JP5992148B2 - セメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント組成物に関する。
プレキャストコンクリートに代表されるセメント硬化体は、種々の用途に使用され、建造物の構造材としても広く使用されており、高強度なセメント硬化体が望まれている。
コンクリートにおける水と、結合材、即ち、セメント、シリカフューム、高炉スラグ、フライアッシュ等、コンクリート中で水和反応する材料との質量比(以下,水/結合材比ということがある。本明細書中における水/結合材比は特にことわらなり限りにおいて、質量基準である)を、小さくすると、粒子間の距離が狭くなり、また,液相部分に水和生成物が析出し充填するため、組織が緻密になり、圧縮強度の高いコンクリートが得られることが知られている。
セメント硬化体として高強度のものが得られると、構造物の柱断面を小さくしたり、柱の荷重の負担面積を大きくしたりすることができるため、高層の構造物の建設に有用となり、また、建物の柱の間隔を大きくとることができるようになり、建築物の平面計画上の自由度を上げることができ,大きなメリットが生まれる。
このような水結合材比の小さいセメント組成物は水分が少ないために充分な流動性が得られず、例えば、高強度化を目的として、水/結合材比を0.2以下の範囲とした場合、結合材をセメントだけにすると、流動化の向上を目的として界面活性剤を大量に使用しても、均一に練り混ぜられなかったり、練り混ぜた混合物の粘性が著しく高くなったりして、実用上充分な流動性は得られないのが現状である。
これに対し、流動性と高強度化を目的として、球形の粒子形状を有するシリカフュームを、セメントの5〜15%程度置換する技術が提案され、セメントに予め平均粒径0.2μm程度のシリカフュームが10%程度プレミックスされた混合セメントが市販されている。これは、平均粒径がサブミクロンのSiOを主成分とする球形状のシリカフュームが、セメント表面に吸着したり、液相中に存在したりすることでセメント粒子間のすべりを良くして、混合物の粘性を下げるとともに、シリカフューム中のSiOがセメントの水和反応で生じる水酸化カルシウムとポゾラン反応を起し、水和物を生成し緻密化することによる強度増進に寄与するためと考えられている。
このようなシリカフュームを使用したセメント組成物は、設計基準強度60〜150N/mm程度の高強度コンクリートに広く適用されるようになっている。しかしながら、さらなる高強度化、即ち、設計基準強度が150N/mmを上回るような強度範囲とするために、水/結合材比を0.2以下、好ましくは0.15程度以下となるまで小さくすると、市販のシリカフュームを混合したセメントでは実用上好ましい流動性が得られなくなっている。
流動性向上のためシリカフュームの混入率を増やすことも検討されるが、流動性改善に必要な界面活性剤がシリカフュームに吸着され添加量が増大すること、或いは、微細なシリカフュームの凝集が生じて流動性向上効果が却って低下すること、界面活性剤の多量添加に伴う凝結遅延が生じてしまうこと、などの新たな問題が生じる。
近年、ジルコニアを精製する際に副産される、平均粒子径が比較的大きく、酸化ジルコニウムを含有するシリカフュームをセメントに添加することで、流動性の低下を抑制しつつ、高強度化を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−203373号公報
しかしながら、ジルコニア由来のシリカフュームは、一般に用いられるフェロシリコンや金属シリコン製造時に副成されるシリカフューム(平均粒径0.1μm〜0.2μm)に比較して、平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下と、より大きいために、比表面積が小さくなり水分の吸収量が少ないために流動性向上効果は得られるものの、反応性は小粒径のシリカフュームに比較して低くなるために、圧縮強度が150N/mmまでは可能であるものの、本発明におけるコンクリート硬化体が目標とする200N/mmを上回るような高強度は達成し難い。
発明の目的は、水/結合材比が0.2以下とした場合でも、流動性の低下が抑制され、200N/mmを上回るような高強度のセメント硬化体を形成しうるセメント組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、シリカフュームを含むセメント組成物を用い、特定条件で養生を行うことで、上記問題点を解決しうることを見出し、本発明を完成した。また、異なる粒径の2種のシリカフュームを併用したセメント組成物が高強度硬化体の製造に最適であることを見出した。
即ち、本発明は以下の実施形態を含む
> セメントと、骨材と、平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームと、平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームと、水とを含み、前記平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームと、前記平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームとの含有質量比が、8:1〜1:1の範囲であり、かつ、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるセメント組成物。
> 前記平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームの含有量と前記平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームの含有量との総量が、全結合材に対し10質量%〜35質量%の範囲である<>に記載のセメント組成物。
本発明は上記構成としたので、本発明によれば、水/結合材比が0.2以下であるセメント組成物を用いて、圧縮強度が150N/mm〜400N/mm程度、特に、200N/mmを超えるような超高強度のセメント硬化体の製造方法が提供され、このようなセメント硬化体の製造方法は、建築物などの構造部材の製造方法としても有用である。
セメント硬化体に係る本発明の作用は明確ではないが、以下のように考えている。
セメント硬化体の原料であるセメント組成物において水/結合材比を小さくすることで、セメント粒子間の距離が狭くなり、また、液相部分に水和生成物が析出してセメント粒子間の空隙を充填するため,組織が緻密になり,圧縮強度の高いコンクリートが得られる。このセメント組成物中には微細で且つ球形のシリカフュームが存在するために、流動性が改良され、さらに、70℃〜100℃の温度範囲で蒸気養生を行って反応を促進すると、まず、シリカフュームに含まれるSiOとセメントに含まれる成分が反応し、常圧下で生成されるシリケート水和物(C−S−H:x(CaO)・y(SiO)・z(HO))が生成して、緻密な組織の骨格を形成する。その後、さらに100℃〜400℃の高温で加熱養生を行うことで、シリケート水和物の骨格中に高温下で生成するトバモライト(Ca・(Si18)・4HO)が生成して、セメントやシリカフューム粒子間の空隙が充填され、組織構造をさらに緻密化するために、高強度の硬化体となるものと推察される。
本発明のセメント硬化体の製造方法は、プレキャスト部材の製造方法としても有用であり、本発明の製造方法により得られた硬化体は、均一で高強度な硬化体であるため、非構造部材のみならず、建築物の構造部材としても適用しうる。
また、セメント組成物に係る本発明の作用は明確ではないが、以下のように考えている。
従来、セメントの一部を小粒径シリカフュームに置き換えることで、流動性が改善されることが知られていた。しかしながら、高強度化によりセメント組成物の水結合材比が0.2以下の如く小さくなると液相が極端に減少して、セメント粒子間の距離が狭くなり、且つ、セメント粒子に吸着しない微粒子の2次凝が生じやすくなり、凝集体の発生は却って粘性を高める作用を生じる。本発明においては、シリカフュームとして粒径0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームとしては比較的粒子径が大きく、2次凝集し難いシリカフュームを併用しているため、セメント粒子間に存在する比較的大きなシリカフューム粒子によるベアリング効果が発現し、流動性が飛躍的に向上するものと考えている。通常、シリカフュームの粒子径が大きくなるに従って反応性も低くなる傾向にあるが、本発明においては、流動性向上効果の高い大粒径シリカフュームに加え、反応性に優れた小粒径シリカフュームを含有させるため、調製するセメントペーストの流動性を維持しつつ、極めて高強度の硬化体を形成しうるものと推定される。
発明のセメント組成物は、水/結合材比が0.2以下であっても、セメント組成物の流動性低下が抑制され、極めて高強度のセメント硬化体を形成しうるという効果を奏する。
〔セメント硬化体〕
以下、本発明のセメント硬化体について、その製造方法とともに詳細に説明する。なお、以下、本発明のセメント硬化体の製造方法により得られたセメント硬化体を、本発明のセメント硬化体と称することがある。
本発明のセメント硬化体はセメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるセメント組成物における好ましい態様であるシリカフュームの全結合材に対する含有量が10質量%〜35質量%であるセメント組成物を混合して型枠に投入し、70℃〜100℃の温度範囲で蒸気養生し、その後、100℃〜400℃の加熱養生を行って得られたセメント硬化体である。
〔セメント硬化体の成分〕
以下、セメント硬化体に用いられる材料と製造方法について順次述べる。
(水/結合材比)
本発明のセメント硬化体の製造に使用されるセメント組成物(骨材として、粗骨材をさらに含むコンクリート組成物であってもよい)は、水/結合材比が0.2以下の組成物であることを要し、少なくとも、水、セメント、シリカフューム、及び、所望によりその他の結合材を含有し、目的に応じて、さらに、細骨材、粗骨材などの骨材、及び、減水剤などを含有する。
水/結合材比は、0.2以下であることを要し、好ましくは、0.08〜0.17の範囲である。流動性と強度との両立という観点からは、最も好ましくは、0.09〜0.13の範囲である。
本発明における結合材とは、セメント硬化体の主成分であるセメント及び一般にセメントと共に用いられるシリカフューム、スラグ、フライアッシュなどのセメント硬化体の効果に関与する微粉末(固形分)を包含するものである。なお、骨材、流動化向上のために添加される界面活性剤は本発明における結合材には包含されない。
(セメント)
本発明のセメント硬化体の製造に用いられるセメントには特に制限はなく、目的に応じて、各種セメント類の中から、適宜選択することができる。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどの公知のセメントはいずれも好適に使用しうる。好ましくは、低熱ポルトランドセメントが良い。
また、予めシリカフュームを含有するポルトランドセメントを用いてもよい。シリカフュームを含有するポルトランドセメントは市販品としても入手可能であり、例えば、宇部三菱セメント社製、商品名:シリカフュームセメントスーパー、シリカフュームセメント、太平洋セメント社製:シリカフュームプレミックスセメント等が挙げられる。シリカフュームを含有するポルトランドセメントを用いる場合、後述するシリカフュームの添加量は予め系中に含まれるシリカフュームの含有量を考慮して決定される。
(シリカフューム)
本発明のセメント硬化体の製造に用いられるセメント組成物はシリカフュームを含有する。好適に用いられるシリカフュームとしては、粉体状、スラリー状または顆粒状のどちらの形態でも用いることができる。シリカフュームとしては、一般に用いられるフェロシリコンや金属シリコン製造時に副成されるシリカフューム(平均粒径:0.1μm〜0.2μm、pH5〜10、以下、小粒径シリカフュームと称することがある。)が好ましい。また、ジルコニア由来のシリカフューム(平均粒径:0.2μmを超え1.0μm以下、pH2〜4、以下、大粒径シリカフュームと称することがある。)を用いてもよいが、大粒径シリカフュームは、単独で用いた場合、既述のように本発明に係る水/結合材比で用いた場合、充分な強度向上効果をえることが困難となる懸念があるため、小粒径シリカフュームと併用して用いることが好ましい。
なお、本明細書におけるシリカフュームの粒径は、BET法で比表面積を算出し、この比表面積から粒子の密度と粒子が球形であるとして計算により求めた値を用いている。
シリカフュームの粒径は、レーザー回折式粒度分布計で測定した粒度分布から求めてもよいが、この測定方法をとる場合には粒子が凝集していない状態で測定する必要があるため、あらかじめスラリー化処理した状態とするか、あるいは、分散剤やホモジナイザーなどを適宜用いて粒子を分散させた状態として測定する必要があることに留意すべきである。
シリカフュームの含有量としては、セメント組成物における全結合材中、10質量%〜35質量%であ、15質量%〜30質量%であることがより好ましい。シリカフュームを全結合材中、10質量%〜35質量%含有させるには、結合材であるセメントのうちの10質量%〜35質量%をシリカフュームで置き換えればよい。なお、ここで言うシリカフュームの含有量とは、複数種のシリカフュームを併用する場合にはその総量を指す。シリカフュームの含有量が上記範囲において、流動性向上効果及び強度向上効果が充分に発現される。
なお、既述のように市販のセメントの中には、予めシリカフュームが含まれているものがあり、このようなセメントを用いる場合には、予め含有されたシリカフュームの含有量を考慮して、追加して含有させるシリカフュームの置き換え量を算出する必要がある。
シリカフュームの含有量が多すぎる場合には、化学混和剤での分散が不十分な状態では粘性が高まり、成が困難となり、型枠に投入した場合に密実なものができにくく初期欠陥が生じることで、優れた強度が得難くなり、化学混和剤を多量に添加して流動性を改良すると、化学混和剤に起因して硬化性が低下する懸念が出てくる。
より詳細には、シリカフュームとして小粒径シリカフュームを用いる場合、全結合在中の含有量は5質量%〜20質量%の範囲が好ましく、7質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。また、大粒径シリカフュームの含有量は、全結合在中、0質量%〜30質量%の範囲が好ましく、0質量%〜23質量%の範囲がより好ましい。
両者を併用する場合の好ましい比率としては、小粒径シリカフューム:大粒径シリカフューム(質量比)が、10:90〜90:10となる範囲であることが好ましく、25:75〜75:25となる範囲であることがより好ましい。
両者を併用することで、セメント粒子及び大粒径シリカフューム粒子の粒子間に微細な小粒径シリカフュームが存在することになり、流動性を効果的に向上させることができ、さらに、両者を併用することにより、セメント粒子と大粒径シリカフュームとがセメント組成物中に均一に分散されるため、シリカフュームの均一且つ強度向上効果が充分に得られるものと考えられる。
また、硬化性の観点からは、シリカフュームは、二酸化ケイ素(SiO)を質量比で80%以上含有し、且つBET法による比表面積が大粒径シリカフュームは3m/g以上13m/g以下、小粒径シリカフュームは15m/g以上25m/g以下であることが好適である。SiOの含有量が80質量%以上であることで、既述のポゾラン反応性が充分に得られ、強度向上効果が充分に発現される。また、比表面積が上記範囲であることで、流動性および混練性の低下が抑制される。
(その他の結合材)
本発明のセメント硬化体を製造するに際して、セメント及びシリカフュームに加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、調製されるセメント組成物の用途に応じて、他の結合材を適宜選択して、適切な使用量で使用してもよい。
その他の結合材としては、結晶質のシリカを微粉砕したシリカ微粉末、高炉スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末、フライアッシュなどが挙げられる。
セメント及びシリカフューム以外の結合材の含有量は、全結合材の10質量%以下であることが好ましい。
(骨材)
本発明のセメント硬化体を製造するためのセメント組成物には、骨材を含有する。骨材としては、細骨材が好ましく、細骨材と粗骨材とを含むコンクリート組成物としてもよい。粗骨材をさらに含有することでセメント硬化体の強度が一層向上する。
(細骨材)
細骨材は、良質で堅固な天然砂、砕砂、加工砂は使用される。細骨材の種類と含有量は目標とするセメント硬化体の強度に応じて適宜選定すればよいが、砕砂や加工砂を使用する場合には、角を処理したものや、粒度を調整したもの等を使用するのが効果的である。
細骨材として、成分にSiOが多い細骨材を用いると、シリカフュームに含有されるSiO由来成分と同様の挙動を示し、細骨材の構成成分が高温養生などを行った際に僅かではあるが反応するため、強度増進に有効である。より具体的には、SiOを70%以上含有する細骨材、例えば,流紋岩や石英系の骨材を用いることが好ましい。
(粗骨材)
骨材として、細骨材に加えて、さらに粗骨材を使用する場合には、良質で堅固な粗骨材を用いればよい。粗骨材の最大寸法は粒径(最大粒径)が20mm以下であることを要し、好ましくは最大寸法が15mm以下とすることが望ましい。岩種については、硬質砂岩、安山岩、流紋岩などの一般的なものから、目標とする強度に応じて適宜選定すればよい。セメント硬化体を形成するセメント組成物に粗骨材を用いることで、コンクリート組成物となり、得られる硬化体の強度が一層向上する。なお、本明細書における「セメント組成物」の文言は、骨材として粗骨材をさらに含む「コンクリート組成物」をも包含する意味で用いられる。
(その他の成分)
本発明のセメント硬化体に用いられるセメント組成物には、目的に応じて、さらに、減水剤、遅延剤、消泡剤など、セメント組成物やコンクリート組成物に通常用いられる他の成分を含むことができる。
本発明のセメント硬化体は、既述のような各成分を適宜含有するセメント組成物を硬化させ、以下に示す特定の養生を行うことで得られる。
〔セメント硬化体の製造方法〕
本発明のセメント硬化体の製造方法は、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるセメント組成物を混合して型枠に投入し、硬化させてセメント成形体を形成するセメント成形工程と、
得られたセメント成形体を、70℃〜100℃の温度範囲で2時間〜72時間蒸気養生する第1の養生工程と、
第1の養生工程を経た後のセメント成形体を、常圧を超え22MPa以下の加圧条件下で100℃〜400℃の温度範囲で2時間〜72時間加熱する第2の養生工程と、をこの順に有する。
(セメント成形工程)
本発明の製造方法では、まず、既述のセメント硬化体を製造するためのセメント組成物を均一に混合して流動状のスラリーを調製する。
混合は常法により行うことができる。即ち、セメント、骨材、シリカフューム、水及び所望により添加されるその他の添加剤をミキサに投入して混合することでスラリーを調製する方法である。また、まず、骨材を混合した後、セメント及びシリカフュームを添加して混合し、その後、水を添加して混合する等、材料を順次添加して混合してもよく、全結合材中の50質量%〜90質量%と水とを練り混ぜてスラリーを調し、その後、残余の結合材を投入して混合する方法をとることもできる。
このとき、骨材として粗骨材を配合し、コンクリート組成物としてもよい。また、必要に応じて消泡剤、減水剤などをスラリーを調製する際に配合すればよい。
調製されたスラリーは型枠に投入して硬化させ、セメント成形体を形成する。本発明に係るセメント組成物は、水/結合材比は0.2以下であるが既述の含有量でシリカフュームを含有するために流動性に優れ、型枠内に均一に投入される。スラリーを型枠内に投入した後、常法に従い脱泡などの工程をさらに行ってもよい。
本工程は、型枠内に投入されたセメント組成物が自己発熱を伴い硬化してセメント成形体が形成されるまでを実施することが好ましく、このようにして得られた硬化したセメント成形体を次工程である第1の養生工程に付することが好ましい。
(第1の養生工程)
前工程で得られたセメント成形体は、70℃〜100℃の温度範囲で2時間〜72時間蒸気養生する。
第1の養生工程は、セメント成形体が硬化した後であれば、いずれのタイミングで行ってもよく硬化後直ちに行ってもよく、経時後、例えば、自己発熱した成形体が常温に降温した後行ってもよく、多数の成形体を作製した後、複数の成形体をまとめて養生ししてもよい。
蒸気養生は、常法により行われ、例えば、ボイラーで製造した水蒸気を、養生する槽に導入パイプで導入できるようにしておき、槽内に温度センサーを設置して、槽内の温度が設定した温度履歴となるように水蒸気の供給弁を開閉することで行う蒸気養生が最も一般的であるが、他の蒸気養生の方法として、成型体が極度に乾燥しない手段をとった上で、例えば、通電により発熱する面状発熱体などを成型体の表面に取り付けることで加熱する方法などが挙げられ、このような方法で蒸気養生を行ってもよい。成型体が極度に乾燥しないための手段としては、硬化したセメント成型体を水蒸気の存在する雰囲気下に配置する方法、鋼製型枠や木製型枠等の、水分の逸散を抑制する効果のある型枠でコンクリートを全体または大部分を覆った状態にして、面状発熱体、ラバーヒーター、ジェットヒーターなどにより外部から加熱する方法などが挙げられる。
養生温度(養生時の最高加熱温度)は、70℃〜100℃の温度範囲であることを要し、85℃〜95℃の温度範囲であることが好ましい。
蒸気養生における昇温速度は任意であるが、急激な昇温を行うと、成形体における温度の不均衡が生じやすくなり、成形体内の硬化反応の不均一性を招く懸念があるために、9℃/hr〜20℃/hr程度が好ましく、10℃/hr〜15℃/hr程度であることがより好ましい。
養生温度が低すぎると充分な硬化反応、特に、シリカフューム中のSiOがセメントの水和反応で生じる水酸化カルシウムとポゾラン反応を起し、水和物を生成して緻密化する反応が充分に得られず、高強度化が不十分となる懸念がある。養生温度が上昇するとセメント成形体中の硬化反応は促進されるが、100℃を超える高温とした場合には、反応に使われていない余剰水が逸散し、シリケート水和物(C−S−H)の分解が生じ始めたり、或いは、結合水の減少による体積減少が生じ、セメントなどの粒子間の間隙がシリケート水和物やトバモライトで充填されていたときよりも組織構造がポーラスになったりして、却って強度が低下する懸念がある。特に、温度が高くなるほどこの傾向が強くなり、温度が200℃を超えると結合水を持たない繊維状形態のゾノトライト(Ca・(Si17)(OH))が生成するが、未反応部における新たにゾノトライトの生成に加え、分解したシリケート水和物やトバモライトからも生成し、組織構造がポーラスになることが懸念される。したがって、第1の養生工程における加熱温度は上記範囲であることを要する。なお、本発明において養生温度とは、熱電対などの温度測定センサーにより測定した、養生時の雰囲気あるいは成型体内部の温度を指す。即ち、温度が100℃程度までであれば、雰囲気温度と成形体内部の温度との間には大きな違いはないため、雰囲気温度を測定した方が、操作上簡便であり好ましい。本発明における養生温度も、雰囲気温度を測定した値を用いている。
養生時間は2時間〜72時間であることが好ましく、6時間〜72時間であることがより好ましい。なお、本発明において、養生時間とは、前記養生温度(最高加熱温度)が維持される時間を指す。
なお、一般に蒸気養生を行う場合には、型枠内にセメント組成物を投入した後、適度な前置き期間をとって硬化前から徐々に温度を上昇させるが、本発明の製造方法では、前工程においてセメント成形体が完全に硬化するまで高温に加熱せず、完全に硬化したセメント成形体を得た後であれば任意の時間、即ち、強度を出したい場合に、任意に第1の養生を行い得るという利点をも有する。従って律速工程であるセメント成形体の製造工程において得られたセメント成形体を保存して任意の数となったとき、まとめて第1の養生工程に付すことでエネルギーを節約し、セメント硬化体の製造を効率よく製造しうる。
(第2の養生工程)
前記第1の養生工程において蒸気養生されたセメント成形体は、第2の養生工程において100℃〜400℃の加熱温度にて、2時間〜72時間加熱養生される。
第2の養生工程を行うタイミングとしては、第1の養生工程である蒸気養生を終了した後、成形体を常温に降温した後に実施してもよく、また、蒸気養生の最高温度保持時間が完了した後、続けて加熱養生を行ってもよい。
加熱温度は100℃〜400℃の温度範囲であることを要し、100℃〜250℃であることが好ましく、150℃〜210℃であることがより好ましい。
加熱方法は任意であり、加熱炉内で常圧にて加熱してもよく、オートクレーブ内において加圧条件下で加熱してもよい。本発明のセメント硬化体の製造方法の一実施形態は、加熱方法の好ましい態様である、常圧を超え22MPa以下の加圧条件下で加熱を行う加熱方法を含む。
第2の養生工程である加熱養生における昇温手段、昇温速度は任意であるが、温度応力ひび割れを生じない条件で昇温することが好ましい。加圧条件下で加熱する場合にはオートクレーブの加熱条件を適用できる。常圧下で加熱する場合には、炉内加熱等の一般的な加熱手段や、電磁気的な手段により行うことができる。昇温速度は成体の部材厚にもよるが10℃/hr〜200℃/hr程度で行うことが好ましい。成体部材内の温度勾配が表層部では2℃/cm〜70℃/cmの範囲、内部では2℃/cm〜10℃/cmとなるように養生温度を制御することがより好ましい。
なお、加熱温度はオートクレーブ内での加圧養生の場合には装置の設定温度を表し、常圧条件下の加熱では、熱電対などの温度測定センサーの手段を用いて測定した養生時の雰囲気あるいは成体内部の温度を指す。温度が高い場合には、雰囲気の温度と成体内部の温度差が大きくなる。成体の温度を所定の温度とすることが重要であるので、成体内部の温度と雰囲気温度の差が大きくなる場合には、両者の関係を把握して雰囲気温度で制御するのが簡便なため好ましい。
なお、雰囲気温度と、成体内部温度との関連は、予め実験的に求めたり、成体のサイズと成体の熱特性、すなわち熱伝達率、熱伝導率、熱容量から求めたりすることができる。
前記第2の養生が、加圧条件下で行われる場合の圧力は常圧を超える条件であればよいが、具体的には0.1MPaを超え、22MPa以下の範囲であることが好ましい。加圧条件は、オートクレーブの装置に依存する加熱、加圧条件との関連で最適な条件が選択され、例えば、加圧条件が1MPaの場合には、加熱温度は180℃前後となり、加圧条件が22MPaの場合には、加熱温度は374℃前後となる。
なお、本発明の製造方法においては、常圧条件下での加熱養生によっても高強度の成形体が得られるために、オートクレーブ養生のような圧力容器が不要で簡易である点から常圧条件下での加熱養生を行うことが好ましい。第2の養生を常圧条件下で行う場合には、得られたセメント硬化体の水分の逸散や吸水を抑えるため、後述する後処理工程を実施する。
従来、常圧条件下での加熱養生は、セメントコンクリート成形体中の水分が蒸発して空隙が形成されるなどの問題があり、このためオートクレーブ内での加圧養生が一般的であったが、本発明の製造方法における如く水/結合材比が0.2以下という領域では、常圧条件下での加熱養生でも強度増進効果があることを本発明者らが見出したものである。常圧条件下での加熱養生が有効な理由は、セメント成形体内で予め蒸気養生によってセメント粒子間に緻密な組織が形成されているため、常圧条件下で加熱した場合でも、水分が逸散しにくく、成形体の組織内部では空隙内がオートクレーブと同様の加圧状態になり、加圧条件下での加熱と同様の強度向上効果が得られるためと考えられる。
このようにして第2の養生工程を終了し、本発明のセメント硬化体が得られる。本発明の製造方法により得られたセメント硬化体は、強度のばらつきがなく高強度であるため、その応用範囲は広い。
本発明のセメント硬化体は、上記簡易な本発明の製造方法により均一な強度の硬化体として量産が可能であり、セメント成形体を得た後の蒸気養生工程(第1の養生工程)、及び、引き続き行われる加熱養生工程(第2の養生工程)を施すタイミングも任意であるために、プレキャストコンクリート部材としても有用である。
(後処理工程)
得られたセメント硬化体は、水分の逸散や吸水を抑えるための被膜材で表面を被覆したり、表面に処理剤を含浸させたりする表面処理工程を施してもよい。表面処理工程により表面を被覆材により被覆したり、表面に処理剤を含浸させたりすることでセメント硬化体の耐久性が向上するため好ましい。
被覆材の適用方法としては、硬化体表面に熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂などの樹脂を塗布し、樹脂被膜を形成する方法や、ペンキ等を塗布する方法なども挙げられる。また、市販の造膜タイプなど各種の養生剤を適用することも再吸水を防ぐ目的では有効である。
一方、表面張力が20〜50dyne/cmの界面活性剤等の処理剤を原液か、若しくは適度に希釈して含浸する表面処理も効果的である。界面活性剤等の含浸処理を行うことにより、再吸水しても成型体内部の細孔空隙の表面張力を小さくすることができるため、吸水に伴う強度の低下を最小限に抑えることができる。使用する処理剤としては、例えば、特許3938849に示される収縮低減剤や、グリコールエーテル系など市販の収縮低減剤,特許4033474に示される非イオン系界面活性剤の養生剤が有効である。
水分の吸水を低減する表面被覆処理と、水分が侵入しても内部空隙の表面張力を下げる処理剤含浸処理と、を合わせて行うとより有効である。
[プレキャスト部材]
本発明のプレキャスト部材は、前記本発明のセメント硬化体の製造方法、即ち、セメントと、骨材と、シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるセメント組成物を混合して型枠に投入し、70℃〜100℃の温度範囲で蒸気養生し、その後、100℃〜400℃の加熱養生を行うセメント硬化体の製造方法により得られ、既述のセメント硬化体の製造方法は、プレキャスト部材の製造方法として、工場におけるプレキャスト部材の大量生産に適する。
本発明のプレキャスト部材は、公知の種々の用途に使用され、特に、圧縮強度が極めて高いために、建築物の構造部材として使用してもよく、その用途は広い。
<セメント組成物>
本発明のセメント組成物は、セメントと、骨材と、平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームと、平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるセメント組成物の好ましい態様であり、前記平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームと、前記平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームとの含有質量比が、8:1〜1:1の範囲である、高強度セメント硬化体の製造に有用なセメント組成物である。
以下、本発明のセメント組成物に用いられる材料について順次述べる。
(水/結合材比)
本発明のセメント組成物(骨材として粗骨材をさらに含むコンクリート組成物であってもよい)は、水/結合材比が0.2以下の組成物であることを要し、少なくとも、水、セメント、及び既述の大粒径シリカフューム、小粒径シリカフューム及び、所望によりその他の結合材を含有し、目的に応じて、さらに、細骨材、粗骨材などの骨材、及び、減水剤などを含有する。
水/結合材比は、0.15以下であることが好ましく、下限値は流動性確保の観点から0.08以上であることが好ましい。流動性と強度との両立という観点からは、最も好ましくは、0.09〜0.13の範囲である。
(セメント)
本発明のセメント組成物に用いられるセメントには特に制限はなく、目的に応じて、各種セメント類の中から、適宜選択することができる。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどの公知のセメントはいずれも好適に使用しうる。好ましくは、低熱ポルトランドセメントである。
(平均粒径0.1μm以上0.2μm以下のシリカフューム)
本発明のセメント組成物は、平均粒径0.1μm〜0.2μmシリカフューム(小粒径シリカフューム)を含有する。好適に用いられる小粒径シリカフュームとしては、粉体状または顆粒状のどちらの形態でも用いることができるが、フェロシリコンや金属シリコン製造時に副成されるシリカフューム(平均粒径:0.1μm〜0.2μm、pH5〜10)が好ましい。
小粒径シリカフュームの含有量は、全結合在中の5質量%〜32質量%の範囲が好ましく、7質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。
小粒径シリカフュームの含有量が上記範囲において、流動性の低下が抑制され、充分な強度向上効果を得ることができる。
(平均粒径0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフューム)
本発明のセメント組成物は、平均粒径0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフューム(大粒径シリカフューム)を含有する。大粒径シリカフュームとしては、ジルコニア由来のシリカフューム(平均粒径:0.2μmを超え1.0μm以下、pH2〜4)が好ましい。
大粒径シリカフュームについては、例えば、特開2004−203373号公報に詳細に記載されており、当該公報に記載のシリカフュームを本発明における大粒径シリカフュームとして好適に用いることができる。
大粒径シリカフュームの含有量は、全結合在中、1質量%〜25質量%の範囲が好ましく、2質量%〜15質量%の範囲がより好ましい。
大粒径シリカフュームの含有量が上記範囲において、水結合材比が小さい場合でも、得られる硬化体の強度の不均一が抑制され、好ましい流動性が得られる。
両者を併用することで、本発明のセメント組成物によれば、流動性と反応性が両立し、ハンドリング性に優れ、且つ、均一で、高強度なセメント成型体が得られるという効果を奏する。なお、流動性と強度のとの両立といった観点からは、両者を併用する場合の好ましい比率としては、小粒径シリカフューム:大粒径シリカフューム(質量比)が、10:1〜1:2となる範囲であることが好ましく、9:1〜1:1.5となる範囲であることがより好ましく、8:1〜1:1の範囲であることがさらに好ましい。
小粒径シリカフューム及び大粒径シリカフュームの総含有量としては、セメント組成物における全結合材中、10質量%〜35質量%であることが好ましく、15質量%〜30質量%であることがより好ましい。即ち、結合材であるセメントのうちの10質量%〜35質量%をシリカフュームで置き換えればよい。シリカフュームの総含有量が上記範囲において、流動性向上効果及び強度向上効果が充分に発現される。
なお、既述のように市販のセメントの中には、予め小粒径シリカフュームが含まれているものがあり、このようなセメントを用いる場合には、予め含有された小粒径シリカフュームの含有量を考慮して、追加して含有させる小粒径シリカフュームの置き換え量を算出する必要がある。
シリカフュームの総含有量が多すぎる場合には、化学混和剤での分散が不十分な状態では粘性が高まり、成型が困難となり、型枠に投入した場合に密実なものができにくく初期欠陥が生じ易くなり、成型体の優れた強度が得難くなり、化学混和剤を多量に添加して流動性を改良すると、化学混和剤に起因して硬化性が低下する懸念が出てくる。
また、本発明者らは、シリカフュームの総含有量と、小粒径シリカフューム及び大粒径シリカフュームの含有比率に相関があることを見出した。下記表1は、シリカフュームの総含有量と小粒径/大粒径シリカフュームの好ましい含有比率を示す表である。

また、硬化性の観点からは、シリカフュームは、二酸化ケイ素(SiO)を質量比で80%以上含有し、且つBET法による比表面積が、大粒径シリカフュームは3m/g〜13m/g、小粒径シリカフュームは15m/g〜25m/gであることが好適である。SiOの含有量が80質量%以上であることで、既述のポゾラン反応性が充分に得られ、強度向上効果が充分に発現される。また、比表面積が上記範囲であることで、流動性および混練性の低下が抑制される。
(その他の結合材)
本発明のセメント組成物には、前記セメント及びシリカフュームに加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、調製されるセメント組成物の用途に応じて、他の結合材を適宜選択して、適切な使用量で使用してもよい。
その他の結合材としては、結晶質のシリカを微粉砕したシリカ微粉末、高炉スラグ微粉末などのスラグ、石灰石微粉末、フライアッシュなどが挙げられる。
セメント及びシリカフューム以外の結合材の含有量は、全結合材の10質量%以下であることが好ましい。
(骨材)
本発明のセメント組成物は、通常用いられる骨材を含有する。骨材としては、細骨材が好ましく、細骨材と粗骨材とを含むコンクリート組成物としてもよい。粗骨材をさらに含有することで本発明のセメント組成物から得られるセメント硬化体の強度が一層向上する。
本発明のセメント組成物に用いられる細骨材及び粗骨材としては、既述の公知の骨材を適宜選択して用いることができる。セメント組成物に含まれる細骨材、粗骨材の種類及び量は目的に応じて適宜選択される。本発明のセメント組成物に粗骨材をさらに用いることで、コンクリート組成物となり、得られる硬化体の強度が一層向上する。
(その他の成分)
本発明のセメント組成物には、目的に応じて、さらに、減水剤、遅延剤、消泡剤など、セメント組成物、コンクリート組成物に通常用いられる他の成分を含むことができる。
本発明のセメント組成物を用いたセメント硬化体の製造方法〕
本発明のセメント組成物を用いてセメント硬化体を製造する方法としては、特に制限はなく、一般的な方法をとることができる。
即ち、セメントと、骨材と、小粒径シリカフュームと、大粒径シリカフュームと、水とを含み、水/結合材比(質量基準)が0.2以下である本発明のセメント組成物を混合して調製する、このとき、必要に応じて消泡剤、減水剤などの添加剤を配合してもよい。
調製されたセメント組成物を、型枠に投入し、硬化させてセメント成形体を形成し、得られたセメント成体を養生することで、セメント硬化体を得る。
養生方法には特に制限はなく、標準養生、蒸気養生などの公知の養生方法を適用すればよい。また、蒸気養生と加熱養生とを順次行ってもよい。
本発明のセメント組成物を用いたセメント硬化体の製造に際しては、まず、既述のセメント組成物を均一に混合して流動状のスラリーを調製する。
混合は常法により行うことができる。即ち、セメント、骨材、小粒径シリカフューム、大粒径シリカフューム、水及び所望により添加されるその他の添加剤をミキサに投入して混合することでスラリーを調製する方法である。このとき、骨材として粗骨材を配合し、コンクリート組成物としてもよい。
調製されたスラリーは型枠に投入して硬化させ、セメント成形体を形成する。本発明のセメント組成物は、水/結合材比は0.2以下であるが小粒径及び大粒径という2種のシリカフュームを併用しているために流動性に優れ、型枠内に均一に投入される。スラリーを型枠内に投入した後、常法に従い脱泡などの工程をさらに行ってもよい。
ここで、型枠内に投入されたセメント組成物が自己発熱を伴い硬化してセメント成形体が形成されるまで放置し、その後、このようにして得られた硬化したセメント成形体を養生工程に付することが好ましい。
養生工程としては、特に制限はなく、いずれの養生を行ってもよい、例えば、温度を20±3℃に維持した水中、湿砂中、或いは、飽和蒸気中で行う標準養生、水中で行う水中養生、高温、例えば、70℃〜100℃の温度範囲の水蒸気存在下で行う蒸気養生、高圧下の蒸気養生であるオートクレーブ養生などが挙げられる。
なかでも、得られるセメント硬化体の強度向上の観点からは、蒸気養生が好ましく、又、蒸気養生の後、第2の養生として100℃〜400℃の高温に加熱する加熱養生を行ってもよい。
本発明のセメント組成物は水結合材比が0.2以下であっても流動性に優れるため、型枠への投入が速やかに行われ、さらに、既述のようにして本発明のセメント組成物から得られたセメント硬化体は、均一で高強度である。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に制限されるものではない。
(実施例1〜実施例11)
〔セメント組成物の配合〕
(使用材料)
セメント:Lセメント(商品名:宇部三菱社製、密度3.24g/cm
(低熱ポルトランドセメント) :(表2に記載の量)
小粒径シリカフューム:エルケム983(商品名:エルケム社製、平均粒径0.1μm、二酸化ケイ素含有量:98質量%、BET比表面積:21m/g)
:(表2に記載の量)
大粒径シリカフューム:シリカ(白)(商品名:AGCC社製、平均粒径0.3μm、二酸化ケイ素含有量:96質量%、BET比表面積:10m/g)
:(表2に記載の量)
水:水道水 :189kg/m
細骨材:三河珪砂(粒度D50 212μm、
密度2.6g/cm) :618kg/m
混和剤:SSP−104(商品名:竹本油脂社製) :85kg/m
下記表2に、本発明のセメント硬化体の製造に適用されるセメント組成物の配合を示す。表2中「処方1〜処方11」は、本発明の処方である。
なお、「処方C1」は、本発明の範囲外のセメント組成物である。表2で使用した各材料の詳細は上記の通りである。なお、下記表2中、W/Cは、水/結合材比を表す。
[セメント硬化体の製造]
(1.セメント成形体の調製)
前記表2に記載のセメント組成物について、水、セメント、骨材、およびシリカフュームを表2に記載の量で縦型ミキサ(エスケーミキサー社製 SK−81ミキサ、容量30L)及びオムニミキサ(チヨサマシナリー社製 OM-10E 容量10L)を用いて以下の条件で練り混ぜた。
(1)縦型ミキサにて、空練30秒行い、水を投入し、3分低速(速度:110rpm)で攪拌した後、かき落してさらに5分中速(速度:215rpm)で攪拌した。
混合物をオムニミキサへ投入し、オムニミキサにて3分練混ぜ(速度:300rpm)て、スラリーを調製した。
得られたセメントスラリーを直径50mm高さ100mmの円筒形型枠に投入し、棒を貫入して上下させることで脱泡を行った。
これを5〜7日放置して自然硬化させ、硬化を確認した後、型枠から取り出し、セメント成形体を得た。
(2.スラリーの物性評価)
得られたスラリーの0打フローをJIS A 5201(1997年)に準拠して行った。
また、B型回転粘度計を用いて下記条件で塑性粘度を測定した。
ずり速度0.12回/秒の条件で回転させてトルクを測定し、段階的にずり速度を速くすることで数段階のずり速度でトルクを測定した。最高12.15回/秒までの条件で測定した後は、再び段階的にずり速度を遅くして下降域でのトルクを測定した。これにより得られたずり速度とせん断力の関係をプロットしたところ、得られた結果よりビンガム流体とみなしてよいと判断されたことから、1次関数で回帰式を求め、切片を降伏値、傾きを塑性粘度とした。
結果を上記表2に併記した。
表2に示すように、処方1〜処方11のセメント組成物から得られたスラリーは実用上問題のない流動性を示した。
(3.第1の養生工程)
得られたセメント成形体を、昇温速度、降温速度10℃/hrで、最高温度90℃になるまで加熱し、72時間蒸気養生を行った。
(4.第2の養生工程)
前記蒸気養生を終了した後、引き続きセメント成形体を、昇温速度、降温速度100℃/hrで、最高温度180℃になるまで加熱し、24時間加熱養生を行ってセメント硬化体を得た。
(5.セメント硬化体の強度試験)
得られたセメント硬化体をJIS A 1108(2006年)に準じて材齢14日の圧縮強度を測定した。結果を表2に併記した。
表2より、本発明の製造方法に用いられるセメント組成物は実用上充分な流動性を示し、本発明の製造方法により得られた本発明のセメント硬化体はいずれも300N/mm程度あるいはそれ以上の非常に高い圧縮強度を示し、本発明の製造方法により得られたセメント硬化体は構造材としても充分な強度を発現していることが明らかとなった。特に、実施例7〜実施例8のセメント硬化体は、圧縮強度が400N/mm超であり、非常に優れた強度を示した。
(比較例1)
セメント組成物として処方C1を用い、第1の養生工程及び第2の養生工程を行わず、標準養生を行った以外は、実施例7と同様にしてセメント硬化体を得て、同様の評価を行った。
(比較例2)
セメント組成物として処方7を用い、第1の養生工程及び第2の養生工程を行わず、標準養生を行った以外は、実施例7と同様にしてセメント硬化体を得て、同様の評価を行った。
(比較例3)
セメント組成物として処方7を用い、第1の養生工程(蒸気養生)を行わなかった以外は、実施例7と同様にしてセメント硬化体を製造したが、加熱前に強度が十分に発現していないため加熱温度が100℃を超えたのちに水分の蒸散が生じ、ポーラス化してしまい強度は向上しなかった。
(比較例4)
セメント組成物として処方5を用い、第1の養生工程及び第2の養生工程を行わず、標準養生を行った以外は、実施例5と同様にしてセメント硬化体を得て、同様の評価を行った。
(比較例5)
セメント組成物として処方11を用い、第1の養生工程及び第2の養生工程を行わず、標準養生を行った以外は、実施例11と同様にしてセメント硬化体を得て、同様の評価を行った。
(比較例6)
セメント組成物として処方11を用い、第2の養生工程(加熱養生)を行わなかった以外は、実施例8と同様にしてセメント硬化体を得て、同様の評価を行った。

比較例1〜比較例6におけるセメント処方及びセメント硬化体の評価結果を下記表3に示す。なお、比較のため、実施例7、実施例8及び実施例11の結果を併記した。
表3に明らかなように、シリカフュームを含有しない比較例1では、当該水/結合材比では、粉体状のままで流動性のあるセメントスラリーは得られなかったため、スラリーとしての物性評価は不可能であった。これを粉体状のまま型枠に詰めたが硬化しなかったため、圧縮強度の測定も不可能であった。
また、本発明の範囲外の養生を行った比較例2〜比較例6のセメント硬化体との対比において、本発明のセメント硬化体である実施例7、実施例8及び実施例11は圧縮強度が著しく高くなっていることがわかる。
(実施例12〜実施例16、比較例7〜比較例10)
<セメント組成物>
〔セメント組成物の配合〕
(使用材料)
セメント:Lセメント(商品名:宇部三菱社製、密度3.24g/cm
(低熱ポルトランドセメント) :1405kg/m
小粒径シリカフューム:エルケム983(商品名:エルケム社製、平均粒径0.1μm、二酸化ケイ素含有量:98質量%、BET比表面積:21m/g)
:(表4に記載の量)
大粒径シリカフューム:シリカ(白)(商品名:AGCC社製、平均粒径0.3μm、二酸化ケイ素含有量:96質量%、BET比表面積:10m/g)
:(表4に記載の量)
水:水道水 :189kg/m
細骨材:三河珪砂(粒度D50 212μm、
密度2.6g/cm) :618kg/m
混和剤:SSP−104(商品名:竹本油脂社製) :85kg/m
下記表4に、本発明のセメント硬化体の製造に適用されるセメント組成物の配合を示す。表4中「処方12〜処方16」は、本発明の処方である。
なお、「処方C2〜処方C5」は、本発明の範囲外のセメント組成物である。表4で使用した各材料の詳細は上記の通りである。なお、下記表4中、W/Cは、水/結合材比を表す。
下記表4に記載のセメント組成物について、水、セメント、骨材、およびシリカフュームを表4記載の量で縦型ミキサ(エスケーミキサー社製 SK−81ミキサ、容量30L)及びオムニミキサ(チヨサマシナリー社製 OM-10E 容量10L)を用いて以下の条件で練り混ぜた。
(1)縦型ミキサにて、空練30秒行い、水を投入し、3分低速(速度:110rpm)で攪拌した後、かき落してさらに5分中速(速度:215rpm)で攪拌した。
混合物をオムニミキサへ投入し、オムニミキサにて3分練混ぜ(速度:300rpm)て、スラリーを調製した。
得られたセメントスラリーを直径50mm高さ100mmの円筒形型枠に投入し、棒を貫入して上下させることで脱泡を行った。
これを5〜7日放置して自然硬化させ、硬化を確認した後、型枠から取り出し、セメント成形体を得た。
(2.スラリーの物性評価)
得られたスラリーの0打フローをJIS A 5201(1997年)に準拠して行った。
また、B型回転粘度計を用いて下記条件で塑性粘度を測定した。
ずり速度0.12回/秒の条件で回転させてトルクを測定し、段階的にずり速度を速くすることで数段階のずり速度でトルクを測定した。最高12.15回/秒までの条件で測定した後は、再び段階的にずり速度を遅くして下降域でのトルクを測定した。これにより得られたずり速度とせん断力の関係をプロットしたところ、得られた結果よりビンガム流体とみなしてよいと判断されたことから、1次関数で回帰式を求め、切片を降伏値、傾きを塑性粘度とした。
結果を下記表4に併記した。
表4に示すように、処方12〜処方16のセメント組成物から得られたスラリーは実用上問題のない流動性を示した。
その後、セメントスラリーを型枠に投入し、セメント成型体を作成した。
得られたセメント成形体を、温度を20℃に維持した水中に配置する標準養生を行ってセメント硬化体を得た。
得られたセメント硬化体についてJIS A 1108(2006年)に準じて材齢14日の圧縮強度を測定した。結果を下記表4に示した。
表4の結果より明らかなように、本発明のセメント組成物は、スラリーとしたときの流動性が良好であり、且つ、圧縮強度の高い硬化体が得られることがわかる。
なお、実施例13〜15と比較例7、8、及び、実施例16と比較例9、10との対比において、小粒径シリカフュームのみを使用した比較例7、9は実施例に比較して流動性に劣るため作業性が低下し、大粒径シリカフュームのみを使用した比較例8、10では、流動性に優れるものの、得られる硬化体の圧縮強度が低いことがわかる。
次に、本発明に係る実施例12〜16のセメント組成物を用いて、同様にセメント成形体を形成し、これを昇温速度、降温速度10℃/hrで、最高温度90℃になるまで加熱し、72時間蒸気養生を行ってセメント硬化体を得て、同様に圧縮強度を測定したところ、それぞれ282.4N/mm(実施例12)、278.0N/mm(実施例13)、303.8N/mm(実施例14)、305.1N/mm(実施例15)、283.8N/mm(実施例16)であり、一般的な蒸気養生により、極めて圧縮強度の高い硬化体が得られることが確認された。
(実施例17〜実施例20、比較例11)
<コンクリート組成物>
実施例12〜16で使用したセメント組成物の配合に記載の各成分に加え、以下に示す粗骨材を用いて、下記の手順によりコンクリート組成物を調製した。
粗骨材:流紋岩質砕石(最大寸法15mm,表乾密度2.6g/cm,実積率57%) :735kg/m
[コンクリート(セメント)硬化体の製造]
(1.コンクリート(セメント)成形体の調製)
下記表5に記載のコンクリート組成物について、水、セメント、粗骨材、細骨材、大粒径シリカフューム、及び小粒径シリカフュームを表5に記載の量で太平洋機社製の強制2軸ミキサ(容量100リットル)を用いて以下の条件で練り混ぜた。
材料を一括で投入して空練り30秒後,水と混和剤を投入し180秒練り混ぜ、一旦ミキサを止め、ケレンの後に300秒練り混ぜてスラリーを調製した。
得られたコンクリートスラリーを直径100mm高さ200mmの円筒形型枠に投入し、棒を貫入して上下させることで脱泡を行った。
これを5〜7日放置して自然硬化させ、硬化を確認した後、型枠から取り出し、コンクリート成形体を得た。
(2.コンクリートの流動性の評価)
スランプフロー試験:JIS A 1150(2007年)に準拠して行った。スランプコーンを抜き初めてから,コンクリートのスランプフローが50cmにまで広がるのに要した時間をストップウオッチで測定した。コンクリートの流動が停止したことを確認し,スランプフローを測定した。
L型フロー試験:L型ボックスのたて部にコンクリートを充填し,仕切り板を一気に抜きとりコンクリートが流出するときの出口から5cm〜10cmの区間の流動速度をLフロー試験センサーで測定した。
結果を下記表5に示す。
表5に示すように、実施例17〜実施例20のコンクリート組成物から得られたスラリーは実用上問題のない流動性を示した。
(3.養生工程:標準養生)
得られたセメント成形体を、温度を20℃に維持した水中に配置する標準養生を行ってセメント硬化体を得た。
(4.養生工程:蒸気養生)
得られたセメント成形体を、昇温速度、降温速度10℃/hrで、最高温度90℃になるまで加熱し、72時間蒸気養生を行ってセメント硬化体を得た。
(5.セメント硬化体の強度試験)
得られたセメント硬化体をJIS A 1108(2006年)に準じて材齢14日の圧縮強度を測定した。結果を表5に併記した。
表5に明らかなように、本発明のセメント組成物に粗骨材を加えたコンクリート組成物は、流動性に優れ、圧縮強度の高く、構造材としても有用なコンクリート硬化体が得られることがわかる。他方、比較例11のコンクリート組成物では、スランプフローが小さく,流動性に劣っていた。このため、型枠内に密実に充填することが困難であり、粘性が高いため成型時に巻き込んだ気泡を十分に除去することが難しいために、得られたコンクリート硬化体の圧縮強度は、実施例のコンクリート組成物から得られた硬化体よりも低いものであった。
上記実施例より明らかなように、本発明のセメント組成物及びこれに粗骨材を加えてなるコンクリート組成物は、流動性に優れ、型枠に投入する際の作業性が良好であり、且つ、圧縮強度の高いセメント硬化体が得られること確認された。

Claims (2)

  1. セメントと、骨材と、平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームと、平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームと、水とを含み、前記平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームと、前記平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームとの含有質量比が、8:1〜1:1の範囲であり、かつ、水/結合材比(質量基準)が0.2以下であるセメント組成物。
  2. 前記平均粒径が0.1μm以上0.2μm以下のシリカフュームの含有量と前記平均粒径が0.2μmを超え1.0μm以下のシリカフュームの含有量との総量が、全結合材に対し10質量%〜35質量%の範囲である請求項に記載のセメント組成物。
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