓部101側と反対側(パチンコ機10の右端側)とに区分けする光反射性のリフレクタ440と、窓部側のLED431の光を導光しつつ拡散する導光部材450と、透光性を有する白色の樹脂で形成されるフレーム部材460とを備えている。
右側電飾部430のケース部材436は、断面視で中空山状とされており、窓部101側に向けて傾斜した開口側傾斜壁436aと、窓部101側とは反対側に向けて傾斜した外側傾斜壁436bとを有する形状とされている。ケース部材436は、光透過性を有する白色の樹脂材料によって成形されたものである。なお、ケース部材436は、本実施形態では有色としているが、無色透明あるいは無色半透明な別色のものを使用しても良い。
右側電飾部430の開口側傾斜壁436aの内面側には、パチンコ機10の正面視左右方向に沿って平行な複数本の凹部(溝)が設けられる。この凹部は、断面円弧状の溝形状に形成され、肉眼では横縞模様に見えるほど細かくかつ多数本形成される。一方、右側電飾部430の外側傾斜壁436bの内面側には、パチンコ機10の縦方向に沿って平行な複数本の凸部が設けられる。この凸部は、断面円弧状の突条に形成され、その大きさ及び間隔は、右側電飾部430の溝より大きく形成される。なお、開口側傾斜壁436aおよび外側傾斜壁436bの内面側に必ずしも凹部または凸部を形成する必要はなく、外形に沿った平滑面で形成されても良いし、両方とも凹部または凸部としても良く、また傾斜壁とは別部品により凹部または凸部を形成して傾斜壁の内面側に配置しても良い。
リフレクタ440は、非透過性の部品で構成され、例えばクロムメッキなどによりその表面に鏡面加工が施された光反射性を有する部材としている。このリフレクタ440は、ケース部材436の内部空間において、窓部101側のLED431と外側のLED431との間を区画する壁状部材である。リフレクタ440は、LED基板435のLED431の箇所を除いてLED実装面を覆う横断面視でコの字形状のプレート438上に立設されている。なお、リフレクタ440は、必ずしも設ける必要はなく、リフレクタ440の代わりにリフレクタ440が配置される部位にLEDが配置された基板をパチンコ機10の左右方向に垂直な面を有するように配置し、左右の両面にLEDを配置することで開口側傾斜壁436aと外側傾斜壁436bとを別々に発光する構成としても良い。
リフレクタ440の窓部101側の壁面はLED431の光が拡散するように断面円弧状の凸部が複数設けられる。リフレクタ440の窓部101側とは反対側の壁面は、LED431の光が集光して発光する集光面として形成され、断面円弧状の凹部が複数設けられる。また、右側電飾部430のリフレクタ440は、パチンコ機10の正面視で複数個の円弧をその凹面が同一側(窓部101とは反対側)に向くようにその端部同士を連ねて一続きとした形状とされ、各円弧の凹面の中心に相当する高さ位置に外側のLED431が配置され、円弧の接続部分に相当する高さ位置に窓部101側のLED431が配置されている。よって、外側のLED431の光は集光され、窓部101側のLED431の光は拡散される。なお、リフレクタ440の壁面の表面形状およびパチンコ機10の正面視における形状は、上記形状に限定されるものでないし、必ずしもリフレクタ440をパチンコ機10に設ける必要もない。
プレート438は、コの字形状の空間内に、LED基板435を収容した状態の基板保護ベース437が嵌合可能とされた部材である。プレート438は、基板保護ベース437が嵌合された状態において、LED基板435のLED431に対応する箇所に貫通孔438a(本実施形態では四角形の貫通孔)が形成されている。図4においては窓部101側のLED431側に貫通孔が形成され、外側のLED431は断面視した部位に設けられていないため、貫通孔が断面図上には示されず、外側のLED431の貫通孔は図4における紙面奥側に設けられる。
導光部材450は、窓部101側のLED431に近い側を入射面とし、このLED431から離れるにつれて先細りで、かつ、窓部101側に向く方向の厚みが薄い扁平な形状とされている。この導光部材450の導光により、LED431からの光をリフレクタ440側および窓部101側に向けて拡散して出力することができ、開口側傾斜壁436aの発光強度を一層低減できる。なお、導光部材450は必ずしも開口側傾斜壁436aの内面側のみに設ける必要はなく、外側傾斜壁436bの内面側にも設けても良いし、外側傾斜壁436b側のみに設けても良いし、両傾斜壁の内面側に設けないものとしても良く、後述するフレーム部材460に対して窓部101側のLED431または外側のLED431の光を導光する構成としても良い。
フレーム部材460は、透光性を有する白色の樹脂で形成され、右側電飾部430の先端にネジによって締結されることで右側電飾部430の剛性を高めている。また、フレーム部材460は、リフレクタ440によって内外に区画されたケース部材436の内部空間のうち外側のLED431による光が照射される空間の前方に位置し、外側傾斜壁436bの発光より、一段弱められた明るさの光を前方に照射する。ケース部材436の開口側傾斜壁436aの内部において導光部材450から出力された光およびリフレクタ440に反射した光は、ケース部材436の先端側(図4における下側)に向かわない形状に導光部材450およびリフレクタ440は形成される。このため、内側および外側のLED431のうち、外側のLED431の光によってフレーム部材460が発光する。このフレーム部材460は、遊技を行う遊技者から視認可能な位置に配置されるものの、遊技盤30の中央部に設けられる第3図柄表示装置42を視認していると、開口側傾斜壁436aより遊技者の横側に位置することとなって、視界範囲にほとんど入らず、しかも減光される構成とされることで遊技中の遊技者があまり気にならないように構成されている。なお、フレーム部材460は、必ずしも設ける必要はなく、この場合にはフレーム部材460の外形形状に一致した外形形状にケース部材436が形成されていても良い。
左側電飾部410は、上記した右側電飾部430に対して左右対称とした部品で構成されている。左側電飾部410は、窓部101側への光出力を拡散出力とし、かつ、窓部101とは反対側への光出力を集光出力とする点などは右側電飾部430と同様の構成とされているため、他の説明は省略する。
次に、左右の電飾部410,430の発光態様について説明する。まず、右側電飾部430での外側傾斜壁436bは、外側のLED431からの光がリフレクタ440の集光面で反射され、外側傾斜壁436bに対して集光された状態で外部に出力される。外側傾斜壁436bには大まかな複数本の凸部436dが設けられるため、ケース部材436の先端(図4における下側)と基端側(図4における上側)の広い範囲に拡散されて出力される。
パチンコ機10を右斜め方向または右横方向から右側電飾部430を視認した場合、右側電飾部430の外側傾斜壁436bは、上から下に間隔を空けて複数個(例えば6個)の明るい箇所が個別に確認できる。この発光態様は、リフレクタ440の集光面によって集光されて強調されたものであり、当該パチンコ機10から離れたホール者や遊技者などからも明確に見ることができる。
ケース部材436の外側傾斜壁436bの内部においてケース部材436の先端側(図4における下側)に向かう光は、フレーム部材460で減光された状態で発光する。このため、右側電飾部430の最先端に位置する部位が外側傾斜壁436bと同じ色で発光することから、斜めからパチンコ機10を視認した遊技者に外側のLED431の色をより分かり易く認識させることができると共に、当該パチンコ機10の前面側に座って遊技する遊技者には、その光が眩し過ぎることが無いようにされている。
右側電飾部430の開口側傾斜壁436aは、窓部101側のLED431からの光が導光部材450を通過して拡散された後にリフレクタ440の拡散面で反射され、さらに開口側傾斜壁436aの内面の凹部436cで拡散されて出力される。開口側傾斜壁436aには、複数本の凹部436cが設けられるため、ケース部材436の縦方向(図4における紙面垂直方向)に光が拡散された状態で出力される。
パチンコ機10の正面または左斜め方向若しくは左横方向から右側電飾部430を視認した場合、右側電飾部430の開口側傾斜壁436は、外側傾斜壁436bに比して一様にぼんやり発光した態様が確認できる。遊技を行う遊技者にとって、右側電飾部430の中で開口側傾斜壁436が最も視界に入り易いものであり、この開口側傾斜壁436の発光態様がリフレクタ440の拡散面等によって拡散されて一様化されたものとされるため、パチンコ機10で遊技をする遊技者にとって長時間視認しても眩し過ぎず、目に優しい発光態様とされる。
次に、前面枠セット14の他の電飾部について説明する。窓部101の外周のうち上側に設けられる上側電飾部400は、上記した左右の電飾部410,430と同様に内部が窓部101に近い側と外側とで区画して形成されるものであり、内部構造については同様の構成であるため説明を省略する。この上側電飾部400は、左右の電飾部410,430のケース部材436に相当するケース部材401を2箇所に備え、各ケース部材401は、開口側に相当する下側に向けて傾斜した開口側傾斜壁401aと、上方に向いて傾斜した上側傾斜壁401bと、を備えている。上側電飾部400の開口側傾斜壁401aは、内蔵する導光部材およびリフレクタにより光が拡散されて出力される一方、上側傾斜壁401bは、開口側傾斜壁401bに比べて集光された状態で光が出力される。
上皿19を形成する部位のうち前方に突出した外周面には、上皿19の周りを装飾する球皿電飾部470が設けられている。この球皿電飾部470は、上記した左右の電飾部410,430と同様に内部が窓部101に近い側(上向きの面側)と外側(前方やや下側を向く面側)とで別々に発光する。この球皿電飾部470は、左右の電飾部410,430のケース部材436に相当するケース部材471を備え、このケース部材471は、開口側に相当する上側に向けて傾斜した開口側傾斜壁471aと、前方やや下側に向けて傾斜した外側傾斜壁471bとを備えている。この球皿電飾部471の開口側傾斜壁471aは、導光部材(ケース部材471)およびリフレクタ(拡散部材631)により光が拡散されて出力される一方、外側傾斜壁471bは、開口側傾斜壁471bに比べて集光された状態で光が出力される。また、球皿電飾部470には、パチンコ機10における左右両側を向いた左右側壁471cが設けられ、この内部にLEDが搭載された基板が配置されて、左右両側に外側傾斜壁471bと同程度に集光された光が出力される。
遊技球発射ハンドル18の前面側部分には、白色透明な合成樹脂製のハンドルカバーが設けられ、この内側にもLEDが内蔵されてハンドルカバー全体が発光するハンドル電飾部472とされている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図5を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)される。停電などの発生により電源が切断された場合、主制御装置261のCPU501は、定期的に繰り返し実行される通常処理を最後まで実行し、その後、停電の発生が確認されれば、停電時の処理を実行する。RAM503には、そのタイミングにおけるカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容が電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)の情報として記憶保持され、電源の再入時にパチンコ機10の状態が電源切断前の状態に復帰される。CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力され、この停電信号S1の入力によって停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されて電源断前のデータが保持(バックアップ)される。このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理の実行によって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、発射条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541を備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、左・中・右の3つの装飾図柄列が設定され、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、主装飾図柄とは別の形態である菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄がスクロール表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成される。そして、周期性を持って主装飾図柄と副装飾図柄が上から下へと変動表示される。
サブ制御装置262は、主制御装置261から送信される各種コマンドに基づいて実行する演出を選択し、第3図柄表示装置42の表示制御のためのコマンドを出力したり、遊技盤30および前面枠セット14に設けられるLED、前面枠セット14に設けられるスピーカ等を制御したりして、各装置が同期した演出を実行させるための制御装置である。このサブ制御装置262は、記憶装置であるROM(プログラムROM)552およびRAM553が内蔵された演算装置であるCPU551と、バスライン554と、入出力ポート555とを備えている。なお、サブ制御装置262のROM552およびRAM553は、必ずしも演算装置に内蔵する必要はなく、CPUとは別にバスライン等を介して接続されるものであっても良い。また、サブ制御装置262は、必ずしも表示制御装置45とは別に設ける必要はなく、サブ制御装置262と表示制御装置45とを一体化し、1のCPUで第3図柄表示装置42とスピーカ等を制御しても良い。
サブ制御装置262のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン554を介して入出力ポート555が接続されている。入出力ポート555には、主制御装置261、各種LED431、表示制御装置45、スピーカ(図示せず)、モータ623,624等が接続される。
このサブ制御装置262は、電源装置313から図示しない電源線を介して電力が供給され、この電力によってCPU551等の制御が行われる。また、サブ制御装置262には、電源装置313から電力が供給される枠制御回路556が設けられる。
枠制御回路556は、CPU551の制御とは別にパチンコ機10に設けられる一部のLED431を制御する。この枠制御回路556は、サブ制御装置262のCPU551等とは電源供給される期間が異なるものとされている。具体的には、枠制御回路556には、図示しないコンデンサ等の充電手段を備え、一日パチンコ機10に電力が供給されると、例えば8時間程度の一定時間は、接続されるLED431が減光された状態で発光を継続するものとされている。
サブ制御装置262に接続されるLED431のうち前面枠セット14に設けられるLEDの一部は、RGBの3色のLEDが一体化されたフルカラーを表示可能なLED431によって構成される。このLED431は、枠色LED431aと、仕様LED431bと、演出LED431cに大別される。
枠色LED431aは、パチンコ機10のイメージ色を前面枠セット14の発光色として表示するためのLEDである。本実施形態におけるパチンコ機10は、海の生き物を変動表示用の図柄および演出に使用する機種であり、枠色LED431aは、青色のLEDが発光および減光を繰り返す態様で継続的に発光表示される。この枠色LED431aは、前述した左右の電飾部410,430および上側電飾部400の外側傾斜壁401b,436b内のLED431と、球皿電飾部470の外側傾斜壁471bおよび左右側壁471c内のLED431として配置される。この枠色LED431aは、枠制御回路556の制御によってパチンコ機10の左右および上部に向けて電源オン中は継続的に青色に発光する。
遊技者が遊技を行うパチンコ機を選択する場合、遊技島の並びに沿った方向を向いて左右いずれかの斜め側からパチンコ機を視認して、自分の実行したい機種を選ぶ。このとき、パチンコ機10の枠色LED431aは、電源オン中ずっと継続的に青色で発光される。この青色発光部分がパチンコ機10の左右両側および上部に設けられ、一般的には複数台の同一機種のパチンコ機が並んで設けられるため、その青色のイメージを遊技者が認識し易い。しかもこの発光部は、集光機能によって目立つ状態で表示される。このため、遊技者が海をイメージした機種であることを容易に視認することができる。
仕様LED431bは、パチンコ機10の仕様に対応した色を表示するLEDである。本実施形態におけるパチンコ機10は、始動口33a,33bへの入球によって100分の1で大当たりが発生する機種であり、このパチンコ機10と同一の図柄を用いた他の機種として例えば大当たり確率が200分の1の機種と、大当たり確率が350分の1の機種とが設定される。この3種類の大当たり確率に対応して、一番大当たり確率の高い機種である本実施形態に係るパチンコ機10は「青色」、中間の確率である大当たり確率が200分の1の機種は「緑色」、大当たり確率が350分の1の機種は「赤色」として表示されるLEDであり、パチンコ機10の遊技盤30が内枠12に取り付けられると、遊技盤30の枠制御回路556の制御によって仕様LED431bが「青色」に発光する。この仕様LED431bは、球皿電飾部470の開口側傾斜壁471aおよび遊技球発射ハンドル18のハンドル電飾部472に設けられるLED431によって構成され、遊技者が遊技をする際に必ず操作する貸球操作部120および遊技球発射ハンドル18が仕様としての大当たり確率に対応した色に発光されるため、遊技者が以前に気に入った機種と間違って遊技を開始してしまうことを低減することができる。
演出LED431cは、上記した枠色LED431aおよび仕様LED431bとは異なり、サブ制御基板262aのCPU551によって制御される。この演出LED431cは、従来における前面枠セット14に設けられるLEDと同様の制御がなされるLEDであり、遊技盤30に設けられる第3図柄表示装置42の変動演出や大当たり演出、リーチ演出等に対応した発光態様に制御される。この演出LED431cは、左右の電飾部410,430および上側電飾部400の開口側傾斜壁401a,436a内のLED431として配置される。また、球皿電飾部470の開口側傾斜壁471aの中央に設けられる演出ボタン600は変動演出中に遊技者参加型の演出をするための押しボタン式の入力装置であり、この装置内に設けられるLEDも演出LED431cによって構成される。上記した前面枠セット14において発光する部位のうち、第3図柄表示装置42を注視して遊技を行う遊技者にとって一番視界範囲に近い位置に配置される傾斜壁401a,436aや遊技者参加型の演出を実行する場合に操作される入力装置としての演出ボタン600の発光が変動演出等に連動する。よって、遊技状態の変化に対する遊技者の高揚感を大きくすることができる。
次に、遊技盤30を交換して機種変更を行う場合について説明する。機種変更を行う場合には、上記したパチンコ機10の遊技盤30の代わりに別の遊技盤を取り付ける。この機種変更後の遊技盤の電気的構成は、上記したものと同様とされ、枠制御回路の構成として枠色LED431aの色が変更後の機種のイメージに合わせたものとされる。例えば、夏を題材にした機種において、太陽をイメージした黄色の発光で枠色LED431aを発光させる枠制御回路が設けられる。すると、遊技者は、機種変更前は、青色で継続して発光していた部位が黄色に変化することで、一見して機種変更されたことを認識することができる。
また、この機種変更において、変更前のパチンコ機10の遊技盤30と大当たり確率が近い(または同じ)機種の遊技盤の構成について説明する。機種変更後の遊技盤の電気的構成は上記したものと同様とされ、枠制御回路の構成として仕様LED431bが機種交換される前と同一の色で発光するものとされる。すると、遊技者は、機種変更前と後で、仕様を表現する部位が同一の態様で発光されることとなって、仕様が似通ったもの又は同一のものであることを容易に認識することができる。逆に、変更前のパチンコ機10の遊技盤30と大当たり確率が異なる機種の遊技盤を取り付けた場合には、枠制御回路の構成として仕様LED431bの色が機種交換される前と異なる色で発光するものとする。よって、遊技者は、機種変更前と後で、仕様が異なっていることを容易に認識することができる。
また、機種変更をしても、下皿15自体およびコーナー電飾部480は、機種変更前の遊技盤30を取り付けた状態と全く見栄えが変わらない不変部であり、この部位を設けることにより、パチンコ機10のコストを低減し、不変の情報を遊技者に分かり易く示すことができる。この不変部は、遊技者があまり視認しない部位や電飾以外の機能を有する部位としておくことが好ましく、パチンコ機10においては、遊技者が着座して遊技をしている状態において視界に入り難いパチンコ機10の下端部に相当する下皿15周辺、音を出力するスピーカが内蔵されると共に音出力口が設けられる音出力機能を有する部位(コーナー電飾部480)、賞球払出し中や所定のエラー時に点灯する等、各状態に対応して点灯制御が行われる表示部(コーナー電飾部480)とされている。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10は、その前面を形成する前面枠セット14の裏面側に設けられた遊技盤30の交換によって機種変更が行われるものであり、前面枠セット14は、遊技盤30の変動表示や大当たり演出に対応した態様に変化する演出LED431cによって発光する変化部としての傾斜壁401a,436aと、遊技盤30に対応しない不変部としての下皿15およびコーナー電飾部480と、遊技盤30の交換に対応して態様が変化するか否かが切り替わる部位であって通常の遊技状態において略一定の態様とされる枠色LED431aおよび仕様LED431bによって発光する共通態様部としての傾斜壁401b,436b,471b,471cを備えている。枠色LED431aおよび仕様LED431bは、電源オン中は一定の色で発光され続けるため、遊技場に複数台が並んだ状態において、遊技が行われてリーチ演出中のパチンコ機10や大当たり状態中のパチンコ機10が混在した状態となっても枠色LED431aと仕様LED431bとは同一の色で発光され続ける。よって、遊技を行うパチンコ機を選択する遊技者に対し、共通する色を視認させることで機種が同一で機種変更が行われたことを認識させ易くすることができる。
また、枠色LED431aは、左右および上側電飾部400,410,430の中でもパチンコ機10の正面視で演出LED431cの外周側に配置されているため、遊技者には演出LED431cによって光の演出効果を確保しつつ、遊技島において遊技機を選択する遊技者に対しては複数台のパチンコ機10の統一的な色で発光する光の演出を提供することができる。
仕様LED431bは、大当たり確率に応じた色で発光される構成とされているため、遊技を行う遊技者は、仕様LED431bの色を通じて大当たり確率を認識することができ、遊技者が以前に気に入った機種と間違って遊技を開始してしまうことを低減することができる。
次に、上皿ユニット21によるパチンコ機10の装飾構造について、図6以降を参照しつつ説明する。図6(a)は、図1に示すパチンコ機10のB−B線断面図、図6(b)は、図6(a)のC−C線断面図、図6(c)は、導光シート621,622の構造を模式的に示した斜視図である。なお、図6(a)及び図6(b)において、LED431、導光シート621,622等の一部部品は断面視しない状態で示している。
上皿ユニット21は、上記したように、球受皿としての上皿19周辺を形成する部材であり、図1に示すように、左右方向の中央部に設けられる演出ボタン600と、その周りの部位を形成する球皿電飾部470とを備えている。
球皿電飾部470は、内蔵されたLED431によって複数色で発光可能な装飾部品である。この球皿電飾部470は、図6(a)に示すように、上皿19の前面側であって表面を形成するケース部材471を備え、そのケース部材471の内面側に、演出ボタン600の周りを装飾するボタン装飾導光板610と、ボタン装飾導光板610より更にケース部材471の内面側に位置してキャラクタによる装飾を表示可能とする2枚の導光シート621,622と、LED431(枠色LED431aおよび仕様LED431b)が取り付けられるプリント基板630と、そのプリント基板630に設けられるLED431の光を拡散する拡散レンズ631とを備えている。
ケース部材471は、上皿19のパチンコ機10前面側(図6(a)の左側)に膨出する形状により中空形状に形成され、上皿19の前端部分に上端部が位置し、下端側が有色樹脂で成形された上皿カバー21aに嵌まり込んだ状態とされている。ケース部材471内面側に位置するボタン装飾導光板610は、ケース部材471の開口側傾斜壁471aの内側に設けられ、外側傾斜壁471bの内側部分までは至らない大きさとされている。このボタン装飾導光板610は、上記した演出LED431cによって変動表示の演出に対応した発光が施される。このため、ケース部材471の開口側傾斜壁471aはボタン装飾導光板610の発光によって変動表示に対応した発光による装飾が施される場合があり、枠色431aによって発光する外側傾斜壁471bは演出LED431cの発光による変色の影響は少ないものとされる。
図7(a)は、上皿ユニット21の部分拡大図、図7(b)は、図7(a)のD−D線断面図、図7(c)は、他のケース部材900を取り付けた状態を示した断面図である。なお、図7(b)及び図7(c)においては、理解の容易のために、D−D線の延長線上には位置しないケース部材471、ボタン装飾導光板610および他のケース部材900の取付部分を模式的に示し、また一部の部品は断面視せずにそのまま示している。
ケース部材471およびボタン装飾導光板610は、図7(a)に示すように、演出ボタン600の周りを装飾するものであり、アクリルまたはポリカーボネートの透明樹脂を成形して形成される。演出ボタン600の周りを装飾する三角形状および演出ボタン600の周りに向かう線条の模様は、ボタン装飾導光板610の内面側に相当する部分に凹凸を設けた起伏部611によって形成される。この起伏部611は、ボタン装飾導光板610の左右両側に配置されるフルカラーで発光可能な演出LED431cが点灯した場合に、その点灯色にて演出ボタン600周囲の起伏部611が発光する。この演出LED431cは、例えば変動表示において演出ボタン600の入力が有効化されている場合に、その変動表示にて大当りとなるか否かの期待値の高さに応じた色で発光制御され、例えば、青、黄、緑、赤の順に期待度が次第に高い発光色とされる。なお、起伏部611は、凹凸によって演出LED431cの発光色で発光させるものとする必要はなく、模様を印刷や塗装により形成するものであっても良い。
ケース部材471の両面のうちボタン装飾導光板610に面する内面側は、ボタン装飾導光板610の起伏部611より凹凸の高さが低く、表面側から目視では視認できない程度の凹凸が設けられる。このケース部材471の左右両側には、フルカラーで発光可能な演出LED431cが配置され、この演出LED431cが点灯した場合、演出ボタン600の周りがパチンコ機10の仕様に対応した色で一様に発光する。このとき、ボタン装飾導光板610の起伏部611は、ケース部材471の発光によって視認不能か、または、一見しただけでは視認し得ない程度に見えにくくなる。一方、ケース部材471の左右両側の演出LED431cが減光または消灯すると、ケース部材471の起伏が乱反射せずに透明となり、その内面側のボタン装飾導光板610が見える状態となる。すなわち、演出ボタン600周りの装飾は、演出LED431cの点灯制御によって、ボタン装飾導光板610の起伏部611による装飾を遊技者に見せたり、ほぼ完全に隠したりして、見栄えの良い装飾を演出ボタン600周りに施すことができる。
ここで、ケース部材471は、その内面側に設けられるプリント基板630上のLED431(仕様LED431b)の点灯によっても球皿電飾部470として発光するものであり、この仕様LED431bを発光させることでパチンコ機10の仕様に対応した発色をさせることができる。また、ケース部材471の両端側に設けられる演出LED431cを仕様LED431bと同一色で発光させても良く、この場合にはプリント基板630上のLED431のみを点灯させる場合に比べて高輝度発光を施すことができる。
ケース部材471およびボタン装飾導光板610は、前面枠セット14を開放操作することを必要条件として前面枠セット14の裏面側から触れることのできる操作ネジ615によってケース部材471の内面側から上皿カバー21aに固定される。この操作ネジ615は、円筒形状で外周に凹凸が施された部位を回転操作することで上皿カバー21aから分離し、この操作ネジ615を取り外すと、ケース部材471およびボタン装飾導光板610は、前面枠セット14から分離可能とされる。
上記した機種変更を行う場合、ケース部材471およびボタン装飾導光板610を取り外して、例えば、演出ボタン600の開口部のない他の装飾用のケース部材900に交換することができる(図7(c)参照)。このケース部材900は、ボタン装飾導光板610を設けなくても良く、プリント基板630に設けられるLED431によって開口側傾斜壁471aと、外側傾斜壁471bとが別々に発光可能な透明又は半透明な樹脂によって形成される。このため、演出ボタン600を使用しない遊技盤を使用する場合には、余計な部品を設ける必要がなく、また、新機種として演出ボタン600を使用しない遊技盤を取り付けたパチンコ機を遊技場が購入した場合であっても、その後の他機種への交換時に演出ボタン600を容易に後付けすることができる。
演出ボタン600は、図7(b)に示すように、遊技者によって操作されることで下方に移動する操作部601と、その操作部601の周りに位置し、ケース部材471およびボタン装飾導光板610に設けられる演出ボタン600用の開口部を覆う周縁部を有するボタンカバー602と、演出ボタン600がケース部材471から離れて外方に抜け出さないように固定する演出ボタンケース603と、配線接続用のコネクタ604と、演出ボタン600をケース部材471およびボタン装飾導光板610に固定するための操作ネジ605を備えている。
演出ボタンケース603は、演出ボタン600用の開口部付近が外方に全周にわたって一定の幅で突出して形成されるフランジ部603aを備えている。この演出ボタンケース603のフランジ部603aとボタンカバー602の周縁部とは、共に有色不透明なABS等の合成樹脂によって形成される。このため、ケース部材471およびボタン装飾導光板610の左右両側から導光された光が演出ボタン600によって反射しても、球皿電飾部470の内部や演出ボタン600周りへの光の漏出は抑制することができる。
演出ボタン600の操作ネジ605は、前面枠セット14を開放操作することを必要条件として前面枠セット14の裏面側から触れることのできる部品であり、演出ボタン600をケース部材471に固定するためのものである。操作ネジ605は、円筒形状で外周に凹凸が施された部位を回転操作することでボタンカバー602から分離し、ボタンカバー602と演出ボタンケース603とを離間可能にする。この操作により、演出ボタン600を外方に相当するパチンコ機10の前面側に引き出すことができる。
上記した機種変更を行う場合に、ケース部材471およびボタン装飾導光板610を取り外して、例えば、演出ボタン600自体はそのまま次の機種に流用しつつ、ケース部材471およびボタン装飾導光板610の少なくとも一方を変更する。このように流用可能な部品を新機種に採用することができ、必要最小限のコストで多彩な対応が可能な機種変更をすることができる。
また、機種変更を行う場合に、演出ボタン600周りの装飾を遊技盤に合ったものに必要に応じて変更する。演出ボタン600周りの装飾の変更は、鍵操作部14に鍵を入れて前面枠セット14を開放操作し、前面枠セット14の裏面側から操作ネジ615を取り外して演出ボタン600、ケース部材471およびボタン装飾導光板610を前面枠セット14から取り外す。さらに、演出ボタン600に設けられる操作ネジ605を取り外すと、演出ボタン600、ケース部材471およびボタン装飾導光板610が完全に分離される。この分離された状態から、ボタン装飾導光板610のみを遊技盤に合ったものに変更したり、演出ボタン600を変更したり、3部品すべてを変更したり、或いは、演出ボタンを不要としたケース部材900(図7(c)参照)に交換したりして、演出ボタン600周りの装飾を交換後の機種に対応させることができる。
また、鍵操作部14に鍵を入れて前面枠セット14を開放操作し、演出ボタン600に設けられる操作ネジ605を操作することで、ケース部材471およびボタン装飾導光板610を前面枠セット14から取り外すこと無く、演出ボタン600を取り外すことができる。このため、演出ボタン600のみを機種変更の際に変更する場合に操作性が良く、演出ボタンの破損時においても簡易に部品交換することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、演出ボタン600の周囲に設けられる装飾部品としてのケース部材471およびボタン装飾導光板610には、ケース部材471とボタン装飾導光板610とのそれぞれに別々の装飾が施され、演出LED431cによる光の入力状態を変化させることで、ボタン装飾導光板610に設けられる装飾の視認し易さが変化する。このため、遊技状態に対応した色でケース部材471を発光させたり、または演出ボタン600の入力有無の状況等に対応したりした装飾を演出ボタン600の周囲に施すことができる。
また、ケース部材471には、内面側に設けられるボタン装飾導光板610より小さいサイズの凹凸による装飾が施され、その装飾は、ボタン装飾導光板610を介さない光に相当するケース部材471の左右両側の演出LED431cの光によって発光可能とされる。このため、ボタン装飾導光板610の装飾の影響による光むら等の影響を受けることがなく、クッキリとしたケース部材471の装飾を遊技者に視認させることができる。一方、ボタン装飾導光板610の装飾を遊技者に視認させる場合には、ケース部材471の装飾を介して遊技者が装飾を視認することとなるものの、小さいサイズの装飾よりも大きな装飾の方が目立ちやすいため、遊技者にボタン装飾導光板610の装飾をしっかりと認識させることができる。
また、遊技盤30の交換に対応してケース部材471とボタン装飾導光板610との別々の装飾を選択して施すことにより、前面枠セット14を交換することなく、パチンコ機10の前面の見栄えを変化させることができ、製品コストを抑えつつ一見して機種変更を遊技者が理解し易いパチンコ機10を提供することができる。
また、遊技盤30の交換に併せて演出ボタン600、ケース部材471およびボタン装飾導光板610を交換することで、演出ボタン600周りの装飾を遊技盤30の交換に対応して変化させることができる。よって、前面枠セット14全体を交換することなく、機種変更を行う場合におけるパチンコ機10前面の見栄えを一層変化させることができる。
また、枠色LED431aおよび仕様LED431bによって発光する部位の一部として球皿電飾部470(ケース部材471)が設けられ、枠色LED431aおよび仕様LED431bによって発光する他の部位として左右の電飾部436や上側電飾部401等が設けられている。このため、共通態様部として使用する部品は機種変更前の部品を流用し易くすることができ、低コストで遊技機メーカー独自の装飾を継承しつつ見栄えを新たにした機種変更を行うことができる。
また、ケース部材471とボタン装飾導光板610を発光させる演出LED431cはそれらの両端側から中央側、すなわち板状部品の板面内に沿って光が導光する向きに配置され、ケース部材471及びボタン装飾導光板610の内面側に設けられるプリント基板630の仕様LED431bは、ケース部材471とボタン装飾導光板610の内面側から外面側に向けて発光する方向に向けて配置される。このため、仕様LED431bが発光した制御が継続して行われている状況において、演出LED431cを発光させなければパチンコ機10の仕様に対応した発光状態とされ、演出LED431cを発光させた場合には仕様LED431bの発光と演出LED431cの発光とが混ざった状態とされ、その部位は演出に対応した発光状態とすることができる。よって、このケース部材471の外面を共通態様部として用いたり、変動表示の演出に対応した変化部として用いたりすることができ、機種や遊技状態に応じて限られたスペースを有効に活用することができる。
次に、導光シート621,622による装飾について、図6を主に参照しつつ説明する。導光シート621,622は、例えば、0.7ミリメートル厚さの可撓性を有する薄板状の導光部品であり、例えば軟質塩化ビニル樹脂(PVC)や熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)等の透明材料にて形成され、筒状に巻き取り可能に構成されている。この導光シート621,622は、軸心となる棒状部材の軸方向の一端側に設けられる切替手段としてのモータ623,624によって動作可能に構成され、このモータ623,624が上皿カバー21aに固定されることで導光シート621,622が片持ち状態で支持される。
この2枚の導光シート621,622は、拡張される方向側の一端が先端部分となる自由端を備え、その自由端は、拡張方向に対して垂直な均一長さでなく、平面視で右側が左側より短い形状とされている。図1に示すように、ケース部材471の演出ボタン600左側部分のうち導光シート621,622の拡張状態において先端側に相当する外側傾斜壁471bは右上がりの形状とされ、導光シート621,622は、この演出ボタン600左側部分を装飾する装飾部品としているため、自由端側の長さを異なるものとしている。このように、一端を自由端として展開状態を形成することで、収納状態において筒状とされる導光シート621,622にて多様な形状に対応した拡張状態を形成することができる。なお、本実施形態においては、導光シート621,622の幅を均一なものとしているが、この幅を部位に応じて変化させても良く、また、自由端に導光シートの材料より硬質な例えばポリカーボネート等の樹脂を取り付けて、導光シートの拡張時における自由端側の変形を防止しても良い。
モータ623,624は、サブ制御基板262aに接続されてCPU551によって制御され、この制御によって、2枚の導光シート621,622は、それぞれ筒状に巻いて収納した収納状態と、先端側が拡張されることでケース部材471の内面側に重なる拡張状態とに切り替え可能とされる。なお、必ずしも切替手段としてモータ623,624によって導光シート621,622の状態を切り替えるものとする必要はなく、ソレノイド等の他の駆動装置による切替手段によって導光シート621,622の状態を切り替えても良いし、バネ等の弾性部材を用いて一方側、例えば収納状態側に付勢する機構を加えて状態を切り替えても良い。また電動式でなく、手操作により導光シート621,622の状態を切り替えるためのハンドル等を設けて構成しても良い。また、必ずしもサブ制御基板262aのCPU551によって導光シート621,622の状態を制御するものとする必要はなく、枠色LED431aや仕様LED431bと同様、枠制御回路556によって導光シート621,622の状態を制御しても良い。
2枚の導光シート621,622のそれぞれには、遊技者に視認可能な装飾として魚とタコに例示される別々のキャラクタを模した模様621a,622aが描かれ、これらの模様621a,622aが球皿電飾部470に表示可能とされる。この模様は、本実施形態のように、海に関連する魚およびタコの模様のように同種の模様として1の機種で複数の模様を表示しても良く、魚と、戦国時代の武将の姿を模した模様とするなど、互いの模様が関連しない別種のものとして別々の機種で各模様を表示しても良い。
導光シート621,622の模様621a,622aは、フィルムに微細な凹凸を設けて光を照射することで発光する模様であり、第3図柄表示装置42や遊技盤30の盤面に描かれる機種に対応したものとされ、例えば、機種変更した場合に機種に合った模様が拡張状態となるようにモータ623,624の回転が制御される。なお、第3図柄表示装置42における変動表示後の大当たり期待度に対応して表示される予告用のキャラクタと同一の模様が導光シート621,622に施されても良く、第3図柄表示装置42にそのキャラクタが表示される前の予告として事前に表示されたり、第3図柄表示装置42に一旦表示されたキャラクタが導光シート621,622によって表示され続けたりする演出としてモータ623,624の駆動制御をしても良い。
これら2枚の導光シート621,622は、上皿19に近い側に上下に並べて横向きに配置され、一方の導光シートが拡張された場合には、他方の導光シートは巻き取られた状態とされ、両方が同時に拡張状態とならないように制御される。この導光シート621,622は、図7(b)に示すように、ボタン装飾導光板610の片面で導光シート621,622が配置される側に形成された突条部610aによって外面側が支持され、この突条部は、導光シート621,622の幅方向の両端部と、その間の1カ所または複数箇所にて導光シートの拡張または収納する際の移動方向に沿って凸部が連続した形状とされる。導光シート621,622の内面側は、拡散レンズ631の外表面によって支持される。拡散レンズ631と突条部610aとによって形成されるスペースに入り込み可能なフィルムの厚さは最大1mmとされ、2枚の導光シート621,622が同時には入り込めない大きさとされる。
この導光シート621,622は、図6(c)に示すように、例えば、導光シート621,622の幅方向の両端側に設けられるLED431によって発光する。このLED431は、本実施形態においては、演出LED431cとされ、大当たり遊技や変動表示の演出等、遊技の状態に対応した制御がサブ制御装置262によって行われる。なお、必ずしも導光シート621,622を発光させるLED431は、導光シート621,622の幅方向の両端側に設ける必要は無く、片側のみに設けても良いし、図6(c)の矢印で示すように導光シートが展開される先端側端部に設けても良い。また、必ずしも導光シート621,622を発光させるLEDを演出LED431cとする必要はなく、枠色LED431aまたは仕様LED431bのいずれかとしても良く、枠色LED431aまたは仕様LED431bの少なくとも一方と演出LED431cとの複数のLEDを導光シート621,622の幅方向両端側に並べて配置する等して、演出LED431cと枠色LED431aまたは仕様LED431bとの複数のLED431によって発光制御を可能としても良く、この場合には、遊技盤の種類に対応して機種イメージや変動表示の演出に合わせた発光制御をより詳細に切り替えることができる。
拡散レンズ631は、その内面側に設けられるLED431の光を拡散するものであり、LED431側および導光シート621,622が配置される側の両面に凹凸が施される。この凹凸は、開口側傾斜壁471aの内側部分の方が、外側傾斜壁471bの内側部分に比べて光を拡散させる形状とされる。レンズの形状詳細は、一般的な光を拡散させる形状であれば良く、詳細な説明は省略する。
遊技盤30を交換して機種変更を行う場合、導光シート621,622は、例えば、魚をモチーフにした機種の遊技盤が使用される場合には魚の模様621aが施された導光シート621がモータ623の駆動によってケース部材471の内面側に位置する拡張状態とされる。一方、タコの模様622aが施された導光シート622は、モータ624の駆動によってケース部材471に重ならない程度に筒状に巻かれた収納状態とされる。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10は、複数の導光シート621,622が、同一のケース部材471の内面に重なる状態に拡張されるので、導光シート621,622に施した別々の模様621a,622aによる装飾を、ケース部材471を通じて遊技者に視認させることができる。よって、前面枠セット14を交換することなく機種変更しても、遊技盤30だけでなくパチンコ機10前面の見栄えを変化させることができる。従って、製品コストを抑えつつ一見して機種変更を遊技者が理解し易い遊技機を提供することができる。
また、同一の装飾面(又は装飾領域)としてのケース部材471の表面を導光シート621,622毎に異なる別々の装飾とすることができる。このため、導光シート621,622毎に領域を区分けする場合に比べて大型の導光シート621,622の表示領域を確保することができる。
更に、一方の導光シート621,622が他の導光シートを介すことなく、ケース部材471に重なる状態とされる。よって、他の導光シートに施した装飾によって見栄えが損なわれることを低減することができる。
また、2枚の導光シート621,622が同一の拡張領域に拡張されるので、拡張状態の導光シートの厚み方向のスペースを少なくして他の部品レイアウトの自由度を高めることができる。また、2枚の導光シート621,622が同一の拡張領域に拡張され、共通の発光部品を利用して複数枚の導光シート621,622に対して光を入射することができ、発光部品の数を少なくすることができる。
また、導光シート621,622は、共通態様部に対応する装飾面としてのケース部材471の表面に重なる状態に拡張される。このため、枠色LED431aの制御を変化させることなく、外側傾斜壁471bの一部に変動表示演出に対応したキャラクタの模様621a,622aを表示することができ、限られた表示スペースにおいて一定色で発光され続ける部位を必要に応じて表示演出に対応した装飾領域として利用することができる。
また、導光シート621,622の表面側を覆うケース部材471およびボタン装飾導光板610は、操作ネジ615を取り外すことで前面枠セット14から分離可能とされている。このため、パチンコ機10の前面側より導光シート621,622の表面側を店員が触れることができ、演出ボタン600、ケース部材471およびボタン装飾導光板610の交換に併せて導光シート621,622の交換を簡易に行うことができる。よって、前面枠セット14の全体を交換することなく、機種変更を行う場合におけるパチンコ機10の前面の見栄えを簡易かつ多種に変化させることができる。
また、導光シート621,622を発光させる演出LED431cはそれらの両端側から中央側、すなわち板状部品の板面内に沿って光が導光する向きに配置され、導光シート621,622の内面側に設けられるプリント基板630の仕様LED431bは、導光シート621,622の内面側から外面側に向けて発光する方向に向けて配置される。このため、仕様LED431bが発光した制御が継続して行われている状況において、導光シート621,622を拡張状態としないか、又は拡張状態としても演出LED431cを発光させなければパチンコ機10の仕様に対応した発光状態とすることができ、その演出LED431cを発光させた場合には仕様LED431bの発光と演出LED431cの発光とが混ざった状態とされ、その部位は演出に対応した発光状態となる。よって、導光シート621,622が拡張状態とされた場合に外面側に位置するケース部材471の外面を共通態様部として用いたり、変動表示の演出に対応した変化部として用いたりすることができ、機種や遊技状態に応じて限られたスペースを有効に活用することができる。
なお、導光シート621,622の少なくとも一方の内面側(プリント基板630側)に遮光性を有する塗装や印刷を施して、遮光性を有する導光シートを拡張状態とした場合には仕様LED431bの発光状態の影響を更に少なく、又は、完全に外面側に照射されないようにして、その導光シートによって覆われた部位が演出LED431cによって発光される変化部として機能するようにしても良く、また、導光シート621,622の拡張状態における先端側の内面側に位置する枠色LED431aの発光状態の影響を更に少なく、又は、完全に外面側に照射されないようにして、その導光シートによって覆われた部位が演出LED431cによって発光される変化部として機能するようにしても良い。
次に、図8を参照して、パチンコ機10の見栄えを変更する他の方法について説明する。図8は、前面枠セット14と前面カバー700の構成を示す斜視図である。
前面カバー700は、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略す。)を真空成形によって前面枠セット14の前面形状に一致する形で形成した0.5ミリメートル厚さの薄板シート状の成形部品である。
この前面カバー700は、例えば0.03ミリメートル厚さのオーロラ調の色相を有するフィルムがPETの全面に配置された状態の板状材料を真空成形によって前面枠セット14の前面に一致した形状に形成される。このため、前面カバー700の一面側に入力した光は、変色部として前面カバー全体に配置されるオーロラフィルムの層を通過すると、単一の発光色でも部分毎に異なる種々の色に変わった状態で反対面側に出力される。
前面枠セット14の表面形状は左右の電飾部410,430等に見られるように前方に突出した部位の中にLED431が配置され、その突出部位は、オーロラフィルムが成形時に引き延ばされることとなる。このため、部分毎にオーロラフィルムの厚みが変化することとなり、同一色で発光したLED431であっても表面側からは別色として視認できることとなる。よって、前面カバー700の無い状態と同一のLEDの点灯制御を行っても、見栄えを大きく異ならせることができる。
この前面カバー700には、前面枠セット14の前面のうち、各機能部に対応して同一形状に開口形成された部位が設けられる。具体的には、遊技盤30の遊技領域30aを視認可能とする窓部101に対応する窓部開口701、上皿19に対応する上皿開口702と、下皿15周辺部に対応する下皿開口703、演出ボタン600に対応する演出ボタン開口704、貸球操作部120に対応する貸球操作部開口705、証紙シール等を視認可能とする小窓107に対応する小窓開口706,707、鍵操作部14aに対応する鍵部開口708、遊技球発射ハンドル18の取付部18cに対応するハンドル開口709、音出力口24に対応する音出力開口710が設けられる。
この前面カバー700は、パチンコ機10の見栄えを変更したい場合にパチンコ機10の前面側に取り付けられる。例えば、正面視における外周縁部711と、窓部開口701との裏面側に接着剤を塗布し、前面枠セット14に押し当てて貼り付ける。この取付において、ハンドル開口709は、遊技球発射ハンドル18の取付部18cに対応した形状に形成されて遊技球発射ハンドル18が通過できない大きさであるので、前面枠セット14の裏面側に設けられるネジを予め取り外して遊技球発射ハンドル18を前面枠セット14から取り外した状態で前面カバー700を取り付け、その取り付け後に遊技球発射ハンドル18を前面枠セット14に取り付ける。なお、前面カバー700の一部に前面枠セット14に係合する爪部を外周縁部711や窓部開口701等に形成し、前面カバー700を前面枠セット14に押し込み操作することで爪部が前面枠セット14に嵌まるようにする等、他の方法により取り付けても良い。
前面カバー700がパチンコ機10に取り付けられると、パチンコ機10の前面枠セット14の左右の電飾部410,430、上側電飾部400、球皿電飾部470からの発光が、前面カバー700のオーロラフィルムを介すことで変色してパチンコ機10の前面側に出力される。パチンコ機10の前面側からは前面カバー700の凹凸形状、電飾部からの距離、遊技者の視点等によって異なる色となり、前面カバー700の無い状態に比べて前面枠セット14の見栄えを一新することができる。よって、上記した機種変更において更に前面カバー700を追加することで機種変更を遊技者が一層理解し易いパチンコ機10とすることができる。
また、前面カバー700は、薄板シート状の成形部品の全面に設けられるオーロラフィルムによってパチンコ機10の前面側を装飾することにより前面枠セット14の左右の電飾部410,430、上側電飾部400、球皿電飾部470等の見栄えを変化させることができる。このため、前面カバー700の有無によって1種類の前面枠セット14を利用して2種以上の異なる見栄えの装飾を施した複数種類のパチンコ機を製造することができる。
また、薄板シート状の成形部品は、部品の片面に相当する部位だけ機械加工を施した金型によって成形可能な真空成形とされ、片面の金型で部品を成形可能である。このため、部品コストも低コストに抑えることができる。
また、パチンコ機10は、前面枠セット14の左右の電飾部410,430、上側電飾部400、球皿電飾部470等が前面カバー700により覆われる。このため、少ないLEDで多色の発光を施したい機種には前面カバー700を取り付け、スッキリとした印象の機種としたい場合には取り外すことで遊技場の要求に合わせた形態でパチンコ機10を使用することができる。
また、前面カバー700は、電飾部周りの部品と電飾部400,410,430,470との合わせ部分を覆うこととなるため、不正部品の侵入を困難なものとすることができる。成形部品に穴を開けたり傷をつけたりすると成形部品に対する電飾部400,410,430,470からの光の集光若しくは拡散の状態が変化し、または成形部品の白化等によりその部位が目立つこととなる。よって、目視での傷部分の確認が容易になり、不正の検出をより確実に実施することができる。
また、パチンコ機10は、前面カバー700が無い状態でも前面側から遊技領域へ通じる通路が無い状態とされ、LEDや電気部品等もケース部材に覆われて遊技中に遊技者がLED等に触れて高温やけどや感電等をする危険も無い。このため、前面カバー700が無くても遊技場が不利益を被ることも安全性の問題も無く一般的な遊技機として販売することができ、また、成形部品を追加することで別機種としての見栄えを実現することができる。よって、複数種類の機種を低コストで製造することができる。
また、遊技球発射ハンドル18は、仕様LED431bが内蔵されて、パチンコ機10の仕様に対応した色を表示する部位であり、この部位は前面カバー700に覆われない状態とされる。よって、前面カバー700による色変化の影響は遊技球発射ハンドル18の発光色には影響しないため、遊技者には、遊技機の仕様を適切に伝達することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
上記した枠色LED431aおよび仕様LED431bは、サブ制御装置262内の枠制御回路556によって電源オフ後も充電機能によって発光する構成としたが、必ずしも電源オフ状態において発光させる必要はなく、電源オン中に限って発光する構成としても良い。また、上記したフルカラーのLED431においては、種々の色を発光可能であるが、電源オフ中にも発光させる場合には、赤、緑、青等の3色LEDの色に対応したLEDを点灯させる構成とすることが、回路を単純に構成可能である等の利点があって好ましい。
枠色LED431aおよび仕様LED431bは、上記した枠制御回路556の回路構成によって機種のイメージおよび仕様に対応した色で発光される構成としたが、必ずしも枠制御回路556自体の回路構成を機種毎に異ならせて各機種に対応した色で発光する構成とする必要はない。例えば、枠制御回路をサブ制御基板等のROM内のプログラムによって構成し、各仕様に応じた複数の色で枠色LED431aおよび仕様LED431bを発光可能なプログラムを記憶させ、さらに電源オン時に主制御装置261から出力されるコマンドを仕様毎に異なるものとし、そのコマンドに応じた色で枠色LED431aおよび仕様LED431bが発光する構成としても良い。
枠色LED431aおよび仕様LED431bは、必ずしも一定の点灯態様で表示される必要はなく、一部が変化するものであっても良い。例えば、上記したように枠制御回路をサブ制御基板のROM内のプログラムによって構成し、第3図柄表示装置42の表示演出に枠色LED431aおよび仕様LED431bを同期させても良い。この場合、枠色LED431aおよび仕様LED431bの機能として、遊技者に機種情報を適切に伝達するために、基本の色は変えずに変動音や変動表示演出に合わせて輝度を変化させ、例えば並列する演出LED431cに合わせて発光部が移動表示される(例えば窓部101を中心に発光部が回転する)演出に合わせて枠色LED431aも色は変わらずに輝度が変化するものであっても良いし、基本の色で一定時間発光した後に他の色で一定時間発光する等、発光時間を制限して対応しても良い。この一定時間としては遊技者が一見して機種イメージや仕様を理解し易いように、基本の色以外の時間が3秒以下の間隔となることが好ましく、1秒以下とすることが好適である。
枠色LED431aおよび仕様LED431bは、必ずしも上記した実施形態のように発光する必要はなく、発光および減光を繰り返しても良いし、一定の輝度で発光し続けるものとしても良いし、点滅するものであっても良い。また、必ずしも完全に一定の色で発光する必要はなく、色の濃淡が変化したり、基本色に対して色味が変化したりするものであっても良い。ただし、大きく色が変化してしまうと、枠色LED431aを通じて機種の情報を遊技者に伝達することが難しくなるため、近似した色とすること、例えば基本の発光色を含む色とする等することが好ましい。
枠色LED431aおよび仕様LED431bは、パチンコ機10の異常事態が生じた場合、例えば不正検出機能として扉開放時や磁気センサが異常な磁気を検出した場合などは、その異常報知を優先するものとしても良い。
枠色LED431aおよび仕様LED431bを制御する装置は、必ずしもサブ制御装置262に設ける必要はなく、主制御装置261や表示制御装置45等の他の制御装置の一部として設けても良いし、専用の基板として遊技盤30または遊技盤とは別の部材(内枠12、前面枠セット14等)に設けても良い。
枠色LED431aおよび仕様LED431bは、上記した枠制御回路556の回路構成によって機種のイメージおよび仕様に対応した色で発光する構成としたが、例えば遊技機メーカーに対応した色で発光させたり、遊技機製造時期としての例えば製造年に応じた色で発光させたりしも良い。
枠色LED431aおよび仕様LED431bは、上記した枠制御回路556の回路構成によって機種イメージおよび仕様に対応した色で発光される構成としたが、例えば遊技機背面側等のサブ制御装置に切り替えダイヤル等の操作装置を設け、その操作装置を操作することによって仕様に応じた色を遊技場側で選択可能としても良い。
上記実施形態においては、機種のイメージや仕様を3色のLEDの発光によって遊技者に示したが必ずしも3色のLEDによって示す必要はなく、単一のLEDで色の異なるLEDを複数個所に設けて各電飾部の傾斜壁を複数の色で発光可能に構成しても良いし、他の表示手段である液晶表示装置やプラズマ表示装置、有機EL表示装置等を使用して機種情報を表示しても良い。
上記実施形態においては、機種のイメージや仕様を3色のLEDの発光によって遊技者に示したが、必ずしも機種のイメージや仕様を発光体によって表示する必要はなく、色やデザインを付した回転体やスライド可能な表示物等の可動物をモータやソレノイド等の駆動手段によって動作させて機種のイメージを表現し、また仕様を表示しても良い。この場合には、電源オフ状態においても機種イメージや仕様を表示可能とすることができ、遊技機の製造出荷時や設置時における検査において機種間違いを低減し、また確認作業を容易にすることができる。
上記実施形態においては、機種のイメージや仕様を3色のLEDの光を導光させたり、拡散させたりする等して遊技者に示したが、上記実施形態と同様の方法または別の方法によって導光等をさせても良い。例えば、複数枚の導光板を重ねて別々のLEDによって発光する構成とし、別々の表面加工を各導光板に施して、機種イメージとなるキャラクタを前面枠セット14の外面の一部に表示可能としても良く、1の導光板には魚のキャラクタが表示され、他の導光板には、全面が発光する表示とし、海をイメージした機種では魚のキャラクタが、他の機種ではその機種に合った色の全面発光がされる構成としても良い。この場合に、全面発光がされる導光板等、全面の加工が一定の導光板は外面側に配置し、キャラクタ等の一部分が発光する導光板は内面側に配置することで、発光時にキャラクタの絵がぼんやりと外面に写り込むことを少なくして見栄えを向上することができる。また、機種のイメージや仕様を表示する部位をフィルム状の導光板と、その導光板の端部へ光を入射するLED等の発光装置とを用いて構成し、この導光板をモータ等の駆動手段によって巻き取り可能であって、モータを巻き取り方向と反対方向に回転させることで、巻き取られていたフィルム状の導光板の一端部側が前面枠セット14の外面の一部に広げられた状態とされる構成としても良く、このフィルム状の導光板(導光板を丸めたロール状部材)を複数個所に設けて別々のモータで駆動される構成とし、前面枠セット14の外面の一部の内側に、いずれの導光板も選択的に広げられる構成としても良い。この結果、絵柄の異なる表示対象を前面枠セット14の外面の一部に表示することができる。このフィルム状の部材は必ずしも導光板で構成する必要はなく、機種イメージとなるキャラクタ等の絵柄が描かれても良く、仕様の一部が記載されるものであっても良い。
上記実施形態においては、機種のイメージや仕様に対応した発光を遊技盤30に設けられる枠制御回路556によって制御することで実現したが、遊技盤30の一部として、図3に二点鎖線で示すように、上部の左右両隅部に発光部601を設け、または球案内通路49内に発光部602を設ける等、遊技盤自体に機種のイメージや仕様に対応した発光部を設け、その部位で発光する色を前面枠セット14にて導光させて前面枠セットの左右両端部等が発光する構成としても良い。また、上記した遊技盤30に設けられる発光部は、発光手段としてのLED等を内蔵しても良いし、または遊技盤30には機種のイメージや仕様に対応した色の透光部材や反射部材を発光部として設け、遊技盤30の裏面側または表面側に位置する遊技盤30とは別の部品に発光体を設置し、その発光体を発光させることで透光部材や反射部材を通過した光が遊技盤30の機種のイメージや仕様に対応した色となって前面枠セットの一部を発光させる構成としても良い。
上記実施形態においては、機種のイメージや仕様に対応した発光をパチンコ機10の正面視外側にて発光する構成とし、内側を演出に同期する演出LED431cとしたが、必ずしも上記実施形態に限るものでない。上側電飾部400に内蔵されるLED431を枠色LED431aとし、左右の電飾部410,430に内蔵されるLED431を演出LED431cとする等、電飾部とLEDの種類の組合せを上記実施形態とは別のものとしても良い。また、枠色LED431aおよび仕様LED431bは、必ずしも両方とも設ける必要なく、いずれか一方で構成しても良い。
上記実施形態においては、枠色LED431a、仕様LED431b、および、演出LED431cによって発光するパチンコ機10の前面として、パチンコ機10の正面に対して傾斜した面(壁)として枠色LED431aは遊技機を選択する遊技者に認識し易く、演出LED431cは遊技をしている遊技者に視認し易い構成としたが、必ずしも発光する面を傾斜させる必要はなく、正面を向いた面で構成しても良い。例えば、左右の電飾部410,430の外側のLED431と窓部101側のLEDの前面を、正面を向いた平らな面としても良い。この場合に、枠色LED431aおよび仕様LED431bは、演出LED431cより突出した位置で発光する構成とすることで、傾斜させる場合と同様の効果を奏するものとすることができる。
枠色LED431a、仕様LED431b、および、演出LED431cは、必ずしも窓部101に対して近い開口部側と外側とで区分けして配置する必要はない。一定の態様で発光する枠色LED431aおよび仕様LED431bと、変動演出等に対応する演出LED431cとを窓部101の外周に沿って配置し、一定の態様で発光する枠色LED431aおよび仕様LED431bの少なくとも一方と、変動演出等に対応する演出LED431cとが窓部101の周方向に沿って並んだ配置としても良い。
枠色LED431aおよび仕様LED431bによって発光するパチンコ機10の前面部分は、一様に近い形で発光するように光を分散する導光板を追加しても良く、カバー部材の内面や断面形状、材料、色等を決定しても良い。遊技盤の交換によって枠色および仕様に対応して発光色が変更された場合に、遊技盤と共に前面枠セット14の樹脂部分の色を異ならせた新規のパチンコ機に入れ替えした場合と同様の見栄えとなって、従来に近い見栄えを遊技盤のみの交換で実現することができる。
上記実施形態においては、視認部として窓部101を採用しているが、遊技に関する情報を表示する情報表示領域(例えば、液晶表示装置などの各種の表示手段の表示画面)を前面枠セット14に設けても良い。例えば、パチンコ機10で言えば図柄表示装置など、スロットマシンで言えば回胴リール表示装置や、この回胴リール表示装置以外の各種の表示手段の表示画面などが挙げられる。
上記実施形態においては、前面枠セット14を正面視した状態で窓部101の上下左右に内側と外側とに傾斜した発光する壁を備えて機種情報を表示可能な電飾部を配置したが、必ずしも上下左右に配置する必要はなく、そのうち一部の側のみに機種情報を表示可能な電飾部が配置されても良いし、上記した実施形態における電飾部以外にも窓部101と球皿電飾470の間の領域や、下皿15を形成する部位など、他の部位に機種情報を表示可能な電飾部が配置されても良い。
上記実施形態においては、共通態様部として通常の遊技状態において略一定の態様とされる部位であって枠色LED431aおよび仕様LED431bによって発光する傾斜壁401b,436b,471b,471cを設けたが、必ずしも共通態様部として発光する部位を設ける必要はなく、それらの部位も演出LED431cによって発光する構成としても良い。
上記実施形態においては、球皿電飾部470の装飾のために、ケース部材471およびボタン装飾導光板610並びに導光シート621,622を設けたが、必ずしもこれらの部材による装飾を施す必要は無く、これらの部材のいずれか、または全てを設けないもとのとしても良い。
上記実施形態においては、球皿電飾部470の装飾のために、ケース部材471およびボタン装飾導光板610並びに導光シート621,622を設けたが、必ずしもこれら部材を球皿電飾部470として設ける必要は無く、左右または上側の電飾部400,410,430等や遊技盤30に設けられるセンターフレーム47等、上記実施形態とは異なる他の部位にケース部材471およびボタン装飾導光板610並びに導光シート621,622のいずれか又は組み合わせを設けても良い。
上記実施形態においては、ケース部材471およびボタン装飾導光板610を介して遊技者が導光シート621,622を視認する構成としたが、ケース部材471およびボタン装飾導光板610等について導光シート621,622の拡張状態において模様621a,622aが重なる部位は透明にしても良く、凹凸を無い状態にしても良い。導光シート621,622の模様621a,622aを遊技者が視認しやすくすることができる。
上記実施形態においては、2つの導光シート621,622をパチンコ機10の横方向に沿って上皿19側に上下に並べて配置したが、更に導光シートを加えて3つ以上の導光シートを使用しても良い。また、導光シート621,622は、上皿ユニット21に配置したが、導光シート621,622は交換部材としての遊技盤30に設けて、拡張状態となった場合に上記実施形態と同じ球皿電飾部470の内面側に拡張可能としても良く、他の遊技盤30以外の部位の一部に重なる状態に拡張されて装飾を施すものとしても良い。
また、図9(a)に示すように、導光シート911,912の軸方向が異なるようにして複数の導光シート911,912を配置し、図9(a)の矢印方向から光を入射させる構成としても良く、この場合には複数方向に導光シート911,912を移動させることができる。図9(b)に示すように、導光シート921,922の軸方向は同一で、反対方向に導光シートを巻き取る構成とし、複数の導光シートを離れた位置に配置し、図9(b)の矢印方向から光を入射させる構成として、その複数の導光シート921,922の間に導光シートを拡張するものとしても良い。ここで、導光シートに表示されるキャラクタが第3図柄表示装置42に表示される場合に、そのキャラクタの移動方向に沿った向きに模様が移動可能に導光シートの軸の向きを設定しても良く、例えば、図9(b)に示すように、魚とタコを模したキャラクタの模様921a,921bを横方向に移動可能に配置し、第3図柄表示装置42にもそれらキャラクタの表示を横方向に移動可能に表示すると、遊技者が表示内容による演出を分かり易く認識することができるために好ましい。
また、図9(b)に示すように、導光シート921,922の端部を必ずしも離間させる必要はなく、その導光シート921,922の端部を接続した状態にして複数の筒状部分で導光シートの両端部を支持した状態にしても良く、この場合には、導光シートをより安定して拡張状態とすることができる。なお、この場合における拡張状態とは、所定の模様が見えない収納状態に対して、その模様が遊技者等によりパチンコ機の前面側から視認可能とされた状態に対応する。このように導光シートの両端側が巻き取り可能とされる場合には、複数種類の模様が配置された部分の間や一方側等の一部に模様の全くない透明な部分を設けて、透明部分が遊技者等によりパチンコ機の前面側から視認可能な位置に配置された場合にはその奥側を視認可能としても良く、この場合には、複数の導光シートの一端側が自由端となっていた上記実施形態と同様、複数の導光シートがパチンコ機の前面側から視認できない状態を形成することができ、導光シートによる装飾の自由度を向上することができる。
上記実施形態においては、2つの導光シート621,622にキャラクタの模様621a,622aを表示するものとしたが、必ずしもキャラクタの模様を表示する必要はなく、上記した球皿電飾部470のケース部材471のように一様な凹凸を全面に設けて単一色の発光をするものとしても良く、上記したボタン装飾導光板610のように、例えば、他の部位を注目させる等の表示をするものとしても良い。
上記実施形態においては、2つの導光シート621,622を筒状に巻かれた状態から拡張させることでケース部材471の装飾を施したが、必ずしも導光性を有するシートで2枚のシート部材を形成する必要は無く、一方のシート或いは両方のシートに対する模様を、起伏面を形成した凹凸部、印刷あるいは塗装の少なくともいずれか又は複数の組み合わせによって施したシート部材を用いても良い。
上記実施形態においては、2つの導光シート621,622は、専用では無く共通(すなわち同一)のLED431によって光が入射されて発光する構成としたが、必ずしも共通のLED431によって発光する構成とする必要はなく、それぞれの導光シート621,622に対して別々にLEDを設けても良い。また、2つの導光シート621,622は、2枚同時には拡張状態とはならない構成としたが、複数枚が同時に拡張可能として、複数枚の導光シートが重なった状態で装飾可能な構成としても良い。
上記実施形態においては、2つの導光シート621,622は、共通態様部としてのケース部材471(傾斜壁471b)に重なる状態に拡張可能に構成されるものとしたが、必ずしも共通態様部に重なる状態に拡張可能に構成する必要はなく、不変部または変化部としての部位のみに重なる状態に拡張可能なものとしても良い。
上記実施形態においては、前面カバー700は、変色部として、オーロラフィルムによって発光色を変化させる装飾を施したが、必ずしもオーロラ色のみによる装飾とする必要はなく、オーロラ色の層に代えて、或いは、その層に重ねて他の色や模様、例えば、白色や、黒色の層、或いは、木目調の層を前面カバー700の一部分に、或いは、全面に施しても良い。また、必ずしもフィルムを用いた成形部品によって発光色を変化させる必要はなく、フィルムに代えて、或いは、フィルムに加えて塗装や蒸着等の他の着色工法によって着色を施しても良く、樹脂材料の色として着色を施しても良い。また、必ずしも前面カバー700の全面を一様の色にする必要はなく、球皿電飾部470と左右の電飾部410,430とで別々の装飾としても良く、部分的にフィルムを配置して一部分は透明樹脂で色変化が生じない部位を備えるものとしても良い。
また、上記実施形態においては、前面カバー700は、前面枠セット14の前面に位置して装飾を施す構成としたが、必ずしも前面枠セット14の前面に設ける必要はなく、例えば、遊技盤30に設けられるセンターフレーム47の発光部分の前面側に配置して装飾を施す構成とする等、他の部品の前面側に配置しても良い。また、前面カバー700は、必ずしもパチンコ機10に装飾を施すものとする必要は無く、図10に示すように、スロットマシン710の前面形状と同一形状に形成された前面カバー720としてスロットマシン710の見栄えを変更するようにしても良い。例えば、スロットマシン710の前面カバー720には、スロットマシン710のリール等を視認可能とする窓部711に対応する開口721、操作部品712に対応する開口722、機種名等を表示する装飾パネル713およびメダル皿714に対応する開口723を設けても良い。操作部品周りの部品の合わせ目が覆われることで不正に強いスロットマシンを提供することができる。
上記実施形態においては、仕様LED431bが内蔵された遊技球発射ハンドル18は、前面カバー700に覆われない状態にして仕様LED431bの発光色が変化しない構成としたが、必ずしも前面カバー700に覆われない状態にして発光色を変化させないものとする必要はなく、仕様LED431bが設けられる部位の前面側を前面カバーで覆いつつもオーロラフィルム等の色変化させる変化部を配置しないようにして色変化しない構成としても良い。また、仕様LED431bが内蔵された部品として遊技球発射ハンドル18だけを前面カバー700によって覆われないものとする必要はなく、他の球皿電飾部470の開口側傾斜壁471aに相当する部位も前面カバー700に開口を設けて、その部位も色変化しない構成としても良い。
上記実施形態においては、前面カバー700を取り外した状態でも遊技機として使用可能な構成としたが、前面カバー700を取り外した場合には遊技機として使用不能にしても良い。例えば、前面カバー700を取り外した場合にLEDが露出される構成としても良く、または、ガラスユニットを廃止して、遊技領域を前面カバー700で覆う構成としても良い。
本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施しても良いし、上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり等の抽選機能のないいわゆる普通機として採用されても良い。球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしても良いし、スロットマシンとして実施しても良い。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い
<特徴A群>
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、例えば、遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の左端側を開閉軸として開閉可能に設けられる内枠と、この内枠の開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域に対応した視認窓を有する前面扉(扉部材)とを備えている。この前面扉には、遊技盤の遊技領域を視認可能とする視認窓が設けられ、視認窓の周縁部分にランプ等の装飾部品が設けられている。一般的にパチンコ機は、複数の態様でランプを発光させることによって遊技状態に応じた装飾を施したり、或いは、エラー状態や大当り状態など、特定の遊技状態を遊技者および店員等が容易に判別したりできる構成とされている。ホールにおいて遊技機を新装するために機種変更する際、パチンコ機全体を交換すると遊技盤と前面扉とが新規の部品になって装飾部品が一新される(例えば特開2003−102937号公報(第7−8頁,第4−8図)参照)。
しかしながら、ホールにおいて遊技機を新装するために機種変更する際、パチンコ機全体を交換すると機種変更のコストが増加するという問題点がある。一方、遊技盤のみを交換して機種変更する場合には、遊技盤を覆う前面扉自体が以前のままとなるため、機種変更を遊技者が理解し難いという問題点があった。
<特徴A1>
遊技機の前面を形成する前面部材(前面枠セット14)と、
該前面部材の少なくとも一部の裏面側に設けられ、機種変更する場合に交換可能に設けられる交換部材(遊技盤30)とを備えた遊技機において、
前記前面部材は、
前記交換部材に対応した態様に変化する変化部(開口側傾斜壁401a,436a)と、
前記交換部材に対応しない不変部(下皿15、コーナー電飾部480)と、
前記交換部材の交換に対応して態様が変化するか否かが切り替わる部位であって通常の遊技状態において略一定の態様とされる共通態様部(外側傾斜壁436b,471b、上側傾斜壁401b、左右側壁471c、ハンドル電飾部472)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に記載の遊技機によれば、好適に機種変更を行うことが可能な遊技機を提供することができる。
なお、特徴A1における「前面部材」は、例えばパチンコ機やスロットマシンにおいて図柄が変動表示される領域を視認可能とする視認部として開口した窓部を形成する前面扉が例示される。また、特徴A1における「前面部材」は、上記した視認部を形成する部材と一体的に又は別部品として、本体部材としての内枠や筐体に対して前方側に開放可能に設けられる遊技媒体受け部を有する部品であっても良い。この遊技媒体受け部は、遊技機として1つ又は複数が設けられるものであっても良く、遊技媒体としてはパチンコ球やメダルが例示される。
特徴A1における「交換部材」は、例えば、パチンコ機において機種変更する場合に交換可能に設けられ、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成する遊技盤、前面枠ユニット等の制御を行う制御装置(サブ制御装置)、スロットマシンにおいて交換した場合に機種変更がされるリールユニットやリールユニットと制御装置とが一体化された機種変更用のユニット等が例示される。
特徴A1における「交換部材」は、製造情報若しくは機種イメージに対応する部品または機種性能の少なくとも一部を決定する部品を有する部材としても良い。「製造情報」は、製造に関する情報であって、機種メーカー、機種製造時期等が例示される。「機種イメージ」は、遊技者に提供されるイメージであり、例えば、遊技機の機種名、演出に使用されるキャラクタや装飾体等が例示され、「機種性能」は、遊技によって得られる実際の遊技媒体の量又は該遊技媒体の量に相当する数値情報として記憶される遊技媒体の量であって遊技機毎に設定される賞球の払出条件や賞球数、遊技者に有利な特別遊技状態の抽選条件、遊技者に有利な確率変動遊技状態や時短遊技状態等の遊技状態への遷移条件等が例示される。
特徴A1の「共通態様部」は、機種情報を表示するものとしても良く、この機種情報は、機種に関連する情報であって、上記した「製造情報」、「機種イメージ」、「機種性能」等が例示される。特徴A1の「通常の遊技状態」とは、遊技者に有利な大当たり遊技等の特別遊技状態を備えた遊技機における特別遊技状態とは別の通常の遊技状態が例示され、特別遊技状態のない普通機等の遊技機においては遊技者が遊技を行っている期間全体が例示される。特徴A1の「略一定の態様」とは、特徴A1に係る遊技機が同一機種で複数並んで設置された場合に共通の態様であることが遊技者に視認される程度に同一または似通った態様であり、例えば、時間の経過や遊技状態の変化によって全く異なる色発光となる変動表示演出に用いられるLED等の発光手段が設けられる部位は「略一定の態様」でない。また、常に一定の色でしか発光され得ない単一色の発光手段が設けられる部位や単一の表示内容しか表示し得ない絵柄による装飾部(スロットマシンの下部に設けられて機種名等が表示された情報表示パネル)等は「略一定の態様」とされる部位であるが、「交換部材の交換に対応して態様が変化するか否かが切り替わる」部位でないため、共通態様部でない。
特徴A1の「不変部」は、交換部材に対応して見た目が変化することがない部位であり、前面部材において樹脂成型によって着色成形された部位や塗装、印刷等によって色が固定的に形成される部位、スピーカ自体またはスピーカの穴部分等が例示される。この「不変部」は、遊技機の前面部材全体が変化部と共通態様部との組合せで構成される場合に必ずしも特徴A1に必要なものでなく、LED等によって前面部材全面が発色する構成とする場合等には特徴A1から除いて本発明に係る遊技機を構成しても良い。
<特徴A2>
前記交換部材は、遊技者の操作に応じて行われる抽選によって遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かを遊技者に認識可能な識別情報の変動表示が行われる表示手段を少なくとも制御する制御手段を備え、
前記前面部材は、前記識別情報の変動表示を遊技者に視認可能とする視認部を備え、
前記変化部は、前記識別情報の変動表示に応じて態様が変化する制御が前記制御手段によって行われる部位であり、
前記共通態様部は、前記交換部材を交換する場合に少なくとも一部が別の態様に変更可能とされる部位であって前記識別情報の変動表示の実行期間中と遊技者が遊技をしていない待ち期間中とにおいて少なくとも1の態様が共通の態様とされることを特徴とする特徴A1記載の遊技機。
特徴A2記載の遊技機によれば、共通態様部を交換部材に対応した態様に変更可能とすることができ、識別情報の変動表示の実行期間中と遊技者が遊技をしていない待ち期間中とにおいて少なくとも1の態様が共通の態様とされることで、変動表示の状態に係わらず共通態様部の状態を一定に近い状態にすることで、複数の遊技機が並んで設置された状況を見た遊技者に同一の機種が並んで設置されていることを一見して認識させることができる。
なお、特徴A2における「識別情報」は、単一の発光体によって構成されるLEDやランプ等の発光手段の点灯消灯による情報、複数色が発光可能な発光手段の色による情報、数字や文字、キャラクタ等の種類による情報、または、これらの情報を複数組み合わせて構成される情報等が例示される。特徴A2における「制御手段」は、表示手段を少なくとも制御するための手段であれば良く、表示手段を制御するための装置の一部で構成されても良く、例えば、表示内容が記憶されるROM単品であっても良いし、ROMを備えた制御装置(例えば、上記したサブ制御装置)であっても良い。
「遊技者の操作に応じて」には、例えばパチンコ機における遊技者による遊技球の発射操作、スロットマシン等における遊技者による遊技媒体の投入操作およびスタートレバーの操作等が例示される。
「遊技者の操作に応じて識別情報の変動表示が行われる」には、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に発射された遊技球が遊技領域に設けられた所定の入球口に入球した場合に識別情報の変動表示が行われることや、遊技媒体の投入操作として物体としてのメダル自体の投入または仮想的な遊技媒体の投入操作に相当する操作(いわゆるベット操作)等が例示される。
「視認部」は、交換部材に設けられる表示手段の表示内容を視認可能とする透明または半透明な透明部材が配置される部位を開口形成する窓部であっても良く、この場合、透明部材は、前面部材(例えばパチンコ機における上記した前面枠セットやいわゆる前面扉)に設けられるものであっても、交換部材側(例えばパチンコ機における内枠や遊技盤)等の前面部材以外に設けられるものであっても良い。また、「視認部」は、前面部材に設けられる表示手段の表示内容を視認可能とする部位であっても良い。
<特徴A3>
前記変化部は、前記視認部の左右両側に設けられ、前記視認部が向く正面側より該視認部側に傾斜して形成される両側変化部を有し、
前記共通態様部は、その両側変化部の左右両側に設けられ、前記両側変化部より外側に傾斜して形成される両側共通態様部を有することを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3記載の遊技機によれば、共通態様部は、両側変化部の左右両側に設けられ、両側変化部より外側に傾斜して形成される両側共通態様部を有するものであるので、視認部の正面に位置する遊技者は両側変化部による遊技状態に対応した状況を中心とした態様の表示を視認させ、遊技機を選んでいる遊技者には両側共通態様部によって同一機種が設置されている状況を一見して認識させることができる。
<特徴A4>
前記前面部材は、遊技者によって操作が行われる操作手段を有し、
前記共通態様部は、前記操作手段の少なくとも一部に、または前記操作手段の周りの少なくとも一部若しくは全周に設けられる操作共通態様部を有することを特徴とする特徴A1からA3のいずれかに記載の遊技機。
特徴A4記載の遊技機によれば、共通態様部は、操作手段の少なくとも一部に、または操作手段の周りの少なくとも一部若しくは全周に設けられる。操作部は操作をする際に遊技者に意識される部位であるので、共通態様部の態様をより確実に視認させることで機種情報を遊技者に認識させやすい遊技機を提供することができる。
<特徴A5>
抽選条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うための抽選手段を備え、
前記共通態様部は、前記抽選手段の抽選条件の成立に基づいて発生する特別遊技状態の設定内容に応じた態様を形成する性能共通態様部を有することを特徴とする特徴A1からA4のいずれかに記載の遊技機。
特徴A5記載の遊技機によれば、遊技を実行する遊技者に性能共通態様部の態様を通じて特別遊技状態の設定内容を前面部材の態様で示すことができる。そして、この遊技者が次回以降に遊技機を選択する場合にも遊技機の特別遊技状態の設定内容が前回と共通した機種であることを分かり易く示すことができる。
なお、特徴A5における「特別遊技状態の設定内容」としては、例えば、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選に当選する確率、特別遊技状態の発生によって遊技者が獲得する遊技価値の量(特別遊技状態の発生によって入賞口へ遊技球が入賞する数に、該入賞口の入賞に対する賞球数を乗じた数量)、該当選確率の中でも特別遊技状態の種類が複数設定されている場合における一定以上の遊技価値を取得できる特別遊技状態に当選する確率、特別遊技状態の後に遊技者に有利な遊技状態に遷移する遊技機における有利な遊技状態へ遷移する確率、特別遊技状態の後に遊技者に有利な遊技状態に遷移する遊技機における有利な遊技状態の継続する確率、特別遊技状態の後に遊技者に有利な遊技状態に遷移する遊技機における有利な遊技状態が開始されてから終了するまでに遊技者が獲得する遊技価値の獲得期待値、または上記した条件の組合せ等が例示される。
特徴A5における「性能共通態様部」は、特徴A4に記載の操作共通態様部としても良く、この場合には、遊技者が遊技を行う際に特別遊技状態の設定内容を確認する機会を増やすことができるので、機種間違いによる遊技者の不満感を払拭することができる。
<特徴A6>
前記共通態様部は、遊技機の演出に用いられるキャラクタ等の表示対象に対応する色、または、機種イメージを表現する色の少なくとも1つに応じた態様を形成する機種共通態様部を有することを特徴とする特徴A1からA5のいずれかに記載の遊技機。
なお、特徴A6における「遊技機の演出に用いられるキャラクタ等の表示対象」には、静的な表示対象として例えば特別遊技状態を発生させるか否かを遊技者に表現する識別情報としての図柄として表示される表示対象、図柄の変動表示中に実行される演出等に使用されるキャラクタ等の表示対象が例示される。
また、特徴A6における「機種イメージ」とは、機種名や識別表示の変動表示が行われる表示装置において演出に用いられるキャラクタ等によって想起される機種イメージが例示され、例えば、海の文字を含む機種によって想起される青色のイメージ色や、太陽によって想起される黄色のイメージ色等が例示される。
<特徴B群>
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、例えば、遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の左端側を開閉軸として開閉可能に設けられる内枠と、この内枠の開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域に対応した視認窓を有する前面扉(扉部材)とを備えている。この前面扉には、遊技盤の遊技領域を視認可能とする視認窓が設けられ、視認窓の周縁部分にランプ等の装飾部品が設けられている。この装飾部品を利用して複数の態様でLED等の発光体を発光させることにより、遊技状態に応じた装飾を施したり、エラー状態や大当り状態など、特定の遊技状態を遊技者および店員等に報知したりすることができる。遊技機メーカーは、他のメーカーや既存の機種とは異なる装飾部品を開発製造することによってメーカーの独自性を示し、また集客性を高めるようにしている(例えば特開2003−102937号公報(第7−8頁,第4−8図)参照)。
しかしながら、装飾部品を新規に設計等すると、設計コストや部品コストがかかって、遊技機自体の製品コストが増加してしまうという問題点がある。
また、ホールにおいて遊技機を新装するために機種変更する際、パチンコ機全体を交換すると遊技盤と前面扉とが新規の部品になって装飾部品が一新されることとなるが、機種変更のコストが増加するという問題点がある。一方、遊技盤のみを交換して機種変更する場合には、遊技盤を覆う前面扉自体が以前のままとなるため、機種変更を遊技者が理解し難いという問題点があった。
<特徴B1>
単色または複数色で発光可能な装飾部品を備えた遊技機において、
前記装飾部品の遊技機前面側に設けられる薄板シート状の成形部品を備え、
該成形部品は、一面側に入力した光の色を異ならせて反対面側に出力する変色部を有し、
前記装飾部品によって前記変色部に入力された光が変色して遊技機前面側を装飾可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴B2>
遊技機の前面を形成する前面部材と、
該前面部材の少なくとも一部の裏面側に設けられ、機種変更する場合に交換可能に設けられる交換部材とを備え、
前記前面部材は、
前記交換部材の少なくとも一部を遊技機前面側より視認可能に形成される視認部と、
該視認部の周囲の少なくとも一部に設けられ、単色または複数色で発光可能であって遊技機の前面を形成可能な装飾部品と、
前記視認部の周囲を囲う大きさに形成されると共に、前記装飾部品の遊技機前面側に設けられる薄板シート状の成形部品と、を有し、
該成形部品は、一面側に入力した光の色を異ならせて反対面側に出力する変色部を有し、
前記装飾部品によって前記変色部に入力された光が変色して遊技機前面側を装飾可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1およびB2記載の遊技機によれば、コスト増加を抑えつつ見栄えの良い遊技機を提供することができる。具体的には、薄板シート状の成形部品に設けられる変色部によって遊技機前面側を装飾することにより装飾部品の見栄えを変化させることができるので、1種類の装飾部品を利用して2種以上の異なる見栄えの装飾を施した複数種類の遊技機を製造することができる。また、薄板シート状の成形部品は、部品の片面に相当する部位だけ機械加工を施した金型によって成形可能な真空成形とするなど、少量の金型で部品を成形可能であるので、部品コストも低コストに抑えることができる。
また、特徴B2記載の遊技機によれば、好適な機種変更を行うことが可能な遊技機を提供することができる。具体的には、交換部材の交換に加えて成形部品の追加または交換をすることによって、交換部材だけでなく遊技機前面の見栄えを変化させることができるので、製品コストを抑えつつ一見して機種変更を遊技者が理解し易い遊技機を提供することができる。
なお、特徴B1および特徴B2における「薄板シート状の成形部品」とは、肉厚が1ミリメートル以下、好ましくは0.5ミリメートル以下の部品としても良い。また、「薄板シート状の成形部品」は、一定または略一定の肉厚の成形部品としても良く、略一定の肉厚としては、例えば、一定肉厚の板材を真空成形などにより押し出して成形した場合に押し出された部位が薄くなることにより一定とならない部位を含む程度に一定の肉厚であるとしても良い。また、「薄板シート状の成形部品」は、射出成形で形成してもよいが、金型コストの観点からブロー成形や真空成形など、成形部品の片面側のみの金型で成形可能な工法で形成することが好ましい。
また、特徴B2における「遊技機の前面を形成可能な」装飾部品とは、必ずしも遊技機の前面を形成している部品である必要はなく、成形部品を取り外した状態であっても遊技機としての機能である見栄えや防犯性を無くすことなく、遊技機として使用可能な装飾部品としても良い。
<特徴B3>
1又は複数の前記装飾部品は、
前記交換部材に対応した態様に変化する変化部と、
前記交換部材の交換に対応して態様が変化するか否かが切り替わる部位であって通常の遊技状態において略一定の態様とされる共通態様部と、を備え
前記成形部品は、前記変化部および前記共通態様部の少なくとも一方を含み複数の前記装飾部品によって遊技機前面を形成する部品同士の合わせ部分の少なくとも一部を一体成形された部位により覆うことが可能な大きさに形成されていることを特徴とする特徴B2記載の遊技機。
特徴B3記載の遊技機によれば、装飾部品の見栄えとして、変化部や共通態様部の見栄えを、例えば、機種ごと、店舗ごと、又はホールの明るさ等に合わせて、低コストで変化させることができ、多種少量の細かな要求に適合した遊技機を安価に製造することができる。また、部品同士の合わせ部分が成形部品によって覆われるので、安易な不正部品の侵入を防止し、また成形部品に穴を開けたり傷をつけたりすると成形部品に対する遊技機背面側からの光の集光若しくは拡散の状態または成形部品の白化等によりその部位が目立つので、不正の検出をより確実に実施することができる。
<特徴B4>
前記成形部品は、前記前面部材のうち装飾部品によって前面側が形成される部分の少なくとも一部と略同一形状に形成され、前記成形部品を取り外した状態であっても遊技機として使用可能に構成されていることを特徴とする特徴B2またはB3に記載の遊技機。
特徴B4記載の遊技機によれば、成形部品が無い状態でも遊技機を販売することができ、また、成形部品を追加することで別機種としての見栄えを実現することができるので、複数の機種を低コストで製造することができる。
なお、特徴B4における「略同一形状」とは、完全に同一の形状を含み、また、完全には同一でないものの一見した場合に同一の形状に見える程度に似ている形状を含む。また、「遊技機として使用可能に構成」とは、遊技機前面側から遊技領域へ通じる通路が無かったり、LEDや電気部品等であって使用中に高温やけどや感電等の危険性のある部位が遊技機前面側に露出されたりしないで遊技者が危険を伴うこと無くまた遊技場が過度に不利益を被ること無く遊技を実行可能に構成されているとしても良い。
<特徴C群>
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、例えば、遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の左端側を開閉軸として開閉可能に設けられる内枠と、この内枠の開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域に対応した視認窓を有する前面扉(扉部材)とを備えている。この前面扉には、遊技盤の遊技領域を視認可能とする視認窓が設けられ、視認窓の周縁部分にランプ等の装飾部品が設けられている。この装飾部品を利用して複数の態様でLED等の発光体を発光させることにより、遊技状態に応じた装飾を施したり、エラー状態や大当り状態など、特定の遊技状態を遊技者および店員等に報知したりすることができる。遊技機メーカーは、他のメーカーや既存の機種とは異なる装飾部品を開発製造することによってメーカーの独自性を示し、また集客性を高めるようにしている(例えば特開2003−102937号公報(第7−8頁,第4−8図)参照)。
しかしながら、限られたスペースに多種の装飾を好適に施すことは困難であるという問題点があった。
また、ホールにおいて遊技機を新装するために機種変更する際、パチンコ機全体を交換すると遊技盤と前面扉とが新規の部品になって装飾部品が一新されることとなるが、機種変更のコストが増加するという問題点がある。一方、遊技盤のみを交換して機種変更する場合には、遊技盤を覆う前面扉自体が以前のままとなるため、機種変更を遊技者が理解し難いという問題点があった。
<特徴C1>
遊技者に視認可能な装飾を施した装飾面(ケース部材471の表面)または装飾領域を形成するためのシート部材(導光シート621,622)と、
該シート部材を筒状に巻いて収納した収納状態と、該収納状態より一端側に拡張された拡張状態とを切り替える切替手段(モータ623,624)と、を備えた遊技機において、
前記シート部材は、複数枚設けられ、1のシート部材と、他の少なくとも1つのシート部材とが同一の装飾面に重なる状態に拡張可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1記載の遊技機によれば、限られたスペースに多種の装飾を好適に施すことができる。具体的には、複数のシート部材が同一の装飾面に重なる状態に拡張されるので、シート部材毎に施した別々の装飾を同一の装飾面を通じて遊技者に視認させることができる。また、同一の装飾面をシート部材毎に異なる別々の装飾とすることができるので、シート部材毎に領域を区分けする場合に比べて大型のシート部材の装飾領域を確保することができる。また、各シート部材が他のシート部材を介すことなく、同一の装飾面に重なる状態とすることができるので、他のシート部材に施した装飾によって見栄えが損なわれることを低減することができる。
さらに、前面部材と交換部材とを有する遊技機において、前面部材にシート部材を設け、交換部材の交換に適したシート部材を拡張状態として前面部材の装飾面を装飾することにより、前面部材を交換することなく機種変更した場合であっても、交換部材だけでなく遊技機前面の見栄えを変化させることができる。よって、製品コストを抑えつつ一見して機種変更を遊技者が理解し易い遊技機を提供することができる。
なお「1のシート部材と、他の少なくとも1つのシート部材とが同一の装飾面に重なる状態に拡張可能に構成されている」とは、複数のシート部材が重なった状態で同一の装飾面に重なる状態に拡張可能に構成されても良く、複数のシート部材の各々が同一の装飾面に重なる状態に拡張可能に構成されても良い。また「同一の装飾面に重なる状態」とは、必ずしも間に他の部材を全く介さずに装飾面と形成する部材とシート部材とが重なるものとする必要はなく、装飾面とシート部材との間に他の部品が介在するものであっても装飾面をシート部材によって装飾可能であれば良い。また「装飾面」とは、遊技者が視認した場合に装飾される外面であれば良く、単純な透明部品の外面であっても、シート部材を視認することができる面であれば装飾面に該当する。この装飾面は、面全体である必要はなく面の一部であっても良いし、複数の面で構成されても良く、シート部材が視認可能となる領域を装飾領域と表現しても良い。
<特徴C2>
前記シート部材のうち同一の装飾面に重なる少なくとも2つのシート部材は、一方側から入射した光によって前記装飾面を介して視認可能に発光する部材であって、前記切替手段によってそれぞれが拡張状態とされた場合に同一の拡張領域にて拡張されるものであり、
前記シート部材に光を入射する発光部品として共通の部品が用いられることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2記載の遊技機によれば、2つのシート部材が同一の拡張領域に拡張されるので、拡張状態のシート部材の厚み方向のスペースを少なくして他の部品レイアウトの自由度を高めることができる。また、同一の拡張領域に拡張されるため、共通の発光部品を利用して複数枚のシート部材に光の装飾を施すことができる。
<特徴C3>
遊技機の前面を形成する前面部材と、
該前面部材の少なくとも一部の裏面側に設けられ、機種変更する場合に交換可能に設けられる交換部材とを備え、
1又は複数の前記装飾部品は、
前記交換部材に対応した態様に変化可能な変化部と、
前記交換部材の交換に対応して態様が変化するか否かが切り替わる部位であって通常の遊技状態において略一定の態様とされることが可能な共通態様部と、を備え、
少なくとも1の前記シート部材は、前記共通態様部の少なくとも一部に対応する装飾面に重なる状態に拡張可能に構成されることを特徴とする特徴C1またはC2に記載の遊技機。
特徴C3記載の遊技機によれば、1のシート部材が共通態様部に対応する装飾面に重なる状態に拡張されることで、共通態様部の発光状態を変化させることなく、共通態様部の少なくとも一部を別の装飾に利用することができる。
<特徴D群>
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、例えば、遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠と、この外枠の左端側を開閉軸として開閉可能に設けられる内枠と、この内枠の開口に遊技領域が位置するように取り付けられる遊技盤と、この内枠の正面視左端側を開閉軸として内枠に対して開閉可能に支持され、遊技領域に対応した視認窓を有する前面扉(扉部材)とを備えている。この前面扉には、遊技盤の遊技領域を視認可能とする視認窓が設けられ、視認窓の周縁部分にランプ等の装飾部品が設けられている。この装飾部品を利用して複数の態様でLED等の発光体を発光させることにより、遊技状態に応じた装飾を施したり、エラー状態や大当り状態など、特定の遊技状態を遊技者および店員等に報知したりすることができる。遊技機メーカーは、他のメーカーや既存の機種とは異なる装飾部品を開発製造することによってメーカーの独自性を示し、また集客性を高めるようにしている(例えば特開2003−102937号公報(第7−8頁,第4−8図)参照)。
しかしながら、限られたスペースに多種の装飾を好適に施すことは困難であるという問題点があった。
また、ホールにおいて遊技機を新装するために機種変更する際、パチンコ機全体を交換すると遊技盤と前面扉とが新規の部品になって装飾部品が一新されることとなるが、機種変更のコストが増加するという問題点がある。一方、遊技盤のみを交換して機種変更する場合には、遊技盤を覆う前面扉自体が以前のままとなるため、機種変更を遊技者が理解し難いという問題点があった。
<特徴D1>
遊技機の前面を形成する前面部材と、
該前面部材の少なくとも一部の裏面側に設けられ、機種変更する場合に交換可能に設けられる交換部材とを備えた遊技機において、
前記前面部材は、
遊技者によって情報を入力可能な入力部品(演出ボタン600)と、
該入力部品の周囲の少なくとも一部を装飾する装飾部品(球皿電飾部470)とを備え、
前記装飾部品は、表面部(ケース部材471)と、該表面部より遊技者から離間した内面側に設けられる内面部(ボタン装飾導光板610)とを備え、
前記表面部は、前記内面部に設けられる装飾(起伏部611)よりも小さいサイズの装飾が施され、前記内面部を介さない光の入力によって発光可能な装飾を有し、
前記表面部に対する光の入力状態を変化させることにより、前記内面部に設けられる装飾の視認し易さを変化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1記載の遊技機によれば、限られたスペースに多種の装飾を好適に施すことができる。具体的には、入力部品の周囲に設けられる装飾部品には、表面部と内面部とのそれぞれに別々の装飾が施され、光の入力状態を変化させることで、内面部に設けられる装飾の視認し易さが変化する。このため、遊技状態に対応し、また入力部品の入力有無の状況等に対応した装飾を入力部品の周囲に施すことができる。また、表面部には、内面部に設けられる装飾より小さいサイズの装飾が施され、その装飾は、内面部を介さない光の入力によって発光可能とされるので、内面部の装飾の影響による光むら等の影響を受けることがなく、クッキリとした表面部の装飾を遊技者に視認させることができる。一方、内面部の装飾を遊技者に視認させる場合には、表面部の装飾を介して遊技者が装飾を視認することとなるものの、小さいサイズの装飾よりも大きな装飾の方が目立ちやすいため、遊技者に内面部の装飾をしっかりと認識させることができる。
また、特徴D1記載の遊技機によれば、好適な機種変更を行うことが可能な遊技機を提供することができる。具体的には、交換部材の交換に対応して表面部と内面部との別々の装飾を選択して施すことにより、前面部材を交換することなく、遊技機前面の見栄えを変化させることができ、製品コストを抑えつつ一見して機種変更を遊技者が理解し易い遊技機を提供することができる。
なお、「小さいサイズの装飾」とは、キャラクタ等の形状による装飾が施される場合の各キャラクタ等のサイズが小さい装飾、導光部品によって発光体の光が拡散される範囲が広く均一に近い発光状態の装飾、凹凸の深さが浅い装飾、凹凸の端部が丸みを帯びて稜線が見えにくい装飾の少なくともいずれかが施される場合が例示される。「表面部」は、必ずしも遊技者に面する表面に配置される部位である必要はなく、内面部に比べて表面側に位置する部位であれば、遊技者に面しないように表面部の表面側を覆うカバー部品等が配置されるものであっても良い。
また、「内面部に設けられる装飾の視認し易さを変化可能」とは、表面部に設けられる装飾の発光状態が変化することで内面部に設けられる装飾が視認し難い状態と、その状態より視認しやすい状態とが切り替わるものでも良く、内面部に設けられる装飾が視認し得ない状態と、その状態より視認しやすい状態とが切り替わるものでも良い。
<特徴D2>
遊技機の前面を形成する前面部材と、
該前面部材の少なくとも一部の裏面側に設けられ、機種変更する場合に交換可能に設けられる交換部材とを備え、
前記前面部材は、
前記交換部材に対応した態様に変化する変化部と、
前記交換部材に対応しない不変部と、
前記交換部材の交換に対応して態様が変化するか否かが切り替わる部位であって通常の遊技状態において略一定の態様とされる共通態様部と、を備え
前記装飾部品は、前記前面部材を所定の開放状態にして所定の操作をすることにより遊技機前面側に取り外し可能に構成された部品であって、前記変化部の少なくとも一部を構成し、前記共通態様部の少なくとも一部を構成しない部品であることを特徴とする特徴D1記載の遊技機。
特徴D2記載の遊技機によれば、交換部材の交換に併せて装飾部品を交換することで、変化部を構成する部位を交換部材の交換に対応して変化させることができる。よって、前面部材の全体を交換することなく、機種変更を行う場合における遊技機前面の見栄えを一層変化させることができる。また、装飾部品は、共通態様部の少なくとも一部を構成しない部品であるので、共通態様部としての部品は機種変更前の部品を流用し易くすることができ、低コストで遊技機メーカー独自の装飾を継承しつつ見栄えを新たにした機種変更を行うことができる。
<特徴D3>
装飾面を形成するためのシート部材と、
該シート部材を筒状に巻いて収納した収納状態と、該収納状態より一端側に拡張された拡張状態とを切り替える切替手段と、を備え、
前記シート部材は、複数枚設けられ、1のシート部材と、他の少なくとも1つのシート部材とが同一の装飾面に重なる状態に拡張されるものであり、
前記装飾部品の内面部に覆われた状態で前記複数枚のシート部材が配置されていることを特徴とする特徴D1又は2に記載の遊技機。
特徴D3記載の遊技機によれば、装飾部品を取り外すことで遊技機前面側より複数枚のシート部材を店員が触れることができ、装飾部品の交換に併せてシート部材の交換を簡易に行うことができる。よって、前面部材の全体を交換することなく、機種変更を行う場合における遊技機前面の見栄えを簡易かつ多種に変化させることができる。
なお、特徴A1〜A6、特徴B1〜B4、特徴C1〜C3および特徴D1〜D3に記載のいずれか1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。