以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態における遊技機1の正面図であり、図2は、ガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球200が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球200を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球200が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止ストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球200は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球200が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が第1の態様に制御されているときには、第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が第2の態様に制御されているときには、一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対し、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部であって遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示装置(LCD)として、第1液晶液晶表示装置(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37が設けられており、第1液晶表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。
なお、本実施形態においては、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37を液晶表示装置(LCD)として用いているが、プラズマディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄38をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄38を停止表示するものである。また、この演出図柄38の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、例えば、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に演出ボタン35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作に基づく操作入力信号を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、これと同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
また、ガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている(図3参照)。
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は、遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、遊技機1において行う特別図柄及び普通図柄ごとの当たり判定を行う判定テーブル(図5参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図6参照)、大当たり遊技が終了した後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル(図7参照)、大入賞口開放態様テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブル(図8参照)、特別電動役物作動態様決定テーブルを用いて決定された大入賞口開放態様テーブル(図9参照)、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図10参照)等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
このときの記憶領域の例として、例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。
この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対し、主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、この演算処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
例えば、サブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、そのデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、サブROM120bには、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル(図11参照)、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等が記憶されている。また、サブROM120bには、例えば後述の図35、図42、図44、図47に示す特別演出用の演出パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施の形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述の記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上述の各制御処理を行うこととなる。
画像制御基板150は、第1液晶表示装置(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37、さらには、音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置(メイン液晶)31及び第2液晶表示装置(サブ液晶)37のうちの少なくとも一方の表示装置における画像の表示制御と、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。なお、画像制御基板150の詳しい説明は、後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、操作ハンドル3が回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
次に、画像制御基板150における画像表示制御について説明する。
画像制御基板150は、上述したように、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37と、音声出力装置32とが接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37における画像の表示制御や、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
このとき、画像制御基板150と、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37との間には、画像データを表示させる際に所定の画像形式に変換して出力するブリッジ機能を有する汎用基板39が設けられている。
この汎用基板39は、画像データを表示する第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37の性能に対応する画像形式に変換するブリッジ機能を有しており、例えば、SXGA(1280ドット×1080ドット)の19インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときと、XGA(1024ドット×768ドット)の17インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときとの解像度の違い等を吸収する。
この画像制御基板150は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像の画像表示制御を行うため液晶制御CPU150a、液晶制御RAM150b、液晶制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、画像制御部(VDP(Video Display Processor))2000(以下、「VDP2000」と称する)と、音声出力装置32から音情報を出力する制御を行う音制御回路3000とを備えている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から受信した「演出パターン指定コマンド」に基づいて後述するディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによってCGROM151に記憶されている画像データを第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示させる指示を行う。
また、液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、液晶制御CPU150aは、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
液晶制御RAM150bは、液晶制御CPU150aに内蔵されており、液晶制御CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、液晶制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、液晶制御ROM150cは、マスクROM等で構成されており、液晶制御CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定した情報等などの情報を記憶している。
このアニメーション情報の一例については、以下で説明する。
続いて、CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、この画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
このCGROM151は、画像制御部2000によって画像データ単位で読み出しが行われ、このフレームの画像データ単位で画像処理が行われる。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000に出力し、このパルス信号を分周することで、VDP2000が制御を行うためのシステムクロック、第1液晶表示装置31や第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。また、このVRAM153は、後に説明する図12に示すようなメモリマップによって構成されている。
次に、図5〜図10を参照して、主制御基板110のメインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5(a−1)、図5(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルの一例を示す図である。図5(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図5(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図5(a−1)に示すテーブル大当たり判定テーブルと図5(a−2)に示す大当たり判定テーブルとでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
図5(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。具体的には、当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の特定の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
図6は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。図6(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
具体的には、図6に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには図6(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))を決定する。
また、第1特別図柄表示装置20においては、小当たりのときには図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。
また、ハズレのときには、図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照し、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。すなわち、「ハズレ」のときにはいずれの乱数値においても「00」の停止図柄データに決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり遊技の種類(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
図7は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブルである。
この図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された状態とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる。
ここで、「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。
具体的には、遊技状態バッファが「00H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない低確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「01H」であれば、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている高確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「02H」であれば、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない低確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「03H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている高確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。
図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルの特徴としては、同じ特別図柄の種類であっても、遊技状態バッファに記憶された情報に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。
具体的には、特別図柄の種類が特別図柄3(停止図柄データ03、第1確変大当たり3に対応)の場合には、高確率遊技フラグ及び高確率遊技回数(X)に関しては、遊技状態バッファに記憶されている情報に関わらず、大当たり遊技終了後には高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)を10000回に設定する。
一方、時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関しては、遊技状態バッファに時短遊技フラグがセットされていない遊技状態を示す情報(00Hまたは01H)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグのセットは行わず、時短回数(J)も0回にセットする。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグがセットされている遊技状態を示す情報(02Hまたは03H)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を10000回に設定する。
これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。
図8は、大入賞口開放態様テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブルである。
図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大入賞口開放態様テーブルが決定される。
後述するように、この大入賞口開放態様テーブルに基づいて、大当たり遊技が実行されることから、大入賞口開放態様テーブルが大当たり遊技の種類を示すものといえる。
また、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルの特徴としては、第2始動口15に遊技球が入球した場合に作動される第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成されている。
これは、非時短遊技状態においては、第2始動口15にほとんど遊技球が入球しないのに、第2始動口15に遊技球が入球した場合に短当たりが決定されてしまうと、せっかく時短遊技状態を設けても、遊技者の遊技に対する意欲を減退させてしまうおそれがあるからである。
本実施形態では、第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成したが、第2特別図柄表示装置21においても「短当たりテーブル」を決定するように構成しても構わない。ただし、第2特別図柄表示装置21において「短当たりテーブル」を決定する場合には、第1始動口14に遊技球が入球した場合に作動される第1特別図柄表示装置20と比べて、「短当たりテーブル」が決定されにくく構成することが望ましい。
図9は、図8で決定された大入賞口開放態様テーブルの構成を示す図であり、大入賞口開放態様テーブルによって第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bの開閉条件が決定される。
図9(a)は、大当たり遊技のときに参照される大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群であり、長当たりテーブル、短当たりテーブル、発展当たりテーブルから構成されている。
図9(b)は、小当たり遊技のときに決定される小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルを示している。
そして、長当たりテーブルに基づいて長当たり遊技が実行され、短当たりテーブルに基づいて短当たり遊技が実行され、発展当たりテーブルに基づいて発展当たり遊技が実行され、小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて小当たり遊技が実行されることになる。
図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(R)と、1つのラウンドにおける大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、大当り遊技の開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数(K)と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の開放時間と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の閉鎖時間と、1つのラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
これに対し、図9(b)に示す小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の小当たり遊技における最大開放回数(K)と、1回の小当たり遊技における大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、小当り遊技の開始から最初に大入賞口が開放するまでの開始インターバル時間と、各開放回数における大入賞口の開放時間と、各開放回数における大入賞口の閉鎖時間と、最後の大入賞口の閉鎖時間の終了から小当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの長当たりテーブルによれば、第1大入賞口開閉扉16bを作動させて、遊技領域6の右側にある第1大入賞口16を、1ラウンドあたり最大29秒まで開放させることができる。
ただし、開放時間が29秒を経過するまでに、規定個数(9個)の遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、第1大入賞口開閉扉16bの作動が終了して、1ラウンドの遊技が終了することになる。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの短当たりテーブルと図9(b)の小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルとは、最大ラウンド遊技回数(R)と最大開放回数(K)、閉鎖インターバル時間と各開放回数における大入賞口の閉鎖時間において、データの差異こそあるものの、同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを15回繰り返し)、遊技者は外見から短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのか判別することはできない。
これにより、遊技者に短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。
なお、本実施形態では、短当たり遊技の開放時間と小当たり遊技の開放時間とを全く同じ開放時間(0.052秒)に設定し、短当たり遊技の閉鎖時間と小当たり遊技の閉鎖時間とを全く同じ閉鎖時間(2秒)に設定した。しかしながら、全く同じ時間に設定せずとも、短当たり遊技であるのか小当たり遊技であるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けても構わない。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの発展当たりテーブルも、3回目の大入賞口の開放(K=3)までは、上述した短当たり遊技と小当たり遊技と同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が0.052秒の開放と2.0秒の閉鎖とを繰り返し)、遊技者は外見から発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技のいずれであるのかを判別することはできない。
しかしながら、4回目の大入賞口の開放(最大ラウンド遊技回数(R)=2、大入賞口の最大開放回数(K)=1)からは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間が長くなり(略29秒)、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別することができる。
このため、最初は遊技者に短当たり遊技または小当たり遊技であると認識させ、その後、遊技者に遊技球が獲得可能な大当たり遊技(発展当たり遊技)であると認識させる遊技(これを「発展当たり遊技」という)を行うことができる。
なお、本実施形態では、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別不能となる大入賞口の開放までは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の開放時間と全く同じ開放時間(0.052秒)に設定し、発展当たり遊技の大入賞口の閉鎖時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の閉鎖時間と全く同じ閉鎖時間(2秒)に設定した。しかしながら、同じ時間に設定せずとも、発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技のいずれであるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けてもよい。
また、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の短い開放時間(0.052秒)、「発展当たり遊技」の前半部の短い開放時間(0.052秒)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも短いため、第2大入賞口開閉扉17bが作動したとしても、第2大入賞口17に入賞することが困難である。
このため、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の開放態様、「発展当たり遊技」の前半部の開放態様は「不利な開放態様」といえる。
一方、「長当たり遊技」の長い開放時間(29秒)、「発展当たり遊技」の後半部の長い開放時間(29秒)は、遊技球が1個発射される時間(約0.6秒)よりも長いため、「有利な開放態様」といえる。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルによれば、長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技に関わらず、全ての大当たりのときの最大ラウンド遊技回数(R)を同一の回数に設定している。このため、従来のようにラウンド遊技回数を識別させるための表示装置を設ける必要がなくなる。
図10は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。
そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。この変動パターン指定コマンドの一例を図11に示す。
したがって、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
ここで、特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成されている。
そして、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
また、この図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が3000msの変動パターン9(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が3000msを超える変動パターンが決定される。
このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
このような各種テーブルが主制御基板110のメインROM110bに記憶されている。
次に、図11を参照して、演出制御基板120のサブROM120bに記憶されている変動演出パターン決定テーブルの詳細について説明する。
図11は、液晶表示装置31等においての演出図柄36の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1(0〜99)に基づいて、変動演出パターンを決定する。
この図11では、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドをサブCPU120aが受信した場合であっても演出用乱数値1に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、演出制御基板120で記憶する変動演出パターンに比べて主制御基板110で記憶する特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させている。これにより、主制御基板110における記憶容量の削減を図ることができるとともに、バリエーション豊富な演出が可能となる。
この「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出(これを「通常演出」ともいう。)の態様をいう。例えば、液晶表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄36の変動態様が決定される。
また、本実施形態において、「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄36の組合せとして「777」の3桁の演出図柄36の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄36が「7」で停止表示され、残りの演出図柄36が変動表示を行っている状態を「リーチ」という。
サブCPU120aは、変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを特定して画像制御基板150の液晶制御CPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。
また、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、例えば、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド」等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施の形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。すなわち、(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施の形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」とは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」とは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
本実施の形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり遊技」と、第2大入賞口17を短い開放時間で開放させてから、長い開放時間で開放させる「発展当たり遊技」との3種類の「大当たり遊技」と、1種類の「小当たり遊技」とが設けられている。なお、本実施の形態においては、「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり遊技」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長大当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり遊技」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。すなわち、「長当たり遊技」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。また、第1大入賞口16は、遊技領域6の右側の領域に設けられていることから、「長当たり遊技」のときには、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い発射強度で遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。
本実施形態において、「短当たり遊技」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり遊技」は、「長当たり遊技」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において、「発展当たり遊技」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、発展当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「発展当たり遊技」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。初回のラウンド遊技において、第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を複数回実行した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を行う。2ラウンド遊技以降の第2大入賞口17の最大開放時間は29秒に設定されており、この間に第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「発展当たり遊技」は、当初は第2大入賞口17の開放時間が短い開閉動作を繰り返した後、第2大入賞口17の開放時間が長い開閉動作を繰り返している間には、第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
本実施形態において、「小当たり遊技」とは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
図12は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において用いるフレームバッファの構成を示す構成図の例である。
図12(a)は、第1液晶表示装置31、第2液晶表示装置37のうちのいずれか一方を用いて画像データを表示する場合であって、特に、第1液晶表示装置31のみが画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、図4に示しているように第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37が接続された構成でなく、この第2液晶表示装置37を有していない場合の構成におけるメモリマップである。
図12(a)に示すメモリマップは、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域によって構成されている。
画像データ展開領域153bは、VDP2000に含まれる後述するような伸長回路により伸長された画像データを記憶する領域であって、ディスプレイリスト記憶領域153aは、液晶制御CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶する領域である。
また、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153dは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第1液晶表示装置31に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
ちなみに、その他の領域には、例えば、パレットデータ等が記憶される。
なお、このメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
図12(b)は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37の両表示装置に画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、図4に示しているように第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37が接続された構成におけるメモリマップである。
この図12(b)においても、図12(a)に示すメモリマップと同様、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域を具備し、さらに、サブ液晶用第1フレームバッファ153e、サブ液晶用第2フレームバッファ153fを具備して構成されている。
画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域については、上記に示すと同様であり、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第2液晶表示装置37に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
なお、このサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
以上に示す以外にも、第2液晶表示装置37を有しない構成、すなわち、第1液晶表示装置31のみを有する構成であっても、図12(b)に示すような第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のフレームバッファを有するメモリマップを用いることも可能である。
この場合、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのフレームバッファは作業領域として用いられることはない。
続いて、VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、液晶制御CPU150aからの指示に基づいて、第1液晶表示装置31についてはメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dとのいずれか、第2液晶表示装置37についてはサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのいずれか、のフレームバッファのうち「表示用フレームバッファ」から画像データを読み出す。
そして、読み出した画像データに基づいて、映像信号(LVDS信号やRGB信号等)を生成して、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に出力して表示させるものである。
このVDP2000は、図示しない制御レジスタ、CGバス I/F、CPU I/F、クロック生成回路、伸長回路、描画回路、表示回路、メモリコントローラを備えており、これらはバスによって接続されている。
制御レジスタは、VDP2000が描画や表示の制御を行うためのレジスタであり、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタは、VDP2000が動作するために必要な基本的な設定を行う「システム制御レジスタ」と、データの転送に必要な設定をする「データ転送レジスタ」と、描画の制御をするための設定をする「描画レジスタ」と、バスのアクセスに必要な設定をする「バスインターフェースレジスタ」と、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする「伸長レジスタ」と、表示の制御をするための設定をする「表示レジスタ」との6種類のレジスタを備えている。
CGバス I/Fは、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/Fを介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/Fは、液晶制御CPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、このCPU I/Fを介して液晶制御CPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号を液晶制御CPU150aに入力したりする。
データ転送回路は、各種デバイス間のデータ転送を行う。具体的には、液晶制御CPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を第1液晶表示装置31に出力する。
伸長回路は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを画像データ展開領域153bに記憶させる。
描画回路は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路は、VRAM153にあるメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cおよびメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dおよびサブ液晶用第1フレームバッファ153eおよびサブ液晶用第2フレームバッファ153fのうち、「表示用フレームバッファ」として機能するフレームバッファに記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示す映像信号を生成する。
そして、表示回路は、生成した映像信号を第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に出力する回路である。さらに、この表示回路は、第1液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力し、第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力する。
メモリコントローラは、液晶制御CPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROM(図示せず)が備えられており、音制御回路3000が、演出制御基板120から送信された音声出力指示のコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
図13は、本実施形態における遊技機1の画像制御基板150において用いるアニメーション情報を示す図である。
図13(a)に示すアニメパターンは、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像を構成する構成情報であるオブジェクト等のほか、その演出画像の表示を行うタイミングや場面であるシーンが指定された情報であって、演出に際して表示する演出画像を成形する画像成形情報である。
このアニメパターンが1または複数、束ねられることによってグループ(以下、「アニメグループ」ともいう)を形成しており、例えば、図13(a)では、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ、演出図柄38のアニメーションを表示するための演出図柄グループを示している。
もちろん、これらはグループの一例を示したものに過ぎず、その他多数のグループが設けられているものである。
このアニメグループは、液晶制御ROM150cに記憶されている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120におけるサブCPU120aから演出パターン指定コマンドを受信し、この演出パターン指定コマンドに基づいて実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
図13(b)〜図13(d)及び図13(e)は、図11に示す演出パターン決定テーブルにおいて指定された演出パターン指定コマンドのうち、「A1H07H」の演出パターン指定コマンドを受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
この演出パターン指定コマンド(A1H07H)は、通常変動演出を「変動演出パターン7」の変動演出パターンによって行うことを指示するコマンドであって、例えば、その通常変動演出を行う際に用いる構成要素が属するアニメグループであって、変動演出に用いられる役割ごとに別けたアニメグループの少なくとも1つを特定するものである。
すなわち、液晶制御ROM150cには、演出パターン指定コマンドとその演出パターン指定コマンドの演出パターンに用いるアニメグループとが対応付けられたアニメグループ対応テーブル(図示せず)を記憶しておき、液晶制御CPU150aでは、このアニメグループ対応テーブルを用いて演出パターン指定コマンドに対して用いるアニメグループを決定する。
例えば、変動演出パターン「7」に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信すると、液晶制御CPU150aは、「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループ」の4つのグループを決定し、これら各アニメグループからアニメパターンの決定を可能とする。
一例として、背景グループから「アニメパターン1」を決定し、予告Aグループから「アニメパターン11」を決定し、予告Bグループから「アニメパターン21」を決定し、演出図柄グループから「アニメパターン501」を決定する。
このアニメパターンは、図13(b)〜図13(d)及び図13(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序や表示する表示装置を指定した情報等を記憶している。
例えば、図13(e)に示す演出図柄グループのアニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「サブ液晶(第2液晶表示装置37)」が指定されていることから、1番目にアニメシーン501が実行され、このアニメシーン501に続いて2番目にアニメシーン511が実行されて、サブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
液晶制御RAM150bには、1フレーム毎に計数して更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にこの「シーン切換カウンタ」が540を計数することによって、2番目のアニメシーン511へとアニメシーンが切り替わる。
そして、2番目のアニメシーン511を実行している間に「シーン切換カウンタ」によって「60」(60フレーム分)を計数されると、演出図柄グループのアニメパターンのアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であって、例えば、第1液晶表示装置31が1秒間に60フレームを表示する場合には、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されて行く。
上記の例では、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されていく例を示しているが、これに限定されることなく、「1/30秒(約33.3ms)」ごとに1フレームが更新されていくような構成であってもよい。この場合、表示装置は1秒間に30フレームを表示することとなる。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、アニメーション情報として、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定する情報等などを記憶している。
例えば、図13(e)に示すアニメシーンでは、最初に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が所定の座標(第1図柄は座標(x30、y30)、第2図柄は座標(x40、y40)、第3図柄は座標(x50、y50)、第4図柄は座標(x60、y60))に20フレーム(約0.33秒)分、表示され続ける。
その後、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が別の座標(第1図柄は座標(x31、y31)、第2図柄は座標(x41、y41)、第3図柄は座標(x51、y51)、第4図柄は座標(x61、y61))に15フレーム(約0.25秒)分、表示され続ける。
以降も同様に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が予め定められたフレーム分、指定された座標に表示され続けていくと、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションとなる。
また、図13(b)〜図13(d)に示す「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ」の各アニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「メイン液晶(第1液晶表示装置31)」が指定されており、背景グループでは図13(b)に示すようにアニメシーン1が「600」フレーム実行され、予告Aグループでは図13(c)に示すようにアニメ−シーン0が「120」フレーム実行された後にアニメシーン11が「180」フレーム実行され、予告Bグループでは図13(d)に示すようにアニメシーン0が「180」フレーム実行された後にアニメシーン21が「240」フレーム実行されて、メイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
以上のようなことから、図13(b)〜図13(d)に示すように「背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と」の複数のアニメパターンが決定されてこれらのアニメパターンのアニメーションが時系列に並列して実行されることでメイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンに基づく演出画像が表示され、図13(e)に示すように、「演出図柄グループからはアニメパターン501」のアニメパターンが決定され、このアニメパターンのアニメーションが実行されることでサブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンに基づく演出画像が表示される。
これによって、第1液晶表示装置31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。
なお、これらの画像は、第1液晶表示装置31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて画像として視認できない状態となる。
さらに、第2液晶表示装置37の表示領域には、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)(停止時間)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。なお、第2液晶表示装置37には演出図柄のみを表示する例を示しているが、これに限定することなく、例えば、第1液晶表示装置31において表示した背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して表示するようにしてもよい。
図14は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの例であって、表示する表示装置ごとのディスプレイリストの例を示している。
図14(a)は、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第1ディスプレイリストの一例であり、図14(b)は、第2液晶表示装置37において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第2ディスプレイリストの一例である。
液晶制御CPU150aにおいて、上記で説明した図13に示すようなアニメーション情報を元にアニメパターンを決定すると、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37それぞれに表示する所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストをそれぞれ生成する。すなわち、表示装置の数に応じて単位フレームごとにディスプレイリストが生成されることとなる。
液晶制御CPU150aは、このようにして生成したディスプレイリストそれぞれをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法は、液晶制御CPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
以下に、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を構成するディスプレイリストの例を示す。
図14(a)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い「優先順位9」のデータが対応づけられ、予告Aグループには「優先順位8」のデータが対応づけられ、予告Bグループには「優先順位7」のデータが対応づけられる。そして、大当り演出グループには最も高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。
また、図14(b)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには優先順位の低い「優先順位2」のデータが対応づけられ、演出図柄グループには優先順位の高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。この図14(b)に示す例では、上記において、背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して第2液晶表示装置37に表示する場合におけるディスプレイリストの例を示している。もちろん、背景グループからなるアニメパターン1のみを表示するような場合には演出図柄グループのアニメシーン501のみを指定したディスプレイリスト、すなわち、図14(b)のアニメグループのカラムで「背景グループ」が指定されているレコードを含まないディスプレイリストとする。
そして、図14(a)では、上記の図13(b)〜図13(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21との複数のアニメパターンが決定されたものとし、図14(b)では、図13(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、第1液晶表示装置31に表示する演出画像に対応するディスプレイリストとして、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(大当り演出グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(a)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
次に、第2液晶表示装置37に表示する演出画像に対応するディスプレイリストとして、低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1と、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)との描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(b)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
この図14(a)及び図14(b)に示すようなディスプレイリストは、液晶制御CPU150aが必要なデータを参照しながら生成される。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめた表示装置ごとのディスプレイリスト(第1ディスプレイリストおよび第2ディスプレイリスト)を、液晶制御CPU150aがVDP2000に出力することによってVDP2000を構成する描画回路がディスプレイリストごとに演出画像を描画する描画処理を行い、描画処理された演出画像を対応する表示装置(第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置37)に表示する。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
図15は、遊技機1の主制御基板110で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS1501において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この初期化処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
続いて、ステップS1502において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
そして、ステップS1503において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。
このような処理が行われると、ステップS1504において、メインCPU110aは、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し、電断処理が行われるまで(S1504でNO)は割り込み処理が行われることによって演出用乱数値更新処理(S1502)以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われると(S1504でYES)処理を終了する。
図16は、遊技機1の主制御基板110で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1601において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1602において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS1603において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0(ゼロ)に戻してその時の初期乱数値0(ゼロ)からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
次に、ステップS1604において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
次に、ステップS1605において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この入力制御処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、ぞれぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
次に、ステップS1606において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。
続いて、ステップS1607において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
そして、ステップS1608において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
次に、ステップS1609において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
また、ステップS1610において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、ステップS1609で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、ステップS1609で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS1611において、メインCPU110aは、ステップS1601で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
図17は、遊技機1の主制御基板110で行われる特図特電制御処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、ステップS1701において、特図特電処理データの値をロードし、ステップS1702において、ロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照する。
このとき、特図特電処理データが0(ゼロ)であれば、特別図柄記憶判定処理を行い(S1703)、また、特図特電処理データが1であれば特別図柄変動処理を行い(S1704)、特図特電処理データが2であれば特別図柄停止処理を行う(S1705)。
また、特図特電処理データが3であれば大当たり遊技処理を行い(S1706)、特図特電処理データが4であれば大当り遊技終了処理を行い(S1707)、特図特電処理データが5であれば小当り遊技終了処理を行う(S1708)。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
このときの特別図柄記憶判定処理として、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。この特別図柄記憶判定処理の詳細な流れを、図18を用いて説明する。
図18を用いて、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS1801−1において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップS1801−2に処理を移す。
このステップS1801−2において、メインCPU110aは、特別図柄の変動中ではない場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上であると判定した場合にはステップS1801−3に処理を移し、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域が1以上でない場合にはステップS1801−4に処理を移す。
ステップS1801−3において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
ステップS1801−4において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上であると判定した場合にはS1801−5に処理を移し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域が1以上でない場合には、ステップS1810−1に処理を移す。
ステップS1801−5において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算して更新する。
ステップS1801−6において、メインCPU110aは、ステップS1801−2〜S1801−5において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
具体的には、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、特図変動用乱数値が消去される。
なお、本実施形態では、ステップS1801−2〜S1801−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS1802において、メインCPU110aは、ステップS1801−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたデータ(特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値)に基づいて、大当たり判定処理を実行する。詳しくは、図19を用いて、後述する。
ステップS1803においては、メインCPU110aは、変動パターン決定処理を行う。変動パターン決定処理は、図10に示す変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの判定結果、特別図柄の種類、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U)、取得したリーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
ステップS1804において、メインCPU110aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS1805において、メインCPU110aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS1806において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、ステップS1609でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS1610において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
ステップS1807において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄時間カウンタにステップS1803において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタはステップS1602において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS1808において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに00Hをセットし、デモ判定フラグをクリアする。
ステップS1809において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1をセットし、図20に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS1810−1において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていない場合にはステップS1810−2に処理を移す。
ステップS1810−2において、メインCPU110aは、後述するステップS1810−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
ステップS1810−3において、メインCPU110aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
再び、図17の特図特電制御処理について説明を戻す。ステップS1704の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、決定された特別図柄の変動時間が経過したか(特別図柄時間カウンタ=0)否かを判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、ステップS1807においてセットされた特別図柄の変動時間のカウンタは、ステップS1602において減算処理されていく。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、時短回数(J)>0のときには時短回数(J)カウンタから1を減算して更新し、時短回数(J)=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)>0のときには高確率遊技回数(X)カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数(X)=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップ1705の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータを参照し、現在の遊技状態を示すデータ(00H〜03H)を遊技状態バッファにセットする。その後に、高確率遊技フラグ記憶領域および時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているデータ(高確率遊技フラグと時短遊技フラグ)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタをクリアする。さらに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS1706の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、長当たりまたは短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、まず特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する(長当たりテーブル、短当たりテーブルまたは発展当たりテーブルを決定する)。
次に、決定した大当たりの開放態様を実行させるために、大入賞口開放態様テーブルを参照し、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9または特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS1707の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には、大当たり遊技終了時設定データテーブルを参照し、遊技状態バッファに記憶されているデータと、決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定を行う。例えば、特別図柄1であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)カウンタに10000回をセットする。さらに、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットし、時短回数(J)カウンタにも10000回をセットする。
その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
ステップS1708の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、特別電動役物作動態様決定テーブルを参照し、決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、決定した小当たりの開放態様を実行させるために、大入賞口開放態様テーブルを参照し、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15または大入賞口入球数(C)=9である)と、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
図19を用いて、遊技機1の主制御基板における大当り判定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
ステップS1901において、メインCPU110aは、確率遊技状態に基づいて、ステップS1801−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値が「大当たり」の乱数値であるか否かを判定する。
具体的には、ステップS1801−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−1)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、ステップS1801−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−2)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値が「大当たり」であるか否かを判定する。
その判定結果として、大当りと判定された場合にはステップS1902に処理を移し、大当りと判定されなかった場合にはステップS1905に処理を移す。
ステップS1902において、メインCPU110aは、ステップS1801−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする大当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、ステップS1801−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、第1特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図6(a)参照)を参照し、ステップS1801−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、第2特別図柄表示装置用の図柄決定テーブル(図6(a)参照)を参照して、大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止する特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
なお、決定された特別図柄は、後述するように図21の特別図柄停止処理において「大当たり」か「小当たり」を決定するのに用いられるとともに、図22の大当たり遊技処理や図24の小当たり遊技処理において大入賞口の作動態様を決定するのにも用いられ、図23の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技状態を決定するためにも用いられる。
ステップS1903において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS1904において、メインCPU110aは、遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にセットされた情報から大当たり当選時の遊技状態を判定し、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技状態情報を遊技状態バッファにセットする。
具体的には、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていなければ00Hをセットし、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされていれば01Hをセットし、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていなければ02Hをセットし、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされていれば03Hをセットする。
このように遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)とは別に、遊技状態バッファに大当たり当選時の遊技状態をセットすることとしたのは、大当たり遊技中には遊技状態記憶領域(時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域)にある高確率遊技フラグや時短遊技フラグがリセットされてしまうため、大当たり終了後に大当たりの当選時の遊技状態に基づいて、新たに大当たり終了時の遊技状態を決定する場合には、遊技状態記憶領域を参照することができないからである。
このように、遊技状態記憶領域とは別に、大当たり当選時の遊技状態を示す遊技情報を記憶するための遊技状態バッファを設けることにより、大当たり終了後に遊技状態バッファにある遊技情報を参照することで、大当たり当選時の遊技状態に基づいて新たに大当たり終了後の遊技状態(時短遊技状態や時短回数など)を設定できる。
ステップS1905において、メインCPU110aは、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当りと判定された場合には、ステップS1906に処理を移し、小当りと判定されなかった場合には、ステップS1908に処理を移す。
具体的には、ステップS1801−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第1特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−1)の第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照し、ステップS1801−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域が第2特別図柄記憶領域である場合には、図5(a−2)の第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブルを参照して、特別図柄判定用乱数値が「小当たり」であるか否かを判定することとなる。
ステップS1906において、メインCPU110aは、ステップS1801−6において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた小当たり図柄用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする小当たり図柄決定処理を行う。
具体的には、図6(b)の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を示す停止図柄データを決定し、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS1907において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、小当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS1908において、メインCPU110aは、図6(c)の図柄決定テーブルを参照してハズレ用の特別図柄を決定し、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS1909において、メインCPU110aは、演出制御基板120に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを生成し、演出用伝送データ格納領域にセットして、大当たり判定処理を終了する。
図20を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
ステップS2001において、メインCPU110aは、S1807においてセットされた変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、変動時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS2002において、メインCPU110aは、セットされた時間を経過したと判定した場合には、セットされた変動表示データをクリアして、セットされた特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるための、停止図柄データを所定の処理領域にセットする。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS2003において、メインCPU110aは、図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS2004において、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、特別図柄時間カウンタに図柄停止時間(0.5秒=125カウンタ)をセットする。なお、特別図柄時間カウンタはS1602において4ms毎に1を減算して更新されていく。
ステップS2005において、メインCPU110aは、特図特電処理データに2をセットし、図21に示す特別図柄停止処理に処理を移して、特別図柄変動処理を終了する。
図21は、遊技機1の主制御基板110における特別図柄停止処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS2101において、メインCPU110aは、S1704−4においてセットされた図柄停止時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定する。その結果、図柄停止時間を経過していないと判定した場合には、特別図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
ステップS2102において、メインCPU110aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされているか否かを判定し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがセットされている場合には、時短回数(J)記憶領域に記憶されている時短回数(J)から1を減算して更新し、新たな時短回数(J)が「0」か否かを判定する。その結果、時短回数(J)が「0」である場合には、時短遊技フラグ記憶領域にセットされている時短遊技フラグをクリアし、時短回数(J)が「0」でない場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをセットしたまま、ステップS2103に処理を移す。
一方、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS2103に処理を移す。
ステップS2103において、メインCPU110aは、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされているか否かを判定し、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされている場合には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている高確率遊技回数(X)から1を減算して更新し、新たな高確率遊技回数(X)が「0」か否かを判定する。その結果、高確率遊技回数(X)が「0」である場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数(X)が「0」でない場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されている高確率遊技フラグをセットしたまま、ステップS2104に処理を移す。
一方、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率遊技フラグがセットされていない場合には、そのままステップS2104に処理を移す。
ステップS2104において、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS2105において、メインCPU110aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には、停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜06?)のものであるか否かを判定する。
ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS2110に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS2106に処理を移す。
ステップS2106において、メインCPU110aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが小当たり図柄(停止図柄データ=07、08?)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS2107に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS2109に処理を移す。
ステップS2107において、メインCPU110aは、特図特電処理データに4をセットし、図24に示す小当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS2108において、メインCPU110aは、小当たり開始準備設定処理を行う。
この小当たり開始準備設定処理では、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、小当たりの開放態様を決定するための図9(b)に示す大入賞口開放態様決定テーブル(「小当たりテーブル」)を決定する。
ステップS2109において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図18に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
ステップS2110において、メインCPU110aは、特図特電処理データに3をセットし、図22に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS2111において、メインCPU110aは、遊技状態や時短回数をリセットする。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短回数(J)記憶領域に記憶されているデータをクリアする。
ステップS2112において、メインCPU110aは、大当たり開始準備設定処理を行う。
この大当たり開始準備設定処理では、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群から、「長当たりテーブル」、「短当たりテーブル」、「発展当たりテーブル」のいずれかの大入賞口開放態様決定テーブルを決定する。
ステップS2113において、メインCPU110aは、ステップS2108またはステップS2112で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技、小当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたオープニング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS2114において、メインCPU110aは、ステップS2108またはステップS2112で決定された大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、開始インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、S1602において、4ms毎に減算処理される。本処理を終了したら、特別図柄停止処理を終了する。
図22は、遊技機1の主制御基板110における大当たり遊技処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS2201において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。具体的には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に「0」が記憶されていれば、現在オープニング中であるので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域を参照し、現在オープニング中であるか判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS2202に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、ステップS2206に処理を移す。
ステップS2202において、メインCPU110aは、ステップS2114で決定された開始インターバル時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、開始インターバル時間を経過したと判定する。その結果、開始インターバル時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、開始インターバル時間を経過している場合にはステップS2203に処理を移す。
ステップS2203において、メインCPU110aは、大当たり開始設定処理を行う。
大当たり開始設定処理は、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。ここでは、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」が記憶されることとなる。
ステップS2204において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して更新する。また、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを開放するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、ステップS2112で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS2205において、メインCPU110aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、演出制御基板120にラウンド回数の情報を送信するため、ラウンド遊技回数(R)に応じて大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。例えば、大当たりの1ラウンド目の開始においては、ラウンド遊技回数(R)が「1」にセットされ、K=1となっているので、大入賞口開放1ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、K=1でない場合には、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、ラウンドの開始のときのみ、大入賞口開放(R)ラウンド指定コマンドを送信するようにしている。
ステップS2206において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS2218に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS2207に処理が移される。
ステップS2207において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。その結果、大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS2208に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS2209に処理を移す。
ステップS2208において、メインCPU110aは、後述するステップS2210において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS2210において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS2204に処理を移す。
ステップS2209において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS2210に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS2210において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第1大入賞口開閉ソレノイド16cまたは第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止する。次に、ステップS2212で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a))を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、第1大入賞口16または第2大入賞口17の閉鎖時間(閉鎖インターバル時間または1回の閉鎖時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS2211において、メインCPU110aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS2212に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
ステップS2212において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットするラウンドデータ初期化処理を行う。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。ただし、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)はクリアしない。
ステップS2213において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判定する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS2215に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS2214に処理を移す。
ステップS2214において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。
ステップS2215において、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
ステップS2216において、メインCPU110aは、ステップS2112で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)に基づいて、特別遊技の種類(長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技)を判定し、特別遊技の種類に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS2217において、メインCPU110aは、ステップS2112で決定された大入賞口開放態様決定テーブル(図9(a)参照)に基づいて、大当たりの種別に応じた終了インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS2218において、メインCPU110aは、設定された終了インターバル時間を経過したか否かを判定し、終了インターバル時間を経過したと判定した場合にはステップS2219において、メインCPU110aは、特図特電処理データに5をセットし、図23に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。一方、終了インターバル時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
図23は、遊技機1の主制御基板110における大当たり遊技終了処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
ステップS2301において、メインCPU110aは、停止図柄データ記憶領域にセットされた停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報をロードする。
ステップS2302において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS2301においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、大当り終了時に高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。例えば、停止図柄データが「03」であれば、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットする。
ステップS2303において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS2301においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データが「03」であれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS2304において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS2301においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。
例えば、停止図柄データが「03」の場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットしないが、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。
ステップS2305において、メインCPU110aは、図7に示す大当たり終了時設定データテーブルを参照し、ステップS2301においてロードした停止図柄データ及び遊技状態バッファにある遊技情報に基づいて、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、停止図柄データが「03」の場合に、遊技状態バッファにある遊技情報が00Hまたは01Hのときには時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に0回をセットし、遊技状態バッファにある遊技情報が02Hまたは03Hのときには時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS2306において、メインCPU110aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS2307において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図18に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
図24は、遊技機1の主制御基板110における小当たり遊技処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、ステップS2401において、メインCPU110aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS2402に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、ステップS2404に処理を移す。
ステップS2402において、メインCPU110aは、S2114で決定された開始インターバル時間を経過したか否かを判定する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、開始インターバル時間を経過したと判定する。その結果、開始インターバル時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、開始インターバル時間を経過している場合にはステップS2403に処理を移す。
ステップS2403において、メインCPU110aは、大入賞口開放処理を行う。
大入賞口開放処理は、まず開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。また、第2大入賞口開閉扉17bを開放するために第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データをセットするとともに、ステップS2108で決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、開放回数(K)に基づいて、第2大入賞口17の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS2404において、メインCPU110aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、予め設定された開放回数(K)の遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS2413に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS2405に処理が移される。
ステップS2405において、メインCPU110aは、大入賞口の閉鎖中であるか否かを判定する。具体的には、第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データがセットされている否かが判定される。大入賞口の閉鎖中と判定された場合には、ステップS2406に処理を移し、大入賞口の閉鎖中でないと判定された場合には、ステップS2407に処理を移す。
ステップS2406において、メインCPU110aは、後述するステップS2408において設定された閉鎖時間が経過したか判定される。なお、閉鎖時間は、後述するステップS2408において開始インターバル時間と同様に特別遊技タイマカウンタにセットされ、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、閉鎖時間を経過していない場合には、大入賞口の閉鎖を維持するため当該小当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過している場合には大入賞口を開放させるためステップS2403に処理を移す。
ステップS2407において、メインCPU110aは、大入賞口の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。
この「開放終了条件」は、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(9個)に達したこと、または開放回数(K)における1回あたりの開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が該当する。
そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS2408に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS2408において、メインCPU110aは、大入賞口閉鎖処理を行う。
大入賞口閉鎖処理は、第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖するために、第2大入賞口開閉ソレノイド17cを通電させる通電データを停止するとともに、ステップS2108で決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、現在の開放回数(K)に基づいて、第2大入賞口17の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口が閉鎖することになる。
ステップS2409において、メインCPU110aは、小当たり終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、1回の小当たりは、大入賞口入球カウンタ(C)の値が規定個数(例えば9個)に達したこと、または開放回数(K)が最大開放回数となることを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。
そして、小当たり終了条件が成立したと判定した場合にはステップS2410に処理を移し、小当たり終了条件が成立していないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
ステップS2410において、メインCPU110aは、開放回数(K)記憶領域に0をセットするとともに、大入賞口入球数(C)記憶領域に0をセットする。すなわち、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域をクリアする。
ステップS2411において、メインCPU110aは、小当たりの種別に応じたエンディング指定コマンドを演出制御基板120に送信するために演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS2412において、メインCPU110aは、上記ステップS330−8で決定された開放態様決定テーブル(図9(b)参照)を参照して、小当たりの種別に応じた終了インターバル時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS2413において、メインCPU110aは、設定された終了インターバル時間を経過したか否かを判定し、終了インターバル時間を経過したと判定した場合には、ステップS2414において、メインCPU110aは、特図特電処理データに0をセットし、図18に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移し、終了インターバル時間を経過していないと判定した場合には、小当たり遊技処理を終了する。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
図25は、遊技機1の演出制御基板120におけるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
S2501において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S2502に処理を移す。
S2502において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、S2502の処理を繰り返し行う。
ステップS2503において、サブCPU120aは、電断処理を行うか否かを判断し、電断処理を行う場合には処理を終了し、電断処理を行わない場合にはステップS2502に処理を戻す。
図26は、遊技機1の演出制御基板120におけるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、S2601において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
S2602において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
S2603において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図27及び図28後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2603において受信したコマンドの解析処理が行われる。
S2604において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
S2605において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
S2606において、サブCPU120aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
図27及び図28を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図28のコマンド解析処理は、図27のコマンド解析処理に引き続いて行われるものである。
ステップS2701において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればS2702に処理を移す。
ステップS2702において、サブCPU120aは、受信バッファにあるコマンドが、遊技履歴情報の記録指示を受け付けるためのパスワード(ログインコマンド)であるか否かを確認し、ログインコマンドであれば、ステップS2703において、サブRAM120c等のメモリ(後述の状態保持部202)において、ログインフラグ=1(ON)を設定し、ログインコマンドでなければステップS2704に処理を移す。
ステップS2704において、サブCPU120aは、受信バッファにあるコマンドが、遊技履歴情報の記録指示の受付停止を命令するログアウトコマンドであるか否かを確認し、ログアウトコマンドであれば、ステップS2705において、サブRAM120c等のメモリ(後述の状態保持部202)において、ログインフラグ=0(OFF)を設定し、ログアウトコマンドでなければステップS2706に処理を移す。
ステップS2706において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS2707に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS2708に処理を移す。
ステップS2707において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2708において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS2709に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS2710に処理を移す。
ステップS2709において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、液晶表示装置31に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS2710において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS2711に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS2713に処理を移す。
ステップS2711において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2712において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS2713において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS2714に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS2715に処理を移す。
ステップS2714において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。このステップS2714の処理の詳細については、後述する。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、図11に示す変動演出パターン決定テーブルを参照し、取得した演出用乱数値1に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。例えば、変動パターン指定コマンドとして「E6H01H」を受信したときには、取得した演出用乱数値1が「0〜49」であれば変動演出パターン1を決定し、取得した演出用乱数値が「50〜99」であれば変動演出パターン2を決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットする。さらに、決定した変動演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
その後、かかる演出パターンに基づいて、第1液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。
ステップS2715において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS2716に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS2717に処理を移す。
ステップS2716において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS2717において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS2718に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS2719に処理を移す。
ステップS2718において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS2719において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS2720に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS2721に処理を移す。
ステップS2720において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2721において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS2722に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS2723に処理を移す。
ステップS2722において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS2723において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS2724に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS2724において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
次に、画像制御基板150における液晶制御CPU150aにより実行される処理について説明する。
図29を用いて、画像制御基板150のメイン処理を説明する。電源基板170により電源が供給されると、液晶制御CPU150aにシステムリセットが発生し、液晶制御CPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2901において、液晶制御CPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、液晶制御CPU150aは、電源投入に応じて、液晶制御ROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、液晶制御CPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、液晶制御CPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、
(1)表示回路に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、
(2)伸長回路に使用頻度の高い画像データ(演出図柄36等の画像データ)をVRAM153の画像データ展開領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、
(3)描画回路に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2902において、液晶制御CPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。すなわち、電源投入開始時にはステップS2901で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には、出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2903において、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(液晶制御RAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2903において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(例えば、図11に示すような演出パターン指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2904に処理を移す。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する(図13参照)。そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出指示コマンドを送信バッファから消去する。
ステップS2904において、液晶制御CPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS3002において更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、上記ステップS2903で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2905において、液晶制御CPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく(図14参照)。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、液晶制御CPU150aはディスプレイリストをVDP2000に出力する。なお、出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/Fを介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
ステップS2906において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。ここで、FB切換えフラグは、図30(b)で後述するように、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2906では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2907に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
ステップS2907において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)、ステップS2020に処理を移す。
以降は、図30に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2902〜ステップS2907の処理を繰り返し行う。
図30を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図30を用いて説明を行う。
図30(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、CPU I/Fを介して、液晶制御CPU150aに描画終了割込信号を出力する。液晶制御CPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する
描画終了割込処理においては、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS3001)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
図30(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。VDP2000は1/60秒(約16.6ms)毎に、CPU I/Fを介して、液晶制御CPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。液晶制御CPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
ステップS3002において、液晶制御CPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
ステップS3003において、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS3004に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS3004以降の処理が行われない。
ステップS3004において、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
ステップS3005において、液晶制御CPU150aは、VDP2000のメモリコントローラ2090に「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。具体的には、液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、表示レジスタの1bit目に1を加算する処理を行う。
ステップS3006において、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01をセットし(FB切換えフラグをオンにし)、待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、液晶制御CPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方における画像表示を制御する。
図31は、本実施形態における遊技機1を用いて構成した遊技システムの全体構成を示す図である。
図31において、遊技システムは、遊技機1と、遊技機1に表示されるコード情報を読み取るコード情報読み取り機能を有する情報端末300と、情報端末300によって読み取ったコード情報に含まれる情報に基づく処理を行う情報処理サーバ(情報管理装置)400と、情報端末300と情報処理サーバ400との通信を制御する通信制御装置500とを少なくとも有する構成である。
情報端末300は、遊技機1に表示されたコード情報を読み取るために撮像する撮像装置(以下、「カメラ」という。)を搭載し、このカメラを用いてコード情報を撮像する。撮像したコード情報に基づいて情報処理サーバ400へと通信制御装置500を介して遊技者に関する情報(以下、「遊技者情報」という)、例えば遊技者IDや遊技者の遊技履歴情報などの取得要求を行う。
情報処理サーバ400は、情報端末300からの遊技者情報の要求に対する応答を行う。なお、通信制御装置500は、一般的に通信に用いる回線等を提供するキャリアにおける処理制御装置であって、通信制御を行うものである。
図32は、遊技機1を用いた遊技システムにおいて行われるログインログアウト処理の詳細な処理遷移を表すシーケンス図である。この図32を用いて、図31に示す遊技システムを構成する情報処理サーバ(情報管理装置)と、遊技者の携帯電話等の情報端末と、遊技機1とにおけるログインログアウト処理の詳細な処理遷移を説明する。
まず、遊技機1は、第1液晶表示装置31に遊技機識別情報を含む2次元コードを表示させる(S3201)。
情報端末は、遊技者の操作により、撮像装置(以下、「カメラ」という)等を用いて遊技機1に表示されたコード情報(例えば2次元コード)を撮像して入力する(S3202)。
情報端末は、情報処理サーバに対し、入力したコード情報を送信するとともにログイン処理要求(認証要求)を行う(S3203)。
情報端末からログイン処理要求が行われた情報処理サーバでは、そのログイン処理要求に含まれる情報端末に関する端末ID等の遊技者に関する情報を元に、情報処理サーバにおいて管理している遊技者情報を特定してその遊技者情報を読み出し、読み出した遊技者情報を含むパスワードを作成する(S3204)。情報処理サーバに遊技者情報を管理していない場合にはその旨を応答し、一例として、遊技者に関する情報の登録を促す画面を表示する。
そして、情報端末は、パスワードを作成すると、そのパスワードをログイン処理要求元の情報端末へと送信する(S3205)。
これにより、情報端末は、ログイン処理要求に対して情報処理サーバからコード情報若しくはパスワードの応答を情報処理サーバから受け付けると、受け付けたパスワードを情報端末の表示器に表示し(S3206)、このコード情報若しくはパスワードを情報端末の記憶領域に記憶する。このようにして、情報端末の記憶領域に記憶したパスワードは、遊技者の操作によって読み出されることが可能である。
続いて、遊技者情報を含むパスワードが情報端末の表示器に表示された状態、或いは、情報端末の記憶領域に記憶したパスワードを読み出して情報端末の表示器に表示した状態にあるとき、遊技者が、遊技機の十字キー検出スイッチ36aに設けられた十字キーの操作を行うことによって、そのパスワードを、遊技機1に入力し、これによりログイン処理が行われた状態となる(S3207)。
これにより、遊技機1は、パスワードに含まれる遊技者情報が指定された状態となり、この遊技者情報により示される遊技者による遊技が遊技機1において行われていくこととなる。
このログイン処理が行われて以降、遊技機1は、遊技者による操作によって行われた遊技に関する履歴情報を「遊技履歴情報」として記録していく(S3208)。このステップS3208では、図15〜図30のフローチャートに示す遊技機1における一連の処理が行われる。また、このステップS3208では、遊技機1の演出における演出コード情報の制御処理が行われる。
遊技を終了する際には、遊技機1において記憶している遊技者情報を用いてログアウト処理を行う(S3209)。このログアウト処理は、ログイン処理において指定した遊技者情報の指定を解除するものであって、ログアウト処理が行われると、遊技機1では、そのときまでに記録している遊技履歴情報及び指定を解除した遊技者情報を含むコード情報若しくはパスワードを作成して遊技機1の第1液晶表示装置31に表示する。
そして、情報端末は、遊技者の操作により、撮像装置等を用いて遊技機1の第1液晶表示装置31に表示されたコード情報(例えば2次元コード)を撮像して入力すると(S3210)、情報端末は、入力されたコード情報を情報処理サーバに送信する(S3211)。
情報端末からコード情報を受信した情報処理サーバでは、このコード情報に含まれる遊技者情報及び遊技履歴情報を、情報処理サーバで管理している遊技履歴情報に新たに追加して登録する(S3212)。
図33は、遊技機1が備える演出制御基板120の情報制御部121の構成を示す機能ブロック図である。
情報制御部121は、送受信制御部201と、状態保持部202と、情報処理制御部203と、情報保持部204と、情報記憶部205と、操作判断部206と、演出処理部207と、コード情報生成部208とを備える。なお、この情報制御部121は、サブCPU120a、サブROM120bおよびサブRAM120cによって構成され、サブCPU120aがサブROM120bおよびサブRAM120cを用いて制御処理を行うものである。
情報制御部121は、操作手段である演出ボタン35の特定操作である押下操作を有効とする操作有効時間内に、その押下操作が行われずに操作有効時間が経過することによって行われる特別演出の演出態様(演出モード)を、遊技者における遊技者属性によって指定された特定条件を遊技者が満たすか否かによって変更する制御を行う。
ここで、遊技者における遊技者属性によって指定された特定条件とは、遊技者の遊技機1の遊技における履歴情報(遊技履歴情報)や入力操作情報等に基づいて指定される条件をいう。
この特定条件としては、例えば、遊技機1の遊技において、遊技システムをログイン状態として遊技者の遊技履歴情報の記録指示を行うことが挙げられる。
また、特定条件としては、例えば、遊技機1の遊技において、回転数、大当たり回数、リーチ回数等に応じて獲得するポイントや、そのポイントに基づいて更新されるレベル(遊技者レベル)が所定値以上或いは所定範囲となることが挙げられる。
さらに、特定条件としては、演出ボタン35の操作有効時間内に、操作ハンドル3の操作がなされること等が挙げられる。
送受信制御部201は、主制御基板110より、変動パターン指定コマンド等の大当たりの抽選処理における遊技に関する遊技情報を受信し、その遊技情報を情報処理制御部203に送出する。
また、送受信制御部201は、遊技者の十字キー36等を用いた入力操作よって受信した、遊技者に関する情報(遊技者情報)の入力及び遊技履歴情報の記録指示のためのパスワード(ログインコマンド)を受信し、このパスワードに含まれる遊技者情報及び遊技履歴情報を取得する。すると、送受信制御部201は、状態保持部202において、遊技者が指定されたログイン状態である旨を示すログインフラグ=1(ON)を設定する。
一方、送受信制御部201は、後述のログアウト処理がなされることにより、状態保持部202において、ログイン状態にない(ログアウト状態である)旨を示すログインフラグ=0(OFF)を設定する。
また、送受信制御部201は、演出ボタン検出スイッチ35aで検出された、遊技者による演出ボタン35の操作に基づく操作入力信号を受信し、その操作入力信号を操作判断部206に送出する。
状態保持部202は、送受信制御部201が、ログイン処理のために遊技者が入力したパスワード(ログインコマンド)を取得することにより、遊技者が指定されたログイン状態である旨を示すログインフラグ=1(ON)を設定して保持する。
また、状態保持部202は、送受信制御部201が、ログアウト処理においてコード情報作成指示を受信することにより、ログイン状態にない(ログアウト状態である)旨を示すログインフラグ=0(OFF)を設定して保持する。
情報処理制御部203は、送受信制御部201から送出された情報を、情報保持部204及び情報記憶部205のうちの少なくとも一方に記憶させるとともに、演出処理部207及びコード情報生成部208のうちの少なくとも一方に送出する。
情報保持部204は、演出制御基板120におけるサブROM120b又はサブRAM120cによって構成され、情報処理制御部203の制御に基づいて、パスワードに含まれる遊技者情報及び遊技履歴情報を記憶する。
情報記憶部205は、演出制御基板120におけるサブROM120bによって構成され、情報処理制御部203の制御に基づいて、画像制御基板150に送信する演出パターン指定コマンドを決定するためのテーブル情報等の各種情報を記憶する。
操作判断部206は、演出ボタン35を押下するといった特定操作を有効とする操作有効時間内に、遊技者が演出ボタン35の押下操作が行われたか否かを判断し、その判断結果を演出処理部207に送出する。
また、操作判断部206は、この操作有効時間内に、遊技者による操作ハンドル3の回転操作が行われたか否かを判断し、その判断結果を演出処理部207に送出する。
演出処理部207は、サブROM120bで記憶する演出プログラムの制御に基づいて、情報記憶部205で記憶するテーブル情報(図11、図35、図41、図43又は図46に示す演出パターン決定テーブル等)に基づいて演出処理を行う。
演出処理部207は、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンド及び演出用乱数値1によって決定された演出パターン指定コマンドに基づく演出(以下、これを「通常演出」という。)を制御する処理を行う。
また、演出処理部207は、決定された演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、演出ボタン35の操作有効時間内にその演出ボタン35の押下操作を促す演出(以下、「ボタン演出」という。)を行う変動演出パターンである場合に、遊技者が操作有効時間内に演出ボタン35の押下操作を行うことにより、或いは、操作有効時間内に演出ボタン35が操作されずにその操作有効時間が経過することにより、通常演出に代えて行う演出(以下、これを「特別演出」という。)を制御する。
具体的に、演出処理部207は、遊技者における遊技者属性によって指定された特定条件を遊技者が満たすか否かを判断する。そして、演出処理部207は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者によって押下操作が行われずに操作有効時間が経過することによって行われる特別演出の演出態様である特別演出モードを、特定条件を満たさない遊技者であると判断した場合には第1の演出態様であるAモード(例えばキャラクタ1が登場する特別演出モード)に特定し、その特定条件を満たす遊技者であると判断した場合にはAモードとは異なる、第2の演出態様であるBモード(例えばキャラクタ2が登場する特別演出モード)に特定する。
このように、演出処理部207は、特定条件を満たす遊技者であると判断することにより、特別演出の演出態様を第1の演出態様であるAモードから、そのAモードとは異なる第2の演出態様であるBモードに変更する。
情報処理制御部203は、情報保持部204で保持する遊技者情報及び遊技履歴情報を元に、演出処理部207による演出処理内容に応じ、遊技者が獲得したポイント、及びそのポイントに基づいて設定される遊技者レベルを含む遊技者情報を生成してコード情報生成部208に送出する。
これにより、コード情報生成部208は、遊技者情報を含むコード情報を生成する。コード情報を生成したコード情報作成部405は、送受信制御部201へとそのコード情報を送出する。送受信制御部201は、そのコード情報を情報端末へと送信する。
図34は、図32におけるステップS3207〜ステップS3209を示すフローチャートである。この図34のフローチャートを参照し、ステップS3207のログイン処理およびS3209のログアウト処理の詳細な流れを説明する。
図32のステップS3207におけるログイン処理について詳細に説明すると、ステップS3207−1において、遊技機1は、遊技者による遊技機1の十字キー検出スイッチ36aに設けられた十字キー操作等の操作により、情報端末の表示器に表示されたパスワードが入力されたか否かを判断する。このステップS3207−1の処理は、遊技機1の情報制御部121の情報処理制御部203が送受信制御部201からパスワードが受信されたか否かを判断することにより行われる。
遊技機1は、ステップS3207−1において、パスワードが入力されたと判断した場合には、ステップS3207−2において、入力されたパスワードを解析し、そのパスワードに含まれる遊技者情報を読み取る。このステップS3207−2は、情報処理制御部203によって行われる。
一方、遊技機1は、ステップS3207−1において、パスワードが入力されていないと判断した場合にはステップ3207−5に処理を進める。
次に、遊技機1は、ステップS3207−3において、パスワードが入力されたことにより、遊技者が指定されたログイン状態である旨の情報を保持するとともに、記憶されている遊技履歴情報を初期化する。
具体的には、情報制御部121は、パスワードが送受信制御部201にて受信されたことにより、状態保持部202においてログインフラグ=1(ON)を設定する。また、情報処理制御部203の制御により、情報保持部204に記憶されている遊技者情報を消去するとともに遊技履歴情報を初期化し、受信した遊技者情報を情報保持部204に記憶させるとともに、遊技履歴情報を記憶する記憶領域をこの情報保持部204に確保させる。
次に、遊技機1は、ステップS3207−4において、受信した遊技者情報を登録する。具体的に、情報制御部121の情報処理制御部203は、受信した遊技者情報を情報保持部204に登録する。
次に、遊技機1は、ステップS3207−5において、発射制御基板160によって遊技球の発射を検知すること等の情報を受信したか否かに基づいて、遊技が開始されたか否かを判断する。遊技が開始されたと判断した場合には、ステップS3208に処理を進め、遊技が開始されていないと判断した場合には、ステップS3207−1に処理を戻す。このステップS3207−5の判断処理においては、情報制御部121の送受信制御部201が、発射制御基板160によって遊技球の発射を検知すること等の情報を受信することにより、情報処理制御部203は、遊技が開始されたと判断する。
また、図32のステップ3209のログアウト処理について詳細に説明すると、まず、ステップS3209−1において、遊技機1は、演出ボタン35の押下操作の検出に基づき、遊技終了の指示があったか否かを判断する。この場合の遊技の終了とは、遊技者によるコード情報作成指示の入力があったか否かの判断である。遊技者によるコード情報作成指示の入力があった場合には、ステップS3209−2に処理を進め、遊技者によるコード情報作成指示の入力がなかった場合には、ステップS3208に処理を戻す。この遊技終了の指示の判断処理は、情報制御部121の情報処理制御部203が、送受信制御部201において、演出ボタン検出スイッチ31aによる検出に基づくコード情報作成指示の情報が受信されたか否かを判断することにより行われる。
ステップS3209−2において、遊技機1は、記憶された遊技者履歴情報、遊技者情報等を含むコード情報を生成する。
具体的に、情報制御部121のコード情報生成部208は、情報保持部204で記憶する遊技者履歴情報、遊技者情報等の情報を読み出して、これらの情報を含むコード情報を生成し、送受信制御部201に供給する。
ステップS3209−3において、遊技機1は、生成されたコード情報を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示する。
このステップS3209−3において、情報制御部121の送受信制御部201は、コード情報生成部208から供給されたコード情報を画像制御基板150に送信し、このコード情報を第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示させるように指示する。
ここで、図35に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルに基づいて特別演出の演出処理を行う際の変動演出パターン決定処理について説明する。
図36は、図27のステップS2714における変動演出パターン決定処理において、図35に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを用いた演出処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
まず、演出制御基板120の情報制御部121は、ステップS3601において、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドを確認し、ステップS3602において、演出用乱数値(0〜99)を確認する。
具体的に、情報制御部121の情報処理制御部203は、ステップS3601において、送受信制御部201で受信した変動パターン指定コマンドを確認し、ステップS3602において、サブROM120bで構成される情報記憶部205で記憶する通常演出用の演出パターン決定テーブル(図11)を参照することにより演出用乱数値(0〜99)を確認する。これにより、通常演出の変動演出パターンを決定する(ステップS3603)。
次に、情報制御部121は、ステップS3604において、画像制御基板150に送信する通常演出の演出パターン指定コマンドを決定する。
具体的に、情報制御部121の情報処理制御部203は、このステップS3604において、情報記憶部205で記憶する通常演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、S3601で確認した変動パターン指定コマンド及びS3602で確認した演出用乱数値(0〜99)に基づいて、画像制御基板150に送信する通常演出用の演出パターン指定コマンドを決定し、その決定した演出パターン指定コマンドを示す情報を演出処理部207に送出する。
次に、情報制御部121は、ステップS3605において、ステップS3604で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、演出ボタン35の操作有効時間が設けられ、その操作有効時間に演出ボタン35の操作を促すボタン演出(図38(b)参照。)を行う変動演出パターンであるか否かを判断する。
具体的に、情報制御部121の演出処理部207は、このステップS3605において、情報記憶部205で記憶する図35に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS3603で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、ボタン演出有り(1)の変動演出パターンである場合にはステップS3606に進み、ボタン演出無し(0)の変動演出パターンである場合には処理を終了する。
次に、情報制御部121は、ステップS3606において、遊技者のパスワードが入力されることにより、遊技者が指定され、これにより遊技履歴情報の記録指示を受け付けるログイン状態となっているか否かを判断する。
情報制御部121は、ステップS3607において、ステップS3606でログイン状態とされていると判断することにより、通常演出に代えて実行する特別演出の演出態様(特別演出モード)をBモードに特定する。
具体的に、情報制御部121の演出処理部207は、状態保持部202を参照し、ログイン状態を示すログインフラグ=1(ON)が設定されていると判断した場合にはステップS3607において、特別演出モードを、ログインされているといった特定条件を満たす遊技者であると判断することにより実行されるBモードに特定し、ログアウト状態を示すログインフラグ=0(OFF)が設定されていると判断した場合にはステップS3608において、特別演出モードを、特定条件を満たさない遊技者であると判断することにより実行されるAモードに特定する。
図35に示す演出パターン決定テーブルによれば、ボタン演出を実行する変動演出パターン1〜5の場合、遊技者が指定されていないすなわちログインされていない(ログインフラグ=0(OFF)設定)ときは、特別演出モードをAモードに特定し、遊技者が指定されているすなわちログインされている(ログインフラグ=1(ON)設定)ときは、特別演出モードをBモードに特定する。
このように、演出処理部207は、遊技機1が、遊技者が指定されて遊技履歴情報の記録指示を受け付けるログイン状態となっているといった特定条件を満たすか否かの判断に基づいて、通常演出に代えて実行する特別演出の演出態様を変更する。情報制御部121は、例えば、遊技機1がログイン状態とされていると判断することにより、通常演出に代えて行う特別演出の演出態様(特別演出モード)を、ログイン状態とされていないと判断することにより行う特別演出の演出態様であるAモードからBモードに変更する。
情報制御部121は、ステップS3609において、画像制御基板150に送信する特別演出の演出パターン指定コマンドの候補を、演出用乱数値、特別演出モード(AモードまたはBモード)に応じて選出する。
具体的に、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図35に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS3607で特別演出モードをBモードに特定した場合、演出用乱数値が0〜89であれば、特別演出21を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=05H)、及び、特別演出22を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=06H)を、画像制御基板150に送信する特別演出の演出パターン指定コマンドの候補として選出する。一方、演出用乱数値が90〜99であれば、特別演出23を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=07H)、及び、特別演出24を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=08H)を、その候補として選出する。
一方、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS3608で特別演出モードをAモードに特定した場合、演出用乱数値が0〜89であれば、特別演出11を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=01H)、及び、特別演出12を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=02H)を、画像制御基板150に送信する特別演出の演出パターン指定コマンドの候補として選出する。一方、演出用乱数値が90〜99であれば、特別演出13を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=03H)、及び、特別演出14を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=04H)を、その候補として選出する。
図37は、図26のステップS2604における演出入力制御処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
情報制御部121は、ステップS3701において、ボタン演出を行う前の待機時間(ボタン演出待機時間)が経過したか否かを判断する。
具体的に、情報制御部121の情報処理制御部203は、送受信制御部201において主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、ボタン演出を行う前の待機時間(ボタン演出待機時間)が経過したか否かを判断し、ボタン演出待機時間が経過したと判断した場合には、ボタン演出待機時間経過を示す情報を演出処理部207に供給し、ステップS3702の処理に進む。一方、情報処理制御部203は、ボタン演出待機時間が経過していないと判断した場合にはステップS3701の処理を繰り返す。
情報制御部121は、ステップS3702において、ボタン演出を実行する。このステップS3702においては、情報制御部121の演出処理部207は、通常演出の変動演出パターン毎に指定されたボタン演出の演出パターン指定コマンドを、情報記憶部205に記憶されているボタン演出用の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)から特定して送受信制御部201に送出する。
情報制御部121は、ステップS3703において、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作があったか否かを判断する。このステップS3703において、情報制御部121の操作判断部206は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作に基づく操作入力信号を、演出ボタン検出スイッチ35aから送受信制御部201を介して受信した場合には、ステップS3704において、その操作入力信号を演出処理部207に送出する。
一方、操作判断部206は、演出ボタン35の操作有効時間内に、この操作入力信号を受信しない場合には、ステップS3705に処理を進める。
情報制御部121は、ステップS3704において、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の押下操作があったことを示すボタン操作フラグ=1(ON)を設定する。具体的に、ステップS3704において、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS3703にて操作判断部206から操作入力信号が送出されたことにより、演出処理部207が備える図示しないキャッシュメモリにボタン操作フラグ=1(ON)を設定する。
情報制御部121は、ステップS3705において、演出ボタン35の操作有効時間が経過したか否かを判断する。このステップS3705において、情報制御部121の操作判断部206は、演出ボタン35の操作有効時間が経過しないと判断した場合には、ステップS3703の処理に戻り、演出ボタン35の操作有効時間が経過したと判断した場合には、操作有効時間が経過したことを示す情報を演出処理部207に供給し、ステップS3706に処理を進める。
情報制御部121は、ステップS3706において、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作が無かったことを示すボタン操作フラグ=0(OFF)を設定する。具体的に、ステップS3706において、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS3705にて操作判断部206から操作有効時間が経過したことを示す情報が供給されたことにより、上述のキャッシュメモリにボタン操作フラグ=0(OFF)を設定する。
情報制御部121は、ステップS3707において、画像制御基板150に送信する特別演出用の演出パターン指定コマンドを決定する。
具体的に、ステップS3707において、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図35に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照する。そして、演出処理部207は、キャッシュメモリにおいてボタン操作フラグが1(ON)に設定されていることを参照し、上述のステップS3609の処理で選出した特別演出の演出パターン指定コマンドから、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35が押下操作されることにより、その押下操作後にボタン演出に代えて行われる特別演出の演出パターン指定コマンドを決定する。また、演出処理部207は、キャッシュメモリにおいてボタン操作フラグが0(OFF)に設定されていることを参照し、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35が押下操作されず、操作有効時間が経過することにより、その操作有効時間の経過後にボタン演出に代えて行われる特別演出の演出パターン指定コマンドを決定する。
例えば、図35の特別演出用の演出パターン決定テーブルに基づいて、特別演出モードをBモードに特定し、演出用乱数値が0〜89である場合について説明する。この場合、上述のステップS3609において、特別演出21を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=05H)、及び、特別演出22を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=06H)が特別演出の演出パターン指定コマンドの候補として選出される。
そして、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35が押下操作されることにより(ステップS3703でYES)、その押下操作後にボタン演出に代えて行われる特別演出の演出パターン指定コマンドとして、特別演出22を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=06H)が決定される。一方、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35が押下操作されず(ステップS3703でNO)、操作有効時間が経過することにより(ステップS3704でYES)、その押下操作後にボタン演出に代えて行われる特別演出の演出パターン指定コマンドとして、特別演出21を行う演出パターン指定コマンド(MODE=A2H、DATA=05H)が決定される。
ここで、図35に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルによって決定される演出パターン指定コマンドに基づいて特別演出を実行する例について説明する。
図11の変動演出パターン決定テーブルにおいて、例えば、変動演出パターン1〜5(リーチ演出(当たり))が決定された場合、通常演出の演出画像として、例えば図38(a)に示すように、キャラクタAとキャラクタBとが闘う様子を表す演出画像が第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示されるとする。
この場合、演出ボタン35の操作有効時間となったとき、ボタン演出として、例えば図38(b)に示すような演出ボタン表示とともに、操作有効時間を示すタイマーゲージや演出ボタン35の押下操作を促すメッセージを有する演出画像が第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示される。
遊技機1において、遊技者が指定されていないログアウト状態(ログインコマンドOFF(0)設定)である場合(特別演出モード:Aモード)について述べる。この場合、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35の押下操作が行われず操作有効時間が経過することにより、例えば図39(a)に示す演出画像(演出用乱数値0〜89、キャラクタA登場、パターン11(キャラクタAが正面に向かい飛ぶ動作、飛行物体a1有り))、或いは、図39(b)に示す演出画像(演出用乱数値90〜99、キャラクタA登場、パターン12(キャラクタAが正面に向かい飛ぶ動作、風船a2有り))が特別演出の演出画像として第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示される。
一方、遊技機1において、遊技者が指定されているログイン状態(ログインコマンドON(1)設定)とされている場合(特別演出モード:Bモード)について述べる。この場合、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35の押下操作が行われず操作有効時間が経過することにより、例えば図40(a)に示す演出画像(演出用乱数値0〜89、キャラクタB登場、パターン21(キャラクタB右向き、炎a3有り))、或いは、図40(b)に示す演出画像(演出用乱数値90〜99、パターン22(キャラクタB右向き、タワーa4有り)が特別演出の演出画像として第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示される。
演出制御基板120の情報制御部121は、図11において決定された通常演出用の演出パターン指定コマンドと、図35のテーブルによって決定された特別演出用の演出パターン指定コマンドとを画像制御基板150に送信することにより、画像制御基板150は、通常演出の演出画像を表示中に、演出ボタン35の操作有効時間内において、この通常演出の演出画像上に特別演出の演出画像を重ねて表示する制御を行うようにする。
このような制御により、特別演出の演出画像を表示する操作有効時間経過後に、再度通常演出の演出画像が表示することが可能である。例えば、特別演出の演出画像が表示された後、図41(a)に示すようなキャラクタBが正面に向かって立つ様子を表す通常演出の演出画像(変動演出パターン1の場合)、或いは、図41(b)に示すようなキャラクタBがキャラクタAに倒される様子を表す通常演出の演出画像(変動演出パターン2の場合)が表示されるようにしてもよい。
次に、図42に示す特別演出用の演出パターンテーブルによって決定される演出パターン指定コマンドに基づいて特別演出を行う例について説明する。
この例では、遊技者が指定されているログイン状態において、遊技者レベルが100以上であることが、遊技者における遊技者属性によって指定された特定条件となる。
すなわち、図42の特別演出用の演出パターン決定テーブルに示すように、ログインされている状態であっても遊技者レベルが100未満である場合、又は、ログアウト状態(ログインフラグ=0(OFF)設定)においては、特別演出モードとしてAモードが設定される。一方、ログイン状態において、遊技者レベルが100以上である場合には、特別演出モードとしてBモードが設定される。
図43は、図27のステップS2710における変動演出パターン決定処理において、図42に示すテーブルを用いた演出処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS4301〜ステップS4304は、上述のステップS3601〜ステップS3604と同様の処理を行う。
情報制御部121は、ステップS4305において、ステップS4304で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、演出ボタン35の操作有効時間が設けられ、その操作有効時間にボタン演出を行う変動演出パターンであるか否かを判断する。
このステップS4305において、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図42に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS4304で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、ボタン演出有り(1)の変動演出パターンである場合にはステップS4306に進み、ボタン演出無し(0)の変動演出パターンである場合には処理を終了する。
ステップS4306において、情報制御部121は、遊技者のパスワードが入力されることにより、遊技者が指定され、これにより遊技履歴情報の記録指示を受け付けるログイン状態となり、現時点での遊技者レベルが100以上であるか否かを判断する。情報制御部121は、現時点での遊技者レベルが100以上であると判断することにより、通常演出に代えて行う特別演出の演出態様(特別演出モード)を、Bモードに特定する。このように、情報制御部121は、遊技者レベルが100未満またはログイン状態ではない場合に特定されるAモードからBモードに変更する。
具体的に、ステップ4306において、情報制御部121の演出処理部207は、状態保持部202を参照してログインフラグ=1(ON)が設定されているか否かを確認する。ログインフラグ=1(ON)が設定されている場合には、情報保持部204で記憶する、遊技者が現時点で獲得している遊技者レベルを確認し、その遊技者レベルが100以上であると判断した場合にはステップS4307に進む。このステップS4307において、演出処理部207は、特別演出モードを、遊技者レベルが100以上であるといった特定条件を満たす遊技者であると判断することにより実行されるBモードに特定する。
一方、ステップ4306において、情報制御部121の演出処理部207は、状態保持部202を参照してログインフラグ=0(OFF)が設定されていることを参照した場合、或いは、ログインフラグ=1(ON)が設定されており、状態保持部202で記憶する、現時点での遊技者レベルが100未満であることを参照した場合にはステップS4308に進む。このステップS4308において、演出処理部207は、特別演出モードを、遊技者レベルが100以上であるといった特定条件を満たさない遊技者であると判断することにより実行されるAモードに特定する。
ステップS4309において、情報制御部121は、ステップS3609と同様に、画像制御基板150に送信する特別演出の演出パターン指定コマンドの候補を、演出用乱数値、特別演出モード(AモードまたはBモード)に応じて選出する。
次に、図44に示す特別演出用の演出パターンテーブルによって決定される演出パターン指定コマンドに基づいて特別演出を行う例について説明する。
この例では、図42を用いて説明した上述の例と同様に、遊技者が指定されているログイン状態において、遊技者レベルが100以上であることを、遊技者における 遊技者属性によって指定された特定条件としている。そして、この図44に示すテーブルを用いた例では、その遊技者レベルの範囲(100〜199、200〜299、300以上)によって特別演出の演出態様(特別演出モード)を変更する。
図45は、図27のステップS2710における変動演出パターン決定処理において、図44に示すテーブルを用いた演出処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS4501〜ステップS4504は、上述のステップS3601〜ステップS3604と同様の処理を行う。
情報制御部121は、ステップS4505において、ステップS4504で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、演出ボタン35の操作有効時間が設けられ、その操作有効時間にボタン演出を行う変動演出パターンであるか否かを判断する。
このステップS4505において、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図44に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS4504で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、ボタン演出有り(1)の変動演出パターンである場合にはステップS4506に進み、ボタン演出無し(0)の変動演出パターンである場合には処理を終了する。
ステップS4506〜ステップS4508は、上述のステップS4306〜ステップS4308と同様の処理を行う。
ステップS4509において、情報制御部121は、現時点での遊技者レベルが、遊技者レベル100〜199、200〜299、300以上の何れのレベル範囲に属するか否かを確認する。
具体的に、ステップS4509において、情報制御部121の演出処理部207は、情報保持部204で記憶する、遊技者が現時点で獲得している遊技者レベルを確認し、その遊技者レベルが、100〜199、200〜299、300以上の何れのレベル範囲に属するか否かを確認する。
ステップS4510において、情報制御部121の演出処理部207は、演出用乱数値、特別演出モード(AモードまたはBモード)、遊技者レベルの属するレベル範囲に応じて、画像制御基板150に送信する特別演出の演出パターン指定コマンドの候補を選出する。
例えば、遊技者レベルが100以上(特別演出モード:Bモード)において、遊技者レベルが100〜199、演出用乱数値0〜89、演出ボタン操作無し(0)であるときには、例えば図46(a)に示す演出画像(キャラクタB、パターン21a(キャラクタB1、B2))が特別演出の演出画像として第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示される。
また、遊技者レベルが200〜299、演出用乱数値0〜89、演出ボタン操作無し(0)であるときには、例えば図46(b)に示す演出画像(キャラクタB、パターン21b(キャラクタA1、A3、A4)が特別演出の演出画像として第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示される。
また、遊技者レベルが300以上、演出用乱数値0〜89、演出ボタン操作無し(0)であるときには、例えば図46(c)に示す演出画像(キャラクタA登場、パターン21c(キャラクタA1〜A5)が特別演出の演出画像として第1液晶表示装置31及び第2液晶表示装置37のうちの少なくとも一方に表示される。
次に、図47に示す特別演出用の演出パターンテーブルによって決定される演出パターン指定コマンドに基づいて特別演出を実行する例について説明する。
この例では、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者の操作ハンドル3の操作によって遊技球が発射されていることを、遊技者における遊技者属性によって指定された特定条件とする。これは、演出ボタン35の操作有効時間内に、操作ハンドル3を操作して遊技球を発射させる遊技者は、演出ボタン35の押下操作を煩わしさ等から敢えて行わない遊技者であると考えられるためである。
すなわち、図47のテーブルに示すように、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者により操作ハンドル3が行われない場合は、特別演出モードをAモードに特定し、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者の操作ハンドル3の操作が行われた場合には、特別演出モードをBモードに特定する。
図48は、図27のステップS2710における変動演出パターン決定処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。この例は、図47に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルに基づいて特別演出の演出処理を行うものである。
ステップS4801〜ステップS4804は、上述のステップS3601〜ステップS3604と同様の処理を行う。
ステップS4805において、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図47に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照し、ステップS4804で決定した演出パターン指定コマンドの変動演出パターンが、ボタン演出有り(1)の変動演出パターンである場合にはステップS4806に進み、ボタン演出無し(0)の変動演出パターンである場合には処理を終了する。
ステップS4806において、情報制御部121の演出処理部207は、演出用乱数値、特別演出モード(AモードまたはBモード)に応じて、画像制御基板150に送信する特別演出の演出パターン指定コマンドの候補を選出する。
図49は、図26のステップS2604における演出入力制御処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS4901〜ステップS4902は、ステップS3701〜ステップS3702と同様の処理を行う。
情報制御部121は、ステップS4903において、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による操作ハンドル3の操作があったか否かを判断する。
具体的に、ステップS4903において、遊技者が操作ハンドル3に触れたことに基づくタッチ信号がタッチセンサ3aで検知されると、そのタッチ信号が発射制御基板160、払出制御基板130、主制御基板110を介して演出制御基板120の送受信制御部201に送出される。操作判断部206は、送受信制御部201を介して受信したタッチ信号を演出処理部207に送出し、ステップS4904に処理を進める。
一方、ステップS4903において、情報制御部121が遊技者による操作ハンドル3の操作がないと判断した場合、すなわち操作判断部206が、タッチセンサ3aからのタッチ信号を受信しない場合には、ステップS4905に処理を進める。
ステップS4904において、情報制御部121は、特別演出モードをBモードに特定する。具体的に、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図47に示す演出パターン決定テーブルを参照し、特別演出モードを、操作有効時間内に操作ハンドル3の操作がされたことによるBモードに特定し、ステップS4910に処理を進める。
ステップS4905において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作があったか否かを判断する。具体的に、ステップS4905において、情報制御部121の操作判断部206は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作に基づく操作入力信号を、演出ボタン検出スイッチ35aから送受信制御部201を介して受信した場合には、その操作入力信号を演出処理部207に送出し、ステップS4906に処理を進める。
一方、ステップS4905において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作がないと判断した場合には、ステップS4907に処理を進める。
ステップS4906において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の押下操作があったことを示すボタン操作フラグ=1(ON)を設定する。具体的に、ステップS4906において、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS4905にて操作判断部206から操作入力信号が送出されたことにより、演出処理部207が備える図示しないキャッシュメモリにボタン操作フラグ=1(ON)を設定する。
ステップS4907において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間が経過したか否かを判断する。この情報制御部121の操作判断部206は、ステップS4907において、演出ボタン35の操作有効時間が経過したと判断した場合には、操作有効時間が経過したことを示す情報を演出処理部207に供給し、ステップS4908に処理を進め、演出ボタン35の操作有効時間が経過しないと判断した場合には、ステップS4903に処理を戻す。
情報制御部121は、ステップS4908において、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作が無かったことを示すボタン操作フラグ=0(OFF)を設定する。具体的に、ステップS4908において、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS4907にて操作判断部206から操作有効時間が経過したことを示す情報が供給されたことにより、上述のキャッシュメモリにボタン操作フラグ=0(OFF)を設定する。
ステップS4909において、情報制御部121は、特別演出モードをAモードに特定する。具体的に、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図47に示す演出パターン決定テーブルを参照し、特別演出モードを、操作有効時間内に操作ハンドル3の操作がされないことによるAモードに特定し、ステップS4914に処理を進める。
ステップS4910において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作があったか否かを判断する。具体的に、ステップS4910において、情報制御部121の操作判断部206は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作に基づく操作入力信号を、演出ボタン検出スイッチ35aから送受信制御部201を介して受信した場合には、その操作入力信号を演出処理部207に送出し、ステップS4913に処理を進める。
一方、ステップS4910において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作がないと判断した場合には、ステップS4911に処理を進める。
ステップS4911において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間が経過したか否かを判断する。この情報制御部121の操作判断部206は、ステップS4911において、演出ボタン35の操作有効時間が経過したと判断した場合には、操作有効時間が経過したことを示す情報を演出処理部207に供給し、ステップS4912に処理を進め、演出ボタン35の操作有効時間が経過しないと判断した場合には、ステップS4910に処理を戻す。
情報制御部121は、ステップS4912において、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の操作が無かったことを示すボタン操作フラグ=0(OFF)を設定する。具体的に、ステップS4912において、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS4911にて操作判断部206から操作有効時間が経過したことを示す情報が供給されたことにより、上述のキャッシュメモリにボタン操作フラグ=0(OFF)を設定する。
ステップS4913において、情報制御部121は、演出ボタン35の操作有効時間内に、遊技者による演出ボタン35の押下操作があったことを示すボタン操作フラグ=1(ON)を設定する。具体的に、ステップS4913において、情報制御部121の演出処理部207は、ステップS4910にて操作判断部206から操作入力信号が送出されたことにより、演出処理部207が備える図示しないキャッシュメモリにボタン操作フラグ=1(ON)を設定する。
ステップS4914において、情報制御部121は、画像制御基板150に送信する特別演出用の演出パターン指定コマンドを決定する。
具体的に、ステップS4914において、情報制御部121の演出処理部207は、情報記憶部205で記憶する図47に示す特別演出用の演出パターン決定テーブルを参照する。そして、演出処理部207は、キャッシュメモリにおいてボタン操作フラグが1(ON)に設定されていることを参照し、上述のステップS3609の処理で選出した特別演出の演出パターン指定コマンドから、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35が押下操作されることにより、その押下操作後にボタン演出に代えて行われる特別演出の演出パターン指定コマンドを決定する。また、演出処理部207は、キャッシュメモリにおいてボタン操作フラグが0(OFF)に設定されていることを参照し、演出ボタン35の操作有効時間内に演出ボタン35が押下操作されず、操作有効時間が経過することにより、その操作有効時間の経過後にボタン演出に代えて行われる特別演出の演出パターン指定コマンドを決定する。
以上説明した本実施形態における遊技機1によれば、遊技者における遊技者属性によって指定された特定条件を満たすか否かを判断し、その判断結果に応じて特別演出の演出態様を切り替えているため、遊技者属性に応じて多彩な特別演出を提供することが可能となる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明が前述の実施の形態に限定されないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施形態では、遊技領域の特定方向側を右側の第2の遊技領域6Rとしたが、左側の第1の遊技領域6Lとしてもよい。
また、本実施形態においては、1/60秒(約16.6ms)毎に、1フレームを更新するようにしたが、1/30秒毎に1フレームを更新してもよいし、1/120秒毎に1フレームを更新してもよい。すなわち、1フレームの更新周期は、設計変更自由である。
また、本実施形態においては、1フレームを更新して、描画回路2070による描画が終了しているときに、次のフレームの描画を行うようにしたが、1フレームを更新することで、必ず次のフレームの描画を行うように構成してもよい。
また、本実施形態においては、描画の終了を条件として、1フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成したが、2フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、3フレームを更新する毎に、次のフレームの描画を行うことが可能なように構成してもよいし、すなわち、1フレームの更新周期と描画回路の描画周期とが同一でなくてもよい。
また、本実施形態によれば、パチンコ遊技機について説明をしたが、遊技機の種類は、遊技媒体を用いるものであればこれに限定されず、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、雀球遊技機、アレンジボール遊技機等であってもよい。