JP5997997B2 - 建物用排水システム - Google Patents

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Description

この発明は建物用排水システムに関し、特にたとえば、建物内で生じた排水を公共下水道まで搬送する排水管を含む、新規な建物用排水システムに関する。
図12に示すように、従来、マンション等の建物1においては、各家庭のトイレ、台所および風呂などの排水器具から排出される排水を流す排水管2は、集合ます等を通じて敷地3内で合流されて1つの排水管2aとなり、地中を通って敷地3外の公共下水道4に接続される。
地震などの災害時に、公共下水道4が破損する等して使用できなくなった場合には、マンション等の建物1の排水系統がたとえ無事であったとしても、建物1内のトイレなどの排水器具を使用することができなくなり、生活に支障が出てしまう。そこで、このような非常時に対応できる建物用排水システムの開発が望まれるが、未だに提案されていない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、建物用排水システムを提供することである。
この発明の他の目的は、地震などの災害時に公共下水道が使用できなくなったときでも、トイレなどの排水器具を使用可能にすることができる、建物用排水システムを提供することである。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、建物内で生じた排水を公共下水道まで搬送する排水管を含み、災害時に公共下水道が使用できなくなったときでも、建物の排水器具を使用できるようにした建物用排水システムであって、排水管内の管路を開閉可能に排水管に設けられ、公共下水道が使用できなくなったときに管路を閉止する閉止部、閉止部より上流側の位置において排水管の管壁上部に設けられ、閉止部によって管路が閉止されたとき、当該閉止部によってせき止められた排水を公共下水道に排出することなくオーバーフローにより流出させる開口部、および開口部からオーバーフローした排水を貯留する非常用排水貯留槽を備える、建物用排水システムである。
第1の発明では、建物用排水システム(10)は、マンション(100)等の建物に適用され、トイレ等の排水器具から排出される排水を公共下水道(102)まで搬送する排水管(12,12a)を含む。排水管には、その内部管路を開閉可能に閉止する仕切弁などの閉止部(22,24)が設けられる。また、閉止部より上流側の排水管の管壁上部には、開口部(36)が設けられる。公共下水道が使用できない非常時には、閉止部によって管路が閉止される。閉止部でせき止められた排水は、開口部からオーバーフローによって流出し、公共下水道に排出される代わりに、非常用排水貯留槽(14)に排出されて、そこで一時的に貯留される。
第1の発明によれば、地震などの災害時に公共下水道が使用できなくなったときでも、非常用排水貯留槽の容量分は建物から排水を排出することができ、トイレなどの排水器具の使用を一定期間確保できる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、開口部は、非常用排水貯留槽の内部に配置され、開口部からオーバーフローした排水は、非常用排水貯留槽に対して直接排出される。
第2の発明では、排水管(12,12a)は、非常用排水貯留槽(14)の内部を通るように配管され、開口部(36)は、非常用排水貯留槽の内部に配置される。そして、非常時には、開口部からオーバーフローした排水は、非常用排水貯留槽に対して直接排出される。
第2の発明によれば、排水が開口部から非常用排水貯留槽に対して直接排出されるので、配管を別途設ける必要がなく、システムの構成が簡略化される。
第3の発明は、第1の発明に従属し、開口部は、非常用排水貯留槽の外部に配置され、開口部からオーバーフローした排水を非常用排水貯留槽に搬送する非常用排水管をさらに備える。
第3の発明では、排水管(12,12a)は、非常用排水貯留槽(14)の外部を通るように配管され、開口部(36)は、非常用排水貯留槽の外部に配置される。また、開口部からオーバーフローした排水を非常用排水貯留槽まで搬送する非常用排水管(40)をさらに備える。非常時には、開口部からオーバーフローした排水は、非常用排水管を介して非常用排水貯留槽に排出される。
第3の発明によれば、非常用排水貯留槽の設置位置を自由に設定できるので、排水管の配管経路に非常用排水貯留槽を設置することが難しい場合にも対応できる。
この発明によれば、地震などの災害時に公共下水道が使用できなくなったときでも、非常用排水貯留槽の容量分は建物から排水を排出することができ、トイレなどの排水器具の使用を一定期間確保できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の建物用排水システムの一実施例を概略的に示す図解図である。 図1の建物用排水システムの通常時における開口部付近の構成を示す図解図である。 図1の建物用排水システムの非常時における開口部付近の構成を示す図解図である。 この発明の建物用排水システムの他の実施例の非常時における開口部付近の構成を示す図解図である。 この発明の建物用排水システムのさらに他の実施例の非常時における開口部付近の構成を示す図解図である。 この発明の建物用排水システムのさらに他の実施例の非常時における開口部付近の構成を示す図解図である。 この発明の建物用排水システムのさらに他の実施例を示す図解図であり、(a)は開口部付近の構成を概略的に示す平面図であり、(b)は排水管の管軸方向から見た通常時における開口部付近の構成を示す断面図である。 この発明の建物用排水システムのさらに他の実施例を概略的に示す図解図である。 図8の建物用排水システムの非常時における開口部付近の構成を敷地排水管の管軸方向から見た様子を示す図解図である。 この発明の建物用排水システムのさらに他の実施例の非常時における開口部付近の構成を示す図解図である。 この発明の建物用排水システムのさらに他の実施例を概略的に示す図解図である。 従来の建物用排水システムの一例を概略的に示す図解図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である建物用排水システム10(以下、単に「システム10」と言う。)は、マンション100等の集合住宅に適用され、各家庭のトイレ等の排水器具(図示せず)から排出される排水を公共下水道102まで搬送する排水管12を含む。システム10は、詳細は後述するように、非常用排水貯留槽14(以下、単に「排水貯留槽14」と言う。)を備えており、公共下水道102が使用できない非常時には、排水貯留槽14に排水を貯留することによって、地震等の災害時にもトイレ等の排水器具を通常通り使用できるようにしている。
なお、この実施例では、マンション100等の集合住宅にシステム10を適用する場合を想定して説明するが、システム10は、トイレ等の排水器具を備える学校、役所、ホテルおよび戸建住宅などの建物全般に対して適用できる。
図1および図2に示すように、排水管12は、トイレ、台所、風呂、洗濯機および洗面台などの排水器具からの排水(汚水や雑排水)を流して公共下水道102まで導くものであり、たとえば硬質塩化ビニル製の管や継手などを適宜連結することにより形成される。各家庭の排水器具から延びる排水管12のそれぞれは、集合ます等を通じてマンション100の敷地104内で適宜合流されて1つの排水管(敷地排水管)12aとなり、所定の下り勾配で配管されて、敷地104外の公共下水道102に接続される。合流して1つになった排水管12a、つまり敷地排水管12aの内径は、マンション100の規模などに応じて適宜設定され、たとえば200mmである。
また、システム10は、マンション100の敷地104内の地下に埋設される排水貯留槽14を備える。排水貯留槽14は、中空の直方体状や円柱状などに形成される容器であって、敷地排水管12aの配管経路に設けられる。具体的には、排水貯留槽14の側壁14a上部には、対向する位置に2つの貫通孔16が形成され、敷地排水管12aは、2つ貫通孔16を介して排水貯留槽14の内部を通るように配管される。敷地排水管12aの外周面と貫通孔16の内周面との間には、止水用コーキング材などが適宜充填され、この間の水密性は確保される。
また、排水貯留槽14の天壁14bには、点検口18が設けられる。この点検口18は、後述する敷地排水管12aの開口部36の上方に位置するように設けられ、通常時には、鉄蓋などの防護蓋20によって閉じられる。また、図示は省略するが、排水貯留槽14の底部には勾配をつけておくとよく、その勾配下流側の天壁14bには、バキュームホースやポンプアップ配管を挿入するための点検口を設けておくとよい。これにより、排水貯留槽14に貯留された排水を取り除く際に、排水が1箇所に集まって排水を汲み上げ易くなる。ただし、バキュームホース等を挿入するための点検口は、点検口18とは別に設けられてもよいし、点検口18と兼用されてもよい。
なお、排水貯留槽14は、基本的にはコンクリート製であるが、その材質は特に限定されず、合成樹脂や金属などによっても形成できる。また、排水貯留槽14の大きさ(内容積)は、マンションの規模(戸数や敷地の大きさ)などに応じて適宜設定され、たとえば非常時にマンション100から排出される1−数日間分の排水を貯留できるように設定される。
また、敷地排水管12aには、排水貯留槽14の位置より下流側の部分において、その内部管路を開閉可能に閉止する閉止部22が設けられる。この実施例では、閉止部22として、弁体24の上下動により管路が開閉される仕切弁が用いられる。簡単に説明すると、閉止部(仕切弁)22は、縦管状の弁箱26を備え、弁箱26の下部には、敷地排水管12aと接続されるゴム輪受口や接着受口などの接続部28が設けられる。また、弁箱26の内部には、弁棒を介してハンドル30と接続される円盤状の弁体24が収納される。そして、ハンドル30が手動で回転操作されると、弁体24が上下動して管路が開閉される。ただし、仕切弁には、手動で開閉する手動弁だけでなく、電気的に開閉制御される電磁弁を用いることもできる。
また、閉止部22のハンドル30の周囲を覆うようにして、ピット32が設けられる。ピット32は、地上から閉止部22の開閉操作が可能なように、ハンドル30の周囲に空間を形成するためのものであり、円筒状や角筒状などに形成される。また、ピット32の上端開口には、鉄蓋などの防護蓋34が設けられる。なお、ピット32は、基本的にはコンクリート製であるが、その材質は特に限定されず、合成樹脂や金属などによっても形成できる。
さらに、敷地排水管12aには、閉止部22の上流側近傍の位置であって、排水貯留槽14の内部を通る部分において、開口部36が設けられる。開口部36は、敷地排水管12aの管壁上部から分岐する短管状に形成され、その内径は、たとえば200mmである。この実施例では、開口部36は、両端部に接着受口やゴム輪受口などの接続部を有する管本体と、管本体から直交する方向に分岐する短管部とを備えるT字型継手を敷地排水管12aに組み込むことによって設けられる。つまり、上流側の敷地排水管12aと下流側の敷地排水管12aとをT字型継手で接続することによって、敷地排水管12aの管壁上部に開口部36が設けられる。なお、T字型継手は、排水管12の一部であり、排水管12の他の部分と同じ材質、たとえば硬質塩化ビニルによって形成される。
また、開口部36の端部開口には、キャップ38が設けられる。このキャップ38は、通常時における開口部36からの臭気の漏れを防止するものであり、たとえばゴム輪付きのキャップが用いられる。
このようなシステム10では、通常時には、図2に示すように、閉止部22は開状態とされ、開口部36の端部開口は、キャップ38によって封止された状態(通常モード)とされる。この通常モードでトイレ等の排水器具が使用されると、その排水は、排水管12を通ってそのまま公共下水道102まで搬送される。この際、開口部36が敷地排水管12aの管壁上部に設けられていることから、排水の流れが開口部36によって阻害されることはない。
一方、図3に示すように、地震などの災害が発生する等して公共下水道102が使用できなくなった非常時には、排水器具からの排水は、公共下水道102に排出されずに、開口部36から排水貯留槽14内に排出され、そこで一時的に貯留される。
具体的に説明すると、非常時には、マンション100の管理人などの予め決定しておいた作業担当者が、ピット32の端部開口から手を差し入れて、閉止部22のハンドル30を回転させて弁体24を降下させ、閉止部22を閉状態とする(管路を閉止する)。また、排水貯留槽14の点検口18から手を差し入れて、開口部36のキャップ38を取り外す。なお、閉止部22を閉状態とすると共に、開口部36のキャップ38を取り外した後は、各防護蓋20,34は、元に戻しておくとよい。
閉止部22によって管路を閉止すると共に、開口部36からキャップ38を取り外した状態(非常モード)で、トイレ等の排水器具が使用されると、その排水は、排水管12を通って閉止部22の位置まで搬送されるが、閉止部22の弁体24によってその流れがせき止められる。弁体24でせき止められた排水によって、開口部36付近の敷地排水管12a内が満水状態になると、排水はオーバーフローによって開口部36から流出して、排水貯留槽14内に直接排出される。
このように、システム10では、閉止部22を閉状態にし、開口部36のキャップ38を取り外すという単純な作業を行うだけで、開口部36から排水をオーバーフローさせて、排水貯留槽14に貯留することができる。したがって、公共下水道102が使用できない非常時でも、排水貯留槽14の容量分は排水をマンション100から排出することができ、この期間は特別な設備や装置などを必要とすることなく、通常通りにトイレ等の排水器具を使用できる。
なお、トイレ等の排水器具に使用する際に必要となる水については、上水道が使用可能な場合には、上水道をそのまま利用するとよい。また、予め雨水や水道水などを貯水タンクに貯留してしおき、上水道が使用できない場合には、貯水タンクに貯留しておいた水を利用できるようにしておいてもよい。
また、公共下水道102が復旧したときには、閉止部22および開口部36のキャップ38は、元の状態に戻される。つまり、弁体24を上昇させて閉止部22を開状態にし、開口部36をキャップ38で封止するとよい。これによって、排水は、排水管12を通ってそのまま公共下水道102まで搬送されるようになる。また、排水貯留槽14に貯留された排水については、バキュームカーや電動ポンプ等を利用して取り除くようにするとよい。或いは、排水貯留槽14に対して公共下水道102に繋がる排出管を予め設けておき、排水を電動ポンプで排出管に排出して、自然流下で公共下水道102まで搬送するようにしてもよい。
以上のように、この実施例によれば、地震などの災害時に公共下水道102が使用できなくなったときでも、排水貯留槽14の容量分は建物から排水を排出することができ、トイレ等の排水器具の使用を一定期間確保できる。
また、排水貯留槽14が排水管12の開口部36からの排水を受けるように設けられ、排水が開口部36から排水貯留槽14に直接排出されるので、別途配管を設ける必要がなく、システム10の構成が簡略化される。
なお、上述の実施例では、敷地排水管12aに1つの開口部36を設けただけであるが、敷地排水管12aには、複数の開口部36を設けることもできる。たとえば、図4に示すように、複数(図4では2つ)のT字形継手を並べるようにして敷地排水管12aに組み込むことにより、敷地排水管12aに複数の開口部36を設けるとよい。これによって、排水の流量が多い場合にも、開口部36から排水貯留槽14に排水を確実に排出することができるので、敷地排水管12aの詰まりを防止できる。
また、上述の実施例では、T字型継手を用いて開口部36を形成したが、サドル型の分岐継手を接続することによって開口部36を形成することもできる。また、開口部36の形状は、特に限定されない。たとえば、開口部36は、必ずしも短管状に形成される必要はなく、図5に示すように、敷地排水管12aに形成される単なる開口(切欠き)であってもよい。この場合、開口部36は、楕円状の開口であってもよいし、矩形状の開口であってもよい。もちろん、複数の開口であってもよい。
さらに、上述の実施例では、敷地排水管12aの管壁天頂部に開口部36を形成しているが、開口部36は、管壁上半部に形成されていればよく、たとえば、敷地排水管12aの管壁の斜め上部に開口部36を設けることもできる。
さらにまた、上述の実施例では、ゴム輪付きのキャップ38を用いて開口部36を封止するようにしたが、キャップ38は、必ずしも設けられる必要はない。また、非常時には、作業担当者が手作業でキャップ38を取り外すようにしたが、これに限定されない。たとえば、キャップ38として、開口部36に被せるだけのゴム輪を有さないキャップを用い、非常時に排水をオーバーフローさせる際には、その排水の水圧で自然にキャップ38が外れて開口部36が開口するようにしてもよい。この場合には、キャップ38を予め鎖などで貯留槽14や開口部36などに連結しておき、キャップ38の落下を防止するようにしておくとよい。これによって、通常時における開口部36からの臭気の漏れを防止しつつ、非常時における作業担当者の作業負担を低減できる。
また、上述の実施例では、閉止部22を排水貯留槽14の外部に設けているが、閉止部22は、排水貯留槽14の内部に設けることもできる。排水貯留槽14内に閉止部22を設ける場合には、点検口18を利用して閉止部22の開閉操作を行うとよい。排水貯留槽14内に閉止部22を設けることによって、開口部36のより近傍位置に閉止部22を設けることができるようになる。閉止部22と開口部36との間の距離が長くなると、非常時に排水で満たされる部分が長くなるので、復旧時に排水管12が詰まったままとなってしまう恐れがあるが、閉止部22を開口部36の近傍位置に設けることにより、その恐れはなくなる。ただし、排水貯留槽14内に閉止部22を設ける場合、排水貯留槽14内に排水が充満すると、閉止部22も排水に浸かってしまい、閉止部22が動作不良を起こす可能性があるので注意を要する。
さらに、上述の実施例では、閉止部22として仕切弁(ゲートバルブ)を用いたが、閉止部22は、通常時の排水の流れを妨害することなく、排水管12内の管路を開閉可能に閉止できるものであれば、その態様は特に限定されない。たとえば、図6に示すように、閉止部22として止水栓(止水プラグ)や土のう等を用いて、排水管12内の管路を開閉可能に閉止することもできる。閉止部22として止水栓等を用いる場合には、たとえば、通常時は、止水栓等を別の場所に保管しておき、非常時に、開口部36から止水栓等を挿入して、下流側の敷地排水管12a内に止水栓等を嵌め込むように装着するとよい。止水栓としては、たとえば、合成樹脂製であって、敷地排水管12aの内周面に沿う外周面を有し、その外周面にOリング等が装着されたものを用いるとよい。
また、この発明の他の実施例として、図7に示すように、排水貯留槽14にその上部から傍出する浅底の小空間14cを形成し、その小空間14c内に開口部36を配置することもできる。具体的には、排水貯留槽14には、その上部から側方に突出するように、直方体状の小空間14cが形成される。小空間14cは、排水貯留槽14の内部空間の他の部分より浅底にされ、小空間14cの底面は傾斜面とされる。また、敷地排水管12aは、小空間14c内を貫通するように配管され、小空間14c内を通る部分において、開口部36が形成される。なお、小空間14c内には、開口部36と共に、図2に示すような閉止部(仕切弁)22を配置することもできる。
このように、排水貯留槽14に浅底の小空間14cを形成し、その小空間14cに開口部36を配置することにより、点検口18から開口部36のキャップ38を着脱する際などに、作業担当者が点検口18から排水貯留槽14内に誤って落ちてしまう等の危険を回避できる。
続いて、図8および図9を参照して、この発明の他の実施例であるシステム10について説明する。上述の実施例ではいずれも、排水管12に設けられる開口部36から排水貯留槽14に対して排水が直接排出されるようにしたが、図8に示す実施例では、排水貯留槽14の外部に開口部36が形成されると共に、非常時に開口部36からオーバーフローした排水を排水貯留槽14まで搬送する非常用排水管40をさらに備える点が異なる。以下、図8および図9を参照して具体的に説明するが、上述の実施例と同様の部分については、同じ参照番号を用い、その説明を省略或いは簡略化する。
図8および図9に示すように、この実施例のシステム10は、トイレなどの排水器具からの排水を流して公共下水道102まで導く排水管12を含み、排水管12の配管経路から離れた敷地104内の地下には、排水貯留槽14が埋設される。ただし、敷地排水管12aは、排水貯留槽14の近くを通るように配管されることが好ましい。
また、排水管12が集合ます等を通じて1つに合流された敷地排水管12aには、その内部管路を開閉可能に閉止する閉止部(仕切弁)22が設けられる。そして、閉止部22のハンドル30の周囲を覆うようにして、ピット32が設けられ、ピット32の上端開口には、鉄蓋などの防護蓋34が設けられる。
さらに、閉止部22の上流側近傍の位置において、敷地排水管12aの管壁上部には、開口部36が設けられる。この開口部36には、非常用排水管40が接続される。非常用排水管40は、たとえば硬質塩化ビニル製であり、その下流側端部は、排水貯留槽14の上部に接続される。非常用排水管40の内径は、たとえば200mmである。
この実施例では、通常時には、閉止部22は開状態とされる。この通常モードでトイレ等の排水器具が使用されると、その排水は、排水管12を通ってそのまま公共下水道102まで搬送される。この際、開口部36が排水管12の管壁上部に設けられていることから、排水の流れが開口部36によって阻害されることはない。
一方、公共下水道102が使用できなくなった非常時には、閉止部22が閉状態とされる。すると、トイレ等の排水器具からの排水は、排水管12を通って閉止部22の位置まで搬送されるが、閉止部22によってその流れがせき止められる。そして、開口部36付近の敷地排水管12aが満水状態になると、図9に示すように、排水はオーバーフローによって開口部36から流出して、非常用排水管40を通って排水貯留槽14内に排出される。
図8に示す実施例によれば、閉止部22を閉状態にするという単純な作業を行うだけで、開口部36から排水をオーバーフローさせて、排水貯留槽14に貯留することができる。したがって、地震などの災害時に公共下水道102が使用できなくなったときでも、排水貯留槽14の容量分は建物から排水を排出することができ、トイレ等の排水器具の使用を一定期間確保できる。
また、図8に示す実施例によれば、排水貯留槽14の設置位置を自由に設定できるので、排水管12の配管経路に排水貯留槽14を設置することが難しい場合(たとえば、排水管12の配管経路に排水貯留槽14の設置スペースがない場合)にも対応できる。
なお、図8に示す実施例では、開口部36に対して非常用排水管40を直接接続するようにしたが、これに限定されない。たとえば、開口部36の周囲を覆うようにピットを設け、開口部36からオーバーフローした排水をピットで受けるようにする。そして、ピット底部と排水貯留槽14とを非常用排水管40で接続して、ピットで受けられた排水を非常用排水管40によって排水貯留槽14まで搬送するようにすることもできる。
また、この発明の他の実施例として、図10に示すように、開口部36の上流側において、ドロップ桝42を設ける等して、敷地排水管12aに段差部44を形成しておくこともできる。段差部44の高さは、たとえば敷設排水管12aの内径と同程度とされる。このように、敷地排水管12aに段差部44を形成しておくことによって、排水をオーバーフローさせるときに、上流側への排水の逆流を段差部44で防ぐ、つまり敷地排水管12a内に滞留する排水の量を減らすことができ、臭いを抑制することができる。
さらに、この発明の他の実施例として、図11に示すように、排水貯留槽14に対して満水時用のオーバーフロー管46を設けることもできる。満水時用のオーバーフロー管46は、その上流側端部が排水貯留槽14の上部に接続され、所定勾配で公共下水道102まで配設されて、その下流側端部が公共下水道102に接続される。このような満水時用のオーバーフロー管46を排水貯留槽14に設けておくことによって、万が一、非常時に排水貯留槽14の容量を超える排水が排出されたとしても、満水時用のオーバーフロー管46を介して公共下水道102に排水を逃がすことができる。これにより、敷地104内の排水管12に排水が逆流して、排水管12が詰まってしまうことを防止できる。なお、満水時用のオーバーフロー管46を備える排水貯留槽14は、上述の各実施例のシステム10のいずれにも適用可能である。
なお、システム10は、排水貯留槽14や非常用排水管40などを地下に設ける必要があるので、マンション等の建物の新設時に予め施工しておくことが好ましいが、既設のマンションに追加的に施工することもできる。
また、上述の各実施例では、1つの排水貯留槽14を設けるようにしたが、複数の排水貯留槽14を設けるようにしてもよい。この場合には、1つの排水貯留槽14が満水になったときに、他の排水貯留槽14に切り替えて排水を貯留するようにするとよい。
さらに、汚水管および雑排水管が1つに合流されて公共下水道102に接続される場合だけでなく、汚水管と雑排水管とが別々に公共下水道102に接続される場合にもシステム10を適用できる。この場合には、たとえば、汚水管および雑排水管のそれぞれに開口部36を設けるとよい。各開口部36から流出した排水は、1つの排水貯留槽14に共通して貯留するようにしてもよいし、2つの排水貯留槽14に個別に貯留するようにしてもよい。また、たとえば、汚水管に開口部36を設けて、汚水のみを排水貯留槽14に貯留するようにしてもよい。これによって、非常時に必要性の高いトイレを少なくとも使用可能とすることもできる。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …建物用排水システム
12,12a …排水管
14 …非常用排水貯留槽
22 …閉止部
36 …開口部
40 …非常用排水管
100 …マンション
102 …公共下水道

Claims (3)

  1. 建物内で生じた排水を公共下水道まで搬送する排水管を含み、災害時に前記公共下水道が使用できなくなったときでも、前記建物の排水器具を使用できるようにした建物用排水システムであって、
    前記排水管内の管路を開閉可能に前記排水管に設けられ、前記公共下水道が使用できなくなったときに前記管路を閉止する閉止部、
    前記閉止部より上流側の位置において前記排水管の管壁上部に設けられ、前記閉止部によって前記管路が閉止されたとき、当該閉止部によってせき止められた排水を前記公共下水道に排出することなくオーバーフローにより流出させる開口部、および
    前記開口部からオーバーフローした排水を貯留する非常用排水貯留槽を備える、建物用排水システム。
  2. 前記開口部は、前記非常用排水貯留槽の内部に配置され、
    前記開口部からオーバーフローした排水は、前記非常用排水貯留槽に対して直接排出される、請求項1記載の建物用排水システム。
  3. 前記開口部は、前記非常用排水貯留槽の外部に配置され、
    前記開口部からオーバーフローした排水を前記非常用排水貯留槽に搬送する非常用排水管をさらに備える、請求項1記載の建物用排水システム。
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