JP5992004B2 - 誘導回転電機の回転子、及び回転子の製造方法 - Google Patents

誘導回転電機の回転子、及び回転子の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、高速回転を実現するための機械的強度を持たせた誘導回転電機の回転子、及び回転子の製造方法に関するものである。
複数の電磁鋼板を積層した回転子鉄心が、回転軸になるシャフトに取り付けられている誘導回転電機の回転子が従来から知られている。回転子鉄心は、軸線方向に回転子鉄心を貫通した複数のスロット内に設けられた回転子導体と、回転子導体の軸線方向端部で、かつ、回転子鉄心外に設けられ、回転子導体と一体に鋳込むことで形成されたエンドリングとを有している。
近年、特に、工作機向けの誘導回転電機においては、高速回転条件、高温条件、及び高負荷条件で運転されることが多い。このため、回転子には、非常に大きな遠心力が作用することになる。このとき、回転子導体は、機械的強度及び熱的強度に優れた鉄材からなる回転子鉄心の内部に存在しているので、変形することはない。しかし、回転子鉄心外に設けられたエンドリングは、径方向外側に倒れこむように変形してしまう。これにより、エンドリングと回転子導体との境界部に応力が集中し、境界部が破損する恐れがある。
境界部のエンドリングを補強するために、軸線方向端部の電磁鋼板から軸線方向について回転子鉄心から離れる方向に突出する突起を設け、突起をエンドリング内部に含むように鋳込むことでエンドリングの変形を抑制する回転子鉄心を有するアルミダイキャスト回転子が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている回転子鉄心では、互いに隣り合うスロットの中間付近に突起が形成されている。
また、軸線方向端部の電磁鋼板である薄鉄板に、複数のバーリング穴を設け、溶湯がバーリング穴からバーリング穴の裏側へ回って逃し穴に広がり、冷え固まることで、エンドリングである端板の抜け止めとし、端板を回転子鉄心であるヨークに対して、より強固に固定した永久磁石型回転子が従来から知られている(例えば、特許文献2参照)。
実公昭60−66278号公報 特開平2−46142号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1に示されているアルミダイキャスト回転子は、互いに隣り合うスロットの中間付近に設けられた突起でエンドリングを支持してエンドリングの変形を抑制している。しかし、互いに隣り合うスロットの中間付近に設けられた突起では、境界部に生じる局所的な応力、例えば、径方向外側のエンドリングの端面付近に対して作用する応力を緩和する効果に乏しく、境界部が破損する恐れがあるという問題は解決されていない。
また、特許文献2に示されている永久磁石型回転子は、端板をヨークに強固に固定する際には、有効な技術であり、径方向に作用する遠心力による応力に対して、より耐久性を持たせることができる。しかし、特許文献2に示されている永久磁石型回転子は、エンドリングの抜け止めの効果を狙ったものであり、遠心力によるエンドリングの径方向への変形を抑制する効果を得ることはできない。
さらに、特許文献2は、ヨークに逃がし穴を設ける空きスペースが無いことから、軸線方向端部の1枚または数枚の薄鉄板のスロットの周囲にバーリング穴加工を施すことになる。このとき、溶湯をバーリング穴からバーリング穴の裏側へ回すためには、必然的にバーリング穴の径をスロットの径よりも狭くする必要がある。
このような構成では、湯流れが局所的に悪化して、ダイカスト材の中への空気の巻き込み、成型後の境界部に巣や破断部を発生させ、強度低下を招く恐れがある。このとき、回転子が高速回転して、遠心力によりエンドリングが境界部を支点として径方向に倒れ込むように変形すると、境界部が破損する恐れがある。従って、特許文献2においても、境界部が破損する恐れがあるという問題の解決はされていない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エンドリングの変形を抑制すると共に、境界部の破損を防止することができる誘導回転電機の回転子、及び回転子の製造方法を得ることを目的とする。
この発明による誘導回転電機の回転子は、回転軸になるシャフトを挿入するための軸孔を有するとともに、周方向に間隔を置いて、かつ、軸線方向に貫通する複数の第1の貫通孔の内部に形成されている複数の棒状の導体を有する環状の回転子鉄心、回転子鉄心の軸線方向両端部に設けられるとともに、複数の第1の貫通孔のそれぞれの位置と整合する位置に設けられた第2の貫通孔と、軸線方向について回転子鉄心から離れるように第2の貫通孔の外周部から突出して設けられた凸部とを有する端面板、及び凸部の一部内部に埋没されており、かつ、導体同士を連結して導体を短絡し、回転子鉄心と端面板とを接合するように、軸線方向の両端に設けられたエンドリングを備え、端面板には、導体及びエンドリングよりも機械的強度及び熱的強度に優れた材料が用いられており、凸部は、径方向内側に配置された第1の凸部と、径方向外側に配置された第2の凸部とで構成され、第1の凸部は、エンドリング内に埋没されており、第2の凸部は、エンドリングの径方向外端面よりも径方向外側に配置され、かつ、エンドリングの径方向外端面と接している。
また、この発明による回転子の製造方法は、回転軸になるシャフトを挿入するための軸孔と、周方向に間隔を置いて、かつ、軸線方向に貫通されており、複数の棒状の導体を挿入させるための複数の第1の貫通孔とを有する環状の回転子鉄心、回転子鉄心の軸線方向両端部に設けられるとともに、複数の第1の貫通孔のそれぞれの位置と整合する位置に設けられた第2の貫通孔と、軸線方向について回転子鉄心から離れるように第2の貫通孔の外周部から突出した凸部と、を有する端面板、及び凸部の一部を内部に鋳込み、かつ、導体同士を連結して導体を短絡し、回転子鉄心と端面板とを接合するように、軸線方向の両端に設けられたエンドリングを備えた誘導回転電機の回転子の製造方法であって、導体及びエンドリングよりも機械的強度及び熱的強度に優れた材料を用いて、径方向内側に配置された第1の凸部と、径方向外側に配置された第2の凸部とで構成された凸部を有するように、端面板を形成するステップと、成型型内に、第1の貫通孔と第2の貫通孔との位置を整合させた回転子鉄心及び端面板を配置するステップと、回転子鉄心及び端面板が配置された成形型内に、溶湯を流し込むことで、第1の凸部がエンドリング内に鋳込まれ、第2の凸部がエンドリングの径方向外端面よりも径方向外側に配置され、エンドリングの径方向外端面と接するように、複数の棒状の導体と、エンドリングと、をダイカストにより一体に成型するステップと、を有する。
この発明による誘導回転電機の回転子によれば、機械的強度及び熱的強度に優れた鉄材が用いられた端面板から突出させた凸部のうち、径方向外側に配置された第2の凸部がエンドリングの径方向外側面と接している。これにより、遠心力により径方向外側に変形しようとするエンドリングを支えることができ、エンドリングの変形を抑制することができる。これに加えて、径方向内側に配置された第1の凸部は、エンドリング内に鋳込まれている。これにより、エンドリングと端面板との結合が強固になるので、エンドリングとスロット内導体との境界部の破損を防止することができる。
本発明の実施の形態1によるかご型誘導電動機を示す断面図である。 図1の回転子部を示す断面図である。 図2の回転子部を示す斜視図である。 図3の回転子を示す分解図である。 図3のV−V線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態2による凸部を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態3による凸部を示す拡大断面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるかご型誘導電動機を示す断面図である。図1において、誘導回転電機であるかご型誘導電動機1(以下、単に誘導電動機1と称す)は、誘導電動機本体(誘導回転電機本体)10と、誘導電動機本体10の外側に配置されたエンコーダ2と、エンコーダ2を覆い誘導電動機本体10に装着された保護カバー3とを有している。
誘導電動機本体10は、軸線を中心に回転される回転子部20と、回転子部20の径方向外側に配置され、回転子部20の外周方向を囲む筒状の固定子部30と、回転子部20及び固定子部30を支持するケーシング40とを有している。
回転子部20は、回転子部20の軸線上に配置され、回転軸になるシャフト21と、シャフト21に設けられ、ケーシング40内に収容された回転子22とを有している。
固定子部30は、回転子22と同軸に配置された状態でケーシング40内に固定されている。また、固定子部30は、回転子22を囲む円筒状(環状)の固定子鉄心31と、固定子鉄心31に設けられ、固定子鉄心31の周方向について並べられた複数の固定子コイル32とを有している。外部から各固定子コイル32への給電により、固定子部30には、回転磁界が生じる。一方、外部動力により、固定子部30の回転磁界の回転速度より速い速度で回転子22を回転させると、回転子22の回転に伴う磁束の変化により、各固定子コイル32に交流起電力が生じ、誘導発電機になる。
ケーシング40は、負荷側ブラケット41、反負荷側ブラケット42、負荷側ブラケット41と反負荷側ブラケット42とを接続するフレーム43により構成されている。負荷側ブラケット41及び反負荷側ブラケット42は、回転子22及び固定子部30を挟んだ状態で互いに対向して配置されている。固定子鉄心31は、フレーム43に取り付けられている。
シャフト21は、負荷側ブラケット41及び反負荷側ブラケット42のそれぞれを貫通している。また、シャフト21は、負荷側ブラケット41及び反負荷側ブラケット42のそれぞれに軸受4を介して回転自在に支持されている。反負荷側ブラケット42からケーシング40外へ突出するシャフト21の端部には、シャフト21の回転速度を検出するエンコーダ2が設けられている。
エンコーダ2は、反負荷側ブラケット42に固定された保護カバー3により保護されている。即ち、保護カバー3は、エンコーダ2を覆い、誘導電動機本体10に装着されている。
図2は、図1の回転子部20を示す断面図である。また、図3は、図2の回転子部20を示す斜視図である。さらに、図4は、図3の回転子22を示す分解図である。ただし、図3では、回転子22を説明するために、後述するエンドリング25の一部をカットして示している。以下、図2〜4を用いて、回転子22の構造について説明する。
図に示すように、回転子22には、円板状の電磁鋼板を複数枚積層して形成された環状の回転子鉄心23が設けられている。回転子鉄心23の中央部には、シャフト21を挿入するための断面円形状の軸孔230が形成されている。また、回転子鉄心23の周縁部には、回転子鉄心23の周方向に間隔を置いて複数(この例では、16個)のスロット(第1の貫通孔)231が設けられている。
全てのスロット231は、回転子22の径方向について、それぞれのスロット231の中心軸と軸孔230の中心軸との距離が等しくなるように配置されている。また、各スロット231は、軸線方向に沿って延びると共に、スロット231同士は、平行になるように延びている。さらに、スロット231は、軸線方向について固定子鉄心31を貫通している。
スロット231のそれぞれには、軸線方向と直交する方向についての断面形状が、スロット231の形状と同じ形状である棒状の複数(スロット231と同数であり、この例では、16個)のスロット内導体(導体)24が設けられている。
スロット内導体24は、導電材(例えば、アルミニウム,銅)で形成されている。スロット内導体24は、スロット231内に導電材をダイカスト注入することにより形成されている。軸線方向について、スロット内導体24の寸法は、スロット231の寸法と同じになっている。従って、軸線方向について、スロット内導体24の端面と、回転子鉄心23の端面とは一致している。スロット内導体24の軸線方向端部には、各スロット内導体24同士を連結して、各スロット内導体24を短絡する環状のエンドリング25が設けられている。
エンドリング25は、軸線方向について、回転子鉄心23の両端部から回転子鉄心23を挟持するように一対配置されている。エンドリング25は、回転子鉄心23の軸線方向両端部に一対の端面板26を設けた状態で、導電材(例えば、アルミニウム,銅)をダイカスト注入することで形成されている。本実施の形態1では、エンドリング25が、鋳造成型により、各スロット内導体24と一体に形成されている。
エンドリング25の径方向外側の端面の位置は、図2のA部に示すように、スロット内導体24の径方向外側の端面の位置と一致している。これにより、エンドリング25の外径は、回転子鉄心23の外径よりも小さくなっている。また、エンドリング25の径方向内側の端面は、図2のB部に示すように、スロット内導体24の径方向内側の端面よりも軸線に近い位置である。
端面板26は、環状の薄鉄板になっている。端面板26は、回転子鉄心23の軸線方向両端部に設けられている。端面板26と回転子鉄心23とが対向する面同士は、密着して固定されている。端面板26と回転子鉄心23とは、スロット内導体24及びエンドリング25をダイカストによって鋳造成型する際に固定される。
端面板26には、アルミニウムや銅よりも機械的強度及び熱的強度に優れた材料(例えば鉄材)が用いられている。具体的には汎用鋼板(例えば、SPCC鋼板、SPHC鋼板)、及び構造用の炭素鋼が挙げられる。
端面板26の外径と内径は、固定子鉄心31と一致している。また、端面板26には、回転子鉄心23に端面板26を配置したとき、回転子鉄心23のスロット231と同じ位置に、スロット231と類似の形状及び同数のスロット(第2の貫通孔)261が形成されている。また、各スロット261の周囲(外周部)には、バーリング加工が施されることで押し出された凸部27が形成されている。
端面板26と回転子鉄心23とのスロット231,261の位置を整合させたとき、凸部27は、軸線方向について、回転子鉄心23から離れるように端面板26から突出している。
図5は、図3のV−V線に沿った断面図である。図5に示すように、凸部27は、端面板26の面に対して垂直に押し出されている。即ち、凸部27は、軸線方向に沿って押し出されている。凸部27の押出し高さ寸法(図5の矢印C方向の寸法)は、端面板26の表面から1mm以上に設定されている。本実施の形態1では、凸部27の厚さ寸法(図5の矢印D方向の寸法)を一定としているが、凸部27の厚さ寸法は、端面板26に近い側から離れるにつれて狭くなっていてもよい。
凸部27は、スロット内導体24及びエンドリング25のダイカストによる鋳造成型時にエンドリング25内部に鋳込まれる内側凸部(第1の凸部)27aと、エンドリング25外に配置される外側凸部(第2の凸部)27bと、を有している。これにより、凸部27の一部は、スロット内導体24及びエンドリング25のダイカストによる鋳造成型時にエンドリング25内部に鋳込まれている。
内側凸部27aは、エンドリング25内に完全に鋳込まれている。従って、図2のB部に示すエンドリング25の径方向内側の端面の位置は、内側凸部27aの径方向内側端部を完全に埋没可能な位置に設定されている。
径方向外側に配置されている外側凸部27bは、スロット231の径方向外側に配置されているので、エンドリング25の内部に鋳込まれることはない。また、図3に示すように、外側凸部27bは、エンドリング25の外周面(径方向外端面)よりも径方向外側に配置され、かつ、エンドリング25の外周面と接している。
以上により、回転子22は、スロット内導体24を有する回転子鉄心23と、回転子鉄心23の軸線方向両端部に設けられた端面板26と、固定子鉄心23と端面板26とを接合するエンドリング25と、を有している。
次に、回転子部20の製造方法について説明する。先ず、板状の電磁鋼板を複数枚積層して回転子鉄心23を形成する。また、スロット内導体24及びエンドリング25よりも機械的強度及び熱的強度に優れた材料を用いて、内側凸部27aと外側凸部27bとで構成された凸部27を有するような端面板26を形成する。次に、回転子鉄心23の軸線方向両端部に端面板26を接するように配置する。
このとき、各スロット231と各スロット261との位置がそれぞれ整合するように位置決めを行う。位置決め方法の例としては、各スロット231と各スロット261との位置が整合するように、回転子鉄心23と端面板26のそれぞれの内周面に、図示しない位置決めを設ける方法がある。位置決めには、例えば、切欠き、位置決め穴が挙げられる。
次に、端面板26が取り付けられた回転子鉄心23にスロット内導体24及びエンドリング25を形成するためのダイカスト成型工程を実施する。ダイカスト成型工程では、まず、第1のステップとして、図示しない成型型内に端面板26が取り付けられた回転子鉄心23を配置する。
その後、第2のステップとして、端面板26が取り付けられた回転子鉄心23が、成型型内に配置された状態で、図示しない注入孔から溶湯を流し込み、回転子鉄心23のスロット231内にスロット内導体24を成型し、かつ、軸線方向両側にそれぞれエンドリング25を成型する。このとき、ダイカストによって成型された一対のエンドリング25は、内側凸部27aを内部に鋳込んでいる。
その後、第3のステップとして、スロット内導体24及びエンドリング25が成型された回転子鉄心23を成型型内から取り出す。このようにして、スロット内導体24とエンドリング25とを一体で形成すると共に、回転子鉄心23と、端面板26とが接合される。その後、第4のステップとして、軸孔230にシャフト21を挿入し固定することで、回転子部20が完成する。シャフト21の固定方法は、例えば、焼き嵌めが挙げられる。
完成した回転子部20に、固定子部30が設けられたケーシング40を取り付け、反負荷側ブラケット42側のシャフト21にエンコーダ2を取り付け、エンコーダ2を覆う保護カバー3をケーシング40に固定することで、誘導電動機1が完成する。
次に、誘導電動機1の動作について説明する。外部からの電源供給に基づいて誘導電動機1が駆動されると、固定子部30の固定子コイル32に通電されて、回転磁界か発生する。この回転磁界の中に、上記構成の回転子22が置かれているので、電磁誘導作用によってスロット内導体24に誘導電流が流れる。固定子部30に回転磁界が作用している間、誘導電流が継続してスロット内導体24を流れるため、回転磁界と誘導電流との作用によってスロット内導体24にトルクが働き、回転子部20が回転する。
このような、実施の形態1における回転子では、回転子鉄心の軸線方向両端部に設けられ、スロット内導体の位置と整合する位置に設けられたスロットの周囲から突出した凸部のうち、径方向内側に配置された内側凸部が、エンドリング内部に鋳込まれている。このような構成を備えることで、内側凸部を、エンドリングに作用する遠心力に対する補強部材として機能させることができる。この結果、エンドリングと端面板との結合が強固となり、高速回転時にエンドリングの内周部が、高速回転時の遠心力で浮き上がることを防止することができる。
また、エンドリングとスロット内導体との境界部には、アルミニウムや銅よりも機械的及び熱的強度に優れた鉄材よりなる端面板により補強されている。このような構成を備えることで、高速回転する回転子において、エンドリングとスロット内導体との境界部に生じる曲げ応力を低減させる効果を得ることができる。
さらに、径方向外側に配置された外側凸部は、エンドリングの径方向外側端面よりも径方向外側に位置すると共に、エンドリングの外周面に接している。このような構成を備えることで、誘導電動機の回転によりエンドリングに遠心力が作用したときでも、エンドリングに接している外側凸部により変形を抑制することができる。これらにより、エンドリングの変形を抑制すると共に、エンドリングとスロット内導体との境界部の破損を防止することができる。従って、高速回転時に破損しにくい回転子を得ることができる。
なお、本実施の形態1では、スロット内導体24及びエンドリング25を一体に成型しているが、これに限らず、別々に成型された後、接合されていてもよい。このときの回転子22の製造方法には、例えば、スロット内導体24があらかじめ設けられた回転子鉄心23の径方向両端部に端面板26を取り付けた後、エンドリング25をダイカストにより鋳造成型する方法が挙げられる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、凸部27が、軸線方向に沿って押し出されている例について説明した。これに対して、本実施の形態2では、凸部27の一部が、軸線方向について傾斜して押し出されている例について説明する。
先の実施の形態1の図5で示したように、凸部27が、軸線方向に沿って押し出されている場合、ダイカストの際に溶湯が各スロット231,261に入っていくとき、溶湯の入り口に当たる凸部27が直角であるので、角部付近でダイカストの湯流れが悪くなる。これにより、ダイカスト材の中に空気を巻き込み、成型後のスロット内導体24とエンドリング25との境界部に巣や破断部が発生し、強度低下を招く恐れがある。
また、溶湯の入り口に当たる凸部27の角部が直角になっているので、遠心力による応力が集中する。この結果、スロット内導体24とエンドリング25に亀裂が発生してしまう恐れがある。
このような問題を解決するために、本実施の形態2では、凸部27の一部を、軸線方向について傾斜して押し出す構造としていることを技術的特徴としている。図6は、本発明の実施の形態2による凸部27を示す拡大断面図である。図6は、先の実施の形態1の図3のV−V線に相当する断面図である。
図6に示すように、本実施の形態2の凸部27のスロット261の外周部を囲む面は、軸線方向に沿って延びる垂直面271と、垂直面271より軸線方向に沿って回転子鉄心23から離れるほどスロット261の外周部を軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるように形成された傾斜面272と、を有している。
従って、凸部27の一部は、軸線方向について、回転子鉄心23から離れるほどスロット261の外周部を軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるように傾斜して押し出されている。即ち、軸線方向と直交する方向について、凸部27で囲まれる面積が、回転子鉄心23から離れるにつれて大きくなるように、凸部27の先端の方(軸線方向について回転子鉄心23から離れる側)が広くなっている。その他の構成は、先の実施の形態1と同様である。
このような、実施の形態2における回転子では、溶湯の入り口にあたる凸部の面が、軸線方向について、回転子鉄心から離れるほどスロットの外周部を軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるように形成された傾斜面になっている。このような構成を備えることで、溶湯は、傾斜面に沿ってスロット内に流れ込むことができる。この結果、凸部の角部付近でダイカストの湯流れが悪くなることを改善することができる。これにより、ダイカスト材の中に空気を巻き込むことを少なくすることができる。従って、成型後のスロット内導体とエンドリングとの境界部に巣や破断部が発生することを抑制することができる。
さらに、凸部を傾斜させることで、エンドリングと凸部との接触面積を大きくすることができる。この結果、先の実施の形態1よりも機械的強度を増加させることができる。従って、先の実施の形態1記載の誘導電動機の回転子よりも高速回転時に破損しにくい回転子を得ることができる。
また、溶湯の入り口に当たる凸部の角部が直角ではなくなるので、遠心力による応力が集中することを回避することができる。この結果、スロット内導体とエンドリングに亀裂が発生することを抑制することができる。
また、凸部は、エンドリングの外周部と接する垂直面を有しているので、先の実施の形態1と同様、高速回転時において、エンドリングの変形を抑制すると共に、境界部の破損を防止することができる効果も得ることができる。
なお、本実施の形態2では、スロット261を囲む凸部27の全てを軸線方向について傾斜して押し出しているが、少なくともエンドリング25内に鋳込まれる内側凸部27aを軸線方向について傾斜して押し出していればよい。
実施の形態3.
先の実施の形態2では、軸線方向について、凸部27の一部である傾斜面262bが、傾斜して押し出されている例について説明した。これに対して、本実施の形態3では、軸線方向について、凸部27の一部が、曲面となるように押し出されている例について説明する。
図7は、本発明の実施の形態3による凸部27を示す拡大断面図である。図7は、先の実施の形態1の図3のV−V線に相当する断面図である。図7に示すように、本実施の形態3の凸部27のスロット261の外周部を囲む面は、軸線方向に沿って延びる垂直面271と、垂直面271より軸線方向に沿って回転子鉄心23から離れるほどスロット261の外周部を軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるように曲げられた曲面273と、を有している。
従って、凸部27の一部は、軸線方向について、回転子鉄心23から離れるほどスロット261の外周部を軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるような曲面になるように押し出されている。即ち、凸部27の一部は、先端の方(軸線方向について回転子鉄心23から離れる側)が広くなるベルマウス状になっている。その他の構成は、先の実施の形態2と同様である。
このような、実施の形態3における回転子では、溶湯の入り口にあたる凸部の面が、軸線方向について、回転子鉄心から離れるほどスロットの外周部を軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるように形成された曲面になっている。このような構成を備えることで、凸部の角部付近でのダイカストの湯流れを、先の実施の形態2よりも向上させることができる。この結果、ダイカスト材の中に空気を巻き込むことをさらに少なくすることができる。従って、成型後のスロット内導体とエンドリングとの境界部に巣や破断部が発生することをより抑制することができる。
さらに、凸部をベルマウス状の曲線にすることで、エンドリングと凸部との接触面積を、先の実施の形態2よりも増加させることができる。この結果、先の実施の形態2よりも機械的強度を増加させることができる。従って、先の実施の形態2記載の誘導電動機の回転子よりもさらに高速回転時に破損しにくい回転子を得ることができる。
また、溶湯の入り口に当たる凸部の角部が曲面になっているので、遠心力による応力が集中することを防止することができる。この結果、スロット内導体とエンドリングに亀裂が発生することを防止することができる。
また、凸部は、エンドリングの外周部と接する垂直面を有しているので、先の実施の形態1と同様、高速回転時において、エンドリングの変形を抑制すると共に、境界部の破損を防止することができる効果も得ることができる。
なお、本実施の形態3では、スロット261を囲む凸部27の全てを軸線方向について曲面となるように押し出しているが、少なくともエンドリング25内に鋳込まれる内側凸部27aを軸線方向について曲面となるように押し出していればよい。
なお、各上記実施の形態では、回転子鉄心23にスキューを施しておらず、スロット内導体24の形状は、軸線方向に沿って延びる直線状の棒になっている。一般に、誘導電動機の運転中における異常トルク、振動、騒音の発生抑制対策の一つとして、回転子鉄心23にスキューを施し、異常トルク、振動、騒音の発生を抑制する方法が図られることがある。本発明に係る誘導電動機の回転子においても、回転子鉄心23にスキューが施されても同様の効果を得ることができる。
1 かご型誘導電動機(かご型誘導回転電機)、21 シャフト、22 回転子、23回転子鉄心、24 スロット内導体(導体)、25 エンドリング、26 端面板、231 スロット(第1の貫通孔)、261 スロット(第2の貫通孔)、27 凸部、27a 内側凸部(第1の凸部)、27b 外側凸部(第2の凸部)。

Claims (5)

  1. 回転軸になるシャフトを挿入するための軸孔を有するとともに、周方向に間隔を置いて、かつ、軸線方向に貫通する複数の第1の貫通孔の内部に形成されている複数の棒状の導体を有する環状の回転子鉄心、
    上記回転子鉄心の軸線方向両端部に設けられるとともに、上記複数の第1の貫通孔のそれぞれの位置と整合する位置に設けられた第2の貫通孔と、上記軸線方向について上記回転子鉄心から離れるように上記第2の貫通孔の外周部から突出して設けられた凸部とを有する端面板、及び
    上記凸部の一部内部に埋没されており、かつ、上記導体同士を連結して上記導体を短絡し、上記回転子鉄心と上記端面板とを接合するように、上記軸線方向の両端に設けられたエンドリング
    を備え、
    上記端面板には、上記導体及び上記エンドリングよりも機械的強度及び熱的強度に優れた材料が用いられており、
    上記凸部は、
    径方向内側に配置された第1の凸部と、径方向外側に配置された第2の凸部とで構成され、
    上記第1の凸部は、上記エンドリング内に埋没されており、
    上記第2の凸部は、上記エンドリングの径方向外端面よりも径方向外側に配置され、かつ、上記エンドリングの径方向外端面と接している
    誘導回転電機の回転子。
  2. 上記凸部は、上記端面板から上記軸線方向に沿って押し出されている
    請求項1に記載の誘導回転電機の回転子。
  3. 上記第1の凸部は、上記軸線方向について上記回転子鉄心から離れるほど、上記第2の貫通孔の外周部を上記軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるように傾斜して形成されている
    請求項1に記載の誘導回転電機の回転子。
  4. 上記第1の凸部は、上記軸線方向について上記回転子鉄心から離れるほど、上記第2の貫通孔の外周部を上記軸線方向に延長した面からの距離が連続的に大きくなるような曲面になるように形成されている
    請求項1に記載の誘導回転電機の回転子。
  5. 回転軸になるシャフトを挿入するための軸孔と、周方向に間隔を置いて、かつ、軸線方向に貫通されており、複数の棒状の導体を挿入させるための複数の第1の貫通孔とを有する環状の回転子鉄心、
    上記回転子鉄心の軸線方向両端部に設けられるとともに、上記複数の第1の貫通孔のそれぞれの位置と整合する位置に設けられた第2の貫通孔と、上記軸線方向について上記回転子鉄心から離れるように上記第2の貫通孔の外周部から突出した凸部と、を有する端面板、及び
    上記凸部の一部を内部に鋳込み、かつ、上記導体同士を連結して上記導体を短絡し、上記回転子鉄心と上記端面板とを接合するように、上記軸線方向の両端に設けられたエンドリング
    を備えた誘導回転電機の回転子の製造方法であって、
    上記導体及び上記エンドリングよりも機械的強度及び熱的強度に優れた材料を用いて、径方向内側に配置された第1の凸部と、径方向外側に配置された第2の凸部とで構成された上記凸部を有するように、上記端面板を形成するステップと、
    成型型内に、上記第1の貫通孔と上記第2の貫通孔との位置を整合させた上記回転子鉄心及び上記端面板を配置するステップと、
    上記回転子鉄心及び上記端面板が配置された上記成形型内に、溶湯を流し込むことで、上記第1の凸部が上記エンドリング内に鋳込まれ、上記第2の凸部が上記エンドリングの径方向外端面よりも径方向外側に配置され、上記エンドリングの径方向外端面と接するように、上記複数の棒状の導体と、上記エンドリングと、をダイカストにより一体に成型するステップと、
    を有する回転子の製造方法。
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