以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)1の斜視図である。なお、本実施の形態の説明において、遊技機1の遊技者が遊技する側(図の左下側)を前として前後方向を示す。
遊技機1の外枠2には、前面枠3の一側がヒンジ4を介して開閉回動可能に取り付けられる。
前面枠3には、ガラス枠9がヒンジ10を介して開閉回動可能に取り付けられている。ガラス枠9の前面は、略円形状の開口部11が形成されている。ガラス枠9には、裏面側からカバーガラス12が組み込まれている。よって、ガラス枠9を閉じた状態で遊技機1を前面視した場合、遊技盤ユニット5の前面はカバーガラス12で透視可能な状態に覆われている。
前面枠3の要所には、ランプやLED等からなる装飾発光装置15が設けられる。装飾発光装置15は、大当り遊技状態等のイベント発生時や異常発生時に、遊技機1の遊技状態に対応して発光する。
前面枠3の下方には、遊技球を打球発射装置(図示省略)に案内する上皿16が配設される。また、前面枠3の下部の固定パネル17には、下皿18及び打球発射装置の発射操作部19が配設される。
後述する一般入賞口、始動入賞口56(図2)及び特別変動入賞装置に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、遊技機1内部に設けられた払出ユニット(図示省略)から上皿16又は下皿18に排出される。また、上皿16には、遊技機1に接続されたカードユニット49(図3)の球貸要求に応じた個数の遊技球が、遊技機1の背面に設けられた補給タンク20から排出される。
上皿16の上縁には、カードユニット49に挿入されたプリペイドカードの残高を表示するカード残高表示部21、遊技球の貸し出しを指令する球貸スイッチ22、及び、プリペイドカードの返却を指令するカード返却スイッチ23が設けられる。
また、上皿16の側縁には、上皿16に貯留された遊技球を下皿18へ排出するための上皿返却レバー24が設けられている。
下皿18の下方には、下皿18に貯留された遊技球を下方へ排出するための下皿返却レバー25が設けられている。通常、下皿18の下方には、図示しない膳板(カウンタ)に遊技球貯留箱が載置される。そして、下皿18から下方に排出された遊技球は、当該遊技球貯留箱に貯留される。
また、下皿18の左には、音出力装置(スピーカ)26及び灰皿27が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態のガラス枠9が開放された遊技機1の斜視図である。
前面枠3は、遊技盤ユニット5と略同一面積の開口部31を有する額縁状の枠体である。前面枠3には、遊技盤収納部32が一体成型され、遊技盤収納部32の下部には、遊技盤ユニット5の板厚と同一の前後幅を有する遊技盤載置台33が一体成型されている。
また、前面枠3には、遊技盤収納部32の背面に開口部31と略同一の面積を有する光源ユニット6が配置される。光源ユニット6は、前面が透過板61で覆われた箱体であって、透過板61を介して遊技盤ユニット5を背面側から照射するバックライト(光源)62(図3)を内部に備える。なお、図2では、光源ユニット6のうち外枠2及び前面枠3に覆われて視認できない部分を破線で示す。
遊技盤ユニット5は、この遊技盤載置台33の上面に載置された状態で遊技盤収納部32に収納される。このとき、遊技盤ユニット5は、遊技盤収納部32の一側の壁に設けられた止着金具34によって一側を着脱可能な状態であって、かつ、遊技盤収納部32の上側及び他側の壁に設けられた固定部材(図示省略)によって上側及び他側を固定された状態で、遊技盤収納部32に収納される。
なお、本実施の形態では、遊技機1のうち、遊技盤ユニット5、遊技制御装置100及び表示制御装置150以外の部材(具体的には、外枠2、前面枠3、光源ユニット6、ガラス枠9及び遊技盤収納部32)が相互に一体化されて本体枠13を構成する。遊技盤ユニット5は、この本体枠13の前面に対して着脱可能に設けられている。
遊技盤ユニット5は、機種毎に異なるデザインが施されているが、本体枠13は機種全般で共通して利用可能なように構成されている。よって、遊技機1の機種を交換する場合、遊技場は、本体枠13は交換することなく島設備に残して、遊技盤ユニット5、遊技制御装置100及び表示制御装置150のみを新たな機種のものに交換すればよい。
固定部材は、遊技盤収納部32の上側及び他側の壁に回動可能に取り付けられている。そして、その先端を前面枠3の内側に向けて回動させることで、遊技盤収納部32に収納された遊技盤ユニット5の前面に当接して、遊技盤ユニット5を後方へ押し付けて固定する。
遊技盤ユニット5は、非透明な板状部材よりなる遊技盤ベース50及びその四方に各々設けられた樹脂製のサイドケース53によって構成される。遊技盤ベース50の表面は、ガイドレール51で囲われた略円形状の遊技領域52が形成される。遊技盤ベース50の右上及び右下に設けられたサイドケース53には、それぞれ係合部54が形成されている。遊技盤収納部5の他側壁に設けた固定部材を90度内側へ回動させて、この係合部54に係合させることによって、遊技盤ユニット5は遊技盤収納部32に固定される。
遊技領域52には、画像表示装置55がほぼ中央に配置される。画像表示装置55は、LCD(液晶表示器)によって構成される。
このLCDによって表示される表示画面のうち、遊技者から視認可能な領域(後述の画像視認領域554を介して視認可能な領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(装飾図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。すなわち、表示画面の左、中及び右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた装飾図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示して特図変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示又はエンディング表示等)が表示される。
画像表示装置55の下方には、始動入賞口(入賞部)56が設けられる。また、遊技領域52には、図示しない方向転換部材、普通図柄始動ゲート、複数の一般入賞口及び二つの特別変動入賞装置等が設けられる。
また、遊技領域52には、特図変動表示ゲームの特図表示部44A及び特図記憶表示部44B(図3)からなる特図表示器(図示省略)が設けられる。また、遊技領域52には、普図変動表示ゲームの普図表示部45A及び普図記憶表示部45B(図3)からなる普図表示器が設けられる。
遊技機1では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域52に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域52内の各所に配置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域52を流下する。そして、一般入賞口、始動入賞口56又は特別変動入賞装置に入賞するか、遊技領域52の最下部に設けられたアウト口57から排出される。
一般入賞口への遊技球の入賞は、各一般入賞口に備えられた入賞口センサ40.1〜40.N(図3)によって検出される。
始動入賞口56への遊技球の入賞は、特図始動センサ41(図3)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特別図柄入賞記憶の記憶数は、特図記憶表示部44Bに表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、特図表示部44Aにて特図変動表示ゲームを行う。
始動入賞口56へ遊技球の入賞があると、画像表示装置55では、前述した数字等で構成される装飾図柄(識別情報)が順に変動表示して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、画像表示装置55では、特図表示部44Aの表示に対応する装飾図柄の変動表示が行われる。特図表示部44Aは、変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に知らしめる役割を有し、画像表示装置55は、興趣向上のために多様な表示を演出する役割を有する。
始動入賞口56への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当り値であるとき)には大当り遊技状態となり、表示図柄が特定の結果態様を導出する。具体的には、特図表示部44Aは、当り図柄である一桁の特別図柄で停止して、画像表示装置55は、三つの装飾図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。
このとき、二つの特別変動入賞装置のうちどちらかが、大入賞口ソレノイド47.1又は47.2(図3)への通電によって、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。なお、二つの特別変動入賞装置は、同時に開放されることはない。特別変動入賞装置への遊技球の入賞は、カウントセンサ43.1又は43.2(図3)によって検出される。
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普図始動ゲートセンサ42(図3)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普図記憶表示部45Bに表示される。
普通図柄始動ゲートを遊技球が通過すると、遊技制御装置100は普通図柄入賞記憶に基づいて普図表示部45Aで普図変動表示ゲームが開始される。すなわち、普通図柄始動ゲートへの通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当り値であるときには)には当り状態となり、普図表示部45Aに表示される普通図柄が当り状態で停止する。このとき、図示しない普通変動入賞装置は、普通電動役物ソレノイド46(図3)への通電によって、所定の時間だけ拡開するように変換される。
始動入賞口56の左右には、それぞれ発光装置58A及び58Bが設けられる。発光装置58A、58Bは、大当り遊技状態等のイベント発生時や異常発生時に、遊技機1の遊技状態に対応して発光する。
なお、図2では、カバーガラス12を介して透過されるガラス枠9の前面の開口部11は、図示を省略する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイコン101、入力インターフェース102及び出力インターフェース103から構成される。
遊技用マイコン101には外部通信端子が設けられている。外部通信端子は、遊技用マイコン101に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子に検査装置や管理装置(いわゆるホールコン)を接続することで、管理装置が遊技機1を識別することができる。
遊技用マイコン101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(入賞口センサ40.1〜40.N、特図始動センサ41、普図始動ゲートセンサ42及びカウントセンサ43.1、43.2)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
また、遊技用マイコン101は、出力インターフェース103を介して遊技領域52に設けられた特図表示器(特図表示部44A、特図記憶表示部44B)及び普図表示器(普図表示部45A、普図記憶表示部45B)に各種情報を出力する。
特図表示部44Aには、特図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、特図記憶表示部44Bには、特別図柄入賞記憶数表示を出力する。
普図表示部45Aには、普図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、普図記憶表示部45Bには、普通図柄入賞記憶数表示を出力する。
また、遊技用マイコン101は、出力インターフェース103を介して、各従属制御装置(表示制御装置150及び排出制御装置200)、普通電動役物ソレノイド46、大入賞口ソレノイド47.1及び47.2等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
また、遊技用マイコン101は、盤用外部情報48を介して、管理装置に遊技機1に関する情報を出力する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、カードユニット49からの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
遊技制御装置100から表示制御装置150には、表示制御指令信号として特図変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当りコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、確率変動状態、変動時間短縮状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
なお、通常遊技状態とは、特別遊技が実行されておらず、かつ、確率変動状態でも変動時間短縮状態でもない状態である。特別遊技状態とは、特図変動表示ゲームの結果として大当りが発生し、特別遊技(大当り遊技)が実行されている状態である。確率変動状態とは、通常遊技状態と比較して特賞発生確率が高く、特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する特定遊技状態である。変動時間短縮状態とは、識別情報が変動表示する時間が短縮される状態である。
特図変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、特図変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、特図変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。大当りコマンドは、特別遊技状態中のラウンド表示、インターバル表示、特別遊技状態中のラウンド間表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
表示制御装置150は、これらのコマンドによって、遊技制御装置100が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
表示制御装置150には出力インターフェースが設けられている。そして、出力インターフェースを介して画像表示装置55に設けられた液晶パネル552、及び、光源ユニット6に設けられたバックライト62に信号を出力する。つまり、表示制御装置150は光量制御手段として機能し、画像表示装置55の画像視認領域554及び発光装置58A、58Bの発光領域582(図4)の形状に対応した領域のバックライト62を点灯(輝度を制御)させて、バックライト62からの光量を制御する。
装飾制御装置250は、表示制御装置150からの装飾制御指令信号に基づいて、前面枠11に設けられたLED又は装飾用ランプ等の装飾発光装置15を制御する。
音制御装置300は、表示制御装置150からの音制御指令信号に基づいて、遊技機1に設けられたスピーカ26から出力される効果音を制御する。
なお、ここでは装飾制御装置250及び音制御装置300を表示制御装置150とは別個に設けたが、装飾制御装置250や音制御装置300を表示制御装置150に含めて、装飾制御装置250及び/又は音制御装置300を表示制御装置150と一体に構成してもよい。また、装飾制御装置250及び音制御装置300を表示制御装置150に接続せずに、遊技制御装置100に直接接続してもよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤ユニット5の縦断面図であって、図2におけるA−A断面図である。なお、図の左側が遊技機1の前方であって、図の右側が遊技機1の後方である。
遊技盤ユニット5の遊技盤ベース50は、上方に画像表示装置55が設けられ、下方に発光装置58Aが設けられる。
画像表示装置55は、画像表示装置55を遊技盤ベース50に固定するためのケース550と、ケース550内に設けられたクリア板551及び液晶パネル552とから構成される。
ケース550は、前面及び後面が開口した四角形状の断面を有する筒体である。遊技盤ベース50の上方には、ケース550の断面と同一形状の開口部500が設けられており、ケース550は、この開口部500に前後方向に挿通されて遊技盤ユニット5に配設される。
ケース550の前後の長さは、遊技盤ベース50の板厚よりも大きい。よって、ケース550は、遊技盤ベース50の前面及び後面から前後方向にそれぞれ延出して配設される。
ケース550の上面及び下面には、外方に向けて直立した張出部553が設けられている。ケース550は、この張出部553が遊技盤ベース50の前面に対して前方から当接することによって、画像表示装置55が後方に移動しないように固定される。
クリア板551は、ケース550の前面の開口より奥まった位置、具体的には、遊技盤ベース50の後面と略同一の位置に、ケース550の上面及び下面に対して直立に取り付けられる。すなわち、ケース550は、クリア板551の周囲を囲い、クリア板551から前方に突出して設けられている。クリア板551の前面は、液晶パネル552に表示される画像を視認可能な画像視認領域554を構成する。
液晶パネル552は、クリア板551の後方に、クリア板551と平行して設けられる。液晶パネル552は、バックライト62から放射された光が前方に透過することを規制する。つまり、バックライト62から放射された光は、液晶パネル552を透過することで強度を弱めて画像視認領域554に届く。
なお、液晶パネル552は、バックライト62からの光の透過率を液晶パネル552のピクセル毎に調整できる。この透過した光が画像視認領域554を介して遊技者の目に届くと、遊技者は、光の強弱を知覚して所定の画像が表示されていることを認識する。液晶パネル552は、表示制御装置150によって制御され、遊技機1の遊技状態に応じて対応する画像(例えば、特図変動表示ゲームに関する画像)を表示する。
発光装置58Aは、前面に発光領域582が設けられ、後面が開口した円筒体である。遊技盤ベース50の下方には、発光装置58Aの断面と同一形状の開口部501が設けられており、発光装置58Aは、この開口部501に前後方向に挿通されて遊技盤ユニット5に配設される。
発光装置58Aの前後の長さは、遊技盤ベース50の板厚よりも大きい。よって、発光装置58Aは、遊技盤ベース50の前面及び後面から前後方向にそれぞれ延出して配設される。
発光装置58Aの上面及び下面には、外方に向けて直立した張出部581が設けられている。発光装置58Aは、この張出部581が遊技盤ベース50の前面に対して前方から当接することによって、発光装置58Aが後方に移動しないように固定される。
発光装置58Aのうち遊技盤ベース50の前面よりも前方に延出している領域、つまり、張出部581よりも前方の領域は、発光装置58Aの発光領域582であって、有色又は無色の透明部材で形成されている。発光装置58Aは後面が開口されており、また、後面の開口から発光領域582までの間には、光を遮る部材(例えば、液晶パネル552等)が備えられていないため、遊技盤ユニット5の後方に配設されたバックライト62からの光が、遮られることなく発光領域582に到達する。
つまり、バックライト62からの光は、画像表示装置55においては、液晶パネル552を透過し画像視認領域554を介して遊技者の目に到達するため、液晶パネル552を透過する際にやや光の強度を落とす。一方、バックライト62からの光は、発光装置58Aにおいては、液晶パネル552を介さずに発光領域582のみを介して遊技者の目に到達するため、光の強度を落とすことなく発光領域582まで届く。したがって、画像視認領域554から視認される画像の輝度と比較して、発光領域582の発光の輝度は高い。
発光領域582は、遊技者が前面視した場合に、前記透明部材の色に応じて、例えば、透明部材が無色の場合はバックライト62からの光そのものの色に発光し、透明部材が赤色の場合は赤色に発光する。
発光装置58Aのうち遊技盤ベース50の前面よりも後方に延出している領域、つまり、張出部581よりも後方の領域は、中空形状の貫通部583を構成し、バックライト62からの光を発光領域582へ伝達する。
貫通部583の内壁584は、光が反射するような部材(例えば、メッキ)で覆われている。よって、バックライト62から放射された光は、貫通部583内を反射して発光領域582に到達し、発光領域582に着色された色に応じて発光する。
また、遊技盤ベース50は、裏面側に始動入賞口56へ入賞した遊技球をアウトタンク(図示省略)へ誘導するための球通路(案内路)502を備える。球通路502は、遊技球が右又は左のいずれか一方に向けて流下するように僅かに傾斜して設けられている。
ここでは、始動入賞口56の背面を起点として遊技盤ベース50の右端へ至る球通路502が設けられている。そのため、発光装置58Bの下方には球通路502が設けられていない。また、球通路502は、始動入賞口56の後方から発光装置58Aの下方に向かって、遊技球が流下するように下降して形成されている。球通路502は、前後幅が遊技球の直径よりも大きく、遊技球が一つずつ流下できるように形成されている。
本体枠13には、遊技盤ベース50の後方に光源ユニット6が配設される。光源ユニット6は、前方に遊技盤ベース50と平行な状態で透過板61が設けられ、後方に透過板61と平行な状態でバックライト62が設けられている。
遊技盤ユニット5の後面と、光源ユニット6の透過板61の前面との間は、遊技球の直径よりも大きな距離が設けられている。この両者間の領域に、遊技球の直径よりも大きな前後幅を有するフリー空間503が形成される。
なお、遊技盤ユニット5の後面にフリー空間503が形成されることによって、バックライト62から発光領域582までの距離がフリー空間503の分だけ延長される。しかし、本実施の形態では、貫通部583を遊技盤ユニット5の後面よりも後方に、つまり、フリー空間503に向けて延出させ、また、貫通部583の内壁584に反射加工を施すことによって、バックライト62からの光を漏らすことなく、反射を促進させながら発光装置58Aの発光領域582へ届かせることができるため、発光効率を高めることができる。
光源ユニット6の透過板61は、無色透明のガラス材で構成され、バックライト62から放射された光を透過させる。なお、透過板61は、完全に無色透明なガラス材ではなく、デフューザで構成してもよい。
光源ユニット6のバックライト62は、マトリクス状の白色LEDで構成される。バックライト62は、表示制御装置150によって制御され、遊技機1の遊技状態に応じて画像表示装置55の画像視認領域554の形状、又は、発光装置58Aの断面形状と対応する領域だけが発光する。つまり、バックライト62は、常に全体が発光しているのではなく、画像表示装置55に画像を表示させる場合は、画像視認領域554の形状と対応する領域に配置されたLEDだけが発光し、大当り遊技状態の発生等により発光装置58Aを発光させる場合は、発光領域582の断面形状と対応する領域に配置されたLEDだけが発光する。
本実施の形態では、画像視認領域554の形状が矩形状であって、また、発光領域582の断面形状が円形であるため、マトリクス状に配置されたLEDのうち、予め設定された矩形状の領域に配置されているLED、又は、円形の領域に配置されたLEDのみが発光する。なお、発光させるLEDを指定する情報は、遊技機1の機種を交換する際に、遊技盤ユニット5とともに交換される表示制御装置150に予め記憶する。
なお、表示制御装置150を全ての機種で共通して利用できるようにしてもよい。ただし、機種を交換する際、表示制御装置150は本体枠13の一部として島設備に残されるため、表示制御装置150のうち記憶手段(ROM)のみを交換して、当該記憶手段に、発光させるLEDのパターンを指定する情報を設定してもよい。また、遊技制御装置100に発光させるLEDのパターンを指定する情報を予め記憶させて、遊技制御装置100が表示制御装置150に対してLEDの発光パターンを指示してもよい。
なお、図ではLED同士を隙間なく詰めて配置してバックライト62を構成するが、各LEDの間隔をあけて配置してもよい。
このように、画像表示装置55に画像を表示させるためのバックライト62を、画像表示装置55の後方の領域だけではなく、発光装置58Aの後方にまで延出させることによって、遊技盤ユニット5の裏面に設けたバックライト62が、画像表示装置55に表示される画像の光源と発光装置58Aの光源とを兼用するため、発光装置58Aを発光させるためだけの光源を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。つまり、変動表示ゲームに関する画像表示装置55の光源を発光装置58Aの光源として有効活用することができる。
また、遊技機1の機種を交換する場合に、遊技盤ユニット5の画像表示装置55や発光装置58Aの形状や位置が変わっても、外枠2側にバックライト62が設けられているため、交換後の画像表示装置55又は発光装置58Aの形状及び位置に対応する領域のLEDを発光させることで、外枠2側の部品は各機種で共通して利用できる。よって、全体としてコストダウンを図ることができる。
なお、発光装置58Bの構造は、発光装置58Aの構造と同一である。ただし、発光装置58Bの下方に球通路502は設けられていない。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、透過板61の前面にレンズ63を設ける点で第1の実施の形態と異なる。ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施の形態の遊技盤ユニット5の縦断面図である。
本実施の形態では、発光装置58Aの貫通部583の後面に、上縁及び下縁から外方に向けて直立した張出部585を設ける。そして、張出部585の後面に、所定の厚みを有する緩衝部586を設ける。緩衝部586は、後述する凸状のレンズ63と接触した場合に、レンズ63の凹凸に沿って変形する部材、例えば、スポンジやゴム等で構成する。緩衝部586の厚みは、少なくともレンズ63の前後の長さよりも大きく構成する。
また、透過板61の前面には、レンズ63を複数設ける。レンズ63は、例えばレンチキュラのように、バックライト62から放射された光を屈折させて前進させるために、前方に向けて先尖状に形成されている。透過板61の前面にこのレンズ63を複数設けることによって、透過板61の表面には凹凸が形成される。
レンズ63は、透過板61と画像表示装置55とが当接する領域には設けず、これ以外の領域、少なくとも遊技盤ユニット5を本体枠13に収納した場合に透過板61と発光装置58Aとが当接する領域に設ける。また、レンズ63は、遊技盤ユニット5を本実施の形態の遊技盤ユニット5以外の他の遊技盤ユニットに交換した場合に、当該他の遊技盤ユニットのうち発光装置が配設される可能性のある領域にも設ける。
このように、発光装置58Aの後方の領域にレンズ63を設けることによって、当該領域においてはバックライト62のLEDから放射される光が、各レンズ63内で屈折されて前方への直進性が高められる。したがって、バックライト62からの光を発光領域582へ最短距離で届かせることができるため、発光効率を高めることができる。また、画像表示装置55の後方の領域にレンズ63を設けないことによって、当該領域においてはバックライト62のLEDから放射される光が拡散して、液晶パネル552に効率よく光を照射することができる。
また、発光装置58Aの後面に緩衝部586を設けることによって、遊技盤ユニット5を光源ユニット6に当接させた場合に、レンズ63の凹凸が緩衝部586に密着して噛み合う。これにより、バックライト62からの光を漏らすことなく、発光装置58Aの貫通部583内に進入させて、発光領域583に届けることができる。さらに、発光装置58Aがレンズ63に対して固定されるため、遊技領域52を流下する遊技球が転動によって発光装置58Aに接触しても、発光装置58Aへの振動を抑えることができる。したがって、バックライト62からの光が照射する方向が変化せず、発光領域583の発光状態を安定に保つことができる。
また、透過板61の前面のうち、本実施の形態の遊技盤ユニット5以外の他の遊技盤ユニットにおいて発光装置が配設される可能性がある領域にもレンズ63を設けることによって、遊技盤ユニット5を、画像表示装置55や発光装置58Aの配置が異なる他の遊技盤ユニットに交換しても、レンズ63を備える透過板61が本体枠13側に設けられているため、透過板61は各機種の遊技機1で共通して利用でき、コストダウンを図ることができる。
なお、本実施の形態では、発光装置58Aの下方に設けられた球通路502の図示を省略する。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と異なり、液晶パネル552を透過板61に組み込む。ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図6は、本発明の第3の実施の形態の遊技盤ユニット5の縦断面図である。
本実施の形態の画像表示装置55は、ケース550内に液晶パネル552を設けない。
一方、透過板61には、少なくとも画像表示装置55と当接する領域を含む領域に開口部64が設けられ、開口部64の周囲には枠部65が設けられる。そして、枠部65の内側に、液晶パネル552が組み込まれて配設される。
このように、液晶パネル552を透過板61に組み込むことによって、遊技盤1の機種を交換するために遊技盤ユニット5を交換しても、光源ユニット6に設けられた液晶パネル552は各機種で共通して利用でき、コストダウンを図ることができる。
なお、枠部65は、他の遊技盤ユニットに設けられる画像表示装置にも対応できるように、本実施の形態の遊技盤ユニット5の画像表示装置55の断面形状よりも大きく形成する。ただし、枠部65が形成される範囲、つまり、液晶パネル552が配設される範囲が、遊技盤ベース50の下方へ向けて大きいと、発光装置が配設される位置が制限されるため、枠部65を形成する範囲は下方へ向けて広げないことが望ましい。
なお、本実施の形態では、発光装置58Aの下方に設けられた球通路502の図示を省略する。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と異なり、液晶パネル552を光源ユニット6側に設ける。ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図7は、本発明の第4の実施の形態の遊技盤ユニット5の縦断面図である。
本実施の形態の画像表示装置55は、ケース550内に液晶パネル552を設けない。
液晶パネル552は、光源ユニット6の内部に、遊技盤ベース50と平行な状態で配置される。なお、液晶パネル552は、光源ユニット6の一部として、光源ユニット6とは別に、透過板61の前方に設けてもよい。
液晶パネル552は、少なくとも画像表示装置55及び発光装置58Aが設けられる位置を含む範囲の大きさで形成される。ただし、遊技盤ユニット5を他の遊技盤ユニットに交換した場合に、当該他の遊技盤ユニットに設けられた画像表示装置及び発光装置に対しても共通して利用できるように、液晶パネル552は、遊技盤ベース50と略同一の面積を有することが望ましい。
本実施の形態の表示制御装置150は、画像表示装置55の画像視認領域554及び発光装置58A、58Bの発光領域582の形状に対応した領域の液晶パネル552の表示を制御して、バックライト62からの光量を制御する。具体的には、画像視認領域554の形状が矩形状であって、また、発光領域582の断面形状が円形であるため、液晶パネル552の画素を構成するピクセルのうち、予め設定された矩形状の領域のピクセル、又は、円形の領域のピクセルを制御して、バックライト62からの光量を制御する。なお、制御されるピクセルを指定する情報は、遊技機1の機種を交換する際に、遊技盤ユニット5とともに交換される表示制御装置150に予め記憶する。
液晶パネル552をこのように構成することによって、バックライト62からの光は、画像表示装置55において、液晶パネル552を介してから画像視認領域554を介して遊技者の目に到達する。また、バックライト62からの光は、発光装置58Aにおいて、液晶パネル552を介してから発光領域582を介して遊技者の目に到達する。このように、液晶パネル552を発光装置58Aの後方にも設けることによって、発光領域582の発光の輝度が変えられるだけではなく、液晶パネル552を用いて発光領域582に記号や模様、色を表示することができるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、発光領域582が無色透明の部材により形成されていたとしても、液晶パネル552がカラー液晶であれば、有色(例えば、赤や青)の光を放射することによって発光領域582を有色で発光させることができる。
また、遊技機1の機種を交換する場合に、遊技盤ユニット5の画像表示装置55や発光装置58Aの形状や位置が変わっても、交換後の画像表示装置55の画像視認領域554の形状、又は、発光装置58Aの発光領域582の形状に対応する領域の液晶パネル552を制御すればよく、本体枠13側の部品は各機種で共通して利用できる。よって、全体としてコストダウンを図ることができる。
また、本実施の形態のバックライト62は、第1から第3の実施の形態と同様にLEDを用いるが、面光源を用いてもよい。面光源は、例えば、EL(Electro Luminescence)や、上方に蛍光管を備えてデフューザによって前方へ光を拡散させるものを用いる。このように面光源を用いることで、液晶パネル552全体に均一な光を照射することができ、また、コストダウンを図ることができる。
なお、本実施の形態では、発光装置58Aの下方に設けられた球通路502の図示を省略する。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。