JP2013250139A - アンテナ内蔵式電子時計 - Google Patents

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温 近藤
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Abstract

【課題】デザイン性に配慮しつつ、アンテナの受信性能を確保したアンテナ内蔵式電子時計を提供する。
【解決手段】電子時計100は、外装ケース10と、外装ケース10に収納され、少なくとも時刻を表示可能な表示部30と、外装ケース10に収納されたアンテナ体60と、互いに離間した複数の導電体の組みと、複数の導電体の組みのうち少なくとも1つを電気的に接続する導電性弾性体と、制御部41が設けられた基板40と、充電端子Jと、ブザー50と、を備える。導電性弾性体は、板ばねであり、制御部41とブザー50とを電気的に接続する板ばねS1と、制御部41と充電端子Jとを電気的に接続する板ばねS2とを具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、アンテナを内蔵したアンテナ内蔵式電子時計に関する。
アンテナを備えたアンテナ内蔵式電子時計が知られている。このアンテナ内蔵式電子時計は、当該アンテナによりGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して正確な時刻表示を行うことが可能であり、外装ケースと、外装ケースに収納されたアンテナと、外装ケースに収容された時刻を表示可能な表示部とを備える。
特許文献1には、表示部を収納する本体部から張り出した部分にアンテナを収容したアンテナ内蔵式電子時計が開示されている。当該アンテナ内蔵式電子時計は、平面視して表示部とは重ならない位置にアンテナが設けられているので、良好な受信性能を得ることができる。また、表示部が設けられた本体部には、各種の導電部材の電気的な接続を確保するため、コイルばねが用いられることが多い。また、表示部はデジタル回路によって生成された時刻情報に基づいて駆動される。
米国特許公報US2009/0059730 A1
しかしながら、平面視して表示部と重ならない位置にアンテナを設ける場合、外装ケースは、アンテナを収容する部分が、本体部から張り出した形状となるので、アンテナ内蔵式電子時計が大型化し、デザイン性が低下する。
また、コイルばねは、デジタル回路などの各種回路で発生するノイズを放射するため、アンテナを表示部が設けられる本体部に取り込むと、ノイズがアンテナに飛び込んでアンテナの受信性能が劣化するという問題がある。
本発明は上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、装置の大きさやデザイン性に配慮しつつ、アンテナの受信性能を確保したアンテナ内蔵式電子時計を提供することを解決課題とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係るアンテナ内蔵式電子時計は、外装ケースと、前記外装ケースに収納され、少なくとも時刻を表示可能な表示部と、前記外装ケースに収納されたアンテナ体と、互いに離間した複数の導電体の組みと、前記複数の導電体の組みのうち少なくとも1つを電気的に接続する導電性弾性体と、を備え、前記導電性弾性体は、板ばねである、ことを特徴とする。
この発明によれば、アンテナ内蔵式電子時計に備えられる導電性の弾性体として、板ばねが採用される。すなわち、本発明に係るアンテナ内蔵式電子時計は、導電性の弾性体として、コイルばねを採用しない。
コイルばねは、磁界を発生させやすい。そのため、アンテナ内蔵式電子時計がコイルばねを備える場合、コイルばねから生じる磁界がノイズとしてアンテナ体に伝播し、アンテナ体の受信性能を劣化させる。
一方、アンテナ内蔵式電子時計を小型化し、またはデザイン性を確保するためには、アンテナ体が、表示部、複数の導電体、及び、接続部と近接させて実装されることが好ましい。しかし、アンテナ体を、接続部と近接させて実装する場合、接続部からのノイズがアンテナに混入し、アンテナ体の受信性能が劣化する可能性が高くなる。
これに対して、本発明では、導電性の弾性体として、コイルばねを採用する代わりに、板ばねを採用する。板ばねは、コイルばねに比べて、磁界を発生させにくい。また、仮に板ばねが磁界を発生させたとしても、その磁界の強さは、コイルばねが発生させる磁界に比べて弱くなる可能性が高い。従って、本発明によれば、導電性の弾性体として板ばねを採用することで、接続部の発生する磁界の大きさを小さく抑えることができ、接続部が発生させる磁界に起因したアンテナ体の受信性能の劣化を、小さく抑えることが可能になる。これにより、アンテナ体を、接続部と近接させて実装する場合であっても、アンテナ体の受信性能を確保することが可能となる。
すなわち、この発明によれば、デザイン性を低下させることなく、アンテナ体の受信性能を確保することが可能となる。
また、本発明に係るアンテナ内蔵式電子時計は、外装ケースと、前記外装ケースに収納され、少なくとも時刻を表示可能な表示部と、前記外装ケースに収納されたアンテナ体と、導電性弾性体を用いて電気的に接続される複数の導電体の組みを備え、前記導電性弾性体はコイルばねを除くことを特徴とする。この場合、導電性弾性体としては、板ばねの他、導電性プラスチックなどが該当する。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計は、前記外装ケースに収納され、前記表示部及び前記アンテナ体の間に設けられた基板と、前記基板上に設けられ、前記アンテナ内蔵式電子時計の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は前記複数の導電体の1つと電気的に接続される、ことが好ましい。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計は、前記外装ケースに収納され、前記基板及び前記アンテナ体の間に設けられたブザーを備え、前記ブザーは、前記複数の導電体の1つを備え、前記導電性弾性体は、前記制御部及び前記ブザーを電気的に接続する板ばねである、ことが好ましい。
この発明によれば、制御部とブザーとを電気的に接続するための導電性弾性体として、板ばねを採用するため、コイルばねを採用する場合と比較して、アンテナ体にノイズが混入する可能性を低減させることができる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計は、前記外装ケースを貫通する第1貫通孔と、前記第1貫通孔に挿入され、前記複数の導電体のいずれかであり外部端子と接続可能な充電端子と、を備え、前記導電性弾性体は、前記充電端子が前記外部端子に接続されたときに、前記外部端子及び前記制御部を電気的に接続する板ばねである、ことが好ましい。
この発明によれば、制御部と充電端子とを電気的に接続するための導電性弾性体として、板ばねを採用するため、コイルばねを採用する場合と比較して、アンテナ体にノイズが混入する可能性を低減させることができる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計は、前記外装ケースを貫通する第2貫通孔と、前記第2貫通孔に挿入され、押下された場合に第1の位置から第2の位置へと移動する操作ボタンと、前記操作ボタンに設けられ、前記操作ボタンが前記第2の位置から前記第1の位置へと復元されるように、前記操作ボタンを付勢する付勢部と、を備え、前記付勢部は、非金属の弾性体より構成される、ことが好ましい。
この発明によれば、付勢部が、非金属の弾性体により構成されるため、付勢部をコイルばねにより構成する場合と比較して、アンテナ体にノイズが混入する可能性を低減させることができる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記付勢部は、前記第2貫通孔と前記操作ボタンとの間の空間を密封するように設けられる、ことが好ましい。
この発明によれば、付勢部により、第2貫通孔から外装ケースの内部への水の浸入を防止することができるため、アンテナ内蔵式電子時計の長寿命化を可能とする。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記アンテナ体は、前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記表示部と重なる第1領域と、前記表示部とは重ならない第2領域及び第3領域とに区分され、前記第1領域は、前記第2領域及び第3領域の間に位置する、ことが好ましい。
この発明によれば、アンテナ体は、表示部に垂直な方向から見て表示部とは重ならない第2領域及び第3領域を有する。従って、アンテナ体は、表示部側からの電波を第2領域及び第3領域で受信することができるため、アンテナ体の受信性能を十分に確保することが可能となる。
また、この発明によれば、アンテナ体が表示部と重なる位置に設けられるため、アンテナ体が表示部と重ならない位置に設けられる場合(すなわち、外装ケースが、アンテナを収容するための、張り出した形状を有する場合)と比べて、アンテナ内蔵式電子時計を小型化し、デザイン性の低下を抑止することができる。
このように、この発明によれば、デザイン性を低下させることなく、アンテナ体の受信性能を確保することが可能となる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記表示部は、前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記アンテナ体と重なる第1表示領域と、前記アンテナ体とは重ならない第2表示領域及び第3表示領域とに区分され、前記第1表示領域は、前記第2表示領域及び第3表示領域の間に位置する、ことが好ましい。
この発明によれば、表示部がアンテナ体とは重ならない第2表示領域及び第3表示領域により、平面視したときの表示部の面積を大きくすることができる。これにより、表示部は、時刻等の情報を大きな文字または記号等で表示することが可能となり、アンテナ内蔵式電子時計の使い勝手を向上させることができる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計は、前記複数の導電体の組みのうち少なくとも1つを電気的に接続する導電線をさらに備え、前記導電線は、前記表示部に垂直な直線を基準直線としたとき、前記アンテナ体の近傍に位置する空間であるアンテナ体近傍空間において、前記基準直線とのなす角度が所定の角度以下となるように設けられる、ことが好ましい。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計は、導電性弾性体を用いて電気的に接続される複数の導電体の組みの他に、導電線によって電気的に接続される導電体の組みを備え、前記導電線は、前記表示部に垂直な直線を基準直線としたとき、前記アンテナ体の近傍に位置する空間であるアンテナ体近傍空間において、前記基準直線とのなす角度が所定の角度以下となるように設けられるものであってもよい。
導電線に電流が流れる場合、導電線の周囲には磁界が発生する。当該磁界がアンテナ体に及ぼす影響(つまり、アンテナ体に混入するノイズの大きさ)は、導電線とアンテナ体とが平行である場合に大きくなる。
これに対して、本発明は、導電線とアンテナ体とが垂直または垂直に近い角度で交差するように導電線を設けるため、導電線に電流が流れる際に発生する磁界がアンテナ体に及ぼす影響を小さく抑えることが可能となる。
なお、「所定の角度」とは「0度」であってもよい。この場合、アンテナ体と導電線とは直交するため、導電線からアンテナ体に混入するノイズの大きさは最小化される。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記アンテナ体の有する面のうち、前記表示部側に位置する面を第1の面とし、前記表示部とは逆側に位置する面を第2の面としたとき、前記アンテナ体近傍空間は、前記第1の面を含む平面と前記第2の面を含む平面との間の空間である、としてもよい。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1表示領域と前記第2表示領域とを区分する直線を第1直線とし、前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1表示領域と前記第3表示領域とを区分する直線を第2直線としたときに、前記導電線の各々は、前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記アンテナ体近傍空間のうち前記第1直線を挟んで前記第1領域とは逆側の空間、または、前記アンテナ体近傍空間のうち前記第2直線を挟んで前記第1領域とは逆側の空間に設けられる、ことが好ましい。
アンテナ体は、主に、第2領域及び第3領域で電波を受信するため、第2領域及び第3領域に対してノイズが混入することを防止することが、アンテナ体の受信性能の確保において重要となる。
この発明によれば、ノイズを発生させる導電線が、第2領域及び第3領域から離間させて設けられるため、導電線からアンテナ体に混入するノイズを小さく抑えることが可能となる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1領域と前記第2領域とを区分する直線を第3直線とし、前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1領域と前記第3領域とを区分する直線を第4直線としたときに、前記導電線の各々は、前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記アンテナ体近傍空間のうち前記第3直線と前記第4直線との間の空間に設けられる、ことが好ましい。
この発明によれば、ノイズを発生させる導電線が、第2領域または第3領域から離間させて設けられるため、導電線からアンテナ体に混入するノイズを小さく抑えることが可能となる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記第3直線に平行な方向を第1の方向とし、前記第1直線に平行な方向を第2の方向としたとき、前記表示部は、前記表示部に垂直な方向から見たとき、前記第1の方向に対して第1の幅を有するように延在するとともに、前記第2の方向に対して第2の幅を有するように延在し、前記アンテナ体は、前記表示部に垂直な方向から見たとき、前記第1の方向に対して第3の幅を有するように延在するとともに、前記第2の方向に対して第4の幅を有するように延在し、前記第1の幅は、前記第2の幅以上の広さを有し、前記第4の幅は、前記第3の幅以上の広さを有する、ことが好ましい。
この発明によれば、表示部の面積を大きくすることができるため、表示部が情報を大きく表示することを可能とし、アンテナ内蔵式電子時計の使い勝手を向上させることができる。
また、第3の幅を、第4の幅に比べて狭めることが可能となるため、平面視したときのアンテナ体の面積を小さくすることができる。これにより、アンテナ内蔵式電子時計の小型化が可能となる。
また、上述したアンテナ内蔵式電子時計において、前記アンテナ体は、位置情報衛星からの電波を受信し、前記第3の幅または前記第4の幅のうち少なくとも一方は、
前記位置情報衛星からの電波の波長に基づいて定められる、ことが好ましい。
この発明によれば、アンテナ体の形状が、位置情報衛星からの電波の波長に基づいて定められるため、位置情報衛星からの電波に対する受信性能を向上させることができる。
なお、第4の幅のみを当該波長に基づいて定める場合、第3の幅を当該波調とは関係なく狭めることで、アンテナ体の小型化が可能となる。また、第3の幅及び第4の幅の双方を当該波長に基づいて定める場合、第3の幅または第4の幅の一方を当該波調に基づいて定める場合に比べて、アンテナ体の当該電波に対する受信性能を高くすることができる。
本発明の実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100を含むGPSシステムの全体図である。 電子時計100の平面図である。 電子時計100の一部断面図である。 電子時計100の一部断面図である。 電子時計100の分解斜視図である。 アンテナ体60及び表示部30の位置関係を説明するための説明図である。 アンテナ体60及び基板40の位置関係を説明するための説明図である。 アンテナ体60及び導電線qの位置関係を説明するための説明図である。 制御部41の構成を示すブロック図である。 対比例1に係る電子時計100aの一部断面図である。 対比例2に係る電子時計100bの平面図である。 対比例2に係る電子時計100bの指向特性を説明する説明図である。 腕による電波の吸収を説明する説明図である。
<1.実施形態>
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ内蔵式電子時計100(以下「電子時計100」という)を含むGPSシステムの全体図である。電子時計100は、GPS衛星200からの電波(無線信号)を受信して内部時刻を修正する腕時計であり、腕Armに接触する面(以下、「裏面」という)の反対側の面(以下「表面」という)に時刻を表示する。
GPS衛星200は、地球上空における所定の軌道上を周回する位置情報衛星であり、1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージを重畳させて地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された1.57542GHzの電波を「衛星信号」という。衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。
現在、約31個のGPS衛星200(図1においては、約31個のうち4個のみを図示)が存在しており、衛星信号がどのGPS衛星200から送信されたかを識別するために、各GPS衛星200はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。C/Aコードは、各chipが+1又は−1のいずれかでありランダムパターンのように見える。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
GPS衛星200は原子時計を搭載しており、衛星信号には原子時計で計時された極めて正確な時刻情報(以下、「GPS時刻情報」という)が含まれている。また、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星200に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメータも含まれている。電子時計100は、1つのGPS衛星200から送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメータを使用して内部時刻を正確な時刻に修正する。
衛星信号にはGPS衛星200の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。電子時計100は、GPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行うことができる。測位計算は、電子時計100の内部時刻にはある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、電子時計100の3次元の位置を特定するための3つのパラメータに加えて時刻誤差も未知数になる。そのため、電子時計100は、一般的には4つ以上のGPS衛星からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と軌道情報を使用して測位計算を行う。
図2は、電子時計100の平面図である。図2に示すように、電子時計100は、プラスチックまたはセラミック等の非導電性の部材で形成された外装ケース10を備える。詳細は後述するが、外装ケース10は表面側の開口K1、及び、裏面側の開口K2の2つの開口を有している。外装ケース10の表面側の開口K1は、ガラスまたはプラスチック等の透明材料で形成されたカバーガラス20で塞がれている。カバーガラス20の下部(裏面側)には、表示部30が設けられている。表示部30には、時刻、日付、曜日等が表示される。電子時計100の利用者は、カバーガラス20を介して、表示部30に表示された時刻等を視認することができる。
また、外装ケース10には、ベルト110を取り付けるためのベルト取付部14が接続されている。
電子時計100は、操作ボタンB1〜B5を手動操作することにより、少なくとも1つのGPS衛星200からの衛星信号を受信して内部時刻情報の修正を行うモード(時刻情報取得モード)と複数のGPS衛星200からの衛星信号を受信して測位計算を行い内部時刻情報の時差を修正するモード(位置情報取得モード)に設定できるように構成されている。また、電子時計100は、時刻情報取得モードや位置情報取得モードを定期的に(自動的に)実行することもできる。なお、以下では、操作ボタンB1〜B5を、操作ボタンBと総称する場合がある。また、本実施形態に係る電子時計100は、5つの操作ボタンB1〜B5を有するが、これは一例に過ぎず、電子時計100が備える操作ボタンBの個数は、5つよりも少なくてもよいし、5つよりも多くても構わない。
なお、以下では、説明の便宜上、図2に示すような、互いに直交するx軸、y軸、z軸からなる座標系を導入する。より具体的には、z軸は、カバーガラス20(または、表示部30)に垂直な方向(図2において、紙面手前方向)を表し、x軸は、表示部30の長手方向(図2において、横方向)を表し、
y軸は、ベルト110の延在方向(図2において、縦方向)を表す。当該座標系は、電子時計100が姿勢変化した場合には、電子時計100の姿勢変化に伴い各軸の向きを変化させる(すなわち、電子時計100と一体となって運動する)座標系である。
なお、z軸に平行な任意の直線を、基準直線と称し、x軸に平行な任意の直線を、第1基準線と称し、y軸に平行な任意の直線を、第2基準線と称する場合がある。また、x軸(第1基準線)に平行な方向を、第1の方向と称し、y軸(第2基準線)に平行な方向を、第2の方向と称する場合がある。
図3は、電子時計100を、図2のE−e線で切断した部分断面図である。ここで、E−e線は、x軸と平行な線分である。図4は、電子時計100を、図2のF−f線で切断した部分断面図である。ここで、F−f線は、y軸と平行な線分である。また、図5は電子時計100の一部の分解斜視図である。なお、図5では、記載の便宜上、電子時計100の各構成要素を概略的に表している。以下、図3乃至図5を参照しつつ、電子時計100の構造を説明する。
図3乃至図5に示すように、電子時計100は、2つの開口を有する外装ケース10、外装ケース10の表面側の開口K1(一方の開口)を塞ぐカバーガラス20、及び、外装ケース10の裏面側の開口K2(他方の開口)を塞ぐ裏蓋11、を備える。カバーガラス20は、図示省略されたパッキンに挟み込まれた状態で、外装ケース10の開口K1に嵌め込まれている。裏蓋11は、金属またはプラスチックで形成され、例えば、金属ねじで、外装ケース10に固定されている。
また、電子時計100は、外装ケース10の外側に、ベルト取付部14を備える。図2に示したように、ベルト取付部14には、ベルト110が取り付けられる。このベルト110は、図2において縦方向(第2の方向)に延在するように、ベルト取付部14に取り付けられる。なお、本実施形態では、ベルト取付部14は、外装ケース10とは別個に形成されるが、一体として形成されるものであってもよい。
図3乃至図5に示すように、電子時計100は、外装ケース10の内側に、電池収納部71を備え、電池収納部71には、リチウムイオン電池等の二次電池70が格納される。電池収納部71は、裏蓋11の上側(表面側)に配置され、支持部13により外装ケース10に固定されている。
また、電子時計100は、外装ケース10の内側に、アンテナ体60を備える。このアンテナ体60は、GPS衛星200からの衛星信号を受信する。本実施形態では、アンテナ体60として、パッチアンテナを採用する。
アンテナ体60は、金属等の導電性材料と誘電体とにより板状に形成されている。アンテナ体60には、図3乃至図5では図示省略された導電線が接続され、当該導電線を介して、制御部41(より具体的には、後述するバラン45)から給電される。アンテナ体60は、二次電池70の上側(表面側)に配置され、支持部13により、外装ケース10に固定されている。
電子時計100は、外装ケース10の内側に、基板40を備える。基板40は、アンテナ体60よりも上側(表面側)に配置され、支持部13により、外装ケース10に固定されている。基板40上には、制御部41が設けられている。
また、電子時計100は、外装ケース10の内側に、ブザー50を備える。ブザー50は、圧電素子を含んで構成される。このブザー50は、支持部51及び支持部52により、基板40に取り付けられている。なお、ブザー50とアンテナ体60との間には、絶縁体53が設けられ、アンテナ体60と支持部51がショートしてしまうことを防止している。
なお、電子時計100は、制御部41が備える配線または制御部41に電気的に接続された配線(制御部41と電気的に接続された導電体)や、ブザー50が備える配線(ブザー50が備える導電体)等、互いに離間した複数の導電体を備えている。そして、電子時計100は、互いに離間した2つの導電体(導電体の組)を、電気的に接続する構成要素を、複数備える。以下では、互いに離間した2つの導電体を電気的に接続するための構成要素を、接続部と総称する。
本実施形態において、接続部は、導電性弾性体を1以上含む。また、これら1以上の導電性弾性体は、板ばねである。
導電性弾性体として、通常はコイルばねを使用する。コイルばねは、電流が流れた際に磁界を発生させるため、当該磁界の影響がアンテナに及ぶ場合には、アンテナの受信性能が劣化する。
これに対して、本実施形態では、導電性弾性体として全て板ばねを使用する。すなわち、外装ケース10の内部にはコイルばねが存在しない。従って、本実施形態に係る電子時計100は、接続部が発生させる磁界に起因したアンテナの受信性能の劣化を抑止することが可能となる。
基板40には、板ばねS1(第1の板ばね)が、ブザー50(ブザー50が備える導電体)と接触するように設けられている。この板ばねS1は導電性弾性体であり、互いに離間した導電体である制御部41が備える導電体(または制御部41と電気的に接続された導電体)及びブザー50が備える導電体を電気的に接続する。
電子時計100は、外装ケース10の内側に、表示部30を備える。この表示部30は、基板40とカバーガラス20との間に配置され、支持部12により、外装ケース10に固定されている。表示部30は、液晶パネル31と、液晶パネル31よりも下側(裏面側)に配置された発光部32とを備える。発光部32は、上側(表面側)に光を出射し、当該光のうち、液晶パネル31及びカバーガラス20を透過した光が、電子時計100の利用者により視認される。本実施形態では、液晶パネル31は、半透過半反射型であり、電子時計100の外部からカバーガラス20に入射し、カバーガラス20を透過した外光のうち、液晶パネル31により反射された光も、電子時計100の利用者により視認される。
図3に示すように、外装ケース10には、その側面を貫通する貫通孔HJ(第1貫通孔)及び貫通孔HB(第2貫通孔)が設けられる。
電子時計100は、充電端子Jを備え、充電端子Jは、貫通孔HJに挿入されている。充電端子Jは、図示省略された外部端子と接続可能である。
また、基板40には、板ばねS2(第2の板ばね)が、充電端子Jと接触するように設けられている。この板ばねS2は導電性の弾性体であり、互いに離間した導電体である充電端子J及び制御部41が備える導電体(または制御部41と電気的に接続された導電体)を電気的に接続する。すなわち、板ばねS2は、充電端子Jが外部端子に接続されると、外部端子と制御部41とを電気的に接続する。
操作ボタンBは、ボタン軸にパッキンPが挿入された状態で、貫通孔HBに嵌め込まれている。より具体的には、外装ケース10には、操作ボタンB1〜B5の各々に対応して、5つの貫通孔HBが設けられる。そして、操作ボタンB1〜B5の各々は、ボタン軸にパッキンPが挿入された状態で、対応する貫通孔HBに嵌め込まれている。
操作ボタンBは、押下されると、定常位値である位置xb1(第1の位置)から、位置xb2(第2の位置)へと移動する。位置xb2に移動した操作ボタンBは、非導電性の弾性体(例えば、ゴム)により構成されたパッキンPにより、位置xb2から定常位置である位置xb1に復元されるように付勢される。
なお、パッキンPは、貫通孔HBと操作ボタンBとの間の空間を密封する。すなわち、パッキンPを備えることにより、外装ケース10の内部への水の侵入を防止することが可能となる。
操作ボタンBが押下された場合、操作ボタンBと基板40に設けられたスイッチ15とが接触する。このときスイッチ15は、操作ボタンBからの圧力を検知し、これを電気的な信号として、制御部41に伝達する。
図6は、電子時計100を、表示部30に垂直な方向(z軸方向)から見た場合の、アンテナ体60及び表示部30の相互の位置関係を説明するための説明図である。図6では、電子時計100を構成する要素のうち、アンテナ体60及び表示部30以外の構成要素については、図示を省略している。なお、以下では、表示部30に垂直な方向から電子時計100を見ることを、単に「平面視」と称する場合がある。
図6に示すように、アンテナ体60は、平面視したときに、表示部30と重なる第1領域AR1、表示部30とは重ならない第2領域AR2、及び、表示部30とは重ならない第3領域AR3に区分される。第1領域AR1は、第2領域AR2及び第3領域AR3の間に位置する。
また、表示部30は、アンテナ体60(より具体的には、アンテナ体60の第1領域AR1)と重なる第1表示領域ARd1、アンテナ体60とは重ならない第2表示領域ARd2、及び、アンテナ体60とは重ならない第3表示領域ARd3に区分される。第1表示領域ARd1は、第2表示領域ARd2及び第3表示領域ARd3の間に位置する。
図6に示すように、表示部30は、x軸に平行な方向に対して、幅w1(第1の幅)を有するように延在し、y軸に平行な方向に対して、幅w2(第2の幅)を有するように延在する。本実施形態では、幅w1は、幅w2以上の広さを有する。すなわち、表示部30は、長手方向がx軸に平行となるように設けられる。
但し、表示部30は、このような形状に限定されるものではなく、幅w1は、幅w2と等しくてもよいし、幅w2以下であってもよい。
また、アンテナ体60は、x軸に平行な方向に対して、幅w3(第3の幅)を有するように延在し、y軸に平行な方向に対して、幅w4(第4の幅)を有するように延在する。本実施形態では、幅w4は、幅w3以上の広さを有する。すなわち、アンテナ体60は、長手方向がy軸に平行となるように設けられる。
但し、アンテナ体60は、このような形状に限定されるものではなく、幅w4は、幅w3と等しくてもよい。
また、幅w4は、衛星信号の有する波長λに基づいて定められる。例えば、1以上の整数をnとしたとき、幅w4は、波長λを整数nで除算した値として定めてもよい。
なお、幅w3と幅w4とが等しい場合、幅w3及び幅w4は、共に、衛星信号の有する波長λに基づいて定められる。
本実施形態において、アンテナ体60の形状は、八角柱であるが、四角柱であってもよいし、六角柱であってもよい。いずれにしても、図6に示すように、幅w4が幅w2よりも広くなるように、アンテナ体60及び表示部30が設けられていればよい。換言すれば、アンテナ体60は、平面視したときに表示部30と重なる第1領域AR1の両端に、表示部30とは重ならない第2領域AR2及び第3領域AR3が存在するように設けられていればよい。
また、本実施形態では、図6に示すように、幅w1は幅w3よりも広い。但し、幅w1は、幅w3と等しい幅であってもよいし、幅w3以下であってもよい。
以下では、平面視したときに、第1表示領域ARd1及び第2表示領域ARd2を区分する直線を、直線Ln1(第1直線)と称し、第1表示領域ARd1及び第3表示領域ARd3を区分する直線を、直線Ln2(第2直線)と称する。直線Ln1及び直線Ln2は、y軸に平行な直線である。
また、平面視したときに、第1領域AR1及び第2領域AR2を区分する直線を、
直線Ln3(第3直線)と称し、第1領域AR1及び第3領域AR3を区分する直線を、直線Ln4(第4直線)と称する。
図7は、電子時計100を、表示部30に垂直な方向(z軸方向)から見た場合の、アンテナ体60及び基板40の相互の位置関係を説明するための説明図である。図7では、電子時計100を構成する要素のうち、アンテナ体60及び基板40以外の構成要素については、図示を省略している。
アンテナ体60は、図7に示すように、平面視して基板40と重なる第4領域AR4の両端に、平面視して基板40と重ならない第5領域AR5及び第6領域AR6を有する。第4領域AR4は、第5領域AR5及び第6領域AR6の間に位置する。
また、平面視したときに、第4領域AR4及び第5領域AR5を区分する直線を、直線Ln5(第5直線)と称し、第4領域AR4及び第6領域AR6を区分する直線を、直線Ln6(第6直線)と称する。
図3乃至図5では図示省略したが、電子時計100は、複数の導電線qを備える。以下では、各導電線qとアンテナ体60との位置関係について説明する。
図8は、複数の導電線qの各々と、アンテナ体60との位置関係を説明するための説明図である。なお、図8では、複数の導電線qの他は、アンテナ体60、基板40、及び、二次電池70のみを図示しており、これらの形状は簡略化して表されている。
図8に示すように、導電線qは、少なくとも、アンテナ体60の近傍の空間であるアンテナ体近傍空間SPにおいて、導電線qの延在する方向とz軸とが、できるだけ平行となるように設けられる。具体的には、導電線qは、アンテナ体近傍空間SPにおいて、z軸と完全に平行となるように、または、z軸とのなす角度が所定の角度以下(例えば、1度以下)となるように設けられる。
ここで、アンテナ体近傍空間SPとは、例えば、図8に示すように、アンテナ体60が有する面のうち、表面側の面(基板40側の面)を、第1の面PL1とし、裏面側の面(二次電池70側の面)を、第2の面PL2としたとき、第1の面PL1を含む平面と、第2の面PL2を含む平面との間の空間である。
なお、導電線qは、アンテナ体近傍空間SP以外の空間においても、z軸とのなす角度が、所定の角度以下となるように設けられてもよい。
また、導電線qがアンテナ体近傍空間SPに設けられる場合には、アンテナ体近傍空間SPのうち一部の空間にのみ設けられる。具体的には、導電線qは、アンテナ体近傍空間SPのうち、部分空間SP1または部分空間SP2に設けられる。
ここで、部分空間SP1とは、アンテナ体近傍空間SPのうち、平面視したときに、直線Ln1を挟んで第1領域AR1とは逆側の空間であり、部分空間SP2とは、アンテナ体近傍空間SPのうち、平面視したときに、直線Ln2を挟んで第1領域AR1とは逆側の空間である。
更に、導電線qは、アンテナ体近傍空間SPのうち、部分空間SPa1または部分空間SPa2に設けられることが好ましい。ここで、部分空間SPa1とは、部分空間SP1のうち、平面視して、直線Ln3及び直線Ln4の間に位置する空間であり、部分空間SPa2とは、部分空間SP2のうち、平面視して、直線Ln3及び直線Ln4の間に位置する空間である。
より詳細には、導電線qは、部分空間SPa1または部分空間SPa2の中で、直線Ln3及び直線Ln4の双方からの距離ができるだけ遠くなる位置に設けられることが好ましい。また、導電線qは、部分空間SPa1または部分空間SPa2の中で、平面視したときに、第1領域AR1から距離ができるだけ遠くなる位置に設けられることが好ましい。
具体的には、導電線qが部分空間SPa1に設けられる場合には、部分空間SPa1の中で、直線Ln1から(−x)方向にできるだけ離れた位置で、且つ、直線Ln3及び直線Ln4からの距離ができるだけ遠くになる位置に設けられることが好ましい。また、導電線qが部分空間SPa2に設けられる場合には、部分空間SPa2の中で、直線Ln2から(+x)方向にできるだけ離れた位置で、且つ、できるだけ遠くになる位置に設けられることが好ましい。
なお、導電線qは、部分空間SP1のうち、平面視して、直線Ln5及び直線Ln6の間に位置する空間、または、部分空間SP2のうち、平面視して、直線Ln5及び直線Ln6の間に位置する空間に設けられるものであってもよい。
なお、図8において、基板40と二次電池70とを4つの導電線qで接続しているが、導電線qの数はこれに限定されない。さらに、部分空間SPa1あるいはSPa2のいずれか一方に複数の導電線qを配置してもよい。なお、導電線qの接続先は二次電池70以外であってもよい。
図9は、制御部41の構成の一例を示すブロック図である。制御部41は、電子時計100の動作を制御する。具体的には、制御部41は、少なくとも表示部30の駆動を制御する。また、制御部41は、アンテナ体60が受信した信号から衛星信号を抽出する処理を実行するとともに、二次電池70を充電する処理を制御する。
図9に示すように、制御部41は、GPS受信部80及び制御表示部90を含んで構成されている。GPS受信部80は、衛星信号の受信、GPS衛星200の捕捉、位置情報の生成、時刻修正情報の生成等の処理を行う。制御表示部90は、内部時刻情報の保持及び内部時刻情報の修正等の処理を行う。
制御部41は、充電制御回路47を備える。充電端子Jに外部端子が接続されたとき、充電制御回路47は板ばねS1及び充電端子Jを介して、外部端子と電気的に接続される。これにより、図示省略された外部電源は、外部端子、充電端子J、板ばねS1、及び、充電制御回路47を通じで、二次電池70を充電する。
電子時計100はレギュレータ42及びレギュレータ43を備え、二次電池70は、レギュレータ42を介して制御表示部90に、レギュレータ43を介してGPS受信部80に駆動電力を供給する。また電子時計100は、二次電池70の電圧を検出する電圧検出回路44を備える。
なお、レギュレータ43に代えて、例えば、RF部82(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ、及び、ベースバンド部84(詳細は後述)に駆動電力を供給するレギュレータ(ともに図示せず)に分けて設けてもよい。RF部82に駆動電力を供給するレギュレータは、RF部82の内部に設けてもよい。
また電子時計100は、アンテナ体60、バラン45、及びSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタ46を含む。上述のとおり、アンテナ体60は、複数のGPS衛星200からの衛星信号を受信する。ただし、アンテナ体60は衛星信号以外の不要な電波も若干受信してしまうため、SAWフィルタ46は、アンテナ体60が受信した信号から衛星信号を抽出する処理を行う。すなわち、SAWフィルタ46は、1.5GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィルタとして構成される。制御部41は、バラン45を介して、アンテナ体60に給電する。本実施形態では、アンテナ体60への給電は平衡給電である。
また、GPS受信部80は、RF(Radio Frequency:無線周波数)部82及びベースバンド部84を含んで構成されている。以下に説明するように、GPS受信部80は、SAWフィルタ46が抽出した1.5GHz帯の衛星信号から航法メッセージに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する処理を行う。
RF部82は、LNA(Low Noise Amplifier)821、ミキサ822、VCO(Voltage Controlled Oscillator)823、PLL(Phase Locked Loop)回路824、IFアンプ825、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタ826、ADC(A/D変換器)827等を含んで構成されている。
SAWフィルタ46が抽出した衛星信号は、LNA821で増幅される。LNA821で増幅された衛星信号は、ミキサ822でVCO823が出力するクロック信号とミキシングされて中間周波数帯の信号にダウンコンバートされる。PLL回路824は、VCO823の出力クロック信号を分周したクロック信号と基準クロック信号を位相比較してVCO823の出力クロック信号を基準クロック信号に同期させる。その結果、VCO823は基準クロック信号の周波数精度の安定したクロック信号を出力することができる。なお、中間周波数として、例えば、数MHzを選択することができる。
ミキサ822でミキシングされた信号は、IFアンプ825で増幅される。ここで、ミキサ822でのミキシングにより、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も生成される。そのため、IFアンプ825は、中間周波数帯の信号とともに数GHzの高周波信号も増幅する。IFフィルタ826は、中間周波数帯の信号を通過させるとともに、この数GHzの高周波信号を除去する(正確には、所定のレベル以下に減衰させる)。IFフィルタ826を通過した中間周波数帯の信号はADC(A/D変換器)827でデジタル信号に変換される。
ベースバンド部84は、DSP(Digital Signal Processor)841、CPU(Central Processing Unit)842、SRAM(Static Random Access Memory)843、RTC(リアルタイムクロック)844を含んで構成されている。また、ベースバンド部84には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)86やフラッシュメモリ88等が接続されている。
温度補償回路付き水晶発振回路86は、温度に関係なくほぼ一定の周波数の基準クロック信号を生成する。フラッシュメモリ88には、例えば時差情報が記憶されている。時差情報は、時差データ(座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられたUTCに対する補正量等)が定義された情報である。
ベースバンド部84は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、RF部82のADC827が変換したデジタル信号(中間周波数帯の信号)からベースバンド信号を復調する処理を行う。
また、ベースバンド部84は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードに設定されると、後述する衛星検索工程において、各C/Aコードと同一のパターンのローカルコードを発生し、ベースバンド信号に含まれる各C/Aコードとローカルコードの相関をとる処理を行う。そして、ベースバンド部84は、各ローカルコードに対する相関値がピークになるようにローカルコードの発生タイミングを調整し、相関値が閾値以上となる場合にはそのローカルコードのGPS衛星200に同期(すなわち、GPS衛星200を捕捉)したものと判断する。ここで、GPSシステムでは、すべてのGPS衛星200が異なるC/Aコードを用いて同一周波数の衛星信号を送信するCDMA(Code Division Multiple Access)方式を採用している。したがって、受信した衛星信号に含まれるC/Aコードを判別することで、捕捉可能なGPS衛星200を検索することができる。
また、ベースバンド部84は、時刻情報取得モード又は位置情報取得モードにおいて、捕捉したGPS衛星200の衛星情報を取得するために、当該GPS衛星200のC/Aコードと同一のパターンのローカルコードとベースバンド信号をミキシングする処理を行う。ミキシングされた信号には、捕捉したGPS衛星200の衛星情報を含む航法メッセージが復調される。そして、ベースバンド部84は、航法メッセージの各サブフレームのTLMワード(プリアンブルデータ)を検出し、各サブフレームに含まれる軌道情報やGPS時刻情報等の衛星情報を取得する(例えばSRAM843に記憶する)処理を行う。ここで、GPS時刻情報は、週番号データ(WN)及びZカウントデータであるが、以前に週番号データが取得されている場合にはZカウントデータのみであってもよい。そして、ベースバンド部84は、衛星情報に基づいて、内部時刻情報を修正するために必要な時刻修正情報を生成する。
時刻情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部84は、GPS時刻情報に基づいて測時計算を行い、時刻修正情報を生成する。時刻情報取得モードにおける時刻修正情報は、例えば、GPS時刻情報そのものであってもよいし、GPS時刻情報と内部時刻情報との時間差の情報であってもよい。
一方、位置情報取得モードの場合、より具体的には、ベースバンド部84は、GPS時刻情報や軌道情報に基づいて測位計算を行い、位置情報(より具体的には、受信時に電子時計100が位置する場所の緯度及び経度)を取得する。さらに、ベースバンド部84は、フラッシュメモリ88に記憶されている時差情報を参照し、位置情報により特定される電子時計100の座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられた時差データを取得する。このようにして、ベースバンド部84は、時刻修正情報として衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データを生成する。位置情報取得モードにおける時刻修正情報は、上記の通り、GPS時刻情報と時差データそのものであってもよいが、例えば、GPS時刻情報の代わりに内部時刻情報とGPS時刻情報の時間差のデータであってもよい。なお、ベースバンド部84は、1つのGPS衛星200の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよいし、複数のGPS衛星200の衛星情報から時刻修正情報を生成してもよい。
また、ベースバンド部84の動作は、温度補償回路付き水晶発振回路86が出力する基準クロック信号に同期する。RTC844は、衛星信号を処理するためのタイミングを生成するものである。このRTC844は、温度補償回路付き水晶発振回路86から出力される基準クロック信号でカウントアップされる。また、ベースバンド部84に設けられたRTC844は、GPS衛星200の衛星情報を受信中にのみ動作し、GPS時刻情報を保持する。
制御表示部90は、制御部92、水晶振動子94及び駆動回路96を含んで構成されている。制御部92は、記憶部921、RTC(Real Time Clock)922を備え、各種制御を行う。制御部92は、例えばCPUで構成することが可能である。制御部92は、制御信号をGPS受信部80に送り、GPS受信部80の受信動作を制御する。また制御部92は、電圧検出回路44の検出結果に基づいて、レギュレータ42及びレギュレータ43の動作を制御する。また制御部92は、駆動回路96を介して表示部30の駆動を制御する。
記憶部921には内部時刻情報が記憶されている。RTC922は、常時動作し、時刻表示のための内部時刻を計時し内部時刻情報を生成する。内部時刻情報は、電子時計100の内部で計時される時刻の情報であり、水晶振動子94によって生成される基準クロック信号によって更新される。したがって、GPS受信部80への電力供給が停止されていても、内部時刻情報を更新して表示部30に正確な時刻を表示できるようになっている。
制御部92は、時刻情報取得モードに設定されると、GPS受信部80の動作を制御し、GPS時刻情報に基づいて内部時刻情報を修正して記憶部921に記憶する。より具体的には、内部時刻情報は、取得したGPS時刻情報にUTCオフセットを加算することで求められるUTC(協定世界時)に修正される。また、制御部92は、位置情報取得モードに設定されると、GPS受信部80の動作を制御し、衛星時刻データ(GPS時刻情報)及び時差データに基づいて、内部時刻情報を修正して記憶部921に記憶する。
以上で説明したように、本実施形態に係るアンテナ体60は、外装ケース10の内部に収納され、且つ、平面視したときに表示部30と重なる位置に設けられている。これにより、アンテナ体60を備えることによる電子時計100のデザイン性及び装着性の低下を、最小限に抑えることが可能となる。
この、「デザイン性及び装着性の低下の抑制」という効果を説明するために、平面視してアンテナ体が表示部と重ならないように配置された対比例1に係る電子時計100aを、図10を参照しつつ説明する。図10は対比例1に係る電子時計100aの部分断面図であり、本実施形態に係る図4に対応する図である。
図10に示すように、対比例1に係る電子時計100aは、平面視したときに、アンテナ体60aが、表示部30及び基板40と重ならない位置に設けられている。より具体的には、アンテナ体60aは、表示部30及び基板40よりも、図10において左側(−y方向)に設けられる。従って、電子時計100aが備える外装ケース10aは、表示部30及び基板40を収納するための本体部と、アンテナ体60aを格納するための図10において左側に張り出した形状の張り出し部とから構成されることになる。
このため、電子時計100aは、張り出した形状を有する外装ケース10aを考慮した(すなわち、アンテナ体60aを格納することを考慮した)デザインを施すことが必要となり、デザインの自由度が低下する。
また、電子時計100aが備えるベルト取付部14aは、外装ケース10aの左側に張り出した部分に取り付けられるため、電子時計100aの装着性は、(外装ケースが張り出した部分を有さない場合に比べて)低下する可能性が高い。
これに対して、本実施形態に係る電子時計100は、図4に示すように、アンテナ体60の少なくとも一部が、平面視して表示部30及び基板40と重なる位置に配置される。従って、本実施形態に係る電子時計100が備える外装ケース10は、対比例1に係る外装ケース10aのような、アンテナ体を格納するための張り出した形状を有さない。このため、本実施形態に係る電子時計100は、対比例1に係る電子時計100aに比べて、装着性において優れたものとなる。
また、本実施形態に係る電子時計100は、デザインを施す上で、アンテナ体60を考慮する必要が無い(すなわち、張り出した形状を考慮する必要が無い)。このため、本実施形態に係る電子時計100は、対比例1に係る電子時計100aに比べて、デザインの自由度が高くなり、優れたデザインを施すことが可能となる。
このように、本実施形態は、デザイン性及び装着性を低下させることなく、電子時計100にアンテナ体60を備えることを可能とした。
なお、図4に示すように、アンテナ体60のz方向の厚さは、例えば、二次電池70の厚さに比べて小さい。従って、電子時計100がアンテナ体60を備えることによる、電子時計100のサイズに与える影響は、無視できる程度に小さい。すなわち、本実施形態は、電子時計100を大型化させることなく、アンテナ体60を配置することを可能とした。
また、本実施形態に係るアンテナ体60は、平面視して表示部30と重ならない第2領域AR2及び第3領域AR3を有する。このため、平面視したときに、アンテナ体60の第1領域AR1と表示部30とが重なったとしても、第2領域AR2及び第3領域AR3により受信性能を十分に高く維持することが可能となる。
すなわち、本実施形態に係る電子時計100は、アンテナ体60を表示部30の下部(裏面側)に設けることにより、アンテナ体60を備えることに起因するデザイン性及び装着性の低下を抑止することが可能となるとともに、アンテナ体60が第2領域AR2及び第3領域AR3を有することにより、高い受信性能を得ることが可能となる。
同様に、本実施形態に係る電子時計100は、アンテナ体60を基板40の下部(裏面側)に設けることにより、アンテナ体60を備えることに起因するデザイン性及び装着性の低下を抑止することが可能となるとともに、アンテナ体60が第5領域AR5及び第6領域AR6を有することにより、高い受信性能を得ることが可能となる。
また、本実施形態に係るアンテナ体60は、幅w3が幅w4以下となる形状を有する。よって、例えば、幅w4を、衛星信号の波長λに基づいて定める場合であっても、幅w3は、波長λに関係なく狭めることができるため、平面視したときのアンテナ体60の面積を小さくすることが可能となる。すなわち、本実施形態は、デザイン性及び装着性を低下させることなく、電子時計100にアンテナ体60を備えることを可能とした。
また、本実施形態に係るアンテナ体60は、幅w4が幅w3以上となるため、幅w4が幅w3よりも狭い場合と比べて、電子時計100が腕Armに装着されることによる受信性能の劣化の程度を、小さく抑えることができる。
この効果を説明するために、幅w4が幅w3よりも狭い場合である、対比例2に係る電子時計100bを、図11乃至図13を参照しつつ説明する。
図11は、平面視したときの、対比例2に係る電子時計100bのアンテナ体60bと、腕Armとの位置関係を説明するための平面図である。なお、対比例2に係る電子時計100bは、y方向の幅w4bが、x方向の幅w3bよりも狭い形状のアンテナ体60bを有する点を除き、実施形態に係る電子時計100と同様に構成される。
対比例2に係る電子時計100bは、外装ケース10のy方向の幅に比べて、アンテナ体60bのy方向の幅w4bが狭い。このため、対比例2に係る電子時計100bは、腕Armの輪郭LArm1とアンテナ体60bとの距離、及び、腕Armの輪郭LArm2とアンテナ体60bとの距離が、実施形態に係る電子時計100に比べて大きくなる。その結果、電子時計100bは、電子時計100に比べて、衛星信号が腕Armに遮られ、受信される衛星信号の強度が弱くなる可能性が高い。すなわち、電子時計100bは、電子時計100に比べて、腕Armに装着されることによる受信性能の劣化の程度が大きい。
図12は、電子時計100bが腕Armに装着されていない状態及び装着された状態における、アンテナ体60bの指向特性を説明する説明図である。なお、図12(A)は、電子時計100bが腕Armに装着されていない場合の、アンテナ体60bのyz平面における指向特性を表し、図12(B)は、電子時計100bが腕Armに装着されている場合の、アンテナ体60bのyz平面における指向特性を表している。
図12(A)に示すように、電子時計100bが腕Armに装着されていない場合には、アンテナ体60は、yz平面の全ての方向に対して良好な受信性能を有する。しかし、図12(B)に示すように、電子時計100bが腕Armに装着されている場合、
腕Armによる電波の吸収に起因して、アンテナ体60bの受信性能は、(−z)方向、特に、ベクトルV1で示す方向及びベクトルV2で示す方向において、劣化する。このような、腕Armによる電波の吸収に起因する、受信性能の劣化について、本実施形態に係るアンテナ体60、及び、対比例2に係るアンテナ体60bを比較する。
図13は、腕Armによる衛星信号の吸収に起因する、アンテナ体の受信性能の劣化の程度について説明するための説明図である。この図では、説明の便宜上、アンテナ体と腕Armのみが存在する場合を仮定している。
図13(A)は、図1のG−g線において断面視した図であり、腕Armによる衛星信号の吸収に起因する、本実施形態に係るアンテナ体60の受信性能の劣化の程度について表している。図13(B)は、図11のG−g線において断面視した図であり、腕Armによる衛星信号の吸収に起因する、対比例2に係るアンテナ体60bの受信性能の劣化の程度について表している。また、図13(A)及び(B)に示された曲線CL及び曲線CLbは、アンテナ体60及びアンテナ体60bが、yz平面の各方向に対して放射しうる電波の強度(すなわち、アンテナ体60及びアンテナ体60bが、yz平面の各方向から受信し得る衛星信号の強度)を、概念的に表した曲線である。
図13(B)に示すように、アンテナ体60bは、幅w4bが、腕Armにおける輪郭LArm1〜輪郭LArm2の間隔w0に比べて小さい。従って、アンテナ体60bは、腕Armの影響を受け、(+y)方向、(−y)方向、及び、(−z)方向からの衛星信号を、十分な強度の信号として受信することができない。
これに対して、本実施形態に係るアンテナ体60は、図13(A)に示すように、幅w4の間隔w0に対する比率が、対比例2に係るアンテナ体60b(幅w4bの間隔w0に対する比率)に比べて大きい。よって、本実施形態に係るアンテナ体60が受信する衛星信号の強度に対して腕Armが及ぼす影響の程度は、対比例2に係るアンテナ体60bに比べて小さい。このため、アンテナ体60は、腕Armの影響により、(−z)方向からの衛星信号については十分な強度の信号として受信することができないものの、(+y)方向、及び、(−y)方向からの衛星信号は、十分な強度を有する信号として受信することが可能である。
このように、本実施形態によれば、電子時計100が腕Armに装着された場合も、高い受信性能を維持することが可能となる。
また、本実施形態に係る接続部が備える導電性弾性体は、全て、板ばねである。すなわち、本実施形態に係る電子時計100は、導電性弾性体としてコイルばねを使用しない。
通常、コイルばねは、磁界を発生させやすい。そのため、電子時計100がコイルばねを備える場合には、コイルばねから生じる磁界がノイズとしてアンテナ体60に伝播し、アンテナ体60の受信性能を劣化させる。
特に、本実施形態のように、アンテナ体60を、表示部30及び基板40の下部(裏面側)に配置する場合、アンテナ体60と接続部とが接近することは避けがたいため、接続部にコイルばねを使用した場合の、アンテナ体60の受信性能の劣化の程度は大きくなる。
これに対して、本実施形態では、導電性弾性体として、コイルばねを採用する代わりに、板ばねを採用する。板ばねは、コイルばねに比べて、磁界を発生させにくい。また、仮に、板ばねが磁界を発生させたとしても、その磁界の強さはコイルばねが発生させる磁界に比べて弱くなる可能性が高い。すなわち、本実施形態によれば、導電性弾性体として板ばねを採用することで、導電性弾性体の発生する磁界の大きさを小さく抑えることができる。換言すれば、本実施形態は、導電性弾性体が発生させる磁界に起因したアンテナ体60のアンテナ特性の劣化を、小さく抑えることが可能となる。
また、本実施形態に係る操作ボタンBは、定常位置である位置xb1から、押下された位置xb2に移動した場合に、パッキンPにより、定常位置である位置xb1に復元されるように付勢される。
通常、操作ボタンを定常位置に復元するように付勢するための付勢部として、コイルばねが使用される。しかし、コイルばねは、上述のとおり、磁界を発生させやすく、
当該磁界の影響により、アンテナ体60の受信性能が劣化することになる。
これに対して、本実施形態は、パッキンPが、非導電性の弾性体により構成されるため、パッキンPが磁界を発生させることはない。従って、本実施形態に係る電子時計100は、付勢部として、コイルばねを用いる場合に比べて、高い受信性能を得ることが可能となる。
また、本実施形態に係る導電線qは、図8に示したように、少なくともアンテナ体近傍空間SPにおいて、z軸と平行、または、z軸とのなす角度が所定の角度以下となるように設けられる。すなわち、本実施形態に係る、導電線qと、アンテナ体60とは、垂直または垂直に近い角度で交差する。
導電線qに電流が流れる場合には、導電線qの周囲に磁界が発生する。当該磁界が、アンテナ体60に及ぼす影響の程度は、導電線qとアンテナ体60とが平行である場合に大きくなる。
これに対して本実施形態では、導電線qとアンテナ体60とが垂直または垂直に近い角度で交差するように、導電線qが設けられるため、導電線qに電流が流れる際に発生する磁界が、アンテナ体60に及ぼす影響を小さく抑えることが可能となる。
また、本実施形態は、導電線qがアンテナ体近傍空間SPを通る必要のある場合には、導電線qは、アンテナ体近傍空間SPのうち、部分空間SP1または部分空間SP2に設けられる。
上述のとおり、アンテナ体60は、主として、第2領域AR2及び第3領域AR3で衛星信号を受信する。そのため、導電線qが、第2領域AR2または第3領域AR3の近傍に配置される場合には、離れた位置に配置される場合に比べて、導電線qに電流が流れる際に発生する磁界の、アンテナ体60の受信性能に対する影響が、大きくなる。
部分空間SP1及び部分空間SP2は、アンテナ体近傍空間SPの中で、第2領域AR2または第3領域AR3から離れた空間である。従って、導電線qが、部分空間SP1または部分空間SP2に設けられる場合、部分空間SP1または部分空間SP2以外のアンテナ体近傍空間SPに設けられる場合に比べて、導電線qからの磁界が、アンテナ体60に対して及ぼす影響を、低減することが可能となる。
特に、部分空間SPa1及び部分空間SPa2は、アンテナ体近傍空間SPの中で、第2領域AR2及び第3領域AR3からの距離が最も離れた空間である。従って、部分空間SPa1または部分空間SPa2に導電線qを設けることで、導電線qがアンテナ体60に対して及ぼす磁界の影響を最小化することができる。
すなわち、本実施形態によれば、アンテナ体60を、表示部30の下部に配置し、アンテナ体60と接続部(導電線q、導電性弾性体(板ばねS1、板ばねS2))が接近する場合であっても、アンテナ体60が高い受信性能を維持することを可能とした。
<2.変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
<変形例1>
上述した実施形態において、外装ケース10は、非導電性の部材で形成されているが、非導電性部材と導電性部材とを用いて形成してもよい。この場合、外装ケース10のうち、アンテナ体60の近傍の部分を非導電性部材で構成し、それ以外の部分を金属等の導電性部材で構成することで、高い受信性能を維持しつつ、電子時計100の強度を高くすることが可能となる。
また、外装ケース10は、中空の円柱状(すなわち、筒状)の形状であってもよい。
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例において、基板40は、表示部30とアンテナ体60との間に設けられているが、アンテナ体60を、表示部30と基板40との間に設けてもよい。
いずれにしても、アンテナ体60が、平面視して、表示部30または基板40と重なる位置に設けられるものであればよい。
<変形例3>
上述した実施形態及び変形例において、表示部30は液晶パネル31によりデジタル表示を行うものであったが、文字板と指針とを備え、当該指針により時刻を表示するものであってもよい。
また、表示部30は、液晶パネル以外のパネルを備えるものであってもよい。例えば、表示部30は、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネルを備えるものであってもよいし、EPD(Electro Phoretic Display)を備えるものであってもよい。
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例において、電子時計100はGPS衛星200からの衛星信号を受信するが、GPS衛星以外の衛星を含む位置情報衛星からの衛星信号(無線信号)を受信するものであってもよい。例えば、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星からの衛星信号を受信するものであってもよい。
<変形例5>
上述した実施形態及び変形例において、電子時計100は表示部30に時刻等の情報を表示するが、表示部30に時刻を表示するかわりに、時刻以外の情報を表示するモードに設定できるものであってもよい。
例えば、電子時計100は、表示部30に時刻を表示させるモード(時刻表示モード)と、表示部30にある時刻からの経過時間を表示してストップウォッチとして動作するモード(クロノグラフモード)と、の2つのモードに設定しうるものであってもよい。
この場合、電子時計100は、クロノグラフモードにおいて、位置情報衛星からの衛星信号を受信して電子時計100の位置を計測することで、所定の位置からの電子時計100の移動距離(すなわち、電子時計100の利用者の走行距離)や、電子時計100の移動速度(利用者の走行速度)等を算出したうえで、これらの情報を表示部30に表示させるものであってもよい。
また、時刻表示モードにおいて、位置情報衛星からの衛星信号を受信せず、クロノグラフモードにおいてのみ、位置情報衛星からの衛星信号を受信するものであってもよい。
<変形例6>
上述した実施形態及び変形例において、電子時計100は、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電性弾性体及び導電線をそれぞれ複数備えるものであるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、導電性弾性体または導電線のうち少なくとも一方を、少なくとも1つ備えるものであればよい。
例えば、電子時計100は、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電性弾性体を1つ備えるものであってもよい。また、例えば、電子時計100は、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電性弾性体の他に、互いに離間した導電体の組を電気的に接続する導電線を1つ備えるものであってもよい。
また、上述した実施形態において、導電性弾性体はすべて板ばねであるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、コイルばね以外のものであればどのような導電性弾性体を用いるものであってもよい。
10……外装ケース、100……アンテナ内蔵式電子時計(電子時計)、11……裏蓋、110……ベルト、20……カバーガラス、200……GPS衛星、30……表示部、40……基板、41……制御部、50……ブザー、60……アンテナ体、70……二次電池、AR1……第1領域、AR2……第2領域、AR3……第3領域、ARd1……第1表示領域、ARd2……第2表示領域、ARd3……第3表示領域、B……操作ボタン、HB、HJ……貫通孔、J……充電端子、Ln1〜Ln6……直線、P……パッキン、PL1……第1の面、PL2……第2の面、SP……アンテナ体近傍空間、q……導電線。

Claims (14)

  1. 外装ケースと、
    前記外装ケースに収納され、少なくとも時刻を表示可能な表示部と、
    前記外装ケースに収納されたアンテナ体と、
    互いに離間した複数の導電体の組みと、
    前記複数の導電体の組みのうち少なくとも1つを電気的に接続する導電性弾性体と、
    を備え、
    前記導電性弾性体は、板ばねである、
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  2. 前記外装ケースに収納され、前記表示部及び前記アンテナ体の間に設けられた基板と、
    前記基板上に設けられ、前記アンテナ内蔵式電子時計の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は前記複数の導電体の1つと電気的に接続される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  3. 前記外装ケースに収納され、前記基板及び前記アンテナ体の間に設けられたブザーを備え、
    前記ブザーは、前記複数の導電体の1つを備え、
    前記導電性弾性体は、前記制御部及び前記ブザーを電気的に接続する板ばねである、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  4. 前記外装ケースを貫通する第1貫通孔と、
    前記第1貫通孔に挿入され、前記複数の導電体のいずれかであり外部端子と接続可能な充電端子と、
    を備え、
    前記導電性弾性体は、
    前記充電端子が前記外部端子に接続されたときに、前記外部端子及び前記制御部を電気的に接続する板ばねである、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  5. 前記外装ケースを貫通する第2貫通孔と、
    前記第2貫通孔に挿入され、押下された場合に第1の位置から第2の位置へと移動する操作ボタンと、
    前記操作ボタンに設けられ、前記操作ボタンが前記第2の位置から前記第1の位置へと復元されるように、前記操作ボタンを付勢する付勢部と、
    を備え、
    前記付勢部は、
    非金属の弾性体より構成される、
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  6. 前記付勢部は、
    前記第2貫通孔と前記操作ボタンのボタン軸との間の空間を密封するように設けられる、
    ことを特徴とする、請求項5に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  7. 前記アンテナ体は、
    前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記表示部と重なる第1領域と、前記表示部とは重ならない第2領域及び第3領域とに区分され、
    前記第1領域は、
    前記第2領域及び第3領域の間に位置する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  8. 前記表示部は、
    前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記アンテナ体と重なる第1表示領域と、前記アンテナ体とは重ならない第2表示領域及び第3表示領域とに区分され、
    前記第1表示領域は、
    前記第2表示領域及び第3表示領域の間に位置する、
    ことを特徴とする、請求項7に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  9. 前記複数の導電体の組みのうち少なくとも1つを電気的に接続する導電線をさらに備え、
    前記導電線は、
    前記表示部に垂直な直線を基準直線としたとき、前記アンテナ体の近傍に位置する空間であるアンテナ体近傍空間において、前記基準直線とのなす角度が所定の角度以下となるように設けられる、
    ことを特徴とする、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  10. 前記アンテナ体の有する面のうち、前記表示部側に位置する面を第1の面とし、前記表示部とは逆側に位置する面を第2の面としたとき、
    前記アンテナ体近傍空間は、前記第1の面を含む平面と前記第2の面を含む平面との間の空間である、
    ことを特徴とする、請求項9に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  11. 前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1表示領域と前記第2表示領域とを区分する直線を第1直線とし、
    前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1表示領域と前記第3表示領域とを区分する直線を第2直線としたときに、
    前記導電線の各々は、
    前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記アンテナ体近傍空間のうち前記第1直線を挟んで前記第1領域とは逆側の空間、または、前記アンテナ体近傍空間のうち前記第2直線を挟んで前記第1領域とは逆側の空間に設けられる、
    ことを特徴とする、請求項9または10に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  12. 前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1領域と前記第2領域とを区分する直線を第3直線とし、
    前記基準直線と直交するとともに、平面視したときに前記第1領域と前記第3領域とを区分する直線を第4直線としたときに、
    前記導電線の各々は、
    前記表示部に垂直な方向から見たときに、前記アンテナ体近傍空間のうち前記第3直線と前記第4直線との間の空間に設けられる、
    ことを特徴とする、請求項11に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  13. 前記第3直線に平行な方向を第1の方向とし、
    前記第1直線に平行な方向を第2の方向としたとき、
    前記表示部は、
    前記表示部に垂直な方向から見たとき、前記第1の方向に対して第1の幅を有するように延在するとともに、前記第2の方向に対して第2の幅を有するように延在し、
    前記アンテナ体は、
    前記表示部に垂直な方向から見たとき、前記第1の方向に対して第3の幅を有するように延在するとともに、前記第2の方向に対して第4の幅を有するように延在し、
    前記第1の幅は、前記第2の幅以上の広さを有し、
    前記第4の幅は、前記第3の幅以上の広さを有する、
    ことを特徴とする、請求項12に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
  14. 前記アンテナ体は、
    位置情報衛星からの電波を受信し、
    前記第3の幅または前記第4の幅のうち少なくとも一方は、
    前記位置情報衛星からの電波の波長に基づいて定められる、
    ことを特徴とする、請求項13に記載のアンテナ内蔵式電子時計。
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JP2017083229A (ja) * 2015-10-26 2017-05-18 シチズン時計株式会社 電波腕時計
TWI748585B (zh) * 2019-09-30 2021-12-01 瑞士商伊塔瑞士鐘錶製造公司 具有用於電源之無線充電的電子裝置之錶背蓋

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