以下、本発明に係る画像表示装置、画像形成装置、属性表示方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を、コピー機能、印刷機能等を有するデジタル複合機に適用した形態について、図面を用いて具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るデジタル複合機においては、例えば、複数ページの原稿の画像を読み取り、読み取られた原稿の画像(取得した画像)と、該画像の属性とを表示部に表示することが出来る。前記属性とは、当該画像に係る原稿の種別(例えば、文字原稿、網点原稿、写真原稿、文字/網点原稿等)、原稿の向き(いわゆる天地方向)、カラー画像/モノクローム画像等である。
また、前記表示部に前記原稿の各画像に係る図形の一覧表示が可能であり、例えば、一覧表示された図形の内、何れか1つの図形を利用者が指先等でタッチ操作した場合、該タッチ操作された図形に対応する画像が前記表示部に表示されるように構成されている。
図1は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1の要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態1のデジタル複合機1は、画像入力装置3と、画像出力装置5と、画像処理装置4と、通信装置6と、画像表示部8(表示部)と、記憶部9(記憶手段)と、操作パネル10とを備えており、これらのハードウェアはバスNによって制御部2に接続されている。
画像入力装置3は、処理すべき原稿の画像データの光学的読み取りを行う。また、画像入力装置3は、読み取り用の原稿に光を照射する光源、例えばCCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を有する。画像入力装置3では、所定の読取り位置にセットされた原稿からの反射光像を当該イメージセンサに結像させ、RGB(R : Red, G : Green, B : Blue)のアナログデータを出力する。
画像出力装置5は、画像処理装置4から出力される画像データに基づく画像を記録用紙、OHPフィルム等のシート上に印刷する。画像出力装置5は、感光体ドラム、該感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像をシート上に転写する転写器等を備えており、例えば、電子写真方式にて画像をシート上に形成する。
通信装置6は、画像処理装置4にて処理した後の画像データを外部へ送信するネットワークカード、モデム等を備え、例えば、前記画像データをメールに添付して設定された送信先に送信する。
記憶部9は、例えば、ハードディスク等の不揮発性の半導体メモリであり、画像入力装置3を介して取得した原稿の画像(以下、原稿画像)、又は取得した複数の画像にページ番号(画像番号)を付し、各原稿画像とページ番号とを対応させて記憶する。また、記憶部9は後述する原稿属性検出部43によって検出された各原稿画像の属性を、当該ページ番号に関連付けて記憶する。なお、記憶部9は属性を表す図形に係る画像データ、及び属性を表す色(又は濃淡)を特定する色データを予め属性毎に記憶しており、後述する属性表示部112は、前記図形又は色(又は濃淡)を用いて各画像の属性を表示する。なお、前記図形の一覧表示は、前記ページ番号順に基づいて行われる。
また、操作パネル10は、デジタル複写機1における「ファックス」、「複写」、「印刷」、「メール」等の機能を切り替える機能ボタン、テンキー、受け付けた指示を確定するためのエンターキー、画像入力装置3を介して読み取った原稿画像をシート状に画像形成するための「出力」キー又は「コピー」キー等を備えている。
画像表示部8は、例えば液晶ディスプレイからなり、デジタル複写機1の状態、ジョブ処理の状況、画像入力装置3が読み取った原稿画像及び該画像の属性を表す図形、操作パネル10の操作内容の確認等、利用者に対して報知すべき情報を表示する。
また、画像表示部8はタッチパネル81(位置検出手段)を備えており、利用者の指先のタッチ操作による圧力の変化を検知し、又は静電気による電気信号を検知して、利用者の指先の接触点の画像表示部8の画面上の座標を検出し、該座標を特定する信号を発生する。従って、タッチパネル81を介して利用者からの指示を受け付けることが出来る。
画像処理装置4は、例えば画像入力装置3から入力されるアナログデータを基にデジタル形式の画像データを生成し、又は記憶部9に記憶されている画像データを読み出し、夫々の画像の種類に応じた処理を施した後、出力用画像データを生成する。画像処理装置4によって生成された出力用画像データは、画像出力装置5又は通信装置6に出力される。
また、画像処理装置4は表示制御部11を備えている。表示制御部11は、例えば画像入力装置3を介して原稿の原稿画像が入力され、該原稿画像の属性を前記図形又は色を用いて画像表示部8に表示する際、前記図形及び色の表示を制御する。
図2は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1の画像処理装置4の要部構成を示す機能ブロック図である。画像処理装置4は、表示制御部11以外に、A/D(アナログ/デジタル)変換部40、シェーディング補正部41、入力処理部42、原稿属性検出部43、原稿補正部44、色補正部45、黒生成/下色除去部46、空間フィルタ部47、出力階調補正部48、中間調生成部49、領域分離処理部50、文字認識部51、描画コマンド生成部52、及びフォーマット化処理部53を備えている。
以下、これらの作用について詳しく説明する。説明は、画像処理装置4による印刷動作及びイメージ送信動作の場合を例として説明する。図中、印刷動作における処理の流れは実線の矢印にて表示し、イメージ送信動作における処理の流れは破線の矢印にて表示してある。
まず、印刷動作の場合について説明する。
画像入力装置3から入力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)は、A/D変換部40にてデジタル信号に変換され、シェーディング補正部41にて画像入力装置3の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みが取り除かれる。その後、入力処理部42においてRGB信号のそれぞれに対してγを補正する処理などが施される。
入力処理部42から出力されたデータは、記憶部9に引き渡される。そして一旦記憶部9に保存された画像データを用いて、原稿属性検出部43にて各画像の属性(天地方向、原稿種別、カラー/モノクローム等)の検知が行われ、原稿補正部44にて、記憶部9に保存された画像データに対して、補正処理を行う。
以下、原稿属性検出部43による画像の属性検出処理について詳しく説明する。
1.天地方向の検出方法
(1)OCR技術を用い文字認識を行い、原稿内の一文字、一文字を切り出し、その文字をパターン化する。
(2)文字パターンの特徴とデータベース化された文字パターン情報とを比較する。マッチングの方法としては、データベース化された文字パターンに切り出された文字パターンを重ね合わせ、画素ごとの白黒を比較し、全てが合致したときのデータベース化された文字パターンを入力パターンの文字であると判別する。全てが合致する文字パターンがない場合、マッチングする画素が最も多い文字パターンの文字であると判別する。なお、所定のマッチング割合に達しなければ判別不能と判断する。
(3)切り出された文字パターンを90°、180°、270°回転させ、(2)の処理を繰りかえす。
(4)上述のように得られた文字パターンの回転角毎の判別可能な文字数の比較を行い、判別可能な文字数が最も多い回転角を文字の方向とし原稿の天地を検出する。
2.原稿種別の検出方法
(1)注目画素を含むn×m(例えば、7×15)のブロックにおける最小濃度値及び、最大濃度値を算出する。
(2)算出された最小濃度値及び最大濃度値を用いて最大濃度差を算出する。
(3)隣接する画素の濃度差の絶対値の総和である総和濃度繁雑度(例えば、主走査方向と副走査方向について算出した値の和)を算出する。
(4)算出された最大濃度差と、記憶部9に予め記憶されている最大濃度差閾値との比較、及び算出された総和濃度繁雑度と、記憶部9に予め記憶されている総和濃度繁雑度閾値との比較を行う。
最大濃度差<最大濃度差閾値および総和濃度繁雑度<総和濃度繁雑度閾値のとき、注目画素は下地・印画紙領域に属すると判定する。
上記条件を充たさないとき、注目画素は文字・網点領域に属すると判定する。
(5)下地・印画紙領域に属すると判定された画素について
注目画素が、最大濃度差<下地・印画紙判定閾値を充たすとき、下地画素であると判定し、上記条件を充たさないとき、印画紙画素であると判定する。
(6)文字・網点領域に属すると判定された画素について
注目画素が、総和濃度繁雑度<最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値の条件を充たすとき、文字画素であると判定し、上記条件を充たさないとき、網点画素であると判定する。
(7)下地領域、印画紙写真領域、文字領域および網点領域に分類された画素数をカウントし、それぞれのカウント値と、記憶部9に予め記憶されている下地領域、印画紙領域、網点領域及び文字領域に対する閾値と比較して原稿全体の種別を判定する。例えば、文字、網点、印画紙写真の順に検出精度が高いとすると、文字領域の比率が全画素数の30%以上の場合には文字原稿、網点領域の比率が全画素数の20%以上の場合には網点原稿(印刷写真原稿)、印画紙写真領域の比率が全画素数の10%以上の場合には印画紙写真原稿であると判定する。また、文字領域の比率と網点領域の比率とが、それぞれ閾値以上であるとき、文字/網点原稿(文字印刷写真原稿)であると判定する。
3.カラー/モノクロームの検出方法
この方法は、各画素毎にカラー画素であるかモノクローム画素であるかを判別し、与えられる画素順で所定数以上の連続するカラー画素の存在が検知されると、この連続カラー画素分をカラーブロックと認識し、1ライン中に所定数以上のカラーブロックが存在していれば、そのラインをカラーラインとして計数する。そして、原稿中のカラーラインが所定数存在していればカラー画像と判断し、そうでない場合はモノクローム画像と判断する。原稿中にどの程度カラー画素が含まれていれば、カラー原稿と判定するのかにより、カラーブロックであるか否かを判定する基準、原稿中のカラーラインの数を適切に設定すれば良い。
以上のように検出された結果、すなわち各原稿画像の属性は、各画像のページ番号と関連付けられ、記憶部9に記憶される。
一方、原稿補正が施された画像データをファイリングデータとして管理するようにしても良い。この場合、前記画像データは、例えば、JPEG圧縮アルゴリズムに基づいてJPEGコードに圧縮されて格納される。コピー出力動作又はプリント出力動作が指示された場合は、記憶部9からJPEGコードが引き出され、JPEG伸張部(図示せず)に引き渡されて復号化処理が施され、RGBデータに変換される。
後述するイメージ送信動作の場合は、記憶部9からJPEGコードが引き出され、ネットワーク網及び通信回線を介して外部接続装置及び通信回線に向けてデータが伝送される。なお、ファイリングデータの管理及びデータの引渡しの動作制御については制御部2が行うものとする。
色補正部45では、RGB信号の補色であるCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)信号が生成されると共に色再現性を高める処理が施され、黒生成/下色除去部46にてCMYK(K:黒)の4色信号に変換される。空間フィルタ部47ではCMYK信号に対して強調処理及び平滑化処理がなされ、出力階調補正部48では用紙、フィルム等の記録媒体に出力するための出力γ補正処理がなされる。中間調生成部49では画像を出力するための階調再現処理が行われる。
一方、領域分離処理部50においては入力された画像データの各画素が黒文字、色文字、網点、印画紙写真(連続階調領域)等のどのような領域に属する画素であるのか判定が行われる。領域分離処理部50より出力された領域分離データは黒生成/下色除去部46、空間フィルタ部47及び中間調生成部49に夫々引き渡され、各種領域に応じた適切な処理の切替えが行われる。中間調生成部49から出力されたCMYK信号は画像出力装置5に引き渡され、出力画像が形成される。
次いで、イメージ送信動作の場合について説明する。
イメージ送信動作においては、画像入力装置3、A/D変換部40、シェーディング補正部41、入力処理部42、領域分離処理部50の処理内容は、上述した印刷動作の場合と同じであり、その説明を省略する。なお、領域分離処理部50は空間フィルタ部47及び出力階調補正部48に対して領域分離データを出力する。また、イメージ送信動作においては通常、原稿属性検出部43及び原稿補正部44の処理は、上述した印刷動作の場合と同じでありその説明を省略する。
色補正部45では、一般に普及している表示装置の表示特性に適合したR’G’B’の画像データ(例えば、sRGBデータ)に変換され、空間フィルタ部47にて領域分離データを基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理(強調処理,平滑化処理)が行われる。また、出力階調補正部48では、例えば、文字領域に対しては図3(b)のガンマ曲線を用いた補正が行われ、文字以外の領域に対しては図3(a)のガンマ曲線を用いた補正が行われる。
なお、黒生成/下色除去部46、中間調生成部49は、入力される画像データに対して処理を行わず、該画像データをそのまま次の処理にスルーする。従って、出力階調補正部48からは、R’G’B’の画像データが出力される。
また、原稿補正部44から出力された画像データは、文字認識部51において文字認識処理が行われ、描画コマンド生成部52において、透明テキストを配置する命令の生成が行われる。
出力階調補正部48から出力されるR’G’B’の画像データ及び描画コマンド生成部52より出力される認識データは、フォーマット化処理部53にてPDFファイル等の画像ファイルに変換され、文字認識結果を透明テキストとして画像ファイルに埋込み、前記処理が施された画像ファイルは、図示しないメール処理部にて電子メールに添付され、電子メールがネットワークを介して相手先に送信される。
本実施の形態では、文字認識部51による処理が領域分離処理部50による処理より先立って施されているが、これに限るものでなく、領域分離処理部50による処理の後、文字認識部51による処理が施されるように構成しても良い。つまり、領域分離処理部50からの領域分離データより作成されたテキストマップ(文字エッジと判定された画素よりなる画像領域)を参照して、文字認識部51が文字領域に対して文字認識を行うように構成しても良い。或いは、文字認識部51による処理の前、原稿種別自動判別の処理が行われるように構成し、文字原稿、文字印刷写真原稿、又は文字印画紙写真原稿等との判別がされた後、文字認識部51が文字認識を行うようにしても良い。
図4は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1の制御部2の要部構成を示す機能ブロック図である。制御部2はCPU21、ROM22及びRAM23を備えている。ROM22には各種の制御プログラム、データ及び後述する一覧数等が予め格納されており、RAM23はデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、RAM23は、例えば、ROM22から読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、外部から受信した各種データを記憶する。
CPU21は、ROM22に予め格納されている制御プログラムをRAM23上にロードして実行することによって前述の各種ハードウェアの制御を行い、装置全体を本発明の実施の形態1のデジタル複合機1として動作させる。
また、制御部2は範囲決定部24、候補決定部25、候補属性判定部26及び非候補属性判定部27を備えている。
範囲決定部24は、一覧表示された図形の内、何れか1つの図形を利用者が指先等でタッチ操作した場合、該タッチ操作された図形を選択された図形として割り出すだめの範囲決定を行う。すなわち、利用者が指先等で画像表示部8の表示画面をタッチ操作した場合、指先と、表示画面との接触は所定の面積を有する。また、場合によっては、斯かる接触面積が2つの図形に跨る場合も生じ得る。このような場合、何れか1つの図形を選択する処理が必要となり、該処理の際、範囲決定部24は後述する有効タッチ範囲を決定する。
候補決定部25は、範囲決定部24によって決定された有効タッチ範囲に基づき、タッチ操作された図形の候補(以下、候補図形という)を決定する。詳しくは、候補決定部25は、有効タッチ範囲が及ぶ、1つ又は2つの図形を前記候補図形として決定する。
候補属性判定部26は、候補決定部25によって決定された候補図形が2つである場合、これらの属性を比較して同一であるか否かを判定する。該判定は、記憶部9に記憶されている原稿画像の属性、並びに画像表示部8のタッチパネル81の検出結果に基づいて行われる。
非候補属性判定部27は、候補属性判定部26による判定結果、2つの候補図形の属性が同一でないと判定された場合、前記2つの候補図形の中の前記ページ番号が低い方の候補図形と、該候補図形より前記画像番号が1つ低い図形との属性が同一であるか否かを判定する。該判定は、記憶部9に記憶されている原稿画像のページ番号及び属性に基づいて行われる。
図5は前記原稿画像の属性表す図形及び色の一例を示す例示すである。図5(a)では、矩形の枠内が長手方向に4等分され、何れか1部分だけがぬりつぶされている。すなわち、図5(a)の例では、前記枠内における塗りつぶしの位置によって、夫々、天地方向「上」、天地方向「左」、天地方向「右」及び天地方向「下」を表している。図5(b)では、「赤」、「青」、「緑」及び「黄」の色によって、夫々天地方向「上」、天地方向「左」、天地方向「右」及び天地方向「下」を表している。(図面上では、ハッチング模様を異にすることによって夫々の色を表している。)
なお、属性を表す図形及び色は、これに限るものでなく、前記枠の形を異にすることによって属性を表すように構成しても良い。例えば、四角形の枠が天地方向「上」を表し、三角形の枠が天地方向「左」を表し、六角形の枠は天地方向「右」を表し、円形の枠は天地方向「下」を表すものとし、これらを用いて原稿画像の属性を表示するように構成する。
以下においては、図形及び色が図5に例示するものである場合を例として説明する。
図6は前記接触面積が2つの図形に跨る場合、タッチ操作された図形を割り出すだめの処理を説明する説明図である。利用者によるタッチ操作が行われた場合、範囲決定部24は、画像表示部8のタッチパネル81の検出結果に基づき、指先と、表示画面との接触面積から有効タッチ範囲を決定する。
例えば、範囲決定部24は、タッチパネル81の検出結果に基づき、前記接触面積の中心点を計算し、該中心点から円周方向に、前記接触面積の全体の75%に該当する範囲を有効タッチ範囲として決定する。
候補決定部25は、範囲決定部24によって決定された有効タッチ範囲に基づき、候補図形を決定する。図6においては、図6(a)及び図6(b)の何れにおいても、前記有効タッチ範囲が図形A、及び図形Bに及んでおり、図形A及び図形Bが候補図形として決定される。
候補属性判定部26は図形A及び図形Bの属性が同一であるか否かを判定し、図形A及び図形Bの属性が同一でないと判定された場合は、非候補属性判定部27が図形A及び図形Bの中のページ番号が低い方の候補図形(図形A)と、該図形より前記ページ番号が1つ低い図形との属性が同一であるか否かを判定する。後述する選択受付部112は候補属性判定部26の判定結果及び非候補属性判定部27の決定に基づき、図形A及び図形Bの中、何れか一つを選択された図形として受け付ける。
詳しくは、図6(a)の例においては、候補属性判定部26が候補図形である図形A及び図形Bの属性が同一であると判定することになり、斯かる場合、すなわち、候補図形の属性が同一である場合、選択受付部112は接触面積の中心点が位置する図形Aを選択された図形として受け付ける。
一方、図6(b)の例においては、候補属性判定部26が候補図形である図形A及び図形Bの属性が同一でないと判定することになり、非候補属性判定部27によって、図形Aと図形Zとの属性が同一であるか否かが判定され、同一であると判定される。斯かる場合、すなわち、候補図形の属性が同一でなく、ページ番号が低い方の候補図形(図形A)と、該候補図形より前記画像番号が1つ低い図形(図形Z)との属性が同一である場合、選択受付部112はページ番号が高い候補図形である図形Bを選択された図形として受け付ける。
例えば、図形Aと図形Zとの属性が同一でない場合、すなわち、候補図形の属性が同一でなく、ページ番号が低い方の候補図形(図形A)と、該候補図形より前記画像番号が1つ低い図形(図形Z)との属性が同一でない場合、選択受付部112はページ番号が低い候補図形である図形Aを選択された図形として受け付ける。
以上の構成により、2つの候補図形の属性が同一でない場合、ページ番号の昇順方向において、異なる属性となる最初の候補図形が、選択された図形として受け付けられる。その後、例えば、選択された図形に対応する原稿画像が画像表示部8に表示される。
図7は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1の表示制御部11の要部構成を示す機能ブロック図である。表示制御部11は、属性表示部111と、選択受付部112とを備えている。
属性表示部111は、原稿属性検出部43による属性検出結果に基づき、検出された画像の属性に対応する図形を記憶部9から読み出して画像表示部8に表示する。属性表示部111は、画像表示部8に表示される画像の属性に対応する図形のみを表示し、又は画像入力装置3にて読み取られた原稿に係る複数の原稿画像の属性に対応する、所定の数の図形を一覧表示する。該一覧表示にて表示できる図形の数(以下、一覧数)は予め設定されている。前記原稿の原稿画像の数が前記一覧数より多い場合、属性表示部111は、前記一覧数の単位で、何回に亘って全ての原稿画像に係る図形の表示を行う。
選択受付部112は、画像表示部8に表示すべき原稿画像の選択を、画像表示部8のタッチパネル81を介して、利用者から受け付ける。例えば、一覧表示された図形の内、何れか1つの図形を利用者が指先等でタッチ操作した場合、該タッチ操作された図形を選択された図形として受け付ける。前記タッチ操作に係る候補図形が2つである場合は、選択受付部112は、上述したように、候補属性判定部26の判定結果及び非候補属性判定部27の判定結果に基づき、候補図形の中、何れか一つを選択された図形として受け付ける。
図8は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1による図形の一覧表示の処理を説明するフローチャートである。以下、説明の便宜上、複数ページの原稿を画像入力装置3にて読み取り、読み取られた前記原稿に係る複数の原稿画像の属性(図形)を、属性表示部111が画像表示部8に一覧表示する場合を例として説明する。斯かる際、前記原稿の総ページ数、すなわち前記原稿画像の数は「12」であり、前記一覧数は「10」であるものとする。
図9は原稿属性検出部43によって検出されて記憶部9に記憶された、原稿の各原稿画像の属性の一例を示すテーブルである。図9に示すように、1から12までのページ番号に関連付けられ、前記原稿の各原稿画像の属性(天地方向及びカラー画像/モノクローム画像)が記憶されている。以下の説明は、このような検出結果の中、天地方向の属性を表示する場合について説明する。
まず、利用者は前記原稿を画像入力装置3の原稿台に載置し、操作パネル10を操作して前記原稿の読み取りを指示する。CPU21は操作パネル10を介して読み取りの指示を受け付け、画像入力装置3に指示して前記原稿の読み取りを実行する(ステップS101)。CPU21は、このように画像入力装置3によって取得された前記原稿の複数の原稿画像に夫々ページ番号を付して記憶部9に記憶する(ステップS102)。
次いで、CPU21は原稿属性検出部43に指示し、前記複数の原稿画像の属性を検出する(ステップS103)。CPU21の指示に応じて原稿属性検出部43は前記複数の原稿画像の属性を夫々検出し、検出された属性は当該原稿画像のページ番号に関連付けて記憶部9に記憶される(図9参照)。原稿属性検出部43による各原稿画像の属性の検出については、上述した通りであり、詳しい説明を省略する。
その後、属性表示部112は前記複数の原稿画像の図形の一覧表示を行う(ステップS104)。すなわち、属性表示部112は、記憶部9に記憶されている属性及びページ番号に基づき、前記複数の原稿画像の各属性を表す図形を、前記ページ番号の昇順方向に並列させて表示する。従って、ページ番号「1」から、一覧数であるページ番号「10」までの夫々の原稿画像の属性に対応する図形が、一列に、画像表示部8に表示される。
図10は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1による図形の一覧表示の処理結果の一例を示す例示図である。上述したように、前記複数の原稿画像の各属性を表す図形が、前記ページ番号の昇順方向に(図面視左から右方向)、ページ番号「1」から「10」まで一列にて画像表示部8に表示されている。
図10(a)においては、図5(a)で例示したように、前記枠内における塗りつぶしの位置の差によって、夫々、天地方向「上」、天地方向「左」及び天地方向「下」を表している。また、図10(b)においては、図5(b)で例示したように、「赤」、「青」及び「緑」の色の差によって、夫々天地方向「上」、天地方向「左」及び天地方向「下」を表している。また、上述した手法によって選択を受け付けた図形に対応する原稿画像が画像表示部8に表示されている。
なお、図10の例においては、より昇順又は降順方向のページ番号の原稿画像を表示する指示を受け付けるための「前へ」及び「次へ」ソフトキーが設けられており、利用者は前記「前へ」及び「次へ」ソフトキーを適宜タッチ操作することにより、画像表示部8に表示する原稿画像を変更できる。例えば、利用者が前記「前へ」(又は「次へ」)ソフトキーを所定回数タッチ操作した場合、現在表示されている原稿画像のページ番号より前記所定回数だけ昇順(又は降順)方向のページ番号の原稿画像が画像表示部8に表示される。
なお、画像表示部8には、図形の一覧表示で現在表示されていない、原稿画像の属性(天地方向)及びページ番号を表示する指示を受け付けるための「←前へ」及び「次へ→」ソフトキーが設けられており、利用者は前記「←前へ」及び「次へ→」ソフトキーを適宜タッチ操作することにより、一覧表示で現在されていない、図形(原稿画像の属性)及びページ番号を表示することができる。例えば、図10に示す例においては、利用者が前記「次へ→」ソフトキーを1回タッチ操作した場合、画像表示部8に現在表示されていない、9ページ以降の原稿画像の属性を表す図形及びページ番号が表示される。
なお、本発明の実施の形態1のデジタル複合機1は表示すべき原稿画像の属性を選択できるように構成されている。図11は本発明の実施の形態1のデジタル複合機1において、表示すべき属性の選択を受け付ける選択画面の一例を示す例示図である。
例えば、図11(a)に例示する選択画面においては、夫々の属性の項目にチェックボックスが設けられており、例えば利用者は表示を希望する属性のチェックボックスをタッチ操作してチェックすることにより、当該属性の表示の指示を行う。CPU21はタッチパネル81を介して該指示を受け付け、前記属性の一覧を表示するように、属性表示部111に指示する。これによって、夫々の属性を独立に表示することが出来る。
更に、複数の属性を共に表示できるように構成してもよい。例えば、1つの属性を図形で表示し、該図形に色を付けることによって、他の属性を同時に表示することが出来る。図11(b)には、このように、2つの属性を共に表示する場合における、選択画面の一例を示している。図11(b)に例示する選択画面においては、夫々の属性に対して、色で表示するか、図形で表示するかをチェックするチェックボックスが設けられており、例えば利用者は色での表示を希望する属性と、図形での表示を希望する属性とのチェックボックスを夫々タッチ操作してチェックすることにより、当該2つの属性を共に表示する指示を行う。CPU21はタッチパネル81(選択画面)を介して該指示を受け付け、前記2つ属性の一覧を共に表示するように、属性表示部111に指示する。これによって、2つの属性を共に表示することが出来る。
図12は図11(b)に例示したような指示を受け付けた場合において、図9の属性検出結果に基づく属性の一覧表示を示す例示図である。(図中では、ハッチングの模様を異にし、異なる色である旨を表している。)天地方向の属性を表す図形の一覧が表示された上に、該図形の塗りつぶしの色を異にすることによって、カラー/モノクロの属性が共に表示されている。
図13は一覧表示された属性の内、利用者のタッチ操作によって選択された属性に係る原稿画像を表示する処理を説明するフローチャートである。説明の便宜上、属性は図形で表示されているものとし、図6を用いて説明する。
利用者によって図形の一覧表示の内、何れかの図形がタッチ操作された場合、画像表示部8のタッチパネル81は前記タッチ操作に対応する画像表示部8の表示画面上の位置(座標)を検出する(ステップS201)。
次いで、範囲決定部24は、タッチパネル81の検出結果に基づき、指先と、前記表示画面との接触面積から前記有効タッチ範囲を決定する(ステップS202)。範囲決定部24による有効タッチ範囲の決定については上述した通りであり、詳しい説明を省略する。
候補決定部25は、範囲決定部24によって決定された有効タッチ範囲に基づき、前記候補図形を決定する(ステップS203)。例えば、図6の例においては、図形A及び図形Bが候補図形として決定される。
次いで、CPU21は、候補決定部25による決定結果に基づき、候補図形が2つであるか否かを判定する(ステップS204)。CPU21が、候補図形が2つでないと判定した場合(ステップS204:NO)、すなわち、候補図形が1つである場合、処理はステップS209に移動し、選択受付部112は前記接触面積の中心点が位置する図形を選択された図形として受け付ける(ステップS209)。
一方、CPU21が、候補図形が2つであると判定した場合(ステップS204:YES)、記憶部9に記憶されている各原稿画像の属性に基づき、候補属性判定部26は2つの候補図形(図形A及び図形B)の属性が同一であるか否かを判定する(ステップS205)。
候補属性判定部26によって2つの候補図形の属性が同一であると判定された場合(ステップS205:YES)、処理はステップS209に移動し、選択受付部112は前記接触面積の中心点が位置する図形を選択された図形として受け付ける(ステップS209)。図6(a)の例においては、候補属性判定部26が図形A及び図形Bの属性を同一であると判定することになるので、選択受付部112は接触面積の中心点が位置する図形Aを選択された図形として受け付ける。
その後、CPU21は選択受付部112が受け付けた選択に係る図形に対応する原稿画像の表示を表示制御部11に指示し、表示制御部11は、記憶部9に記憶されている、前記図形に対応する原稿画像を読み出し、画像表示部8に表示する(ステップS208)。
一方、候補属性判定部26によって2つの候補図形の属性が同一でないと判定された場合(ステップS205:NO)、非候補属性判定部27は、2つの候補図形の内、ページ番号が低い方の候補図形と、該候補図形より前記ページ番号が1つ低い図形との属性が同一であるか否かを判定する(ステップS206)。6(b)の例においては、非候補属性判定部27が図形Aと図形Zとの属性が同一であるか否かを判定する。
非候補属性判定部27によって、ページ番号が低い方の候補図形と、該候補図形より前記ページ番号が1つ低い図形との属性が同一であると判定された場合(ステップS206:YES)、選択受付部112は前記2つの候補図形の内、ページ番号が高い方の候補図形を、選択された図形として受け付ける(ステップS210)。すなわち、6(b)の例においては、選択受付部112が図形Bを、選択された図形として受け付ける。その後、CPU21の指示に応じて、表示制御部11は選択された図形に対応する原稿画像を画像表示部8に表示する(ステップS208)。
一方、非候補属性判定部27によって、ページ番号が低い方の候補図形と、該候補図形より前記ページ番号が1つ低い図形との属性が同一でないと判定された場合(ステップS206:NO)、選択受付部112は前記2つの候補図形の内、ページ番号が低い方の図形を、選択された図形として受け付ける(ステップS207)。その後、CPU21の指示に応じて、表示制御部11は選択された図形に対応する原稿画像を画像表示部8に表示する(ステップS208)。
これによって、前記2つの候補図形の内、ページ番号の昇順方向において、異なる属性となる最初の候補図形が、選択された図形として受け付けられる。
(実施の形態2)
実施の形態2のデジタル複合機1においては、画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が、1回の一覧表示で表示できる図形の数(一覧数)より多い場合、当該複数の原稿画像の一部からなる画像の組が決定され、該画像の組の原稿画像の各属性の中、1つのみが表示されることによって、前記複数の原稿画像の属性を、1回の一覧表示でまとめて表示することが出来るように構成されている。
図14は本発明の実施の形態2のデジタル複合機1の表示制御部11の要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態1と同様に、表示制御部11は属性表示部111と選択受付部112とを備えている。更に、実施の形態2のデジタル複合機1の表示制御部11は、数判定部113及び組決定部114を備えている。
数判定部113は、画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が、図形の一覧数より多いか否かの判定を行う。
例えば、画像入力装置3にて読み取られた原稿の複数の原稿画像は、上述したように、夫々の原稿画像にページ番号が付されて記憶部9に記憶される。また、ROM22には既に前記一覧数が記憶されているので、数判定部113は最大ページ番号を前記一覧数と比較することによって斯かる判定を行うことができる。
組決定部114は、数判定部113により、画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が、図形の一覧数より多いと判定された場合、当該複数の原稿画像の一部からなる所定の画像の組を決定する。組決定部114による画像の組の決定は、原稿画像のページ番号に基づいて行われる。該ページ番号を用いて所定の演算を行い、該演算によって得られる数値(結果値)が同一である原稿画像を1つの組として決定する。
以下、組決定部114による画像の組の決定について詳しく説明する。
各ページ番号を「(ページ番号−1)×一覧数/総ページ数+1」の式に代入して計算を行い、該計算によって得られる数値を四捨五入して各原稿画像(ページ番号)に対応する結果値を得る。得られた結果値には記憶部9に記憶される。また、得られた結果値には、重複する結果値と、重複しない結果値が存在する。組決定部114は、重複する結果値に対応する複数の原稿画像を1つの画像の組として決定し、該画像の組の各原稿画像の属性のうち、何れか一つのみが表示される。
詳しくは、画像の組の各原稿画像の属性が同一である場合は、同一である該属性が表示される。一方、画像の組の各原稿画像の属性が同一でない場合は、例えば、割合の多い属性、又はページ番号が一番低い原稿画像の属性のみが表示される。なお、重複がない結果値に対応する原稿画像は、該原稿画像の属性を単独で表示する。
図15は本発明の実施の形態2のデジタル複合機1において、組決定部114による画像の組の決定を説明するテーブルである。該テーブルは記憶部9に記憶されている。
図15に示すテーブルにおいては、ページ番号「4」及び「5」を前記式に代入して計算し、この計算によって得られる数値を四捨五入した場合、結果値として何れも「4」が得られる。また、ページ番号「10」及び「11」の場合においても、結果値が何れも「9」である。この結果に基づき、組決定部114は、結果値が重複するページ番号「4」及び「5」の原稿画像、並びにページ番号「10」及び「11」の原稿画像を、夫々1つの画像の組として決定し、ページ番号「4」及び「5」、並びにページ番号「10」及び「11」に対しては、何れか一方の属性のみが表示される。
例えば、図15に示すテーブルの天地方向の属性においては、ページ番号「4」及び「5」、並びにページ番号「10」及び「11」の属性が夫々同一であるので、同一である該属性が表示される。
なお、組決定部114による画像の組の決定は以上の記載内容に限るものでない。例えば、原稿画像のページ番号の昇順方向に、所定数のページ番号毎に1つの組として決定するように構成しても良い。
図16は本発明の実施の形態2のデジタル複合機1による図形の一覧表示の処理を説明するフローチャートである。以下、説明の便宜上、複数ページの原稿を画像入力装置3にて読み取り、読み取られた前記原稿に係る複数の原稿画像の属性(図形)を、属性表示部111が画像表示部8に一覧表示する場合を例として説明する。斯かる際、前記原稿の総ページ数、すなわち前記原稿画像の数は「12」であり、前記一覧数は「10」であるものとする。なお、図15に示すテーブルに基づいて、かつ前記原稿の各原稿画像の属性の中、天地方向の属性を図形で表示する場合を例として説明する。
まず、利用者は前記原稿を画像入力装置3の原稿台に載置し、操作パネル10を操作して前記原稿の読み取りを指示する。CPU21は操作パネル10を介して読み取りの指示を受け付け、画像入力装置3に指示して前記原稿の読み取りを実行する(ステップS301)。CPU21は、このように画像入力装置3によって取得された前記原稿の複数の原稿画像に夫々ページ番号を付して記憶部9に記憶する(ステップS302)。
次いで、CPU21は原稿属性検出部43に指示し、前記複数の原稿画像の属性を検出する(ステップS303)。CPU21の指示に応じて原稿属性検出部43は前記複数の原稿画像の属性を夫々検出し、検出された属性は当該原稿画像のページ番号に関連付けて記憶部9に記憶される(図15参照)。原稿属性検出部43による各原稿画像の属性の検出については、上述した通りであり、詳しい説明を省略する。
その後、数判定部113は、画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が、図形の一覧数より多いか否かの判定を行う(ステップS304)。数判定部113による判定については、上述した通りであり、詳しい説明を省略する。
数判定部113により画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が、図形の一覧数より多くないと判定された場合(ステップS304:NO)場合、属性表示部112は、記憶部9に記憶されている属性及びページ番号に基づき、前記原稿の原稿画像の図形の一覧表示を行う(ステップS308)。
一方、数判定部113により画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が、図形の一覧数より多いと判定された場合(ステップS304:YES)、組決定部114は当該原稿の原稿画像の一部からなる所定の画像の組を決定する(ステップS305)。組決定部114による画像の組の決定は、上述したように、各原稿画像のページ番号に基づいて行われ、詳しい説明を省略する。
その後、CPU21は組決定部114によって決定された画像の組の各原稿画像の属性が同一であるか否かを判定する(ステップS306)。前記画像の組の各原稿画像の属性が同一であると判定した場合(ステップS306:YES)、CPU21は同一であるその属性を表示すべき属性として選択する(ステップS307)。
次いで、CPU21は、このような選択に基づき、属性表示部112に一覧表示を指示し、CPU21の指示に応じて属性表示部112が前記原稿の原稿画像の図形の一覧表示を行う(ステップS308)。すなわち、属性表示部112は、記憶部9の記憶内容及びCPU21による選択に基づき、前記原稿の原稿画像の各属性を表す図形の一覧表示を画像表示部8に行う。この際、前記画像の組に対しては、ステップS307にて選択された属性のみが表示される。
また、前記画像の組の各原稿画像の属性が同一でないと判定した場合(ステップS306:NO)、CPU21は、例えば、前記画像の組の各原稿画像の属性のうち、割合の多い属性を表示すべき属性として選択する(ステップS309)。次いで、CPU21は属性表示部112に一覧表示を指示し、属性表示部112は、記憶部9の記憶内容及びCPU21による選択に基づき、前記原稿の原稿画像の各属性を表す図形の一覧表示を画像表示部8に行う(ステップS308)。この際、前記画像の組に対しては、ステップS309にて選択された属性のみが表示される。
図15に示すテーブルの天地方向の属性においては、ページ番号「4」及び「5」の原稿画像、並びにページ番号「10」及び「11」の原稿画像が、夫々1つの画像の組として決定されるので、ページ番号「4」及び「5」、並びにページ番号「10」及び「11」に対しては、何れか一方の属性のみが表示されることになる。すなわち、前記原稿画像の数である「12」個の属性が、前記一覧数に該当する「10」個の属性としてまとめて表示される。
図17は本発明の実施の形態2のデジタル複合機1において、画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数が図形の一覧数より多い場合の図形の一覧表示を示す例示図である。該図形の一覧表示は、図15に示すテーブルの天地方向の属性に基づいて、図5(a)で例示した図形を用いて表示するものである。
上述したように、図15に示すテーブルにおいては、ページ番号「4」及び「5」の原稿画像、並びにページ番号「10」及び「11」の原稿画像が、夫々1つの画像の組として決定される。更に、ページ番号「4」及び「5」の原稿画像からなる画像の組と、ページ番号「10」及び「11」の原稿画像からなる画像の組とは、画像の組の各原稿画像の属性(天地方向)が同一であって夫々「下」及び「上」であるので、同一であるその属性が夫々の画像の組に係る属性として、図形の一覧表示が行われている。
その後、所定の図形のタッチ操作により、該図形に対応する原稿画像が画像表示部8に表示される。なお、より昇順又は降順方向のページ番号の原稿画像を表示する指示を受け付けるための「前へ」及び「次へ」ソフトキーが画像表示部8に設けられており、利用者は前記「前へ」及び「次へ」ソフトキーを適宜タッチ操作することにより、画像表示部8に表示する原稿画像を変更できる。
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
実施の形態3のデジタル複合機1においては、画像入力装置3にて読み取られた原稿の原稿画像の数(以下、原稿画像数という。)が、1回の一覧表示で表示できる図形の数(一覧数)より多い場合、ページ番号が連続する原稿画像からなる画像の組が決定され、該画像の組の原稿画像の各属性の中、1つのみが表示されることによって、前記複数の原稿画像の属性を、1回の一覧表示でまとめて表示することが出来るように構成されている。
図18は本発明の実施の形態3のデジタル複合機1の表示制御部11の要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態2と同様に、表示制御部11は属性表示部111、選択受付部112、数判定部113及び組決定部114を備えている。更に、実施の形態3のデジタル複合機1の表示制御部11は、組属性判定部115を備えている。
実施の形態3のデジタル複合機1において、組決定部114は、実施の形態2の場合と異なり、前記原稿画像数が、前記一覧数より多い場合、ページ番号が連続する原稿画像からなる画像の組を決定する。例えば、原稿画像数が、前記一覧数より多い場合、組決定部114は、ページ番号の昇順方向に、原稿画像を2つ又は3つずつ、1つの画像の組として決定する。従って、原稿画像を2つずつ、1つの画像の組として決定された場合は、ページ番号が連続する2つの原稿画像が1つの画像の組として決定され、原稿画像数の1/2に該当する数の画像の組が決定される。また、原稿画像を3つずつ、1つの画像の組として決定された場合は、ページ番号が連続する3つの原稿画像が1つの画像の組として決定され、原稿画像数の1/3に該当する数の画像の組が決定される。
組属性判定部115は、組決定部114によって決定された画像の組の各原稿画像の属性が全て同一であるか否かを判定する。例えば、上述したように、ページ番号が連続する2つ(又は3つ)の原稿画像が1つの画像の組として決定された場合は、これら2つ(又は3つ)の原稿画像の属性夫々が全て同一であるか否かを判定する。
属性表示部111は、前記図形の一覧表示において、組属性判定部115の判定結果に基づき、前記画像の組の原稿画像の各属性の中、何れか1つのみを順次反復表示又は静止表示する。例えば、組属性判定部115によって、前記画像の組の各原稿画像の属性が全て同一であると判定された場合、該同一の属性を静止表示する。一方、組属性判定部115によって、前記画像の組の各原稿画像の属性が全て同一でないと判定された場合、属性表示部111は、前記画像の組の各原稿画像の属性を、1つずつ、順次反復して表示する。例えば、ページ番号が連続する3つの原稿画像が1つの画像の組として決定された場合、3つの原稿画像の属性のうち、1つの属性のみが異なる場合であっても、属性表示部111は順次反復表示を行う。
また、属性表示部111は、前記図形の一覧表示を行う場合であって、前記画像の組の各原稿画像の属性を順次反復表示する際、隣に表示すべき属性の何れかと同一である属性は表示しないように構成されている。なお、隣に表示すべき属性の何れかと同一である属性を表示しないことによって、順次反復表示すべき属性が1つのみとなった場合、該1つのみの属性は順次反復表示を行わず、静止表示するように構成されている。
以下、図を用いて属性表示部111の作用を詳しく説明する。図19は本発明の実施の形態3のデジタル複合機1において、属性表示部111の作用を説明する説明図である。説明の便宜上、3つの原稿画像ずつ、1つの画像の組として決定された場合、すなわち、ページ番号が連続する3つの原稿画像が1つの画像の組として決定された場合であって、該画像の組の原稿画像の各属性の中、1つのみを表示して、図形の一覧表示を行う場合を例として説明する。図中、1つの矩形枠は3つの原稿画像の属性、換言すれば、1つの画像の組に係る属性を表示している。
例えば、組属性判定部115によって、所定の画像の組の各原稿画像の属性が全て同一であると判定された場合は、属性表示部111は該同一の属性に対応する図形のみを表示する(「静止表示D」の図形参照)。「静止表示D」の図形においては、前記画像の組の原稿画像の属性が全て同一である(天地方向「上」)ので、天地方向「上」を表す図形のみが表示されている。
一方、組属性判定部115によって、所定の画像の組の各原稿画像の属性が全て同一でないと判定された場合、属性表示部111は、該画像の組の各原稿画像の属性に対応する図形を、1つずつ、順次反復して表示する(「順次反復表示A」の図形参照)。例えば、各原稿画像の属性が全て同一でない場合の「順次反復表示A」の図形においては、天地方向「上」、天地方向「左」及び天地方向「右」を表す図形が1つずつ、順次反復して表示される。
また、所定の画像の組の各原稿画像の属性を順次反復表示する際、隣に表示すべき図形の何れかと同一である属性を含む場合、属性表示部111は、該属性を表す図形は表示しない(「順次反復表示B」の図形参照)。例えば、「順次反復表示B」の図形においては、天地方向「上」、天地方向「左」及び天地方向「右」を表す図形が1つずつ、順次反復して表示されるべきであるが、前記属性のうち、天地方向「上」の属性が、図面視右側の図形に係る静止表示の属性と同じであるので、天地方向「上」の属性は前記順次反復表示から除外され、天地方向「左」及び天地方向「右」を表す図形のみが順次反復表示される。
更に、所定の画像の組の各原稿画像の属性を順次反復表示する際、隣に表示すべき図形の何れかと同一である属性を該順次反復表示から除外することにより、順次反復表示すべき属性が1つのみとなった場合、属性表示部111は、該1つのみの属性を順次反復表示せず、静止表示する(「静止表示C」の図形参照)。例えば、「静止表示C」の図形においては、天地方向「上」、天地方向「右」及び天地方向「下」を表す図形が1つずつ、順次反復して表示されるべきであるが、前記属性のうち、天地方向「上」の属性が、図面視左側の図形に係る属性と同じであり、かつ天地方向「下」の属性が、図面視右側の図形に係る属性と同じであるので、順次反復表示すべき属性が天地方向「右」のみとなる。斯かる場合、属性表示部111は、天地方向「右」の属性を表す図形を前記順次反復表示せず、静止表示する。
図20は本発明の実施の形態3のデジタル複合機1による図形の一覧表示の処理を説明するフローチャートである。以下、説明の便宜上、複数ページの原稿を画像入力装置3にて読み取り、読み取られた前記原稿に係る複数の原稿画像の属性(図形)を、属性表示部111が画像表示部8に一覧表示する場合を例として説明する。斯かる際、前記原稿の総ページ数、すなわち前記原稿画像数は前記一覧数より多いものとする。なお、図19に示す例に基づいて説明する。
まず、利用者は前記原稿を画像入力装置3の原稿台に載置し、操作パネル10を操作して前記原稿の読み取りを指示する。CPU21は操作パネル10を介して読み取りの指示を受け付け、画像入力装置3に指示して前記原稿の読み取りを実行する(ステップS401)。CPU21は、このように画像入力装置3によって取得された前記原稿の複数の原稿画像に夫々ページ番号を付して記憶部9に記憶する(ステップS402)。
次いで、CPU21は原稿属性検出部43に指示し、CPU21の指示に応じて原稿属性検出部43は前記複数の原稿画像の属性を夫々検出し(ステップS403)、検出された属性は当該原稿画像のページ番号に関連付けて記憶部9に記憶される。原稿属性検出部43による各原稿画像の属性の検出については、上述した通りであり、詳しい説明を省略する。
その後、数判定部113は、前記原稿画像数が、図形の一覧数より多いか否かの判定を行う(ステップS404)。数判定部113による判定については、上述した通りであり、詳しい説明を省略する。
数判定部113により原稿画像数が、図形の一覧数より多くないと判定された場合(ステップS404:NO)場合、属性表示部112は、記憶部9に記憶されている属性及びページ番号に基づき、前記原稿の原稿画像の図形の一覧表示を行う(ステップS408)。
一方、数判定部113により原稿画像数が、図形の一覧数より多いと判定された場合(ステップS404:YES)、組決定部114は、連続するページ番号の原稿画像からなる所定の画像の組を決定する(ステップS405)。組決定部114による画像の組の決定は、上述した通りであり、詳しい説明を省略する。ちなみに、図19に示す例においては、ページ番号が連続する3つの原稿画像が1つの画像の組として決定されている。
その後、組属性判定部115は、組決定部114によって決定された所定の画像の組の各原稿画像の属性が全て同一であるか否かを判定する(ステップS406)。組属性判定部115が、前記画像の組の各原稿画像の属性が全て同一であると判定した場合(ステップS406:YES)、属性表示部111は、同一である該属性を表す図形のみを表示することにより(ステップS409)、図形の一覧表示を行う(「図19の静止表示D」の図形参照)。
一方、組属性判定部115が、前記画像の組の各原稿画像の属性が全て同一でないと判定した場合(ステップS406:NO)、属性表示部111は、前記画像の組の各原稿画像の属性を表す図形を、1つずつ、順次反復して表示することにより(ステップS407)、図形の一覧表示を行う(図19の「順次反復表示A」及び「順次反復表示B」の図形参照)。詳しいことは上述した通りであり、詳細な説明を省略する。
また、前記画像の組の各原稿画像の属性を順次反復表示する際、隣に表示すべき図形の何れかと同一である属性が前記順次反復表示から除外され、該順次反復表示すべき属性が1つのみとなった場合、上述したように、属性表示部111は該1つのみの属性を表す図形を静止表示する(図19の「静止表示C」の図形参照)。
実施の形態1又は実施の形態2と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態4)
図21は本発明の実施の形態4のデジタル複合機1の要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態4のデジタル複合機1は、動作を行うためのプログラムが、通信IF13を介してCD‐ROM等の記録媒体の可搬型記録媒体Aで提供することも可能であるように構成されている。更に、実施の形態4のデジタル複合機1は、前記コンピュータプログラムを、図示しない外部装置から通信IF13を介してダウンロードすることも可能であるように構成されている。以下に、その内容を説明する。
実施の形態4のデジタル複合機1は外装(又は内装)の記録媒体読み取り装置(図示せず)を備えており、該記録媒体読み取り装置に、画像の属性を検出させ、属性の検出結果に基づき、該画像の属性に対応する図形を表示部に表示させるプログラム等が記録された可搬型記録媒体Aを挿入して、例えば記憶部9にこのプログラムをインストールする。斯かるプログラムはRAM23にロードして実行される。これにより、本発明の実施の形態4のデジタル複合機1として機能する。
前記記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはCPUがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープ又はカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク又はハードディスク等の磁気ディスク又はCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。