JP5998648B2 - 電子時計 - Google Patents
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特許文献1には、表示部を収納する本体部から張り出した部分にアンテナを収容したアンテナ内蔵式電子時計が開示されている。当該アンテナ内蔵式電子時計は、平面視して表示部とは重ならない位置にアンテナが設けられているので、良好な受信性能を得ることができる。
一方、平面視して表示部と重なる位置にアンテナ体を設ける場合、GPS衛星からの電波が表示部に遮られ、アンテナが十分な受信性能を確保できなくなるという問題がある。
また、この発明によれば、アンテナ体が一体の表示部と重なる位置に設けられるため、アンテナ体が一体の表示部と重ならない位置に設けられる場合(すなわち、外装ケースが、アンテナを収容するための、張り出した形状を有する場合)と比べて、電子時計を小型化し、デザイン性の低下を抑止することができる。
このように、この発明によれば、デザイン性を低下させることなく、アンテナ体の受信性能を確保することが可能となる。
また、この発明によれば、電子時計をベルトにより利用者の腕(前腕または手首)に巻き付けた場合、利用者の前腕の長手方向(利用者の肘から手首に向かう方向)と、第2の方向とは、交差する。すなわち、利用者の前腕の長手方向と第1の方向とは、平行または平行に近い関係となる。
一方、表示部の第1の方向に対する第1の幅は、第2の方向に対する第2の幅以上の広さを有する。換言すれば、表示部の長手方向は、第1の方向を向く。よって、利用者が電子時計を腕に装着する場合、利用者は、表示部の長手方向が、利用者から見て横を向いていると認識し得る。そして、表示部の長手方向が横を向く場合、表示部の長手方向が縦を向く場合に比べて、表示部は、利用者に認識され易い情報の表示を行うことが可能となる。
すなわち、本発明によれば、表示部が、利用者に認識され易い情報の表示を行うことを可能とし、電子時計の使い勝手を向上させることができる。
他方、アンテナ体の第2の方向に対する第4の幅は、第1の方向に対する第3の幅以上の広さを有する。換言すれば、アンテナ体の長手方向は、第2の方向を向く。よって、利用者が電子時計を腕に装着する場合、利用者の前腕の長手方向と、アンテナ体の長手方向とは交差する。アンテナ体が電波を受信する第2領域及び第3領域は、アンテナ体の長手方向の両端に位置するため、電波が利用者の腕に遮られる可能性を低減させ、アンテナ体の受信性能を十分に確保することが可能となる。
この発明によれば、アンテナ体の形状が、位置情報衛星からの電波の波長に基づいて定められるため、位置情報衛星からの電波に対する受信性能を向上させることができる。
なお、第4の幅のみを当該波長に基づいて定める場合、第3の幅を当該波調とは関係なく狭めることで、アンテナ体の小型化が可能となる。また、第3の幅及び第4の幅の双方を当該波長に基づいて定める場合、第3の幅または第4の幅の一方を当該波調に基づいて定める場合に比べて、アンテナ体の当該電波に対する受信性能を高くすることができる。
また、この態様において、前記アンテナ体は、前記一体の表示部に垂直な方向から見たときに、前記基板と重なる第4領域と、前記基板とは重ならない第5領域及び第6領域と、を含み、且つ、前記第4領域は、前記第5領域及び前記第6領域の間に位置する、ことが好ましい。
また、この発明によれば、アンテナ体が基板と重なる位置に設けられるため、アンテナ体が基板とは重ならない位置に設けられる場合に比べて、アンテナ体を設けることに起因する電子時計の大型化及びデザインの自由度の低下を抑止することができる。
すなわち、この発明によれば、アンテナ体の受信性能の確保と、電子時計のデザインの自由度の確保との両立が可能となる。
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
また、外装ケース10には、ベルト110を取り付けるためのベルト取付部14が接続されている。
y軸は、ベルト110の延在方向(図2において、縦方向)を表す。当該座標系は、電子時計100が姿勢変化した場合には、電子時計100の姿勢変化に伴い各軸の向きを変化させる(すなわち、電子時計100と一体となって運動する)座標系である。
なお、z軸に平行な任意の直線を、基準直線と称し、x軸に平行な任意の直線を、第1基準線と称し、y軸に平行な任意の直線を、第2基準線と称する場合がある。また、x軸(第1基準線)に平行な方向を、第1の方向と称し、y軸(第2基準線)に平行な方向を、第2の方向と称する場合がある。
また、電子時計100は、外装ケース10の外側に、ベルト取付部14を備える。図2に示したように、ベルト取付部14には、ベルト110が取り付けられる。このベルト110は、図2において縦方向(第2の方向)に延在するように、ベルト取付部14に取り付けられる。なお、本実施形態では、ベルト取付部14は、外装ケース10とは別個に形成されるが、一体として形成されるものであってもよい。
アンテナ体60は、金属等の導電性材料と誘電体とにより板状に形成されている。アンテナ体60には、図3乃至図5では図示省略された導電線が接続され、当該導電線を介して、制御部41(より具体的には、後述するバラン45)から給電される。アンテナ体60は、二次電池70の上側(表面側)に配置され、支持部13により、外装ケース10に固定されている。
また、電子時計100は、外装ケース10の内側に、ブザー50を備える。ブザー50は、圧電素子を含んで構成される。このブザー50は、支持部51及び支持部52により、基板40に取り付けられている。なお、ブザー50とアンテナ体60との間には、絶縁体53が設けられ、アンテナ体60と支持部51がショートしてしまうことを防止している。
本実施形態において、接続部は、導電性弾性体を1以上含む。また、これら1以上の導電性弾性体は、板ばねである。
導電性弾性体として、通常はコイルばねを使用する。コイルばねは、電流が流れた際に磁界を発生させるため、当該磁界の影響がアンテナに及ぶ場合には、アンテナの受信性能が劣化する。
これに対して、本実施形態では、導電性弾性体として全て板ばねを使用する。すなわち、外装ケース10の内部にはコイルばねが存在しない。従って、本実施形態に係る電子時計100は、接続部が発生させる磁界に起因したアンテナの受信性能の劣化を抑止することが可能となる。
電子時計100は、充電端子Jを備え、充電端子Jは、貫通孔HJに挿入されている。充電端子Jは、図示省略された外部端子と接続可能である。
操作ボタンBは、押下されると、定常位値である位置xb1(第1の位置)から、位置xb2(第2の位置)へと移動する。位置xb2に移動した操作ボタンBは、非導電性の弾性体(例えば、ゴム)により構成されたパッキンPにより、位置xb2から定常位置である位置xb1に復元されるように付勢される。
なお、パッキンPは、貫通孔HBと操作ボタンBとの間の空間を密封する。すなわち、パッキンPを備えることにより、外装ケース10の内部への水の侵入を防止することが可能となる。
操作ボタンBが押下された場合、操作ボタンBと基板40に設けられたスイッチ15とが接触する。このときスイッチ15は、操作ボタンBからの圧力を検知し、これを電気的な信号として、制御部41に伝達する。
図6に示すように、アンテナ体60は、平面視したときに、表示部30と重なる第1領域AR1、表示部30とは重ならない第2領域AR2、及び、表示部30とは重ならない第3領域AR3に区分される。第1領域AR1は、第2領域AR2及び第3領域AR3の間に位置する。
また、表示部30は、アンテナ体60(より具体的には、アンテナ体60の第1領域AR1)と重なる第1表示領域ARd1、アンテナ体60とは重ならない第2表示領域ARd2、及び、アンテナ体60とは重ならない第3表示領域ARd3に区分される。第1表示領域ARd1は、第2表示領域ARd2及び第3表示領域ARd3の間に位置する。
但し、表示部30は、このような形状に限定されるものではなく、幅w1は、幅w2と等しくてもよいし、幅w2以下であってもよい。
但し、アンテナ体60は、このような形状に限定されるものではなく、幅w4は、幅w3と等しくてもよい。
また、幅w4は、衛星信号の有する波長λに基づいて定められる。例えば、1以上の整数をnとしたとき、幅w4は、波長λを整数nで除算した値として定めてもよい。
なお、幅w3と幅w4とが等しい場合、幅w3及び幅w4は、共に、衛星信号の有する波長λに基づいて定められる。
また、本実施形態では、図6に示すように、幅w1は幅w3よりも広い。但し、幅w1は、幅w3と等しい幅であってもよいし、幅w3以下であってもよい。
また、平面視したときに、第1領域AR1及び第2領域AR2を区分する直線を、
直線Ln3(第3直線)と称し、第1領域AR1及び第3領域AR3を区分する直線を、直線Ln4(第4直線)と称する。
アンテナ体60は、図7に示すように、平面視して基板40と重なる第4領域AR4の両端に、平面視して基板40と重ならない第5領域AR5及び第6領域AR6を有する。第4領域AR4は、第5領域AR5及び第6領域AR6の間に位置する。
また、平面視したときに、第4領域AR4及び第5領域AR5を区分する直線を、
直線Ln5(第5直線)と称し、第4領域AR4及び第6領域AR6を区分する直線を、直線Ln6(第6直線)と称する。
以下では、各導電線qとアンテナ体60との位置関係について説明する。
図8は、複数の導電線qの各々と、アンテナ体60との位置関係を説明するための説明図である。なお、図8では、複数の導電線qの他は、アンテナ体60、基板40、及び、二次電池70のみを図示しており、これらの形状は簡略化して表されている。
ここで、アンテナ体近傍空間SPとは、例えば、図8に示すように、アンテナ体60が有する面のうち、表面側の面(基板40側の面)を、第1の面PL1とし、裏面側の面(二次電池70側の面)を、第2の面PL2としたとき、第1の面PL1を含む平面と、第2の面PL2を含む平面との間の空間である。
なお、導電線qは、アンテナ体近傍空間SP以外の空間においても、z軸とのなす角度が、所定の角度以下となるように設けられてもよい。
ここで、部分空間SP1とは、アンテナ体近傍空間SPのうち、平面視したときに、直線Ln1を挟んで第1領域AR1とは逆側の空間であり、部分空間SP2とは、アンテナ体近傍空間SPのうち、平面視したときに、直線Ln2を挟んで第1領域AR1とは逆側の空間である。
更に、導電線qは、アンテナ体近傍空間SPのうち、部分空間SPa1または部分空間SPa2に設けられることが好ましい。ここで、部分空間SPa1とは、部分空間SP1のうち、平面視して、直線Ln3及び直線Ln4の間に位置する空間であり、部分空間SPa2とは、部分空間SP2のうち、平面視して、直線Ln3及び直線Ln4の間に位置する空間である。
より詳細には、導電線qは、部分空間SPa1または部分空間SPa2の中で、直線Ln3及び直線Ln4の双方からの距離ができるだけ遠くなる位置に設けられることが好ましい。また、導電線qは、部分空間SPa1または部分空間SPa2の中で、平面視したときに、第1領域AR1から距離ができるだけ遠くなる位置に設けられることが好ましい。
具体的には、導電線qが部分空間SPa1に設けられる場合には、部分空間SPa1の中で、直線Ln1から(−x)方向にできるだけ離れた位置で、且つ、直線Ln3及び直線Ln4からの距離ができるだけ遠くなる位置に設けられることが好ましい。また、導電線qが部分空間SPa2に設けられる場合には、部分空間SPa2の中で、直線Ln2から(+x)方向にできるだけ離れた位置で、且つ、直線Ln3及び直線Ln4からの距離ができるだけ遠くなる位置に設けられることが好ましい。
なお、導電線qは、部分空間SP1のうち、平面視して、直線Ln5及び直線Ln6の間に位置する空間、または、部分空間SP2のうち、平面視して、直線Ln5及び直線Ln6の間に位置する空間に設けられるものであってもよい。
なお、図8において、基板40と二次電池70とを4つの導電線qで接続しているが、導電線qの数はこれに限定されない。さらに、部分空間SPa1あるいはSPa2のいずれか一方に複数の導電線qを配置してもよい。なお、導電線qの接続先は二次電池70以外であってもよい。
図9に示すように、制御部41は、GPS受信部80及び制御表示部90を含んで構成されている。GPS受信部80は、衛星信号の受信、GPS衛星200の捕捉、位置情報の生成、時刻修正情報の生成等の処理を行う。制御表示部90は、内部時刻情報の保持及び内部時刻情報の修正等の処理を行う。
電子時計100はレギュレータ42及びレギュレータ43を備え、二次電池70は、レギュレータ42を介して制御表示部90に、レギュレータ43を介してGPS受信部80に駆動電力を供給する。また電子時計100は、二次電池70の電圧を検出する電圧検出回路44を備える。
なお、レギュレータ43に代えて、例えば、RF部82(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ、及び、ベースバンド部84(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ(ともに図示せず)に分けて設けてもよい。RF部82に駆動電力を供給するレギュレータは、RF部82の内部に設けてもよい。
この、「デザイン性及び装着性の低下の抑制」という効果を説明するために、平面視してアンテナ体が表示部と重ならないように配置された対比例1に係る電子時計100aを、図10を参照しつつ説明する。図10は対比例1に係る電子時計100aの部分断面図であり、本実施形態に係る図4に対応する図である。
このため、電子時計100aは、張り出した形状を有する外装ケース10aを考慮した(すなわち、アンテナ体60aを格納することを考慮した)デザインを施すことが必要となり、デザインの自由度が低下する。
また、電子時計100aが備えるベルト取付部14aは、外装ケース10aの左側に張り出した部分に取り付けられるため、電子時計100aの装着性は、(外装ケースが張り出した部分を有さない場合に比べて)低下する可能性が高い。
また、本実施形態に係る電子時計100は、デザインを施す上で、アンテナ体60を考慮する必要が無い(すなわち、張り出した形状を考慮する必要が無い)。このため、本実施形態に係る電子時計100は、対比例1に係る電子時計100aに比べて、デザインの自由度が高くなり、優れたデザインを施すことが可能となる。
このように、本実施形態は、デザイン性及び装着性を低下させることなく、電子時計100にアンテナ体60を備えることを可能とした。
すなわち、本実施形態に係る電子時計100は、アンテナ体60を表示部30の下部(裏面側)に設けることにより、アンテナ体60を備えることに起因するデザイン性及び装着性の低下を抑止することが可能となるとともに、アンテナ体60が第2領域AR2及び第3領域AR3を有することにより、高い受信性能を得ることが可能となる。
同様に、本実施形態に係る電子時計100は、アンテナ体60を基板40の下部(裏面側)に設けることにより、アンテナ体60を備えることに起因するデザイン性及び装着性の低下を抑止することが可能となるとともに、アンテナ体60が第5領域AR5及び第6領域AR6を有することにより、高い受信性能を得ることが可能となる。
この効果を説明するために、幅w4が幅w3よりも狭い場合である、対比例2に係る電子時計100bを、図11乃至図13を参照しつつ説明する。
対比例2に係る電子時計100bは、外装ケース10のy方向の幅に比べて、アンテナ体60bのy方向の幅w4bが狭い。このため、対比例2に係る電子時計100bは、腕Armの輪郭LArm1とアンテナ体60bとの距離、及び、腕Armの輪郭LArm2とアンテナ体60bとの距離が、実施形態に係る電子時計100に比べて大きくなる。その結果、電子時計100bは、電子時計100に比べて、衛星信号が腕Armに遮られ、受信される衛星信号の強度が弱くなる可能性が高い。すなわち、電子時計100bは、電子時計100に比べて、腕Armに装着されることによる受信性能の劣化の程度が大きい。
図12(A)に示すように、電子時計100bが腕Armに装着されていない場合には、アンテナ体60は、yz平面の全ての方向に対して良好な受信性能を有する。しかし、図12(B)に示すように、電子時計100bが腕Armに装着されている場合、
腕Armによる電波の吸収に起因して、アンテナ体60bの受信性能は、(−z)方向、特に、ベクトルV1で示す方向及びベクトルV2で示す方向において、劣化する。このような、腕Armによる電波の吸収に起因する、受信性能の劣化について、本実施形態に係るアンテナ体60、及び、対比例2に係るアンテナ体60bを比較する。
図13(A)は、図1のG−g線において断面視した図であり、腕Armによる衛星信号の吸収に起因する、本実施形態に係るアンテナ体60の受信性能の劣化の程度について表している。図13(B)は、図11のG−g線において断面視した図であり、腕Armによる衛星信号の吸収に起因する、対比例2に係るアンテナ体60bの受信性能の劣化の程度について表している。また、図13(A)及び(B)に示された曲線CL及び曲線CLbは、アンテナ体60及びアンテナ体60bが、yz平面の各方向に対して放射しうる電波の強度(すなわち、アンテナ体60及びアンテナ体60bが、yz平面の各方向から受信し得る衛星信号の強度)を、概念的に表した曲線である。
図13(B)に示すように、アンテナ体60bは、幅w4bが、腕Armにおける輪郭LArm1〜輪郭LArm2の間隔w0に比べて小さい。従って、アンテナ体60bは、腕Armの影響を受け、(+y)方向、(−y)方向、及び、(−z)方向からの衛星信号を、十分な強度の信号として受信することができない。
これに対して、本実施形態に係るアンテナ体60は、図13(A)に示すように、幅w4の間隔w0に対する比率が、対比例2に係るアンテナ体60b(幅w4bの間隔w0に対する比率)に比べて大きい。よって、本実施形態に係るアンテナ体60が受信する衛星信号の強度に対して腕Armが及ぼす影響の程度は、対比例2に係るアンテナ体60bに比べて小さい。このため、アンテナ体60は、腕Armの影響により、(−z)方向からの衛星信号については十分な強度の信号として受信することができないものの、(+y)方向、及び、(−y)方向からの衛星信号は、十分な強度を有する信号として受信することが可能である。
このように、本実施形態によれば、電子時計100が腕Armに装着された場合も、高い受信性能を維持することが可能となる。
通常、コイルばねは、磁界を発生させやすい。そのため、電子時計100がコイルばねを備える場合には、コイルばねから生じる磁界がノイズとしてアンテナ体60に伝播し、アンテナ体60の受信性能を劣化させる。
特に、本実施形態のように、アンテナ体60を、表示部30及び基板40の下部(裏面側)に配置する場合、アンテナ体60と接続部とが接近することは避けがたいため、接続部にコイルばねを使用した場合の、アンテナ体60の受信性能の劣化の程度は大きくなる。
これに対して、本実施形態では、導電性弾性体として、コイルばねを採用する代わりに、板ばねを採用する。板ばねは、コイルばねに比べて、磁界を発生させにくい。また、仮に、板ばねが磁界を発生させたとしても、その磁界の強さはコイルばねが発生させる磁界に比べて弱くなる可能性が高い。すなわち、本実施形態によれば、導電性弾性体として板ばねを採用することで、導電性弾性体の発生する磁界の大きさを小さく抑えることができる。換言すれば、本実施形態は、導電性弾性体が発生させる磁界に起因したアンテナ体60のアンテナ特性の劣化を、小さく抑えることが可能となる。
通常、操作ボタンを定常位置に復元するように付勢するための付勢部として、コイルばねが使用される。しかし、コイルばねは、上述のとおり、磁界を発生させやすく、
当該磁界の影響により、アンテナ体60の受信性能が劣化することになる。
これに対して、本実施形態は、パッキンPが、非導電性の弾性体により構成されるため、パッキンPが磁界を発生させることはない。従って、本実施形態に係る電子時計100は、付勢部として、コイルばねを用いる場合に比べて、高い受信性能を得ることが可能となる。
導電線qに電流が流れる場合には、導電線qの周囲に磁界が発生する。当該磁界が、アンテナ体60に及ぼす影響の程度は、導電線qとアンテナ体60とが平行である場合に大きくなる。
これに対して本実施形態では、導電線qとアンテナ体60とが垂直または垂直に近い角度で交差するように、導電線qが設けられるため、導電線qに電流が流れる際に発生する磁界が、アンテナ体60に及ぼす影響を小さく抑えることが可能となる。
上述のとおり、アンテナ体60は、主として、第2領域AR2及び第3領域AR3で衛星信号を受信する。そのため、導電線qが、第2領域AR2または第3領域AR3の近傍に配置される場合には、離れた位置に配置される場合に比べて、導電線qに電流が流れる際に発生する磁界の、アンテナ体60の受信性能に対する影響が、大きくなる。
部分空間SP1及び部分空間SP2は、アンテナ体近傍空間SPの中で、第2領域AR2または第3領域AR3から離れた空間である。従って、導電線qが、部分空間SP1または部分空間SP2に設けられる場合、部分空間SP1または部分空間SP2以外のアンテナ体近傍空間SPに設けられる場合に比べて、導電線qからの磁界が、アンテナ体60に対して及ぼす影響を、低減することが可能となる。
特に、部分空間SPa1及び部分空間SPa2は、アンテナ体近傍空間SPの中で、第2領域AR2及び第3領域AR3からの距離が最も離れた空間である。従って、部分空間SPa1または部分空間SPa2に導電線qを設けることで、導電線qがアンテナ体60に対して及ぼす磁界の影響を最小化することができる。
すなわち、本実施形態によれば、アンテナ体60を、表示部30の下部に配置し、アンテナ体60と接続部(導電線q、導電性弾性体(板ばねS1、板ばねS2))が接近する場合であっても、アンテナ体60が高い受信性能を維持することを可能とした。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
上述した実施形態において、外装ケース10は、非導電性の部材で形成されているが、非導電性部材と導電性部材とを用いて形成してもよい。この場合、外装ケース10のうち、アンテナ体60の近傍の部分を非導電性部材で構成し、それ以外の部分を金属等の導電性部材で構成することで、高い受信性能を維持しつつ、電子時計100の強度を高くすることが可能となる。
また、外装ケース10は、中空の円柱状(すなわち、筒状)の形状であってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、基板40は、表示部30とアンテナ体60との間に設けられているが、アンテナ体60を、表示部30と基板40との間に設けてもよい。
いずれにしても、アンテナ体60が、平面視して、表示部30または基板40と重なる位置に設けられるものであればよい。
上述した実施形態及び変形例において、表示部30は液晶パネル31によりデジタル表示を行うものであったが、文字板と指針とを備え、当該指針により時刻を表示するものであってもよい。
また、表示部30は、液晶パネル以外のパネルを備えるものであってもよい。例えば、表示部30は、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネルを備えるものであってもよいし、EPD(Electro Phoretic Display)を備えるものであってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、電子時計100はGPS衛星200からの衛星信号を受信するが、GPS衛星以外の衛星を含む位置情報衛星からの衛星信号(無線信号)を受信するものであってもよい。例えば、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星からの衛星信号を受信するものであってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、電子時計100は表示部30に時刻等の情報を表示するが、表示部30に時刻を表示するかわりに、時刻以外の情報を表示するモードに設定できるものであってもよい。
例えば、電子時計100は、表示部30に時刻を表示させるモード(時刻表示モード)と、表示部30にある時刻からの経過時間を表示してストップウォッチとして動作するモード(クロノグラフモード)と、の2つのモードに設定しうるものであってもよい。
この場合、電子時計100は、クロノグラフモードにおいて、位置情報衛星からの衛星信号を受信して電子時計100の位置を計測することで、所定の位置からの電子時計100の移動距離(すなわち、電子時計100の利用者の走行距離)や、電子時計100の移動速度(利用者の走行速度)等を算出したうえで、これらの情報を表示部30に表示させるものであってもよい。
また、時刻表示モードにおいて、位置情報衛星からの衛星信号を受信せず、クロノグラフモードにおいてのみ、位置情報衛星からの衛星信号を受信するものであってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、電子時計100は、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電性弾性体及び導電線をそれぞれ複数備えるものであるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、導電性弾性体または導電線のうち少なくとも一方を、少なくとも1つ備えるものであればよい。
例えば、電子時計100は、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電性弾性体を1つ備えるものであってもよい。また、例えば、電子時計100は、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電性弾性体の他に、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電線を1つ備えるものであってもよい。
また、上述した実施形態において、導電性弾性体はすべて板ばねであるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、コイルばね以外のものであればどのような導電性弾性体を用いるものであってもよい。
Claims (5)
- ケースと、
前記ケースに収納され、少なくとも時刻を表示可能な一体の表示部と、
前記ケースに収納されているアンテナ体と、
を含み、
前記アンテナ体は、
前記一体の表示部に垂直な方向から見たときに、
前記一体の表示部と重なる第1領域と、前記一体の表示部とは重ならない第2領域及び第3領域と、を含み、
且つ、前記第1領域は、前記第2領域及び前記第3領域の間に位置し、
前記一体の表示部は、
前記一体の表示部に垂直な方向から見たときに、
前記アンテナ体と重なる第1表示領域と、前記アンテナ体とは重ならない第2表示領域及び第3表示領域と、を含み、
且つ、前記第1表示領域は、前記第2表示領域及び前記第3表示領域の間に位置し、
前記一体の表示部に垂直な方向から見たときに、前記ケースと前記ケースに取り付けられ利用者に装着可能なベルトとが並ぶ方向と直交する方向を第1の方向、及び、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向、
前記一体の表示部の前記第1の方向に沿った長さを第1の幅、
前記一体の表示部の前記第2の方向に沿った長さを第2の幅、
前記アンテナ体の前記第1の方向に沿った長さを第3の幅、
前記アンテナ体の前記第2の方向に沿った長さを第4の幅としたとき、
前記第1の幅は前記第2の幅以上、且つ、前記第4の幅は前記第3の幅以上であり、
前記第2領域及び前記第3領域は、前記第2の方向に沿って配置され、
前記第2表示領域及び前記第3表示領域は、前記第1の方向に沿って配置されている、
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1において、
前記アンテナ体は、位置情報衛星からの電波を受信し、
前記第3の幅及び前記第4の幅のうち少なくとも何れかは、前記位置情報衛星からの電波の波長に基づいて定められる、
ことを特徴とする、電子時計。 - 請求項1又は2において、
前記ケースに収納され、前記一体の表示部を制御する制御回路が設けられている基板を含み、
前記基板は、前記一体の表示部と前記アンテナ体との間にある、
ことを特徴とする、電子時計。 - 請求項3において、
前記アンテナ体は、
前記一体の表示部に垂直な方向から見たときに、
前記基板と重なる第4領域と、前記基板とは重ならない第5領域及び第6領域と、を含み、
且つ、前記第4領域は、前記第5領域及び前記第6領域の間に位置する、
ことを特徴とする、電子時計。 - 請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記制御回路及び前記アンテナ体に給電するための二次電池が収納されている電池収納部と、
前記ケースの一方の開口を塞ぐカバーガラスと、
前記ケースの前記一方の開口とは反対側の他方の開口を塞ぐ裏蓋と、
を含み、
前記アンテナ体は、前記一体の表示部と前記裏蓋との間にあり、
前記電池収納部は、前記アンテナ体と前記裏蓋との間にある、
ことを特徴とする、電子時計。
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