以下に、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
本実施形態では、物品が添付される被添付体が薬剤を収容した容器であり、該容器に添付される物品は効能等が記載された能書であるものとして説明するが、これに限定されるものではない。例えば、被添付体は薬剤以外の食品、日用品、電気製品等が収容される容器または筐体であってもよい。また、このような容器に添付される物品は、レシピ、懸賞、くじ、占い、取扱説明書などの様々な文書、絵柄、写真等の添付物であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態である能書添付装置(物品添付装置)を含む能書添付包装システム1の全体構成を概略的に示す平面図である。能書添付包装システム1は、容器搬入部2と、第1容器移載部4と、能書添付装置5と、第2容器移載部6と、容器搬出部7とを備える。
容器搬入部2は、例えばコンベヤによって構成することができる。容器搬入部2は、内容物が収納された容器Cを所定の間隔を空けながら矢印B方向に搬送する機能を有する。
また、容器搬入部2には、ラベル貼着部3が付設されている。ラベル貼着部3は、図2に示すように、容器蓋C1で開口部が閉じられた容器胴部C2の外周面にタックラベルTLを貼着する装置である。タックラベルTLの表面には商品名等とともに位置合わせ用のマークMが印刷され、その裏面には接着剤層が設けられている。
なお、本実施形態では容器搬入部2にラベル貼着部3が設置されるものとして説明するが、後述する筒状フィルムや添付物に商品名等が印刷されている場合、あるいは、容器に商品名等が印刷、刻印等によって付されている場合には、上記ラベル貼着部が省略されてもよい。また、容器Cに付される商品名等の表示は、タックラベル以外のラベル(インモールドラベル、シュリンクラベル等)、印刷(被添付体への直接印刷を含む)、レーザー印字、ホットスタンプ、凹凸成形等によって付すことができる。
第1容器移載部4は、容器搬入部2において搬送されてきた容器Cを能書添付装置5に移載するための装置である。他方、第2容器移載部6は、能書添付装置5において筒状フィルムにより能書が添付された容器Cを容器搬出部7に移載するための装置である。
第1容器移載部4と第2容器移載部6とは同じ構成を有するため、ここでは第1容器移載部4についてのみ説明することとする。
第1容器移載部4は、固定部材である支持部8に回転可能で且つ昇降可能に支持された容器チャック部材40を備える。容器チャック部材40は、互いに直交する方向に延伸する4本のチャックアーム42を有する。そして、各チャックアーム42の先端部には、縮径動作および拡径動作が可能な例えば3本のチャック爪44がそれぞれ設けられている。これらのチャック爪44は、例えば、圧縮空気によって作動するエアシリンダによって縮径動作および拡径動作するように構成されている。
このように構成される第1容器移載部4では、容器搬入部2の端部近傍の掴み上げ位置αに容器Cが搬送されてきたことがセンサ(図示せず)によって検出されると、容器搬入部2のコンベヤが一旦停止し、この状態で容器チャック部材40が下降動作する。これにより、1つのチャックアーム42の先端部が容器搬入部2上の容器Cの直上位置まで下降し、チャック爪44が縮径動作するように駆動されて容器Cがチャック爪44によって把持される。
そして、この把持状態を維持しつつ容器チャック部材40が上昇移動した後に、90度だけ矢印D方向(ここでは時計周り方向)に回転駆動されて一旦停止し、また下降動作する。このとき、周方向に隣接する別のチャックアーム42の先端にあるチャック爪44が上記と同様に駆動されて、容器Cを掴み上げる。このとき先に容器Cを把持しているチャック爪44は駆動されることなく縮径状態に保たれて、容器Cを把持したままとなっている。
それから、容器チャック部材40は、再び上昇移動してから矢印D方向に90度回転駆動されて、一旦停止する。この状態で、容器チャック部材40が下降移動して、上記掴み上げ位置αから180度隔てた容器導入位置βにおいて、先に掴み上げて搬送してきた容器Cを降ろす。そして、容器導入位置βに位置するチャック爪44が拡径動作するように駆動される。これにより、容器Cが能書添付装置5上に載置される。
次に、図1に加えて図3ないし図5も参照して、能書添付装置5について説明する。図3は、能書添付包装システム1の能書添付装置5において容器Cが載置されて搬送される容器載置部10を示す、図1中のA−A線断面図である。図4は、図3中の容器載置部10を上方から見た平面図である。図5は、図3中の容器載置部10に含まれる一対の冶具を示す側面図であり、(a)は図4中の矢印B方向から見た外径側冶具の立壁部の側面図、(b)は図4中の矢印G方向から見た内径側冶具の立壁部の側面図である。
能書添付装置5は、円盤状のロータリテーブル12を備える。ロータリテーブル12は、矢印E方向(本実施形態では時計周り方向)に45度ずつ間欠的に回転駆動されるように構成されている。回転動力源としては、サーボモータ等が好適に用いられる。
また、上記ロータリテーブル12の中心部には駆動テーブル31が同心状に設けられている。駆動テーブル31は、上記ロータリテーブル用モータとは別の駆動源(例えば圧縮空気によって作動するエアシリンダ)によって、上述する容器載置部の冶具を駆動するために所定角度だけ回転して戻るというように駆動されるようになっている。
駆動テーブル31には、8本の駆動ロッド34の内径側端部が周方向に等ピッチで連結されている。駆動ロッド34の外径側端部には、後述する容器載置部にそれぞれ含まれる駆動レバー22に連結されている。上述したように駆動テーブル31が回動することによって、容器載置部の駆動レバー22がロータリテーブル12の径方向に沿って進退移動するように構成されている。
上記ロータリテーブル12上には、8つの容器載置部10が周方向に45度ピッチで配置されている。容器載置部10は、図1及び図3に示すように、長方形状のベース部材14と、ベース部材14上に回転可能に設けられた載置台16と、ベース部材14上でスライド移動可能な一対のスライド部材18a,18bと、各スライド部材18a,18b上に立設された一対の冶具20a,20bと、冶具20a,20bを開閉駆動する駆動レバー22とを含む。
ベース部材14は、ロータリテーブル12上に固定されている。ベース部材14の上面には、ロータリテーブル12の径方向に沿って延びるガイド溝15が各スライド部材18a,18bに対応して凹設されている。これらのガイド溝15には、各スライド部材18a,18bの下面に突設されたガイドピン19が嵌入している。これにより、スライド部材18a,18bは、ロータリテーブル12の径方向に沿ってスライド移動するように構成されている。
また、スライド部材18a,18bのそれぞれ対向する側面は載置台16に当接可能になっており、これにより載置台16の回転を止めるブレーキとしても機能する。スライド部材18a,18bは、図示しないバネ等の付勢部材によって載置台16側へ向かって付勢された状態になっており、これにより載置台16に圧接されることによる上記ブレーキ力が付与されるとともに、後述するように駆動レバー22(図1参照)によって開動作された後の復元力が付与されている。
載置台16は、上述したように容器導入部において導入された容器Cが載置される台座である。載置台16は、例えば金属製の円板によって形成され、上記一対のスライド部材18a,18bの間に配置されている。載置台16の下面には回転軸17が突設されており、この回転軸17がベース部材14に取り付けられた軸受部材等によって支持されている。これにより、載置台16は、ベース部材14上に回転可能に支持されている。
一対の冶具20a,20bは、例えば、金属板を曲げ加工して形成されている。各冶具20a,20bは、L字状の断面形状を有しており、スライド部材18a,18b上にネジ留め等によって固定される取付部24と、取付部24から載置台16の周縁部に沿って上方および周方向に延びる立壁部26a,26bとを有する。以下、ロータリテーブル12の径方向に関し、径方向外側に位置する冶具を外径側冶具20aといい、径方向内側に位置する冶具を内径側冶具20bということがある。
本実施形態では、冶具20a,20bの立壁部26a,26bは、図4及び図5に示すように載置台16上に載置された容器Cとの間に少しの隙間が空くように形成されている。ただし、これに限定されるものではなく、冶具20a,20bの立壁部26a,26bの少なくとも一方、例えば内径側立壁部26bが、載置台16上の容器Cの側面に接触するように形成されてもよい。ここで、両方の立壁部26a,26bが容器Cと接触するように形成された場合、冶具20a,20bによって載置台16上の容器Cを挟持することで周方向位置を決めた状態にできるので、スライド部材18a,18bの側面が載置台16と接触しないように構成されてもよい。
また、図4に示すように、冶具20a,20bの立壁部26a,26bは、載置台16に載置される容器Cの外周面に沿うように略円弧状をなして上方へ延びる。このように冶具20a,20bを形成することによって、ロータリテーブル12の回転によって容器載置部10が周方向に移動するときに容器Cを安定した状態に保持することが可能になるとともに、後述するフィルム被嵌部において筒状フィルムを立壁部26a,26bの外側に被嵌するのを確実に行うことができる。
さらに、外径側冶具20aの立壁部26aは、図5(a)に示すように、上方から切り込まれた2つの切込部28aが形成されることによって略W字状の側面形状をなしている。これらの2つの切込部28aは、後述する能書挿入部において容器Cと冶具20aの立壁部26aとの間に能書Nを上方から挿入するときに能書Nを吸着保持する2つの吸着部材30と干渉しないよう逃がすために形成されている。なお、能書Nが他の手法で挿入される場合であって上記のような干渉が生じない場合には、立壁部26aは切込部を有しない側面形状をなす板材によって形成されてもよい。
他方、内径側冶具20bの立壁部26bは、図5(b)に示すように、上方から周方向中央に切り込まれた1つの切込部28bが形成されることによって略U字状の側面形状をなしている。この切込部28bは、後述する位置決め部において容器Cの周方向位置決めを行う際にタックラベルTLに付された位置決めマークMをマークセンサで読み取れるようにするために形成されている。ただし、このような容器Cの周方向位置決めを行わない場合には、立壁部26bは切込部を有しない側面形状をなす板材によって形成されてもよい。
図1を再び参照すると、能書添付装置5は、容器導入位置βにおいて第1移載部4により容器Cが容器搬入部2から容器載置部10に導入される箇所に容器導入部51を備える。また、能書添付装置5は、容器導入部51から矢印E方向に45度ずつ離れた位置に、容器位置決め部52、能書挿入部53、能書成形部54、フィルム被嵌部55、フィルム高さ整合部56、フィルム予備加熱部57、および、容器排出部58を順次に備える。
ここで、ロータリテーブル12の周方向に関して、容器位置決め部52は容器導入部51と能書挿入部53との間に設けられており、能書成形部54は能書挿入部53とフィルム被嵌部55との間に設けられており、フィルム高さ整合部56はフィルム被嵌部55とフィルム予備加熱部57との間に設けられている。
能書添付装置5の容器導入部51では、容器導入位置βにおいて容器Cが容器載置部10の載置台16上に載置されるとき、図6に示すように、容器載置部10の冶具20a,20bは、いずれも、少し開いた状態に駆動されている。なお、図6においては、外径側冶具20aが図中右側に示され、内径側冶具20bが図中左側に示されている。このことは、下記において参照する図8〜11及び図13〜16においても同様である。
このような冶具20a,20bの小開状態は、駆動テーブル31が所定角度だけ回転駆動されて、容器載置部10の駆動レバー22が駆動ロッド34を介して径方向に押されることによって実現される。より詳しくは、駆動レバー22の径方向外側への移動により外径側冶具20aが押されて径方向外側へ開動作するとともに、図示しないカウンタレバーの一端部が上記駆動レバー22によって径方向外側へ押されることにより上記カウンタレバーの他端部で内径側冶具20bが押されて径方向内側へ開動作する。
このように容器導入位置βにおいて容器載置部10の一対の冶具20a,20bを少し開くことによって、容器チャック部材40の下降動作で降りてくる容器Cを一対の冶具20a,20b間に受け入れて載置台16上に確実に載置することが可能になる。
上記のようにして容器導入位置βにおいて容器Cが容器載置部10に載置されると、ロータリテーブル12が矢印E方向に45度回転して一旦停止する。これにより、能書添付装置5に導入された容器Cは、容器位置決め部52に移動することになる。この回転移動の間、容器Cが載置されている容器載置部10の一対の冶具20a,20bは、図7に示すように、駆動レバー22の非作動によって閉じた位置とされている。これにより、載置台16上に安定保持された状態で容器を搬送することができる。
図8に示すように、能書添付装置5の容器位置決め部52には、ロータリテーブル12の径方向に関して容器載置部10の内径側にマークセンサ32が設けられるとともに、容器載置部10の上方位置に回転ヘッド38が昇降移動可能に設けられている。
容器位置決め部52において、容器Cの上面に回転ヘッド38が下降して当接し、この状態で回転ヘッド38が回転する。このとき、一対の冶具20a,20bは、上記容器導入部51の場合と同様に小開状態に開動作されている。これにより、スライド部材18a,18bによるブレーキが解除された載置台16(図3参照)が回転可能な状態になるため、容器Cは回転ヘッド38と共に回転することができる。
そして、マークセンサ32によって容器CのタックラベルTLのマークが検出される位置に容器Cの周方向位置が決まると、回転ヘッド38の回転が停止されるとともに一対の冶具20a,20bが閉動作して載置台16にブレーキを掛けて回転不能にする。これにより、容器CはタックラベルTLが内径側に向いた周方向位置に位置決めされた状態となる。
このようにして容器載置部10において容器Cの周方向位置が決められると、ロータリテーブル12が再び45度回転して、容器Cは次の処理ステージである能書挿入部53に移動する。
図1及び図9に示すように、能書添付装置5の能書挿入部53には、能書挿入ユニット60がロータリテーブル12の径方向外側に隣接して設けられている。能書挿入ユニット60は、多数の能書Nが整列した状態で収納されている能書ストッカ61と、能書ストッカ61の端部下方に開口形成された取り出し口から能書Nを1つずつ取り出して、容器Cと外径側冶具20aとの間へと搬送する能書搬送装置62とを備える。
能書搬送装置62の端部には、2つの吸着部材30が所定間隔だけ隔てて突設されている。これらの吸着部材30の先端部に設けた吸盤にエア吸引力を作用させることによって、能書ストッカ61の取り出し口に露出した状態となっている1つの能書Nを吸着し、この状態で能書搬送装置62が鉛直方向にほぼ沿った姿勢から矢印H方向に約90度だけ水平方向にほぼ沿った姿勢まで回転駆動される。これにより、能書Nは能書ストッカ61から取り出されて容器Cに添付される位置へと搬送される。
このとき、能書挿入部53では、図9に示すように、外径側冶具20aが全開位置まで移動して、容器Cから離間している。これにより、能書Nは、容器Cと外径側冶具20aとの間に形成された隙間に上方から挿入される。そして、外径側冶具20aが元の閉位置に戻ることにより、能書Nが外径側冶具20aによって容器Cに対して押さえ付けられた状態で保持されることになる。この能書挿入時、内径側冶具20bは閉位置に維持されていて、容器Cの径方向内側への移動を規制している。
このようにして能書Nが容器Cに押さえ付けられるのに同期して、能書搬送装置62ではエアパイプ64を介してのエア吸引が解除される。これにより、能書Nは吸着部材30による吸引保持状態が解除される。そして、能書搬送装置62は、上述したようなほぼ鉛直姿勢へと回動して、次の能書挿入動作に備える。
なお、能書Nが容器Cと外径側冶具20aとの間に挿入されるとき、能書Nが折り畳まれた状態にあるものであれば山折の折り目を下方に向けた状態で能書ストッカ61から搬送されて挿入されるように構成するのが好ましい。このようにすることで、図9において破線で示すように折状態にある能書Nが略V字状に若干開いたとしても、外径側冶具20aの上端縁部に引っ掛かることなく確実に容器Cの側方位置へと挿入することが可能になる。
上記のようにして能書挿入部53において容器Cに対して能書Nが外径側冶具20aによって押さえられた状態に添付されると、ロータリテーブル12が矢印E方向に45度回転駆動され、容器Cおよび能書Nが次のステーションである能書成形部54に搬送される。
能書成形部54は、能書Nを容器Cの外周面にほぼ沿った円弧状をなすように成形するステーションである。能書成形部54は、図10に示すように、ロータリテーブル12の外側から容器Cに対して進退移動可能な成形部材66を備えている。成形部材66は、能書Nに当接する押さえ付け面が容器Cの外周面に沿い易い円弧状に形成されていることが好ましく、外径側冶具20aの2つの切込部28a(図5(a)参照)を介して能書Nに当接可能な形状であってもよいし、外径側冶具20aから上方または側方にはみ出した能書Nの上部または側部に当接可能な形状としてもよい。
成形部材66は、容器Cに向かって前進移動して、外径側冶具20aに形成された2つの切込部28aを介して能書Nに当接して容器Cに押し付ける。このとき、外径側冶具20aは、成形部材66による能書Nの曲げ成形動作を効果的に行えるように容器Cから若干離間した極小開位置に駆動されている。このような能書Nの成形により、能書Nは容器Cの外周面にほぼ沿って湾曲した状態になり、後述するフィルム被嵌部55における筒状フィルムの被嵌を確実に行えるようにすることができる。
ただし、能書成形部54は、能書添付装置5において必須のものではなく、能書Nの腰が弱くて外径側冶具20aによる押さえ付けで容器Cに沿った湾曲状態に容易に変形するものである場合、能書Nの周方向の幅方向が小さく容器Cの外周面の接線方向に略真っ直ぐに延びていても、後工程である筒状フィルムの被嵌に支障を来たさない場合等に、省略されてもよい。
上記のようにして能書成形部54において能書Nが成形された後、ロータリテーブル12が矢印E方向に45度回転駆動され、容器Cおよび能書Nが次のステーションであるフィルム被嵌部55に搬送される。
フィルム被嵌部55は、外径側冶具20aによって能書Nを容器Cに対して押さえた状態で容器C、能書Nおよび一対の冶具20a,20bの外周に筒状フィルムFを被嵌する機能を有する。
図11に示すように、フィルム被嵌部55には、容器載置部10の直上位置にマンドレル68および一対のショットローラ69を含むラベル被嵌装置70が設けられている。ラベル被嵌装置70は、筒状に折り畳まれた長尺帯状のフィルム基材を所定長さずつ切断して個々の筒状フィルムFを形成する図示しないフィルム切断装置をさらに備える。
図12に、略舟形状に開いた筒状フィルムFの斜視図を示す。筒状フィルムFは、透明で薄い帯状シュリンクフィルムの両端部が重ね合って接着されているシール部Sと、シール部Sに沿って形成されたフィルム破断予定線であるミシン目線72と、シート状に折り畳まれたときの両側折り目74とを有する。また、筒状フィルムFには、ミシン目線72の位置を示す破断矢印マーク76が印刷により形成されている。
フィルム切断装置によって形成された個々の筒状フィルムFは、略円柱状の外周面を有するマンドレル68に被嵌されて円筒状に開かれた状態でマンドレル68の下端部に移送されてくる。そして、マンドレル68の下端部に接触配置された一対のショットローラ69が駆動されることにより、筒状フィルムFがマンドレル68の下方へ送り出される。これにより、フィルム被嵌部55において容器載置部10上にある容器C、能書Nおよび一対の冶具20a,20bの外側に筒状フィルムFが被嵌される。
このとき、それぞれ薄板部材で形成される立壁部26a,26bを有する一対の冶具20a,20bは閉位置にあって能書Nを容器Cに押さえ付けた状態に保持している。したがって、容器Cおよび能書Nの周囲に被嵌される筒状フィルムFの余裕代をそれほど大きくしなくても、筒状フィルムFの被嵌を確実に行うことができる。
また、このように能書Nを外径側冶具20aによって押さえた状態で筒状フィルムを被嵌するので、フィルム被嵌時に能書Nが容器Cに対して傾いた状態になることもない。
このようにしてフィルム被嵌部55において容器Cおよび能書Nの周囲に筒状フィルムFが被嵌されると、ロータリテーブル12が矢印E方向に45度回転駆動され、容器C、能書Nおよび筒状フィルムFは次のステーションであるフィルム高さ整合部56に搬送される。
フィルム高さ整合部56までの移動中、容器載置部10の一対の冶具20a,20bは、図13に示すように、駆動レバー22の非作動によって閉位置とされている。これにより、容器Cおよび能書Nは載置台16上に安定保持された状態で搬送されることができる。
図14に示すように、フィルム高さ整合部56には、容器Cおよび能書Nの周囲に被嵌された筒状フィルムを上方から押さえるフィルム押さえ部材78が昇降可能に設けられている。フィルム押さえ部材78は、フィルム高さ整合部56に搬送されてきた容器Cおよび能書Nの周囲にある筒状フィルムFに当接して下方へ押し下げる。これにより、フィルム被嵌部55において生じる筒状フィルムFの被嵌位置のばらつきを解消することができ、最終製品となったときのフィルム装着状態を良好なものとすることができる。
なお、このフィルム高さ整合部56においては、一対の冶具20a,20bは閉位置のままとされる。これにより、能書Nをしっかりと保持したままで筒状フィルムFの高さ整合動作を行うことができる。
ただし、フィルム高さ整合部56は、能書添付装置5において必須のものではなく、フィルム被嵌部55において筒状フィルムFが一対の冶具20a,20bの取付部24(図3参照)に当接した最下位置に筒状フィルムFが確実に被嵌される場合、あるいは、容器Cに対する筒状フィルムFの装着状態の若干のばらつきが許容される場合等に、省略されてもよい。
上記のようにしてフィルム高さ整合動作が行われた後、ロータリテーブル12が矢印E方向に45度回転駆動され、容器C、能書Nおよび筒状フィルムFは次のステーションであるフィルム予備加熱部57に搬送される。
図1及び図15に示すように、フィルム予備加熱部57には、容器載置部10上にある容器Cの周囲の筒状フィルムFに向けて熱風80を吹き付ける熱風ノズル82が設けられている。本実施形態では、縦方向に細長いノズル形状をそれぞれ有する2つの熱風ノズル82が所定の間隔を空けて筒状フィルムFに熱風を吹き付けるようにしている。より詳細には、容器Cに添付されている能書Nの周方向両側の端部に対応する位置で筒状フィルムFに熱風が吹きつけられるように各熱風ノズル82が配置されている。
フィルム予備加熱部57において各熱風ノズル82から熱風が筒状フィルムFに吹き付けられると、筒状フィルムFが部分的に予備収縮する。これにより、容器Cおよび能書Nを内包する筒状フィルムFの余裕代が若干小さくなり、その結果、後述する容器排出部において一対の冶具20a,20bが筒状フィルムF内から引き抜かれても筒状フィルムFによって能書Nがずり落ちない程度に仮保持することができるようになる。本実施形態では、上記のように2つの熱風ノズル82によって能書Nの端部に対応する位置で筒状フィルムFを予備収縮させることで、上述した能書Nの仮保持をより確実なものにできる。
さらに、本実施形態では、例えば、2つの熱風ノズル82の間に対応する位置に筒状フィルムFに付された破断矢印マーク76がくるようにフィルム被嵌部55における筒状フィルムの周方向位置が決められている。そのため、この予備収縮によって破断矢印マーク76に歪みが生じてしまうのを防止でき、最終製品となったときのフィルム外観を良好にできる利点がある。
上記のようにフィルム予備加熱部57において筒状フィルムFが予備収縮された後、ロータリテーブル12が矢印E方向に45度回転駆動され、容器C、能書Nおよび筒状フィルムFは次のステーションである容器排出部58に搬送される。
図1に示すように、容器排出部58には、第2容器移載部6を構成する容器チャック部材40が配置されている。この容器チャック部材40の構成は、第1容器移載部4に設けられたものと同じであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
図16に示すように、容器排出部58に搬送されてきた、筒状フィルムFが被嵌された容器Cおよび能書Nは、下降してきた容器チャック部材40の1つのチャックアームの先端にある3本のチャック爪44によって掴み上げられる。このとき、筒状フィルムFと能書Nの間から一対の冶具20a,20bが引き抜かれることになるが、上述したように能書Nは筒状フィルムFの予備収縮によって仮保持されているので容器Cと筒状フィルムFとの間から抜け落ちることはない。また、上記のように容器チャック部材40で容器Cを掴み上げるとき、3本のチャック爪44のうちの少なくとも1本で筒状フィルムFの上から能書Nを押さえた状態で容器Cを掴むことで、能書Nの脱落をより確実に防止することができる。
このようにチャック爪44によって掴み上げられて容器チャック部材40が矢印I方向(本実施形態では時計周り方向)に回転することにより、筒状フィルムFによって包装された能書付き容器Cが能書添付装置5から搬出される。そして、容器チャック部材40が180度回転した位置で下降してチャック爪44が開くことで、能書付き容器Cが開放されて容器搬出部7上に載置される。
容器搬出部7は、例えばコンベヤによって好適に構成される。このコンベヤが間欠的又は連続的に駆動されることにより、筒状フィルムFで能書Nが仮保持された容器Cが所定間隔をあけながら搬出される。その搬出途中で容器Cが加熱装置9を通過する際に筒状フィルムFの全体が収縮状態となるよう加熱される。これにより、収縮した筒状フィルムFによって能書Nが容器Cにしっかりと添付および結束された状態となる。
図17は、加熱収縮された筒状フィルムFによって能書Nが容器Cに添付されて結束された状態を示す斜視図であり、(a)はラベル側を示す図であり、(b)は能書側を示す図である。
図17(a)に示すように、加熱収縮した筒状フィルムFは、その上端部が容器Cの上端面の周縁部上に曲がり込んで円環状に係合しており、また、容器Cの胴部に密着するように縮径している。本実施形態における筒状フィルムFは透明フィルムであるため、容器Cの外周面に貼着されたタックラベルTLが筒状フィルムFを介して外側から視認することができる。
また、図17(b)に示すように、本実施形態では、容器Cの外周面上においてタックラベルTLと重ならない位置に能書Nが筒状フィルムFによって結束および添付されている。したがって、能書NによってタックラベルTLの表示の視認が妨げられることがない。
図18は、本実施形態における容器Cに対する能書Nの添付方法を示すフローチャートである。この添付方法を概略的に説明すると次のようになる。
まず、S1において、容器Cを能書添付装置5に導入する。このとき、容器Cは、一対の冶具20a,20bを備える容器載置部10に載置される。
続いて、S2において、容器載置部10に載置された容器Cは、タックラベル位置が後に添付される能書と重ならない位置となるように周方向位置が調整される。
次いで、S3において、容器Cと外径側冶具20aとの間に能書Nを挿入する。
次に、S4において、容器Cの外周面形状に馴染ませるように能書Nを成形する。
そして、S5において、容器Cに対して能書Nを外径側冶具20aで押さえた状態で、筒状フィルムFを上方から容器Cおよび外径側冶具20aの外側に被嵌する。
それから、S6において、筒状フィルムFを上方から押さえて、フィルム被嵌高さを整合させる。
その後、S7において、筒状フィルムFを予備加熱して部分的に収縮させ、筒状フィルムFによって能書Nを仮保持可能な状態とする。
そして、S8において、筒状フィルムFが被嵌されて能書Nが仮保持された容器Cが能書添付装置5から排出される。
上述したように、本実施形態の能書添付装置5および能書添付方法によれば、容器Cに対して能書Nを外径側冶具20aで押さえた状態で筒状フィルムFをその周囲に被嵌するため、筒状フィルムFの余裕代をそれほど大きくしなくても容器Cに対して能書Nを添付することが可能になる。したがって、筒状フィルムFを構成するフィルム量を低減できる。
また、容器Cの周囲に挿入された能書Nの周囲に被嵌される筒状フィルムFの余裕代を小さくできることで、筒状フィルムFが被嵌された後に容器Cに対して能書Nが傾きにくくなる。したがって、容器Cに対して能書Nが傾くことなく綺麗に添付して結束することができる。
また、本実施形態では、容器の周方向位置の調整を行って容器Cの外周面に付されたタックラベルTLと重ならない位置に能書Nを添付するようにしているため、能書NでタックラベルTLの表示の視認を妨げられることがない。
また、本実施形態では、筒状フィルムFを被嵌する前に容器Cの外周面形状に馴染んだ形状となるように能書Nを成形するため、筒状フィルムFの被嵌を確実に行うことができる。
また、本実施形態では、筒状フィルムFを部分的に加熱収縮させて余裕代を小さくすることにより能書Nが仮保持されることで、容器Cと筒状フィルムFとの間にある能書Nのずれや脱落が抑制され、容器Cに対する能書Nの添付状態を保障することができる。
さらに、本実施形態では、フィルム高さ整合部56において筒状フィルムFの被嵌位置を整合させているため、最終製品となった容器のフィルム包装状態の外観ばらつきをなくして良好なものにすることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態の装置および方法に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記においては、ロータリテーブル12を所定角度ずつ回転させるのに応じて、容器導入部、容器位置決め部、能書挿入部、能書成形部、フィルム被嵌部、フィルム高さ整合部、フィルム予備加熱部の各ステーションを周方向に配置したが、これに限定されるものではなく、これらの各ステーションを直線状に設置してもよい。
また、上記においては、容器が載置される容器載置部10に設けられた一対の冶具をいずれも開閉動作するように構成したが、これに限定されるものではなく、一方側の冶具、より具体的には外径側冶具のみを開閉動作させる一方で、内径側冶具を固定配置してもよい。このようにすることで、容器載置部の構成をより簡易なものにすることができる。
さらに、上記においては、容器導入部および容器排出部において、容器載置部に対して容器を上方から導入および排出するようにしたが、これに限定されるものではなく、容器載置部の側方から載置台上にスライド移動させて容器を載置してもよい。この場合、一対の冶具の少なくとも一方を全開位置へ移動させて各冶具間に容器を横方向から導入できる程度の間隔を空けるように駆動すればよい。
さらにまた、上記においては、容器を持ち上げることによって筒状フィルムの内側から一対の冶具を抜くように構成したが、これに限定されるものではなく、容器排出部において容器に対して一対の冶具を下降移動させることにより冶具が筒状フィルムの内側から抜かれるようにしてもよい。
そして、上記においては、筒状フィルムが熱収縮特性を有するシュリンクフィルムで構成される場合について説明したが、本発明は伸縮性のストレッチフィルムで筒状フィルムを構成した場合にも適用可能である。この場合、複数の拡径爪でストレッチフィルム製の筒状ラベルを容器および一対の冶具よりも大径に拡径した状態で、一対の冶具により能書を押し付け保持した容器を上記拡径されたストレッチフィルム内に相対的に移動させて挿入することにより、能書が添付された容器をストレッチフィルムで包装してもよい。この場合、フィルム予備加熱部および加熱装置が不要になる。