本発明の実施形態(以下、これを「本実施形態」ともいう。)について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本実施形態における遊技機1の正面図であり、図2は、ガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、遊技機1の裏面側の斜視図である。また、図4は、遊技機1の全体構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球200を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止ストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12sが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12sが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が第1の態様に制御されているときには、第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が第2の態様に制御されているときには、一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14sが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15sが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14sまたは第2始動口検出スイッチ15sが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14sまたは第2始動口検出スイッチ15sが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17sが設けられており、第2大入賞口検出スイッチ17sが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域6の右側及び左側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13sが設けられており、このゲート検出スイッチ13sが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対し、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16sが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16sが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、第1液晶表示装置(LCD)(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37が設けられている。この第1液晶表示装置31の上方には、演出用駆動装置33が設けられている。
なお、本実施形態においては、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37を液晶表示装置(LCD)として用いているが、プラズマディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄38をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄38を停止表示するものである。また、この演出図柄38の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、例えば、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37の少なくとも一方に演出ボタン35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作に基づく操作入力信号を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、普通図柄保留表示装置25が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示装置23と第2特別図柄保留表示装置24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示装置23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示装置24においても、これと同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、第1特別図柄保留表示装置23および第2特別図柄保留表示装置24と同様の態様によって、普通図柄保留表示装置25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
また、ガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている(図3参照)。
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は、遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14s等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12s、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13s、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14s、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15s、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16s、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17sが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示装置23と第2特別図柄保留表示装置24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示装置25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、図5乃至図12等に示すテーブル等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
このときの記憶領域の例として、例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。
この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対し、主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、この演算処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
例えば、サブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、そのデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、サブROM120bには、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図43)、デモ演出パターン決定テーブル(図48)、停止表示する演出図柄38の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等が記憶されている。なお、これらのテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述の記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上述の各制御処理を行うこととなる。
画像制御基板150は、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37、さらには、音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方における画像の表示制御と、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。なお、画像制御基板150の詳しい説明は、後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
次に、画像制御基板150における画像表示制御について説明する。
画像制御基板150は、上述したように、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37と、音声出力装置32とが接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37における画像の表示制御や、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
このとき、画像制御基板150と、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37との間には、画像データを表示させる際に所定の画像形式に変換して出力するブリッジ機能を有する汎用基板39が設けられている。
この汎用基板39は、画像データを表示する第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37の性能に対応する画像形式に変換するブリッジ機能を有しており、例えば、SXGA(1280ドット×1080ドット)の19インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときと、XGA(1024ドット×768ドット)の17インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときとの解像度の違い等を吸収する。
この画像制御基板150は、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する演出画像の画像表示制御を行うため液晶制御CPU150a、液晶制御RAM150b、液晶制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、画像制御部(VDP(Video Display Processor))2000(以下、「VDP2000」と称する)と、音声出力装置32から音情報を出力する制御を行う音制御回路3000とを備えている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から受信した「演出パターン指定コマンド」に基づいて後述するディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによってCGROM151に記憶されている画像データを第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示させる指示を行う。
また、液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、液晶制御CPU150aは、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
液晶制御RAM150bは、液晶制御CPU150aに内蔵されており、液晶制御CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、液晶制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、液晶制御ROM150cは、マスクROM等で構成されており、液晶制御CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定した情報等などの情報を記憶している。このアニメーション情報の一例については、後述する。
続いて、CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、この画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
このCGROM151は、画像制御部2000によって画像データ単位で読み出しが行われ、このフレームの画像データ単位で画像処理が行われる。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000に出力し、このパルス信号を分周することで、VDP2000が制御を行うためのシステムクロック、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。また、このVRAM153は、後に説明する図14に示すようなメモリマップによって構成されている。
次に、図5〜図12を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5は、メインROM110bに記憶されている大当たり判定テーブル及びリーチ判定テーブルの一例を示す図である。ここで、図5(a−1),(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、第1始動口14、第2始動口15への入賞に基づき取得した大当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも特別遊技を実行する権利獲得の成否(特賞の当否)を決定することである。図5(a−1)は、第1始動口14への入賞を契機に行われる第1特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。一方、図5(a−2)は、第2始動口15への入賞を契機に行われる第2特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(通常値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」、「小当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。すなわち、取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」、「小当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「ハズレ」以外、すなわち、「大当たり」又は「小当たり」に当選すると、大入賞口(第1大入賞口16、第2大入賞口17)が開放する特別遊技が実行される。
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図5(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出の有無とが一義的に対応付けられて格納されている。取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の当否が判定される。リーチ判定の結果、リーチに当選する(リーチ演出有りと判定される)と、当該抽選演出中に遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
「リーチ」は、特別遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄38が変動表示を行っている状態をいう。
リーチ演出の態様としては、例えば、演出図柄38の変動表示中に第1液晶表示装置31の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で演出図柄38が停止し、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の演出図柄38が停止すれば大当たりの当選を表す演出図柄38の配列となるリーチが発生する態様がある。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このリーチ状態という演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。しかし、第1液晶表示装置31等で頻繁に行われる主要な抽選演出において、大当たり当選を表す3つの演出図柄38の配列のうち2つの装飾図柄が揃い、途中まで「大当たり」当選と同一の状況を創出することで遊技者の大当たり当選に対する期待感を煽ることができる。
大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せとして例えば「777」の3桁の演出図柄38の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄38が「7」で停止表示され、残りの演出図柄38が変動表示を行っている状態がリーチの一例として挙げられる。
なお、リーチが発生するリーチ演出では、このようなリーチの成立後に、他に特別な演出が行われることなく、最後の演出図柄として大当たりを示さない演出図柄38が有効ライン上で停止して、当該抽選演出が終了する場合や、リーチ成立後に発展演出(いわゆる「スーパーリーチ演出」)に展開していく場合がある。また、リーチ演出において、必ずリーチが発生するとは限らない。すなわち、リーチが発生しなくても、遊技者の大当たり当選への期待感を煽ることができるリーチ演出もある。
図6は、メインROM110bに記憶されている特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、取得した特別図柄判定用乱数に基づいて特別図柄表示装置20、21において停止表示される特別図柄の態様(特別図柄の種類:停止図柄データ・演出図柄指定コマンド)を決定することである。
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり、小当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。すなわち、図6(a)は、当該大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図6(b)は、当該大当たり判定の結果が「小当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図6(c)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。
さらに、これらの各テーブルは当該特別図柄の抽選の契機となる始動口の種類によっても分類されている。当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄判定テーブルはリーチ演出の有無によっても分類されている。各特別図柄判定テーブルには、特別図柄用判定値と、特別図柄の種類とが一義的に対応付けられて格納されている。特別図柄の種類の識別情報として、特図停止図柄データ及び演出図柄指定コマンドが設定されている。すなわち、停止図柄データは、主制御基板110における処理において用いられ、演出図柄指定コマンドは演出制御基板120に送信され、演出制御基板120における処理で用いられる。
図7(a),(b)は、特別遊技を構成する大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。図7(a)は、大当たり遊技を構成する長当たり遊技において参照されるテーブル、図7(b)は、大当たり遊技を構成する短当たり遊技において参照されるテーブルである。
これらのテーブルは、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(停止図柄データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれのテーブルを用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。各テーブルには、大当たり遊技時の大入賞口の開放(第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの開閉)を制御するための条件が格納されている。大入賞口の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における大入賞口制御装置の作動(大入賞口の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。例えば、図7(a)のテーブルに基づいて、第1大入賞口16の第1大入賞口開閉扉16bを開閉させ、図7(b)のテーブルに基づいて、第2大入賞口17の第2大入賞口開閉扉17bを開閉させることが可能であるが、開放させる大入賞口及びその開放態様はこれに限定されない。
なお、停止図柄データ01〜03、06〜08のうちの所定の停止図柄データに基づく大当たりに当選した場合においては、「長当たり遊技」に替えて「発展当たり遊技」を行うようにしてもよい。
「発展当たり遊技」においては、「長当たり遊技」の初回のラウンド遊技において、第2大入賞口17を短い時間開放させる9回の開閉動作を実行した後、第2大入賞口17を長い開放時間開放させる開閉動作を8回行う。すなわち、2ラウンド遊技以降の第2大入賞口17の最大開放時間は29.5秒に設定されており、この間に第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。
このように、「発展当たり遊技」は、当初は第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を繰り返した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を繰り返している間には、第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
そして、「発展当たり遊技」の1ラウンド目においては、後述の「短当たり遊技」及び「小当たり遊技」と判別不可能な開閉動作となるため、遊技者に対していずれの当たりであるのか、といった興味を抱かせることが可能となる。
図7(c)は、大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルも、大入賞口開閉制御テーブルと同様に、特別図柄の種類に関連付けられている。各テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始してから、大入賞口の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、大入賞口の最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。
図8(a)は、特別遊技を構成する小当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、小当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(停止図柄データ)に関連付けられている。このテーブルには、小当たり遊技時の大入賞口の開放(第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの開閉)を制御するための条件が格納されている。小当たり遊技を制御するための条件として、大入賞口制御装置の作動(大入賞口の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開放時間・閉鎖時間(作動時間・各未作動時間)が設定されている。例えば、図8(a)のテーブルに基づいて、第2大入賞口17の第2大入賞口開閉扉17bを開閉させることが可能であるが、開放させる大入賞口及びその開放態様はこれに限定されない。
なお、本実施形態では、短当たり遊技の第2大入賞口17の開放時間と小当たり遊技の第2大入賞口17の開放時間とを全く同じ開放時間(0.052秒)に設定し、短当たり遊技の第2大入賞口17の閉鎖時間と小当たり遊技の第2大入賞口17の閉鎖時間とを全く同じ閉鎖時間(2.0秒)に設定した。
しかしながら、全く同じ時間に設定せずとも、短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けても構わない。
第2大入賞口17において、短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかを遊技者が判別不能な開放時間及び閉鎖時間の設定を行うことにより、遊技者に短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。
図8(b)は、小当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルも、大入賞口開閉制御テーブルと同様に、特別図柄の種類に関連付けられている。各テーブルには、小当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、小当たり遊技が開始してから、大入賞口の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、大入賞口の最後の開放が終了してから、小当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。
図9(a)は、遊技条件データ及び期間特定データを決定する際に参照する参照データ判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件データとは、大当たり当選の際に、当該大当たり遊技後に新たに設定(変動)する遊技条件の状態に対応付けられた識別情報である。期間特定データとは、大当たり当選及び小当たり当選を契機に当該特別遊技後から所定期間設定される特定期間に対応付けられた識別情報である。
いずれのデータも、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態及び当該特別図柄抽選の結果に対応付けられている。すなわち、当該テーブルは、大当たりの当選確率の状態(低確率遊技状態/高確率遊技状態)によって分けられており、分けられた各テーブルにおいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技条件データ及び期間特定データとが一義的に対応付けられて格納されている。
遊技条件データは、2バイトのデータで構成されている。遊技条件データの上位バイトは、当該大当たり当選により新たに設定される大当たりの当選確率の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に大当たりの当選確率が高確率である高確率遊技状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に大当たりの当選確率が低確率である低確率遊技状態に設定される。一方、遊技条件データの下位バイトは、当該大当たり当選により新たに設定される始動口入賞容易性の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が容易状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が困難状態に設定される。
期間特定データは、1バイトのデータで構成され、当該特別図柄抽選時の大当たり当選確率の状態と特図停止図柄データに基づく特賞の種類(大当たり1〜大当たり3、小当たり、リーチ有りハズレ、リーチ無しハズレ)とが関連付けられている。なお、当該特別図柄抽選の結果がハズレである場合、リーチの有無も関連付けられている。
図9(b)は、遊技条件判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件判定とは、大当たり遊技が終了する際に(大当たり遊技終了処理の際に)新たに設定される遊技条件の状態を決定することである。上述したように、本実施形態においては、遊技条件として、大当たりの当選確率遊技条件と入賞容易性とが設定されている。当該テーブルは、遊技条件データと、各遊技条件の状態、すなわち、後述するその遊技条件の状態を示すフラグ(高確率フラグ及び時短フラグ)のON/OFF及び当該遊技条件の状態による特別図柄表示の実行回数(X、J)とが一義的に関連付けられて格納されている。すなわち、この特別図柄表示の実行回数とは、特別図柄抽選、換言すれば、その結果の報知となる特別図柄表示の規定回数を意味する。
図10、図11は、後述するように本実施形態における遊技機1における特別図柄の変動表示の態様(以下、「特別図柄の変動パターン」という)を決定する変動パターン決定テーブルの一例を示す図であり、図10は第1特別図柄の変動パターン、図11は第2特別図柄の変動パターンをそれぞれ決定するテーブルである。
図10、11に示すような特別図柄の変動パターン決定テーブルは、後述する期間の種類、特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別、大当たり判定の結果、停止する特別図柄、リーチ演出の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)に基づいて決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)が決定されるとともに、特別図柄の識別情報となる特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。従って、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たり判定の結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。
特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示すための1バイトのDATAデータとから構成されている。そして、MODEデータが「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータが「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
図12(a)〜(c)は、普通図柄ゲート13への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
図12(a)は、普通図柄抽選用の当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、普通図柄ゲート13への入賞に基づき取得した当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも補助遊技を実行する権利獲得の成否(当たりの当否)を決定することである。
当たり判定テーブルは、後述する始動口入賞容易性が、相対的に低い(困難)状態の(通常の)ときに参照される当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、相対的に高い(容易)状態の(通常の)ときに参照される当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)とで構成されている。
取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。すなわち、各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されており、取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口15が開放する補助遊技が実行される。
図12(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、普通図柄ゲート13への入賞に基づいて取得された普通図柄判定用乱数に基づいて普通図柄表示装置22において停止表示される普通図柄の態様(普通図柄の種類:普図停止図柄データ・普通演出図柄指定データ)を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。
図12(c)は、普通図柄の変動表示の態様(以下、「普通図柄の変動パターン」という)を決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。具体的には、図12(c)に示すような普通図柄の変動パターン決定テーブルによって、当たり判定の結果、停止する普通図柄に基づき、普通図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した普通図柄の変動パターンに基づいて、普通図柄の変動時間が決定される。従って、「普通図柄の変動パターン」とは、少なくとも当たり判定の結果及普通図柄の変動時間を定めるものといえる。
ここで、特別遊技について説明する。本実施形態においては、大入賞口制御装置が作動する(大入賞口(第1大入賞口16、第2大入賞口17)が開放する)特別遊技は、遊技者に有利な「大当たり」または「小当たり」に当選した際に実行され、大入賞口が開閉する遊技で構成されている。
大当たり遊技では、大入賞口が1回以上は開放するラウンド遊技が所定回数実行される。各ラウンド遊技において、開放し得る回数(以下、最大開放回数という)と、開放し得る時間の合計(以下、最大開放時間という)とが予め設定されている。「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に大入賞口に入賞できる遊技球の個数が制限されているからである(例えば9個)。したがって、大入賞口が最大開放回数開放していなくても大入賞口が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することがある。また、最大開放時間が経過していなくても大入賞口が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。なお、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施形態において、遊技は、大当たりの当選確率について「低確率遊技状態」又は「高確率遊技状態」のもとで行われ、遊技球の始動口への入賞容易性について「時短遊技状態」又は「非時短遊技状態」のもとで行われる。初期(電源投入時)の遊技条件は、「低確率遊技状態」かつ「非時短遊技状態」に設定されており、この、各遊技条件が相対的に遊技者にとって最も不利となる遊技条件の状態を本実施形態においては「通常状態」と称することとする。
本実施形態において大当たりの当選確率についての「低確率」とは、遊技球が第1始動口14または第2始動口15に入賞したことを条件として行われる特別図柄抽選の大当たり判定における大当たりの当選確率が、1/333と遊技者に相対的に不利に設定されていることをいう。ここでいう「大当たり」の当選とは、大当たりの抽選において「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」とは、大当たりの当選確率が「低確率」より高く、すなわち、遊技者に相対的に有利に1/36に設定されていることである。したがって、大当たりの当選確率が「高確率」のときは、「低確率」のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
「非時短」とは、遊技球が普通図柄ゲート13に入賞したことを条件として行われる普通図柄の抽選に対応する普通図柄の変動表示に要する時間(以下、普図変動時間という)が、29秒に設定され、
本実施形態において「非時短遊技状態」とは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短」とは、普図変動時間が3秒と、「非時短」よりも短く設定され、かつ、第2始動口制御装置の作動時間が6.0秒と、「非時短」よりも長く設定されていることをいう。したがって、「時短」のときは、「非時短」のときよりも第2始動口15への入賞が容易になる。この結果、単位時間当たりの特別図柄の抽選の実行可能回数が多くなる。大当たりの当選確率は一定であるので、特別図柄の抽選の実行回数が多い方が、大当たり当選が容易になる。つまり、入賞容易性が「時短」状態のときの方が、単位時間当たりの大当たりの当選回数が相対的に多くなるので、「時短」状態は「非時短」状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
本実施形態では、第1始動口14、第2始動口15に遊技球が入賞すると、3球の賞球を得ることができるものの、「非時短遊技状態」のときには、遊技者が適切な操作ハンドル3の操作で遊技球の発射を行っても、「時短遊技状態」のときと比して遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。一方、「時短遊技状態」のときでは、「非時短遊技状態」に比して第2始動口15への入賞が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。なお、本実施形態においては、普通図柄の抽選における当たりの当選確率は、始動口への入賞容易性についていずれの状態(非時短遊技状態/時短遊技状態)で異なる。
このように、大当たりの当選によって、大当たり遊技の種類(長当たり遊技・短当たり遊技)と、大当たり遊技後に新たに設定される遊技条件の状態(高確率遊技状態/低確率遊技状態、及び、時短遊技状態/非時短遊技状態)とが決定される。
このことを鑑みると、実質的な大当たりの種類(遊技者が享受する利益度に基づく大当たりの種類)は、実行される大当たり遊技の種類と、当該大当たり遊技終了後に新たに設定される遊技条件の状態との組合せと言える。
そこで、以下、特図停止図柄データに基づく大当たりの種類とは別に、大当たりによって導かれた大当たり遊技の種類と大当たり遊技後の遊技条件との組合せ、すなわち、遊技者が享受する利益の種類に基づいて、大当たりの種類を分類することができる。すなわち、当選により長当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「高確率遊技状態」かつ「時短遊技状態」に設定させる大当たりを「高確率時短付き長当たり(確変大当たり)」、当選により長当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「低確率遊技状態」かつ「時短遊技状態」に設定させる大当たりを「低確率時短付き長当たり(通常大当たり)」、当選により短当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「高確率遊技状態」かつ「時短遊技状態」に設定させる大当たりを「高確率時短付き短当たり(突確大当たり)」、当選により短当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「高確率遊技状態」かつ「非時短遊技状態」に設定させる大当たりを「高確率時短無し短当たり(潜確大当たり)」と称する。
なお、小当たりに当選しても、当該小当たり遊技中は遊技条件の状態は変動しない。すなわち、遊技条件の状態は小当たり遊技中も当該小当たり当選時の状態がそのまま継続される。
本実施形態の遊技機1は、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21における変動パターン指定コマンドに基づいて、第1液晶表示装置31等においての演出図柄38の変動態様を決定するための変動演出パターンを決定する。なお、この編演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブルは、サブROM120b(後述の情報記憶部205)に記憶されている。この変動演出パターン決定テーブル(図43)の詳細については後述する。
サブCPU120a(後述の演出処理部207)は、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1(0〜99)に基づいて、変動演出パターンを決定する。
すなわち、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドをサブCPU120aが受信した場合であっても演出用乱数値に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、演出制御基板120で記憶する変動演出パターンに比べて主制御基板110で記憶する特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させている。これにより、主制御基板110における記憶容量の削減を図ることができるとともに、バリエーション豊富な演出が可能となる。
この「変動演出パターン」は、特別図柄の変動中に行われる演出手段(第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出(これを「通常演出」ともいう。)の態様をいう。例えば、第1液晶表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄38の変動態様が決定される。また、本実施形態の遊技機1は、後述するように、大当たり4(潜確大当たり)または小当たりに当選することにより、特別図柄の変動中に、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることが可能な所定の内容のゲーム演出(以下、これを「第1ゲーム」ともいう。)を実行する。
サブCPU120aは、変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値に基づいて、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを特定して画像制御基板150の液晶制御CPU150aに送信する。演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」等の各種があり、演出制御基板120は、これらの演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
図13は、本実施形態における遊技機の画像制御基板150において用いるフレームバッファの構成を示す構成図の例である。
図13(a)は、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方を用いて画像データを表示する場合であって、特に、第1液晶表示装置31のみが画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、第2液晶表示装置を有していない場合の構成におけるメモリマップである。
図13(a)に示すメモリマップは、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域によって構成されている。
画像データ展開領域153bは、VDP2000に含まれる後述するような伸長回路により伸長された画像データを記憶する領域であって、ディスプレイリスト記憶領域153aは、液晶制御CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶する領域である。
また、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153dは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第1液晶表示装置31に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
ちなみに、その他の領域には、例えば、パレットデータ等が記憶される。
なお、このメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
図13(b)は、第1液晶表示装置(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37の両表示装置に画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合の構成におけるメモリマップである。
この図13(b)においても、図13(a)に示すメモリマップと同様、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域を具備し、さらに、サブ液晶用第1フレームバッファ153e、サブ液晶用第2フレームバッファ153fを具備して構成されている。
画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域については、上記に示すと同様であり、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第2液晶表示装置37に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
なお、このサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
以上に示す以外にも、第2液晶表示装置を有しない構成、すなわち、第1液晶表示装置31のみを有する構成であっても、図13(b)に示すような第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のフレームバッファを有するメモリマップを用いることも可能である。
この場合、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのフレームバッファは作業領域として用いられることはない。
続いて、VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、液晶制御CPU150aからの指示に基づいて、第1液晶表示装置31についてはメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dとのいずれか、第2液晶表示装置を設ける場合は、第2液晶表示装置についてサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのいずれか、のフレームバッファのうち「表示用フレームバッファ」から画像データを読み出す。
そして、読み出した画像データに基づいて、映像信号(LVDS信号やRGB信号等)を生成して、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置のうちの何れか一方に出力して表示させるものである。
このVDP2000は、図示しない制御レジスタ、CGバス I/F、CPU I/F、クロック生成回路、伸長回路、描画回路、表示回路、メモリコントローラを備えており、これらはバスによって接続されている。
制御レジスタは、VDP2000が描画や表示の制御を行うためのレジスタであり、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタは、VDP2000が動作するために必要な基本的な設定を行う「システム制御レジスタ」と、データの転送に必要な設定をする「データ転送レジスタ」と、描画の制御をするための設定をする「描画レジスタ」と、バスのアクセスに必要な設定をする「バスインターフェースレジスタ」と、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする「伸長レジスタ」と、表示の制御をするための設定をする「表示レジスタ」との6種類のレジスタを備えている。
CGバス I/Fは、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/Fを介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/Fは、液晶制御CPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、このCPU I/Fを介して液晶制御CPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号を液晶制御CPU150aに入力したりする。
データ転送回路は、各種デバイス間のデータ転送を行う。具体的には、液晶制御CPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を第1液晶表示装置31に出力する。
伸長回路は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを画像データ展開領域153bに記憶させる。
描画回路は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路は、VRAM153にあるメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cおよびメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dおよびサブ液晶用第1フレームバッファ153eおよびサブ液晶用第2フレームバッファ153fのうち、「表示用フレームバッファ」として機能するフレームバッファに記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示す映像信号を生成する。
そして、表示回路は、生成した映像信号を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に出力する回路である。さらに、この表示回路は、第1液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力し、第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力する。
メモリコントローラは、液晶制御CPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROM(図示せず)が備えられており、音制御回路3000が、演出制御基板120から送信された音声出力指示のコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
図14は、遊技機1の画像制御基板150において用いるアニメーション情報を示す図である。
図14(a)に示すアニメパターンは、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する演出画像を構成する構成情報であるオブジェクト等のほか、その演出画像の表示を行うタイミングや場面であるシーンが指定された情報であって、演出に際して表示する演出画像を成形する画像成形情報である。
このアニメパターンが1または複数、束ねられることによってグループ(以下、「アニメグループ」ともいう)を形成しており、例えば、図14(a)では、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ、演出図柄38のアニメーションを表示するための演出図柄グループを示している。
もちろん、これらはグループの一例を示したものに過ぎず、その他多数のグループが設けられているものである。
このアニメグループは、液晶制御ROM150cに記憶されている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120におけるサブCPU120aから演出パターン指定コマンドを受信し、この演出パターン指定コマンドに基づいて実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
なお、図14(b)〜図14(d)及び図14(e)は、変動演出パターン決定テーブル(図43)において指定された演出パターン指定コマンドのうちの所定の演出パターン指定コマンドを受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
この演出パターン指定コマンドは、通常変動演出を所定の「変動演出パターン」の変動演出パターンによって行うことを指示するコマンドであって、例えば、その通常変動演出を行う際に用いる構成要素が属するアニメグループであって、変動演出に用いられる役割ごとに別けたアニメグループの少なくとも1つを特定するものである。
液晶制御ROM150cには、演出パターン指定コマンドとその演出パターン指定コマンドの演出パターンに用いるアニメグループとが対応付けられたアニメグループ対応テーブル(図示せず)を記憶しておき、液晶制御CPU150aでは、このアニメグループ対応テーブルを用いて演出パターン指定コマンドに対して用いるアニメグループを決定する。
例えば、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを受信すると、液晶制御CPU150aは、「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループ」の4つのグループを決定し、これら各アニメグループからアニメパターンの決定を可能とする。
一例として、背景グループから「アニメパターン1」を決定し、予告Aグループから「アニメパターン11」を決定し、予告Bグループから「アニメパターン21」を決定し、演出図柄グループから「アニメパターン501」を決定する。
このアニメパターンは、図14(b)〜図14(d)及び図14(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序や表示する表示装置を指定した情報等を記憶している。
例えば、図14(e)に示す演出図柄グループのアニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「第2液晶表示装置37」が指定されていることから、1番目にアニメシーン501が実行され、このアニメシーン501に続いて2番目にアニメシーン511が実行されて、サブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
液晶制御RAM150bには、1フレーム毎に計数して更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にこの「シーン切換カウンタ」が540を計数することによって、2番目のアニメシーン511へとアニメシーンが切り替わる。
そして、2番目のアニメシーン511を実行している間に「シーン切換カウンタ」によって「60」(60フレーム分)を計数されると、演出図柄グループのアニメパターンのアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であって、例えば、第1液晶表示装置31が1秒間に60フレームを表示する場合には、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されて行く。
上記の例では、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されていく例を示しているが、これに限定されることなく、「1/30秒(約33.3ms)」ごとに1フレームが更新されていくような構成であってもよい。この場合、表示装置は1秒間に30フレームを表示することとなる。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、アニメーション情報として、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定する情報等などを記憶している。
例えば、図14(e)に示すアニメシーンでは、最初に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が所定の座標(第1図柄は座標(x30、y30)、第2図柄は座標(x40、y40)、第3図柄は座標(x50、y50)、第4図柄は座標(x60、y60))に20フレーム(約0.33秒)分、表示され続ける。
その後、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が別の座標(第1図柄は座標(x31、y31)、第2図柄は座標(x41、y41)、第3図柄は座標(x51、y51)、第4図柄は座標(x61、y61))に15フレーム(約0.25秒)分、表示され続ける。
以降も同様に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が予め定められたフレーム分、指定された座標に表示され続けていくと、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションとなる。
また、図14(b)〜図14(d)に示す「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ」の各アニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「メイン液晶(第1液晶表示装置31)」が指定されており、背景グループでは図14(b)に示すようにアニメシーン1が「600」フレーム実行され、予告Aグループでは図14(c)に示すようにアニメ−シーン0が「120」フレーム実行された後にアニメシーン11が「180」フレーム実行され、予告Bグループでは図14(d)に示すようにアニメシーン0が「180」フレーム実行された後にアニメシーン21が「240」フレーム実行されて、メイン液晶(第1液晶表示装置31))にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
以上のようなことから、図14(b)〜図14(d)に示すように「背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と」の複数のアニメパターンが決定されてこれらのアニメパターンのアニメーションが時系列に並列して実行されることでメイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンに基づく演出画像が表示され、図14(e)に示すように、「演出図柄グループからはアニメパターン501」のアニメパターンが決定され、このアニメパターンのアニメーションが実行されることでサブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンに基づく演出画像が表示される。
これによって、第1液晶表示装置(メイン液晶)31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。
なお、これらの画像は、第1液晶表示装置(メイン液晶)31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて画像として視認できない状態となる。
さらに、第2液晶表示装置(サブ液晶)37の表示領域には、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)(停止時間)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。なお、第2液晶表示装置には演出図柄のみを表示する例を示しているが、これに限定することなく、例えば、第1液晶表示装置31において表示した背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して表示するようにしてもよい。
図15は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの一例であって、表示する表示装置ごとのディスプレイリストの例を示している。
図15(a)は、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第1ディスプレイリストの一例であり、図15(b)は、第2液晶表示装置37において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第2ディスプレイリストの一例である。
液晶制御CPU150aにおいて、上記で説明したアニメーション情報を元にアニメパターンを決定すると、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37のそれぞれに表示する所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストをそれぞれ生成する。すなわち、表示装置の数に応じて単位フレームごとにディスプレイリストが生成されることとなる。
液晶制御CPU150aは、このようにして生成したディスプレイリストそれぞれをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法は、液晶制御CPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
以下に、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を構成するディスプレイリストの例を示す。
図15(a)では、上記の図14(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い「優先順位9」のデータが対応づけられ、予告Aグループには「優先順位8」のデータが対応づけられ、予告Bグループには「優先順位7」のデータが対応づけられる。そして、大当り演出グループには最も高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。
また、図15(b)では、上記の図14(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには優先順位の低い「優先順位2」のデータが対応づけられ、演出図柄グループには優先順位の高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。この図14(b)に示す例では、上記において、背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して第2液晶表示装置37に表示する場合におけるディスプレイリストの例を示している。もちろん、背景グループからなるアニメパターン1のみを表示するような場合には演出図柄グループのアニメシーン501のみを指定したディスプレイリスト、すなわち、図14(b)のアニメグループのカラムで「背景グループ」が指定されているレコードを含まないディスプレイリストとする。
そして、図15(a)では、上記の図14(b)〜図14(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21との複数のアニメパターンが決定されたものとし、図15(b)では、図14(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、第1液晶表示装置31に表示する演出画像に対応するディスプレイリスト(第1ディスプレイリスト)として、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(大当り演出グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図15(a)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
第2液晶表示装置37に表示する演出画像に対応するディスプレイリスト(第2ディスプレイリスト)としては、低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1と、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)との描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図15(b)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
この図15(a)及び図15(b)に示すようなディスプレイリストは、液晶制御CPU150aが必要なデータを参照しながら生成される。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめた表示装置ごとのディスプレイリスト(第1ディスプレイリストおよび第2ディスプレイリスト)を、液晶制御CPU150aがVDP2000に出力することによってVDP2000を構成する描画回路がディスプレイリストごとに演出画像を描画する描画処理を行い、描画処理された演出画像を対応する液晶表示装置(第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置)に表示する。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
次に、主制御基板110のメイン処理を説明する。図16は、本実施形態に係る遊技機1の主制御基板110におけるメイン処理を説明するためのフローチャートである。
電源基板107からメインCPU110aに電力が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS1において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
次に、ステップS2において、メインCPU110aは、リーチ判定用乱数値、特図変動パターン判定用乱数値等で構成される特別図柄の変動表示における特図変動パターンを決定するための乱数の更新を行う。
そして、ステップS3において、メインCPU110aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3の処理を繰り返し行う。
次に、遊技機1の主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。図17は、本実施形態に係る遊技機1の主制御基板110におけるタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
次に、ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、大入賞口の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口15の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
さらに、ステップS120において、メインCPU110aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
さらにまた、ステップS130において、メインCPU110aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ここで、ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、所定の検出スイッチから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。
そして、ステップS300において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、及び、大入賞口制御装置の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄系処理)を行う。
さらに、ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄表示装置22、普通図柄保留表示装置25、第2始動口制御装置の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。この普図普電制御処理(普通図柄系処理)では、詳細な説明を省略するが、まず、普図普電処理データの値をロードし、ロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照する。そして、普図普電処理データ=0であれば普通図柄記憶判定処理を行い、普図普電処理データ=1であれば普通図柄変動処理を行い、普図普電処理データ=2であれば普通図柄停止処理を行う。
その後、ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、始動口(第1始動口14、第2始動口15)、大入賞口(第1大入賞口16、第2大入賞口17)、及び、一般入賞口12に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
さらに、ステップS600において、メインCPU110aは、遊技に関する情報を外部信号として遊技情報表示装置700等の外部装置に出力するための外部信号出力制御データ、第2始動口開閉ソレノイド70c及び大入賞口開閉ソレノイド80cを駆動させるための駆動制御データ(始動口開閉ソレノイド駆動データ及び大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、各図柄表示装置20、21、22や各保留表示装置23、24、25に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。
さらにまた、ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理においては、まず上記ステップS600で作成した外部信号出力制御データ、駆動制御データに基づいて信号を出力させるポート出力処理が行われる。次いで、各図柄表示装置20、21及び各保留表示装置23、24の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM110cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
そして、ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
ここで、前述の入力制御処理(ステップS200)の詳細を説明する。図18は、本実施形態に係る遊技機1の主制御基板110における入力制御処理(ステップS200)の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS210において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12sから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口12に入賞したか否かの判定処理(一般入賞口検出スイッチ入力処理)を行う。メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12sから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
次に、ステップS220において、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ(第1大入賞口検出スイッチ16sまたは第2大入賞口検出スイッチ17s)からの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口に入賞したか否かの判定処理(大入賞口検出スイッチ入力処理)を行う。メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
さらに、ステップS230において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口14に入賞したか否かの判定処理(第1始動口検出スイッチ入力処理)を行う。
そして、ステップS240において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ15sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口15に入賞したか否かの判定処理(第2始動口検出スイッチ入力処理)を行う。
その後、ステップS250において、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ13sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が普通図柄ゲート13に入賞したか否かの判定処理(ゲート検出スイッチ入力処理)を行う。
ここで、前述の第1始動口検出スイッチ入力処理(ステップS230)の詳細について説明する。図19は、本実施形態における遊技機1の主制御基板110におけるメインCPU110aの第1始動口検出スイッチ入力処理(ステップS230)の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS231において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14sから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が第1始動口14に入賞したか否かを判定する。その結果、有効な検出信号がない場合(NO)、当該処理を終了する。一方、有効な検出信号がある場合(YES)、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM110cの第1始動口入賞フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONすることで第1始動口入賞処理を行う(ステップS232)。
次に、ステップS233において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1、「第1特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。その結果、カウンタ値(U1)が4であれば(NO)、当該処理を終了する。また、第1特図保留数(U1)が4より小さければ(YES)、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する(ステップS234)。
次に、ステップS235において、メインCPU110aは、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる遊技媒介情報を取得し、当該遊技媒介情報を第1特別図柄保留記憶領域に記憶する(ステップS236)。
次に、第2始動口検出スイッチ入力処理について説明する。図20は、本実施形態における遊技機1の主制御基板110におけるメインCPU110aの第2始動口検出スイッチ入力処理(ステップS240)の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS241において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ15sから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が第2始動口15に入賞したか否かを判定する。その結果、有効な検出信号がなければ(NO)、当該処理を終了する。
一方、有効な検出信号があれば(YES)、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入賞規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM110cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入賞フラグをONする(第2始動口入賞処理:ステップS242)。第2始動口入賞規定カウンタとは、1回の補助遊技における第2始動口15への入賞個数を計数する装置である。これは、本実施形態では、1回の補助遊技に対する第2始動口15への入賞個数が制限されているからである。
次に、ステップS243において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。
そして、カウンタ値(U2)が4以上であれば(NO)、当該処理を終了する。一方、カウンタ値(U2)が4より小さければ(YES)、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られるので、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する(ステップS244)。
そして、ステップS245において、メインCPU110aは、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数からなる遊技媒介情報を取得し、第2特別図柄保留記憶手段に記憶する(ステップS246)。
次に、ゲート検出スイッチ入力処理について説明する。図21は、本実施形態における遊技機1のメインCPU110aのゲート検出スイッチ入力処理(ステップS250)の詳細を説明するためのフローチャートである。
本処理では、まず、ゲート検出スイッチ13sから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が普通図柄ゲート13に入賞したか否かを判定する(ステップS251)。その結果、有効な検出信号がなければ(NO)、当該処理を終了する。一方、有効な検出信号があれば(YES)、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G、「普図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する(ステップS252)。ステップS252においてカウンタ値(G)が4であれば(NO)当該処理を終了する。一方、普図保留数(G)が4より小さければ(YES)、普通図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU110aは、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)を「1」加算して更新する(ステップS253)。
次に、メインCPU110aは、当たり判定用乱数、普通図柄判定用乱数等からなる遊技媒介情報を取得し(ステップS254)、普通図柄保留記憶領域に記憶し(ステップS255)、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、メインCPU110aは、ステップS254において、普通図柄保留表示装置25に表示される普図保留数(G)を更新するために、その保留数を示す普通図柄保留表示データをメインRAM110cの所定領域にセットする。
次に、本実施形態に係る遊技機1における特図特電制御処理を説明する。図22は、主制御基板110における特図特電制御処理(ステップS300)を説明するためのフローチャートである。主制御基板110は特図特電処理データの値をロードすると(ステップS301)、ロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照する(ステップS302)。その結果、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当たり遊技処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば特別遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。
まず、特別図柄記憶判定処理(ステップS310)を説明する。図23は、主制御基板110における特別図柄記憶判定処理(ステップS310)を説明するためのフローチャートである。メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS310−1)。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(YES)、当該処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(NO)、ステップS310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU110aは、第2特図保留数(U2)が1以上であるか否かを判断する。その結果、第2特図保留数(U2)が1以上でない場合には(NO)、ステップS310−4に処理を移し、第2特図保留数(U2)が1以上であると判断した場合には(YES)、ステップS310−3に処理を移す。
メインCPU110aは、ステップS310−3において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新する。そして、第2特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行い、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる(ステップS310−6)。
例えば、第2特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第2特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いられた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ、遊技条件データ及び期間特定データも各々に対応する記憶領域から消去される。
一方、ステップS310−4において、メインCPU110aは、第1特図保留数(U1)が1以上であるか否かを判断する。その結果、第1特図保留数(U1)が1以上であると判断した場合(YES)、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し(ステップS310−5)、ステップS310−6において、第1特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
例えば、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ、遊技条件データ及び期間特定データも各々に対応する記憶領域から消去される。
なお、ステップS310−6におけるデータのシフト処理(当該保留の消化処理)にともなって、第1特図保留数(U1)又は第2特図保留数(U2)を更新するために、具体的には、そのデータに係る始動口の種類に対応する各特別図柄保留表示装置23、24の表示内容を変更するために、第1、第2特別図柄保留表示データをメインRAM110cの所定領域にセットする。この保留表示データには、特別図柄保留表示装置の種類に関する情報及び特別図柄保留数(U1又はU2)に関する情報が含まれている。
また、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
また、ステップS310−4において、第1特別図柄保留数(U1)が1以上でないと判定された場合には(NO)、ステップS319−1〜S319−3の客待ち状態設定処理に処理を移す。メインCPU110aは、最初に、ステップS319−1において、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされている場合には当該特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
ステップS319−2において、メインCPU110aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」をセットする。
また、ステップS319−3において、メインCPU110aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
一方、ステップS310−6におけるデータのシフト処理の後、メインCPU110aは、ステップS310−6においてシフトされて新しく第0記憶部に記憶されたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS311)。
図24は、主制御基板110における大当たり判定処理(ステップS311)の詳細を説明するためのフローチャートである。まず、メインCPU110aは、当該大当たり判定処理がいずれの始動口への入賞によるものであるかを判定する(ステップS311−1)。具体的には、当該大当たり判定に係る大当たり判定用乱数(遊技媒介情報)が第1始動口14への入賞によって取得されたものであるか否かを判定する。
その結果、メインCPU110a、第1始動口14と判断した場合(YES)、第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する(ステップS311−2)。一方、ステップS311−1において第1始動口14ではない(第2始動口15である)と判断した場合(NO)、メインCPU110aは、第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する(ステップS311−3)。
次に、ステップS311−4において、メインCPU110aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。ここで、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在の大当たりの当選確率が高確率であるということである。
その結果、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていると判断した場合には(YES)、メインCPU110aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1高確率用大当たり判定テーブル」又は「第2高確率用大当たり判定テーブル」を選択する(ステップS311−5)。一方、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判断した場合には(NO)、メインCPU110aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1低確率用大当たり判定テーブル」又は「第2低確率用大当たり判定テーブル」を選択する(ステップS311−6)。
次に、メインCPU110aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある大当たり判定用乱数値を、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率大当たり判定テーブル」または「低確率大当たり判定テーブル」に基づいて判定し(ステップS311−7)、当該大当たり判定処理を終了する。
上記大当たり判定処理が終了した後、メインCPU110aは、図23に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、特別図柄判定処理を行う(ステップS312)。特別図柄判定処理では、大当たり判定処理の結果に基づいて、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21において停止表示される特別図柄の態様が決定される。
図25は、主制御基板110における特別図柄判定処理(ステップS312)の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS312−1において、メインCPU110aは、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで「大当たり」と判定された場合には(YES)、ステップS312−5において、メインCPU110aは、大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「大当たり」と判定されなかった場合には(NO)、ステップS312−2に処理を移す。
ステップS312−2において、メインCPU110aは、当該大当たり判定の結果が「小当たり」であるか否かを判定する。その結果、「小当たり」と判定された場合には(YES)、ステップS312−6において、メインCPU110aは、小当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択する。
一方、ステップS312−2において小当たりと判定されなかった場合には(NO)、メインCPU110aは、ステップS312−3に処理を移し、リーチ判定を行う。
具体的には、上記ステップS310−6でシフトされて第0記憶部にあるリーチ判定用乱数値をリーチ判定テーブルに照合する。
ステップS312−3におけるリーチ判定の結果、メインCPU110aは、ステップS312−4において、「リーチ有り」と判定されたか否かを判定する。その結果、「リーチ有り」と判定された場合には(YES)、ステップS312−7において、リーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。一方、「リーチ有り」ではない、すなわち、「リーチなし」と判定された場合には(NO)、ステップS312−8に処理を移し、リーチ無しハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。
ステップS312−5〜S312−8の処理の後、メインCPU110aは、ステップS312−9において、始動口入賞フラグ記憶領域にONされているフラグに基づいて当該処理に係る始動口(第1始動口14または第2始動口15)を確認し、ステップS312−10において、始動口の種類に基づいて、第1始動口14用の特別図柄判定テーブル、又は、第2始動口15用の特別図柄判定テーブルのいずれか一方を選択する。
次に、ステップS312−11において、メインCPU110aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、選択された特別図柄判定テーブルに照合する特別図柄判定を行う。そして、ステップS312−12において、メインCPU110aは、ステップS312−11における特別図柄判定の結果に基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次いで、ステップS312−13において、メインCPU110aは、ステップS312−11における特別図柄判定の結果に基づいて特別図柄に係る停止図柄データ(以下、「特図停止図柄データ」という)、すなわち、特別図柄の種類を決定し、決定した特図停止図柄データをメインRAM110cの所定領域にセットする。
決定された特図停止図柄データは、後述するように特図変動パターン決定処理において特図変動パターンを決定する際、特別図柄停止処理において「大当たり特別図柄」又は「小当たり特別図柄」を判断する際、大当たり遊技処理や小当たり遊技処理において大入賞口の開閉態様を決定する際にも用いられる。
ステップS312−13の処理の後、メインCPU110aは、ステップS312−14において、特図停止図柄データに基づいて、大当たり終了後の遊技条件を設定する際に参照される遊技条件データをセットする。具体的には、メインCPU110aは、高確率フラグ記憶領域を確認して、現在の大当たりの当選確率の状態に応じた参照データ判定テーブルを選択する。次いで、選択された参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して遊技条件データを決定し、メインRAM110cの遊技条件データ記憶領域にセットする。
なお、この処理は、大当たり判定の結果が、小当たり及びハズレであるときには行われない。
次に、ステップS312−15において、メインCPU110aは、特図停止図柄データに基づいて、期間特定データをセットし、当該特別図柄判定処理を終了する。具体的には、メインCPU110aは、高確率フラグ記憶領域を確認して、現在の大当たりの当選確率の状態に応じた参照データ判定テーブルを選択する。次いで、選択された参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して期間特定データを決定し、メインRAM110cの期間特定データ記憶領域にセットする。
上記のようにして特別図柄判定処理が終了した後、メインCPU110aは、図23に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、特図変動パターン決定処理を行う(ステップS313)。特図変動パターン判定処理では、大当たり判定の結果、特別図柄判定の結果及びリーチ判定の結果に基づいて、これから行う特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」ともいう。)等に関する情報が含まれる特図変動パターンを決定する。
図26は、主制御基板110における特図変動パターン決定処理(ステップS313)の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS313−1において、メインCPU110aは、期間特定フラグ記憶領域に記憶されている期間特定フラグを参照する。期間特定フラグは、後述するように、特別遊技が実行された後の所定期間中であることを示すものであり、期間特定フラグ記憶領域に記憶(ON)される。
次に、ステップS313−2において、メインCPU110aは、始動口入賞フラグに基づいて、当該処理に係る始動口の種類を確認する。
期間特定フラグ記憶領域にONされるフラグには、特定期間の種類が対応付けられている。すなわち、特別遊技後の所定期間からなる特定期間は、特定期間を発生させる特賞の種類、さらには特賞の種類が大当たりである場合に大当たり遊技後に新たに設定される遊技条件の状態及び大当たりの種類によって関連付けられている。
本実施形態では、確変大当たりに当選すると当該大当たり遊技後にフラグ「F1」がONされ、同様に、通常大当たりに当選するとフラグ「F2」がONされ、突確大当たりに当選するとフラグ「F3」がONされ、潜確大当たりに当選するとフラグ「F4」がONされ、大当たりの当選確率が低確率遊技状態中に小当たり遊技に当選するとフラグ「F5」がONされる。
これらの特定期間の長さは、特別図柄の変動表示の実行回数をもって設定されており、その特定期間になってから特賞(大当たり又は小当たり)に当選しないまま、所定回数の特別図柄の変動表示(特賞抽選の結果の発表)が行われると、その特定期間が終了する。
なお、電源投入(復旧)後や、特定期間ではない通常期間には期間特定フラグ記憶領域にいずれのフラグも記憶されない。
メインCPU110aが特図変動パターン決定処理で始動口及び期間特定フラグを参照するのは、本実施形態では、特図変動パターンを決定するためのテーブルである特図変動パターン判定テーブルが、始動口及び期間特定フラグの有無(通常期間または特定期間)及び期間特定フラグの種類によって大きく分けられているからである。
つまり、通常期間、確変大当たりに係る特定期間、突確大当たりに係る特定期間、通常大当たりに係る特定期間、潜確大当たりに係る特定期間、又は、低確率遊技状態における小当たりに係る特定期間によって、選択(参照)される特図変動パターン判定テーブルが異なるからである。
したがって、メインCPU110aは、ステップS313−1において期間特定フラグを参照し、期間特定フラグに対応する特図変動パターン判定テーブルを選択する。
なお、本実施形態では、確変大当たりに係る特定期間のおける特図変動パターン判定テーブルと、突確大当たりに係る特定期間における特図変動パターン判定テーブルとは同一となっている。また、潜確大当たりに係る特定期間のおける特図変動パターン判定テーブルと、低確率遊技状態における小当たりに係る特定期間における特図変動パターン判定テーブルとは同一となっている。
そこで、ステップS313−2の処理では、メインCPU110aは、当該特図変動パターンに係る始動口を確認するとともに、始動口の種類に基づく特図変動パターン判定テーブルを選択する。これは、本実施形態では、特図変動パターンを決定するためのテーブルである特図変動パターン判定テーブルが、当該特別図柄抽選に係る始動口の種類によって分けられているからである。
第1特図変動パターン判定テーブルは、第1始動口14への入賞に係るものであるが、第2始動口15への入賞に係る第2特図変動パターン判定テーブルは、第1特図変動パターン判定テーブルの変動パターン指定コマンドの上位バイト「E6H」が「E7H」に置き換わったものである。したがって、その上位バイト「E7H」によって第2始動口15への入賞による変動パターン指定コマンドであると識別される。
次に、ステップS313−3において、メインCPU110aは、期間特定データに基づいて当該大当たり判定の結果がハズレであったか否かを判定する。メインCPU110aは、ハズレであると判定すれば(YES)、ステップS313−4において、リーチ判定の結果がリーチ有りか否かを判定する。ここで、メインCPU110aは、リーチ有りと判定すると(YES)、ステップS313−6において、リーチ有りハズレ用の特図変動パターン判定テーブルに決定する。
一方、ステップS313−4でリーチ無しと判定すれば(NO)、ステップS313−5において、特図保留数の合計を確認し、ステップS313−7において、その確認した保留数に基づいてリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルに決定する。
一方、メインCPU110aは、ステップS313−3においてハズレではないと判定すれば(NO)、ステップS313−8において、期間特定データ(特賞の種類)に基づいた特図変動パターン判定テーブルを決定する。
このようにしてステップS313−6〜S313−8で特図変動パターン判定テーブルが決定されれば、メインCPU110aは、ステップS313−9において、特図変動パターンを判定する。具体的には、決定した特図変動パターン判定テーブルに特図変動パターン判定用乱数を照合する。
メインCPU110aは、特図変動パターンが決定すると、図23に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS310−7において、特図変動パターンに関する情報を有する変動パターン指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
変動パターン指定コマンドは、特図変動パターンに対応したコマンドであり、演出制御基板120がこのコマンドを受信することによって、特別図柄の変動表示が開始することを認識し、変動パターン指定コマンドに基づいて最終的には抽選演出の内容に関連付けられた抽選演出パターンを決定する。変動パターン指定コマンドは、特図変動時間の他に、大当たりの種類又は小当たりの種類、リーチ演出の有無、特図保留数、及び、期間の種類等が反映された識別情報となっている。
次に、メインCPU110aは、この特別図柄の変動表示開始時のおける遊技条件の状態を確認し、その状態が反映された遊技状態指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする(ステップS310−8)。
そして、ステップS310−9において、メインCPU110aは、当該特図変動パターン基づく特図変動時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは上記ステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
さらに、ステップS310−10において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21で特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示用データをセットする。特別図柄変動表示用データには、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
次に、ステップS310−11において、メインCPU110aは、デモ判定フラグ記憶領域にフラグ「00H」をセットする。すなわち、デモ判定フラグ記憶領域をクリアする。そして、ステップS310−12において、特図特電処理データ=1をセットし、当該特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、特別図柄変動処理(ステップS320)を説明する。
図27は、主制御基板110における特別図柄変動処理(ステップS320)の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS320−1において、メインCPU110aは、最初に、ステップS310−9においてセットされた特図変動時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0か?)を判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には(NO)、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
一方、メインCPU110aは、セットされた特図変動時間が経過したと判断した場合には(YES)、ステップS320−2において、演出制御基板120に特別図柄の変動表示が終了することを伝えるために特図変動終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次に、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21に特別図柄を停止表示するために、上記ステップS312−13でセットされた特図停止図柄データに基づいて特図停止表示用データをセットする(ステップS320−3)。これにより、遊技者に当該特別図柄抽選の結果が報知される。
そして、メインCPU110aは、ステップS320−4において、特別図柄の停止表示に要する時間(以下、「特図停止時間」ともいう。例えば、0.8秒。)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に「1」減算処理されていく。
そして、ステップS320−5において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、ステップS320−6において、第1始動口入賞フラグ又は第2始動口入賞フラグをOFFし、当該特別図柄変動処理を終了する。
次に、特別図柄停止処理(ステップS330)を説明する。
図28は、主制御基板110における特別図柄停止処理(ステップS330)の詳細を説明するためのフローチャートである。
ステップS330−1において、メインCPU110aは、最初に、ステップS320−4において特別遊技タイマカウンタにセットされた特図停止時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0?)を判定する。その結果、特図停止時間が経過していないと判定した場合には(NO)、当該特別図柄停止処理を終了し、特図停止時間が経過したと判定した場合には(YES)、ステップS330−2に処理を移す。
ステップS330−2において、メインCPU110aは、ステップS320−4においてセットされた時間が経過したと判定した場合には(YES)、時短フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、時短遊技状態であることを意味する。その結果、時短フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には(YES)、ステップS330−3に処理を移し、時短フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には(NO)、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU110aは、時短遊技状態の残り変動回数(J)を示す時短遊技状態の残り変動回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(J−1)を、新たな時短遊技状態の残り変動回数(J)として記憶する。
次に、ステップS330−4において、メインCPU110aは、時短遊技状態の残り変動回数(J)=0か否かを判定する。その結果、時短遊技状態の残り変動回数(J)=0であれば(YES)、ステップS330−5に処理を移し、時短遊技状態の残り変動回数(J)=0でなければ(NO)、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−5において、メインCPU110aは、時短フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFにし、ステップS330−6に処理を移す。なお、上記時短遊技状態の残り変動回数(J)が「0」になるということは、時短遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われ、時短遊技状態での特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−6において、メインCPU110aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、高確率遊技状態であることを意味する。そして、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には(YES)、ステップS330−7に処理を移し、高確率フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には(NO)、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU110aは、高確率遊技状態の残り変動回数(X)を示す高確率遊技状態の残り変動回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(X−1)を、新たな高確率遊技状態の残り変動回数(X)として記憶する。
そして、メインCPU110aは、高確率遊技状態の残り変動回数(X)=0か否かを判定する(ステップS330−8)。その結果、高確率遊技状態の残り変動回数(X)=0であれば(YES)、ステップS330−9に処理を移し、高確率遊技状態の残り変動回数(X)=0でなければ(NO)、ステップS330−10に処理を移す。
ステップS330−9において、メインCPU110aは、高確率フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFにし、ステップS330−10に処理を移す。なお、上記高確率遊技状態の残り変動回数(X)が「0」になるということは、高確率遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われ、高確率遊技状態での特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
ステップS330−10において、メインCPU110aは、期間特定フラグ記憶領域に期間特定フラグ(確変大当たり特定期間フラグ「F1」、通常大当たり特定期間フラグ「F2」、突確大当たり特定期間フラグ「F3」、潜確大当たり特定期間フラグ「F4」、又は、小当たり特定期間フラグ「F5」)がONされているか否かを判断する。その結果、期間特定フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には(YES)、ステップS330−11に処理を移し、期間特定フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には(NO)、ステップS330−14に処理を移す。
ステップS330−11において、メインCPU110aは、特定期間の残り変動回数(T)を示す特定期間の残り変動回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(T−1)を、新たな特定期間の残り変動回数(T)として記憶する。
そして、メインCPU110aは、特定期間の残り変動回数(T)=0であるか否かを判定する(ステップS330−12)。その結果、特定期間の残り変動回数(T)=0であると判定された場合には(YES)、ステップS330−13に処理を移し、特定期間の残り変動回数(T)=0でないと判定された場合には(NO)、ステップS330−14に処理を移す。
ステップS330−13の処理においては、メインCPU110aは、期間特定フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。
そして、ステップS330−14において、メインCPU110aは、現在の遊技条件の状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
次に、メインCPU110aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する(ステップS330−15)。具体的には、特図停止図柄データ記憶領域に記憶されている特図停止図柄データが大当たり特別図柄(停止図柄データ=01〜20)に係るものであるか否かを判定する。ここで、大当たり特別図柄と判定された場合には(YES)、ステップS330−18に処理を移し、大当たり特別図柄と判定されなかった場合には(NO)、ステップS330−16に処理を移す。
ステップS330−16において、メインCPU110aは、同様に「小当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止図柄データ記憶領域に記憶されている特図停止図柄データが小当たり特別図柄(停止図柄データ=21〜24)に係るものであるか否かを判定する。ここで、小当たり特別図柄と判定された場合には(YES)、ステップS330−21に処理を移し、小当たり特別図柄と判定されなかった場合には(NO)、ステップS330−17に処理を移す。
ステップS330−17において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図23に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
また、メインCPU110aは、ステップS330−21において、特図特電処理データに4をセットし、続いて、メインCPU110aは、当該小当たり当選が大当たりの当選確率が「低確率」状態のときに行われたものであるか否かを判定する(ステップS330−22)。具体的には、期間特定データが「36H」又は「37H」であるか否かを判定する。
ここで、「低確率」状態のときに行われたものであると判定されると(YES)、メインCPU110aは、期間特定フラグ記憶領域、及び、特定期間残り変動回数カウンタをクリア(リセット)し(ステップS330−23)、ステップS330−24に処理を移す。一方、「低確率」状態のときに行われたものではないと判定されると(NO)、メインCPU110aは、ステップS330−24に処理を移す。
また、メインCPU110aは、ステップS330−18において、特図特電処理データに3をセットし、次いで、遊技条件フラグ記憶領域、高確率遊技状態の残り変動回数カウンタ、及び、時短遊技状態の残り変動回数カウンタをリセットする(ステップS330−19)。そして、メインCPU110aは、期間特定フラグ記憶領域、及び、特定期間の残り変動回数カウンタをクリア(リセット)し(ステップS330−20)、ステップS330−24に処理を移す。
ステップS330−24においてメインCPU110aは、特図停止図柄データに応じて、特賞の種類に応じたオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次いで、メインCPU110a、特図停止図柄データに応じて、特賞の種類に応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、前述のステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、特別図柄停止処理を終了する。
次に、大当たり遊技処理(ステップS340)を説明する。
図29は、主制御基板110における大当たり遊技処理(ステップS340)の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判断する(ステップS340−1)。ここでいうオープニングとは、大当たり遊技が開始されてから第1ラウンド遊技(大入賞口の最初の開放)が開始するまでの期間のことをいう。その結果、現在オープニング中であると判断した場合には(YES)、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には(NO)、ステップS340−6に処理を移す。
ステップS340−2において、メインCPU110aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判断し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判断する。その結果、設定されたオープニング時間を経過していない場合には(NO)、当該大当たり遊技処理を終了して次のサブルーチンを実行し、オープニング時間を経過している場合には(YES)、ステップS340−3に処理を移す。
ステップS340−3において、メインCPU110aは、特図停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを確認し、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブルを選択すると共に、メインRAM110cの所定領域にセットする(大当たり遊技開始設定処理)。具体的には、特図停止図柄データに応じて、長当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル、又は、短当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブルのいずれか1つをメインRAM110cの所定領域にセットする。そして、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている値(ラウンド番号(R))に「1」を加算して記憶する。なお、ステップS340−3の時点ではラウンド遊技が1回も実行されていないので、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数記憶領域には「1」を記憶することとなる。
次に、メインCPU110aは、ステップS340−4において、ラウンド開放回数記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。そして、メインCPU110aは、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電して、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを開放するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cの通電開始データをメインRAM110cの所定領域にセットする。ここで、メインCPU110aは、ステップS340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、ラウンド番号(R)及び特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの開放時間(大入賞口制御装置の作動時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、前述したステップS110において、4ms毎に減算処理される。
続くステップS340−5において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これは、ラウンド遊技が開始する旨の情報を演出制御基板120に送信するためである。例えば、長当たり遊技の1回目のラウンド遊技の1回目の開放時においては、ラウンド遊技回数記憶領域に「1」がセットされ、ラウンド開放回数記憶領域に「1」がセットされているので、第1ラウンドを示すラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、ラウンド開放回数記憶領域に「1」がセットされていない場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、当該大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、メインCPU110aは、ラウンドの開始時にのみ、ラウンド指定コマンドを送信する。なお、長当たり遊技において演出制御基板120がラウンド指定コマンドを受信すると、例えば「ROUND1」といった具合に演出用の表示が第1液晶表示装置31にて行われる。
一方、ステップS340−6において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後(大入賞口の最後の開放が終了して)から当該大当たり遊技が終了するまでの期間のことをいう。したがって、現在エンディング中であると判断した場合(YES)、ステップS340−17に処理を移してエンディング時間を経過したか否かが判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には(NO)、ステップS340−7に処理を移す。
ステップS340−7において、メインCPU110aは、大入賞口等が開放中であるか否か、すなわち、大入賞口制御装置が作動中であるか否かを判定する。そして、メインCPU110aは、大入賞口が開放中であると判定した場合には(YES)、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する(ステップS340−8)。この「開放終了条件」として、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値がラウンド遊技における規定個数(例えば9個)に達したこと、又は、最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用されている。そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合には(YES)、ステップS340−9に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には(NO)、当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−9において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。具体的には、大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cの通電停止データをサブRAM102cの所定領域にセットするとともに、上記ステップS340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在のラウンド番号(R)および特電作動番号(K)に基づいて、大入賞口の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口開閉扉(第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17b)が閉鎖することになる。
続くステップS340−10において、メインCPU110aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、開放番号(K)が当該ラウンド遊技において設定されたラウンド開放回数となること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合には(YES)、ステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には(NO)、当該大当たり遊技処理を終了する。
一方、メインCPU110aは、ステップS340−7において、大入賞口開閉扉(第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17b)が開放中ではないと判定した場合に(NO)、予め設定された閉鎖時間が経過したか否かを判断する(ステップS340−11)。その結果、閉鎖時間が経過していない場合には(NO)、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合には(YES)、ステップS340−4に処理を移す。
ステップS340−12において、メインCPU110aは、ラウンド開放回数記憶領域をクリアすると共に、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値をクリアし、「0」にする(リセット処理)。
次に、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶された値(ラウンド番号(R))が当該大当たり遊技で実行されるラウンド遊技回数であるか否かを判定する(ステップS340−13)。その結果、メインCPU110aは「Yes」と判定する場合には、ステップS340−15に処理を移し、「No」と判定する場合には、ステップS340−14に処理を移す。
ステップS340−14において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されたラウンド番号(R)をリセットする。
ステップS340−15において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている現在のラウンド番号(R)に「1」を加算して記憶し、当該大当たり遊技処理を終了する。
そして、メインCPU110aは、特図停止図柄データに応じて、大当たりの種類を確認し、演出制御基板120に送信する大当たりの種類に対応付けられたエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、メインCPU110aは、大当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする(以上、ステップS340−16)。
次に、メインCPU110aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定する(ステップS340−17)。その結果、エンディング時間を経過したと判定した場合には(YES)、ステップS340−18に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には(NO)、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS340−18において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、図31に示す特別遊技終了処理に処理を移す。
次に、小当たり遊技処理(ステップS350)を説明する。図30は、主制御基板110における小当たり遊技処理(ステップS350)の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS350−1において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判断する。その結果、現在オープニング中であると判断した場合には(YES)、ステップS350−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には(NO)、ステップS350−5に処理を移す。
ステップS350−2において、メインCPU110aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。そして、オープニング時間を経過していない場合には(NO)、当該小当たり遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合には(YES)、ステップS350−3に処理を移す。
ステップS350−3において、メインCPU110aは、小当たり遊技開始処理を行う。小当たり遊技開始処理は、特図停止図柄データに応じて、小当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブルを選択する。
続くステップS350−4において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まずラウンド開放回数記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。そして、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを開放するために第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS350−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在の特電作動番号(K)に基づいた第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットし、当該小当たり遊技を終了する。
一方、ステップS350−5において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。
ここでいうエンディングとは、最後の大入賞口(第1大入賞口16または第2大入賞口17)の開放が終了してから当該小当たり遊技が終了するまでの期間のこという。その結果、メインCPU110aは、現在エンディング中であると判定した場合には(YES)、ステップS350−13に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には(NO)、ステップS350−6に処理を移す。
ステップS350−6において、メインCPU110aは、大入賞口(第1大入賞口16または第2大入賞口17)が開放中であるか否かを判定する。そして、メインCPU110aは、大入賞口が開放中ではないと判定した場合には(NO)、ステップS350−10に処理を移し、大入賞口が開放中であると判定した場合には(YES)、ステップS350−7において、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したこと、または大入賞口の1回の開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用される。そして、メインCPU110aは、「開放終了条件」が成立したと判定した場合には(YES)、ステップS350−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には(NO)、当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS350−8において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。大入賞口閉鎖処理では、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cの通電停止データをセットするとともに、上記ステップS350−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在の特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口(第1大入賞口16または第2大入賞口17)が閉鎖することになる。
続くステップS350−9において、メインCPU110aは、小当たり遊技終了条件が成立したか否かを判定する。小当たり遊技終了条件とは、特電作動番号(K)が予め設定あれたラウンド開放回数になること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことである。そして、メインCPU110aは、小当たり遊技終了条件が成立したと判定した場合には(YES)、ステップS350−11に処理を移し、小当たり終了条件が成立していないと判定した場合には(NO)、当該小当たり遊技処理(図30の一連の処理)を終了する。
メインCPU110aは、ステップS350−11において、ラウンド開放回数記憶領域に「0」をセットするとともに、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)に「0」をセットする。すなわち、ラウンド開放回数記憶領域及びラウンド入賞カウンタをクリアする(小当たり遊技終了処理)。
続くステップS350−12において、メインCPU110aは、特図停止図柄データに応じて、小当たりの種類に応じたエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットすると共に、小当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
一方、メインCPU110aは、ステップS350−10において、ステップS350−8において設定された閉鎖時間が経過したか否かを判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、メインCPU110aは、閉鎖時間を経過していないと判定した場合には(NO)、当該小当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過したと判定した場合には(YES)、前述のステップS350−4に処理を移す。
ステップS350−12の処理の後、メインCPU110aは、ステップS350−13において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定する。その結果、エンディング時間を経過したと判定した場合には(YES)、ステップS350−14に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には(NO)、当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS350−14において、メインCPU110aは、特図特電処理データに「0」をセットし、図23に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
次に、特別遊技終了処理を説明する。図31は、主制御基板110における特別遊技終了処理(ステップS360)の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、メインCPU110aは、ステップS360−1において、特図停止図柄データをロードする。
次に、ステップS360−2において、メインCPU110aは、終了する特別遊技が大当たり遊技であるか否かを判定する。具体的には、特図停止図柄データが01〜20であるか否かを判定する。その結果、メインCPU110aは、ステップS360−2において大当たり遊技であると判定した場合(YES)、ステップS360−3に処理を移し、大当たり遊技ではないと判定した場合(NO)、ステップS360−8に処理を移す。
ステップS360−3において、メインCPU110aは、遊技条件データをロードする。
続いて、ステップS360−4において、メインCPU110aは、その遊技条件データを遊技条件決定テーブルに照合し、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグをONするか否かの判定を行い、当該大当たり遊技後に「高確率遊技状態」に設定する場合、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグをONにする。
そして、ステップS360−5において、メインCPU110aは、高確率遊技状態の残り変動回数カウンタに所定の回数(本実施形態では、100回)をセットする。なお、遊技条件データが01H01Hのときでも、01H00Hのときでも、高確率遊技状態の残り変動回数カウンタに100回がセットされる。
次に、ステップS360−6において、メインCPU110aは、S360−3においてロードした遊技条件データを遊技条件決定テーブルに照合し、時短フラグ記憶領域に時短フラグをONするか否かの判定を行い、当該大当たり遊技後に「時短遊技状態」に設定する場合、時短フラグ記憶領域に時短フラグをONにする。
そして、ステップS360−7において、メインCPU110aは、時短遊技状態の残り変動回数カウンタに所定の回数(本実施形態では、100回)をセットする。なお、遊技条件データが01H01Hのときでも、00H01Hのときでも、時短遊技状態の残り変動回数カウンタに100回がセットされる。
次に、ステップS360−8において、メインCPU110aは、期間特定データをロードし、このロードした参照データを期間特定フラグ判定テーブル(不図示)に照合して、期間特定フラグ(F1〜F5)をONにする(ステップS360−9)。
そして、ステップS360−10において、メインCPU110aは、その期間特定フラグに対応する期間特定フラグの残り変動回数カウンタに所定の回数(本実施形態では、100回)をセットする。ただし、期間特定データが「38H」〜「39H」、「46H」〜「49H」の場合はステップS360−9及びステップS360−10では実質何も行われない。
そして、メインCPU110aは、ステップS360−11において、現在の遊技条件の状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、メインCPU110aは、ステップS360−12において、特図特電処理データに0をセットし、図23に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
図32は、遊技機1の演出制御基板120におけるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS2001において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2002に処理を移す。
ステップS2002において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2002の処理を繰り返し行う。
ステップS2003において、サブCPU120aは、電断処理を行うか否かを判断し、電断処理を行う場合には処理を終了し、電断処理を行わない場合にはステップS2002に処理を戻す。
図33は、遊技機1の演出制御基板120におけるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS2101において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS2102において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS2103において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、ステップS2103において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS2104において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
ステップS2105において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS2106において、サブCPU120aは、ステップS2101で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
図34及び図35を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図35のコマンド解析処理は、図34のコマンド解析処理に引き続いて行われるものである。
ステップS2201において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればS2202に処理を移す。
ステップS2202において、サブCPU120aは、受信バッファにあるコマンドが、遊技履歴情報の記録指示を受け付けるためのパスワード(ログインコマンド)であるか否かを確認し、ログインコマンドであれば、ステップS2203において、サブRAM120c等のメモリ(後述の状態保持部202)において、ログインフラグ=1(ON)を設定し、ログインコマンドでなければステップS2204に処理を移す。
ステップS2204において、サブCPU120aは、受信バッファにあるコマンドが、遊技履歴情報の記録指示の受付停止を命令するログアウトコマンドであるか否かを確認し、ログアウトコマンドであれば、ステップS2205において、サブRAM120c等のメモリ(後述の状態保持部202)において、ログインフラグ=0(OFF)を設定し、ログアウトコマンドでなければステップS2206に処理を移す。
ステップS2206において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS2207に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS2208に処理を移す。
ステップS2207において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2208において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS2209に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS2210に処理を移す。
ステップS2209において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、第1液晶表示装置31に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS2210において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、(停止図柄データに基づく)演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS2211に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS2213に処理を移す。
ステップS2211において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、第1液晶表示装置31に停止表示させる演出図柄38を決定する演出図柄決定処理を行う。具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄38の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2212において、サブCPU120aは、更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS2213において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS2214に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS2215に処理を移す。
ステップS2214において、サブCPU120aは、更新されている演出用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。このステップS2214の処理の詳細については、後述する。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H01H」を受信したときには、取得した演出用乱数値が「0〜9」であれば変動演出パターン1−1を決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置のうちの少なくとも一方、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄38の変動態様が決定されることとなる。
ステップS2215において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS2216に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS2217に処理を移す。
ステップS2216において、サブCPU120aは、演出図柄38を停止表示させるために演出図柄38を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
ステップS2217において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS2218に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS2219に処理を移す。
ステップS2218において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータ(後述の「遊技状態情報」)をサブRAM120cにある遊技状態記憶領域(後述の「状態保持部202」)にセットする。
ステップS2219において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS2220に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS2221に処理を移す。
ステップS2220において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2221において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS2222に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS2223に処理を移す。
ステップS2222において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2223において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS2224に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS2224において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
図36を用いて、ステップS2214における変動演出パターン決定処理について説明する。
ステップS2301において、サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドを確認し、ステップS2302において、演出用乱数値(0〜99)を確認する。
具体的に、ステップS2301において、サブCPU120aは、受信した変動パターン指定コマンドを確認し、ステップS2302において、サブROM120bで記憶する通常演出用の演出パターン決定テーブル(図43参照)を参照することにより演出用乱数値(0〜99)を確認する。これにより、ステップS2303において、通常演出の変動演出パターンを決定する。
次に、ステップS2304において、サブCPU120aは、画像制御基板150に送信する通常演出の演出パターン指定コマンドを決定する。
具体的に、ステップS2304において、サブCPU120aは、サブROM120bで記憶する通常演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS2301で確認した変動パターン指定コマンド及びステップS2302で確認した演出用乱数値(0〜99)に基づいて、画像制御基板150に送信する通常演出用の演出パターン指定コマンドを決定し、その決定した演出パターン指定コマンドを示す情報を画像制御基板150に送出する。
ステップS2305において、サブCPU120aは、ステップS2304で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、所定条件に基づいて特別演出を行うものであるか否かを判断する。このステップS2305において、サブCPU120aは、所定条件に基づいて特別演出を行う変動演出パターンである場合には、ステップS2305に進み、所定条件に基づいて特別演出を行う変動演出パターンでない場合には、処理を終了する。
ステップS2306において、サブCPU120aは、特別演出用の演出パターン決定テーブル(図示せず)における演出用乱数値等を参照し、ステップS2303で特定した変動演出パターンに応じた画像制御基板150に送信する特別演出用の演出パターン指定コマンドを決定する。
なお、特別演出用の演出パターン指定コマンドは、このステップ2305及びステップS2306において決定する場合に限定されない。例えば、上記所定条件が成立した際に抽選を行い、その抽選に当選することにより所定の特別演出用の演出パターン指定コマンドを決定するようにしてもよい。
次に、画像制御基板150における液晶制御CPU150aにより実行される処理について説明する。
図37を用いて、画像制御基板150における液晶制御CPU150aのメイン処理を説明する。電源基板170により電源が供給されると、液晶制御CPU150aにシステムリセットが発生し、液晶制御CPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2401において、液晶制御CPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、液晶制御CPU150aは、電源投入に応じて、液晶制御ROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、液晶制御CPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、液晶制御CPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、(1)表示回路に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、(2)伸長回路に使用頻度の高い画像データ(演出図柄38等の画像データ)をVRAM153の画像データ展開領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、(3)描画回路に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2402において、液晶制御CPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。すなわち、電源投入開始時にはステップS2401で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には、出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2403において、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(液晶制御RAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、ステップS2403において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(演出パターン指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2404に処理を移す。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する(図14参照)。そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出指示コマンドを送信バッファから消去する。
ステップS2404において、液晶制御CPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述する更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2405において、液晶制御CPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、液晶制御CPU150aはディスプレイリストをVDP2000に出力する。なお、出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/Fを介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
ステップS2406において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。ここで、FB切換えフラグは、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2406では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2407に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
ステップS2407において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)処理を終了する。
以降は、図38(b)に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2402〜ステップS2407の処理を繰り返し行う。
図38を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図38(b)を用いて説明を行う。
図38(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、CPU I/Fを介して、液晶制御CPU150aに描画終了割込信号を出力する。液晶制御CPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する。
描画終了割込処理においては、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS2501)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
図38(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。VDP2000は1/60秒(約16.6ms)毎に、CPU I/Fを介して、液晶制御CPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
ステップS2502において、液晶制御CPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
ステップS2503において、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS2504に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS2504以降の処理が行われない。
ステップS2504において、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
ステップS2505において、液晶制御CPU150aは、VDP2000のメモリコントローラに「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。具体的には、液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、表示レジスタの1bit目に1を加算する処理を行う。
ステップS2506において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01をセットし(FB切換えフラグをオンにし)、待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、液晶制御CPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方における画像表示を制御する。
図39は、本実施形態における遊技機1を用いて構成した遊技システムの全体構成を示す図である。
図39において、遊技システムは、遊技機1と、遊技機1に表示されるコード情報を読み取るコード情報読み取り機能を有する情報端末300と、情報端末300によって読み取ったコード情報に含まれる情報に基づく処理を行う情報処理サーバ(情報管理装置)400と、情報端末300と情報処理サーバ400との通信を制御する通信制御装置500とを少なくとも有する構成である。
情報端末300は、遊技機1に表示されたコード情報を読み取るために撮像する撮像装置(以下、「カメラ」という。)を搭載し、このカメラを用いてコード情報を撮像する。撮像したコード情報に基づいて情報処理サーバ400へと通信制御装置500を介して遊技者に関する情報(遊技者情報)(遊技者ID、遊技者の遊技履歴情報等)の取得要求を行う。
情報処理サーバ400は、情報端末300からの遊技者情報の要求に対する応答を行う。なお、通信制御装置500は、一般的に通信に用いる回線等を提供するキャリアにおける処理制御装置であって、通信制御を行うものである。
図40は、遊技機1を用いた遊技システムにおいて行われるログインログアウト処理の詳細な処理遷移を表すシーケンス図である。この図40を用いて、図39に示す遊技システムを構成する情報処理サーバ(情報管理装置)400と、遊技者の携帯電話等の情報端末300と、遊技機1とにおけるログインログアウト処理の詳細な処理遷移を説明する。
まず、遊技機1は、第1液晶表示装置31に遊技機識別情報を含む2次元コード等のコード情報を表示させる(S3001)。
情報端末は、遊技者の操作により、撮像装置(以下、「カメラ」という)等を用いて遊技機1に表示された2次元コード等のコード情報を撮像して入力する(S3002)。
情報端末は、情報処理サーバに対し、入力したコード情報を送信するとともにログイン処理要求(認証要求)を行う(S3003)。
情報端末からログイン処理要求が行われた情報処理サーバでは、そのログイン処理要求に含まれる情報端末に関する端末ID等の遊技者に関する情報を元に、情報処理サーバにおいて管理している遊技者情報を特定してその遊技者に関する情報である遊技者情報(遊技者ID、遊技履歴情報等)を読み出し、読み出した遊技者情報を含むパスワード(若しくはコード情報)を作成する(S3004)。情報処理サーバに遊技者情報を管理していない場合にはその旨を応答し、一例として、遊技者に関する情報の登録を促す画面を表示する。
そして、情報端末は、遊技者情報を含むパスワード(若しくはコード情報)を作成すると、そのパスワード(若しくはコード情報)をログイン処理要求元の情報端末へと送信する(S3005)。
これにより、情報端末は、ログイン処理要求に対して情報処理サーバからパスワード(若しくはコード情報)の応答を情報処理サーバから受け付けると、受け付けたパスワード(若しくはコード情報)を情報端末の表示器に表示し(S3006)、このパスワード(若しくはコード情報)を情報端末の記憶領域に記憶する。このようにして、情報端末の記憶領域に記憶したパスワード(若しくはコード情報)は、遊技者の操作によって読み出されることが可能である。
続いて、遊技者情報を含むパスワード(若しくはコード情報)が情報端末の表示器に表示された状態、或いは、情報端末の記憶領域に記憶したパスワード(若しくはコード情報)を読み出して情報端末の表示器に表示した状態にあるとき、この情報端末の表示器に表示されたパスワード(若しくはコード情報)が遊技者による入力操作によって遊技機1に入力されると、遊技機1では、このパスワード(若しくはコード情報)に含まれる遊技者情報を受け付けてログイン処理を行う。これにより、遊技機1は、ログイン処理が行われた状態となる(S3007)。
すなわち、遊技機1は、パスワード(若しくはコード情報)に含まれる遊技者情報が指定された状態となり、この遊技者情報により示される遊技者による遊技が遊技機1において行われていくこととなる。
このログイン処理が行われて以降、遊技機1は、遊技者による操作によって行われた遊技に関する履歴情報を「遊技履歴情報」として記録していく(S3008)。このステップS3008では、遊技機1における一連の処理が行われる。また、このステップS3008では、遊技機1の演出における演出コード情報の制御処理が行われる。
遊技を終了する際には、遊技機1において記憶している遊技者情報を用いてログアウト処理を行う(S3009)。このログアウト処理は、ログイン処理において指定した遊技者情報の指定を解除するものであって、ログアウト処理が行われると、遊技機1では、そのときまでに記録している遊技履歴情報及び指定を解除した遊技者情報を含むコード情報(若しくはパスワード)を作成して遊技機1の第1液晶表示装置31に表示する。
そして、情報端末は、遊技者の操作により、撮像装置等を用いて遊技機1の第1液晶表示装置31に表示されたコード情報(2次元コード)を撮像して入力するかパスワードを入力すると(S3010)、情報端末は、入力されたコード情報(若しくはパスワード)を情報処理サーバに送信する(S3011)。
情報端末からコード情報(若しくはパスワード)を受信した情報処理サーバでは、このコード情報(若しくはパスワード)に含まれる遊技者情報(遊技履歴情報等)を、情報処理サーバで管理している遊技者情報(遊技履歴情報等)に新たに追加して登録する(S3012)。
図41は、遊技機1が備える演出制御基板120の情報制御部121の構成を示す機能ブロック図である。
情報制御部121は、送受信制御部201と、状態保持部202と、情報処理制御部203と、情報保持部204と、情報記憶部205と、操作情報生成部206と、演出処理部207と、コード情報生成部208とを備える。なお、この情報制御部121は、サブCPU120a、サブROM120bおよびサブRAM120cによって構成され、サブCPU120aがサブROM120bおよびサブRAM120cを用いて制御処理を行うものである。
情報制御部121の演出処理部207は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。
送受信制御部201は、主制御基板110より、変動パターン指定コマンド、演出図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド等の各種の情報を受信し、その遊技情報を情報処理制御部203に送出する。
また、送受信制御部201は、遊技者の操作よって入力されたコード情報若しくはパスワード(ログインコマンド)を受信し、このコード情報若しくはパスワードに含まれる遊技者情報(遊技履歴情報等)を取得する。すると、送受信制御部201は、状態保持部202において、遊技者が指定されたログイン状態である旨を示すログインフラグ=1(ON)を設定する。
一方、送受信制御部201は、後述のログアウト処理がなされることにより、状態保持部202において、ログイン状態にない(ログアウト状態である)旨を示すログインフラグ=0(OFF)を設定する。
また、送受信制御部201は、演出ボタン検出スイッチ35aで検出された、遊技者による演出ボタン35若しくは十字キー36の操作に基づく操作入力信号を受信し、その操作入力信号を操作情報生成部206に送出する。
状態保持部202は、演出制御基板120におけるサブRAM120cによって構成される。送受信制御部201が、コード情報若しくはパスワード(ログインコマンド)を受信することにより、遊技者が指定されたログイン状態である旨を示すログインフラグ=1(ON)を設定して保持する。
また、状態保持部202は、送受信制御部201が、ログアウト処理においてコード情報作成指示を受信することにより、ログイン状態にない(ログアウト状態である)旨を示すログインフラグ=0(OFF)を設定して保持する。
情報処理制御部203は、送受信制御部201から送出された情報を、情報保持部204及び情報記憶部205のうちの少なくとも一方に記憶させるとともに、演出処理部207及びコード情報生成部208のうちの少なくとも一方に送出する。
情報保持部204は、演出制御基板120におけるサブRAM120cによって構成される。
情報保持部204は、情報処理制御部203の制御に基づいて、コード情報若しくはパスワードに含まれる遊技者情報(遊技者ID、遊技履歴情報等)を保持する。
また、情報保持部204は、後述の「第1ゲーム結果情報」、「遊技状態情報」等を保持する。
情報記憶部205は、演出制御基板120におけるサブROM120bによって構成される。この情報記憶部205は、変動演出パターン決定テーブル(図43)、デモ演出パターン決定テーブル(図48)等を記憶している。
操作情報生成部206は、演出ボタン検出スイッチ35a及び十字キー検出スイッチ36aでそれぞれ検出された操作検出信号が送受信制御部201を介して供給されることにより、演出ボタン35や十字キー36を用いた操作に基づく操作情報を生成し、演出処理部207に供給する。
演出処理部207は、サブROM120bで記憶する演出プログラムの制御により、情報記憶部205で記憶するテーブル情報等に基づいて通常演出さらに特別演出を実行する場合にはその特別演出の演出処理を行う。
具体的に、演出処理部207は、通常演出を実行する場合、情報記憶部205で記憶する変動演出パターン決定テーブル(図43)を参照し、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値によって1つの変動演出パターンを決定する。
すなわち、演出処理部207は、その決定した変動演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを送受信制御部201に供給する。送受信制御部201は、この演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。なお、遊技機1が特別演出を実行する場合、演出処理部207は、図示しない特別演出用の演出パターン決定テーブル等を参照して通常演出と同様の処理を行い、決定した特別演出用の演出パターン指定コマンドを、送受信制御部201を介して画像制御基板150に送信する。
情報処理制御部203は、情報保持部204で保持する遊技履歴情報(遊技者が遊技において獲得したポイント、及びそのポイントに基づいて設定される遊技者レベル)を含む遊技者情報を読み出してコード情報生成部208に送出する。
コード情報生成部208は、遊技者情報を含むコード情報を生成する。コード情報を生成したコード情報生成部208は、送受信制御部201へとそのコード情報を送出する。送受信制御部201は、そのコード情報を情報端末へと送信する。
図42は、図40におけるステップS3007〜ステップS3009を示すフローチャートである。この図42のフローチャートを参照し、ステップS3007のログイン処理およびS3009のログアウト処理の詳細な流れを説明する。
図40のステップS3007におけるログイン処理について詳細に説明すると、ステップS3007−1において、遊技機1は、遊技者による遊技機1の十字キー検出スイッチ36aに設けられた十字キー操作等の操作により、情報端末の表示器に表示されたパスワード(若しくはコード情報)が入力されたか否かを判断する。このステップS3007−1の処理は、遊技機1の情報制御部121の情報処理制御部203が送受信制御部201からパスワード(若しくはコード情報)が受信されたか否かを判断することにより行われる。
遊技機1は、ステップS3007−1において、パスワード(若しくはコード情報)が入力されたと判断した場合には、ステップS3007−2において、入力されたパスワード(若しくはコード情報)を解析し、そのパスワード(若しくはコード情報)に含まれる遊技者情報を読み取る。このステップS3007−2は、情報処理制御部203によって行われる。
一方、遊技機1は、ステップS3007−1において、パスワード(若しくはコード情報)が入力されていないと判断した場合にはステップ3007−5に処理を進める。
次に、遊技機1は、ステップS3007−3において、パスワード(若しくはコード情報)が入力されたことにより、遊技者が指定されたログイン状態である旨の情報を保持するとともに、記憶されている遊技履歴情報を初期化する。
具体的には、情報制御部121は、パスワード(若しくはコード情報)が送受信制御部201にて受信されたことにより、状態保持部202においてログインフラグ=1(ON)を設定する。また、情報処理制御部203の制御により、情報保持部204に記憶されている遊技者情報を消去するとともに遊技履歴情報を初期化し、受信した遊技者情報を情報保持部204に記憶させるとともに、遊技履歴情報を記憶する記憶領域をこの情報保持部204に確保させる。
次に、遊技機1は、ステップS3007−4において、受信した遊技者情報を登録する。具体的に、情報制御部121の情報処理制御部203は、受信した遊技者情報を情報保持部204に登録する。
次に、遊技機1は、ステップS3007−5において、発射制御基板160によって遊技球の発射を検知すること等の情報を受信したか否かに基づいて、遊技が開始されたか否かを判断する。遊技が開始されたと判断した場合には、ステップS3008に処理を進め、遊技が開始されていないと判断した場合には、ステップS3007−1に処理を戻す。このステップS3007−5の判断処理においては、情報制御部121の送受信制御部201が、発射制御基板160によって遊技球の発射を検知すること等の情報を受信することにより、情報処理制御部203は、遊技が開始されたと判断する。
また、図40のステップS3009のログアウト処理について詳細に説明すると、まず、ステップS3009−1において、遊技機1は、演出ボタン35の押下操作の検出に基づき、遊技終了の指示があったか否かを判断する。この場合の遊技の終了とは、遊技者によるコード情報作成指示の入力があったか否かの判断である。遊技者によるコード情報(若しくはパスワード)作成指示の入力があった場合には、ステップS3009−2に処理を進め、遊技者によるコード情報作成指示の入力がなかった場合には、ステップS3008に処理を戻す。この遊技終了の指示の判断処理は、情報制御部121の情報処理制御部203が、送受信制御部201において、演出ボタン検出スイッチ31aによる検出に基づくコード情報作成指示の情報が受信されたか否かを判断することにより行われる。
ステップS3009−2において、遊技機1は、記憶された遊技履歴情報、遊技者情報等を含むコード情報(若しくはパスワード)を生成する。
具体的に、情報制御部121のコード情報生成部208は、情報保持部204で記憶する遊技者情報(遊技履歴情報等)等の情報を読み出して、これらの情報を含むコード情報(若しくはパスワード)を生成し、送受信制御部201に供給する。
ステップS3009−3において、遊技機1は、生成されたコード情報(若しくはパスワード)を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する。
このステップS3009−3において、情報制御部121の送受信制御部201は、コード情報生成部208から供給されたコード情報(若しくはパスワード)を画像制御基板150に送信し、このコード情報を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示させるように指示する。
本実施形態において、情報制御部121の情報記憶部205は、例えば、図43に示す変動演出パターン決定テーブルを記憶している。
図43に示す変動演出パターン決定テーブルは、主制御基板110から供給される第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21における変動パターン指定コマンドに基づいて、第1液晶表示装置31等においての演出図柄38の変動態様を決定するための変動演出パターンを決定するものである。
演出処理部207は、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1(0〜99)に基づいて、変動演出パターンを決定する。
演出処理部207は、特別図柄の判定において、大当たり4(潜確大当たり)または小当たりに当選したと判定されることにより、特別図柄の変動中に行う通常演出において「第1ゲーム」の演出を実行する。
また、演出処理部207は、この特別図柄の変動を停止させた後の特別図柄を変動表示していない遊技待機状態にて行うデモ演出において「第1ゲーム」と関連のある「第2ゲーム」の演出を実行する。
なお、以下では遊技機1が「第1ゲーム」及び「第2ゲーム」における演出画像を第1液晶表示装置31に表示する例について説明するが、これに限定されず、第2液晶表示装置37に表示してもよい。
図43の変動演出パターン決定テーブルに示すように、演出処理部207は、大当たり4(潜確大当たり)に当選した場合のうち「E6H11H」または「E7H11H」の変動パターン指定コマンドを主制御基板110から受信したとき、または、「E6H12H」または「E7H12H」(小当たり)の変動パターン指定コマンドを主制御基板110から受信したとき、リーチ1(発展有り)の通常演出において、「ゲーム1−a」の演出を実行する。
この「ゲーム1−a」では、第1液晶表示装置31に「コインをゲット!!」という文字メッセージとともに演出ボタン35の押下操作を促す画像を表示し、コインの枚数に応じたポイント(P)を遊技者に獲得させる演出を行うものである(図44、図45参照)。
この「ゲーム1−a」では、演出ボタン35に対する押下操作の回数に拘わらず、第1ゲーム演出用乱数値(0〜99)に基づいて特定される、コインの枚数に応じた所定のポイント数を遊技者に獲得させる。
具体的に、「ゲーム1−a」では、第1ゲーム演出用乱数値(0〜99)が0〜29であることにより6枚のコインに応じた60ポイント(P)を遊技者に獲得させる(図45)。同様に、第1ゲーム演出用乱数値が30〜39であることにより5枚のコインに応じた50ポイント、第1ゲーム演出用乱数値が40〜69であることにより4枚のコインに応じた40ポイント(図44)、第1ゲーム演出用乱数値が70〜99であることにより3枚のコインに応じた30ポイントを遊技者に獲得させる。
そして、「ゲーム1−a」の結果(獲得ポイント)は、後の遊技待機状態で行う「ゲーム2−a」で使用される。そのため、演出処理部207は、「第1ゲーム結果情報」として、「ゲーム1−a」の結果(獲得ポイント)を示す「ゲーム1−a結果情報」を情報保持部204に保持させる。「ゲーム2−a」は、「ゲーム1−a」に関連のある第2ゲームであり、詳細については後述する。
なお、本実施形態では、「ゲーム1−a結果情報」を情報保持部204で保持する遊技履歴情報に含ませることが可能である。この場合、情報処理制御部203は、情報保持部204で保持する「ゲーム1−a結果情報」を遊技履歴情報として含む遊技者情報を読み出してコード情報生成部208に送出し、コード情報生成部208が、遊技者情報を含むコード情報を生成してコード情報を生成したコード情報生成部208は、送受信制御部201へとそのコード情報を送出する。そして、送受信制御部201は、そのコード情報を情報端末へと送信する。
また、図43の変動演出パターン決定テーブルに示すように、演出処理部207は、大当たり4(潜確大当たり)に当選した場合のうち「E6H17H」または「E7H17H」の変動パターン指定コマンドを主制御基板110から受信したとき、または、「E6H18H」または「E7H18H」(小当たり)の変動パターン指定コマンドを主制御基板110から受信したとき、リーチ1(発展有り)の通常演出において、「ゲーム1−b」の演出を実行する。
この「ゲーム1−b」では、第1液晶表示装置31または第2液晶表示装置37に複数の「宝箱」の画像とともに十字キー36によるポインタ等の移動操作や演出ボタン35による決定操作を促す画像を表示し、「宝箱」の中からアイテム(「マント」、「剣」、或いは「盾」)が出現することにより、そのアイテムを遊技者に獲得させる演出を行うものである(図46、図47参照)。
この「ゲーム1−b」では、十字キー36及び演出ボタン35に対する押下操作(ポインタ等の移動操作及び決定操作)に拘わらず、第1ゲーム演出用乱数値(0〜99)に基づいて決定されるアイテムが第1液晶表示装置31の表示画面内に配置表示された「宝箱」から出現する。
具体的に、「ゲーム1−b」では、第1ゲーム演出用乱数値(0〜99)が0〜29であることにより、複数の「宝箱」のうちの所定の「宝箱」の中からそれぞれ「マント」、「剣」、「盾」が出現する(図46)。同様に、第1ゲーム演出用乱数値が30〜39であることにより、複数の「宝箱」のうちの所定の「宝箱」の中からそれぞれ「マント」及び「剣」が出現する(図47)。
また、第1ゲーム演出用乱数値が40〜69であることにより複数の「宝箱」のうちの所定の「宝箱」から「剣」、第1ゲーム演出用乱数値が70〜99であることにより複数の「宝箱」のうちの所定の「宝箱」から「マント」が出現する。「宝箱」から出現したこれらのアイテムは、遊技者に獲得される。
そして、「ゲーム1−b」の結果(獲得したアイテム)は、後の遊技待機状態で行う「ゲーム2−b」で使用される。そのため、演出処理部207は、「第1ゲーム結果情報」として、「ゲーム1−b」の結果(獲得したアイテム)を示す「ゲーム1−b結果情報」を情報保持部204に保持させる。この「ゲーム2−b」は、「ゲーム1−b」に関連のある第2ゲームであり、詳細については後述する。
なお、本実施形態では、「ゲーム1−a結果情報」と同様に、「ゲーム1−b結果情報」を情報保持部204で保持する遊技履歴情報に含ませることが可能である。この場合においても、情報処理制御部203は、情報保持部204で保持する「ゲーム1−b結果情報」を遊技履歴情報として含む遊技者情報を読み出してコード情報生成部208に送出し、コード情報生成部208が、遊技者情報を含むコード情報を生成してコード情報を生成したコード情報生成部208は、送受信制御部201へとそのコード情報を送出する。そして、送受信制御部201は、そのコード情報を情報端末へと送信する。
この「第1ゲーム結果情報」(「ゲーム1−a結果情報」或いは「ゲーム1−b結果情報」)は、演出処理部207が図43の変動演出パターン決定テーブルに基づいて変動演出パターンを決定することにより決定される。すなわち、演出処理部207は、決定した変動演出パターンに対応付けられた「第1ゲーム結果情報」(「ゲーム1−a結果情報」或いは「ゲーム1−b結果情報」)を、変動演出パターンに基づく(変動)演出パターン指定コマンドを決定した際に、情報保持部204に保持させる。
そのため、情報保持部204で保持する「第1ゲーム結果情報」は、演出処理部207が変動演出パターンに基づく(変動)演出パターン指定コマンドを決定する度に、新たに決定した(変動)演出パターン指定コマンドに対応付けられた「第1ゲーム結果情報」に更新される。
図48は、第2ゲームの演出パターンを決定するためのデモ演出パターン決定テーブルの一例を示す図である。
演出処理部207が、大当たり4(潜確大当たり)または小当たりの当選に基づく(変動)演出パターン指定コマンド(A0H11H,A0H12H,A0H13H,A0H14Hの何れか)を受信した場合、その演出パターン指定コマンドに基づく特別図柄の変動表示中において、第1ゲームとして「ゲーム1−a」を実行する。この場合、演出処理部207は、この特別図柄の変動を停止させた後の特別図柄を変動表示していない遊技待機状態にて行うデモ演出において「ゲーム1−a」と関連のある「ゲーム2−a」を「第2ゲーム」の演出として実行する。
情報保持部204は、主制御基板110から受信した現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドに基づく遊技状態(高確率遊技状態、低確率遊技状態、時短遊技状態、非時短遊技状態)情報を保持する。
この際、演出処理部207は、特別図柄の変動を停止させた後の遊技待機状態において、情報保持部204で保持する遊技状態情報(遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータ)を確認する。
そして、演出処理部207は、情報保持部204で保持する遊技状態情報に基づき、現在の遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態であるかを確認し、その遊技状態と、予め発生させた第2ゲーム用の演出用乱数値(0〜99)とに基づいて特定されるゲーム内容の「ゲーム2−a」を実行する。演出処理部207は、「ゲーム2−a」の内容を決定した(デモ)演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
演出処理部207は、大当たり4(潜確大当たり)または小当たりの当選に基づく(変動)演出パターン指定コマンド(A0H15H,A0H16H,A0H17H,A0H18Hの何れか)を受信した場合、その演出パターン指定コマンドに基づく特別図柄の変動表示中において、第1ゲームとして「ゲーム1−b」を実行する。この場合、演出処理部207は、この特別図柄の変動を停止させた後の特別図柄を変動表示していない遊技待機状態にて行うデモ演出において「ゲーム1−b」と関連のある「ゲーム2−b」を「第2ゲーム」の演出として実行する。
そして、演出処理部207は、情報保持部204で保持する遊技状態情報を参照し、現在の遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態かを確認し、その遊技状態と、予め発生させた第2ゲーム用の演出用乱数値(0〜99)とに基づいて特定されるゲーム内容の「ゲーム2−b」を実行する。演出処理部207は、「ゲーム2−b」の内容を決定した(デモ)演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
同様に、演出処理部207は、第1ゲーム「ゲーム1−c」に対して第2ゲーム「ゲーム2−c」を実行し、第1ゲーム「ゲーム1−d」に対して第2ゲーム「ゲーム2−d」を実行する。
図49は、図34のステップS2207におけるデモ演出パターン決定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
ステップS3501において、演出処理部207は、主制御基板110からデモ指定コマンドを受信すると、情報保持部204に第1ゲーム結果情報が保持されているか否かを判断する。このステップS3501において、演出処理部207は、情報保持部204に第1ゲーム結果情報が保持されていると判断した場合には、ステップS3502において、その情報保持部204で保持する、(変動演出パターンに応じた)第1ゲーム結果情報を確認する。なお、「ゲーム1−a」に応じた「ゲーム2−a」を実行する場合は、このステップS3502の処理を省略してもよい。
一方、このステップS3501において、演出処理部207は、情報保持部204に第1ゲーム結果情報が保持されていないと判断した場合には、ステップS3506において、他のデモ演出(例えば、プロモーションビデオ(PV)、アニメーション等)を実行するための演出パターンを決定し、そのデモ演出を実行するための演出パターン指定コマンドを決定する。
ステップS3503において、演出処理部207は、情報保持部204で保持する遊技状態情報を参照し、現在の遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態かを確認する。
ステップS3504において、演出処理部207は、予め発生させた第2ゲーム用の演出用乱数値(0〜99)を確認する。なお、「ゲーム1−b」に応じた「ゲーム2−b」を実行する場合には、このステップS3504を省略する。
ステップS3505において、演出処理部207は、図48の第2ゲームの演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブルを参照し、第1ゲーム結果情報を有する変動演出パターン指定コマンド、現在の遊技状態、必要であれば演出用乱数値(0〜99)に応じた、第2ゲームの内容を示すデモ演出の演出パターン指定コマンドを決定する。
ここで、「第2ゲーム」の1つである「ゲーム2−a」について説明する。
上述のように、演出処理部207は、(変動)演出パターン指定コマンド(A0H11H,A0H12H,A0H13H,A0H14Hの何れか)に基づく特別図柄の変動表示中において、第1ゲームとして「ゲーム1−a」を実行した後の遊技待機状態において「第2ゲーム」として「ゲーム2−a」を実行する。
この場合、演出処理部207は、情報保持部204で保持する遊技状態情報に基づき、現在の遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態であるかを確認し、その遊技状態と、予め発生させた第2ゲーム用の演出用乱数値(0〜99)とに基づいて特定されるゲーム内容の「ゲーム2−a」を実行する。
この「ゲーム2−a」は、「ゲーム1−a」と同様に、第1液晶表示装置31に「コインをゲット!!」という文字メッセージとともに演出ボタン35の押下操作を促す画像を表示し、コインの枚数に応じたポイント(P)を遊技者に獲得させ、「ゲーム1−a」で獲得したポイントと「ゲーム2−a」で獲得したポイントとの合計ポイント(合計ポイントが100以上か否か)と、現在の遊技状態(高確率遊技状態、低確率遊技状態の何れか)とに基づいて異なる画像を表示する演出を行うものである(後に示す図51、図53参照)。
なお、この「ゲーム2−a」においても、演出ボタン35に対する押下操作の回数に拘わらず、第2ゲーム演出用乱数値(0〜99)に基づいて特定される、コインの枚数に応じた所定のポイント数を遊技者に獲得させる。
「ゲーム2−a」では、第2ゲーム演出用乱数値(0〜99)が0〜79であることにより8枚のコインに応じた80ポイント(P)を遊技者に獲得させる(図50参照)。同様に、第2ゲーム演出用乱数値が80〜99であることにより3枚のコインに応じた30ポイントを遊技者に獲得させる(図54参照)。
「ゲーム2−a」において第2ゲーム演出用乱数値(0〜99)が0〜79であることにより8枚のコインに応じた80ポイント(P)を獲得すると、「ゲーム1−a」で獲得したポイントとの合計ポイントは、100ポイント以上となる。
一方、「ゲーム2−a」において第2ゲーム演出用乱数値(0〜99)が80〜99であることにより3枚のコインに応じた30ポイント(P)を獲得すると、「ゲーム1−a」で獲得したポイントとの合計ポイントは、100ポイント未満となる。
遊技待機状態における現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合、「ゲーム2−a」では、「ゲーム1−a」と「ゲーム2−a」との合計ポイントが100以上であることにより、第1液晶表示装置31に、例えば図51に示すような特定のキャラクタA1(天使)の画像を表示する。一方、「ゲーム1−a」と「ゲーム2−a」との合計ポイントが100未満であるときには、このようなキャラクタA1の画像を表示せず、例えば図52に示すような背景画像を表示する。
これに対し、遊技待機状態における現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合、「ゲーム2−a」では、「ゲーム1−a」と「ゲーム2−a」との合計ポイントが100以上であることにより、第1液晶表示装置31に、上記キャラクタA1とは異なる、例えば図53に示すようなキャラクタA2画像(悪魔)の画像を表示する。一方、「ゲーム1−a」と「ゲーム2−a」との合計ポイントが100未満であるときには、このようなキャラクタA2の画像を表示せず、上記図52に示すような背景画像を表示する。
このように、遊技機1は、「ゲーム1−a」と「ゲーム2−a」において、遊技者にポイントを獲得させる演出を行うとともに、その合計ポイントが所定値(100ポイント)以上であることにより、遊技待機状態における現在の遊技状態を遊技者に示唆させるキャラクタ画像(高確率遊技状態であれば例えば「天使」(図51)、低確率遊技状態であれば「悪魔」(図53))を表示する。
次に、「第2ゲーム」の1つである「ゲーム2−b」について説明する。
上述のように、演出処理部207は、(変動)演出パターン指定コマンド(A0H15H,A0H16H,A0H17H,A0H18H)に基づく特別図柄の変動表示中において、第1ゲームとして「ゲーム1−b」を実行した後の遊技待機状態において「第2ゲーム」として「ゲーム2−b」を実行する。
この場合、演出処理部207は、情報保持部204で保持する遊技状態情報に基づき、現在の遊技状態が高確率遊技状態か低確率遊技状態であるかを確認し、その遊技状態に基づいて特定されるゲーム内容の「ゲーム2−b」を実行する。
「ゲーム2−b」は、特定のキャラクタB1(戦士)が「ゲーム1−b」で獲得したアイテムを装備して別の特定のキャラクタB2(恐竜)と戦うという内容の演出画像を第1液晶表示装置31に表示するものである。この「ゲーム2−b」では、装備したアイテムの種類と、現在の遊技状態(高確率遊技状態または低確率遊技状態)とに応じて異なるパターンの演出を実行する。
図48のテーブルに示すように、「ゲーム1−b」においてアイテムとして「マント」、「剣」及び「盾」を獲得した場合、「ゲーム2−b」では、例えば図55、図56に示すように、キャラクタB1(戦士)がこれらのアイテム「マント」、「剣」及び「盾」を装備してキャラクタB2(恐竜)と戦う演出が実行される。
この「ゲーム2−b」は、遊技待機状態における現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、キャラクタB1がキャラクタB2に勝利する演出である。
一方、この「ゲーム2−b」は、遊技待機状態における現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、キャラクタB1がキャラクタB2に敗北する演出である。
現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合に実行する「勝利パターン」の演出のうち「勝利パターン1」では、例えば図55(a)に示すように、キャラクタB1は、「ゲーム1−b」で獲得したアイテムである「剣」、「マント」及び「盾」を装備してキャラクタB2と戦う。その後、例えば図55(b)に示すように、キャラクタB1は「盾」を装備していることからキャラクタB2の攻撃を防御してキャラクタB2を倒し、勝利する。
現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合に実行する「敗北パターン」の演出のうち「敗北パターン1」では、例えば図56(a)に示すように、キャラクタB1は、「ゲーム1−b」で獲得したアイテムである「剣」、「マント」及び「盾」を装備してキャラクタB2と戦う。キャラクタB1は「盾」を装備していることからキャラクタB2の攻撃を防御するものの(図56(b))、最終的には、キャラクタB2に倒されて敗北する(図56(c))。
また、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合に実行する「勝利パターン」の演出のうち「勝利パターン2」では、例えば図57(a)に示すように、キャラクタB1は「ゲーム1−b」で獲得したアイテムである「剣」及び「マント」を装備してキャラクタB2と戦う。キャラクタB1は、「盾」を装備していないことからキャラクタB2の攻撃を防御できずキャラクタB2に倒されるが(図57(b))、その後、復活(勝利)する(図57(c))。
また、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合に実行する「敗北パターン」の演出のうち「敗北パターン2」では、例えば図58(a)に示すように、キャラクタB1は「ゲーム1−b」で獲得したアイテムである「剣」及び「マント」を装備してキャラクタB2と戦う。キャラクタB1は、「盾」を装備していないことからキャラクタB2の攻撃を防御できずキャラクタB2に倒されて敗北する(図58(b))。
図示しないが、「ゲーム2−b」では、この他、「ゲーム1−b」の結果に基づき、キャラクタB1が「剣」のみを装備した「勝利パターン3」或いは「敗北パターン3」、または、「マント」のみを装備した「勝利パターン4」或いは「敗北パターン4」の演出が実行される。
このように、本実施形態の遊技機1では、大当たり4(潜確大当たり)または小当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示中に「第1ゲーム」を実行し、その後の遊技待機状態において「第1ゲーム」に関連のある「第2ゲーム」を実行する。そして、遊技機1は、「第2ゲーム」の演出を、遊技待機状態における現在の遊技状態が高確率遊技状態(有利遊技状態)であるときと低確率遊技状態(不利遊技状態)とで異なる演出とする。これにより、遊技機1は、潜確大当たりまたは小当たりに当選した場合の特別図柄の変動表示が停止した後、始動口(第1始動口14、第2始動口15)に遊技球が入球しない状態が続くことによって遊技待機状態となった場合であっても、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることが可能となる。
例えば、潜確大当たりまたは小当たりに当選した際に遊技者が操作ハンドル3から手を離した場合や操作ハンドル3を操作しているのに始動口に遊技球が入賞しないことにより遊技待機状態になった場合であっても、遊技者は、現在の遊技状態が有利な遊技状態であるか不利な遊技状態かといった興味を抱くことができる。
なお、本実施形態において、所定の停止図柄に基づく特別図柄の変動表示中に第1始動口14または第2始動口15に新たに遊技球が入球した場合の例について説明する。
例えば、大当たり4(潜確大当たり)の当選に基づく特別図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第1始動口14または第2始動口15に入球することにより行う大当たりの抽選において、再度(2回目)の大当たり4(潜確大当たり)に当選した場合には、この2回目の大当たり4(潜確大当たり)の当選に基づく特別図柄の変動表示が停止した後の遊技待機状態の遊技状態は、高確率遊技状態である。
また例えば、大当たり4(潜確大当たり)の当選に基づく特別図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第1始動口14または第2始動口15に入球することにより行う大当たりの抽選において、小当たりに当選した場合には、この小当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示が停止した後の遊技待機状態の遊技状態は、高確率遊技状態である。
また例えば、小当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第1始動口14または第2始動口15に入球することにより行う大当たりの抽選において、大当たり4(潜確大当たり)に当選した場合には、この大当たり4(潜確大当たり)の当選に基づく特別図柄の変動表示が停止した後の遊技待機状態の遊技状態は、高確率遊技状態である。
遊技機1は、何れの場合も、遊技待機状態において、高確率遊技状態を示唆する内容(例えば「ゲーム2−a」におけるキャラクタA1(天使)の表示、「ゲーム2−b」における「勝利パターン」による演出)の「第2ゲーム」を有するデモ演出を実行する。
しかしながら、例えば、小当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示中に、新たに遊技球が第1始動口14または第2始動口15に入球することにより行う大当たりの抽選において、大当たり1(確変大当たり)または大当たり3(突確大当たり)に当選した場合においても、この大当たり1または大当たり3の当選に基づく特別図柄の変動表示が停止した後の遊技待機状態の遊技状態は、高確率遊技状態となる。
遊技機1は、大当たり4(潜確大当たり)以外の高確率当たり(大当たり1または大当たり3)に当選した場合には、大当たり1または大当たり3の当選に基づく変動演出パターンが決定された際に、情報保持部204で保持する「第1ゲーム結果情報」を消去するようにする。その結果、遊技機1は、大当たり1または大当たり3の当選に基づく特別図柄の変動表示が停止した後の遊技待機状態においては、遊技状態が高確率遊技状態であるが「第2ゲーム」を有するデモ演出を実行することなく、その他の内容のデモ演出を実行する。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明が前述の実施の形態に限定されないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施形態においては、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレームを更新するようにしたが、1/30秒毎に1フレームを更新してもよいし、1/120秒毎に1フレームを更新してもよい。すなわち、1フレームの更新周期は、設計変更自由である。
また、本実施形態においては、1フレームを更新して、描画回路2070による描画が終了しているときに、次のフレームの描画を行うようにしたが、1フレームを更新することで、必ず次のフレームの描画を行うように構成してもよい。
また、本実施形態においては、描画の終了を条件として、1フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成したが、2フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、3フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、すなわち、1フレームの更新周期と描画回路の描画周期とが同一でなくてもよい。
また、本実施形態によれば、パチンコ遊技機について説明をしたが、遊技機の種類は、遊技媒体を用いるものであればこれに限定されず、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、雀球遊技機、アレンジボール遊技機等であってもよい。