JP5994623B2 - 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents
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Description
(a)下部層が、いずれも化学蒸着形成された、Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの2層以上からなり、かつ3〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層、
(b)上部層が、化学蒸着形成された、1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム(以下、Al2O3で示す)層、
以上(a)および(b)で構成された硬質被覆層を形成してなる被覆工具が良く知られている。
そして、上記の従来被覆工具は、比較的耐摩耗性に優れるものの、高速断続切削条件で用いた場合にチッピング等の異常損耗を発生しやすいことから、硬質被覆層の構造についての種々の提案がなされている。
「 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層は、3〜20μmの合計平均層厚を有するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
(b)上部層は、1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層、
以上(a)および(b)で構成された硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
(c)上記(b)の酸化アルミニウム層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、表面研磨面の法線(Z)に対して、前記結晶粒の結晶面である(11−20)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最大ピークが存在すると共に、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占め、
(d)上記(b)の酸化アルミニウム層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、表面研磨面の法線(Z)に直交する任意の方向(X)に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、傾斜角度数分布グラフに最大ピークが存在し、さらに、該最大ピークの存在する傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占め、
(e)上記(b)の酸化アルミニウム層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、表面研磨面の法線(Z)に直交し、かつ、表面研磨面の法線(Z)に直交する任意の方向(X)にも直交する方向(Y)に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、傾斜角度数分布グラフに最大ピークが存在し、さらに、該最大ピークの存在する傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占め、
(f)上記(d)における最大ピークが存在する傾斜角区分と、上記(e)における最大ピークが存在する傾斜角区分との角度差は、±5度以内であることを特徴とする表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
Ti化合物層は、自体が高温強度を有し、これの存在によって硬質被覆層が高温強度を具備するようになるほか、工具基体と上部層であるAl2O3層のいずれにも強固に密着し、よって硬質被覆層の工具基体に対する密着性向上に寄与する作用をもつが、その合計平均層厚が3μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方その合計平均層厚が20μmを越えると、特に高熱発生を伴う高速断続切削で熱塑性変形を起し易くなり、これが偏摩耗の原因となることから、その合計平均層厚を3〜20μmと定めた。
Al2O3層は、一般的にすぐれた高温硬さと耐熱性を有し、硬質被覆層の耐摩耗性向上に寄与するが、その平均層厚が1μm未満では、硬質被覆層に十分な耐摩耗性を発揮せしめることができない。一方、工具寿命の延命化を図るため、その平均層厚25μmまでの厚層化は可能であるが、平均層厚が25μmを越えて厚くなりすぎると、チッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を1〜25μmと定めた。
即ち、Ti化合物層からなる下部層を通常の化学蒸着法で形成した後、該下部層の上に、例えば、通常の化学蒸着装置を用いて、
≪第1段階≫
反応ガス組成(容量%):AlCl3 1.0〜3.0%、CO2 1.0〜3.0%、HCl 1.0〜3.0%、残りH2、
反応雰囲気温度:870〜900℃、
反応雰囲気圧力:3〜7kPa、
の条件(Al2O3核形成条件という)で、20〜40分間Al2O3核を形成する。
≪第2段階≫
反応ガス組成(容量%):AlCl3 1.0〜3.0%、残りH2、
反応雰囲気温度:1000〜1050℃、
反応雰囲気圧力:3〜7kPa、
の条件(アルミニウムエッチング条件という)で、10〜30分間アルミニウムエッチング処理を施す。
≪第3段階≫
反応ガス組成(容量%):AlCl3 2〜4%、CO2 5〜8%、HCl 2〜4%、H2S 0.3〜1.0%、残りH2、
反応雰囲気温度:1000〜1050℃、
反応雰囲気圧力:5〜10kPa、
の条件(二次蒸着形成条件という)で、目標上部層厚になるまでAl2O3を蒸着形成する。
上記の3段階で、Al2O3を蒸着形成することによって、特異な方位形態、方位割合を有するAl2O3層からなる上部層を形成することができる。
なお、上記3段階でのAl2O3の蒸着形成によって、特異な方位形態、方位割合が形成される機構は未だ解明されていないが、第1段階におけるAl2O3核形成と第2段階におけるアルミニウムエッチング処理によって、安定粒界形成のため結晶粒の相互回転が起こるものと考えられる。
本発明では、表面研磨面の法線Zに対して、Al2O3結晶粒の(11−20)面の法線なす傾斜角が0〜10度の範囲内にある度数割合が45%以上であるから、(11−20)面の具備する優れた高温靱性を発揮し、十分な耐チッピング性を具備する。
なお、この度数割合が45%未満である場合には、十分に高温靱性を発揮することができず、その結果優れた耐チッピング性を発揮することができない。
したがって、本発明では、表面研磨面の法線Zに対して、Al2O3結晶粒の(11−20)面の法線なす傾斜角が0〜10度の範囲内にある度数割合を45%以上とした。
さらに、該最大ピークが形成される傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合となる。
上記度数割合が45%未満であると後述のY方向についての傾斜角度数分布グラフに現れる最大ピークを形成する結晶組織に対し、結晶方位が直交する結晶組織が十分な頻度で存在しないため、結晶粒組織間でのクラック伝播を抑止する効果が十分に発揮することができない。
したがって、本発明では、X方向についての傾斜角度数分布グラフにおいて形成される最大ピークを中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計を、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上と定めた。
さらに、該最大ピークが形成される傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合となる。
上記度数割合が45%未満であると前述のX方向についての傾斜角度数分布グラフに現れる最大ピークを形成する結晶組織に対し、結晶方位が直交する結晶組織が十分な頻度で存在しないため、結晶粒組織間でのクラック伝播を抑止する効果が十分に発揮することができない。
したがって、本発明では、Y方向についての傾斜角度数分布グラフにおいて形成される最大ピークを中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計を、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上と定めた。
これは、即ち、本発明の被覆工具のAl2O3層からなる上部層の表面研磨面(基体表面)と平行な面内においては、Al2O3結晶粒の結晶面である(0001)面の法線方向が恰もほぼ90度回転した方位形態を有する結晶粒組織から構成されるためである。
ついで、上部層としてのAl2O3層を、表4に示される条件にて、かつ、表6に示される目標層厚で蒸着形成することにより、
本発明被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
ついで、上部層としてのAl2O3層を、表4に示される条件にて、かつ、表7に示される目標層厚で蒸着形成することにより、
比較例被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
まず、傾斜角度数分布測定は、上部層のAl2O3層の表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に照射し、電子後方散乱回折像装置を用いて、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で、前記表面研磨面の法線Zに対して、前記結晶粒の結晶面である(11−20)面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する傾斜角度数分布グラフを作成した。
そして、この傾斜角度数分布グラフから、最大ピークが存在する傾斜角区分を求め、また、0〜10度の傾斜角区分に存在する度数割合(傾斜角度数分布グラフ全体の度数に対する0〜10度の傾斜角区分に存在する度数の合計の割合)を求めた。
表6、表7に、これらの値を示す。
また、図2に、本発明被覆工具1について作成した傾斜角度数分布グラフを示す。
そして、この傾斜角度数分布グラフから、最大ピークが存在する傾斜角区分を求め、また、最大ピークが存在する傾斜角区分の±5度の範囲の傾斜角区分に存在する度数割合を求めた。
ここで、最大ピークが存在する傾斜角区分の±5度の範囲とは、例えば、最大ピークが15.00−15.25度の傾斜角区分に存在した場合、10.00−20.00度の傾斜角区分範囲を最大ピークが存在する傾斜角区分の±5度の範囲とした。
また、Xにおける最大ピークと、Yにおける最大ピークの角度差は、例えば、Xにおける最大ピークが15.00−15.25度の傾斜角区分に存在し、Yにおける最大ピークが17.00−17.25度の傾斜角区分に存在した場合、高角側のピークが存在する傾斜角区分の下限である17.00度から低角側のピークが存在する傾斜角区分の下限である15.00度を減算し、得られた数値2.00度をXにおける最大ピークと、Yにおける最大ピークの角度差とした。
表6、表7に、これらの値を示す。
また、図3に、本発明被覆工具1について作成した傾斜角度数分布グラフを示す。
表6、表7に、これらの値を示す。
また、図4に、本発明被覆工具1について作成した傾斜角度数分布グラフを示す。
また、表面研磨面の法線(Z)に直交する任意の方向(X)に対する(0001)面の法線がなす傾斜角を測定した傾斜角度数分布グラフ(例えば、図3参照)において、傾斜角度数分布グラフに最大ピークが存在し、該最大ピークの存在する傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占める。
また、表面研磨面の法線(Z)に直交し、かつ、表面研磨面の法線(Z)に直交する任意の方向(X)にも直交する方向(Y)に対する(0001)面の法線がなす傾斜角を測定した傾斜角度数分布グラフ(例えば、図4参照)において、傾斜角度数分布グラフに最大ピークが存在し、該最大ピークの存在する傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占める。
さらに、上記方向Xについての傾斜角度数分布グラフにおける最大ピークの存在する傾斜角区分と、上記方向Yについての傾斜角度数分布グラフにおける最大ピークの存在する傾斜角区分とは、その角度差が±5度の範囲内となっている。
被削材:JIS・S30Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:470 m/min、
切り込み:1.1 mm、
送り:0.15 mm/rev、
切削時間:5分、
の条件(切削条件A)での炭素鋼の湿式高速断続切削試験(通常の切削速度は、
300m/min)、
被削材:JIS・SCM415の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:430m/min、
切り込み:2.2mm、
送り:0.15mm/rev、
切削時間:5分、
の条件(切削条件B)での合金鋼の湿式高速断続切削試験(通常の切削速度は、250m/min)、
被削材:JIS・FC300の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:440m/min、
切り込み:1.5mm、
送り:0.25mm/rev、
切削時間:5分、
の条件(切削条件C)での普通鋳鉄の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は、
300m/min)、
を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
この測定結果を表8に示した。
しかるに、本発明で規定する要件から外れる比較例被覆工具は、チッピング等の異常損傷発生を原因として短時間で寿命に至るため、何れの比較例被覆工具も、高速断続切削加工において、長期の使用に亘って、すぐれた切削性能を発揮することはできない。
Claims (1)
- 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層は、3〜20μmの合計平均層厚を有するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
(b)上部層は、1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層、
以上(a)および(b)で構成された硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
(c)上記(b)の酸化アルミニウム層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、表面研磨面の法線(Z)に対して、前記結晶粒の結晶面である(11−20)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最大ピークが存在すると共に、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占め、
(d)上記(b)の酸化アルミニウム層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、表面研磨面の法線(Z)に直交する任意の方向(X)に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、傾斜角度数分布グラフに最大ピークが存在し、さらに、該最大ピークの存在する傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占め、
(e)上記(b)の酸化アルミニウム層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、表面研磨面の法線(Z)に直交し、かつ、表面研磨面の法線(Z)に直交する任意の方向(X)にも直交する方向(Y)に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、傾斜角度数分布グラフに最大ピークが存在し、さらに、該最大ピークの存在する傾斜角区分を中心とした±5度の傾斜角区分の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上を占め、
(f)上記(d)における最大ピークが存在する傾斜角区分と、上記(e)における最大ピークが存在する傾斜角区分との角度差は、±5度以内であることを特徴とする表面被覆切削工具。
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