JP5997984B2 - 磁気共鳴イメージング装置及びマルチエコー計測方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びマルチエコー計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRIと略記する)に関し、特に、RFプリパルスの印加を伴うマルチエコー計測により得られる複数画像に対する該RFプリパルスの効果を制御する技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置において、スピン励起用のRFパルス(以下、励起RFパルスと略記する)の照射前に印加されるRFパルスであるRFプリパルスによって、画像において組織毎にコントラストを変化させることが可能である。このRFプリパルスには、例えば、CHESS(CHEmical Shift Selective)パルス、IR(Inversion Recovery)パルス、或いは、MTC(Magnetization Transfer Contrast)パルスがある。
CHESSパルスは、脂肪と水の共鳴周波数の違い(以下化学シフト)を利用して、脂肪の共鳴周波数に一致した狭いバンド幅のRFパルスを印加することにより、脂肪の縦磁化を消失させる。IRパルスは、組織ごとのT1回復の違いを利用して、磁化を180度反転させるRF波を印加しスピン励起RF波照射のタイミングを操作することで、組織ごとに異なるコントラストを得る。MTCパルスは、磁化移動を利用して、高分子の共鳴周波数幅の中で自由水の共鳴周波数幅から大きく離れたバンド幅のRF波を印加することで、高分子を含んだ脳実質などの信号を低下させ、信号低下のない血管などとのコントラストを得る。
また、上記MRI装置において、1度の励起RFパルスの照射後、エコー時間(以下、TEと略記する)の異なる複数のエコーを計測(マルチエコー計測)し、1回の撮像でコントラストの異なる複数の画像を得るマルチエコーシーケンスがある。このマルチエコーシーケンスには、例えば、グラディエントエコー系(以下GE系)のシーケンスでは、通常のシングルエコー撮像と同じ周波数エンコードパルス印加後に、磁場極性を反転させた周波数エンコードパルスを印加し、これをエコー数だけ繰り返す。また、スピンエコー系(以下SE系)のシーケンスでは、通常のシングルエコー撮像と同じ周波数エンコードパルス印加後に、磁化を180度反転させるRFパルスを印加し、再度周波数エンコードパルスを印加し、これをエコー数だけ繰り返す。
また、ファストスピンエコー系(以下FSE系)のシーケンスでは通常のシングルエコー撮像と同じエコートレイン実施後に、再度エコートレインを実施し、これをエコー数だけ繰り返す。また、エコープラナーイメージング法(以下EPI法)のシーケンスでは通常のシングルエコー撮像と同じエコートレイン実施後に、GE系EPI法のシーケンスでは再度エコートレインを実施し、これをエコー数だけ繰り返し、SE系EPI法のシーケンスでは磁化を180度反転させるRFパルスを印加し、再度エコートレインを実施し、これをエコー数だけ繰り返す。
また、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、RFプリパルスの印加頻度を位相エンコードのk空間データ領域位置に応じて変更し、撮像時間の短縮を図る技術が開示されている。
特開平07-088099号公報 特開2001-170023号公報 特開2004-024783号公報
上記各特許文献に開示された技術をマルチエコー計測に適用しても、全てのエコーに対して、RFプリパルスの効果が同様となってしまい、エコー毎(つまり、各エコーに基づく画像毎に)にRFプリパルスの効果を異ならせることができず、エコー毎にコントラストの異なる画像を得ることができないと考えられる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を鑑みてなされたものであり、MRI装置におけるマルチエコー計測において、RFプリパルスの効果をエコー毎(つまり画像毎)に選択的に与え、各エコーから得られる画像をそれぞれ異なるコントラストで取得することである。
上記課題を解決する本発明は、RFプリパルスの印加を伴うRFプリパルス部と、マルチエコーシーケンスを用いて複数のエコーを計測する本計測部と、を組み合わせたパルスシーケンスを用いて、被検体から複数のエコーの計測し、複数のエコーの各々に対応する複数の画像を再構成する際に、複数のエコーの各々に対応する複数のk空間データ領域を確保し、複数のk空間データ領域を各々複数の分割領域に分割し、複数のk空間データ領域の間で分割領域の計測順序を異ならせるようにエンコード順序を決定し、少なくとも一部の分割領域に充填するエコーデータの計測の際に、RFプリパルス部を実行するようにパルスシーケンスを設定することで、RFプリパルスの効果が異なる複数の画像を再構成することを特徴とする。
本発明によれば、MRI装置におけるマルチエコー計測において、RFプリパルスの効果をエコー毎(つまり画像毎)に選択的に与え、各エコーから得られる画像をそれぞれ異なるコントラストで取得することが可能になる。したがって、一回の撮像でRFプリパルスの効果の異なる複数の画像を得ることが可能になる。
本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図 本発明MRI装置の表示部に表示されたGUIの一例を示す図 (a)図は、本発明の実施例1における、3次元k空間データ領域の内のky-kz平面、及び、k空間データ領域の分割と各分割領域におけるエコーデータの充填順序を示す図。(b)図は、本発明の実施例2における、2次元k空間データ領域、及び、k空間データ領域の分割と各分割領域におけるエコーデータの充填順序を示す図 本発明の実施例1において実行されるパルスシーケンスのシーケンスチャート 本発明の実施2において実行されるky座標の充填順序を示す図 本発明の実施2において実行されるパルスシーケンスのシーケンスチャート 本発明の演算処理部が有する機能ブロック図 本発明の実施例1,2の処理フローを示すフローチャート
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施例について詳説する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体116の断層画像を得るもので、図1に示すように、ガントリ101は静磁場コイル102と、傾斜磁場コイル103と、照射コイル104と、受信コイル105と、を備えて構成される。
静磁場コイル102は、超伝導コイル常伝導コイル、或いは永久磁石を用いて構成され、被検体116に静磁場を与える。
傾斜磁場コイル103は、被検体116に互いに直行するX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を与える。
照射コイル104は、被検体116の生体組織を構成する原子の原子核にNMR現象を起こさせるRFパルスを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する。このNMR現象により放出されるエコーを受信コイル105が受信する。
傾斜磁場コイル103は、X軸傾斜磁場電源108、Y軸傾斜磁場電源109、Z軸傾斜磁場電源110により、照射コイル104は送信系107により、受信コイル105は受信系106によりそれぞれ駆動される。
X軸傾斜磁場電源108、Y軸傾斜磁場電源109、Z軸傾斜磁場電源110および送信系107は計測制御部112によって駆動され、所定のパルスシーケンスに従って傾斜磁場およびRFパルスを発生させる。
受信系106は演算処理部111により駆動され、エコーの受信と得られたエコーのデジタルデータであるエコーデータを演算処理部111へ送信する。
計測制御部112は演算処理部111により駆動され、操作者が設定した撮像パラメータに基づくパルスシーケンスを実行する。パルスシーケンスにおける傾斜磁場は初めSlice、Phase、Frequencyの論理軸で作成し、X、Y、Zの物理軸に変換して各軸の傾斜磁場電源を制御する。論理軸における傾斜磁場は、それぞれ時間を横軸にとると主に台形の形状をしたパルスである。
演算処理部111は計測制御部112の駆動・制御と、k空間データ(k空間データ領域)113へのエコーデータの充填順序の決定と、受信系105で検出したエコーデータのk空間データ領域113への保存と、k空間データ領域113を用いた画像再構成演算を行う信号処理と、操作卓115への返信とを行う。
操作卓115は表示部114にグラフィカルユーザーインターフェース(以下GUIと称する)を表示し操作者からの入力を受け付け、操作者が撮像開始または停止の入力をした際には演算処理部111を駆動し撮像のコントロールを行う。
図2に表示部114に表示されるGUIを示す。GUIは、患者情報表示領域201、図形操作による撮像パラメータ設定入力領域202、値の入力による撮像パラメータ設定入力領域203、撮像コントロール領域204により構成される。撮像パラメータ設定入力領域203は、マルチエコー数、マルチエコーシーケンスにおける各TE、RFプリパルスの印加有無と種類を設定する。
(本発明の特徴)
本発明は、RFプリパルスの印加を伴うマルチエコーシーケンスを用いたマルチエコー計測において、同一ショットで計測される各エコーへのRFプリパルスの効果がエコー間で異なるように、k空間データ領域へのエコーデータの配置順序をエコー間で異ならせる。そのためには、同一ショットで計測される各エコーに印加するエンコードをエコー間で異ならせる。
具体的には、RFプリパルスの印加を伴うRFプリパルス部と、マルチエコーシーケンスを用いて複数のエコーを計測する本計測部と、を組み合わせたパルスシーケンスを用いて、被検体から複数のエコーの計測し、複数のエコーの各々に対応する複数の画像を再構成する際に、複数のエコーの各々に対応する複数のk空間データ領域を確保し、複数のk空間データ領域を各々複数の分割領域に分割し、複数のk空間データ領域の間で分割領域の計測順序を異ならせるようにエンコード順序を決定し、少なくとも一部の分割領域に充填するエコーデータの計測の際に、RFプリパルス部を実行するようにパルスシーケンスを設定することで、RFプリパルスの効果が異なる複数の画像を再構成する。
(本発明に係る機能ブロック図)
本発明のマルチエコー計測方法を実現するための演算処理部114の各機能を、図7に示す機能ブロック図に基づいて説明する。本発明に係る演算処理部114は、k空間データ領域確保部701と、k空間データ領域分割部702と、エンコード順序決定部704と、パルスシーケンス設定部706と、k空間データ領域配置部707と、画像再構成部708と、を有して成る。
k空間データ領域確保部701は、操作者により設定入力された撮像パラメータに基づいて、マルチエコー計測において同一ショットで計測されるエコー数と同数のデータ配置空間であるk空間データ領域113をメモリ内に確保する。つまり、エコー毎にk空間データ領域が確保される。各k空間データ領域は、2次元撮像であればk空間データ領域のky方向を位相エンコード数とし、kx方向を周波数エンコード数とする2次元データ配置空間であり、3次元撮像であればさらにkz方向をスライスエンコード数とする3次元データ配置空間となる。エコー毎のk空間データ領域の、該エコーに付与されたエンコード情報に対応する位置(つまりメモリアドレス)に、該エコーのデジタルデータ(エコーデータ)が配置される。
なお、複数エコーの内から、RFプリパルスの効果の反映に係るエコーを選択することも可能である。
以下、RFプリパルスの効果の反映に係るn(n=1,2,3,・・・)番目のエコーである第(n)エコーに対応するk空間データ領域を第(n)k空間データ領域という。
k空間データ領域分割部702は、操作者により設定入力された撮像パラメータ及びRFプリパルスの種類に応じて、同一ショットで計測される複数エコーの内で、該RFプリパルスの効果を反映させるエコーに対応するk空間データ領域を、原点を含む低周波領域とそれ以外の高周波領域の2つに分割する。他のk空間データ領域も同様に低周波領域と高周波領域の2つに分割する。或いは、また、セグメント計測の場合には、k空間データ領域のエンコード方向正負の各領域を同一ショットで計測されるエコー数と同数の等間隔領域(セグメント)に分割する。
低周波領域は、k空間データ領域の原点を含み、RFプリパルスの効果が画像に充分反映される範囲とする。例えば、2次元k空間データ領域であればその原点を囲む菱形、四角形、円、或いは楕円の領域とすることができる。k空間データ領域における高周波領域は、設定された低周波領域を囲む外側(高域側)の領域となる。
なお、一つのエコーに対応するk空間データ領域において低周波領域のエコーデータを計測中には、他のエコーに対応するk空間データ領域では高周波領域のエコーデータを計測することになるので、低周波領域のエコーデータ数と高周波領域のエコーデータ数とは基本的には同一にされる。
エンコード順序決定部704は、k空間データ領域分割部702で分割された各k空間データ領域の各分割領域の計測順序と各分割領域内でのエコーデータの計測順序を決定する。具体的には、RFプリパルスの効果を反映させるエコーに対応するk空間データ領域の低周波領域を最初に計測する場合には、該k空間データ領域の高周波領域をその後に計測することになる。そして、低周波領域内と高周波領域内の各エコーデータの計測順序をそれぞれ決定する。最後に、決定した低周波領域内と高周波領域内の各エコーデータの計測順序を実現するためのエンコード順序を、同一ショットで計測されるエコー毎に決定する。
また、セグメント計測の場合には、各セグメントの計測順序とセグメント内のエコーデータの計測順序を決定し、決定した核セグメントのエコーデータの計測順序を実現するためのエンコード順序を、同一ショットで計測されるエコー毎に決定する。
パルスシーケンス設定部706は、本発明に係るパルスシーケンスは、RFプリパルスの印加を含むRFプリパルス部と、マルチエコーシーケンスを実行してマルチエコーの計測を行う本計測部とを有して成る。そこで、操作者が設定した撮像パラメータや、RFプリパルス及びマルチエコーシーケンスの種類に応じて、該RFプリパルスの印加を含むRFプリパルス部と、該マルチエコーシーケンスを実行する本計測部の制御データをそれぞれ生成して、計測制御部112に通知する。具体的には、RFプリパルス部のRFプルパルスを本計測部に先行して印加するための該RFプリパルスや傾斜磁場パルスの制御データを生成する。また、本計測部のマルチエコーパルスシーケンスで印加されるRFパルスや傾斜磁場パルスの制御データを生成する。特に、マルチエコーシーケンスの各エコーに付与するエンコード順序をエンコード順序決定部704で決定された順序となるように、エンコード用の傾斜磁場パルスの制御データを生成する。
k空間データ領域配置部707は、計測制御部112から通知された各エコーデータを、該エコーデータに対応するk空間データ領域における該エコーデータに付与されたエンコード情報に対応する位置に配置(充填)する。そして、この処理を、エコー毎に繰り返すことで、エコー毎のk空間データ領域がそれぞれエコーデータで全て充填されることになる。
画像再構成部708は、k空間データ領域配置部707を介してエコーデータが満たされたk空間データ領域に対してフーリエ変換を施して画像を再構成し、再構成した画像を表示部114に表示する。これを、k空間データ領域毎に繰り返すことで、エコー毎のコントラストが異なる画像が再構成され、表示されることになる。
以下、本発明の各実施例を詳細に説明する。
次に、本発明のMRI装置及びマルチエコー計測法の実施例1を説明する。本実施例1は、RFプリパルスとしてMTCパルスを用いてマルチエコー計測を行い、エコー毎のk空間データ領域をそれぞれ複数に分割する。そして、第1k空間データ領域の低周波領域と第2k空間データ領域の高周波領域のエコーデータをMTCパルスの印加を伴う同一ショットで計測する。他方、第1k空間データ領域の高周波領域と第2k空間データ領域の低周波領域のエコーデータをMTCパルスの印加をせずに同一ショットで計測する。このような計測順序となるとように、各エコーに付与するエンコードが決定される。以下、本実施例1を詳細に説明する。
以下、エコー数が2のマルチエコー3次元計測を例にして本実施例1を説明するが、本実施例1はエコー数が2に限定されない。エコー数が3以上の場合には、3エコーの内の任意の2エコーに対して本実施例1を適用すればよい。また、2次元計測でもよい。以下、このような2エコーの内の最初のエコーを第1エコーといい、後のエコーを第2エコーという。また、第1エコー用のk空間データ領域を第1k空間データ領域、第2エコー用のk空間データ領域を第2k空間データ領域という。
そして、本実施例1は、第1エコーにMTCパルスの効果を反映し、第2エコーにはMTCパルスの効果を反映させないように、各k空間データ領域の分割と、各分割領域へのエコーデータの配置順序を決定する。
(実施例1のk空間データ領域の分割)
最初に、k空間データ領域分割部702が行う3次元k空間データ領域の分割について説明する。本実施例1は、ky軸とkz軸方向の両端点を各頂点としkx軸に平行な軸を有する菱形の柱状領域を低周波領域とし、その菱形柱状領域の外側を高周波領域として、k空間データ領域を分割する。具体的には、ky-kz平面座標(ky、kz)に対して、低周波領域Rである菱形柱状領域を式で表すと以下である。
Figure 0005997984
図3(a)に分割例を示す。図3(a)の例は、第1k空間データ領域113-1を内側(白色部分)の菱形柱状の低周波領域303とその外側(灰色部分)の高周波領域302とに分割し、第2k空間データ領域を内側(灰色部分)の菱形柱状の低周波領域305とその外側(白色部分)の高周波領域306とに分割している。
そして、第1エコーデータの第1k空間データ領域への充填順序と第2エコーデータの第2k空間データ領域への充填順序とが異なるように、つまり、同一ショット内で、低周波領域303の第1エコーデータの後に高周波領域306の第2エコーデータが計測され、高周波領域302の第1エーデータの後に低周波領域305の第2エコーデータが計測されるように、第1、2エコーデータのエンコード順序がそれぞれ決定される。
そして、第1k空間データ領域において、低周波領域303のエコーデータはMTCパルスを印加して取得され、高周波領域302のエコーデータはMTCパルスを印加せずに取得される。従って、第1k空間データ領域の低周波領域303のエコーデータと同一ショットで計測される第2k空間データ領域の高周波領域306のエコーデータはMTCパルスを印加して取得され、第1k空間データ領域の高周波領域302のエコーデータと同一ショットで計測される第2k空間データ領域の低周波領域306のエコーデータはMTCパルスを印加せずに取得される。この結果、画像コントラストに影響する低周波領域へのMTCパルス効果の反映は、第1k空間データ領域においてのみ実現されることになるので、第1エコー及びその画像にMTCパルスの効果が反映され、第2エコー及びその画像にMTCパルスの効果を反映させないことになる。
(実施例1のエコーデータの計測順序)
次に、エンコード順序決定部704が決定するエコーデータの計測順序について説明する。
ky-kz平面座標(ky、kz)に対して、シーケンスパターンの繰り返し数iにおける第1エコーデータの充填座標F1(i)は下式で求められる。ただし、位相エンコード数をPhase#、スライスエンコード数をSlice#、中心点を(ky、kz)=(0、0)、−Phase#/2≦ky<Phase#/2、−Slice#/2≦kz<Slice#/2、0≦i<Slice#×Phase#、Intは割り算の商を返す関数、Modは割り算の剰余を返す関数とする。
Figure 0005997984
また、第2エコーデータに関しては、ky-kz平面座標(ky、kz)に対して、シーケンスパターンの繰り返し数iにおける充填座標F2(i)は下式で求められる。
Figure 0005997984

図3(a)に示すk空間データ領域の例では、第1エコーデータの配置順序は、ky-kz平面の左上端(高周波領域の一端)の点301を開始点としてky方向に充填され、kyの端まで充填されたらkz方向に移動する。これを3次元k空間データ領域がエコーデータで満たされるまで繰り返す。一方、第2エコーデータの配置順序は、ky-kz平面の中心点304を開始点としてky方向に充填し、kyの端まで充填されたらkz方向に移動する。これを3次元データ領域が充填されるまで繰り返す。
(実施例1の処理フロー)
次に、前述の各機能部が連携して行なう本実施例1の処理フローを図8に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして記憶部117に記憶されており、演算処理部111が記憶部116からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。以下、各処理ステップの処理内容を詳細に説明する。
ステップ801で、操作者は、撮像パラメータ設定入力領域203にて撮像パラメータを入力設定する。例えば、3D撮像、グラディエントエコー系シーケンス、エコー数が2、周波数エンコード数が256、位相エンコード数が64、スライスエンコード数が64、RFプリパルスにMTCが設定入力されるものとする。ただし、本実施例1はこれらの撮像パラメータに限らず、エコー数が2以上のマルチエコーであり、少なくとも1つ以上のRFプリパルスが印加されれば良い。
ステップ802で、k空間データ領域確保部701は、ステップ801で入力設定された撮像パラメータに基づいて、メモリ内に256×64×64のk空間データ領域を2つ確保し、第1エコーデータ用に第1k空間データ領域113-1、第2エコーデータ用に第2k空間データ領域113-2とする。確保された各k空間データ領域の例を図3(a)に示す。図3(a)は、3次元k空間データ領域の内のky-kz面のみを示しており、kx軸はこのky-kz平面に垂直な方向となる。
ステップ803で、k空間データ領域分割部702は、ステップ802で確保された2つのk空間データ領域を分割する。つまり、図3(a)に示すように、第1k空間データ領域を低周波領域303と高周波領域302に、第2k空間データ領域を低周波領域305と高周波領域306とに、それぞれ分割する。詳細は前述したとおりである。
ステップ804で、エンコード順序決定部704は、ステップ803で分割された各k空間データ領域の各分割領域に配置するエコーデータの計測順序をエコー毎に決定する。詳細は前述したとおりである。
ステップ805で、パルスシーケンス設定部706は、ステップ801で入力設定された撮像パラメータに基づいて、RFプリパルス部と本計測部のパルスシーケンスの制御データを生成して計測制御部112に通知する。特に、本計測部のマルチエコーシーケンスで計測される各エコーのエンコード順序がステップ804で決定されたエンコード順序となるように、エコー毎に位相エンコード傾斜磁場パルスの印加量の制御データを生成する。RFプリパルス部と本計測部とから成るパルスシーケンスの詳細は後述する。
ステップ806で、計測制御部112は、ステップ805で生成され通知されたパルスシーケンスの制御データに基づいて、マルチエコー計測のパルスシーケンスを実行し、計測したエコーデータをk空間配置部707に通知する。k空間配置部707は、通知されたエコーデータを、該エコーデータの計測順位と付与されたエンコード情報とに基づいて、対応するk空間データ領域の対応位置に配置する。
ステップ807で、画像再構成部708は、ステップ806でエコーデータが充填された各k空間データ領域のデータに対して、フーリエ変換を施して画像を再構成し、再構成した画像を表示部114に表示する。画像のコントラストを決めるのに重要な低周波成分について、第1エコーの画像の低周波成分にはMTCパルスが印加されているため、第1エコーの画像にはMTC効果が表れる。一方、第2エコーの画像の低周波成分にはMTCパルスが印加されていないため、第2エコーの画像にはMTC効果が表れない。
以上迄が本実施例1の処理フローの説明である。
(実施例1のパルスシーケンス例)
次に、上記ステップ805で実行される本実施例1のパルスシーケンスであって、RFプリパルス部と本計測部とから成るパルスシーケンスの一例を図4に基づいて説明する。図4は本実施例1のパルスシーケンスのシーケンスチャートである。横軸が時間であり、照射コイル104が照射するRFパルスおよび受信コイル105が受信するエコーをRF/Signal軸401で示す。また、論理軸のSliceに印加する傾斜磁場パルスをGs軸402、Phaseに印加する傾斜磁場パルスをGp軸403、Frequency軸に印加する傾斜磁場パルスをGf軸404に示す。
RFパルス406は励起RFパルスである。RFパルス405は、励起RFパルス照射前に印加されるRFプリパルスであるMTCパルスであり、第1k空間データ領域におけるエコーデータの充填位置が、MTCパルスの印加に該当する低周波領域303内である場合にはMTCパルスが印加されてエコーデータが計測され、MTCパルスの印加に該当しない高周波領域302内である場合にはMTCパルスが印加されない。
傾斜磁場パルス407は励起RFパルス406が励起されるスライスを設定する傾斜磁場パルス(以下スライス選択パルスと称する)である。傾斜磁場パルス408は励起RFパルス406の中心からスライス選択パルス407によって分散された位相を再収束させる傾斜磁場パルス(以下スライスリフォーカスパルスと称する)である。傾斜磁場パルス409は第1エコーに対してスライス方向にエンコードを行う傾斜磁場パルス(以下スライスエンコードパルス1と称する)であり、第1k空間データ領域113-1のkz軸方向の充填位置に対応した位相エンコードを行う。傾斜磁場パルス410は位相方向に位相エンコードを行う傾斜磁場パルス(以下位相エンコードパルス1と称する)であり、第1k空間データ領域113-1のky軸方向の充填位置に対応したエンコードを行う。
傾斜磁場パルス412は周波数のエンコードを行う傾斜磁場パルス(以下周波数エンコードパルスと称する)であり、傾斜磁場パルスの中心時間が励起RFパルス406の中心からTE離れた時間となるように印加する。傾斜磁場パルス411は周波数エンコードパルス412の中心にて位相が再収束するために、周波数エンコードパルス412の前に位相を分散させる傾斜磁場パルス(以下周波数ディフェイズパルスと称する)である。エコー413は第1エコーである。
傾斜磁場パルス414は第2エコーに対してスライス方向の位相エンコードを行う傾斜磁場パルス(以下スライスエンコードパルス2と称する)であり、第2k空間データ領域113-2のkz軸方向の充填位置に対応したエンコードを行う。傾斜磁場パルス415は位相方向の位相エンコードを第1エコーから変更するための傾斜磁場パルス(以下位相エンコードパルス2と称する)であり、位相エンコードパルス1と位相エンコードパルス2とを合わせて第2k空間データ領域113-2のky軸方向の充填位置に対応したエンコードを行う。傾斜磁場パルス417は第2エコーに対して周波数のエンコードを行う傾斜磁場パルス(以下周波数エンコードパルス2と称する)であり、傾斜磁場パルスの中心時間が励起RFパルス406の中心からTE2離れた時間となるように印加する。
傾斜磁場パルス416は周波数エンコードパルス印加後の分散した位相が、周波数エンコードパルス2の中心にて位相が再収束するために、周波数エンコードパルス2の前に位相を分散または収束させる傾斜磁場パルス(以下周波数ディフェイズパルス2と称する)である。エコー418は第2エコーである。
スライスエンコードパルス1の傾斜磁場印加面積SliceArea1は下式で求められる。
Figure 0005997984
位相エンコードパルス1の傾斜磁場印加面積PhaseArea1は下式で求められる。
Figure 0005997984
スライスエンコードパルス2の傾斜磁場印加面積SliceArea2は下式で求められる。
Figure 0005997984
位相エンコードパルス2の傾斜磁場印加面積PhaseArea2は下式で求められる。
Figure 0005997984
なお、上記説明では、スライスリフォーカスパルスとスライスエンコードパルスを別々に印加する形態としたが、両者を組み合わせて1つのパルスとして印加しても良い。
以上迄が、本実施例1のパルスシーケンスの一例の説明である。
なお、上記本実施例1の説明では、位相方向のエンコード数およびスライス方向のエンコード数を偶数としたが、奇数としても良い。また、RFプリパルスの印加に対応する低周波領域Rをky、kz空間において菱形の形状としたが、低周波領域Rの決定方法はこれに限らない。また、ky-kz平面に対して連続的にk空間データ領域を充填していったが、充填順序はこれに限らない。また、k空間データ領域の充填を部分的に省略する部分フーリエ法や、ky-kz平面に対して間引いた撮像を行うパラレルイメージング法を用いなかったが、これらを用いても良い。
また、異なる複数のスピン励起領域を持つマルチスラブ撮像を用いなかったが、これを用いても良い。また、RFプリパルスの効果を第1エコーのみに与えるように、演算処理部111が自動で計算するものとしたが、RFプリパルスの効果を与えるエコーをマルチエコー中のどのエコーとしても良く、また、撮像パラメータ設定入力領域203にプリパルス効果を与えるエコーを設定するパラメータを表示して操作者の入力によるものとしても良い。また、撮像を繰り返し行うダイナミック撮像機能を用いないが、ダイナミック撮像ごとにRFプリパルスの効果を与えるエコーを変更しても良い。
以上のように本実施例1のMRI装置及びマルチエコー計測法は、RFプリパルスとしてMTCパルスを用い、k空間確保部は、第1エコー用の第1k空間データ領域と、第2エコー用の第2k空間データ領域を確保し、k空間分割部は、各k空間データ領域を、その原点を含む低周波領域と、該低周波領域の外側の高周波領域とに分割し、エンコード順序決定部は、第1k空間データ領域の低周波領域のエコーと第2k空間データ領域の高周波領域のエコーとが同一ショットで計測され、第1k空間データ領域の高周波領域のエコーと第2k空間データ領域の低周波領域のエコーとが同一ショットで計測されるように、各エコーのエンコード情報を決定し、パルスシーケンス設定部は、第1k空間データ領域の低周波領域に充填するエコーの計測時にMTCパルスを印加するようにパルスシーケンスを設定する。これにより、操作者は1度の撮像でMTCパルス効果の異なる複数の画像を取得できる。
本発明のMRI装置及びマルチエコー計測法の実施例2を説明する。本実施例2は、RFプリパルスとしてIRパルスを用いて、IRパルスを印加した後にマルチエコーシーケンスを複数回繰り返し、IRパルスからの回復時間の異なるマルチエコーを複数回取得する。その際、エコー毎のk空間データ領域をそれぞれky方向に分割してセグメント計測を行う。そして、第1k空間データ領域では、ky方向を中心(低域)から高域に向けて各セグメントのエコーデータを計測していき、第2k空間データ領域では、ky方向を高域から中心(低域)に向けて各セグメントのエコーデータを計測していく。このような計測順序となるとように、各エコーに付与するエンコードが決定される。以下、本実施例2を詳細に説明する。
以下、エコー数が2のマルチエコー2次元計測を例にして本実施例2を説明するが、本実施例2はエコー数が2に限定されないことは前述の実施例1と同様である。また、3次元計測でもよい。また、このような2エコーの内の最初のエコーを第1エコーといい、後のエコーを第2エコーということも前述の実施例1と同様である。さらに、第1エコー用のk空間データ領域を第1k空間データ領域、第2エコー用のk空間データ領域を第2k空間データ領域ということも前述の実施例1と同様である。
そして、本実施例2は、第1エコーの画像にIRパルスの効果を反映し、第2エコーの画像にはIRパルスの効果を反映させないように、各k空間データ領域の分割(セグメント化)と、各セグメント(分割)領域へのエコーデータの配置順序を決定する。
(実施例2のk空間データ領域の分割)
k空間データ領域分割部702が行うk空間データ領域の分割について説明する。本実施例2では、ky方向にセグメント計測を行うため、k空間データ領域のky方向の正負領域をそれぞれエコー数と同数のセグメントに等間隔で分割する。図3(b)に分割例を示す。図3(b)は2次元k空間データ領域(kx-ky)であり、2次元k空間データ領域をky=0(実線で示す)を中心にしてky方向の正負領域をそれぞれ等間隔のエコー数に分割した例を示す。各分割線を点線で示す。
そして、マルチエコー計測により計測される第1エコーデータの第1k空間データ領域への充填順序と第2エコーデータの第2k空間データ領域への充填順序とが、ky方向に関して逆方向となるようにされる。具体的には、第1k空間データ領域では、矢印351で示すように、ky方向中心(低域)から正負の高域側に向けて各セグメントのエコーデータが計測される。一方、第2k空間データ領域では、矢印352で示すように、k空間の正負の高域側からky方向中心(低域)に向けて各セグメントのエコーデータが計測される。このような計測順序となるように、同一ショット(同一TR)内で計測される第1、2エコーデータがそれぞれエンコードされる。
したがって、第1k空間データ領域の低周波領域のエコーデータにはIRパルスの短い反復回転時間(TI1)の効果が反映され、長い反復回転時間(TI2;TI1<TI2)の効果が反映されない。これに対して、第2k空間データ領域低周波領域のエコーデータには短い反復回転時間(TI1)の効果が反映されず、長い反復回転時間(TI2)の効果が反映されることになる。その結果、第1k空間データ領域の画像は短い反復回転時間(TI1)で重み付けられたコントラストとなり、第2k空間データ領域の画像は長い反復回転時間(TI2)で重み付けられたコントラストとなる。
(実施例2のエコーデータの計測順序)
次に、エンコード順序決定部704が決定するエコーデータの計測順序について説明する。図5に演算処理部111が決定するk空間データ領域113の充填順序を示す。
k空間データ領域のky座標に対して、シーケンスパターンの繰り返し数iにおける第1エコーデータの充填座標F1(i)は下式で求められる。ただし、位相エンコード数をPhas#、中心点をky=0、−Phase#/2≦ky<Phase#/2、0≦i<Phase#とする。
Figure 0005997984
また、第2エコーデータに関しては、ky座標に対して、シーケンスパターンの繰り返し数iにおける充填座標F2(i)は下式で求められる。
Figure 0005997984
図5に示すk空間データ領域の例では、第1エコーデータの配置順序は、一つのパルスシーケンスではky正側の中心付近のセグメントを開始点としてky正方向の端のセグメントまで順次充填し、次のパルスシーケンスではky負側の中心付近のセグメントを開始点としてky負方向の端のセグメントまで順次充填する。一方、第2エコーデータの配置順序は、一つのパルスシーケンスではky正方向の端のセグメントを開始点としてky正側の中心付近のセグメントまで順次充填し、次のパルスシーケンスではky負側の端のセグメントを開始点としてky負側の中心付近のセグメントまで順次充填する。
(実施例2の処理フロー)
本実施例2の処理フローは前述の図8に示した実施例1の処理フローと同様であるが、各ステップの処理内容が異なる。以下、処理内容が異なるステップのみを説明し、処理内容が同じステップの説明を省略する。なお、実施例2の処理ステップであることを示すために、ステップ番号に(-2)を付けて説明する。
ステップ801-2で、操作者は、撮像パラメータ設定入力領域203にて撮像パラメータを入力設定する。例えば、2D撮像、グラディエントエコー系シーケンス、エコー数が2、周波数エンコード数が256、位相エンコード数が64、スライス数が1、RFプリパルスとしてIRパルス、一度のIRパルス印加に対するスピン励起を複数回印加する回数(以下セグメント計測数)に32、第1エコーの反転回復時間TI1、第2エコーの反復回転時間TI2(TI1<TI2)が設定されているものとする。ただし、本実施例2はこれらの撮像パラメータに限らず、エコー数が2以上のマルチエコーであり、少なくとも1つ以上のRFプリパルスが印加され、セグメント計測回数が2以上に設定されれば良い。
ステップ802-2で、k空間データ領域確保部701は、ステップ801-2で入力設定された撮像パラメータに基づいて、メモリ内に256×64の2次元k空間データ領域を2つ確保し、第1エコーデータ用に第1k空間データ領域113-1、第2エコーデータ用に第2k空間データ領域113-2とする。確保された各k空間データ領域の一例が図3(b)である。
ステップ803-2で、k空間データ領域分割部702は、ステップ802-2で確保された2つのk空間データ領域を分割する。つまり、図3(b)に示すように、第1k空間データ領域と第2k空間データ領域は、それらのky方向の正側と負側が、ぞれぞれエコー数と同数のセグメントに分割される。詳細は前述したとおりである。
ステップ804-2で、エンコード順序決定部704は、ステップ803-2で分割された各k空間データ領域の各セグメント領域に配置するエコーデータの計測順序をエコー毎に決定する。詳細は前述したとおりである。
ステップ805-2で、パルスシーケンス設定部706は、ステップ801-2で入力設定された撮像パラメータに基づいて、RFプリパルス部と本計測部のパルスシーケンスの制御データを生成して計測制御部112に通知する。特に、本計測部のマルチエコーシーケンスで計測される各エコーのエンコード順序がステップ804-2で決定されたエンコード順序となるように、エコー毎に位相エンコード傾斜磁場パルスの印加量の制御データを生成する。RFプリパルス部と本計測部とから成るパルスシーケンスの詳細は後述する。
ステップ806-2は、前述のステップ806と同じ処理内容なので詳細な説明を省略する。
ステップ807-2は、前述のステップ807と同じ処理内容なので詳細な説明を省略する。画像のコントラストを決めるのに重要な低周波成分について、第1エコーの画像の低周波成分はTI1付近にて取得されているため、第1エコーの画像にはIRの短い反復回転時間TI1の効果が表れる。一方、第2エコーの画像の低周波成分はTI2付近にて取得されているため、第2エコーではIRの長い反復回転時間TI2の効果が表れる。
以上迄が本実施例2の処理フローの説明である。
(実施例2のパルスシーケンス例)
次に、本実施例2のRFプリパルス部と本計測部とから成るパルスシーケンスの一例を図6に基づいて説明する。図6は本実施例2のパルスシーケンスのシーケンスチャートである。横軸が時間であり、照射コイル104が照射するRFパルスおよび受信コイル105が受信するエコーをRF/Signal軸601で示す。また、論理軸のSliceに印加する傾斜磁場パルスをGs軸602、Phaseに印加する傾斜磁場パルスをGp軸603、Frequency軸に印加する傾斜磁場パルスをGf軸604に示す。
RFパルス606はスピン励起を行うRFパルス(以下、励起RFパルスと称する)である。RFパルス605は、励起RFパルス606の照射前に印加されるIRパルスであり、IRパルス605に対して励起RFパルス606とそれに付随する607〜616の傾斜磁場パルスおよび受信エコーを、セグメント計測回数だけ繰り返す。
傾斜磁場パルス607は励起RFパルス606が励起するスライスを設定する傾斜磁場パルス(以下スライス選択パルスと称する)である。傾斜磁場パルス608は励起RFパルス606の中心からスライス選択パルスによって分散された位相を再収束させる傾斜磁場パルス(以下スライスリフォーカスパルスと称する)である。傾斜磁場パルス609は位相方向に位相エンコードを行う傾斜磁場パルス(以下位相エンコードパルス1と称する)であり、第1エコーデータのky軸の充填位置に対応したエンコードを行う。傾斜磁場パルス610は周波数のエンコードを行う傾斜磁場パルス(以下、周波数エンコードパルス1と称する)であり、周波数エンコードパルス1の中心時間が励起RFパルス606の中心からTE離れた時間となるように印加する。傾斜磁場パルス611は周波数エンコードパルスの中心にて位相が再収束するために、周波数エンコードパルスの前に位相を分散させる傾斜磁場パルス(以下周波数ディフェイズパルスと称する)である。エコー612は第1エコーである。
傾斜磁場パルス613は位相方向の位相エンコードを第1エコーに対して変更するための傾斜磁場パルス(以下位相エンコードパルス2と称する)である。傾斜磁場パルス615は第2エコーの周波数のエンコードを行う傾斜磁場パルス(以下周波数エンコードパルス2と称する)であり、周波数エンコードパルス2の中心時間が励起RFパルス606中心からTE2離れた時間となるように印加する。傾斜磁場パルス614は周波数エンコードパルス1印加後の分散した位相が、周波数エンコードパルス2の中心にて再収束するために、周波数エンコードパルス2の前に位相を分散または収束させる傾斜磁場パルス(以下周波数ディフェイズパルス2と称する)である。エコー616は第2エコーである。
位相エンコードパルス1の傾斜磁場印加面積PhaseArea1は下式で求められる。
Figure 0005997984
位相エンコードパルス2の傾斜磁場印加面積PhaseArea2は下式で求められる。
Figure 0005997984
以上迄が、本実施例2のパルスシーケンスの一例の説明である。
なお、上記本実施例2の説明では、位相方向のエンコード数を偶数としたが、奇数としても良い。また、ky平面に対して連続的にk空間データ領域を充填していったが、充填順序はこれに限らない。また、k空間データ領域の充填を部分的に省略する部分フーリエ法や、ky-kz平面に対して間引いた撮像を行うパラレルイメージング法を用いなかったが、これを用いても良い。また、異なる複数のスピン励起領域を持つマルチスラブ撮像を用いなかったが、これを用いても良い。また、撮像を繰り返し行うダイナミック撮像機能を用いないが、ダイナミック撮像ごとにプリパルスの効果を与えるエコーを変更しても良い。
以上のように本実施例2のMRI装置及びマルチエコー計測法は、RFプリパルスとしてIRパルスを用い、パルスシーケンス設定部は、本計測部においてマルチエコーシーケンスを複数回繰り返すことで、各回で計測されるマルチエコーの反転回復時間が異なるようにパルスシーケンスを設定し、k空間確保部は、第1エコー用の第1k空間データ領域と、第2エコー用の第2k空間データ領域を確保し、k空間分割部は、各k空間データ領域のky方向の正側及び負側の領域を、それそれ複数のエコーのエコー数と同数のセグメントに分割し、エンコード順序決定部は、第1k空間データ領域をky方向の中心(低域)側のセグメントから高域側のセグメントに向けて各セグメントを計測し、第2k空間データ領域をky方向の高域側のセグメントから中心(低域)側のセグメントに向けて各セグメントを計測するように、各エコーのエンコード情報を決定する。
これにより、操作者は1度の撮像でIRパルス効果の異なる複数の画像を取得できる。
101 ガントリ、102 静磁場コイル、103 傾斜磁場コイル、104 照射コイル、105 受信コイル、106 受信系、107 送信系、108 X軸傾斜磁場電源、109 Y軸傾斜磁場電源、110 Z軸傾斜磁場電源、111 演算処理部、112 計測制御部、113 k空間データ、114 表示部、115 操作卓、116 被検体、117 記憶部

Claims (4)

  1. RFプリパルスの印加を伴うRFプリパルス部と、マルチエコーシーケンスを用いて複数のエコーを計測する本計測部と、を組み合わせたパルスシーケンスを設定するパルスシーケンス設定部と、
    前記設定されたパルスシーケンスに基づいて、被検体から複数のエコーの計測を制御する計測制御部と、
    前記複数のエコーの各々に対応する複数の画像を再構成する画像再構成部と、
    を有してなる磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記複数のエコーの各々に対応する複数のk空間データ領域をメモリ内に確保するk空間確保部と、
    前記複数のk空間データ領域を各々複数の分割領域に分割するk空間分割部と、
    前記複数のk空間データ領域の間で、前記分割領域の計測順序を異ならせるようにエンコード順序を決定するエンコード順序決定部と、
    を更に備え、
    前記パルスシーケンス設定部は、少なくとも一部の前記分割領域に充填するエコーデータの計測の際に、前記RFプリパルス部を実行するように前記パルスシーケンスを設定し、
    前記画像再構成部は、前記複数のk空間データ領域のデータをそれぞれ再構成して、前記RFプリパルスの効果が異なる複数の画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記RFプリパルスはMTCパルスであり、
    前記k空間確保部は、第1エコー用の第1k空間データ領域と、第2エコー用の第2k空間データ領域を確保し、
    前記k空間分割部は、各k空間データ領域を、その原点を含む低周波領域と、該低周波領域の外側の高周波領域とに分割し、
    前記エンコード順序決定部は、前記第1k空間データ領域の低周波領域のエコーと前記第2k空間データ領域の高周波領域のエコーとが同一ショットで計測され、前記第1k空間データ領域の高周波領域のエコーと前記第2k空間データ領域の低周波領域のエコーとが同一ショットで計測されるように、各エコーのエンコード情報を決定し、
    前記パルスシーケンス設定部は、前記第1k空間データ領域の低周波領域に充填するエコーの計測時に前記MTCパルスを印加するように前記パルスシーケンスを設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記RFプリパルスはIRパルスであり、
    前記パルスシーケンス設定部は、前記本計測部において前記マルチエコーシーケンスを複数回繰り返すことで、各回で計測されるマルチエコーの反転回復時間が異なるように前記パルスシーケンスを設定し、
    前記k空間確保部は、第1エコー用の第1k空間データ領域と、第2エコー用の第2k空間データ領域を確保し、
    前記k空間分割部は、各k空間データ領域のky方向の正側及び負側の領域を、それそれ前記複数のエコーのエコー数と同数のセグメントに分割し、
    前記エンコード順序決定部は、前記第1k空間データ領域をky方向の中心(低域)側のセグメントから高域側のセグメントに向けて各セグメントを計測し、前記第2k空間データ領域をky方向の高域側のセグメントから中心(低域)側のセグメントに向けて各セグメントを計測するように、各エコーのエンコード情報を決定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. RFプリパルスの印加を伴うRFプリパルス部と、マルチエコーシーケンスを用いて複数のエコーを計測する本計測部と、を有してなるパルスシーケンスを設定するパルスシーケンスステップと、
    前記設定されたパルスシーケンスに基づいて、被検体から複数のエコーの計測を制御する計測ステップと、
    計測されたエコー毎の画像を再構成する画像再構成ステップと、
    を有してなる磁気共鳴イメージング装置におけるマルチエコー計測方法であって、
    前記複数のエコーの各々に対応する複数のk空間データ領域をメモリ内に確保するk空間確保ステップと、
    前記複数のk空間データ領域を各々複数の分割領域に分割するk空間分割ステップと、
    前記複数のk空間データ領域の間で、前記分割領域の計測順序を異ならせるようにエンコード順序決定ステップと、
    を更に備え、
    前記画像再構成ステップは、前記複数のk空間データ領域のデータをそれぞれ再構成して、前記RFプリパルスの効果が異なる複数の画像を再構成することを特徴とするマルチエコー計測方法。
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