JP5996746B1 - 基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法及び形成巻取り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原材となる配線ケーブルなどの線状体から簡単に安価で正確かつ確実に基準寸法の線状体に対応する基準相当寸法を有する線状体を形成巻取りする。【解決手段】 基準寸法の配線ケーブルC1の先端部を基準始点となる着脱孔16に圧入し、基準寸法の配線ケーブルC1の本体部分を形成機1の測定回転体11に巻いて、この基準寸法の配線ケーブルの端末に当たる測定回転体11の外周面11cに基準終点となる端末指示マークを付し、その後、基準寸法の配線ケーブルC1を巻取り機2で巻き取って、取り外した後、原材の配線ケーブルC2を引き出しその先端部を着脱孔16に圧入し、測定回転体11に巻いて行き、端末指示マークに対応する原材の配線ケーブルC2の箇所を切断し、基準相当寸法の配線ケーブルC3を形成し、この基準相当寸法の線状体を巻取り機2により巻取る。【選択図】 図1

Description

本発明は、基準相当寸法を有する配線ケーブルなど線状体の形成巻取り方法及び形成巻取り装置に関するものである。
電線、配線ケーブルや同軸ケーブル、ワイヤロープなど所謂線状体は、予め使用する線状体の長さを測定して基準に合う長さを特定しかつ切断して、多数の基準相当寸法の線状体を用意しておいてから配線工事や電気機器同士の接続工事などに使用されている。上記線状体の長さを測定して基準に合う長さにする第1の方法として、上記線状体に直線状のスケールや巻尺などを当てて計測し、マークを付けて、このマークの位置で切断して形成するものであり、第2の方法として、上記線状体を測定ドラムに巻き付けて測定ドラムの外周長と回転数に基づいて測定長を計算するものであり、第3の方法として、上記線状体の巻取り量や移動量などの変位量を電子機器によって電気的に演算し、その演算結果に基づいて上記線状体の長さを測定するものなどが提案されている(例えば実開平5−62141号公報、特開平5−180647号公報、同10−15726号公報、特開2000−321046号公報など)。
特開平5−62141号公報 特開平5−180647号公報 特開平10−15726号公報 特開2000−321046号公報
スケールや巻尺を用いて形成する上記第1の方法は確実かつ正確な計測が可能であって、計測器具の構成が簡単であるものの、可撓性を有する線状体といえども、これを真っすぐに矯正してから上記スケールや巻尺を当てる必要から、計測に手間がかかると共に効率的ではない課題があった。
測定ドラムの外周長と回転数に基づいて測定長を計算する上記第2の方法は、上記第1の方法と比較して効率の点では良いものの、可撓性を有する線状体の測定時において上記線状体を測定ドラムに巻き付け寸法設定過程で撓みや時にはねじりが発生するおそれがあり、切断かつ設定した線状体の寸法にばらつきがあり、測定精度の正確性を欠くという課題があった。
上記線状体の寸法を電気的に測定する上記第3の方法は、上記第2の方法と比較してかなりの測定精度の向上に寄与するものの、電子機器を用いるので、構成が複雑となり、高コストになる傾向があり、可撓性を有する線状体の特徴を捉える点では良好な測定精度の向上にはさらなる改善の余地があった。
本発明の目的は、原材となる配線ケーブルなどの線状体から簡単に安価で正確かつ確実に基準寸法の線状体に対応する基準相当寸法を有する線状体を形成巻取りすることにある。
本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法は、基準寸法の線状体を特定するための基準特定工程及び第1の巻取り工程と、上記基準寸法の線状体に対応する基準相当寸法を有する線状体の形成工程及び第2の巻取り工程を備えている。
上記基準特定工程は、上記基準寸法の線状体の先端部を形成機の測定回転体に設けてあってかつ測定の基準始点となる着脱部に止めると共に上記基準寸法の線状体の先端をストッパーに当接してから、上記測定回転体を回して上記基準寸法の線状体の本体を上記測定回転体に巻いて行き、上記基準寸法の線状体の端末に当たる上記測定回転体の位置に測定の基準終点を示す端末指示マークを付して、上記基準寸法の基準始点と基準終点を特定するものである。
上記第1の巻取り工程は、上記特定後、上記基準寸法の配線ケーブルを上記形成機に隣接している巻取り機側に引出しながら上記基準寸法の線状体の端末部を巻取り機の巻取り回転体に設けてある着脱部に止めてから、上記巻取り回転体を回しながら上記基準寸法の線状体を巻取って行き、巻取り後は上記巻取り回転体から取り外すものである。
上記形成工程は、原材となる線状体をその先端側を持って上記形成機に向けて引き出し、上記原材の線状体の先端部を上記形成機の着脱部に固定すると共に上記原材の線状体の先端を上記ストッパーに当接してから、上記測定回転体を回しかつ上記原材の線状体を上記測定回転体の回転方向に向けて引き出しながら、上記基準寸法の線状体の巻き線の軌跡に沿って上記測定回転体に巻いて行き、上記原材の線状体が上記端末指示マークに達した時点で巻きを停止し、上記端末指示マークに対応する上記原材の線状体の箇所を切断することにより、上記基準寸法の線状体に合致した基準相当寸法の線状体を形成するものである。
上記第2の巻取り工程は、上記形成機の測定回転体に巻かれている上記基準相当寸法の線状体をその端末側から上記巻取り機に向けて引出し、上記端末部を上記巻取り回転体の着脱部に固定してから、上記基準相当寸法の線状体を上記巻取り機の巻取り回転体に巻き取るものである。
上記基準特定工程において、測定回転体であって基準寸法の線状体の端末に当たる位置に端末指示マークを付すと共に、上記基準寸法の線状体の端末部の外形を表示した端末位置決めマークを付するものであり、形成工程において、上記端末部が端末位置決めマークに重なる位置を確認すると共に上記端末指示マークに対応する上記原材の線状体の箇所を切断することにより、測定精度を高めることができる。
本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置は、基準寸法の線状体を特定すると共に上記線状体に対応する基準相当寸法の線状体を形成する形成機並びに上記基準寸法の線状体及び上記基準相当寸法の線状体を巻取る巻取り機を備えている。
上記形成機は、上記基準寸法の線状体及び原材の線状体をそれぞれ巻くことができる測定回転体と、上記各線状体の先端が当接可能であるストッパーと、上記原材の線状体から上記基準寸法の線状体に相当する長さの線状体を切り離す手動切断手段を設けてある。
上記測定回転体には、上記基準寸法及び原材の各線状体の先端部を取り付け取り外し可能に固定する測定の基準始点となる着脱部を設けてあると共に、上記基準寸法の線状体が上記測定回転体に巻かれている状態では、この巻かれている上記線状体の端末に対応する位置に測定の基準終点を示す端末指示マークを付してある。
上記巻取り機は巻取り回転体を有し、この巻取り回転体に上記基準寸法の線状体及び上記原材の線状体の各先端部を取り付け取り外し可能に固定するための着脱部を設けてある。
上記巻取り機は上記形成機の一側に隣接して配置されており、上記巻取り回転体により上記基準寸法の線状体及び上記基準相当寸法の線状体をそれぞれ巻取り可能である。
上記測定回転体及び上記巻取り回転体にはこれらを回転操作可能にするための手動手段を設けてある。
測定精度を高めるために、測定回転体には、線状体の位置を確認するための端末位置決めマークを付するのが望ましい。
上記着脱部としては、基準相当寸法の線状体及び原材の線状体の端部が圧入可能な着脱孔とすれば、製造並びに固定及び固定解除の作業が簡易となる。
本発明によれば、原材となる配線ケーブルなどの線状体から簡単な方法及び装置により、安価で正確かつ確実に基準寸法の線状体に対応する基準相当寸法を有する線状体を形成巻取りすることができる。
本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置の一部切欠正面図であって、使用時に用いる基準寸法の配線ケーブル及び送り出し機を付加した図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置を示す一部切欠正面図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置を示す平面図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置を示す側面図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置における形成機の測定回転体に基準寸法の配線ケーブルを巻き終え、測定基準の特定を完了した状態を示す図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置におけるカッターを拡大して示す側面図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置の使用時に用いる送り出し機の主要部を示す平面図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法の過程を示す平面図であって、(a)は基準寸法の配線ケーブルを測定回転体に巻き始めた状態を示す図であり、(b)は上記配線ケーブルを巻いている途中の状態を示す図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法の途中の過程を示す平面図であって、(a)は基準寸法の配線ケーブルを測定回転体から巻取り回転体へ巻取りき始めた状態を示す図であり、(b)は基準寸法の配線ケーブルを巻取り回転体へ巻取りを終える前の状態を示す図である。 本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法の途中の過程を示す平面図であって、(a)は原材の配線ケーブルを測定回転体へ巻き始めた状態を示す図であり、(b)は原材の配線ケーブルを測定回転体への巻き付けを終え、原材の配線ケーブルの切断箇所を切り離して、基準相当寸法の配線ケーブルを形成する直前の状態を示す図である。
本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法及び形成巻取り装置について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置(以下「形成巻取り装置」という。)を説明した後、基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法(以下「形成巻取り方法」という。)について説明する。
本発明における線状体には電線、配線ケーブル、アース線、ワイヤロープなどが含まれるが、ここでは、配線ケーブルを例に挙げて説明する。
図1に示す本発明に係る形成巻取り装置において、形成機1及び巻取り機2は台板4上に隣り合わせに配置されている。形成機1を挟んで図右側に巻取り機2を、その反対側に送り出し機3を配置してある。形成機1では、基準寸法を有する線状体すなわち基準寸法の線状体である配線ケーブルC1を特定し、この基準寸法の配線ケーブルを基にして原材となる線状体である配線ケーブルC2から基準相当寸法の線状体である配線ケーブルC3を誕生させるものである。巻取り機2は、特定を終えた基準寸法の配線ケーブルC1及び誕生した基準相当寸法の配線ケーブルC3を巻取るものである。送り出し機3は、保管時に原材の配線ケーブルC2をコイル状に束ねておき、形成時(製造時)に形成機1に向けて引き出すために使用される。
図1に示す基準寸法の配線ケーブルC1は、当然ながら予め原材の配線ケーブルC2から基準値に相当する長さを計測して、基準寸法に相当する配線ケーブルC3を形成するために、基準となる配線ケーブルとして用意しておくものである。勿論、基準寸法の配線ケーブルC1は依頼者から提供されたものでも良く、新たな基準寸法の配線ケーブルを製造する必要性がなく、提供された配線ケーブルをそのまま利用する。
図1〜図4において、形成機1の本体を構成している測定回転体11の両側には、測定回転体の一部である側板11a,11bを一体的に設けてある。測定回転体11は回転軸12を回転中心としており、この回転軸が両側板11a,11bを貫通している。一方の側板11aから突出している回転軸12の端部側は、台板4上に起立している支柱13の片面から水平状態に突出している軸受け14に回転可能に軸受けされている。他方の側板11bの外周下側の中央部は、台板4上に間隔を置いて回転自在に取り付けられている対のローラ15a,15bに接し、回転可能に保持されている。測定回転体11は、支柱13及び対のローラ15a,15bにより両側で保持されているので、安定した回転が可能となる。図1及び図2に示す例では、双方のローラ15a,15bは側板11bが円滑な時計方向の回転を妨げない程度に接している。
他方の側板11bであって、その外面(図3下面)には、測定回転体11と共に、一方の側板11aを回すための棒状のハンドル11dを取り付けてある。
また、形成機1は、基準寸法の配線ケーブルC1及び原材の配線ケーブルC2の各先端部を取り付け及び取り外し可能に固定することができる着脱部16を設けてある。着脱部16は円形状の孔や溝状の孔などで構成され、上記先端部を圧入と離脱が可能である。図1に示す着脱部16の例では、側板11aに開けてある円形状の着脱孔で構成されている。基準寸法の配線ケーブルC1及び原材の配線ケーブルC2の各先端部は、着脱孔16に圧入することにより、各先端部は固定される。
図1に示すように、軸受け14の真上には着脱孔16に対向して板状のストッパー17を設けてある。図5及び図10に示すように、基準寸法の配線ケーブルC1及び原材の配線ケーブルC2の各先端部は着脱孔16を貫通して側板11aの外面(図5上面参照)より突出するが、ストッパー17は、各配線ケーブルの突出端面が必要以上に突き出るのを阻止する役割を持つ。このため、常に、基準寸法の配線ケーブルC1及び原材の配線ケーブルC2の各先端部の位置(突出長)がストッパー17によって一定となる。
さらに、測定回転体11の外周面11cには、基準寸法の配線ケーブルC1及び原材となる配線ケーブルC2を巻くことができる。測定回転体11の外周面11cには、この外周面に巻かれた状態における基準寸法の配線ケーブルC1の端末(後端)に当たる位置に、この端末を示す目盛や数字、又は三角形などからなる図柄などの標識となる端末指示マーク18を付してある。図5では三角形の端末指示マーク18を印してある。そして、測定回転体11の外周面11cには、この外周面に巻かれた状態における基準寸法の配線ケーブルC1の端末部の端末面と一側の外周面をなぞって描いたガイドラインで示す端末位置決めマーク19を付してある。図5では「L」形の端末位置決めマーク19を印してある。
後述するように、測定回転体11の外周面11cに巻かれた状態における原材の配線ケーブルC2において、端末位置決めマーク19上に重ねかつ、端末指示マーク18に当たる位置が合致した箇所が、図5に示す手動切断手段であるカッター5により切り離す原材の配線ケーブルの切断部分となる。カッター5は、基準相当寸法の配線ケーブルC3を形成する際に使用されるものである。
着脱孔16に挿入された基準寸法の配線ケーブルC1の先端が特定された測定の基準始点であり、また端末指示マーク18に当たる上記基準寸法の配線ケーブルの端末が特定された測定の基準終点となる。図1に示す例では、基準寸法の配線ケーブルC1の先端がストッパー17に当接するようにしてあるので、測定の基準始点が常に一定になり、原材の配線ケーブルC2からの基準相当寸法の配線ケーブルC3の測定が正確になる。
図1〜図4に示すように、巻取り機2は形成機1の図2右側に隣接して配置されている。巻取り機2における巻取り回転体21は、基準寸法の配線ケーブルC1及び基準相当寸法の配線ケーブルC3を巻取り可能である。巻取り回転体21は円板状に成形されていると共に中心部が回転中心となっている。巻取り回転体21の中心部は、台板4上に起立している支柱22に水平に片持ち的に取り付けてある保持軸23にこの保持軸を回転中心として保持されている。
巻取り回転体21であって、保持軸23側の片面から複数本(図2及び図3の例では4本)の巻取り棒21a,21bを取り付けてあり、各巻取り棒は水平状態に突き出されている。各巻取り棒21aのうち、他の巻取り棒より長く延びている巻取り棒21bはハンドルを兼ねている。巻取り棒21bを除く他の各巻取り棒21aは先端をL字形に内方に向けて屈曲させている。
巻取り回転体21には、着脱部である着脱孔16と実質的に同一構成である着脱部である着脱孔24を設けてある。着脱孔24は、基準寸法及び基準相当寸法の各配線ケーブルC1,C3の端部をそれぞれ取り付け取り外し可能に固定することができる。
ハンドル兼用の巻取り棒21bを利用して巻取り回転体21を回すことによって、基準寸法及び基準相当寸法の各配線ケーブルC1,C3を螺旋状に巻取り、束にすることができる。
図1及び図7に示す送り出し機3において、受け板31上には中央部を囲むように複数の支持棒32を起立してあり、原材の配線ケーブルC2が各支持棒によりコイル状に巻かれている。送り出し台板33の上方の受け板31は、この送り出し台板から起立されかつ、受け板の中央部で止めてある回転軸34にこれを回転中心として水平に支持されている。受け板31が傾くことなく、安定的な回転を可能にするために、送り出し台板33上に回転軸34を囲むように複数のローラ35を設けてあり、各ローラが送り出し台板を下から支えている。
原材の配線ケーブルC2を形成機1に向けて引き出している過程において、受け板31は回転軸34を中心として各ローラ35により下から支えられながら回転するため、原材の配線ケーブルの円滑な引き出しを可能にしている。
次に、図1に示す基準寸法の配線ケーブルC1に基づいて、原材となる配線ケーブルC2から基準寸法の配線ケーブルに相当する基準相当寸法の配線ケーブルC3を切り取り形成し、巻取る方法について説明する。
換言すれば、本発明に係る形成巻取り方法では、基準寸法の配線ケーブルC1の基準始点及び基準終点を特定するための基準特定工程及びこの基準寸法の配線ケーブルを巻取る第1の巻取り工程を経て、原材となる配線ケーブルC2から基準寸法の配線ケーブルC1に対応する基準相当寸法を有する配線ケーブルC3を作り出す形成工程及びこの基準相当寸法の配線ケーブルを巻取る第2の巻取り工程へと進行するものである。
図5及び図8に示す上記基準特定工程において、まず、図8(a)に示すように、基準寸法の配線ケーブルC1の先端部を形成機1の着脱孔16に圧入し固定し、この着脱孔を測定の基準始点として特定する。この場合、基準寸法の配線ケーブルC1の先端部を着脱孔16を貫通させ側板11aの外面側に突出させて、その先端面をストッパー17に当接するようにする。このすれば、基準寸法の配線ケーブルC1の圧入によるその突出長の微妙の相違が生じにくく、基準始点の位置が常に同じに定まることから、当接させる操作が望ましい。
ついで、図8(b)に示すように、手動により測定回転体11を時計方向(矢印方向)に回し、基準寸法の配線ケーブルC1の本体を測定回転体に巻いて行く。図5に示すように、基準寸法の配線ケーブルC1を巻き終えた段階において、その端末(後端)に対応する測定回転体11の外周面11cの位置に測定の基準終点を示す端末指示マーク18を付し、この端末指示マークを基準終点として特定する。この結果、測定範囲が特定される。引き続き、基準寸法の配線ケーブルC1の端末面(後端面)及び端末部の外側外周面の外形線に沿って端末位置決めマーク19としてのガイドラインを描く。
このようにしてから、基準寸法の配線ケーブルC1を第1の巻取り工程を経て測定回転体11から取り外す。
第1の巻取り工程について説明すると、図9(a)に示すように、基準寸法の配線ケーブルC1の端末部側を持って、巻取り機2側に引出して、巻取り回転体21の巻取り棒21aの外側を通るように反時計方向に回してから、着脱孔24に差し入れて止める。その後、ハンドル兼巻取り棒21bを持って巻取り回転体21を反時計方向に回転させて、図9(b)に示すように、基準寸法の配線ケーブルC1を巻取り棒21a,21bに巻き取って行く。
巻き終えた段階で、束状になった基準寸法の配線ケーブルC1を測定回転体11から取り外す。
形成工程において、図1に示すように、送り出し機3に螺旋状に巻かれている原材の配線ケーブルC2をその先端側を持って形成機1の測定回転体11に向けて引き出す。そして、図10(a)に示すように、原材の配線ケーブルC2の先端部を形成機1の着脱孔16に圧入して止める。こうすることにより、原材の配線ケーブルC2の測定の始点が固定される。この際、原材の配線ケーブルC2の先端がストッパー17に当たるまで差し入れる。
このように止めた後、形成機1の測定回転体11を再び時計方向に回して行けば、着脱孔16を有する側板11aも同時に右回転するから、原材の配線ケーブルC2が上記側板の回転方向に引っ張られ、徐々に測定回転体の外周面11cに巻かれて行く。やがて、図10(b)に示すように、原材の配線ケーブルC2の巻かれた箇所が測定の基準終点を示す端末指示マーク18に達し、その上、端末位置決めマーク19を示すガイドライン上に重なった時点で測定回転体11の回転を停止する。
この停止により、側板11aもその回転が停止されるから、原材の配線ケーブルC2の巻かれる動作も停止される。この時点で、基準寸法の配線ケーブルC1と同じ長さの基準相当寸法の配線ケーブルC3の測定を終える。
停止後に、端末指示マーク18が指示する原材の配線ケーブルC2の箇所を手動のカッター5により切断する。この結果、基準寸法の配線ケーブルC1に合致した基準相当寸法の配線ケーブルC3が製造されるから、上記形成工程が完了する。
原材の配線ケーブルC2を巻く過程では、基準寸法の配線ケーブルC1の巻き線の軌跡に沿って巻き、原材の配線ケーブルの切り離す箇所が端末指示マーク18により決定され、さらにこの箇所が端末位置決めマーク19上に重合して位置が定まり、納まるべき位置の確認ができて、位置調整が可能となるので、基準相当寸法の配線ケーブルC3を得るための測定結果の正確性を確保することができる。
基準相当寸法の配線ケーブルC3の第2の巻取り工程において、形成機1の測定回転体11に巻かれていると共に切断された図10(b)鎖線に示す基準相当寸法の配線ケーブルの端末部側を持って、巻取り機2側に引っ張って、端末部を巻取り回転体21の着脱孔24に圧入して止める。第2の巻取り工程は巻取り回転体21による巻き取り作業を前提としているため、上記第1の巻取り工程と同一である。両工程は、巻取り対象となる配線ケーブルが、基準寸法の配線ケーブルC1か基準相当寸法の配線ケーブルC3かの相違のみである。
上記形成工程及び第2の巻取り工程の各工程を順次繰り返すことにより、基準寸法の配線ケーブルC1に相当する基準相当寸法の配線ケーブルC3を量産化することができる。
本発明によれば、原材の配線ケーブルC2を基準寸法の配線ケーブルC1の巻き線の軌跡に沿って巻き、端末指示マーク18が指示する原材の配線ケーブルC2の箇所を切り離すので、基準相当寸法の配線ケーブルC3の測定の正確性を確保することができる。そして、原材の配線ケーブルC2の先端をストッパー17に当てるので、基準始点が測定ごとに微妙に変化せず、常に定まっているので測定精度を高めることが可能となる。さらに、原材の配線ケーブルC2の切断対象の箇所が端末位置決めマーク19上に重合して位置が定まるので、巻き状態のずれを容易に認識することができ、上記ずれの修正をすることができ、基準相当寸法の配線ケーブルC3の測定結果のさらなる正確性を確保することが可能となる。
本発明によれば、基準寸法の配線ケーブルC1は、この配線ケーブルの先端部を形成機1の着脱孔16に挿入して止めてから測定回転体11を回しながらこれに巻いて、上記配線ケーブルの端末の位置に対応する端末指示マーク18を印すだけで、測定の基準の始点及び終点を確定することができるから、基準寸法の設定が簡易となる。
本発明によれば、原材の配線ケーブルC2から切り離して基準相当寸法の配線ケーブルC3を形成する場合、原材の配線ケーブルの先端部を着脱孔16に止めてから測定回転体11を回してこれに巻いて、測定の基準終点印を示す端末指示マーク18に対応する上記原材の配線ケーブルC2の位置が、この原材の配線ケーブルを切断する箇所として認識することができることから、基準相当寸法の配線ケーブルC3の測定が簡易となると共に、コストダウンに寄与することができる。
本発明によれば、巻取り機2の巻取り回転体21の着脱孔24に基準寸法及び基準相当寸法の各配線ケーブルC1,C3の各先端部を取り付け固定してから巻取り回転体21を回すだけで、各配線ケーブルを巻き取ることができ、巻取り作業が簡易にかつ確実に行える。
線状体として配線ケーブルC1,C2,C3について説明したが、線状体の適用範囲はこのような例に限られない。形成機1の着脱部16は、図示する孔に限定されず、そして着脱部を設ける位置は測定回転体11の側板11aに限られず、測定回転体の本体である胴体の外周面11cであっても良い。外周面11cに設けた着脱部16が着脱孔である場合には、ストッパーは胴体内に着脱孔の開口と対向するように設けるのが良い。端末位置決めマーク19は本発明に不可欠なものではないが、この端末位置決めマークに従って基準相当寸法の配線ケーブルC3の端末部の位置を確認することができ、必要に応じて位置の調整ができるから、精度の高い測定が可能となる。巻取り機2における巻取り回転体21の回転方向を形成機1の測定回転体11のそれと反対方向とすれば、基準相当寸法の配線ケーブルC3をきれいに巻き取ることができるが、同一方向であっても良い。巻取り機2の設置の向きは水平方向であったが、上向きであっても良い。
C1 基準寸法の配線ケーブル(基準寸法の線状体)
C2 原材の配線ケーブル(原材の線状体)
C3 基準相当寸法の配線ケーブル(基準相当寸法の線状体)
1 形成機
11 測定回転体
11a,11b 側板
11c 外周面
11d ハンドル(手動手段)
16 着脱孔(着脱部)
17 ストッパー
18 端末指示マーク
19 端末位置決めマーク
2 巻取り機
21 巻取り回転体
21a,21b 巻取り棒(手動手段)
24 着脱孔(着脱部)
3 送り出し機
4 台板
5 カッター(手動切断手段)

Claims (5)

  1. 基準寸法の線状体を特定するための基準特定工程及び第1の巻取り工程と、上記基準寸法の線状体に対応する基準相当寸法を有する線状体の形成工程及び第2の巻取り工程を備えており、
    上記基準特定工程は、上記基準寸法の線状体の先端部を形成機の測定回転体に設けてあってかつ測定の基準始点となる着脱部に止めると共に上記基準寸法の線状体の先端をストッパーに当接してから、上記測定回転体を回して上記基準寸法の線状体の本体を上記測定回転体に巻いて行き、上記基準寸法の線状体の端末に当たる上記測定回転体の位置に測定の基準終点を示す端末指示マークを付して、上記基準寸法の基準始点と基準終点を特定するものであり、
    上記第1の巻取り工程は、上記特定後、上記基準寸法の配線ケーブルを上記形成機に隣接している巻取り機側に引出しながら上記基準寸法の線状体の端末部を巻取り機の巻取り回転体に設けてある着脱部に止めてから、上記巻取り回転体を回しながら上記基準寸法の線状体を巻取って行き、巻取り後は上記巻取り回転体から取り外すものであり、
    上記形成工程は、原材となる線状体をその先端側を持って上記形成機に向けて引き出し、上記原材の線状体の先端部を上記形成機の着脱部に固定すると共に上記原材の線状体の先端を上記ストッパーに当接してから、上記測定回転体を回しかつ上記原材の線状体を上記測定回転体の回転方向に向けて引き出しながら、上記基準寸法の線状体の巻き線の軌跡に沿って上記測定回転体に巻いて行き、上記原材の線状体が上記端末指示マークに達した時点で巻きを停止し、上記端末指示マークに対応する上記原材の線状体の箇所を切断することにより、上記基準寸法の線状体に合致した基準相当寸法の線状体を形成するものであり、
    上記第2の巻取り工程は、上記形成機の測定回転体に巻かれている上記基準相当寸法の線状体をその端末側から上記巻取り機に向けて引出し、上記端末部を上記巻取り回転体の着脱部に固定してから、上記基準相当寸法の線状体を上記巻取り回転体に巻き取るものである
    ことを特徴とする基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法。
  2. 基準特定工程において、測定回転体であって基準寸法の線状体の端末に当たる位置に端末指示マークを付すと共に、上記基準寸法の線状体の端末部の外形を表示した端末位置決めマークを付するものであり、形成工程において、上記端末部が端末位置決めマークに重なる位置を確認すると共に上記端末指示マークに対応する上記原材の線状体の箇所を切断することを特徴とする請求項1記載の基準相当寸法の線状体の形成巻取り方法。
  3. 基準寸法の線状体を特定すると共に上記線状体に対応する基準相当寸法の線状体を形成する形成機並びに上記基準寸法の線状体及び上記基準相当寸法の線状体を巻取る巻取り機を備えており、
    上記形成機は上記基準寸法の線状体及び原材の線状体をそれぞれ巻くことができる測定回転体と、上記各線状体の先端が当接可能であるストッパーと、上記原材の線状体から上記基準寸法の線状体に相当する長さの線状体を切り離す手動切断手段を設けてあり、
    上記測定回転体には、上記基準寸法及び原材の各線状体の先端部を取り付け取り外し可能に固定する測定の基準始点となる着脱部を設けてあると共に、上記基準寸法の線状体が上記測定回転体に巻かれている状態では、この巻かれている上記線状体の端末に対応する位置に測定の基準終点を示す端末指示マークを付してあり、
    上記巻取り機は巻取り回転体を有し、この巻取り回転体に上記基準寸法の線状体及び上記原材の線状体の各先端部を取り付け取り外し可能に固定するための着脱部を設けてあり、
    上記巻取り機は上記形成機の一側に隣接して配置されており、上記巻取り回転体により上記基準寸法の線状体及び上記基準相当寸法の線状体をそれぞれ巻取り可能であり、
    上記測定回転体及び上記巻取り回転体にはこれらを回転操作可能にするための手動手段を設けてある
    ことを特徴とする基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置。
  4. 測定回転体には、線状体の位置を確認するための端末位置決めマークを付してあることを特徴とする請求項3記載の基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置。
  5. 着脱部は、基準相当寸法の線状体及び原材の線状体の端部が圧入可能の着脱孔であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の基準相当寸法の線状体の形成巻取り装置。
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