[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における遊技機1の正面図であり、図2は、ガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、遊技機1の裏面側の斜視図である。また、図4は、遊技機1の全体構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球200を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止ストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12sが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12sが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が第1の態様に制御されているときには、第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が第2の態様に制御されているときには、一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14sが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15sが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14sまたは第2始動口検出スイッチ15sが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14sまたは第2始動口検出スイッチ15sが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17sが設けられており、第2大入賞口検出スイッチ17sが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16Aとが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16Aとには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13sが設けられており、このゲート検出スイッチ13sが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16Aは、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対し、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16A内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16Aに入球可能となる。第1大入賞口16Aには第1大入賞口検出スイッチ16sが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16sが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16Aおよび第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、第1液晶表示装置(LCD)(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37が設けられている。この第1液晶表示装置31の上方には、演出用駆動装置33が設けられている。
なお、本実施形態においては、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37を液晶表示装置(LCD)として用いているが、プラズマディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄38をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄38を停止表示するものである。また、この演出図柄38の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、例えば、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37の少なくとも一方に演出ボタン35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作に基づく操作入力信号を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、普通図柄保留表示装置25が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示装置23と第2特別図柄保留表示装置24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示装置24においても、これと同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、第1特別図柄保留表示装置23および第2特別図柄保留表示装置24と同様の態様によって、普通図柄保留表示装置25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
また、ガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている(図3参照)。
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は、遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14s等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12s、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13s、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14s、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15s、第1大入賞口16Aに遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16s、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17sが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示装置23と第2特別図柄保留表示装置24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示装置25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、遊技機1において行う特別図柄及び普通図柄ごとの当たり判定を行う判定テーブル(図5参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図6参照)、大当たり遊技が終了した後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル(図7参照)、大入賞口開放態様テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブル(図8参照)、特別電動役物作動態様決定テーブルを用いて決定された大入賞口開放態様テーブル(図9参照)、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図10参照)等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
このときの記憶領域の例として、例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。
この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対し、主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、この演算処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
例えば、サブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、そのデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、サブROM120bには、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図11参照)、特定楽曲決定テーブル(図38参照)、特定楽曲順位決定テーブル(図39参照)、停止表示する演出図柄38の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等が記憶されている。なお、これらのテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述の記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上述の各制御処理を行うこととなる。
画像制御基板150は、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37、さらには、音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31と第2液晶表示装置37とのうちの少なくとも一方)における画像の表示制御と、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。なお、画像制御基板150の詳しい説明は、後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
次に、画像制御基板150における画像表示制御について説明する。
画像制御基板150は、上述したように、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37と、音声出力装置32とが接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37における画像の表示制御や、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
このとき、画像制御基板150と、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37との間には、画像データを表示させる際に所定の画像形式に変換して出力するブリッジ機能を有する汎用基板39が設けられている。
この汎用基板39は、画像データを表示する第1液晶表示装置31の性能に対応する画像形式に変換するブリッジ機能を有しており、例えば、SXGA(1280ドット×1080ドット)の19インチの液晶画面を第1液晶表示装置31(或いは第1液晶表示装置(メイン液晶))として接続したときと、XGA(1024ドット×768ドット)の17インチの液晶を液晶表示装置として接続したときとの解像度の違い等を吸収する。
この画像制御基板150は、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する演出画像の画像表示制御を行うため液晶制御CPU150a、液晶制御RAM150b、液晶制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、画像制御部(VDP(Video Display Processor))2000(以下、「VDP2000」と称する)と、音声出力装置32から音情報を出力する制御を行う音制御回路3000とを備えている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から受信した「演出パターン指定コマンド」に基づいて後述するディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによってCGROM151に記憶されている画像データを第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置のうちの少なくとも一方に表示させる指示を行う。
また、液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、液晶制御CPU150aは、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
液晶制御RAM150bは、液晶制御CPU150aに内蔵されており、液晶制御CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、液晶制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、液晶制御ROM150cは、マスクROM等で構成されており、液晶制御CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定した情報等などの情報を記憶している。このアニメーション情報の一例については、後述する。
続いて、CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、この画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
このCGROM151は、画像制御部2000によって画像データ単位で読み出しが行われ、このフレームの画像データ単位で画像処理が行われる。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000に出力し、このパルス信号を分周することで、VDP2000が制御を行うためのシステムクロック、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置のうちの少なくとも一方と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。また、このVRAM153は、後に説明する図12に示すようなメモリマップによって構成されている。
次に、図5〜図10を参照して、主制御基板110のメインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5(a−1)、図5(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルの一例を示す図である。図5(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図5(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図5(a−1)に示すテーブル大当たり判定テーブルと図5(a−2)に示す大当たり判定テーブルとでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
図5(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。具体的には、当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
図6は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。図6(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
具体的には、図6に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図6(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))を決定する。
また、第1特別図柄表示装置20においては、小当たりのときには図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。
また、ハズレのときには、図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照し、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。すなわち、「ハズレ」のときにはいずれの乱数値においても「00」の停止図柄データに決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり遊技の種類(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
図7は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブルである。
この図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された状態とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる。
ここで、「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。
具体的には、遊技状態バッファが「00H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない低確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「01H」であれば、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている高確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「02H」であれば、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない低確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「03H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている高確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。
図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルの特徴としては、同じ特別図柄の種類であっても、遊技状態バッファに記憶された情報に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。
具体的には、特別図柄の種類が特別図柄3(停止図柄データ03、第1確変大当たり3に対応)の場合には、高確率遊技フラグ及び高確率遊技回数(X)に関しては、遊技状態バッファに記憶されている情報に関わらず、大当たり遊技終了後には高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)を10000回に設定する。
一方、時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関しては、遊技状態バッファに時短遊技フラグがセットされていない遊技状態を示す情報(00Hまたは01H)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグのセットは行わず、時短回数(J)も0回にセットする。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグがセットされている遊技状態を示す情報(02Hまたは03H)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を10000回に設定する。
これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。
図8は、第1の実施形態において、大入賞口開放態様テーブル(図9)を決定するための特別電動役物作動態様決定テーブルの一例である。
図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、特別図柄の種類(停止図柄データ)及び、大入賞口開放態様について発生させた開放態様用乱数値(0〜99)に基づいて、大入賞口開放態様テーブル(TBL)が決定される。
この大入賞口開放態様テーブルに基づいて、大当たり遊技が実行されることから、大入賞口開放態様テーブルが大当たり遊技の種類を示すものといえる。
また、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルの特徴としては、第2始動口15に遊技球が入球した場合に作動される第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成されている。
これは、非時短遊技状態においては、第2始動口15にほとんど遊技球が入球しないのに、第2始動口15に遊技球が入球した場合に短当たりが決定されてしまうと、せっかく時短遊技状態を設けても、遊技者の遊技に対する意欲を減退させてしまうおそれがあるからである。
本実施形態では、第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成したが、第2特別図柄表示装置21においても「短当たりテーブル」を決定するように構成しても構わない。ただし、第2特別図柄表示装置21において「短当たりテーブル」を決定する場合には、第1始動口14に遊技球が入球した場合に作動される第1特別図柄表示装置20と比べて、「短当たりテーブル」が決定されにくく構成することが望ましい。
図8に示すように、例えば、特別図柄の種類が特別図柄1(停止図柄データ01、第1確変大当たり1)であるとき、開放態様乱数値が0〜59では「長当たりテーブル1」が決定され、開放態様乱数値が60〜99では「発展当たりテーブル1」が決定される。
一方、特別図柄の種類が特別図柄4(停止図柄データ04、第1通常大当たり1)であるとき、開放態様乱数値が0〜59では「長当たりテーブル1」が決定され、開放態様乱数値が60〜99では「発展当たりテーブル1」が決定される。
図9は、図8で決定された大入賞口開放態様テーブルの構成を示す図であり、大入賞口開放態様テーブルによって第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの開閉条件が決定される。
図9(a)は、大当たり遊技のときに参照される大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群の一例であり、「長当たりテーブル」、「発展当たりテーブル」(「発展当たりテーブル1」及び「発展当たりテーブル2」)、「短当たりテーブル」から構成されている。
図9(b)は、小当たり遊技のときに決定される小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルを示す図である。
長当たりテーブルに基づいて長当たり遊技が実行され、短当たりテーブルに基づいて短当たり遊技が実行され、発展当たりテーブルに基づいて発展当たり遊技が実行され、小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて小当たり遊技が実行されることになる。
図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17)と、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(R)と、1つのラウンドにおける大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、大当り遊技の開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数(K)と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の開放時間と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の閉鎖時間と、1つのラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
「発展当たりテーブル」のうち、「発展当たりテーブル1」は、第1大入賞口16Aを開放させる際の開放態様を決定するテーブルであり、「発展当たりテーブル2」は、第2大入賞口17を開放させる際の開放態様を決定するテーブルである。
第1特別図柄表示装置の大当たりにおいて、特別図柄1(停止図柄データ01、第1確変大当たり1)または特別図柄4(停止図柄データ04、第1通常大当たり1)であるとき、開放態様乱数値0〜59では「長当たりテーブル」が決定され、開放態様乱数値60〜99では「発展当たりテーブル1」が決定される。
また、第2特別図柄表示装置の大当たりにおいて、特別図柄5(停止図柄データ05、第1確変大当たり1)または特別図柄6(停止図柄データ06、第1通常大当たり1)であるとき、開放態様乱数値0〜59では「長当たりテーブル」が決定され、開放態様乱数値60〜99では「発展当たりテーブル1」が決定される。
これに対し、図9(b)に示す小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第2大入賞口17)と、1回の小当たり遊技における最大開放回数(K)と、1回の小当たり遊技における大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、小当り遊技の開始から最初に大入賞口が開放するまでの開始インターバル時間と、各開放回数における大入賞口の開放時間と、各開放回数における大入賞口の閉鎖時間と、最後の大入賞口の閉鎖時間の終了から小当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの「長当たりテーブル」によれば、第1大入賞口開閉扉16bを作動させて、遊技領域6の右側にある第1大入賞口16Aを、1ラウンドあたり最大29秒まで開放させることができる。
ただし、開放時間が29秒を経過するまでに、規定個数(9個)の遊技球が第1大入賞口16Aに入賞すると、第1大入賞口開閉扉16bの作動が終了して、1ラウンドの遊技が終了することになる。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの「短当たりテーブル」と図9(b)の小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルとは、最大ラウンド遊技回数(R)と最大開放回数(K)、閉鎖インターバル時間と各開放回数における大入賞口の閉鎖時間において、データの差異こそあるものの、同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行う(第2大入賞口17が0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを15回繰り返す)。したがって、遊技者は外見から短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのか判別することはできない。
これにより、遊技者に短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。
なお、本実施形態では、短当たり遊技の開放時間と小当たり遊技の開放時間とを全く同じ開放時間(0.052秒)に設定し、短当たり遊技の閉鎖時間と小当たり遊技の閉鎖時間とを全く同じ閉鎖時間(2秒)に設定した。しかしながら、全く同じ時間に設定せずとも、短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けても構わない。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの「発展当たりテーブル1」も、1ラウンド目の3回目の大入賞口の開放(K=3)までは、第1大入賞口16Aが0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを繰り返しの開閉動作を行う。
さらに、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの「発展当たりテーブル2」は、1ラウンド目の3回目の大入賞口の開放(K=3)までは、上述した短当たり遊技と小当たり遊技と同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを繰り返し)、遊技者は外見から発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技のいずれであるのかを判別することはできない。
しかしながら、「発展当たりテーブル1」、「発展当たりテーブル2」の何れの開放態様も、4回目の大入賞口の開放(最大ラウンド遊技回数(R)=2、大入賞口の最大開放回数(K)=1)からは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間が長くなる(略29秒)。これにより、「発展当たりテーブル2」による第2大入賞口17の開放態様は、4回目の開放からは、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別することができる。
このため、最初は遊技者に短当たり遊技または小当たり遊技であると認識させ、その後、遊技者に遊技球が獲得可能な大当たり遊技(発展当たり遊技)であると認識させる遊技(これを「発展当たり遊技」という)を行うことができる。
なお、本実施形態では、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別不能となる大入賞口の開放までは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の開放時間と全く同じ開放時間(0.052秒)に設定し、発展当たり遊技の大入賞口の閉鎖時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の閉鎖時間と全く同じ閉鎖時間(2秒)に設定した。しかしながら、同じ時間に設定せずとも、発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技のいずれであるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けてもよい。
「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の短い開放時間(0.052秒)、「発展当たり遊技」の前半部の短い開放時間(0.052秒)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも短いため、第2大入賞口開閉扉17bが作動したとしても、第2大入賞口17に入賞することが困難である。
なお、「発展当たりテーブル1」による第1大入賞口16Aの開放態様は、0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを3回繰り返す開放態様(K=3)を1ラウンド目に設定するが、これに限定されない。本実施形態では、この0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを3回繰り返す開放態様(K=3)を、例えば5ラウンド目に設定するようにしてもよい。これにより、遊技機1は、遊技者に対し、一端は、4ラウンド大当たりであるように思わせながら、ラウンド数が次々に追加されていくような感覚を与えることができる。
「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の開放態様、「発展当たり遊技」の前半部の開放態様は「不利な開放態様」といえる。
一方、「長当たり遊技」の長い開放時間(29秒)、「発展当たり遊技」の後半部の長い開放時間(29秒)は、遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも長いため、「有利な開放態様」といえる。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルによれば、長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技に関わらず、全ての大当たりのときの最大ラウンド遊技回数(R)を同一の回数に設定している。このため、従来のようにラウンド遊技回数を識別させるための表示装置を設ける必要がなくなる。
遊技機1は、後述するように、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に、遊技者が選択した楽曲を含む複数の楽曲を連続再生(例えばループ再生)により出力する。
遊技機1は、大当たり遊技の実行後の遊技状態を所定遊技状態である低確率遊技状態と設定することにより、大当たり遊技のラウンド遊技の実行中に、遊技における演出に用いる演出オブジェクトに関連付けられた特定楽曲を含まない複数の楽曲を連続再生する。
一方、遊技機1は、この大当たり遊技の実行後の遊技状態を、所定遊技状態(低確率遊技状態)よりも大当たり遊技を実行すると判定されやすい有利遊技状態である高確率遊技状態と設定することにより、ラウンド遊技の実行中に連続再生する複数の楽曲中にこの特定楽曲を含ませる。
図7に示すように、遊技機1は、特別図柄1(停止図柄データ01、第1確変大当たり1)に当選した場合には、「長当たりテーブル」または「発展当たりテーブル1」により、複数回(ラウンド)第1大入賞口16Aを長時間(29.000秒)開放するラウンド遊技を有する大当たり遊技の実行後に、有利遊技状態である高確率遊技状態に設定する。この場合、遊技機1は、このラウンド遊技中に、特定楽曲を含む複数の楽曲を連続再生する。
一方、遊技機1は、特別図柄4(停止図柄データ04、第1通常大当たり1)に当選した場合には、「長当たりテーブル1」または「発展当たりテーブル1」により、複数回(ラウンド)第1大入賞口16Aを長時間(29.000秒)開放するラウンド遊技を有する大当たり遊技の実行後に、所定遊技状態である低確率遊技状態に設定する。この場合、遊技機1は、ラウンド遊技中に、特定楽曲を含まない複数の楽曲を連続再生する。
このように、遊技機1は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が低確率遊技状態であることにより、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に特定楽曲を含まない複数の楽曲を連続再生し、大当たり遊技の実行後の遊技状態が高確率遊技状態であることにより、ラウンド遊技の実行中に特定楽曲を含む複数の楽曲を連続再生する。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技の実行後の遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態かを示唆させることが可能となる。
図10は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。
そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。この変動パターン指定コマンドの一例を図11に示す。
したがって、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
ここで、特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成されている。
そして、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
また、この図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が3000msの変動パターン9(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が3000msを超える変動パターンが決定される。
このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
このような各種テーブルが主制御基板110のメインROM110bに記憶されている。
次に、図11を参照して、演出制御基板120のサブROM120b(情報制御部121の後述の情報記憶部205)に記憶されている変動演出パターン決定テーブルの詳細について説明する。
図11は、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21における変動パターン指定コマンドに基づいて、第1液晶表示装置31等においての演出図柄38の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120a(情報制御部121の後述の演出処理部207)は、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1(0〜99)に基づいて、変動演出パターンを決定する。
この図11では、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドをサブCPU120aが受信した場合であっても演出用乱数値に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、演出制御基板120で記憶する変動演出パターンに比べて主制御基板110で記憶する特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させている。これにより、主制御基板110における記憶容量の削減を図ることができるとともに、バリエーション豊富な演出が可能となる。
この「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出(これを「通常演出」ともいう。)の態様をいう。例えば、第1液晶表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄38の変動態様が決定される。
また、本実施形態において、「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄38が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せとして「777」の3桁の演出図柄38の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄38が「7」で停止表示され、残りの演出図柄38が変動表示を行っている状態を「リーチ」という。
サブCPU120aは、変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを特定して画像制御基板150の液晶制御CPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。
また、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、例えば、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施の形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。すなわち、(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」とは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」とは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
本実施の形態においては、第1大入賞口16Aを長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させてから、長い開放時間で開放させる「発展当たり遊技」との3種類の「大当たり遊技」と、1種類の「小当たり遊技」とが設けられている。なお、本実施の形態においては、「大当たり遊技」と、「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり遊技」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長大当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、第1大入賞口16Aが開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16Aの最大開放時間は最大29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16Aに規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。すなわち、「長当たり遊技」は、第1大入賞口16Aに遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。また、第1大入賞口16Aは、遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「長当たり遊技」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
本実施形態において、「短当たり遊技」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり遊技」は、「長当たり遊技」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において、「発展当たり遊技」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、発展当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「発展当たり遊技」においては、第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。初回のラウンド遊技において、第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)の開放時間が短い開閉動作を複数回実行した後、第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)の開放時間が長い開閉動作を行う。2ラウンド遊技以降の第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)の最大開放時間は29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「発展当たり遊技」は、当初は第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)の開放時間が短い開閉動作を繰り返した後、第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)の開放時間が長い開閉動作を繰り返している間には、第1大入賞口16A(または第2大入賞口17)に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
本実施形態において、「小当たり遊技」とは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
図12は、本実施形態における遊技機の画像制御基板150において用いるフレームバッファの構成を示す構成図の例である。
図12(a)は、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方を用いて画像データを表示する場合であって、特に、第1液晶表示装置31のみが画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、第2液晶表示装置を有していない場合の構成におけるメモリマップである。
図12(a)に示すメモリマップは、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域によって構成されている。
画像データ展開領域153bは、VDP2000に含まれる後述するような伸長回路により伸長された画像データを記憶する領域であって、ディスプレイリスト記憶領域153aは、液晶制御CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶する領域である。
また、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153dは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第1液晶表示装置31に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
ちなみに、その他の領域には、例えば、パレットデータ等が記憶される。
なお、このメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
図12(b)は、第1液晶表示装置(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37の両表示装置に画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合の構成におけるメモリマップである。
この図12(b)においても、図12(a)に示すメモリマップと同様、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域を具備し、さらに、サブ液晶用第1フレームバッファ153e、サブ液晶用第2フレームバッファ153fを具備して構成されている。
画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域については、上記に示すと同様であり、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第2液晶表示装置37に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
なお、このサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
以上に示す以外にも、第2液晶表示装置を有しない構成、すなわち、第1液晶表示装置31のみを有する構成であっても、図12(b)に示すような第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のフレームバッファを有するメモリマップを用いることも可能である。
この場合、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのフレームバッファは作業領域として用いられることはない。
続いて、VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、液晶制御CPU150aからの指示に基づいて、第1液晶表示装置31についてはメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dとのいずれか、第2液晶表示装置を設ける場合は、第2液晶表示装置についてサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのいずれか、のフレームバッファのうち「表示用フレームバッファ」から画像データを読み出す。
そして、読み出した画像データに基づいて、映像信号(LVDS信号やRGB信号等)を生成して、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置のうちの何れか一方に出力して表示させるものである。
このVDP2000は、図示しない制御レジスタ、CGバス I/F、CPU I/F、クロック生成回路、伸長回路、描画回路、表示回路、メモリコントローラを備えており、これらはバスによって接続されている。
制御レジスタは、VDP2000が描画や表示の制御を行うためのレジスタであり、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタは、VDP2000が動作するために必要な基本的な設定を行う「システム制御レジスタ」と、データの転送に必要な設定をする「データ転送レジスタ」と、描画の制御をするための設定をする「描画レジスタ」と、バスのアクセスに必要な設定をする「バスインターフェースレジスタ」と、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする「伸長レジスタ」と、表示の制御をするための設定をする「表示レジスタ」との6種類のレジスタを備えている。
CGバス I/Fは、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/Fを介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/Fは、液晶制御CPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、このCPU I/Fを介して液晶制御CPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号を液晶制御CPU150aに入力したりする。
データ転送回路は、各種デバイス間のデータ転送を行う。具体的には、液晶制御CPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を第1液晶表示装置31に出力する。
伸長回路は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを画像データ展開領域153bに記憶させる。
描画回路は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路は、VRAM153にあるメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cおよびメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dおよびサブ液晶用第1フレームバッファ153eおよびサブ液晶用第2フレームバッファ153fのうち、「表示用フレームバッファ」として機能するフレームバッファに記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示す映像信号を生成する。
そして、表示回路は、生成した映像信号を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に出力する回路である。さらに、この表示回路は、第1液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力するとともに、第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力する。
メモリコントローラは、液晶制御CPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROM(図示せず)が備えられており、音制御回路3000が、演出制御基板120から送信された音声出力指示のコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
図13は、遊技機1の画像制御基板150において用いるアニメーション情報を示す図である。
図13(a)に示すアニメパターンは、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する演出画像を構成する構成情報であるオブジェクト等のほか、その演出画像の表示を行うタイミングや場面であるシーンが指定された情報であって、演出に際して表示する演出画像を成形する画像成形情報である。
このアニメパターンが1または複数、束ねられることによってグループ(以下、「アニメグループ」ともいう)を形成しており、例えば、図13(a)では、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ、演出図柄38のアニメーションを表示するための演出図柄グループを示している。
もちろん、これらはグループの一例を示したものに過ぎず、その他多数のグループが設けられているものである。
このアニメグループは、液晶制御ROM150cに記憶されている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120におけるサブCPU120aから演出パターン指定コマンドを受信し、この演出パターン指定コマンドに基づいて実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
図13(b)〜図13(d)及び図13(e)は、図11に示す変動演出パターン決定テーブルにおいて指定された演出パターン指定コマンドのうち、「A1H07H」の演出パターン指定コマンドを受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
この演出パターン指定コマンド(A1H07H)は、通常変動演出を「変動演出パターン7」の変動演出パターンによって行うことを指示するコマンドであって、例えば、その通常変動演出を行う際に用いる構成要素が属するアニメグループであって、変動演出に用いられる役割ごとに別けたアニメグループの少なくとも1つを特定するものである。
すなわち、液晶制御ROM150cには、演出パターン指定コマンドとその演出パターン指定コマンドの演出パターンに用いるアニメグループとが対応付けられたアニメグループ対応テーブル(図示せず)を記憶しておき、液晶制御CPU150aでは、このアニメグループ対応テーブルを用いて演出パターン指定コマンドに対して用いるアニメグループを決定する。
例えば、変動演出パターン「7」に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信すると、液晶制御CPU150aは、「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループ」の4つのグループを決定し、これら各アニメグループからアニメパターンの決定を可能とする。
一例として、背景グループから「アニメパターン1」を決定し、予告Aグループから「アニメパターン11」を決定し、予告Bグループから「アニメパターン21」を決定し、演出図柄グループから「アニメパターン501」を決定する。
このアニメパターンは、図13(b)〜図13(d)及び図13(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序や表示する表示装置を指定した情報等を記憶している。
例えば、図13(e)に示す演出図柄グループのアニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「第2液晶表示装置37」が指定されていることから、1番目にアニメシーン501が実行され、このアニメシーン501に続いて2番目にアニメシーン511が実行されて、サブ液晶(第2液晶表示装置)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
液晶制御RAM150bには、1フレーム毎に計数して更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にこの「シーン切換カウンタ」が540を計数することによって、2番目のアニメシーン511へとアニメシーンが切り替わる。
そして、2番目のアニメシーン511を実行している間に「シーン切換カウンタ」によって「60」(60フレーム分)を計数されると、演出図柄グループのアニメパターンのアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であって、例えば、第1液晶表示装置31が1秒間に60フレームを表示する場合には、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されて行く。
上記の例では、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されていく例を示しているが、これに限定されることなく、「1/30秒(約33.3ms)」ごとに1フレームが更新されていくような構成であってもよい。この場合、表示装置は1秒間に30フレームを表示することとなる。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、アニメーション情報として、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定する情報等などを記憶している。
例えば、図13(e)に示すアニメシーンでは、最初に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が所定の座標(第1図柄は座標(x30、y30)、第2図柄は座標(x40、y40)、第3図柄は座標(x50、y50)、第4図柄は座標(x60、y60))に20フレーム(約0.33秒)分、表示され続ける。
その後、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が別の座標(第1図柄は座標(x31、y31)、第2図柄は座標(x41、y41)、第3図柄は座標(x51、y51)、第4図柄は座標(x61、y61))に15フレーム(約0.25秒)分、表示され続ける。
以降も同様に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が予め定められたフレーム分、指定された座標に表示され続けていくと、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションとなる。
また、図13(b)〜図13(d)に示す「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ」の各アニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「メイン液晶(第1液晶表示装置31))」が指定されており、背景グループでは図13(b)に示すようにアニメシーン1が「600」フレーム実行され、予告Aグループでは図13(c)に示すようにアニメ−シーン0が「120」フレーム実行された後にアニメシーン11が「180」フレーム実行され、予告Bグループでは図13(d)に示すようにアニメシーン0が「180」フレーム実行された後にアニメシーン21が「240」フレーム実行されて、メイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
以上のようなことから、図13(b)〜図13(d)に示すように「背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と」の複数のアニメパターンが決定されてこれらのアニメパターンのアニメーションが時系列に並列して実行されることでメイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンに基づく演出画像が表示され、図13(e)に示すように、「演出図柄グループからはアニメパターン501」のアニメパターンが決定され、このアニメパターンのアニメーションが実行されることでサブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンに基づく演出画像が表示される。
これによって、第1液晶表示装置(メイン液晶)31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。
なお、これらの画像は、第1液晶表示装置(メイン液晶)31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて画像として視認できない状態となる。
さらに、第2液晶表示装置を設ける場合には、その第2液晶表示装置の表示領域には、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)(停止時間)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。なお、第2液晶表示装置には演出図柄のみを表示する例を示しているが、これに限定することなく、例えば、第1液晶表示装置としての第1液晶表示装置31において表示した背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して表示するようにしてもよい。
図14は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの例であって、表示する表示装置ごとのディスプレイリストの例を示している。
図14(a)は、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第1ディスプレイリストの一例であり、図14(b)は、第2液晶表示装置37において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第2ディスプレイリストの一例である。
液晶制御CPU150aにおいて、上記で説明したアニメーション情報を元にアニメパターンを決定すると、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37のそれぞれに表示する所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストをそれぞれ生成する。すなわち、表示装置の数に応じて単位フレームごとにディスプレイリストが生成されることとなる。
液晶制御CPU150aは、このようにして生成したディスプレイリストそれぞれをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法は、液晶制御CPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
以下に、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を構成するディスプレイリストの例を示す。
図14(a)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い「優先順位9」のデータが対応づけられ、予告Aグループには「優先順位8」のデータが対応づけられ、予告Bグループには「優先順位7」のデータが対応づけられる。そして、大当り演出グループには最も高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。
また、図14(b)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには優先順位の低い「優先順位2」のデータが対応づけられ、演出図柄グループには優先順位の高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。この図14(b)に示す例では、上記において、背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して第2液晶表示装置37に表示する場合におけるディスプレイリストの例を示している。もちろん、背景グループからなるアニメパターン1のみを表示するような場合には演出図柄グループのアニメシーン501のみを指定したディスプレイリスト、すなわち、図14(b)のアニメグループのカラムで「背景グループ」が指定されているレコードを含まないディスプレイリストとする。
そして、図14(a)では、上記の図13(b)〜図13(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21との複数のアニメパターンが決定されたものとし、図14(b)では、図13(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、第1液晶表示装置31に表示する演出画像に対応するディスプレイリスト(第1ディスプレイリスト)として、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(大当り演出グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(a)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
第2液晶表示装置37に表示する演出画像に対応するディスプレイリスト(第2ディスプレイリスト)としては、低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1と、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)との描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(b)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
この図14(a)及び図14(b)に示すようなディスプレイリストは、液晶制御CPU150aが必要なデータを参照しながら生成される。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめた表示装置ごとのディスプレイリスト(第1ディスプレイリストおよび第2ディスプレイリスト)を、液晶制御CPU150aがVDP2000に出力することによってVDP2000を構成する描画回路がディスプレイリストごとに演出画像を描画する描画処理を行い、描画処理された演出画像を対応する液晶表示装置(第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置)に表示する。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
図15は、遊技機1の主制御基板110で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この初期化処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
続いて、ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
そして、ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。
このような処理が行われると、ステップS40において、メインCPU110aは、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し、電断処理が行われるまで(S40でNO)は割り込み処理が行われることによって演出用乱数値更新処理(S20)以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われると(S40でYES)処理を終了する。
図16は、遊技機1の主制御基板110で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0(ゼロ)に戻してその時の初期乱数値0(ゼロ)からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
次に、ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
次に、ステップS140において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この入力制御処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12s、第1大入賞口検出スイッチ16s、第2大入賞口検出スイッチ17s、第1始動口検出スイッチ14s、第2始動口検出スイッチ15s、ゲート検出スイッチ13sの各スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12s、第1大入賞口検出スイッチ16s、第2大入賞口検出スイッチ17s、第1始動口検出スイッチ14s、第2始動口検出スイッチ15sからの各種検出信号を入力した場合には、ぞれぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14sから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15sから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13sから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16sまたは第2大入賞口検出スイッチ17sからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
次に、ステップS200において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。
続いて、ステップS300において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
そして、ステップS400において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
次に、ステップS500において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
また、ステップS600において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、ステップS1609で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、ステップS500で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
図17は、遊技機1の主制御基板110で行われる特図特電制御処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、ステップS201において、特図特電処理データの値をロードし、ステップS202において、ロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照する。
このとき、特図特電処理データが0(ゼロ)であれば、特別図柄記憶判定処理を行い(ステップS210)、また、特図特電処理データが1であれば特別図柄変動処理を行い(ステップS220)、特図特電処理データが2であれば特別図柄停止処理を行う(ステップS230)。
また、特図特電処理データが3であれば大当たり遊技処理を行い(ステップS240)、特図特電処理データが4であれば小当り遊技処理を行い(ステップS250)、特図特電処理データが5であれば大当り遊技終了処理を行う(ステップS260)。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
このときの特別図柄記憶判定処理として、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。
図18を用いて、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理の詳細な流れを説明する。
ステップS210−1において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップS210−2に処理を移す。
このステップS210−2において、メインCPU110aは、特別図柄の変動中ではない場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であると判定した場合にはステップS210−3に処理を移し、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上でない場合にはステップSS210−4に処理を移す。
ステップS210−3において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
ステップS210−4において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であると判定した場合にはステップS210−5に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上でない場合には、ステップS219に処理を移す。
ステップS210−5において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
ステップS210−6において、メインCPU110aは、ステップS210−2〜S210−5において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
具体的には、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、特図変動用乱数値が消去される。
なお、本実施形態では、ステップS210−2〜S210−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS211において、メインCPU110aは、ステップS210−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図19を用いて、後述する。
ステップS212においては、メインCPU110aは、変動パターン決定処理を行う。変動パターン決定処理は、図11に示す変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの判定結果、特別図柄の種類、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U)、取得したリーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
ステップS213において、メインCPU110aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS214において、メインCPU110aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS215において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、ステップS500でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS600において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
ステップS216において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄時間カウンタにステップS212において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタはステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS217において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに00Hをセットし、デモ判定フラグをクリアする。
ステップS218において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1をセットし、図20に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS219において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていない場合にはステップS219−1に処理を移す。
ステップS219−1において、メインCPU110aは、後述するステップS219−2でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
ステップS219−2において、メインCPU110aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
再び、図17の特図特電制御処理について説明を戻す。ステップS220の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、決定された特別図柄の変動時間が経過したか(特別図柄時間カウンタ=0)否かを判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、セットされた特別図柄の変動時間のカウンタは、ステップS110において減算処理されていく。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、時短回数(J)>0のときには時短回数(J)カウンタから1を減算して更新し、時短回数(J)=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)>0のときには高確率遊技回数(X)カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数(X)=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS230の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータを参照し、現在の遊技状態を示すデータ(00H〜03H)を遊技状態バッファにセットする。その後に、高確率遊技フラグ記憶領域および時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータ(高確率遊技フラグと時短遊技フラグ)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタをクリアする。さらに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS240の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、長当たりまたは短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、まず特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する(長当たりテーブル、短当たりテーブルまたは発展当たりテーブルを決定する)。
次に、決定した大当たりの開放態様を実行させるために、大入賞口開放態様テーブルを参照し、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9または特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS250の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した小当たりの開放態様を実行させるために、大入賞口開放態様テーブルを参照し、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15または大入賞口入球数(C)=9である)と、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
ステップS260の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には、大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、遊技状態バッファに記憶されているデータと、決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定を行う。例えば、特別図柄1であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)カウンタに10000回をセットする。さらに、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットし、時短回数(J)カウンタにも10000回をセットする。
その後、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
図19を用いて、遊技機1の主制御基板における大当り判定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
ステップS211−1において、メインCPU110aは、ステップS210−6において第0記憶部(判定記憶領域)に記憶された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定する。このとき、メインCPU110aは、ステップS210−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−1)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照する。また、メインCPU110aは、ステップS210−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−2)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照する。
ステップS211−2において、メインCPU110aは、ステップS211−1における大当たり判定の結果、大当たりと判定されたか否かを判定する。大当たりと判定された場合には、ステップS211−3に処理を移し、大当たりと判定されなかった場合には、ステップS211−7に処理を移す。
ステップS211−3において、メインCPU110aは、ステップS210−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする大当たり用の特別図柄決定処理を行う。
具体的には、ステップS210−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図6(a)参照)を参照し、ステップS210−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図6(a)参照)を参照して、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図21の特別図柄停止処理において「大当たり」か「小当たり」を決定するのに用いられるとともに、図22の大当たり遊技処理や図23の小当たり遊技処理において大入賞口の作動態様を決定するのにも用いられ、図24の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するためにも用いられる。
ステップS211−4において、メインCPU110aは、決定された停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS211−5において、メインCPU110aは、特別図柄に対応するデータを演出制御基板120に送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS211−6において、メインCPU110aは、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にセットされた情報から大当たり当選時の遊技状態を判定し、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態情報を遊技状態バッファにセットする。
具体的には、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていなければ00Hをセットし、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされていれば01Hをセットし、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていなければ02Hをセットし、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされていれば03Hをセットする。
このように遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)とは別に、遊技状態バッファに大当たり当選時の遊技状態をセットすることとしたのは、大当たり遊技中には遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にある高確率遊技フラグや時短遊技フラグがリセットされてしまうため、大当たり終了後に大当たりの当選時の遊技状態に基づいて、新たに大当たり終了時の遊技状態を決定する場合には、遊技状態記憶領域を参照することができないからである。
このように、遊技状態記憶領域とは別に、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技情報を記憶するための遊技状態バッファを設けることにより、大当たり終了後に遊技状態バッファにある遊技情報を参照することで、大当たり当選時の遊技状態に基づいて新たに大当たり終了後の遊技状態(時短遊技状態や時短回数など)を設定できる。
ステップS211−7において、メインCPU110aは、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当りと判定された場合には、ステップS211−8に処理を移し、小当りと判定されなかった場合には、ステップS211−11に処理を移す。
具体的には、ステップS210−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−1)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、ステップS210−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−2)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値が「小当たり」であるか否かを判定することとなる。
ステップS211−8において、メインCPU110aは、ステップS210−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた小当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする小当たり用の特別図柄決定処理を行う。
具体的には、図6(b)の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS211−9において、メインCPU110aは、決定された小当たり用の特別図柄の種類を示す停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS211−10において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、小当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS211−11において、メインCPU110aは、図6(c)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS211−12において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
図20を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
ステップS220−1において、メインCPU110aは、ステップS216においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS220−2において、メインCPU110aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、セットされた変動表示データをクリアして、セットされた特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるための、停止図柄データを所定の処理領域にセットする。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS220−3において、メインCPU110aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS220−4において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(0.5秒=125カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタはステップS110において4ms毎に1を減算して更新されていく。
ステップS220−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、図21に示す特別図柄停止処理に処理を移して、特別図柄変動処理を終了する。
図21は、遊技機1の主制御基板110における特別図柄停止処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS230−1において、メインCPU110aは、セットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS230−2において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされているか否かを判定し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされている場合には、時短回数(J)記憶領域に記憶されている時短回数(J)から1を減算して更新し、新たな時短回数(J)が「0」か否かを判定する。その結果、時短回数(J)が「0」である場合には、時短遊技フラグ記憶領域にセットされている時短遊技フラグをクリアし、時短回数(J)が「0」でない場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをセットしたまま、ステップS230−3に処理を移す。
一方、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS230−3に処理を移す。
ステップS230−3において、メインCPU110aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされているか否かを判定し、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされている場合には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている高確率遊技回数(X)から1を減算して更新し、新たな高確率遊技回数(X)が「0」か否かを判定する。その結果、高確率遊技回数(X)が「0」である場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)が「0」でない場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをセットしたまま、ステップS230−4に処理を移す。
一方、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS230−4に処理を移す。
ステップS230−4において、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS230−5において、メインCPU110aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には、停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜06)のものであるか否かを判定する。
ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS230−10に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS230−6に処理を移す。
ステップS230−6において、メインCPU110aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが小当たり図柄(停止図柄データ=07、08)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS230−7に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS230−9に処理を移す。
ステップS230−7において、メインCPU110aは、特図特電処理データに4をセットし、図23に示す小当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS230−8において、メインCPU110aは、小当たり開始準備設定処理を行う。
この小当たり開始準備設定処理では、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、小当たりの開放態様を決定するための図9(b)に示す大入賞口開放態様決定テーブル(「小当たりテーブル」)を決定する。
ステップS230−9において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図18に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
ステップS230−10において、メインCPU110aは、特図特電処理データに3をセットし、図22に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS230−11において、メインCPU110aは、遊技状態や時短回数をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短回数(J)記憶領域に記憶されているデータをクリアする。
ステップS230−12において、メインCPU110aは、大当たり開始準備設定処理を行う。
この大当たり開始準備設定処理では、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群から、「長当たりテーブル」、「短当たりテーブル」、「発展当たりテーブル1」、「発展当たりテーブル2」のいずれかの大入賞口開放態様決定テーブルを決定する。
ステップS230−13において、メインCPU110aは、ステップS230−8またはステップS230−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技、小当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS230−14において、メインCPU110aは、ステップS230−8またはステップS230−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、オープニング時間(開始インターバル時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
図22は、遊技機1の主制御基板110における大当たり遊技処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS240−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。具体的には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS240−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、ステップS240−6に処理を移す。
ステップS240−2において、メインCPU110aは、ステップS230−14で決定(セット)されたオープニング時間(開始インターバル時間)を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間(開始インターバル時間)を経過したと判定する。その結果、オープニング時間(開始インターバル時間)を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、オープニング時間(開始インターバル時間)を経過している場合にはステップS240−3に処理を移す。
ステップS240−3において、メインCPU110aは、大当たり開始設定処理を行う。
大当たり開始設定処理は、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。ここでは、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」が記憶されることとなる。
ステップS240−4において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して更新する。また、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを開放するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、ステップS230−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS240−5において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板120にラウンド回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1ラウンド目の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
ステップS240−6において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS240−19に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS240−7に処理が移される。
ステップS240−7において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。その結果、大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS240−8に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS240−9に処理を移す。
ステップS240−8において、メインCPU110aは、後述するステップS240−10において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS240−10において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS240−4に処理を移す。
ステップS240−9において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS240−10に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS240−10において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止する。次に、ステップS240−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a))を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17の閉鎖時間(エンディング時間(閉鎖インターバル時間)または1回の閉鎖時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS240−11において、メインCPU110aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS240−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS240−12において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットするラウンドデータ初期化処理を行う。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。ただし、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)はクリアしない。
ステップS240−13において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS240−16に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS240−14に処理を移す。
ステップS240−14において、メインCPU110aは、演出制御基板120にラウンド遊技の終了情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じてラウンド終了指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS240−15において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS240−16において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
ステップS240−17において、メインCPU110aは、ステップS240−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)に基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS240−18において、メインCPU110aは、ステップS240−12で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)に基づいて、大当たりの種別に応じたエンディング時間(終了インターバル時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS240−19において、メインCPU110aは、設定されたエンディング時間(終了インターバル時間)を経過したか否かを判定し、エンディング時間(終了インターバル時間)を経過したと判定した場合にはステップS240−20において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、図24に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。一方、エンディング時間(終了インターバル時間)を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
図23は、遊技機1の主制御基板110における小当たり遊技処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、ステップS250−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS250−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、ステップS250−4に処理を移す。
ステップS250−2において、メインCPU110aは、S230−14で決定(セット)されたオープニング時間(開始インターバル時間)を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間(開始インターバル時間)を経過したと判定する。その結果、オープニング時間(開始インターバル時間)を経過していない場合には、小当たり遊技処理を終了し、オープニング時間(開始インターバル時間)を経過している場合にはステップS250−3に処理を移す。
ステップS250−3において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。また、第2大入賞口開閉扉17bを開放するために第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、先に決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、開放回数(K)に基づいて、第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS250−4において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定された開放回数(K)の遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS250−13に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS250−5に処理が移される。
ステップS250−5において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS250−6に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS250−7に処理を移す。
ステップS250−6において、メインCPU110aは、後述するステップS250−8において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS250−8において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため当該小当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS250−3に処理を移す。
ステップS250−7において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS250−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS250−8において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止するとともに、先に決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、現在の開放回数(K)に基づいて、第2大入賞口17の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS250−9において、メインCPU110aは、小当たり終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、1回の小当たりは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(例えば9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、小当たり終了条件が成立したと判定した場合にはステップS250−10に処理を移し、小当たり終了条件が成立していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS250−10において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS250−11において、メインCPU110aは、小当たりの種別に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS250−12において、メインCPU110aは、決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、小当たりの種別に応じたエンディング時間(終了インターバル時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS250−13において、メインCPU110aは、設定されたエンディング時間(終了インターバル時間)を経過したか否かを判定し、エンディング時間(終了インターバル時間)を経過したと判定した場合には、ステップS250−14において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、特別図柄記憶判定処理に処理を移し、エンディング時間(終了インターバル時間)を経過していないと判定した場合には、小当たり遊技処理を終了する。
図24は、遊技機1の主制御基板110における大当たり遊技終了処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS260−1において、メインCPU110aは、停止図柄データ記憶領域にセットされた停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報をロードする。
ステップS260−2において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS260−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、大当り終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止図柄データが「03」であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットする。
ステップS260−3において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS260−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データが「03」であれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS260−4において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS260−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。
例えば、停止図柄データが「03」の場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットしないが、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。
ステップS260−5において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS260−1においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データが「03」の場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に0回をセットし、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS260−6において、メインCPU110aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS260−7において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
図25は、遊技機1の演出制御基板120におけるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS2001において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2002に処理を移す。
ステップS2002において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2002の処理を繰り返し行う。
ステップS2003において、サブCPU120aは、電断処理を行うか否かを判断し、電断処理を行う場合には処理を終了し、電断処理を行わない場合にはステップS2002に処理を戻す。
図26は、遊技機1の演出制御基板120におけるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS2101において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS2102において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS2103において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、ステップS2103において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS2104において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
ステップS2105において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS2106において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
図27及び図28を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図28のコマンド解析処理は、図27のコマンド解析処理に引き続いて行われるものである。
ステップS2201において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればS2202に処理を移す。
ステップS2202において、サブCPU120aは、受信バッファにあるコマンドが、遊技履歴情報の記録指示を受け付けるためのパスワード(ログインコマンド)であるか否かを確認し、ログインコマンドであれば、ステップS2203において、サブRAM120c(後述の状態保持部202)において、ログインフラグ=1(ON)を設定し、ログインコマンドでなければステップS2204に処理を移す。
ステップS2204において、サブCPU120aは、受信バッファにあるコマンドが、遊技履歴情報の記録指示の受付停止を命令するログアウトコマンドであるか否かを確認し、ログアウトコマンドであれば、ステップS2205において、サブRAM120c(後述の状態保持部202)において、ログインフラグ=0(OFF)を設定し、ログアウトコマンドでなければステップS2206に処理を移す。
ステップS2206において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS2207に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS2208に処理を移す。
ステップS2207において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2208において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS2209に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS2210に処理を移す。
ステップS2209において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、第1液晶表示装置31に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS2210において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS2211に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS2213に処理を移す。
ステップS2211において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、第1液晶表示装置31に停止表示させる演出図柄38を決定する演出図柄決定処理を行う。具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄38の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2212において、サブCPU120aは、更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS2213において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS2214に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS2215に処理を移す。
ステップS2214において、サブCPU120aは、更新されている演出用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。このステップS2214の処理の詳細については、後述する。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、図11に示す変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H01H」を受信したときには、取得した演出用乱数値が「0〜9」であれば変動演出パターン1−1を決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄38の変動態様が決定されることとなる。
ステップS2215において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS2216に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS2217に処理を移す。
ステップS2216において、サブCPU120aは、演出図柄38を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
ステップS2217において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS2218に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS2219に処理を移す。
ステップS2218において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS2219において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS2220に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS2221に処理を移す。
ステップS2220において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2221において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS2222に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS2223に処理を移す。
ステップS2222において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2223において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS2224に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS2224において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
図29を用いて、ステップS2214における変動演出パターン決定処理について説明する。
ステップS2301において、サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドを確認し、ステップS2302において、演出用乱数値(0〜99)を確認する。
具体的に、ステップS2301において、サブCPU120aは、受信した変動パターン指定コマンドを確認し、ステップS2302において、サブROM120bで記憶する通常演出用の変動演出パターン決定テーブル(図11)を参照することにより演出用乱数値(0〜99)を確認する。これにより、ステップ2303において、通常演出の変動演出パターンを決定する。
次に、ステップS2304において、サブCPU120aは、画像制御基板150に送信する通常演出の演出パターン指定コマンドを決定する。
具体的に、ステップS2304において、サブCPU120aは、サブROM120bで記憶する通常演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS2301で確認した変動パターン指定コマンド及びステップS2302で確認した演出用乱数値(0〜99)に基づいて、画像制御基板150に送信する通常演出用の演出パターン指定コマンドを決定し、その決定した演出パターン指定コマンドを示す情報を画像制御基板150に送出する。
ステップS2305において、サブCPU120aは、ステップS2304で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、所定条件に基づいて特別演出を行うものであるか否かを判断する。このステップS2305において、サブCPU120aは、所定条件に基づいて特別演出を行う変動演出パターンである場合には、ステップS2306に進み、所定条件に基づいて特別演出を行う変動演出パターンでない場合には、処理を終了する。
ステップS2306において、サブCPU120aは、特別演出用の演出パターン決定テーブル(図示せず)における演出用乱数値等を参照し、ステップS2303で決定した変動演出パターンに応じた画像制御基板150に送信する特別演出用の演出パターン指定コマンドを決定する。
なお、特別演出用の演出パターン指定コマンドは、このステップ2305及びステップS2306において決定する場合に限定されない。例えば、上記所定条件が成立した際に抽選を行い、その抽選に当選することにより所定の特別演出用の演出パターン指定コマンドを決定するようにしてもよい。
次に、画像制御基板150における液晶制御CPU150aにより実行される処理について説明する。
図30を用いて、画像制御基板150における液晶制御CPU150aのメイン処理を説明する。電源基板170により電源が供給されると、液晶制御CPU150aにシステムリセットが発生し、液晶制御CPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2401において、液晶制御CPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、液晶制御CPU150aは、電源投入に応じて、液晶制御ROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、液晶制御CPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、液晶制御CPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、(1)表示回路に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、(2)伸長回路に使用頻度の高い画像データ(演出図柄38等の画像データ)をVRAM153の画像データ展開領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、(3)描画回路に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2402において、液晶制御CPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。すなわち、電源投入開始時にはステップS2301で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には、出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2403において、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(液晶制御RAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、ステップS2403において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(例えば、図11に示すような演出パターン指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2404に処理を移す。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する(図13参照)。そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出指示コマンドを送信バッファから消去する。
ステップS2404において、液晶制御CPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述する更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2405において、液晶制御CPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく(図14参照)。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、液晶制御CPU150aはディスプレイリストをVDP2000に出力する。なお、出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/Fを介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
ステップS2406において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。ここで、FB切換えフラグは、図31(b)で後述するように、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2406では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2407に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
ステップS2407において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)処理を終了する。
以降は、図31(b)に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2402〜ステップS2407の処理を繰り返し行う。
図31を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図31(b)を用いて説明を行う。
図31(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、CPU I/Fを介して、液晶制御CPU150aに描画終了割込信号を出力する。液晶制御CPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する。
描画終了割込処理においては、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS2501)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
図31(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。VDP2000は1/60秒(約16.6ms)毎に、CPU I/Fを介して、液晶制御CPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
ステップS2502において、液晶制御CPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
ステップS2503において、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS2504に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS2504以降の処理が行われない。
ステップS2504において、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
ステップS2505において、液晶制御CPU150aは、VDP2000のメモリコントローラに「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。具体的には、液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、表示レジスタの1bit目に1を加算する処理を行う。
ステップS2506において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01をセットし(FB切換えフラグをオンにし)、待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、液晶制御CPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方における画像表示を制御する。
図32は、本実施形態における遊技機1を用いて構成した遊技システムの全体構成を示す図である。
図32において、遊技システムは、遊技機1と、遊技機1に表示されるコード情報を読み取るコード情報読み取り機能を有する情報端末300と、情報端末300によって読み取ったコード情報に含まれる情報に基づく処理を行う情報処理サーバ(情報管理装置)400と、情報端末300と情報処理サーバ400との通信を制御する通信制御装置500とを少なくとも有する構成である。
情報端末300は、遊技機1に表示されたコード情報を読み取るために撮像する撮像装置(以下、「カメラ」という。)を搭載し、このカメラを用いてコード情報を撮像する。撮像したコード情報に基づいて情報処理サーバ400へと通信制御装置500を介して遊技者に関する情報(以下、「遊技者情報」という)、例えば遊技者IDや遊技者の遊技履歴情報などの取得要求を行う。
情報処理サーバ400は、情報端末300からの遊技者情報の要求に対する応答を行う。なお、通信制御装置500は、一般的に通信に用いる回線等を提供するキャリアにおける処理制御装置であって、通信制御を行うものである。
図33は、遊技機1を用いた遊技システムにおいて行われるログインログアウト処理の詳細な処理遷移を表すシーケンス図である。この図33を用いて、図32に示す遊技システムを構成する情報処理サーバ(情報管理装置)と、遊技者の携帯電話等の情報端末と、遊技機1とにおけるログインログアウト処理の詳細な処理遷移を説明する。
まず、遊技機1は、第1液晶表示装置31に遊技機識別情報を含む2次元コード等のコード情報を表示させる(S3001)。
情報端末は、遊技者の操作により、撮像装置(以下、「カメラ」という)等を用いて遊技機1に表示された2次元コード等のコード情報を撮像して入力する(S3002)。
情報端末は、情報処理サーバに対し、入力したコード情報を送信するとともにログイン処理要求(認証要求)を行う(S3003)。
情報端末からログイン処理要求が行われた情報処理サーバでは、そのログイン処理要求に含まれる情報端末に関する端末ID等の遊技者に関する情報を元に、情報処理サーバにおいて管理している遊技者情報を特定してその遊技者に関する情報である遊技者情報(遊技者ID、遊技履歴情報等)を読み出し、読み出した遊技者情報を含むパスワード(若しくはコード情報)を作成する(S3004)。情報処理サーバに遊技者情報を管理していない場合にはその旨を応答し、一例として、遊技者に関する情報の登録を促す画面を表示する。
そして、情報端末は、遊技者情報を含むパスワード(若しくはコード情報)を作成すると、そのパスワード(若しくはコード情報)をログイン処理要求元の情報端末へと送信する(S3005)。
これにより、情報端末は、ログイン処理要求に対して情報処理サーバからパスワード(若しくはコード情報)の応答を情報処理サーバから受け付けると、受け付けたパスワード(若しくはコード情報)を情報端末の表示器に表示し(S3006)、このパスワード(若しくはコード情報)を情報端末の記憶領域に記憶する。このようにして、情報端末の記憶領域に記憶したパスワード(若しくはコード情報)は、遊技者の操作によって読み出されることが可能である。
続いて、遊技者情報を含むパスワード(若しくはコード情報)が情報端末の表示器に表示された状態、或いは、情報端末の記憶領域に記憶したパスワード(若しくはコード情報)を読み出して情報端末の表示器に表示した状態にあるとき、この情報端末の表示器に表示されたパスワード(若しくはコード情報)が遊技者による入力操作によって遊技機1に入力されると、遊技機1では、このパスワード(若しくはコード情報)に含まれる遊技者情報を受け付けてログイン処理を行う。これにより、遊技機1は、ログイン処理が行われた状態となる(S3007)。
すなわち、遊技機1は、パスワード(若しくはコード情報)に含まれる遊技者情報が指定された状態となり、この遊技者情報により示される遊技者による遊技が遊技機1において行われていくこととなる。
このログイン処理が行われて以降、遊技機1は、遊技者による操作によって行われた遊技に関する履歴情報を「遊技履歴情報」として記録していく(S3008)。このステップS3008では、遊技機1における一連の処理が行われる。また、このステップS3008では、遊技機1の演出における演出コード情報の制御処理が行われる。
遊技を終了する際には、遊技機1において記憶している遊技者情報を用いてログアウト処理を行う(S3009)。このログアウト処理は、ログイン処理において指定した遊技者情報の指定を解除するものであって、ログアウト処理が行われると、遊技機1では、そのときまでに記録している遊技履歴情報及び指定を解除した遊技者情報を含むコード情報(若しくはパスワード)を作成して遊技機1の第1液晶表示装置31に表示する。
そして、情報端末は、遊技者の操作により、撮像装置等を用いて遊技機1の第1液晶表示装置31に表示されたコード情報(2次元コード)を撮像して入力すると(S3010)、情報端末は、入力されたコード情報(若しくはパスワード)を情報処理サーバに送信する(S3011)。
情報端末からコード情報を受信した情報処理サーバでは、このコード情報(若しくはパスワード)に含まれる遊技者情報(遊技履歴情報等)を、情報処理サーバで管理している遊技者情報(遊技履歴情報等)に新たに追加して登録する(S3012)。
図34は、遊技機1が備える演出制御基板120の情報制御部121の構成を示す機能ブロック図である。
情報制御部121は、送受信制御部201と、状態保持部202と、情報処理制御部203と、情報保持部204と、情報記憶部205と、選択情報生成部206と、演出処理部207と、コード情報生成部208とを備える。なお、この情報制御部121は、サブCPU120a、サブROM120bおよびサブRAM120cによって構成され、サブCPU120aがサブROM120bおよびサブRAM120cを用いて制御処理を行うものである。
情報制御部121の演出処理部207は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。また、演出処理部207は、大当たり遊技中に再生する楽曲の再生制御処理を行う。
送受信制御部201は、主制御基板110より、変動パターン指定コマンド、演出図柄指定コマンド等の各種の情報を受信し、その遊技情報を情報処理制御部203に送出する。
また、送受信制御部201は、遊技者の操作よって入力されたコード情報若しくはパスワード(ログインコマンド)を受信し、このコード情報若しくはパスワードに含まれる遊技者情報及び遊技履歴情報を取得する。すると、送受信制御部201は、サブRAM120cによって構成される状態保持部202において、遊技者が指定されたログイン状態である旨を示すログインフラグ=1(ON)を設定する。
一方、送受信制御部201は、後述のログアウト処理がなされることにより、状態保持部202において、ログイン状態にない(ログアウト状態である)旨を示すログインフラグ=0(OFF)を設定する。
また、送受信制御部201は、演出ボタン検出スイッチ35aで検出された、遊技者による演出ボタン35若しくは十字キー36の操作に基づく操作入力信号を受信し、その操作入力信号を選択情報生成部206に送出する。
状態保持部202は、演出制御基板120におけるサブRAM120cによって構成される。状態保持部202は、送受信制御部201が、コード情報若しくはパスワード(ログインコマンド)を受信することにより、遊技者が指定されたログイン状態である旨を示すログインフラグ=1(ON)を設定して保持する。
また、状態保持部202は、送受信制御部201が、ログアウト処理においてコード情報作成指示を受信することにより、ログイン状態にない(ログアウト状態である)旨を示すログインフラグ=0(OFF)を設定して保持する。
情報処理制御部203は、送受信制御部201から送出された情報を、情報保持部204及び情報記憶部205のうちの少なくとも一方に記憶させるとともに、演出処理部207及びコード情報生成部208のうちの少なくとも一方に送出する。
情報保持部204は、演出制御基板120におけるサブRAM120cによって構成される。
情報保持部204は、情報処理制御部203の制御に基づいて、コード情報若しくはパスワードに含まれる遊技者情報(遊技者ID、遊技履歴情報等)を保持する。
また、情報保持部204は、主制御基板110から受信した演出図柄指定コマンドに基づく大当たり遊技の実行後の遊技状態を保持する。
また、情報保持部204は、主制御基板110から受信した大入賞口開放指定コマンドに基づく大入賞口(第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17)の開放態様(大入賞口開放パターン)を保持する。
情報記憶部205は、演出制御基板120におけるサブROM120bによって構成される。この情報記憶部205は、変動演出パターン決定テーブル(図11)、特定楽曲決定テーブル(図38)、特定楽曲順位決定テーブル(図39)、各種テーブル情報やキャラクタ情報、楽曲情報等を記憶している。
選択情報生成部206は、演出ボタン検出スイッチ35a及び十字キー検出スイッチ36aでそれぞれ検出された操作検出信号が送受信制御部201を介して供給されることにより、演出ボタン35や十字キー36を用いた操作により選択された遊技における演出に用いる演出オブジェクトの選択情報及び楽曲の選択情報を生成し、演出処理部207に供給する。
なお、送受信制御部201が、情報処理サーバ400によって管理されている遊技者情報をコード情報若しくはパスワードの入力により取得し、その遊技者情報に含まれる、遊技者が選択したキャラクタを識別するキャラクタ識別情報(演出オブジェクト識別情報)、さらには遊技者により選択した楽曲を識別する楽曲識別情報(楽曲選択情報)を、情報処理制御部203を介して演出処理部207に供給するようにしてもよい。
演出処理部207は、サブROM120bで記憶する演出プログラムの制御により、情報記憶部205で記憶するテーブル情報等に基づいて通常演出さらに特別演出を実行する場合にはその特別演出の演出処理を行う。
具体的に、演出処理部207は、通常演出を実行する場合、情報記憶部205で記憶する変動演出パターン決定テーブル(図11)を参照し、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値によって1つの変動演出パターンを決定する。
すなわち、演出処理部207は、その決定した変動演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを送受信制御部201に供給する。送受信制御部201は、この演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
遊技機1が特別演出を実行する場合、演出処理部207は、図示しない特別演出用の演出パターン決定テーブル等を参照して通常演出と同様の処理を行い、決定した特別演出用の演出パターン指定コマンドを、送受信制御部201を介して画像制御基板150に送信する。
また、演出処理部207は、サブROM120bで記憶する演出プログラムの制御により、選択情報生成部206から供給される、遊技者により選択された、遊技における演出に用いる演出オブジェクトの選択情報及び楽曲の選択情報、さらには、情報記憶部205で記憶するテーブル情報等に基づいて、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に再生出力する楽曲の再生制御処理を行う。
情報処理制御部203は、情報保持部204で保持する遊技者情報(遊技履歴情報等)を元に、演出処理部207による演出処理内容に応じ、遊技者が獲得したポイント、及びそのポイントに基づいて設定される遊技者レベルを含む遊技者情報を生成してコード情報生成部208に送出する。
コード情報生成部208は、遊技者情報を含むコード情報を生成する。コード情報を生成したコード情報作成部208は、送受信制御部201へとそのコード情報を送出する。送受信制御部201は、そのコード情報を情報端末へと送信する。
図35は、図33におけるステップS3007〜ステップS3009を示すフローチャートである。この図35のフローチャートを参照し、ステップS3007のログイン処理およびS3009のログアウト処理の詳細な流れを説明する。
図33のステップS3007におけるログイン処理について詳細に説明すると、ステップS3007−1において、遊技機1は、遊技者による遊技機1の十字キー検出スイッチ36aに設けられた十字キー操作等の操作により、情報端末の表示器に表示されたパスワード(若しくはコード情報)が入力されたか否かを判断する。このステップS3007−1の処理は、遊技機1の情報制御部121の情報処理制御部203が送受信制御部201からパスワード(若しくはコード情報)が受信されたか否かを判断することにより行われる。
遊技機1は、ステップS3007−1において、パスワード(若しくはコード情報)が入力されたと判断した場合には、ステップS3007−2において、入力されたパスワード(若しくはコード情報)を解析し、そのパスワード(若しくはコード情報)に含まれる遊技者情報を読み取る。このステップS3007−2は、情報処理制御部203によって行われる。
一方、遊技機1は、ステップS3007−1において、パスワード(若しくはコード情報)が入力されていないと判断した場合にはステップ3007−5に処理を進める。
次に、遊技機1は、ステップS3007−3において、パスワード(若しくはコード情報)が入力されたことにより、遊技者が指定されたログイン状態である旨の情報を保持するとともに、記憶されている遊技履歴情報を初期化する。
具体的には、情報制御部121は、パスワード(若しくはコード情報)が送受信制御部201にて受信されたことにより、状態保持部202においてログインフラグ=1(ON)を設定する。また、情報処理制御部203の制御により、情報保持部204に記憶されている遊技者情報を消去するとともに遊技履歴情報を初期化し、受信した遊技者情報を情報保持部204に記憶させるとともに、遊技履歴情報を記憶する記憶領域をこの情報保持部204に確保させる。
次に、遊技機1は、ステップS3007−4において、受信した遊技者情報を登録する。具体的に、情報制御部121の情報処理制御部203は、受信した遊技者情報を情報保持部204に登録する。
次に、遊技機1は、ステップS3007−5において、発射制御基板160によって遊技球の発射を検知すること等の情報を受信したか否かに基づいて、遊技が開始されたか否かを判断する。遊技が開始されたと判断した場合には、ステップS3008に処理を進め、遊技が開始されていないと判断した場合には、ステップS3007−1に処理を戻す。このステップS3007−5の判断処理においては、情報制御部121の送受信制御部201が、発射制御基板160によって遊技球の発射を検知すること等の情報を受信することにより、情報処理制御部203は、遊技が開始されたと判断する。
また、図33のステップS3009のログアウト処理について詳細に説明すると、まず、ステップS3009−1において、遊技機1は、演出ボタン35の押下操作の検出に基づき、遊技終了の指示があったか否かを判断する。この場合の遊技の終了とは、遊技者によるコード情報作成指示の入力があったか否かの判断である。遊技者によるコード情報作成指示の入力があった場合には、ステップS3009−2に処理を進め、遊技者によるコード情報作成指示の入力がなかった場合には、ステップS3008に処理を戻す。この遊技終了の指示の判断処理は、情報制御部121の情報処理制御部203が、送受信制御部201において、演出ボタン検出スイッチ35aによる検出に基づくコード情報作成指示の情報が受信されたか否かを判断することにより行われる。
ステップS3009−2において、遊技機1は、記憶された遊技者履歴情報、遊技者情報等を含むコード情報(若しくはパスワード)を生成する。
具体的に、情報制御部121のコード情報生成部208は、情報保持部204で記憶する遊技者履歴情報等の遊技者情報を読み出して、これらの情報を含むコード情報(若しくはパスワード)を生成し、送受信制御部201に供給する。
ステップS3009−3において、遊技機1は、生成されたコード情報(若しくはパスワード)を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する。
このステップS3009−3において、情報制御部121の送受信制御部201は、コード情報生成部208から供給されたコード情報を画像制御基板150に送信し、このコード情報(若しくはパスワード)を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示させるように指示する。
ここで、遊技機1が大当たり遊技中に再生する楽曲の再生制御処理について詳細に説明する。
情報処理制御部203は、送受信制御部201を介して主制御基板110から演出図柄指定コマンドを受信すると、その演出図柄指定コマンドに対応する特別図柄が示す大当たり遊技の実行後の遊技状態(時短回数、高確率遊技状態または低確率遊技状態)の情報を記憶する(図7参照)。
また、情報処理制御部203は、送受信制御部201を介して主制御基板110か大入賞口開放指定コマンドを受信すると、その大入賞口開放指定コマンドが示す大入賞口(第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17)の開放態様の情報を記憶する(図9参照)。
演出処理部207は、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に連続(メドレー)再生して出力する複数の楽曲のプレイリストを作成する処理を行う。このとき、演出処理部207は、情報保持部204で保持する大当たり遊技の実行後の遊技状態を確認する。また、演出処理部207は、情報保持部204で記憶する大入賞口(第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17)の開放態様を確認する。
そして、演出処理部207は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が(時短、非時短に拘わらず)高確率遊技状態である場合には、遊技者によって指定された演出オブジェクトに関連付けられた特定楽曲を特別遊技の実行中に出力する楽曲として特定する。すなわち、演出処理部207は、特定楽曲を含む複数の楽曲を大当たり遊技のラウンド遊技の実行中に連続(メドレー)再生して出力する楽曲として特定する。
そして、演出処理部207は、これら特定した複数の楽曲の連続再生における再生順序、1つの楽曲における再生箇所(全体或いは、特定部分(サビ部分))等の情報を有するプレイリストを作成する。演出処理部207は、作成したプレイリストを情報保持部204に記憶する。
「演出オブジェクト」は、遊技における演出の際に、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37の少なくとも一方に登場するキャラクタのうち、遊技者によって指定されるキャラクタである。なお、演出オブジェクトは、これに限定されない。
また、「演出オブジェクトに関連付けられた特定楽曲」は、演出において、演出オブジェクトをテーマとして作成された楽曲、その演出オブジェクトが歌う楽曲等、その演出オブジェクトと深く関わりのある楽曲である。演出オブジェクトが上記キャラクタである場合には、例えば、上記キャラクタをテーマとして作成された楽曲、上記キャラクタが歌う楽曲、グループとして歌う場合には上記キャラクタがグループ中のメンバーとして登場する楽曲等が挙げられる。
一方、演出処理部207は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、遊技者によって指定された演出オブジェクトに関連付けられた特定楽曲を該特別遊技の実行中に出力する楽曲として特定しない。すなわち、演出処理部207は、特定楽曲を含まない複数の楽曲を大当たり遊技のラウンド遊技の実行中に連続(メドレー)再生して出力する楽曲として特定する。
そして、演出処理部207は、これら特定した複数の楽曲の連続再生における再生順序の情報を有するプレイリストを作成する。演出処理部207は、作成したプレイリストを情報保持部204に記憶する。
図36は、遊技における演出において登場する複数のキャラクタから遊技に用いるキャラクタ(演出オブジェクト)を遊技者に選択させるためのキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
図36に示すキャラクタ選択画面650は、遊技者が選択可能な複数のキャラクタとしてキャラクタA〜Fのキャラクタ画像を別個に表示する複数の表示領域からなるキャラクタ選択領域651と、遊技者が選択したキャラクタを表示する選択キャラクタ表示領域652とを有する。
遊技者が、十字キー36及び演出ボタン35の指定(選択)操作(十字キー36による選択、演出ボタン35による決定)により、キャラクタ選択領域651に表示されるキャラクタA〜Fのキャラクタ画像からキャラクタBのキャラクタ画像を指定(選択)して決定した場合、選択キャラクタ表示領域652には、選択キャラクタBのキャラクタ画像が表示される。
なお、キャラクタ選択画面650は、画面切り替え表示653を有しており、十字キー36の操作により、キャラクタ選択領域651に表示させるキャラクタ画像をキャラクタA〜Fのキャラクタ画像から図示しない次候補のキャラクタのキャラクタ画像に切り替えることが可能である。
また、図37は、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に連続再生する複数の楽曲を遊技者に選択させるための楽曲選択画面の一例を示す図である。
図37に示す楽曲選択画面660は、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に連続再生する楽曲として、遊技者が選択可能な複数の楽曲のタイトル(楽曲名)を表示するタイトル画像を個別に表示する複数の表示領域からなる楽曲選択領域661と、遊技者が選択した楽曲を表示する選択楽曲表示領域662とを有する。
遊技者が、十字キー36及び演出ボタン35の選択操作(十字キー36による選択、演出ボタン35による決定)により、楽曲選択領域651に表示される楽曲1〜60のタイトル画像から楽曲8、楽曲20、楽曲43のタイトル画像を選択してこれらの楽曲を決定した場合、選択楽曲表示領域662には、選択楽曲としての楽曲8、楽曲20、楽曲43のタイトル画像が表示される。
なお、キャラクタ選択画面650及び楽曲選択画面660は、第1液晶表示装置31または第2液晶表示装置37に表示され、その表示時期は特に限定されず、例えば、遊技開始時、ログイン開始時等に表示することが可能である。楽曲選択画面は、例えば、大当たり遊技開始(オープニング)時に表示するようにしてもよい。
また、キャラクタ選択画面650において選択可能なキャラクタの情報(キャラクタ情報)、及び、楽曲選択画面660において選択可能な楽曲の情報(楽曲情報)は、何れも情報記憶部205に記憶されている。
情報制御部121の情報記憶部205は、例えば図38に示すような特定楽曲決定テーブル、及び、例えば図39に示すような特定楽曲順位決定テーブルを記憶している。図38に示す特定楽曲決定テーブルは、キャラクタ選択画面650において選択可能なキャラクタと、そのキャラクタに関連付けられた楽曲(特定楽曲)とを対応付けて記憶するものである。
また、図39に示す特定楽曲順位決定テーブルは、後述の「ランキング演出」において図40のランキング画面670に表示される特定楽曲の順位(ランキング)を、大当たり遊技後の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態)、及び、ランキング演出に用いる乱数値(ランキング演出用乱数値)(0〜99)に応じて決定するものである。
演出処理部207が、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に連続(メドレー)再生して出力する複数の楽曲のプレイリストを作成する処理について例を挙げて説明する。
例えば図41に示すように、遊技者により、キャラクタ選択画面650においてキャラクタBが選択され、楽曲選択画面660において選択キャラクタBに関連付けられた特定楽曲である楽曲8とともに、楽曲20及び楽曲43が選択されたとする。
演出処理部207には、選択情報生成部206から、キャラクタの選択情報(選択キャラクタB)とともに、楽曲の選択情報(楽曲8、楽曲20及び楽曲43)が供給される。演出処理部207は、情報保持部204で記憶する大当たり遊技の実行後の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態)を確認する。
演出処理部207は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が高確率遊技状態であることを確認した場合には(図41(a))、特定楽曲である楽曲8と、楽曲20と、楽曲43とからなる選択楽曲の楽曲情報を情報記憶部205から抽出することにより、これらの楽曲を大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に再生する楽曲として特定する。そして、演出処理部207は、楽曲8(再生順序1)、楽曲20(再生順序2)、楽曲43(再生順序3)を再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを特定するプレイリスト11を作成する。
一方、演出処理部207は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が低確率遊技状態であることを確認した場合には(図41(b))、特定楽曲である楽曲8をプレイリスト中の楽曲として特定せず、遊技者によって選択された他の楽曲である楽曲20及び楽曲43の楽曲情報を情報記憶部205から抽出する。
さらに、演出処理部207は、選択楽曲以外の任意の楽曲(楽曲19)の楽曲情報を情報記憶部205から抽出し、選択された楽曲20(再生順序1)及び楽曲43(再生順序2)と、楽曲19(再生順序19)とを大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に再生する楽曲として特定する。そして、演出処理部207は、選択された楽曲20(再生順序1)及び楽曲43(再生順序2)と、楽曲19(再生順序19)とを再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを特定するプレイリスト12を作成する。
また、例えば図42に示すように、遊技者により、キャラクタ選択画面650においてキャラクタBが選択されてはいるが、楽曲選択画面660において選択キャラクタBに関連付けられた特定楽曲である楽曲8が選択されず、楽曲20、楽曲28及び楽曲37が選択されたとする。演出処理部207には、選択情報生成部206から、キャラクタの選択情報(選択キャラクタB)とともに、楽曲の選択情報(楽曲20、楽曲28及び楽曲43)が供給される。
演出処理部207は、情報保持部204で記憶する大当たり遊技の実行後の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態)を確認する。
演出処理部207は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が高確率遊技状態であることを確認した場合には、楽曲20、楽曲28及び楽曲37からなる選択楽曲の楽曲情報を情報記憶部205から抽出するとともに、特定楽曲である楽曲8の楽曲情報も情報記憶部205から抽出するようにする。
これにより、これらの楽曲を大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に再生する楽曲として特定する。そして、演出処理部207は、楽曲8(再生順序1)、楽曲14(再生順序2)、楽曲28(再生順序3)、楽曲37(再生順序4)を再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを特定するプレイリスト21を作成する(図42(a)参照)。
一方、演出処理部207は、大当たり遊技の実行後の遊技状態が低確率遊技状態であることを確認した場合には、遊技者によって選択された楽曲14と、楽曲28と、楽曲37の楽曲情報を情報記憶部205から抽出することにより、これらの楽曲を大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に再生する楽曲として特定する。
そして、演出処理部207は、楽曲14(再生順序1)、楽曲28(再生順序2)、楽曲37(再生順序3)を再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを指定するプレイリスト22を作成する(図42(b)参照)。
なお、再生単位における楽曲の再生順序は、これに限定されず、任意であってよい。また、1つの楽曲における再生箇所は全体であっても特定部分(例えばサビ部分)のみであってもよい。
上述したように、大当たり遊技におけるラウンド遊技において、図9に示す発展当たりテーブル1に基づく開放態様により第1大入賞口16Aが開放する場合、または、発展当たりテーブル2に基づく開放態様により第2大入賞口17が開放する場合、1ラウンド目の3回目の大入賞口の開放(K=3)までは、第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17が0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを繰り返すように開放する。
演出処理部207は、情報保持部204で記憶する大当たり遊技における大入賞口の開放態様において、このような発展当たりテーブル1或いは発展当たりテーブル2に基づく開放態様によって第1大入賞口16Aまたは第2大入賞口17が開放することを確認した場合には、3回の短時間の開放(0.052秒)を有する1ラウンド目の実行中にランキング演出を行う。
このランキング演出は、例えば図40(a)若しくは図40(b)等のような複数の楽曲の順位を下位(例えば10位)から1位まで順に表示する順位表示領域671を有するランキング画面670において遊技者によって選択されたキャラクタ(選択キャラクタ)に対応する特定楽曲の順位を表示するものである。
なお、このランキング演出において表示する複数の楽曲は、選択キャラクタに関連付けられた特定楽曲と、その他任意に選択された楽曲からなる。
このランキング演出においては、演出処理部207は、図39の特定楽曲順位決定テーブルを参照し、情報保持部204で記憶する大当たり後の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態)及び予め発生させたランキング演出用乱数値に基づいて、図38の特定楽曲決定テーブルにおいて選択キャラクタに対応付けられた特定楽曲の順位を決定する。
例えば、遊技者によりキャラクタBが選択(選択キャラクタB)されたときを例に挙げて説明する。このとき、大当たり後の遊技状態が高確率遊技状態である場合、演出処理部207は、図39の特定楽曲順位決定テーブルに基づいて、演出用乱数値(0〜99)が0〜79であることにより、選択キャラクタBに対応付けられた特定楽曲8を1位として表示し(図40(a)参照)、演出用乱数値が80〜94であることにより、特定楽曲8を2位として表示する(図40(b)参照)。
一方、大当たり後の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、演出処理部207は、演出用乱数値(0〜99)が0〜4であることにより、特定楽曲8を1位として表示し(図40(a)参照)、演出用乱数値が5〜19であることにより、特定楽曲8を2位として表示する(図40(b)参照)。
図43に示すように、演出処理部207は、大当たり遊技のラウンド遊技において、3回の大入賞口の開放(K=3)を行う1ラウンド目にこのようなランキング演出を行い、2ラウンド目以降において、プレイリストに基づく楽曲を連続再生するように制御する。なお、上述したように、「発展当たりテーブル1」による第1大入賞口16Aの開放態様は、0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを3回繰り返す開放態様(K=3)を1ラウンド目に設定する場合に限定されない。
例えば、この0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを3回繰り返す開放態様(K=3)を、例えば5ラウンド目に設定することも可能である。この場合、1ラウンド目から4ラウンド目までは、プレイリストに基づく楽曲を連続再生し、5ラウンド目に上述のランキング演出を行い、6ラウンド目以降において、1ラウンド目から3ラウンド目と同様に、楽曲の連続再生を行うようにする。
これにより、遊技機1は、遊技者に対し、一端は、4ラウンド大当たりであるように思わせながら、ラウンド数が次々に追加されていくような感覚を与えることができ、さらに、遊技者が選択したキャラクタ(選択キャラクタ)に対応する特定楽曲が再生されることで、大当たり遊技後の遊技状態に対する期待感を与えることができる。
図44は、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に複数の楽曲を再生制御する処理(再生楽曲制御処理)の詳細な流れを示すフローチャートである。
ステップS4401において、演出処理部207は、選択情報生成部206から選択キャラクタの情報(キャラクタ選択情報)が供給されると、情報記憶部205で記憶する特定楽曲決定テーブル(図38参照)を参照し、その選択キャラクタに対応する特定楽曲を確認する。
ステップS4402において、演出処理部207は、図37に示す楽曲選択画面660に表示される楽曲から遊技者によって選択された楽曲(選択楽曲)を確認する。
ステップS4403において、演出処理部207は、情報保持部204で保持する大当たり遊技の実行後の遊技状態を確認する。
ステップS4404において、演出処理部207は、情報保持部204で記憶する大入賞口開放態様パターンを確認する。
ステップS4405において、演出処理部207は、ステップS4404において確認した大入賞口開放パターンがランキング演出を実行する発展当たりテーブル1または発展当たりテーブル2に基づく開放態様であるか否かを判断する。
このステップS4405において、演出処理部207は、ステップS4404において確認した大入賞口開放パターンがランキング演出を実行する発展当たりテーブル1または発展当たりテーブル2に基づく開放態様であると判断した場合には、ステップS4406に進み、ステップS4404において確認した大入賞口開放パターンがランキング演出を実行する発展当たりテーブル1または発展当たりテーブル2に基づく開放態様でないと判断した場合には、ステップS4408に進む。
ステップS4406において、演出処理部207は、予め発生したランキング演出用乱数値(0〜99)を確認する。
ステップS4407において、演出処理部207は、ランキング演出における演出パターン(ランキング演出パターン)を決定する。具体的に、演出処理部207は、ステップS4401において遊技者により選択されたキャラクタ(選択キャラクタ)に関連付けられた特定楽曲の順位を、情報記憶部205で記憶する特定楽曲順位決定テーブル(図39参照)に基づいて決定する。
そして、演出処理部207は、ランキング画面670の順位表示領域671における決定した順位に特定楽曲の楽曲名(タイトル)を選択キャラクタとともに表示するランキング演出パターンを決定する。このとき、演出処理部207は、特定楽曲以外の任意の楽曲の楽曲情報を情報記憶部205から抽出し、その抽出した楽曲情報の楽曲名(タイトル)を、順位表示領域671における特定楽曲の順位以外の任意の順位に表示する。
演出処理部207は、大当たり後の遊技状態が高確率遊技状態である場合(ステップS4408でYES)、ステップS4409〜ステップS4411の処理に進む。
一方、演出処理部207は、大当たり後の遊技状態が高確率遊技状態でない場合(ステップS4408でNO)、ステップS4412〜ステップS4414の処理に進む。
ステップS4409において、演出処理部207は、遊技者により選択された楽曲(選択楽曲)中に、遊技者により指定(選択)されたキャラクタに関連付けられた特定楽曲があるか否かを判断し、選択楽曲中に、遊技者により指定(選択)されたキャラクタに関連付けられた特定楽曲があると判断した場合には、ステップS4410に進み、選択楽曲中にこの特定楽曲がないと判断した場合には、ステップS4411に進む。
ステップS4412において、演出処理部207は、ステップS4409と同様の処理を行う。すなわち、ステップS4412において、演出処理部207は、遊技者により選択された楽曲(選択楽曲)中に、遊技者により指定(選択)されたキャラクタに関連付けられた特定楽曲があるか否かを判断し、選択楽曲中に、遊技者により指定(選択)されたキャラクタに関連付けられた特定楽曲があると判断した場合には、ステップS4413に進み、選択楽曲中にこの特定楽曲がないと判断した場合には、ステップS4414に進む。
ステップS4410において、演出処理部207は、遊技者によって選択された楽曲(選択楽曲)を再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを特定するプレイリストを作成する(図41(a)参照)。
ステップS4411において、演出処理部207は、遊技者によって指定(選択)されたキャラクタに関連付けられた特定楽曲と、遊技者によって選択された楽曲(選択楽曲)とを再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを特定するプレイリストを作成する(図42(a)参照)。
ステップS4413において、演出処理部207は、遊技者によって指定(選択)されたキャラクタに関連付けられた特定楽曲をプレイリスト中の楽曲として特定せず、遊技者によって選択された他の楽曲と、この選択楽曲以外の任意の楽曲とを再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを特定するプレイリストを作成する(図41(b)参照)。
ステップS4414において、演出処理部207は、遊技者によって選択された楽曲(選択楽曲)を再生単位とし、この再生単位を繰り返し連続再生することを指定するプレイリストを作成する(図42(b)参照)。
ステップS4415において、演出処理部207は、ステップS4410、ステップS4411、ステップS4413、またはステップS4414で作成したプレイリストと、さらにランキング演出を実行する場合にはステップS4407で決定したランキング演出パターンとに基づく演出パターン指定コマンドを作成して画像制御基板150に送信する。
なお、遊技機1においては、上述したように、遊技を行う遊技者が予め指定したキャラクタ(演出オブジェクト)の情報を情報処理サーバ400において管理するようにしてもよい。
この場合、遊技者情報には、情報処理サーバ400によって遊技者が指定したキャラクタ(演出オブジェクト)を識別するキャラクタ識別情報(演出オブジェクト識別情報)が含まれる。そして、遊技機1の送受信制御部201は、その遊技者情報を含む上述のパスワード若しくはコード情報の入力を受け付ける。
演出処理部207は、送受信制御部201で受け付けた遊技者情報に含まれるキャラクタ識別情報(演出オブジェクト識別情報)により識別される、遊技者によって指定されたキャラクタ(演出オブジェクト)に関連付けられた特定楽曲を大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に出力する楽曲として特定する。そして、演出処理部207は、この特定楽曲を含むプレイリストを作成する。
また、遊技機1において遊技を行う遊技者が選択した楽曲の情報も、これと同様に、情報処理サーバ400において管理するようにしてもよい。
この場合においても、遊技者が選択した楽曲を識別する楽曲識別情報を含む遊技者情報の入力を送受信制御部201で受け付ける。そして、演出処理部207は、この選択楽曲を用いて上述の再生楽曲制御処理を行う。
[第2の実施形態]
上述の遊戯機1は、遊技球が始動口に入賞することを契機として当たり抽選を行い、大当たりに当選することで、遊技者は大当たり遊技中に多量の賞球を獲得する第1種遊技行う遊技機(第1種の遊技機)である。
これに対し、始動口への入賞を契機とした当たり抽選において小当たりに当選すると、内部に特定領域(Vゾーン)を有する特別可変入賞装置が短時間(例えば1.5秒)開放する小当たり遊技が実行され、この特定領域に遊技球が侵入すると、特別可変入賞装置が長時間開放して大当たり遊技を実行する第2種遊技を行う遊技機(第2種の遊技機)がある。また、これらの第1種遊技と第2種遊技とを兼ね備えた複合遊技機がある。
本発明の第2実施形態では、複合遊技機の中でも、第2種遊技を中心とする複合遊技機を例に挙げて説明する。
第2の実施形態における遊技機5000は、第2種遊技を中心とする複合遊技機である。この遊技機5000は、第1始動口の入賞に基づいて大当たりに当選すると、時短状態に移行し、時短状態に移行すると、第2始動口の入賞に基づく小当たり当選を目指す遊技性を持たせることができる。このとき、小当たりに当選すると、内部に特定領域が設けられた第2大入賞口が開放し、遊技球が特定領域を通過すると、小当たりが大当たりに発展し、第1大入賞口が開放する。
すなわち、第1種遊技を契機として第2種遊技にて多量の賞球を獲得させるという遊技性を持った複合遊技機を提供することができる。
図45は、遊技機5000を示す正面図であり、図46は、この遊技機5000に設けられた第2大入賞口制御装置の部分拡大図である。遊技機5000は、遊技盤2を備えている。遊技盤2の下部位置には、発射部を備える操作ハンドル3が設けられている。この遊技機5000は、先の図4のブロック図に示す構成を備える。
第1液晶表示装置31の下方には、遊技領域6に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な第1始動口14が設けられている。また、第1始動口14の右側方には、一対の始動可動片15a、15bおよび入球阻止部材15dを有する第2始動口15が配置されている。この始動可動片15aおよび15bは、始動口開閉ソレノイド15cによって開閉可能に構成されている。第2始動口15は、一対の始動可動片15a、15bが閉鎖状態であるときは、第2始動口15の真上に位置する入球阻止部材15dが障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。
一方、この一対の始動可動片15a、15bが開放状態であるときは、一対の始動可動片15a、15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入球が容易となる。第1始動口14および第2始動口15には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14sおよび第2始動口検出スイッチ15sがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(大当たりの抽選)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14sおよび第2始動口検出スイッチ15sが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2始動口15の上方(第1液晶表示装置31の正面視右側)には、遊技球の通過が可能な普通図柄ゲート13が設けられている。普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13sが設けられており、このゲート検出スイッチ13sが遊技球の通過を検出すると、普通図柄の抽選が行われる。
遊技盤2には、その他、複数の一般入賞口12が設けられている。各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12sが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12sが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
第2始動口15の下方には、第1大入賞口16Aが設けられており、第1大入賞口16Aには第1大入賞口16Aの開閉を制御する第1大入賞口制御装置16が設置されている。第1大入賞口制御装置16は、第1大入賞口開閉扉16bと、この第1大入賞口開閉扉16bに接続された第1大入賞口開閉ソレノイド16cとを具備する。第1大入賞口開閉扉16bは、通常は(未作動状態では)第1大入賞口16Aを閉鎖することで、遊技球の入球を不可能な状態にしている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、第1大入賞口開閉ソレノイド16cが通電されて第1大入賞口16Aが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16A内に導く受け皿として機能するので、遊技球の第1大入賞口16Aへの入球が可能となる。なお、第1大入賞口16Aには第1大入賞口検出スイッチ16sが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16sが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
また、普通図柄ゲート13と第1大入賞口制御装置16の間には、第2大入賞口制御装置5020が設けられている。第2大入賞口制御装置5020は、特別可動片5020bと、この特別可動片5020bの基端部に接続された第2大入賞口開閉ソレノイド17cとを備えている。そして、第2大入賞口制御装置5020は、その周囲を飾り部材5014の右側端部と、上方に開口した略八字形状を成す外縁上端部5021と、該外縁上端部5021の下端に略U字形状を成す外縁下端部5022とにより囲まれるとともに、これらを飾り板5023により覆って形成される。外縁上端部5021および外縁下端部5022は遊技盤2から立設されており、第2大入賞口5020A内に入球した遊技球は、右側端部、外縁上端部5021および外縁下端部5022により囲まれた遊技領域5025以外には流下することがない程度の寸法の立設幅(遊技盤2から立設した方向に対しての寸法)を有している。
また飾り板5023は透明な部材で形成されており、第2大入賞口5020A内に入球した遊技球が第2大入賞口5020A内(遊技領域6)を転動する過程を視認することが可能となっている。
第2大入賞口開閉ソレノイド17cが未通電のとき、特別可動片5020bの先端部が、普通図柄ゲート13と特別可動片5020bとの間に配置され、飾り部材5014の右側端部から突出して設けられた係止部5015に係止している(図46において点線で示す)。
一方、普通図柄の抽選において当たりに当選すると、第2大入賞口開閉ソレノイド17cが通電され、特別可動片5020bの先端部が、係止部15から離隔する向きに回動する(図46において実線で示す)。このとき、特別可動片5020bの先端部と係止部15とで第2大入賞口5020Aが形成される。すなわち、特別可動片5020bの先端部と係止部5015の先端部5015sとの間の空間が第2大入賞口5020Aとなる。このように、第2大入賞口開閉ソレノイド5020cが未通電状態で特別可動片5020bが係止部5015に係止しているときに第2大入賞口5020Aは閉鎖され、第2大入賞口開閉ソレノイド17cが通電され、特別可動片5020bが回動すると、第2大入賞口5020Aが開放される。
遊技領域5025は、外縁上端部5021により上方に開口した略逆八字形状に形成された導入路と、外縁下端部5022により略U字形状に形成された誘導路から構成される。導入路の上端は遊技球よりも幅広な横幅(例えば300mm)を有しており、導入路の下端は遊技球よりも若干幅広な横幅(例えば20mm)を有している。誘導路の上端は導入路の下端と同様の横幅(例えば20mm)を有しており、誘導路の下端は外縁下端部5022により囲まれている。なお、誘導路の横幅は1個以上の遊技球がスムースに通過(流下)できる程度の横幅であればよい。
そして、誘導路内には、特定領域(Vゾーン)への遊技球の進入を可能にする特定領域開閉部5030と、賞球部とを有する特定領域開閉装置が設けられている。特定領域開閉装置が未通電のときには、特定領域開閉部5030は閉鎖されており、特定領域(後述する特定入賞口5031のこと)への遊技球の入球が不可能な状態になると共に、特定領域開閉部5030の正面側は遊技球の流下(通過)が可能となっている。このとき流下した遊技球は、賞球部5040に入球するものとなっている。なお、特定領域開閉部5030および賞球部5040は、飾り板5023で覆われているが、上述したとおり、飾り板5023が透明部材で形成されているため、導入路から誘導路を転動する遊技球が特定領域開閉部5030に入球するか賞球部5040に入球するかを遊技者が視認することが可能となっている。
特定領域開閉部5030には、特定領域検出スイッチ31sを有する特定入賞口5031が設けられている。また、賞球部5040には、第2大入賞口検出スイッチ17sを有する賞球口5041が設けられている。特定領域検出スイッチ31sおよび第2大入賞口検出スイッチ17sは遊技球が通過すると入球を検出するスイッチとなっており、特定入賞口5031に入球した遊技球は、特定領域検出スイッチ31sを通過した後、賞球部5040に排出され、第2大入賞口検出スイッチ17sを通過した後に回収されるものとなっている。すなわち、特定入賞口5031に入球した遊技球は賞球口5041内の第2大入賞口検出スイッチ17sによって検出されるものとなっている。
特定入賞口5031に遊技球が入球した場合、特定領域検出スイッチ31sによって遊技球の入球が検出されると、後述する小当たり遊技が発展した大当たり遊技(第2種当たり遊技)が実行される。さらに、特定入賞口5031に入球した遊技球は、後述するアウト口11から賞球口5041を経由せずに賞球部5040に排出された後、賞球口5041内に設けられた第2大入賞口検出スイッチ17sによって検出され、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
一方、特定入賞口5031に入球しなかった遊技球は、誘導路の最下端に流下すると、外縁下端部5022によりそれ以上の流下(下降)が阻止されるため、賞球口5041に入球することとなる。このとき入球した遊技球は第2大入賞口検出スイッチ17sによって検出され、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。すなわち、第2大入賞口5020A内に入球した遊技球は、特定入賞口5031に入賞しない場合もあるが、賞球口5041には必ず入賞するものとなっている。
本実施形態では、小当たり遊技において、特定領域開閉ソレノイド350cの電源ONとOFFの切り換えを瞬時で行って、数秒間に2回のスライド板の開閉動作が実行される。この高速でのスライド板の開閉動作は後述のように大当たり抽選の結果、小当たりに当選となり、小当たり遊技が実行されているときに、主制御基板110のメインCPU110aによって実行される。
このようにして、特定入賞口5031に遊技球が進入すると、特定入賞口5031内に設けられた特定領域検出スイッチ31sによって、特定入賞口5031への遊技球の入球が検出される。つまり、特定領域5031への遊技球の進入が検出される。そして、特定領域検出スイッチ31sによって特定領域5031への遊技球の進入が検出されると、後述する2種当たりとなり、大当たり遊技を実行することが可能となる。
以上のことから、開閉装置が誘導路内に配置されることにより、第2大入賞口5020Aに遊技球が入球したとき、すなわち、導入路にて遊技球が転動しているときに、遊技者は、
[1]小当たりが時短付き大当たりへと発展する小当たりであれば、特定入賞口5031に入賞することを願って遊技球の転動する過程を見守り、
[2]小当たりが時短なし大当たりへと発展する小当たりであれば、特定入賞口5031に入賞せずに、賞球口5041に入賞することを願って遊技球の転動する過程を見守ることとなる。
第1大入賞口制御装置16の下方には、第1特別図柄表示装置83、第2特別図柄表示装置84、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、普通図柄保留表示装置25が設けられている。
さらに、第1始動口14に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第1保留として留保され、第2始動口15に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第2保留として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示装置23と第2特別図柄保留表示装置24とに表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示装置23および第2特別図柄保留表示装置24と同様の態様によって、普通図柄保留表示装置25において表示される。
また、普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置82が点灯し、その後、第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
また、遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠50が設けられている。ガラス枠505は、遊技盤2の上下左右の4辺において遊技領域6の周囲を囲む形状を有している。また、ガラス枠50において、遊技領域6の上側および下側となる2辺には、演出用照明装置34(ランプユニット)が設けられている。演出用照明装置34は、それぞれ、複数のライトを備えている。
なお、図示は省略するが、遊技機5000の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170などが設けられている。また、電源基板170に遊技機に電力を給電するための電源プラグ171等が設けられている。
第2の実施形態の遊技機5000の全体構成は、先の図4のブロック図に示すように、第1の実施形態の遊技機1の構成に、特定領域検出スイッチ31s、特定領域開閉ソレノイド350cが主制御基板110に接続された構成である。
主制御基板110の出力側には、第2始動口15の一対の始動可動片15a、15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15cと、第1大入賞口開閉扉16bを開閉動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16cと、特別可動片5020bを開閉動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17cと、スライダーをスライド移動させる特定領域開閉ソレノイド350cとが接続されている。
さらに、主制御基板110の出力側には、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置83と第2特別図柄表示装置84と普通図柄表示装置82と、保留表示装置を構成する第1特別図柄保留表示装置23と第2特別図柄保留表示装置24と普通図柄保留表示装置25とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、特別図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当たり判定テーブル(図47(a)、図47(b)参照)、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブル(図47(c)参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図48参照)、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図示せず)、第1大入賞口開閉扉16bまたは特別可動片5020bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル(図49参照)、1種当たり用開閉態様決定テーブル(図50参照)、2種当たり用開閉態様決定テーブル(図51(a)、図51(b)参照)、小当たり用開閉態様決定テーブル(図52(a)、図52(b)参照)等がメインROM110bに記憶されている。これら各種テーブルについては後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、特別図柄保留数(U)記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、特別可変入賞装置入球数(C)記憶領域、累積入球数(x)記憶領域、特定領域進入フラグ記憶領域、遊技状態記憶領域、停止図柄データ記憶領域、遊技状態変更フラグ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、各種のタイマカウンタが設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、特定遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
次に、図47〜図52を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図47(a)、図47(b)は、特別図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当たり判定テーブルを示す図である。図47(a)は、第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルであり、図47(b)は、第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルである。図47(a)と図47(b)とでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
例えば、図47(a)に示す第1特別図柄表示装置用のテーブルによれば、「0」の1個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、第2特別図柄表示装置用のテーブルによれば、「0」の1個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定され、「1」〜「397」の397個の特別図柄判定用乱数値が小当たりと判定される。
図47(c)は、普通図柄変動の停止結果を当りとするか否かを判定する際に参照される当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、通常遊技状態時乱数判定テーブルと特定遊技状態時乱数判定テーブルとから構成され、遊技状態を参照し、通常遊技状態時乱数判定テーブルまたは特定遊技状態時乱数判定テーブルが選択され、選択されたテーブルと抽出された当たり判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」の判定をするものである。
例えば、図47(c)に示す通常遊技状態時乱数判定テーブルによれば、「0」〜「8」という8個の当たり判定用乱数値が当たりと判定される。これは、特定遊技状態時乱数判定テーブルでも同じである。一方で、当たりと判定された場合、遊技状態により、第2始動口15の一対の始動可動片15a、15bの開放時間が異なるものに設定されている。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
図48は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図48(a)は、大当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図48(b)は、小当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図48(c)は、ハズレ時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
図柄決定テーブルによって、抽出された大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等に基づき、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。なお、第1特別図柄表示装置83においては小当たりが当選しないことから、図48(b)において第2特別図柄表示装置84のみ小当たり時の図柄を決定しているようにしているが、第1特別図柄表示装置83においても小当たりを当選させ、第1特別図柄表示装置83でも小当たり時の図柄を決定してもよい。
また、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する制御コマンドとして、演出図柄指定コマンドを生成する。ここで、制御コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成される。
図49(a)は、第1大入賞口開閉扉16bまたは特別可動片5020bの開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブルである。特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たり遊技で行われるラウンド回数や、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16、第2大入賞口制御装置5020)の開放態様テーブルが決定される。
ここで、第1特別図柄1、2、第2特別図柄1〜5が決定された場合には1種当たり用開放態様決定テーブルを決定する。一方、特別図柄A〜Dが決定された場合には、小当たり1用開放態様決定テーブルを決定し、特別図柄Eが決定された場合には、小当たり2用開放態様決定テーブルを決定する。そして、特定領域5031に遊技球が進入したときには、特別図柄A〜Eのいずれの場合であっても2種当たり用開放態様決定テーブルを決定する。すなわち、小当たり図柄(特別図柄A〜E)は、小当たり用開放態様決定テーブルを決定するとともに、2種当たりが発生した場合には、2種当たり用開放態様決定テーブルを決定する。
1種当たりのときには、第1大入賞口制御装置16が作動し、小当たり(その後に発展する可能性のある2種当たりを含む)のときには、第2大入賞口制御装置5020が作動する。なお、第1大入賞口制御装置16を1種当たり用の特別可変入賞装置ともいい、第2大入賞口制御装置を2種当たり用の特別可変入賞装置ともいう。
図49(b)は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり終了時設定データテーブルである。図49(b)に示す大当たり終了時設定データテーブルによって、遊技状態バッファに記憶された当選時の遊技状態および停止図柄データに基づき、特定遊技フラグの設定、特定遊技状態の残り変動回数(J)の設定が行われる。
ここで、「遊技状態バッファ」は、大当たりの判定時の遊技状態の情報を示すものであり、00Hが通常遊技状態を示し、01Hが特定遊技状態を示すデータである。
図49(b)の大当たり終了時設定データテーブルの特徴としては、遊技状態バッファのデータによって特定遊技状態の移行を異ならせている。
例えば、停止図柄データが「02」である場合には大当たり終了時に遊技状態を特定遊技状態に移行させることを決定し、停止図柄データが「08」である場合には小当たり終了後、あるいは2種当たり終了時に遊技状態を通常遊技状態に移行させることを決定する。
これにより、大当たり終了後の遊技状態を特定遊技状態または通常遊技状態に変化させ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
図50乃至図52は、図49(a)で決定された特別電動役物作動態様決定テーブルの詳細を示す図であり、図50(a)は1種当たり用開放態様決定テーブル−1、図50(b)は1種当たり用開放態様決定テーブル−2、図51(a)は2種当たり用開放態様決定テーブル−1、図51(b)は2種当たり用開放態様決定テーブル−2、図52(a)は小当たり1用開放態様決定テーブル、図52(b)は小当たり2用開放態様決定テーブルである。
具体的には、テーブルごとにラウンド遊技回数(R)、開放回数(K)、開放時間、閉鎖時間がそれぞれ対応付けられて記憶されている。なお、図51(a)、図51(b)の2種当たり用開放態様決定テーブルは、2種当たりの開始前に実行される小当たり作動時の開放が1ラウンドとして計数されるため、2ラウンド目から開始されるようになっている。
1種当たりが発生した場合、所定の割合で1種当たり用開放態様決定テーブル−1(長当たりテーブル)または1種当たり開放態様決定テーブル−2(発展当たりテーブル)の何れかを決定する。例えば、1種当たりが発生した場合、予め発生させた開放態様用乱数値(0〜99)に基づいて開放態様用乱数値が0〜59であれば1種当たり用開放態様決定テーブル−1を決定し、開放態様用乱数値が60〜99であれば1種当たり用開放態様決定テーブル−2を決定する。
2種当たりが発生した場合についても同様に、所定の割合で2種当たり用開放態様決定テーブル−1または2種当たり開放態様決定テーブル−2の何れかを決定する。例えば、2種当たりが発生した場合、予め発生させた開放態様用乱数値(0〜99)に基づいて開放態様用乱数値が0〜59であれば2種当たり用開放態様決定テーブル−1(長当たりテーブル)を決定し、開放態様用乱数値が60〜99であれば2種当たり用開放態様決定テーブル−2(発展当たりテーブル)を決定する。
ここで、図50(a)の1種当たり用開放態様決定テーブル−1、及び、図50(b)の1種当たり用開放態様決定テーブル−2は、何れも第1大入賞口制御装置16(1種当たり用の特別可変入賞装置)を開放させるラウンド遊技回数が15Rまで設定されている。1種当たり用開放態様決定テーブル−1は、各ラウンドにおける第1大入賞口開閉扉16bの開放回数は1回に設定され、開放時間は29.50秒、閉鎖時間は2.00秒に設定されている。
1種当たり用開放態様決定テーブル−2は、1ラウンド目には第1大入賞口開閉扉16bの開放回数は、3回に設定され、各開放時間は0.50秒、閉鎖時間は0.50秒に設定されている。そして、2ラウンド目から15ラウンド目までは、各ラウンドにおいて、第1大入賞口開閉扉16bの開放回数は1回に設定され、開放時間は29.50秒、閉鎖時間は2.00秒に設定されている。
なお、3回の短時間の開放(各開放時間は0.50秒、閉鎖時間は0.50秒)を1ラウンド目でなく、他のラウンドで行うようにしてもよく、例えば、5ラウンド目で行うようにしてもよい。
また、図51(a)の2種当たり用開放態様決定テーブル−1、及び、図51(b)の2種当たり用開放態様決定テーブル−2は、第2大入賞口制御装置5020(2種当たり用の特別可変入賞装置)を開放させるラウンド遊技回数が16Rまで設定されている。2種当たり用開放態様決定テーブル−1においては、各ラウンドにおける特別可動片5020bの開放回数は1回に設定され、開放時間は29.50秒、閉鎖時間は2.00秒に設定されている。
なお、2種当たり用開放態様決定テーブル−1、及び、2種当たり用開放態様決定テーブル−2のいずれの開放態様も、2種当たりが開始される前の小当たり作動時に開放する1ラウンド目の後に、2ラウンド目から16ラウンド目の開放として2種当たり用の開放が15ラウンドだけ行われて、2種当たり遊技が終了することとなる。
そして、2種当たり用開放態様決定テーブル−2においては、2ラウンド目には特別可動片5020bの開放回数は、3回に設定され、各開放時間は0.50秒、閉鎖時間は0.50秒に設定されている。そして、3ラウンド目から16ラウンド目までは、各ラウンドにおいて、特別可動片5020bの開放回数は1回に設定され、開放時間は29.50秒、閉鎖時間は2.00秒に設定されている。
なお、3回の短時間の開放(各開放時間は0.50秒、閉鎖時間は0.50秒)を1ラウンド目でなく、他のラウンドで行うようにしてもよく、例えば、5ラウンド目で行うようにしてもよい。
図52(a)の小当たり1用開放態様決定テーブルは、ラウンド遊技回数が1Rしか設定されておらず、特別可動片20bの開放回数は2回に設定され、開放時間と閉鎖時間とは0.50秒に設定されている。
図52(b)の小当たり2用開放態様決定テーブルは、ラウンド遊技回数が1Rしか設定されておらず、特別可動片20bの開放回数は2回に設定され、開放時間と閉鎖時間とは0.50秒に設定されている。
なお、図52の小当たり用開放態様決定テーブルを1ラウンドあたりに1回の開放しか行わないように設定してもよい。
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「特定遊技状態」「通常遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機5000の初期の遊技状態は、「通常遊技状態」に設定されている。
本実施形態において「通常遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選に要する時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口7の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われるが、その抽選結果は、当該抽選が開始されてから29秒後に確定する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、その後、第2始動口15が約0.2秒間、開放状態に制御される。
これに対して「特定遊技状態」というのは、上記普通図柄の抽選に要する時間が3秒と、「通常遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「通常遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「通常遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/11に設定され、「特定遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が10/11に設定される。
したがって、「特定遊技状態」においては、「通常遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口7が開放状態に制御されやすくなる。これにより、「特定遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「通常遊技状態」および「特定遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。なお、特定遊技状態は、普通図柄の変動時間(普通図柄の抽選に要する時間)、第2始動口15の開放制御時間、および当選確率を適宜設定することで、「通常遊技状態」よりも第2始動口15に遊技球が入球しやすい状態であればよい。
そして、主制御基板110においては、メインRAM110cの遊技状態記憶領域にフラグを記憶することによって、現在の遊技状態が上記のいずれの遊技状態であるのかを把握するようにしている。
また、遊技状態がある遊技状態から他の遊技状態に変更するのは、「1種当たり」または「2種当たり」の大当たり遊技を終了した後である。
大当たり遊技の終了後に、大当たり遊技の実行の契機となった大当たり図柄の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。一方、「小当たり」に当選した場合には、小当たり遊技の終了後に直接的に遊技状態が変更することはないものの、小当たり遊技のときに、第2大入賞口制御装置5020内に設けられた特定領域5031に遊技球が進入する(すなわち、特定入賞口5031に遊技球が入球する)と「2種当たり」が発生し、大当たり終了後に小当たり図柄の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
図53は、遊技機5000の主制御基板110で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS810において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この初期化処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
続いて、ステップS820において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
そして、ステップS830において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。
このような処理が行われると、ステップS840において、メインCPU110aは、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し、電断処理が行われるまで(S840でNO)は割り込み処理が行われることによって演出用乱数値更新処理(S820)以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われると(S840でYES)処理を終了する。
図54は、遊技機5000の主制御基板110で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS8100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS8110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等の特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタ、条件装置作動有効時間カウンタを1を減算して更新する処理を行う。
特に、条件装置作動有効時間カウンタの更新処理においては、4ms毎に条件装置作動有効時間カウンタを1減算して更新するとともに、条件装置作動有効時間カウンタ=0となった場合には、条件装置作動有効フラグをオフにする。
ステップS8120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS8130において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期値乱数カウンタ、大当たり図柄用初期値乱数カウンタ、小当たり図柄用初期値乱数カウンタを1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS8200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、各スイッチに入力があったか否か判定し、入力があった場合には所定のデータをセットする入力処理を行う。
ステップS8300において、メインCPU110aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電制御処理を行う。
ステップS8400において、メインCPU110aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
ステップS8500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16、第2大入賞口制御装置5020)、第1始動口14、第2始動口15、一般入賞口12に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS8600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、特別可変入賞装置開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS8700において、メインCPU110aは、第2大入賞口制御装置5020に入球し遊技領域5025内の導入路5025Aを転動している遊技球を、特定入賞口5031に入賞しうる開閉態様にて特定領域開閉装置を作動させる特定領域開閉制御処理を行う。
ステップS8800において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、特別可変入賞装置開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、普通図柄表示装置82、第1特別図柄表示装置83、第2特別図柄表示装置84、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24および普通図柄保留表示装置25および各LEDを点灯させるために、作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS8900において、メインCPU110aは、ステップS8100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
図55を用いて、主制御基板110の入力制御処理を説明する。
ステップS8210において、まず、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12sから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口12に入賞したか否かを判定する。メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12sから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
ステップS8220において、メインCPU110aは、第1大入賞口検出スイッチ16sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口16Aに入賞したか否かを判定する。メインCPU110aは、第1大入賞口検出スイッチ16sから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる第1大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口16Aに入賞した遊技球を計数するための第1大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS8221において、メインCPU110aは、第2大入賞口検出スイッチ17sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2大入賞口5020に入賞したか否かを判定する。メインCPU110aは、第2大入賞口検出スイッチ17sから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる第2大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第2大入賞口5020に入賞した遊技球を計数するための第2大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS8230において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14sからの検出信号を受信することによって、第1始動口検出スイッチ14sが遊技球を検出したかを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。
ステップS8240において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ15sからの検出信号を受信することによって、第2始動口検出スイッチ15sが遊技球を検出したかを判定する。メインCPU110aは、遊技球を検出したと判定した場合、賞球のために用いる賞球カウンタを更新するとともに、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値を抽出し、第2特別図柄記憶領域に抽出した乱数値を記憶する。
ステップS8250において、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ13sが信号を検出したか、すなわち、遊技球が普通図柄ゲート13を通過したか否かを判定する。さらに、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ13sが信号を検出した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算し、予め用意された乱数範囲(例えば、0〜10)から1つの当たり判定用乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶する。ただし、普通図柄保留数(G)記憶領域に「4」が記憶されている場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算したり、当たり判定用乱数値を抽出して普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶したりすることは行わない。
ステップS8260において、メインCPU110aは、特定領域検出スイッチ31sからの検出信号を受信することによって、2種当たりに当選したか否かを判断し、2種当たりに当選した場合には大当たり遊技を実行するための所定のデータをセットする。
図56を用いて、主制御基板110の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS8230−1において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14sからの検出信号を入力したか否かを判定する。
第1始動口検出スイッチ14sからの検出信号を入力した場合にはステップS8230−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ14sからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS8230−2において、メインCPU110aは、メインRAM110cに設けられた第1特別図柄記憶領域の第4記憶部にデータがセットされているか否かを判定する。メインRAM110cには、第1特別図柄記憶領域および第2特別図柄記憶領域が設けられており、これら第1特別図柄記憶領域および第2特別図柄記憶領域は、それぞれ第1記憶部〜第4記憶部まで4つの記憶部を有している。
これら各記憶部には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球した際に、後述する特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、および小当たり図柄用乱数値が記憶される。このとき、第1始動口14に遊技球が入球した場合には、第1特別図柄記憶領域の第1記憶部から第4記憶部まで順番に空き領域を探していき、空いている記憶部に上記の各乱数値を記憶するようにしており、第2始動口15に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄記憶領域の第1記憶部から第4記憶部まで順番に空き領域を探していき、空いている記憶部に上記の各乱数値を記憶する。
ここでは、第1特別図柄記憶領域の第4記憶部に各乱数値が記憶されているか、すなわち、第1特別図柄記憶領域に空きがあるかを確認することで、各乱数値を記憶可能な状態であるか否かを判定している。
第1特別図柄記憶領域の第4記憶部に各乱数値が記憶されている場合にはステップS8230−7に処理を移し、第1特別図柄記憶領域の第4記憶部に各乱数値が記憶されていない場合にはステップS8230−3に処理を移す。
ステップS8230−3において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に、空いている記憶部に抽出した特別図柄判定用乱数値を記憶する。例えば、いずれの記憶部にも各乱数値が記憶されていない場合には、第1記憶部に特別図柄判定用乱数値を記憶し、第1〜3記憶部に特別図柄判定用乱数値が記憶されている場合には、第4記憶部に特別図柄判定用乱数値を記憶する。
ステップS8230−4において、メインCPU110aは、大当たり図柄用乱数値を抽出するとともに、当該抽出した乱数値を、ステップS8230−3で特別図柄判定用乱数値が記憶された記憶部に記憶する。
ステップS8230−5において、メインCPU110aは、小当たり図柄用乱数値を抽出するとともに、当該抽出した乱数値を、上記特別図柄判定用乱数値および大当たり図柄用乱数値が記憶された記憶部に記憶する。
ステップS8230−6において、メインCPU110aは、第1始動口14に遊技球が入球して新たに保留が留保されたことを伝達すべく、始動入賞指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8230−7において、メインCPU110aは、賞球のために用いる賞球カウンタを更新する処理を行う。本処理を終了すると、第1始動口検出スイッチ入力処理が終了する。
以上のように、第1始動口14に遊技球が入球した際に、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがある場合には、各乱数値が記憶されていない記憶部の中でもっとも小さい番号の記憶部に各乱数値が記憶され、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合には、各乱数値が抽出(記憶)されずに第1始動口検出スイッチ入力処理が終了となる。ただし、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合でも、第1始動口14への遊技球の入球に対して賞球が払い出されることとなる。
なお、本実施形態においては、第2始動口検出スイッチ入力処理については詳細な説明を省略するが、第2始動口検出スイッチ15sから信号が入力された場合にも、上記1始動口検出スイッチ入力処理と同様の処理が行われる。ただし、この場合には、第2特別図柄記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部を参照して処理が行われることとなる。
図57を用いて、主制御基板110の特定領域検出スイッチ入力処理を説明する。
ステップS8260−1において、メインCPU110aは、特定領域検出スイッチ31sからの検出信号を入力したか否かを判定する。
特定領域検出スイッチ31sからの検出信号を入力した場合にはステップS8260−2に処理を移し、特定領域検出スイッチ31sからの検出信号を入力しなかった場合には、特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。
上記ステップS8260−1において、特定領域検出スイッチ31sからの検出信号が入力したと判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8260−2において、条件装置作動有効フラグがオンされているか否かを判定する。条件装置作動有効フラグは、特定入賞口5031への遊技球の入球(特定領域5031への遊技球の進入)に
よって2種当たりを発生させるか否かを判別するためのものであり、フラグがオンされている場合には特定領域5031への遊技球の進入によって2種当たりが発生し、フラグがオフされている場合には特定領域5031へ遊技球が進入しても2種当たりが発生することはない。条件装置作動有効フラグがオンされている場合にはステップS8260−3に処理を移し、条件装置作動有効フラグがオンされていない場合には当該特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。なお、条件装置作動有効フラグは、小当たりの当選時に、後述する特別図柄停止処理においてオンされるものである。
上記ステップS8260−2において、条件装置作動有効フラグがオンされていると判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8260−3において、この条件装置作動有効フラグをオフする。これにより、以後、特定領域5031への遊技球の進入に基づく処理は何もなされなくなる。
なお、詳しくは後述するが、小当たり遊技中に特定領域5031に遊技球が進入しなかった場合には、予め設定された時間を経過したところで、条件装置作動有効フラグがオフされる(後述のステップS8350−16)。このように、予め設定された時間を経過したところで条件装置作動有効フラグをオフするようにしたのは、小当たり遊技において、第2大入賞口制御装置5020が閉じる直前に第2大入賞口制御装置5020に入球した遊技球が、特定入賞口5031に入球する(特定領域5031に到達する)までの時間を考慮したためである。
ステップS8260−4において、メインC110aは、遊技状態報知図柄を停止表示した後、ステップS8260−5において、メインCPU110aは、遊技状態や特定遊技回数をリセットする。具体的には、特定遊技フラグ記憶領域、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
次に、ステップS8260−6において、停止中の特別図柄(小当たり図柄)を参照して2種当たり遊技のオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次に、ステップS8260−7において、メインCPU110aは、停止図柄データを参照して、対応するオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS8110において4ms毎に減算処理される。
次に、ステップS8260−8において、メインCPU110aは、2種当たり遊技を開始すべく、後述する特図特電処理データに「3」をセットして、後述する大当たり遊技処理(ステップS8340)に処理を移して、当該特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。
図58を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
メインCPU110aは、ステップS8301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS8302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS8310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS8320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS8330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS8340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当たり遊技処理(ステップS8350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば特別遊技終了処理(ステップS8360)に処理を移す。
特図特電処理データ=0であったときの主制御基板110の特別図柄記憶判定処理について図59を用いて説明する。
ステップS8310−1において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ8310−2に処理を移す。
特別図柄の変動表示中ではない場合には、メインCPU110aが、特別図柄保留数(U)が1以上であるかを判定する。特別図柄保留数(U)が1以上でない場合には、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の保留数(U)が1以上であると判定した場合にはステップS8310−3に処理を移す。
ステップS8310−3において、メインCPU110aは、特別図柄保留数(U)記憶領域に記憶されている値(U)から「1」を減算した新たな保留数(U)を記憶する。
ステップS8310−4において、メインCPU110aは、特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。例えば、第1記憶部に記憶されているデータは、第0記憶部(判定記憶領域)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、第0記憶部(判定記憶領域)に書き込まれるとともに、すでに第0記憶部(判定記憶領域)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、入賞状態フラグが消去される。
なお、第1特別図柄記憶領域の第1記憶部にも第2特別図柄記憶領域の第1記憶部にもデータが記憶されている場合には、所定の優先順序に従って、シフトさせる特別図柄記憶領域を決定する。ここでいう「所定の優先順序」とは、第2特別図柄記憶領域を優先させてシフトさせることや、特別図柄記憶領域の記憶部に記憶された順序が挙げられる。本実施形態においては、第1特別図柄記憶領域と第2特別図柄記憶領域との双方の第1記憶部にデータが記憶されている場合、第2特別図柄記憶領域の第1記憶部に記憶されたデータが優先的に第0記憶部(判定記憶領域)に書き込まれる。
ステップS8311において、メインCPU110aは、ステップS8310−4において特別図柄保留記憶領域の第0記憶部(判定記憶領域)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。
ステップS8312においては、メインCPU110aは、変動パターン選択処理を行う。変動パターン選択処理は、リーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値を取得し、図示しない変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの判定結果、特別図柄の種類、特定遊技状態の有無、特別図柄保留数(U)、取得したリーチ判定用乱数値および変動パターン用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
ステップS8313において、メインCPU110aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8314において、メインCPU110aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置83または第2特別図柄表示装置84において特別図柄の変動表示を開始する。つまり、処理領域に書き込まれた情報が第1保留に係る場合には、特別図柄の変動表示として第1特別図柄表示装置83において「−」の点滅を開始し、処理領域に書き込まれた情報が第2保留に係る場合には、特別図柄の変動表示として第2特別図柄表示装置84において「−」を点滅させるデータをセットする。
ステップS8316において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタにステップS8312において決定した変動パターンに基づいた特別図柄変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記S8110において4ms毎に減算処理されていく。
次に、ステップS8317において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1をセットし、特別図柄変動処理に移行して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、図60を用いて、大当たり判定処理を説明する。
ステップS8311−1において、メインCPU110aは、上記ステップS8310−4において第0記憶部(判定記憶領域)に記憶された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」を判定する。このとき、メインCPU110aは、上記ステップS8310−4においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図47(a)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照する。また、メインCPU110aは、上記ステップS8310−4においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図47(b)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照する。
ステップS8311−2において、メインCPU110aは、上記ステップS8311−1における大当たり判定の結果、大当たりと判定されたか否かを判定する。大当たりと判定された場合には、ステップS8311−3に処理を移し、大当たりと判定されなかった場合には、ステップS8311−7に処理を移す。
ステップS8311−3において、メインCPU110aは、上記ステップS8310−4において特別図柄保留記憶領域の第0記憶部(判定記憶領域)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定する。
具体的には、上記ステップS8310−4においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図48(a)の第1特別図柄表示用の図柄決定テーブルを参照し、上記ステップS8310−4においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図48(a)の第2特別図柄表示用の図柄決定テーブルを参照して、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を決定する。
なお、決定された特別図柄は、後述するように特別図柄停止処理において「大当たり」または「小当たり」の当選の可否を判定するのに用いられるとともに、大当たり遊技処理や小当たり遊技処理において特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16、第2大入賞口制御装置5020)の作動態様を決定するのにも用いられる。また、決定された特別図柄は、大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するために参照される遊技状態変更フラグを決定するのにも用いられる。
ステップS8311−4において、メインCPU110aは、決定された停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS8311−5において、メインCPU110aは、特別図柄に対応するデータを演出制御基板120に送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8311−6において、メインCPU110aは、停止図柄データに基づいて、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するために参照される遊技状態変更フラグ(00H、01H)を決定し、決定された遊技状態変更フラグを遊技状態変更フラグ記憶領域にセットする。
ステップS8311−7において、メインCPU110aは、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当たりと判定された場合には、ステップS8311−8に処理を移し、小当たりと判定されなかった場合には、ステップS8311−11に処理を移す。
ステップS8311−8において、メインCPU110aは、上記ステップS8310−4において特別図柄保留記憶領域の第0記憶部(判定記憶領域)に書き込まれた小当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定する。
具体的には、図48(b)の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を決定する。
本実施形態においては、いずれの小当たりの図柄であっても、その後に実行される小当たり遊技の内容、小当たり遊技中に2種当たりに当選して大当たり遊技の制御に移行した場合に遊技者に付与する価値(ラウンド数等)が同一であるが、小当たりの図柄に応じて2種当たり遊技の終了後に移行する遊技状態が異なっている。
ステップS8311−9において、メインCPU110aは、決定された小当たり用の特別図柄の種類を示す停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS8311−10において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、小当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8311−11において、メインCPU110aは、図48(c)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS8311−12において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
次に、特図特電処理データ=1であったときの主制御基板110の特別図柄変動処理について、図61を用いて説明する。
ステップS8320−1において、メインCPU110aは、ステップS8316においてセットされた特別図柄の変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS8320−2において、メインCPU110aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(大当たり判定処理)において、上記ステップS8311−4、S8311−9、S8311−11でセットされた特別図柄を特別図柄表示装置5083,5084に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS8320−3において、メインCPU110aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8320−4において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(1秒=1500カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記ステップS8110において4ms毎に1減算して更新されていく。
ステップS8320−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、特別図柄停止処理に移行して、特別図柄変動処理を終了する。
次に、特図特電処理データ=2であったときの主制御基板110の特別図柄停止処理について、図62を用いて説明する。
ステップS8330−1において、メイン110aは、ステップS8320−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS8330−2において、メインCPU110aは、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがオンされているか否かを判定する。特定遊技フラグ記憶領域にフラグがオンされている場合というのは、現在の遊技状態が特定遊技状態である場合である。特定遊技フラグ記憶領域にフラグがオンされている場合には、ステップS8330−3に処理を移し、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがオフされている場合には、ステップS8330−6に処理を移す。
ステップS8330−3において、メインCPU110aは、現在の遊技状態が特定遊技状態である場合には、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に記憶されている(J)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(J)として記憶する。
ステップS8330−4において、メインCPU110aは、残り変動回数(J)=0か否かを判定する。残り変動回数(J)=0であれば、ステップS8330−5に処理を移し、残り変動回数(J)=0でなければ、ステップS8330−6に処理を移す。
ステップS8330−5において、メインCPU110aは、特定遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをオフする。なお、上記残り変動回数(J)が「0」になるということは、特定遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われ、特定遊技状態が終了することを意味する。
ステップS8330−6において、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8330−7において、メインCPU110aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜06)のものであるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS8330−13に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS8330−8に処理を移す。
ステップS8330−8において、メインCPU110aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが小当たり図柄(停止図柄データ=07〜12?)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS8330−9に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS8330−12に処理を移す。
上記ステップS8330−8において、停止図柄データ記憶領域に小当たり図柄が記憶されていると判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8330−9において、特図特電処理データに4をセットし、小当たり遊技処理に処理を移す。
次に、ステップS8330−10において、メインCPU110aは、小当たり遊技中に特定領域31に進入した遊技球が有効となるように、条件装置作動有効フラグをオンする。
次に、ステップS8330−11において、メインCPU110aは、条件装置作動有効時間をセットする。ここでセットされる時間は、小当たり遊技処理に要する時間よりも僅かに短く、かつ、小当たり遊技のエンディングが終了する時間よりも僅かに長く設定されている。なお、条件装置作動有効時間、小当たり遊技時間、エンディング時間は、小当たり遊技中に特別可変入賞装置5020(この場合は、第2大入賞口制御装置5020)に入球した遊技球が、条件装置作動有効時間の経過する前に特定領域5031に進入するように設定されている。
また、条件装置作動有効時間は、小当たり遊技が開始された時点において発射された(打ち出された)遊技球が特定領域5031に進入しうる最短の時間よりも短い時間に設定されている。したがって、小当たりに当選となり、当該小当たりが発展後に遊技者にとって有利度合いの高い大当たり(時短状態に移行する大当たり)に発展する「小当たり(特別図柄A〜Dが該当する)」であるか、あるいは、遊技者にとって有利度合いの低い大当たり(時短状態に移行しない大当たり)に発展する「小当たり(特別図柄Eが該当する)」であるかを確認したうえで、遊技者が遊技球を発射させても、当該小当たりから大当たりへ発展させることができない(間に合わない)ものとなっている。
すなわち、小当たりに係る特別図柄を確認してから、該小当たりから発展する大当たりが上記時短付き大当たりであるときのみ、これを獲得できてしまうことが無いよう条件装置作動有効時間が設定されている(したがって、時短付き大当たりのみを狙った遊技球の打ち出し方法、いわゆる攻略法につながる技術の介入が不可能となっている)。
なお、小当たり遊技が開始された時点において発射された遊技球が第2大入賞口制御装置20に入球するまでの最短時間に比して短い時間を上記所定期間設定手段により設定される所定期間としてもよい。すなわち、小当たり遊技が開始してから特定領域31に遊技球が進入せずに当該小当たり遊技において所定回数開放する特別可動片20bの開放が全て終了するまでの時間を所定期間としてもよい。
一方、上記ステップS8330−8において、停止図柄データ記憶領域に記憶された図柄が小当たり図柄ではない(ハズレ図柄)と判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8330−12において、特図特電処理データに0をセットし、特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
また、上記ステップS8330−7において、停止図柄データ記憶領域に大当たり図柄が記憶されていると判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8330−13において、特図特電処理データに3をセットし、大当たり遊技処理に処理を移す。
次に、ステップS8330−14において、メインCPU110aは、遊技状態や特定遊技回数をリセットする。具体的には、特定遊技フラグ記憶領域、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
そして、上記ステップS8330−7において停止した特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、または、上記ステップS8330−8において停止した特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合には、ステップS8330−15において、大当たり遊技または小当たり遊技を開始するにあたって、停止図柄を参照してオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次に、ステップS8330−16において、メインCPU110aは、停止図柄データを参照して、対応するオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS8110において4ms毎に減算処理される。
次に、特図特電処理データ=3であったときの主制御基板110の大当たり遊技処理について、図63を用いて説明する。なお、大当たり遊技処理において作動する特別可変入賞装置は、第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020のいずれであるため、本大当たり遊技処理においては、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)と表記する。
ステップS8340−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS8340−2に処理を移し、オープニング中ではないと判定した場合には、ステップS8340−6に処理を移す。
上記ステップS8340−1において、現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS8340−2において、メインCPU110aは、特別図柄停止処理のステップS8330−16においてセットされたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間をまだ経過していないと判定した場合には、大当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過したと判定した場合には、ステップS8340−3に処理を移す。
ステップS8340−3において、メインCPU110aは、停止図柄データに応じて、大当たりの種別を判定し、大当たりの種別に応じた開放態様決定テーブルを決定する。
具体的には、停止図柄データに応じて、1種当たり用開放態様決定テーブル、2種当たり用開放態様決定テーブルのいずれかを決定する。
ステップS8340−4において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置開放処理を行う。この処理は、第1大入賞口開閉扉16bまたは特別可動片5020bの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS8340−3でセットされたテーブルを参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、1種当たりの開始時には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」を記憶することとなる。一方、2種当たりの場合には,小当たり遊技処理において設定されたラウンド遊技回数(R)の「1」が残存しているので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「2」を記憶して、2ラウンド目から開始されることとなる。
ステップS8340−5において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板120にラウンド遊技回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じたラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1回目のラウンド遊技の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
1回のラウンド遊技につき特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)の開放回数を1回に設定する。そのため、ステップS8340−5において必ずラウンド指定コマンドがセットされる。ただし、1回のラウンド遊技につき、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置20)を複数回開放することとした場合には、上記のとおりK=1である場合にのみラウンド指定コマンドを送信することとなる。
上記ステップS8340−1において、現在オープニング中ではないと判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8340−6において、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS8340−19に処理を移し、現在エンディング中ではないと判定した場合には、ステップS8340−7に処理を移す。
上記ステップS8340−6において、現在エンディング中ではないと判定した場合には、ステップS8340−7において、メインCPU110aは特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)が閉鎖中であるか否かを判定する。その結果、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)が閉鎖中であると判定した場合には、ステップS8340−8に処理を移し、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)が閉鎖中ではないと判定した場合には、ステップS8340−9に処理を移す。
上記ステップS8340−7において、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)が閉鎖中であると判定した場合には、ステップS8340−8において、メインCPU110aは、後述するステップS8340−10において特別遊技タイマカウンタにセットされた閉鎖時間を経過したか否かを判定する。その結果、セットされた閉鎖時間が経過して特別遊技タイマカウンタ=0となった場合には、ステップS8340−4に処理を移し、セットされた閉鎖時間を経過しておらず、特別遊技タイマカウンタが0になっていない場合には、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS8340−9において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、特別可変入賞装置入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したこと、または最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS8340−10に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS8340−10において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置閉鎖処理を行う。
特別可変入賞装置閉鎖処理は、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)を閉鎖するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの通電停止データをセットするとともに、上記ステップ8340−3において決定された開放態様決定テーブルを参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、特別可変入賞装置(第1大入賞口制御装置16または第2大入賞口制御装置5020)が閉鎖することになる。
ステップS8340−11において、メインCPU110aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、特別可変入賞装置入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したこと、または上記ステップS8340−4において設定された開放時間を経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0となったか否か)を条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS8340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS8340−12において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、特別可変入賞装置入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および特別可変入賞装置入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS8340−13において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS8340−16に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS8340−14に処理を移す。
ステップS8340−14において、メインCPU110aは、演出制御基板202にラウンド遊技の終了情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じてラウンド終了指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8340−15において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
一方、上記ステップS8340−13において、ラウンド遊技回数(R)が最大であると判定した場合には、ステップS340−16において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
次に、ステップS8340−17において、メインCPU110aは、停止図柄データすなわち大当たりの種別に応じたエンディングコマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8340−18において、メインCPU110aは、停止図柄データすなわち大当たりの種別に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS8340−19において、メインCPU110aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS8340−20に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
次に、ステップS8340−20において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、大当たり遊技終了処理に処理を移す。
次に、特図特電処理データ=4であったときの主制御基板110の小当たり遊技処理について、図64を用いて説明する。なお、小当たり遊技処理において作動する特別可変入賞装置は、第2大入賞口制御装置5020のみであるため、本小当たり遊技処理においては、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)と表記する。
まず、ステップS8350−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS8350−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S8350−5に処理を移す。
ステップS8350−2において、メインCPU110aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS8350−3に処理を移す。
ステップS8350−3において、メインCPU110aは、停止図柄データに応じて、小当たりの種別を判定し、小当たりの種別に応じた開閉態様決定テーブルを決定する。
具体的には、停止図柄データに応じて、小当たり1用開放態様決定テーブル、小当たり2用開放態様決定テーブルのいずれかを決定する。
ステップS8350−4において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置開放処理を行う。この処理は、特別可動片5020bの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS8350−3でセットされたテーブルを参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。ここで、小当たり遊技の開始時には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」を記憶することとなる。
上記ステップS8350−1において、現在オープニング中ではないと判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8350−5において、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS8350−14に処理を移し、現在エンディング中ではないと判定した場合には、ステップS8350−6に処理を移す。
上記ステップS8350−5において、現在エンディング中ではないと判定した場合には、ステップS8350−6において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)が閉鎖中であるか否かを判定する。その結果、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)が閉鎖中であると判定した場合には、ステップS8350−7に処理を移し、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)が閉鎖中ではないと判定した場合には、ステップS8350−8に処理を移す。
上記ステップS8350−6において、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)が閉鎖中であると判定した場合には、メインCPU110aは、後述するステップS8350−7において特別遊技タイマカウンタにセットされた閉鎖時間を経過したか否かを判定する。その結果、セットされた閉鎖時間が経過して特別遊技タイマカウンタ=0となった場合には、ステップS8350−4に処理を移し、セットされた閉鎖時間を経過しておらず、特別遊技タイマカウンタが0になっていない場合には、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS8350−8において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置20のみ)の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、特別可変入賞装置入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したこと、または最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS8350−9に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS8350−9において、メインCPU110aは、特別可変入賞装置閉鎖処理を行う。
特別可変入賞装置閉鎖処理は、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)を閉鎖するために、第2大入賞口開閉ソレノイド5020cの通電停止データをセットするとともに、上記ステップ8350−3において決定された開放態様決定テーブルを参照して、現在のラウンド遊技回数(R)および開放回数(K)に基づいて、特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、特別可変入賞装置が閉鎖することになる。
ステップS8350−10において、メインCPU110aは、小当たり終了条件が成立したか否かを判定する。小当たり終了条件としては、開放回数(K)が最大開放回数となること、特別可変入賞装置入球カウンタ(C)の値が最大個数(例えば9個)に達したことである。
そして、小当たり終了条件が成立したと判定した場合にはステップS8350−11に処理を移し、小当たり終了条件が成立していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS8350−11において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットして開放回数(K)記憶領域をクリアするとともに、特別可変入賞装置入球数(C)記憶領域に0をセットして特別可変入賞装置入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS8350−12において、メインCPU110aは、停止図柄データに応じて小当たりの種別を判定し、小当たりの種別に応じたエンディングコマンドを、演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8350−13において、メインCPU110aは、停止図柄データに応じて小当たりの種別を判定し、小当たりの種別に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS8350−14において、メインCPU110aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定する。
メインCPU110aは、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS8350−17に処理を移し、エンディング時間を経過したと判定しなかった場合にはステップS8350−15に処理を移す。
ステップS8350−15において、メインCPU110aは、小当たりの当選時に特別図柄停止処理のステップS8330−11でセットした条件装置作動有効時間を経過したかを判定する。条件装置作動有効時間は、小当たり遊技時間よりも僅かに短く設定され、かつ、上記ステップS8350−13でセットされる小当たりエンディング時間が経過するよりも前に経過するように設定されている。この条件装置作動有効時間が経過したと判定した場合にはステップS8350−16に処理を移し、条件装置作動有効時間は経過していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS8350−16において、メインCPU110aは、条件装置作動有効フラグをオフする。これにより、以後の特定領域5031への遊技球の進入は無効化され、仮に特定領域に遊技球が進入したとしても2種当たりとなることはない。すなわち、条件装置作動有効フラグがオフされた後に特定入賞口5031へ入球した遊技球は無効とされ、2種当たりとなることはない。ただし、この時点では、特別可動片5020bが閉鎖する直前に特別可変入賞装置(第2大入賞口制御装置5020のみ)に入球した遊技球が特定領域5031に到達するのに十分な時間が経過しているので、条件装置作動有効フラグをオフした後に特定領域5031に遊技球が進入することはない。すなわち、特別可動片5020bが閉鎖する直前に第2大入賞口制御装置5020に入球した遊技球が誘導路に到達するのに十分な時間が経過しているので、条件装置作動有効フラグをオフした後に遊技球が誘導路を転動することがない。
ステップS8350−17において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、後述する大当たり遊技終了処理に処理を移す。
図65を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。
ます、ステップS8360−1において、メインCPU110aは、停止図柄データ記憶領域にセットされている停止図柄データと、遊技状態変更フラグ記憶領域にセットされたデータをロードする。
ステップS8360−2において、メインCPU110aは、大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照して特定遊技フラグ設定処理を行う。具体的には、上記S8360−1においてロードした停止図柄データと遊技状態変更フラグとに基づいて、特定遊技フラグ記憶領域にフラグをセットさせるか否かの処理を行う。
例えば、停止図柄データが「01」であれば、メインCPU110aは、特定遊技フラグ記憶領域にフラグをオンする。このようにして、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがオンされると、以後の遊技状態が特定遊技状態に設定される。
ステップS8360−3において、メインCPU110aは、大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、上記S8360−1においてロードした停止図柄データと、遊技状態変更フラグ記憶領域にあるデータに基づいて、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる残り変動回数決定処理を行う。
具体的には、遊技状態変更フラグ記憶領域に00H(遊技状態を通常遊技状態に変更させるフラグ)が記憶されている場合には、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に0回をセットし、01H(遊技状態を特定遊技状態に変更させるフラグ)が記憶されている場合には、特定遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に100回をセットする。
ステップS8360−4において、メインCPU110aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS8360−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、特別図柄記憶判定処理に処理を移し、大当たり遊技終了処理を終了する。
図66を用いて、普図普電制御処理を説明する。
ステップS8401において、メインCPU110aは、普通図柄時間カウンタに所定の変動時間がセットされているか否かを判定する。すなわち、一対の始動可動片15a、15bが開放して第2の態様に制御されているか否か(第2始動口15が開放中であるか否か)を判定する。
上記ステップS8401において、第2始動口7が開放中ではないと判定された場合には、ステップS8402において、メインCPU110aは、普通図柄の停止表示中であるか否かを判定する。
上記ステップS8402において、普通図柄の停止表示中ではないと判定された場合には、ステップS8403において、メインCPU110aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定する。
上記ステップS8403において、普通図柄の変動表示中ではないと判定された場合には、ステップS8404において、メインCPU110aは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普図普電制御処理を終了する。
上記ステップS8404において、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、メインCPU110aは、ステップS8405において、特別図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
ステップS8406において、メインCPU110aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
ステップS8407において、メインCPU110aは、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり乱数値の判定を行う(当たり判定処理)。なお、複数の当たり乱数が記憶されている場合には、当該当たり乱数が記憶された順に読み出されるようにしている。
具体的には、当たり判定テーブルを参照し、抽出した当たり判定用乱数値を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、通常遊技状態(非時短遊技状態)であれば「0」〜「10」の当たり乱数のうち「0」の1個の当たり判定用乱数値が当たりと判定され、特定遊技状態(時短遊技状態)であれば「0」〜「10」の当たり乱数のうち「0」〜「9」の10個の当たり判定用乱数値が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。
ステップS8408において、メインCPU110aは、図柄決定処理を行う。
図柄決定処理では、上記ステップS8407における当たり乱数の判定の結果を参照して、当たりと判定された場合には当たり図柄がセットされ、ハズレと判定された場合にはハズレ図柄がセットされる。
ここでいう当たり図柄とは、上記普通図柄表示装置82において最終的にLEDが点灯する図柄のことであり、ハズレ図柄とは最終的にLEDが点灯せずに消灯する図柄のことである。また、当たり図柄のセットとは、普通図柄表示装置82においてLEDを点灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることであり、ハズレ図柄のセットとは、普通図柄表示装置82においてLEDを消灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることである。
ステップS8408に次いで、ステップS8409において、メインCPU110aは、普通図柄変動時間決定処理を行う。
普通図柄変動時間決定処理では、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判定して、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていると判定した場合には、普通図柄時間カウンタに3秒に対応するカウンタをセットし、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判定した場合には、普通図柄時間カウンタに29秒に対応するカウンタをセットする。この処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、普通図柄時間カウンタは、ステップS8110において、4ms毎に減算処理される。また、特定遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、遊技状態が特定遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が通常遊技状態にあるときである。
上記ステップS8409に次いで、ステップS8410において、メインCPU110aは、普通図柄表示装置82において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示は、普通図柄表示装置82においてLEDを所定の間隔で点滅させ、あたかも現在抽選中であるかのような印象を遊技者に与えるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS8409の普通図柄変動時間決定処理において設定された時間だけ継続して行われることとなる。本処理を終了すると、普図普電制御処理が終了する。
一方、上記ステップS8403において、普通図柄の変動表示中であると判定された場合には、ステップS8411において、メインCPU110aは、設定された変動時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普通図柄時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普通図柄時間カウンタが0となっているか判定する。その結果、設定された変動時間を経過していないと判定した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS8411において、設定された変動時間を経過していると判定された場合には、ステップS8412において、メインCPU110aは、普通図柄表示装置82における普通図柄の変動を停止する。このとき、普通図柄表示装置82には、上記ステップS8408の図柄決定処理において設定された普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示する。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
上記ステップS8412に次いで、メインCPU110aは、ステップS8413において、普通図柄確定コマンドを演出用電装データ格納領域にセットする。
上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、メインCPU110aは、ステップS8414において、普通図柄時間カウンタに図柄停止時間(1秒=1500カウンタ)をセットする。なお、普通図柄時間カウンタは上記S8110において4ms毎に「1」減算処理されていく。
一方、上記ステップS8402において、普通図柄の停止表示中であると判定された場合には、ステップS8415において、メインCPU110aは、上記ステップS8414においてセットされた普通図柄の停止時間が終了したか否か(普通図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、セットされた普通図柄の停止時間が終了していなければ普図普電制御処理を終了する。
上記ステップS8415において、セットされた普通図柄の停止時間が終了していると判定した場合には、ステップS8416において、メインCPU110aは、上記ステップS8415において、停止表示された普通図柄(上記ステップS8408の図柄決定処理において設定された普通図柄)が当たり図柄であるか否かを判定する。設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普図普電制御処理を終了する。
上記ステップS8416において、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS8417において、メインCPU110aは、開放時間決定処理を行う。
開放時間決定処理では、まず、メインCPU110aは、特定遊技フラグ記憶領域に特定遊技フラグがONされているか否かを判定して、特定遊技フラグ記憶領域に特定遊技フラグがONされていると判定した場合、すなわち、現在の遊技状態が特定遊技状態である場合には、普電開放時間カウンタに3.5秒に対応するカウンタをセットする。
一方、特定遊技フラグ記憶領域に特定遊技フラグがONされていないと判定した場合、すなわち、現在の遊技状態が特定遊技状態ではない場合には、普電開放時間カウンタに0.2秒に対応するカウンタをセットする。
上記ステップS8417に次いで、ステップS8418において、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド通電開始データをセットする。これにより、始動口開閉ソレノイド15cに通電が開始され、一対の始動可動片15a、15bが開放して第2の態様に制御される(第2始動口15が開放中となる)こととなる。
一方、上記ステップS8401において、第2始動口15が開放中であると判定された場合には、メインCPU110aは、上記ステップS8417において設定された普電開放時間を経過したか否かを判定する。すなわち、普電開放時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、セットされた普電開放時間カウンタ=0となったか否かを判定する。設定された普電開放時間を経過していなければ普図普電制御処理を終了する。
上記ステップS8419において、設定された普電開放時間を経過していると判定された場合には、ステップS8420において、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド通電停止データをセットする。これにより、始動口開閉ソレノイド15cの通電が停止され、一対の始動可動片15a、15bが第1の態様に復帰し(つまり、第2始動口7に遊技球の入球が困難または不可能な状態となる)、再び遊技球の入球が不可能または困難となる。
図67を用いて、特定領域開閉制御処理について説明する。具体的には、特定領域開閉装置における特定領域開閉部5030の開閉にかかる制御(スライダーを可動させる制御)について説明する。特定領域開閉ソレノイド350cは、通常は制御されておらず未通電状態となっており、小当たり遊技中にのみ制御されて通電されるようにしている。
ステップS8700−1において、メインCPU110aは、特図特電処理データに4がセットされているか否かを判定し、現在、小当たり遊技中であるか否かを判定する。その結果、特図特電処理データに4がセットされている場合には、ステップS8700−2に処理を移し、特図特電処理データに4がセットされていない場合には、ステップS8700−13に処理を移す。
上記ステップS8700−1において、特図特電処理データに4がセットされていると判定した場合には、メインCPU110aは、メインRAM110cの制御中フラグ記憶領域に制御中フラグがオンされているか否かを判定する。制御中フラグというのは、特定領域開閉部5030に対する制御が行われているか否かを示すフラグであり、フラグがオンされている場合というのは特定領域開閉部5030の制御中を示し、オフされている場合というのは特定領域開閉部5030が制御されていないことを示す。制御中フラグがオンされていると判定した場合には、ステップS8700−8に処理を移し、制御中フラグがオンされていないと判定した場合には、ステップS8700−3に処理を移す。
上記ステップS8700−2において、制御中フラグがオンされていないと判定する場合というのは、特図特電処理データに4がセットされたばかり、言い換えれば、小当たり遊技がいままさに開始するところで、特定領域開閉部5030がまだ制御されていない場合である。ステップS8700−3において、メインCPU110aは、制御中フラグ記憶領域に制御中フラグをオンする。
ステップS8700−4において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド350cの通電態様を決定する通電態様決定テーブルをセットする。この通電態様決定テーブルによれば、例えば、小当たり1の場合には、スライダーを突出させる特定領域開閉ソレノイド350cを0.5秒間2回通電し、小当たり2の場合には、スライダーを突出させる特定領域開閉ソレノイド350cを0.5秒のインターバル時間をおいてから0.5秒間で2回通電する。また、2回の通電の間のインターバル時間は例えば0.5秒に設定されている。すなわち、小当たり1の場合には、
[0.0秒経過(インターバル時間無し)⇒0.5秒通電⇒通電終了0.5秒経過(インターバル時間)⇒0.5秒通電]となり、小当たり2の場合には、
[0.5秒経過(インターバル時間)⇒0.5秒通電⇒通電終了0.5秒経過(インターバル時間)⇒0.5秒通電]となり、小当たり1と小当たり2では、小当たり遊技が開始されてから通電が開始されるまでの時間が異なっている。
ステップS8700−5において、メインCPU110aは、特定領域開閉部5030の通電回数(x)記憶領域に記憶されている値(x)に1を加算して記憶する。
ステップS8700−6において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド通電制御データをオンして特定領域開閉ソレノイド350cを通電する。このようにして特定領域開閉ソレノイド350cが通電されると、スライダーが突出して遊技球が特定領域5031(特定入賞口5031)に導かれやすくなる第2の態様に制御される。
ステップS8700−7において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド350cの通電時間をセットする。ここでは、上記ステップS8700−4でセットされた通電態様決定テーブルと、上記ステップS8700−5において特定領域開閉部5030の通電回数(x)記憶領域に記憶された値(x)とに基づいて通電時間がセットされる。
一方、上記ステップS8700−2において、制御中フラグがオンされていると判定する場合というのは、上記ステップS8700−4においてセットされた通電態様決定テーブルにしたがって、特定領域開閉ソレノイド350cが制御されている場合である。
ステップS8700−8において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド350cが通電中であるか否かを判定する。その結果、特定領域開閉ソレノイド350cが通電中であると判定した場合にはステップS8700−9に処理を移し、未通電状態であると判定した場合にはステップS8700−12に処理を移す。
上記ステップS8700−8において、特定領域開閉ソレノイド350cが通電中であると判定した場合には、ステップS8700−9において、メインCPU110aは、上記ステップS8700−7においてセットされた通電時間が経過したか否かを判定する。その結果、通電時間を経過していないと判定した場合には特定領域開閉制御処理を終了し、通電時間を経過したと判定した場合(タイマカウンタ=0)にはステップS8700−10に処理を移す。
上記ステップS8700−9において、通電時間を経過したと判定した場合(タイマカウンタ=0)には、ステップS8700−10において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド通電制御データをオフして、特定領域開閉ソレノイド350cの通電を停止する。これにより、スライダーは、突出状態から没入状態へと変位して、遊技球が特定領域5031(特定入賞口5031)に導かれにくくなる第1の態様に制御されることとなる。
ステップS8700−11において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド350cの通電停止時間をセットして、特定領域開閉制御処理を終了する。
一方、上記ステップS8700−8において、特定領域開閉ソレノイド350cが通電中ではないと判定した場合、すなわち特定領域開閉ソレノイド350cが未通電状態であると判定した場合には、ステップS8700−12において、メインCPU110aは、停止時間を経過したか否か(タイマカウンタ=0)を判定する。その結果、停止時間を経過していないと判定した場合には、特定領域開閉制御処理を終了し、停止時間を経過したと判定した場合(タイマカウンタ=0)には、ステップS8700−5に処理を移す。
また、上記ステップS8700−1において、特図特電処理データに4がセットされていないと判定した場合には、ステップS8700−13において、メインCPU110aは制御中フラグがオンされているか否かを判定する。特図特電処理データに4がセットされておらず、しかも制御中フラグがオンされていない場合というのは、小当たり遊技処理中ではなく、かつ、特定領域開閉部5030が制御されていない場合である。したがって、この場合にはそのまま特定領域開閉制御処理を終了する。一方、特図特電処理データに4がセットされていないが、制御中フラグがオンされている場合というのは、小当たり遊技処理が終了したばかりで、制御中フラグがいまだオンされたままになっている場合である。この場合にはステップS8700−14に処理を移す。
ステップS8700−14において、メインCPU110aは、特定領域開閉ソレノイド通電制御データをオフして、特定領域開閉ソレノイド350cの通電を停止する。なお、特定領域開閉ソレノイド通電制御データがオフになっている場合には当該処理は行われずに、ステップS8700−15に処理を移す。
ステップS8700−15において、メインCPU110aは、メインRAM110cの制御中フラグ記憶領域等、特定領域開閉制御処理において用いられる各フラグの記憶領域のリセット処理を行う。これにより、特定領域開閉制御処理が終了となる。
第2の実施形態における演出制御基板120は、第1の実施形態における演出制御基板120の構成と同一である。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。より具体的には、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンド、演出図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、図柄確定コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド等を受信し、各コマンドに対応する処理を行い、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
このような構成を備える第2の実施形態の遊技機5000は、1種当たりに当選することにより、或いは、2種当たりに当選することにより、上述の第1の実施形態の遊技機1と同様に、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に遊技者が選択した楽曲を含む複数の楽曲を連続再生(例えばループ再生)により出力する。なお、第2の実施形態における遊技機5000が大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に再生出力する楽曲の再生制御処理は、上述の第1の実施形態の遊技機1が行う処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
遊技機5000は、1種当たりに当選した場合において大当たり遊技の実行後に、有利遊技状態である、時短回数が100回の時短遊技状態(特定遊技状態)と設定することにより、第1大入賞口制御装置16(1種当たり用の特別可変入賞装置)を開放させるラウンド遊技の実行中に、連続再生する複数の楽曲中に遊技者によって指定(選択)されたキャラクタ(選択キャラクタ)に対応付けられた特定楽曲を含む複数の楽曲を連続再生する。
一方、遊技機5000は、1種当たりに当選した場合において大当たり遊技後に、所定遊技状態である、時短回数が0回の非時短遊技状態(通常遊技状態)と設定することにより、第1大入賞口制御装置16(1種当たり用の特別可変入賞装置)を開放させるラウンド遊技の実行中に、連続再生する複数の楽曲中に遊技者によって指定(選択)されたキャラクタ(選択キャラクタ)に対応付けられた特定楽曲を含まない複数の楽曲を連続再生する。
同様に、遊技機5000は、2種当たりに当選した場合において大当たり遊技後に時短回数が100回である時短遊技状態(特定遊技状態)と設定することにより、第2大入賞口制御装置5020(2種当たり用の特別可変入賞装置)を開放させるラウンド遊技の実行中に、連続再生する複数の楽曲中に遊技者によって指定(選択)されたキャラクタ(選択キャラクタ)に対応付けられた特定楽曲を含む複数の楽曲を連続再生する。
一方、遊技機5000は、2種当たりに当選した場合において大当たり遊技後に時短回数が0回である非時短遊技状態(通常遊技状態)と設定することにより、第2大入賞口制御装置5020(2種当たり用の特別可変入賞装置)を開放させるラウンド遊技の実行中に、連続再生する複数の楽曲中に遊技者によって指定(選択)されたキャラクタ(選択キャラクタ)に対応付けられた特定楽曲を含まない複数の楽曲を連続再生する。
そして、遊技機5000は、1種当たりに当選した場合において、第1大入賞口制御装置16(1種当たり用の特別可変入賞装置)の開放態様が図50(a)の1種当たり用開放態様決定テーブル−1で決定される開放態様であることにより、また、2種当たりに当選した場合において、第2大入賞口制御装置5020(2種当たり用の特別可変入賞装置)の開放態様が図51(a)の2種当たり用開放態様決定テーブル−1で決定される開放態様であることにより、上述の第1の実施形態で行ったランキング演出を行わずに楽曲を連続再生出力する。
一方、遊技機5000は、1種当たりに当選した場合において、第1大入賞口制御装置16(1種当たり用の特別可変入賞装置)の開放態様が図50(b)の1種当たり用開放態様決定テーブル−2で決定される開放態様であることにより、また、2種当たりに当選した場合において、第2大入賞口制御装置5020(2種当たり用の特別可変入賞装置)の開放態様が図51(b)の2種当たり用開放態様決定テーブル−2で決定される開放態様であることにより、楽曲を連続再生出力する際に、上述の第1の実施形態と同様のランキング演出を行うようにする。
このように、遊技機5000は、大当たり遊技の実行後の遊技状態を非時短遊技状態に設定することにより、大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行中に特定楽曲を含まない複数の楽曲を連続再生する。一方、遊技機5000は、大当たり遊技の実行後の遊技状態を時短遊技状態に設定することにより、ラウンド遊技の実行中に特定楽曲を含む複数の楽曲を連続再生する。これにより、遊技者に対し、大当たり遊技の実行後の遊技状態が非時短遊技状態となるか、時短遊技状態となるかを示唆させることが可能となる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明が前述の実施の形態に限定されないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施形態においては、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレームを更新するようにしたが、1/30秒毎に1フレームを更新してもよいし、1/120秒毎に1フレームを更新してもよい。すなわち、1フレームの更新周期は、設計変更自由である。
また、本実施形態においては、1フレームを更新して、描画回路2070による描画が終了しているときに、次のフレームの描画を行うようにしたが、1フレームを更新することで、必ず次のフレームの描画を行うように構成してもよい。
また、本実施形態においては、描画の終了を条件として、1フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成したが、2フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、3フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、すなわち、1フレームの更新周期と描画回路の描画周期とが同一でなくてもよい。
また、本実施形態によれば、パチンコ遊技機について説明をしたが、遊技機の種類は、遊技媒体を用いるものであればこれに限定されず、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、雀球遊技機、アレンジボール遊技機等であってもよい。