JP5993673B2 - ダブルバンドル型冷凍機 - Google Patents
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Description
一方、ユーザが熱回収運転モードを選択した場合には、ダブルバンドル型冷凍機は、上記の温水用循環路に温水を循環させて、この温水と、凝縮器により凝縮されて高温となった冷媒とを熱交換して排熱を回収する。そして、この冷媒と熱交換されることで排熱を回収した温水は、温熱器に送り出され、温熱器は、温水が回収した排熱を再利用する。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係るダブルバンドル型冷凍機は、ヒートポンプとして用いられる冷凍機であって、特に、凝縮器が、冷却水用循環路及び温水用循環路の両方と常時接続されているダブルバンドル型冷凍機である。
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態1について説明する。まずは、ダブルバンドル型冷凍機1全体の構成について説明し、その後にダブルバンドル型冷凍機1の各構成要素について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るダブルバンドル型冷凍機1の概要図である。また、図2は、図1の要部拡大図である。この図1、図2に示すように、本実施の形態におけるダブルバンドル型冷凍機1は、概略的に、圧縮器10、凝縮器20、膨張弁30、蒸発器40、冷却水用循環路50、温水用循環路60、サブクーラ70、冷却水用サブ循環路80、温水用サブ循環路90、電動弁100、制御部110を備えて構成される。また、これらの構成要素に加えて、配管L1〜L15が図示のように接続されている。
圧縮器10は、冷媒を圧縮する圧縮手段である。この圧縮器10は、後述する蒸発器40により配管L1を介して送り出された低温低圧の冷媒ガスを加圧して、後述する凝縮器20に冷媒ガスを送り出すための装置であり、往復圧縮器、遠心圧縮器、ロータリー圧縮器、スクリュー圧縮器等といった公知の圧縮手段にて形成される。
凝縮器20は、圧縮器10により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮手段である。この凝縮器20は、圧縮器10により配管L2を介して送り出された高温高圧の冷媒ガスを冷却して凝縮させ、冷媒液とするための熱交換器であり、例えば、空気と熱交換することにより冷媒ガスを冷却する空冷凝縮器や、水と熱交換することにより冷媒ガスを冷却する水冷凝縮器等といった公知の凝縮器20にて形成することが可能である。なお、本実施の形態では、凝縮器20は、後述する冷却水用循環路50を循環する冷却水、又は後述する温水用循環路60を循環する温水の少なくとも一方と冷媒ガスとを熱交換することにより冷媒ガスを冷却する水冷凝縮器として形成されている。
膨張弁30は、凝縮器20により凝縮された冷媒を膨張させる膨張手段である。この膨張弁30は、凝縮器20により配管L3、L4を介して送り出された冷媒液を減圧(膨張)させるとともに、後述する蒸発器40に供給される冷媒液の流量を、冷凍負荷や温度等に応じて調節するためのバルブとして形成される。
蒸発器40は、膨張弁30により膨張された冷媒を蒸発させる蒸発手段である。この蒸発器40は、膨張弁30により配管L5を介して送り出された冷媒液を蒸発させることで被冷却物から蒸発熱を奪い、被冷却物を冷却する装置であり、熱伝導率の良い銅やアルミニウム等を材料として形成される。ここで、蒸発器40は、被冷却物として空気を用いる空気冷却機や、被冷却物として水を用いる水冷却機等といった公知の冷却機として形成することが可能であり、本実施の形態では、空調機2と冷水循環路3を介して接続され、冷水循環路3の内部を循環する冷水を冷却する水冷却機として形成されている。そして、この蒸発器40により冷却された冷水は、冷水循環路3を介して空調機2の図示しない空気冷却器に供給され、空気冷却器により冷風が供給される。この空調機2については任意の空調機2を用いることが可能であり、その説明を省略する。
冷却水用循環路50は、凝縮器20と冷却塔4との相互間に冷却水を循環させる冷却水用循環路であり、任意の径を有する管状体として形成され、往路の配管L6と復路の配管L7により構成される。なお、この冷却水用循環路50の配管L6の経路中には冷却水ポンプ51が設置されており、この冷却水ポンプ51によって、冷却水が配管L6を介して凝縮器20に供給される。そして、凝縮器20に供給された冷却水は、冷媒と熱交換され、配管L7を介して冷却塔4に送られる。なお、この冷却塔4は冷却手段である。そして、冷却水は、冷却塔4により放熱され、再度配管L6に送られる。なお、この冷却水ポンプ51は、インバータ駆動によって吐出流量を変化させることが可能なように形成されている。
温水用循環路60は、凝縮器20と所定の温熱器5との相互間に温水を循環させる温水用循環路であり、任意の径を有する管状体として形成され、往路の配管L8と復路の配管L9により構成される。なお、この温水用循環路60の配管L8の経路中には温水ポンプ61が設置されており、この温水ポンプ61によって、温水が配管L8を介して凝縮器20に供給される。そして、凝縮器20に供給された温水は、冷媒と熱交換され、配管L9を介して温熱器5に送られる。なお、この温熱器5は温熱手段である。そして、温水は、温熱器5によって温熱形成に利用され、再度配管L8に送られる。なお、この温水ポンプ61は、インバータ駆動によって吐出流量を変化させることが可能なように形成されている。
サブクーラ70は、冷却水を用いて冷媒の過冷を行い、又は前記温水を用いて排熱回収を行うサブクーラである。このサブクーラ70は、冷媒液との熱交換が可能な装置であればどのような装置であっても良く、例えば、本実施の形態に係るサブクーラ70は、公知のプレート熱交換器として形成されている。そして、このサブクーラ70は、配管L14を介して冷却水又は温水のいずれか一方を取り入れ、これらの冷却水又は温水と、配管L3の内部の高温の冷媒液とを熱交換することにより、冷媒液の過冷を行う。そして、サブクーラ70により過冷された冷媒液は、配管L4を介して膨張弁30に送り出され、一方、冷媒液と熱交換された冷却水又は温水は、配管L15を介して冷却塔4又は温熱器5に送り出される。
冷却水用サブ循環路80は、冷却水用循環路50とサブクーラ70との相互間に冷却水を循環させる冷却水用サブ循環路であり、任意の径を有する管状体として形成され、往路の配管L10、L14と復路の配管L11、L15により構成される。以下では、冷却水用サブ循環路80を必要に応じて配管L10、L11、L14、又はL15と称して説明する。
温水用サブ循環路90は、温水用循環路60とサブクーラ70との相互間に温水を循環させる温水用サブ循環路であり、任意の径を有する管状体として形成され、往路の配管L12、L14と復路の配管L13、L15により構成される。以下では、温水用サブ循環路90を必要に応じて配管L12、L13、L14、又はL15と称して説明する。なお、配管L14、L15は、温水の他にも上述したように冷却水が通水する可能性のある配管であり、これらの配管L14、L15は、必要に応じて温水用サブ循環路90と冷却水用サブ循環路80とを使い分けて説明する。
電動弁100は、冷却水用サブ循環路80又は温水用サブ循環路90と前記サブクーラ70との相互間の接続状態を調整する接続状態調整手段である。この電動弁100は、開度を自由に調整することが可能な弁として形成され、配管L10、L11、L12、L13の計4つの配管に設置される。以下では、配管L10に接続される電動弁100を電動弁100A、配管L11に接続される電動弁100を電動弁100B、配管L12に接続される電動弁100を電動弁100C、配管L13に接続される電動弁100を電動弁100Dと必要に応じて称して説明する。そして、電動弁100は、後述する制御部110によって開度が調整され、このことによって、電動弁100が設置された配管の内部を通水する冷却水又は温水の流量を調整することが可能である。なお、この制御についての詳細な説明は後述する。
制御部110は、ダブルバンドル型冷凍機1における各種の制御を行う制御手段である。この制御部110の具体的構成は任意であるが、例えば、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを呼出して解析及び実行するCPU(Central Processing Unit)として構成することができる。本実施の形態において、この制御部110は、概略的に、運転モード判定部110a、及び接続制御部110bを備えて構成されている。以下では、運転モード判定部110a、及び接続制御部110bの構成について説明した後に、制御部110が行う処理について説明する。
運転モード判定部110aは、ダブルバンドル型冷凍機1の運転モードを判定する運転モード判定手段である。ここで、運転モードには、凝縮器20により発生する排熱を冷却塔4から放熱することを目的とする「冷専運転モード」と、凝縮器20により発生する排熱を温熱器5により回収することを目的とする「熱回収運転モード」とがある。そして、ユーザは、任意の方法(例えば図示しない操作部を操作すること)によって、ダブルバンドル型冷凍機1の運転モードを任意に決定することができる。例えば、夏季等のような温熱器5を使用しない時季は、運転モードを「冷専運転モード」に設定することで、冷媒をより効率良く冷却することができる。また、冬季等のような温熱器5を使用する時季は、運転モードを「熱回収運転モード」に設定することで、冷凍機により発生した排熱を温熱器5で再利用することが可能であり、省エネ性能を向上させることが可能である。
接続制御部110bは、運転モード判定部110aにより判定した運転モードに基づいて電動弁100を制御する接続制御手段である。この接続制御部110bは、運転モード判定部110aによって判定された運転モードに応じて、電動弁100を制御して電動弁100の開度を調整する。
続いて、制御部110が行う処理について説明する。
このように本実施の形態によれば、ダブルバンドル型冷凍機1の運転モードに関わらず効果的にサブクーラ70を利用することができ、冷凍機のCOPを向上させることによって省エネ性能を向上させることが可能である。
次に、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
最初に、実施の形態2に係るダブルバンドル型冷凍機6の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態2に係るダブルバンドル型冷凍機6の要部拡大図である。この図3に示すように、このダブルバンドル型冷凍機6は、概略的に、冷却水用サブクーラ120と、温水用サブクーラ130を備えて構成されている。また、これらの構成要素に対して図示のように配管が接続されている。以下では、各構成要素について説明した後、実施の形態2に係るダブルバンドル型冷凍機6の全体の概要について、実施の形態1に係るダブルバンドル型冷凍機1と比較しつつ説明する。
冷却水用サブクーラ120は、冷却水を用いて冷媒の過冷を行うサブクーラであって、具体的な構成は、実施の形態1におけるサブクーラ70と同様に構成することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。なお、この冷却水用サブクーラ120は、冷却水用サブ循環路80のみが接続されており、このことによって冷却水用循環路50と冷却水用サブクーラ120との相互間に冷却水を循環させることが可能である。そして、冷却水用サブクーラ120は、この冷却水用サブ循環路80から冷却水用サブクーラ120に供給された冷却水と冷媒とを熱交換させることによって、冷媒の過冷を行う。
温水用サブクーラ130は、温水を用いて排熱回収を行うサブクーラであって、具体的な構成は、実施の形態1におけるサブクーラ70と同様に構成することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。なお、この温水用サブクーラ130は、温水用サブ循環路90のみが接続されており、このことによって温水用循環路60と温水用サブクーラ130との相互間に温水を循環させることが可能である。そして、温水用サブクーラ130は、この温水用サブ循環路90から温水用サブクーラ130に供給された温水と冷媒とを熱交換させることによって、排熱の回収を行う。
このような実施の形態2に係るダブルバンドル型冷凍機6によれば、実施の形態1に係るダブルバンドル型冷凍機1と比べてより一層細かい処理を行うことが可能である。具体的には、実施の形態1に係るダブルバンドル型冷凍機1では、運転モードとして「冷専運転モード」と「熱回収運転モード」とがあり、冷専運転モードを選択している際には、サブクーラ70に冷却水のみが流れ、熱回収運転モードを選択している際には、サブクーラ70に温水のみが流れる。すなわち、サブクーラ70に冷却水と温水の両方が同時に循環することは無く、冷専運転と熱回収運転とを同時に行うことはできない。仮に、実施の形態1の構成において、電動弁100A〜Dの全てを開放することによって冷却水と温水とを同時にサブクーラ70に循環させたとしても、冷却水と温水とが配管L14において混合してしまい、サブクーラ70の冷却効率及び排熱回収効率が低下してしまう。
このように本実施の形態によれば、冷却水を循環させる冷却水用サブクーラ120と温水を循環させる温水用サブクーラ130を別々に設置することによって、冷却水による冷媒の過冷と温水による排熱の回収とを同時に行ったとしても、冷却水と温水とが混合することがないため、効果的にサブクーラを利用することが可能であり、省エネ性能を向上させることが可能である。
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、少なくとも、従来と異なるシステムにより省エネ性能を向上させることが可能となっている場合には、本発明の課題は解決されている。
発明の詳細な説明や図面で説明したダブルバンドル型冷凍機1、6の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
電動弁100は、接続制御部110bの制御に基づいて電動で開度が調整されるものでなくても良く、例えばユーザが手動で開度を調整することが出来るものであっても良い。
本実施の形態2において、冷却水用サブクーラ120は、温水用サブクーラ130の後段に配置されているが、このような配置に限らず、冷却水用サブクーラ120を、温水用サブクーラ130の前段に配置しても良い。
本実施の形態2において、例示した運転モードに限らず、任意の運転モードをユーザが選択できるようにしても良い。例えば、冷却水用サブクーラ120は通常と同等の能力で稼動させ、温水用サブクーラ130は通常の半分の能力で稼動させることを目的とする「温水回路半開運転モード」等といった任意の運転モードをユーザが選択できるようにしても良い。ユーザが、この「温水回路半開運転モード」を選択した場合には、運転モード判定部110aがこの運転モードを判定し、これを受けた接続制御部110bは、電動弁100Aと電動弁100Bを全開状態に調整し、電動弁100Cと電動弁100Dは半開状態に調整する。また、全開や半開ではなく、任意の量だけ電動弁100を開くような運転モードを選択できるようにしても良い。
2 空調機
3 冷水循環路
4 冷却塔
5 温熱器
10 圧縮器
20 凝縮器
30 膨張弁
40 蒸発器
50 冷却水用循環路
51 冷却水ポンプ
60 温水用循環路
61 温水ポンプ
70 サブクーラ
80 冷却水用サブ循環路
90 温水用サブ循環路
100 電動弁
110 制御部
110a 運転モード判定部
110b 接続制御部
120 冷却水用サブクーラ
130 温水用サブクーラ
L1〜L15 配管
Claims (4)
- 冷媒を圧縮する圧縮手段と、
前記圧縮手段により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮手段と、
前記凝縮手段により凝縮された冷媒を膨張させる膨張手段と、
前記膨張手段により膨張された冷媒を蒸発させる蒸発手段と、
前記凝縮手段と所定の冷却手段との相互間に冷却水を循環させる冷却水用循環路と、
前記凝縮手段と所定の温熱手段との相互間に温水を循環させる温水用循環路と、
前記冷却水を用いて冷媒の過冷を行い、又は前記温水を用いて排熱回収を行うサブクーラと、
前記冷却水用循環路と前記サブクーラとの相互間に前記冷却水を循環させる冷却水用サブ循環路と、
前記温水用循環路と前記サブクーラとの相互間に前記温水を循環させる温水用サブ循環路と、
前記冷却水用サブ循環路又は前記温水用サブ循環路と前記サブクーラとの相互間の接続状態を調整する接続状態調整手段を備えた、
ダブルバンドル型冷凍機。 - 当該ダブルバンドル型冷凍機の運転モードを判定する運転モード判定手段と、
前記運転モード判定手段により判定した前記運転モードに基づいて前記接続状態調整手段を制御する接続制御手段とを備える、
請求項1に記載のダブルバンドル型冷凍機。 - 前記接続制御手段は、
前記運転モード判定手段によって前記運転モードが冷専運転モードであると判定された場合は、
前記冷却水用サブ循環路と前記サブクーラとの相互間の接続を開放すると共に、前記温水用サブ循環路と前記サブクーラとの相互間の接続を遮断し、
前記運転モード判定手段によって前記運転モードが熱回収運転モードであると判定された場合は、
前記温水用サブ循環路と前記サブクーラとの相互間の接続を開放すると共に、前記冷却水用サブ循環路と前記サブクーラとの相互間の接続を遮断する、
請求項2に記載のダブルバンドル型冷凍機。 - 前記サブクーラとして、前記冷却水を用いて冷媒の過冷を行う冷却水用サブクーラと、前記温水を用いて排熱回収を行う温水用サブクーラとを備え、
前記冷却水用サブ循環路は、前記冷却水用循環路と前記冷却水用サブクーラとの相互間に前記冷却水を循環させ、
前記温水用サブ循環路は、前記温水用循環路と前記温水用サブクーラとの相互間に前記温水を循環させ、
前記接続状態調整手段は、前記冷却水用サブ循環路と前記冷却水用サブクーラとの相互間の接続状態、及び前記温水用サブ循環路と前記温水用サブクーラとの相互間の接続状態を調整する、
請求項1又は2に記載のダブルバンドル型冷凍機。
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