JP5996298B2 - 部品実装装置 - Google Patents
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Description
図13は、従来の部品実装装置における基板の支持構成を搬送レールの延在方向から目視した前面図である。図13では、部品実装装置100の搬送レール151、基板152より上の構成要素を省略して示している。
具体的には、バックアップピン102は台座103に配置される金属もしくは樹脂で形成される棒状部材である。台座103は、上下動される上下動装置104に取り付けられ、上下動装置104は土台105に設置される。本構成により、バックアップピン102は上下動装置104と台座103により、基板152に接触させられ基板152の支持が行われる。
バックアップピン102は、次々に供給される基板152と高頻度に接触を繰り返すため、通常、耐摩耗性に優れる比較的硬度の大きい材料、例えば細径のステンレス鋼棒が選定される。
基板152を複数のバックアップピン102で支持するのは、部品吸着装着装置により電子部品を基板152に押圧する際、基板152が下方に変形し、下側方向に過度に変位し電子部品の実装位置がずれて、実装不良となることを抑制するためである。
部品吸着装着装置154が電子部品106を、基板152上に印刷された不図示のソルダーペーストに押しつけた状態では、基板152は、部品吸着装着装置154を中心として下方向に突出する(下方向に凸形状となる)局所的変形を生じる。
続いて、部品吸着装着装置154が、電子部品106を押圧した箇所から次の電子部品106を吸着するために移動すると、基板152はその弾性力(復元力)により弾けて上方向に突出する(上方向に凸形状となる)ように変形する(図14の二点鎖線参照)。
その後は、基板152は下方向への弾性力(復元力)によりバックアップピン102に叩きつけられるような状態となり、バックアップピン102上でバウンドし、振動状態となる。
また、図14に示すバックアップピン102の台座103への設置は作業員が手作業で行っているため、数を増やし過ぎると作業時間が増大するという問題がある。
図15(a)は、特許文献1の部品実装装置における基板の支持構成を搬送レールの延在方向から目視した前面図であり、図15(b)は、図15(a)のC−C線断面図である。なお、図15(a)では、部品実装装置200の搬送レール251、基板252より上の構成要素を省略して示している。
特許文献1の部品実装装置200は、バックアップピン202の先端に備えたドーナツ状の制振ゴム207を基板252の下面に吸盤のように吸着する構成を採用している。この構成において、部品吸着装着装置200が電子部品を基板252に押しつけた状態を図16に示す。
特許文献1の構成では、図17に示すように、上方向に凸形状に基板252が変形しても、制振ゴム207は基板252への吸着状態を維持し、吸着により伸張された状態となるため、制振ゴム207の弾性により基板252が復元する力が加わり基板252の振動抑制の効果が得られる。
図1に本発明に係る実施形態の部品実装装置の構造を表す上面図を示す。
実施形態の部品実装装置1は、電子部品が実装された回路基板を製造する際に、基板52に電子部品6(図2参照)を搭載する装置である。
具体的には、部品実装装置1は、搬送レール51によって連続的に搬送される基板52の所定位置(クリーム半田が塗布された箇所)に電子部品6を自動的に搭載(装着)する。エポキシ樹脂などの基板52上には、銅箔などの回路パターンがエッチング、印刷等で形成されている。
図1に示す部品実装装置1の基台上には、図示しない種々の電子部品を各電子部品の取り出し位置(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給装置53が、一対の搬送レール51(図1の紙面左右方向に延在)を挟装する態様で、着脱可能に複数個並んで設置され固定されている。
搬送レール51内の下部には搬送ベルト50(図3参照)が備えられている。搬送ベルト50により、基板52の搬送(図1の矢印α1方向から矢印α2方向への移動)が行われる。
図2(a)に部品供給装置のカートリッジの巻回を解いた状態を示し、図2(b)に巻回を解いたカートリッジのカバーテープを一部剥離した状態を示す。
キャリアCaは、キャリアテープc1の各エンボスc2内に電子部品6が収納されており、各エンボスc2は透明または半透明のカバーテープo1がキャリアテープc1に貼着され上方が覆われている。なお、キャリアテープc1の一側部には、長手方向に沿って多数の搬送力伝達穴c3が穿孔されている。
部品供給装置53は、ほとんど隙間なく(1mm以下程度の隙間)隣接して並置されている。
Xビーム55の両端部には不図示のアクチュエータ(例えば、リニアモータなど)が取り付けられている。該アクチュエータによりXビーム55は、基板52が搬送される方向(図1の矢印α1、α2方向:図1のx方向)に直交する方向(図1の紙面上下方向:図1のy方向)に、Yビーム57に沿って移動可能に支持されている。これにより、Xビーム55が、部品供給装置53と基板52との間を往復動(行き来)することができる。
部品吸着装着装置54は、更に、前記したXビーム55の駆動系によりYビーム57の延在方向(図1のy方向)に沿って駆動される。
部品供給装置53と搬送レール51との間には、認識カメラ56とノズル保管部58が配置されている。
認識カメラ56は、電子部品6が基板搬送方向(図1のx方向、図1のα1、α2方向)および基板搬送方向と直交する方向(図1のy方向)にどれだけ位置ずれしているか、また回転角度はどの程度かを、部品吸着装着装置54に吸着された電子部品6を撮影することにより確認する。論ずるまでもなく、認識カメラ56が撮影を行うことにより、部品吸着装着装置54に電子部品6が吸着されているか否かを確認することもできる。
ノズル保管部58には、種々の電子部品6を吸着および装着(搭載)するために必要な部品吸着装着装置54に取り付けられる不図示の複数の部品吸着装着装置用のノズルを保管している。
図3に、部品実装装置を搬送レールの延在方向の斜め下から上方を目視した斜視図を示す。なお、図3では、基板52に電子部品6が搭載(装着)される前の(初期)状態を示している。図3では、部品実装装置1の搬送レール51、基板52より上の構成要素を省略して示している。
基板52の支持について説明する。
部品実装装置1において所定位置に搬送された基板52の下方には、基板52を下方から支持する複数のバックアップ部8が備えられている。
バックアップ部8は、電子部品6を搭載(装着)する際の基板52の振動を抑制(減衰)させる部材である。
バックアップ部8は、作業者により台座3の任意の場所に取り付けられる。台座3は、上下動される上下動装置4に取り付けられ、上下動装置4は土台5に設置される。
このようにして、基 板52は、搬送レール51で両端を支持されるとともに、複数のバックアップ部8で央部が支持される。
バックアップ部8の構造を説明する。図4(a)は、バックアップ部の外観図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線断面図である。
バックアップ部8は、前記したコンタクト部9を具え、コンタクト部9は、基板52に接触する上端が広がった形状の接触部9aと、ロッド部9rと、ピストン9pとを有している。
そして、ロッド部9r、コイルスプリング10を外側から円筒状のストッパ部11が囲繞している。
コンタクト部9の下端には、オイル13を封入したダンパ12内に挿入された状態で、オイル13の粘性によりダンピング(減衰)効果を得られるように、オイル13が満たされた空間より若干小さめの外径をもつピストン9pを有している。ダンパ12において、オイル13の粘性により、ピストン9pを有するコンタクト部9に、コンタクト部9の変位速度(変位の時間微分値)と減衰係数とを乗じた粘性減衰力を付与することができる。
変形例のバックアップ部28は、円筒状のストッパ部21の下部外面に雄ネジ25を螺刻する一方、円筒状のダンパ22の上部内面に、雄ネジ25と噛みあう雌ネジ26を螺刻している。バックアップ部28のその他の構成は、図4、図5に示すバックアップ部8と同様な構成なので、同様な構成要素には20番台の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
以下、部品実装装置1における基板52の支持動作およびその効果について説明する。
図7は、部品実装装置において、基板に電子部品を搭載していない状態の搬送レールの延在方向から目視した前面図である。図7では、部品実装装置1の搬送レール51、基板52より上の構成要素を省略して示している。
部品実装装置1において、基板52は、その両端部を搬送レール51で支持されるとともに、央部をバックアップ部8で支持される(図3参照)。
図8は、部品実装装置において、電子部品を部品吸着装着装置で基板に搭載している状態を示す搬送レールの延在方向から目視した前面図である。
電子部品6の搭載(装着)後、部品吸着装着装置54が基板52から離間するよう移動すると、図9に示すように、基板52は、図8に示す曲げ変形に起因する弾性力によって上方向に凸形状に変形する(図9の白抜き矢印α1参照)。この場合、上方向に凸形状の基板52にコンタクト部9が接触を続ける。
基板52が上方向に凸形状の最大になった後、基板52は、図10に示すように、凸形状の変形が平面形状に復元する(図10の白抜き矢印α2参照)が、この際、バックアップ部8は、ダンパ12を有するので、基板52の振動(変形)に対して減衰力を付与する。
基板52が図11に示す平面状態に復元すると、バックアップ部8のコンタクト部9が下死点で剛的(リジッド)に支持し、基板52の下方への変形を阻止する(停止させる)。
これにより、従来の図14の基板152の支持、および、特許文献1の図15〜図17の基板252の支持のように、バックアップピン102、制振ゴム207をもつバックアップピン202上でバウンドすることを抑制し、基板52の振動をより低減することができる。
図12のグラフでは、部品吸着装着装置54および特許文献1の部品吸着装着254、従来の部品吸着装着154が、それぞれ電子部品6、206、106を、基板52、252、152に押圧した瞬間を経過時刻t0としている。
経過時刻t0〜t1間では、本実施形態の基板支持を行った場合(実線52a)と従来の基板支持を行った場合(二点鎖線152a)とは、基板52、152がそれぞれ支持部材(バックアップ部8もしくはバックアップピン102)により中立位置において剛的(リジッド)に支持される。
経過時刻t3は、基板52、152、252が上方に凸形状に、変形した状態である。
経過時刻t4は、基板52、152、252が上方の変形から変形がない状態(中立位置)に復帰した時刻であり、経過時刻t5は、基板52、152、252が下方に凸形状に、変形した状態である。
状態X(経過時刻t1)以降では、従来の基板支持を行った場合152a(図13、図14参照)は振動減衰ができないため変位が大きい状態が続く。
バックアップ部8は、伸縮自在で基板52の方向に押圧されて接触するコンタクト部9と、コンタクト部9の下方向への変位量を限定するストッパ部11と、コンタクト部9の伸縮振動を減衰させるダンパ12(22)とを有することを特徴とする。
以上説明したバックアップ部8を備えることで、本実施形態では、電子部品6の実装時の電子部品6の破壊や、実装位置精度の不良を抑制し、信頼性が高い部品実装装置1を実現することができる。
以上、説明したバックアップ部8のダンパ12はオイルを用いたものであるが、本発明は、該オイルと図4〜図6に示した形状に限定されるものではなく、また、図を用いた説明は行わないが、ダンパ12、22をオイル式に代替してエア式とすることも可能である。エア式のダンパ12、22によっても、基板52の振動に対して空気の粘性による粘性減衰力を付与し振動を減衰させることができる。
ダンパ12、22は基板52の基板振動の早期減衰のためには設けることが望ましいが、存在しない場合でも基板52が打ちつけられる際の変位速度または変位加速度を、コイルスプリング10の弾性による弾性エネルギ、内部摩擦などで消費して低減し、基板52が激しくバウンドする状態を回避できるので一定の効果が見込める。
また、前記実施形態では、バックアップ部8が4つの場合(図3参照)を例示したが、バックアップ部8の数は任意に選択可能であることは勿論である。
つまり、本発明は、前記した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものでない。
このように、本発明の範囲内で様々な修正と変更が可能である。すなわち、本発明は発明の趣旨を変更しない範囲において適宜、任意に変更可能である。
6 電子部品
8 バックアップ部
9 コンタクト部
10 コイルスプリング(コイルバネ)
11 ストッパ部
12 ダンパ(ダンパ部、オイルダンパ)
21 ストッパ部(変位量が調整できるストッパ部)
51 搬送レール
52 基板
Claims (5)
- 電子部品が実装される基板が、その両端部が支持されて搬送される搬送レールと、
前記基板が、その下方から支持される複数のバックアップ部とを備え、
前記バックアップ部は、
伸縮自在に押圧されて前記基板に下方から接触するコンタクト部と、当該コンタクト部の下方向への変位量を限定するストッパ部と、前記コンタクト部の伸縮運動を減衰させるダンパ部とを有し、
前記コンタクト部は、前記コンタクト部を上方に押し上げる弾性力を発生する部材で伸縮自在に押圧されて前記基板に接触し、変位範囲の下限で前記基板の下方への変形を停止させるように当該基板と接触する
ことを特徴とする部品実装装置。 - 前コンタクト部は、コイルバネで伸縮自在に押圧されて前記基板に接触する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。 - 前記ダンパ部は、オイルダンパである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品実装装置。 - 前記ダンパ部は、エアダンパである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品実装装置。 - 前記ストッパ部は、前記変位量が調整できる
ことを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
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