JP5994660B2 - 狭域通信用車載器 - Google Patents
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Description
内部電源は、ETC車載器の正常動作を担保するためにその電圧を常に監視しており、ある一定の電圧以下になるとワンチップマイコンをリセットし、動作を初期化するようになっている。
5V系内部電源のリセット電圧は、ETCカード電源の最低動作保証電圧である4.5Vを閾値に設定されているが、これはETCカードが一度認証完了した後に認証状態が継続しているか否かが車載器側からは分からない仕様であることから、内部電圧が4.5Vを下回ってしまった場合は、リセットしてカード認証からやり直す仕様となっているからである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、内部電圧が記憶媒体の最低動作保証電圧よりも一時的に低下した場合であっても、路側機との狭域通信可能な状態に短時間で復帰することが可能となる狭域通信用車載器を提供することにある。
図1に示す狭域通信用車載器(以下、DSRC(登録商標))車載器1(狭域通信用車載器に相当)は、ETCカード2(記憶媒体、自動料金支払いシステム用カードに相当)を利用してETC課金処理システムを含む各種課金処理システムにより課金処理を実行するものである。つまり、DSRC車載器はETC車載器としても機能する。このDSRC車載器1が搭載された車両は例えばアイドリングストップ車で、車両が停止してフットブレーキが足踏み操作された状態で所定のエンジン停止条件が満足するとエンジンが停止し、フットブレーキを解除するとエンジンが再始動するようになっている。
ワンチップマイコン3は記憶部3a(記憶手段に相当)を有している。この記憶部3aは、RAM及びフラッシュメモリに代表される不揮発性メモリからなり、ETCカード2が挿入されたときに当該ETCカード2に記憶されている車両情報など予め登録された登録情報がバックアップのためにRAMに記憶されるようになっている。
尚、DSRC車載器1が簡易的なETC車載器として構成され、外部機器との接続が不要な場合には外部I/Fドライバ21が省略されることがある。
履歴スイッチ13は、各種設定作業を行ったり記憶されている所定の履歴情報をカーナビゲーション装置に表示させたりするための操作入力を受け付けるためのものである。
RF回路24は、アンテナ23が受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等を施してワンチップマイコン3に出力すると共に、ワンチップマイコン3から入力した情報に対してD/A変換、変調、周波数変換、増幅等を施し、その結果の信号をアンテナ23に出力する。このようにRF回路24で行われる周波数変換、変調、復調はDSRCの規格に則ったものである。
キースイッチのACCスイッチがオンされると、車載バッテリ4からDSRC車載器1に給電されるので、ワンチップマイコン3を含む各内部回路に5V電源6から5Vが給電されると共に3V電源7から3Vが給電される。ワンチップマイコン3の動作電圧が最低動作保証電圧以上となると、ワンチップマイコン3が図示しないリセット回路によりハード的に強制リセットされるので、ワンチップマイコン3が初期状態から動作開始する。つまり、カード検出SW11によりETCカード2の挿入の有無を判定し、挿入されていない場合は、ETCカード2が挿入されたところでカード認証を行う。一方、ETCカード2が予め挿入されていた場合には、カード検出SW11がオン状態となっているので、カード認証を直ちに行う。
以上のようにして、ワンチップマイコン3は、カード情報読出し動作を実行したときは、そのカード情報を内部のRAMに記憶する記憶動作を実行する。尚、上述のカード認証が成功しないと、ETCカード2は、ワンチップマイコン3からのカード情報の読出しおよび書込みのコマンドに対して拒否信号を返すようになっている。したがって、DSRC車載器1は、カード認証を経ることで初めて、ETCカード2に対してカード情報の書込みおよび読出しといった情報アクセスを行うことができるようになる。
ワンチップマイコン3は、上述した通り、ETCカード2が挿入されたときに、ETCカード2との間でカード認証の処理を行い、ETCカード2の情報を読み取る。ETCカード2の情報を読み取ることで、カード認証のための一連の処理が終了する。
車両がETC通信エリア内に入ると、ワンチップマイコン3は、ETC路側機から送信されるFCM(Flame Control Message)を受信し、それが正規なFCMであると、ETC路側機とのリンク確立のための情報の送受信を行う。ここまでの処理が成功すると、続いてETC通信処理が始まる。
カード認証のための一連の処理は、ETCカード2が装着されてから、ETCカード2の活性化、カード種類読出し、およびカード認証を経て、ETCカード2のカード情報の読出しが終了するまでの処理である。したがって、カード認証のための一連の処理が終了したか否かは、カード情報読出しが終了したか否かによって判定する。通常の場合、車両がETCゲートに接近するのに先立って、ETCカード2がDSRC車載器1に挿入されているので、車両がETC通信エリアに入った時点では、既にカード認証のための一連の処理は終了している。尚、カード認証のための一連の処理は、通常の場合、数秒程度継続する。
また、ETC通信処理が正常に完了していないと判定した場合、或いはゲートを通行可でないと判定した場合は、警告通知を行う。警告通知においては、ゲートを通行不可であることを示すメッセージを、カーナビゲーション装置の表示部に文字又は画像で表示させたり、スピーカ20に音声出力させたりする。
ところで、車両がETC通信エリアに進入したところで例えば渋滞によりアイドリングストップし、上述したETC通信処理が完了する前にエンジンが再始動すると、車載バッテリ4からの電圧が一時的に大きく低下する。このように車載バッテリ4からの電圧が大きく低下すると、5V電圧が4.5V未満に低下することがあり、このような場合は、ETCカード2がリセットされてしまう可能性があると共に、5V電圧が給電される各種電子回路の動作に支障を生じるおそれがある。
ここで、ワンチップマイコン3の最低動作保証電圧は1.8Vであるため、4.5V未満であっても動作電圧が1.8V以上であれば動作可能である。また、ETC通信に必要なETCカード情報は、カード認証時にワンチップマイコン3の記憶部3aに取り込まれており、ETCカード2を再認証しなくてもETC通信処理は可能である。
即ち、5V電圧が4.5V未満に低下すると、5V系電源監視回路8が低電圧通知をワンチップマイコン3に出力するので、ワンチップマイコン3は、低電圧通知が有ったと判定し(S101:有)、カード有無を判定する(S102)。このとき、ETCカード2が挿入されているので(S102:有)、カード検出SWトレースタスクを開始する(S103)。
ワンチップマイコン3は、低電圧通知が有ったときは(S101:有)、ETC通信処理、外部I/F、HMI等、カード検出を除く全ての動作を中断してから(S104)、ETCカード2の有無を判定する(S105)。このとき、ETCカード2は挿入されているので(S105:有)、低電圧通知が無くなるか(S107)、フラグが0となるか(S109)を監視するようになる。
ワンチップマイコン3は、上述のようにしてカード検出SWトレースタスクを終了したときは、全ての動作を再開する(S111)。このとき、記憶部3aで保持しているカード情報は有効であると判断し、電源復帰後もカードアクセスすることなく、そのまま記憶部3aで保持しているカード情報に基づいてETC通信処理を再開する。
ワンチップマイコン3は、上述したようにカード検出SWトレースにおいてフラグが0となったときは、電圧監視処理においてフラグが0となるので(S109:0)、リセット処理を実行する(S110)。
リセット処理では、図4に示すように全動作を停止してから(S301)、低電圧通知が無くなるかを監視し(S302)、低電圧通知が無くなったところで(S302:無)、ソフトウェアリセットを実行する(S303)。このソフトウェアリセットでは、ソフトを再起動してイニシャルから実行する。
尚、低電圧通知が有ったときに(S101:有)、ETCカード2が挿入されていないときは(S102:無)、全ての動作を中断してから(S104)、上述したリセット処理を実行する(S106)。
尚、ETCカード2が電圧低下によりリセットしていた場合は、ETC通信処理後にカードアクセスをした時点で通信エラーになることで判明するが、このときに改めてカード認証(活性化)からリトライすることで対応可能となる。
ワンチップマイコン3は、内部電圧である5V電圧が4.5V未満に電圧低下した場合は、カード検出を除く全ての動作を中断し、ETCカード2が抜き取られていないことを条件として5V電圧が4.5V以上に復帰したときは、記憶部3aに記憶されているカード情報は有効であるとして当該カード情報に基づいてETC路側機との狭域通信を再開するようにしたので、ETCカード2を再認証することなくETC路側機との狭域通信を再開することができる。これにより、ETC路側機との狭域通信可能な状態を短時間で復帰することが可能となるので、ETC路側機の通信エリアを通過するまでにETC通信処理を終了することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
記憶媒体に給電する手段としては、電極を通じた給電に限定されることなく、電磁結合を利用した給電であってもよい。
記憶媒体は、カード形状に限定されることなく、コイン形状であってよい。
DSRC車載器1をカーナビゲーション装置に内蔵するようにしてもよい。
ワンチップマイコン3の動作電圧を5V電圧から生成するようにしてもよい。
内部電圧としては、5V及び3Vに限定されることはない。
Claims (4)
- 記憶媒体(2)に記憶された情報に基づいて路側機との狭域通信を実行するワンチップマイコン(3)を備えた狭域通信用車載器(1)において、
車載バッテリから給電されることで内部電圧を生成する内部電源(6)と、
前記記憶媒体が装着されたことを検出する記憶媒体検出手段(11)と、
前記記憶媒体検出手段が前記記憶媒体の装着を検出したときは前記記憶媒体に記憶された情報に基づいて当該記憶媒体を認証する認証手段(3)と、
前記認証手段による認証が終了したときは、前記記憶媒体に記憶された情報を記憶する記憶手段(3a)と、
前記内部電圧が前記記憶媒体の最低動作保証電圧である第1電圧未満となる電圧低下を検出する第1電源電圧監視手段(8)と、
前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて路側機との狭域通信を実行する通信手段(3)と、を備え、
前記記憶媒体は、装着状態で前記内部電源から前記内部電圧が給電され、その内部電圧が最低動作保証電圧未満となるとリセットするように設けられ、
前記認証手段及び前記通信手段は前記ワンチップマイコンのプログラムとして構成され、
前記ワンチップマイコンは、前記内部電圧が給電されるように設けられ、その最低動作保証電圧は前記第1電圧よりも低く設定された第2電圧であり、
前記通信手段は、前記第1電源電圧監視手段が電圧低下を検出した場合は、前記記憶媒体検出手段以外の全ての動作を停止し、電圧低下を検出しなくなるまで前記記憶媒体検出手段が前記記憶媒体の装着状態を検出していたときは、前記記憶手段に記憶されている情報は有効であるとして当該情報に基づいて路側機との狭域通信を再開することを特徴とする狭域通信用車載器。 - 前記内部電源は、車載バッテリの電圧を降圧して生成した第1電圧を出力する第1内部電源(6)と、前記第1電圧を降圧して生成した第2電圧を出力する第2内部電源(7)と、から構成され、
前記第2内部電源が前記ワンチップマイコンの最低動作保証電圧未満となる電圧低下を検出する第2電源電圧監視手段(9)を備え、
前記ワンチップマイコンは、前記第2電源電圧監視手段が電圧低下を検出したときはハード的に強制リセットされて初期状態から動作することを特徴とする請求項1記載の狭域通信用車載器。 - 前記第1電源電圧監視手段が電圧低下を検出した場合において、その電圧低下を検出しなくなるまでに前記記憶媒体検出手段が前記記憶媒体の未装着状態を検出したときはリセット処理を実行するリセット手段(3)を備え、
前記リセット手段は、前記ワンチップマイコンのプログラムとして構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の狭域通信用車載器。 - 前記記憶媒体は自動料金支払いシステム用カードであり、
前記路側機は自動料金支払いシステム用路側機であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の狭域通信用車載器。
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