JP5988867B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/08Oxides
    • C23C14/086Oxides of zinc, germanium, cadmium, indium, tin, thallium or bismuth

Description

本発明は、透明導電性フィルムに関する。
特に、フィルム構成が簡略である一方で、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状が視認されにくい透明導電性フィルムに関する。
従来、画像表示部に直接触れることにより情報を入力できるタッチパネルは、光透過性の入力装置をディスプレイ上に配置してなるものである。
かかるタッチパネルの代表的な形式としては、2枚の透明電極基板をそれぞれの透明電極層が向かい合うように隙間を設けつつ配置してなる抵抗膜式タッチパネルや、透明電極膜と指との間に生じる静電容量の変化を利用する静電容量式タッチパネルが存在する。
このうち、静電容量式タッチパネルでは、指のタッチ位置を検出するためのセンサーとして、大別して透明導電性膜がガラス基材上に積層されてなるガラスセンサーと、透明導電性膜が透明プラスチックフィルム基材上に積層されてなるフィルムセンサーとが存在する。
特にフィルムセンサーにおいては、ライン状にパターン化された透明導電性膜を備えた透明導電性フィルム2枚を、それぞれのパターンが互いにクロスするように配置することにより、格子状のパターンが形成されることが多い。
しかしながら、このように透明導電性膜をパターン化した場合、パターン部と非パターン部との境界部分が視認されやすくなってしまい、静電容量式タッチパネルの見栄えが悪くなるという問題が見られた。
そこで、かかる問題を解決するための技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、透明なフィルム基材の片面または両面に少なくとも1層のアンダーコート層を介して、透明導電体層を有し、かつ透明導電体層はパターン化されており、かつ透明導電体層を有しない非パターン部には少なくとも1層のアンダーコート層を有する透明導電性フィルムの製造方法であって、透明なフィルム基材の片面または両面に、透明なフィルム基材から第一層目のアンダーコート層を有機物により形成する工程、アンダーコート層上に、スパッタリング法により透明導電体層を形成する工程、および透明導電体層を、エッチングしてパターン化する工程を有することを特徴とする透明導電性フィルムの製造方法が開示されている。
さらに、特許文献1には、パターン化された透明導電体層を有する透明導電性フィルムにアニール処理を施すことにより、該透明導電体層を結晶化させ、電気伝導度を向上させることが開示されている。
特開2011−142089号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1の実施例に開示されている透明導電性フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と称する場合がある。)の一方の面に2層のアンダーコート層および透明導電体層が順に積層されるとともに、PETフィルムの他方の面に、粘着剤層を介して、肉厚の別のPETフィルムに肉厚のハードコート層が積層されてなる支持体を貼り合わせてなるものであった。
それ故、特許文献1に記載の透明導電性フィルムは、層構成が複雑であり、生産コストが高くなるという問題を有していた。
そこで、本発明者等は、かかる生産コストの問題を解決すべく、上述した特許文献1の実施例における透明導電性フィルムの構成から支持体の省略を試みた。
しかしながら、支持体を省略した場合、アニール処理後、パターン形状が視認されやすくなるという問題が新たに発生した。
また、生産コストをさらに改善すべく、アニール処理温度を上昇させて、アニール処理時間の短縮を試みたところ、さらにパターン形状が視認されやすくなるという問題が見られた。
すなわち、本発明の目的はフィルム構成が簡略である一方で、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状が視認されにくい透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、以下の透明導電性フィルムにより上述した課題を解決できることを見出し、発明を完成させた。
すなわち、透明プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、光学調整層と、透明導電性膜と、を順次に積層してなる透明導電性フィルムであって、透明プラスチックフィルムが、150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1)および(2)を満足することを特徴とする透明導電性フィルムが提供され、上述した問題を解決することができる。
T1/L<0.0045 (1)
T2/L<0.0035 (2)
すなわち、本発明の透明導電性フィルムによれば、透明プラスチックフィルム基材として、その主配向軸を基準とした所定の熱収縮率、および厚さが所定の関係式を満足するものを用いている。
これにより、フィルム構成が簡略である一方で、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、透明導電性膜と、透明プラスチックフィルム基材との間に、光学調整層を設けていることから、透明導電性膜の屈折率と、透明プラスチックフィルム基材の屈折率との差に起因した透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1)が0〜0.5%であることが好ましい。
このように構成することにより、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2)が0〜0.4%であることが好ましい。
このように構成することにより、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)が25〜200μmであることが好ましい。
このように構成することにより、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、光学調整層が、透明プラスチック基材側から、中屈折率層と、高屈折率層と、低屈折率層と、を順次に積層され、中屈折率層が、屈折率1.4以上1.7未満であり、低屈折率層の屈折率よりも高く、かつ、前記高屈折率層の屈折率よりも低い層であり、高屈折率層が、屈折率が1.6以上2未満であり、低屈折率層が、屈折率が1.3以上1.6未満であることが好ましい。
このように構成することにより、透明導電性膜の屈折率と、透明プラスチックフィルム基材の屈折率との差に起因した透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記中屈折率層の厚さが50〜5000nmであり、高屈折率層の厚さが20〜130nmであり、低屈折率層の厚さが10〜150nmであることが好ましい。
このように構成することにより、透明導電性膜の屈折率と、透明プラスチックフィルム基材の屈折率との差に起因した透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、透明導電性膜が、インジウム錫酸化物(以下、「ITO」と称する場合がある。)からなるとともに、光学調整層上にパターン状に形成されてなることが好ましい。
このように構成した場合、アニール処理を施すことにより、通常、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなるが、本発明の透明導電性フィルムであれば、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、透明導電性膜の厚さが5〜500nmであることが好ましい。
このように構成した場合、アニール処理を施すことにより、通常、透明導電性膜のパターン形状が目立ちやすくなるが、本発明の透明導電性フィルムであれば、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
図1は、本発明の透明導電性フィルムについて説明するために供する図である。 図2(a)〜(c)は、透明プラスチックフィルム基材におけるT1方向およびT2方向について説明するために供する図である。 図3は、T1/Lと、アニール処理後の透明導電膜のパターンの視認性と、の関係を説明するために供する図である。 図4は、T2/Lと、アニール処理後の透明導電膜のパターンの視認性と、の関係を説明するために供する図である。
本発明の実施形態は、図1に示すように、透明プラスチックフィルム基材3の少なくとも一方の面に、光学調整層2と、透明導電性膜1と、を順次に積層してなる透明導電性フィルム10であって、透明プラスチックフィルム3が、150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材3の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、透明プラスチックフィルム基材3の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、透明プラスチックフィルム基材3の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1)および(2)を満足することを特徴とする透明導電性フィルム10である。
T1/L<0.0045 (1)
T2/L<0.0035 (2)
以下、本発明の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
1.透明プラスチックフィルム基材
(1)種類
透明プラスチックフィルム基材の種類としては、特に制限されるものではなく、光学用基材として公知の透明プラスチックフィルム基材を用いることができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルムを好ましく挙げることができる。
また、これらの中でも、耐熱性の観点から、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルムであることがより好ましい。
また、透明性およびフィルム強度と柔軟性の両立の観点から、特にPETフィルムであることが好ましい。
(2)関係式
まず、本発明の関係式(1)および(2)を説明する前に、透明導電性膜のパターンがアニール処理により視認されやすくなる現象について、推測を交えて説明する。
アニール処理によって視認されるようになったパターン部分等を電子顕微鏡にて観察すると、アニール処理後のパターン部分がアニール処理前よりも若干盛り上がっていることが確認される。かかる若干の盛り上がりこそがアニール処理後にパターン形状が認識されやすくなる原因であると推定された。
また、このような透明導電性膜のパターン部分が盛り上がる原因は、パターン化された透明導電性膜はアニール処理によっても形状の変化を生じない一方、光学調整層および透明プラスチックフィルム基材はアニール処理によって熱収縮を生じるため、結果として、パターン部分のみが盛り上がるためであると推定された。
すなわち、透明導電性膜のパターンがアニール処理により視認されやすくなる現象は、透明導電性膜とその他の層の熱収縮挙動が相違するため、透明導電性膜のパターン存在部分と非存在部分で歪みが生じることに起因すると推定された。
次に、上述した推定を受けて、種々の検討により本発明の関係式(1)および(2)に至る経緯を、以下に説明する。
上述した推定より、熱収縮率の小さい透明プラスチックフィルム基材を使用することにより、光学調整層および透明プラスチックフィルム基材の熱収縮を抑えることができ、ひいては、アニール処理後における透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができると期待された。
しかしながら、MD方向およびTD方向を基準とした熱収縮率が小さい透明プラスチックフィルム基材を使用した場合であっても、アニール処理後における透明導電性膜のパターン形状を安定して視認されにくくすることはできなかった。
この現象を鋭意検討した結果、MD方向およびTD方向ではなく、配向軸を基準としたて所定の熱収縮率を示す透明プラスチックフィルム基材を使用することにより、アニール処理後における透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができることが明らかとなった。
具体的に説明すると、図2(a)に示すように、MD方向およびTD方向は、巾1000〜1500mm程度の大きなフィルムを作製する際の条件により得られる情報である。
一方、モバイル等の小型電子機器に使用されるタッチパネル用の小さな透明導電性フィルムの基材は、当該大きなフィルムから複数のフィルムが切り出されることになる。
このため、図2(b)に示すように、フィルムの中央部分で切り出された透明プラスチックフィルム基材と、図2(c)に示すように、端の部分で切り出された透明プラスチックフィルム基材とでは、配向軸の方向が大きく異なることになり、熱収縮率はMD方向およびTD方向に対応した挙動を示さず、配向軸に対応した挙動を示すことになる。
したがって、透明プラスチックフィルム基材は、MD方向およびTD方向ではなく、配向軸方向およびその垂直方向の熱収縮率で所定値内のものを選択する必要があることが明らかとなった。
ところが、配向軸を基準とした熱収縮率が低い透明プラスチックフィルム基材を使用した場合であっても、未だ、アニール処理後における透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができない場合があるという問題が見られた。
種々検討の結果、アニール処理後の透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる現象は、透明プラスチックフィルム基材の厚みも影響を与えるとの推定が得られた。
すなわち、透明プラスチックフィルム基材の厚さを厚くすることにより、アニール処理後の透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなるのを防止できる傾向が確認された。この現象は、透明プラスチックフィルム基材の厚みにより、熱収縮による歪みを吸収することができ、ひいては、アニール処理後における透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくできると推定された。
以上の推定および検討の結果、透明プラスチックフィルム基材における配向軸を基準とした熱収縮率および厚さの両方を考慮することにより、フィルム構成が簡略である一方で、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状が視認されにくい透明導電性フィルムを安定的に得られる条件が見出された。
以下、その詳細をさらに説明する。
すなわち、本発明における透明プラスチックフィルム基材は、150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1)を満足することを特徴とする。
T1/L<0.0045 (1)
また、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなることをより効果的に防止する観点から、本発明における透明プラスチックフィルムは、150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1´)を満足することがより好ましく、下記関係式(1´´)を満足することがさらに好ましい。
T1/L<0.0040 (1´)
T1/L<0.0035 (1´´)
また、本発明における透明プラスチックフィルム基材は、150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(2)を満足することを特徴とする。
T2/L<0.0035 (2)
また、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくする観点から、本発明における透明プラスチックフィルムは、150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(2´)を満足することがより好ましく、下記関係式(2´´)を満足することがさらに好ましい。
T2/L<0.0025 (2´)
T2/L<0.0020 (2´´)
(3)熱収縮率
また、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1)は、0〜0.5%であることが好ましい。
この理由は、熱収縮率(T1)をかかる範囲内の値とすることにより、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜と、その下層の光学調整層と、の境界部分における歪みの発生を、より効果的に抑制して、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができるためである。
したがって、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1)は0〜0.4%であることがより好ましく、0〜0.2%であることがさらに好ましい。
また、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2)は、0〜0.4%であることが好ましい。
この理由は、熱収縮率(T2)をかかる範囲内の値とすることにより、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜と、その下層の光学調整層と、の境界部分における歪みの発生を、さらに効果的に抑制して、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができるためである。
したがって、透明プラスチックフィルムの主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2)は、0〜0.3%であることがより好ましく、0〜0.2%であることがさらに好ましい。
(4)厚さ
また、透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)は、上述した配向軸を基準とした各方向における熱収縮率の影響を考慮する必要があるものの、25〜200μmであることが好ましい。
この理由は、透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)をかかる範囲内の値とすることにより、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜と、その下層の光学調整層と、の境界部分における歪みの発生を、より一段と効果的に抑制することができるためである。
すなわち、透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)が25μm未満の値となると、透明プラスチック基材フィルムの強度が低下することにより、光学調整層における透明導電性膜の存在部分と非存在部分とでのアニール処理時の歪みの発生を効果的に抑制することができなくなる場合があるためである。一方、透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)が200μmを超えた値となると、透明導電性フィルムにおける透明性等の光学特性が悪化する場合があるためである。
したがって、透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)は、30〜180μmであることがより好ましく、50〜150μmであることがさらに好ましい。
なお、本発明に用いる透明プラスチックフィルム基材の表面における1辺の長さは、配向軸の直線性をより向上させる観点から、30cm以下であることが好ましく、20cm以下であることがより好ましく、15cm以下であることがさらに好ましい。
(5)屈折率
また、アニール処理前においても透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなることを効果的に抑制する観点から、透明プラスチックフィルム基材の屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましい。
したがって、透明プラスチックフィルム基材の屈折率は、1.50〜1.70であることがより好ましく、1.55〜1.65であることがさらに好ましい。
なお、透明プラスチックフィルム基材は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施したり、あるいは、プライマー処理を施したりすることも好ましい。
また、上述した酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ、凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
2.光学調整層
本発明の透明導電性フィルムは、透明導電性膜と、透明プラスチック基材との間に、光学調整層を設けることを特徴とする。
この理由は、かかる光学調整層を設けることにより、透明導電性膜の屈折率と、透明プラスチックフィルム基材の屈折率との差に起因した透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができるためである。
また、光学調整層は、透明プラスチック基材側から、屈折率が相対的に高い高屈折率層と、屈折率が相対的に低い低屈折率層と、を順次に積層してなることが好ましい。
さらに、光学調整層は、図1に示すように、透明プラスチック基材側から、屈折率が低屈折率層2aおよび高屈折率層2bにおける屈折率の間の値となる中屈折率層2cと、屈折率が相対的に高い高屈折率層2bと、屈折率が相対的に低い低屈折率層2aと、を順次に積層してなることが特に好ましい。
この理由は、光学調整層2をこのような積層構造とすることにより、透明導電性膜1の屈折率と、透明プラスチックフィルム基材3の屈折率との差に起因した透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができるためである。
以下、光学調整層を構成する中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層について、それぞれ説明する。
(1)中屈折率層
(1)−1 屈折率
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率よりも高く、かつ、高屈折率層の屈折率よりも低く、さらに、屈折率が1.4以上1.7未満であることが好ましい。
この理由は、中屈折率層の屈折率が1.4未満の値となると、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。一方、中屈折率層の屈折率が1.7以上の値となっても、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。
したがって、中屈折率層の屈折率は、1.43以上1.65未満であることがより好ましく、1.45以上1.6未満であることがさらに好ましい。
(1)−2 厚さ
また、中屈折率層の厚さは、50〜5000nmであることが好ましい。
この理由は、中屈折率層の厚さが50nm未満の値となると、中屈折率層の膜が脆くなり、層の形状を維持できなくなる場合があるためである。一方、中屈折率層の厚さが5000nmを超えた値となると、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。
したがって、中屈折率層の厚さは、100〜4000nmであることがより好ましく、120〜200nmであることがさらに好ましい。
(1)−3 材料物質
また、中屈折率層が、シリカ微粒子および活性エネルギー線硬化性樹脂を含む組成物の硬化物からなることが好ましい。
この理由は、シリカ微粒子を含むことにより、アンチブロッキング性を付与できるため、巻き取り性の向上が期待できるばかりか、中屈折率層の上層である高屈折率層との密着性についても向上させて、強固に積層させることができるためである。
(i)活性エネルギー線硬化樹脂
また、低屈折率層の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線等を照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を意味し、例えば、光重合性プレポリマーや光重合性モノマーを挙げることができる。
また、上述した光重合性プレポリマーには、ラジカル重合型とカチオン重合型があり、ラジカル重合型の光重合性プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。
また、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる化合物が挙げられる。
また、エポキシアクリレート系プレポリマーとしては、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる化合物が挙げられる。
また、ウレタンアクリレート系プレポリマーとしては、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる化合物が挙げられる。
さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーとしては、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる化合物が挙げられる。
なお、これらの重合性プレポリマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、カチオン重合型の光重合性プレポリマーとしては、通常、エポキシ系樹脂が使用される。
かかるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール樹脂やノボラック樹脂等の多価フェノール類にエピクロルヒドリン等でエポキシ化して得られる化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物等で酸化して得られる化合物等が挙げられる。
また、光重合性モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレートが挙げられる。
なお、これらの光重合性モノマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ii)光重合開始剤
また、活性エネルギー線硬化性樹脂を効率的に硬化させる観点から、所望により光重合開始剤を併用することも好ましい。
かかる光重合開始剤としては、ラジカル重合型の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーに対しては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル等が挙げられる。
また、カチオン重合型の光重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオン等のオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート等の陰イオンからなる化合物等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、光重合開始剤の配合量としては、上述した活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(iii)シリカ微粒子
また、シリカ微粒子としては、重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子、あるいは、このような重合性不飽和基含有有機化合物を有さない通常のコロイダルシリカ微粒子を用いることができる。
また、重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子としては、平均粒径が0.005〜1μm程度のシリカ微粒子の表面におけるシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることにより得られるものが挙げられる。
なお、上述した重合性不飽和基としては、例えば、ラジカル重合性のアクリロイル基やメタクリロイル基等が挙げられる。
また、重合性不飽和基含有有機化合物を有さない通常のコロイダルシリカ微粒子としては、平均粒径が0.005〜1μm程度、好ましくは0.01〜0.2μm程度のシリカ微粒子が、アルコール系やセロソルブ系の有機溶剤中にコロイド状態で懸濁してなるコロイダルシリカを好適に用いることができる。
なお、シリカ微粒子の平均粒径は、例えば、ゼータ電位測定法により求めることができる。
また、シリカ微粒子の配合量としては、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、5〜400重量部であることが好ましく、20〜150重量部であることがより好ましく、30〜100重量部であることがさらに好ましい。
(1)−4 中屈折率層形成用の組成物
また、中屈折率層は、中屈折率層形成用の組成物を予め調製し、後述の通り塗布・乾燥し、硬化することにより形成されることが好ましい。
当該組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、シリカ微粒子、および所望により用いられる各種添加成分を、それぞれ所定の割合で加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
なお、各種添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、(近)赤外線吸収剤、シラン系カップリング剤、光安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、消泡剤等が挙げられる。
また、用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等が挙げられる。
このようにして調製された中屈折率層形成用の組成物の濃度、粘度としては、コーティング可能なものであればよく、特に限定されず、状況に応じて適宜選定することができる。
したがって、通常、得られる中屈折率層の膜厚を所定の範囲に調節しやすい観点から、固形分濃度0.05〜10重量%となるように希釈することが好ましく、0.1〜8重量%となるように希釈することがより好ましい。
(2)高屈折率層
(2)−1 屈折率
高屈折率層の屈折率は、1.6以上2未満であることが好ましい。
この理由は、高屈折率層の屈折率が1.6未満の値となると、低屈折率層との有意な屈折率差が得られなくなり、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。一方、高屈折率層の屈折率が2以上の値となると、高屈折率層の膜が脆くなる場合があるためである。
したがって、高屈折率層の屈折率は、1.6以上1.9未満であることがより好ましく、1.6以上1.8未満であることがさらに好ましい。
(2)−2 厚さ
また、高屈折率層の厚さは、20〜130nmであることが好ましい。
この理由は、高屈折率層の厚さが20nm未満の値となると、高屈折率層の膜が脆くなり、層の形状を維持できなくなる場合があるためである。一方、高屈折率層の厚さが130nmを超えた値となると、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。
したがって、高屈折率層の厚さは、23〜120nmであることがより好ましく、30〜110nmであることがさらに好ましい。
(2)−3 材料物質
また、高屈折率層が、金属酸化物微粒子および活性エネルギー線硬化性樹脂を含む組成物の硬化物からなることが好ましい。
この理由は、金属酸化物微粒子を含むことにより、高屈折率層における屈折率の調整が容易になるためである。
また、金属酸化物の種類は、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化錫、酸化ニオブ、インジウム錫酸化物(ITO)、アンチモン錫酸化物(ATO)等が好ましく挙げられる。
また、透明性を低下させずに高屈折率化を実現する観点から、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムから選択される少なくとも1種類であることが特に好ましい。
なお、これらの金属酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、金属酸化物微粒子の平均粒径は、0.005μm〜1μmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、金属酸化物微粒子の平均粒径は、例えば、ゼータ電位測定法を用いた測定法により求めることができる。
また、高屈折率層に使用される活性エネルギー線硬化性樹脂および光重合開始剤としては、低屈折率層の説明において挙げられたものを適宜使用することができる。
また、金属酸化物微粒子の配合量としては、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、20〜2000重量部であることが好ましく、80〜1000重量部であることがより好ましく、150〜400重量部であることがさらに好ましい。
(2)−4 高屈折率層形成用の組成物
また、高屈折率層は、高屈折率層形成用の組成物を予め調製し、後述の通り塗布・乾燥し、硬化することにより形成されることが好ましい。
当該組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、金属酸化物微粒子、および所望により用いられる各種添加成分を、それぞれ所定の割合で加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
なお、各種添加成分、溶媒、高屈折率層形成用の組成物の濃度、粘度等については、中屈折率層の説明における内容と同様である。
(3)低屈折率層
(3)−1 屈折率
低屈折率層の屈折率は、1.3以上1.6未満であることが好ましい。
この理由は、低屈折率層の屈折率が1.3未満の値となると、低屈折率層の膜が脆くなる場合があるためである。一方、低屈折率層の屈折率が1.6以上の値となると、高屈折率層との有意な屈折率差が得られなくなり、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。
したがって、低屈折率層の屈折率は、1.3以上1.5未満であることがより好ましく、1.3以上1.45未満であることがさらに好ましい。
(3)−2 厚さ
また、低屈折率層の厚さは、10〜150nmであることが好ましい。
この理由は、低屈折率層の厚さが10nm未満の値となると、低屈折率層の膜が脆くなり、層の形状を維持できなくなる場合があるためである。一方、低屈折率層の厚さが150nmを超えた値となると、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。
したがって、低屈折率層の厚さは、15〜135nmであることがより好ましく、20〜120nmであることがさらに好ましい。
(3)−3 材料物質
また、低屈折率層が、シリカ微粒子および活性エネルギー線硬化性樹脂を含む組成物の硬化物からなることが好ましい。
この理由は、シリカ微粒子を含むことにより、低屈折率層における屈折率の調整が容易になるばかりか、低屈折率層の上層である透明導電性膜や、下層である高屈折率層との密着性についても向上させて、強固に積層させることができるためである。
また、シリカ微粒子としては、中空シリカ微粒子または多孔質シリカ微粒子であることが好ましい。
この理由は、中空シリカ微粒子または多孔質シリカ微粒子であれば、低屈折率層の屈折率をより効果的に所定の範囲内まで低下させることができるためである。
さらに、低屈折率層としての効果を発揮させるためには、シリカ微粒子の平均粒径が、1μm以下のものであることが好ましく、10〜100nmの範囲内の値であることが好ましい。
なお、シリカ微粒子の平均粒径は、例えば、ゼータ電位測定法により求めることができる。
また、シリカ微粒子の配合量としては、上述した活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、50〜500重量部であることが好ましく、80〜300重量部であることがより好ましく、100〜250重量部であることがさらに好ましい。
(3)−4 低屈折率層形成用の組成物
また、低屈折率層は、低屈折率層形成用の組成物を予め調製し、後述の通り塗布・乾燥し、硬化することにより形成されることが好ましい。
当該組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に前述した活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、シリカ微粒子、および所望により用いられる各種添加成分を、それぞれ所定の割合で加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
なお、各種添加成分、溶媒、低屈折率層形成用の組成物の濃度、粘度等については、中屈折率層の説明における内容と同様である。
3.透明導電性膜
(1)材料物質
本発明の透明導電性フィルムにおいて、光学調整層上に積層される透明導電性膜の材料物質としては、透明性と導電性とを併せ持つものであれば特に制限されるものではないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、錫アンチモン酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物等が挙げられる。
また、特に、材料物質としてITOを用いることが好ましい。
この理由は、ITOであれば、適当な造膜条件を採用することで、透明性および導電性に優れた透明導電性膜を形成することができるためである。
(2)厚さ
また、透明導電性膜の厚さは、5〜500nmであることが好ましい。
この理由は、透明導電性膜の厚さが5nm未満の値となると、透明導電性膜が脆くなるばかりか、十分な導電性が得られなくなる場合があるためである。一方、透明導電性膜の厚さが500nmを超えた値となると、透明導電性膜に起因した色味が強くなり、パターン形状が認識されやすくなる場合があるためである。
したがって、透明導電性膜の厚さは、15〜250nmであることがより好ましく、20〜100nmであることがさらに好ましい。
(3)パターン形状
また、透明導電性膜が、光学調整層上にライン状若しくは格子状のようなパターン形状に形成されてなることが好ましい。
また、上述したパターン形状は、透明導電性膜の存在する部分の線幅と、透明導電性膜が存在しない部分の線幅とが、略等しいことが好ましい。
さらに、当該線幅は、通常、0.1〜10mmであり、好ましくは、0.2〜5mmであり、特に好ましくは0.5〜2mmである。
なお、上述したライン状若しくは格子状における線幅は一定である場合に限られず、例えば、静電容量式のタッチパネルに要求される形状に連なるもの等を自由に選択することができる。
具体的には、ひし形部分と線部が繰り返し連なったパターン形状等が挙げられ、このようなパターン形状も「ライン状」の範疇に含まれる。
なお、透明導電性膜をこのように形成した場合、アニール処理を施すことにより、通常、透明導電性膜のパターン形状が目立ちやすくなるが、本発明の透明導電性フィルムであれば、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
4.透明導電性フィルムの製造方法
本発明の透明導電性フィルムは、下記工程(a)〜(c)を含む製造方法により得ることができる。
(a)150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1)および(2)を満足する透明プラスチックフィルム基材を準備する工程
(b)透明プラスチックフィルム基材の片面に、光学調整層を形成する工程
(c)得られた光学調整層上に、透明導電性膜を形成する工程
T1/L<0.0045 (1)
T2/L<0.0035 (2)
以下、これまでの内容と重複する部分は省略し、異なる部分のみを詳述する。
なお、光学調整層は、好ましい態様として、透明プラスチック基材側から、中屈折率層と、高屈折率層と、低屈折率層と、を順次に積層してなる構成として説明する。
(1)工程(a):透明プラスチックフィルム基材を準備する工程
150℃で1時間加熱した場合の透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1)および(2)を満足する透明プラスチックフィルム基材を準備する。
T1/L<0.0045 (1)
T2/L<0.0035 (2)
なお、透明プラスチックフィルム基材の詳細については、既に説明したため、省略する。
(2)工程(b):光学調整層を形成する工程
関係式(1)および(2)を満足する透明プラスチックフィルム基材の片面に、所望により、上述した中屈折率層形成用の組成物を、従来公知の方法にて塗布し塗膜を形成した後、乾燥し、これに活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させることにより、中屈折率層が形成される。
また、中屈折率層形成用の組成物の塗布方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
また、乾燥条件としては、60〜150℃で10秒〜10分程度行うことが好ましい。
さらに、活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線等が挙げられる。
また、紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が挙げられ、その照射量は、通常、100〜500mJ/cm2とすることが好ましい。
一方、電子線の光源としては、電子線加速器等が挙げられ、その照射量は、通常、150〜350kVとすることが好ましい。
次いで、形成された中屈折率層上に(中屈折率層を形成しない場合は、透明プラスチックフィルム基材上に直接)、高屈折率層を形成する。
すなわち、高屈折率層は、透明プラスチックフィルム基材上に中屈折率層を形成するのと同様にして、上述した高屈折率層形成用の組成物を塗布・乾燥するとともに、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成することができる。
次いで、形成された高屈折率層上に、さらに低屈折率層を形成する。
すなわち、低屈折率層は、透明プラスチックフィルム基材上に中屈折率層を形成するのと同様にして、上述した低屈折率層形成用の組成物を塗布・乾燥するとともに、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成することができる。
(3)工程(c):透明導電性膜を形成する工程
工程(b)で得られた光学調整層に対し、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法、ゾル−ゲル法等の公知の方法により、透明導電性膜を形成することにより、透明導電性フィルムを得ることができる。
また、スパッタリング法としては、化合物を用いた通常のスパッタリング法、あるいは金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が挙げられる。
この際、反応性ガスとして酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加やイオンアシスト等を併用したりすることも好ましい。
また、透明導電性膜は、上述したようにして製膜した後、フォトリソグラフィー法により所定のパターンのレジストマスクを形成した後、公知の方法によりエッチング処理を施すことで、ライン状のパターン等を形成することができる。
なお、エッチング液としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸の水溶液等が好ましく挙げられる。
(4)アニール工程
また、透明導電性膜の結晶性を高めて、抵抗率を低下させるために、アニール工程を設けて所定のアニール処理を行うことが好ましい。
すなわち、得られた透明導電性フィルムを130〜180℃の温度条件下に0.5〜2時間曝すことが好ましい。
なお、一般には、かかるアニール処理を行うことにより、透明導電性膜と、その下層のアンダーコート層と、の境界部分において歪みが生じてしまうことから、透明導電性膜のパターン形状が視認されやすくなるという問題が見られる。
この点、本発明の透明導電性フィルムであれば、そのような歪みの発生を抑制し、ひいては透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができる。
以下、実施例を参照して、本発明の透明導電性フィルムをさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1.中屈折率層形成用の組成物の調製
容器内に、活性エネルギー線硬化性樹脂として、反応性シリカ微粒子を含むハードコート剤(JSR(株)製、オプスターZ7530、固形分濃度73重量%、液体成分:メチルエチルケトン)を100重量部と、光開始剤(BASF(株)製、イルガキュア907、固形分濃度:100重量%)を3.7重量部と、レベリング剤(ビックケミ−(株)製、BYK−355、固形分濃度:52重量%、液体成分:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を0.1重量部と、希釈溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルを1350重量部と、を収容した後、均一に混合し、固形分濃度:約5.3重量%である中屈折率層形成用の組成物を調製した。
なお、反応性シリカ微粒子を含むハードコート剤(JSR(株)製、オプスターZ7530、液体成分:メチルエチルケトン)の組成は以下の通りである。
・反応性シリカ微粒子と多官能アクリレートを含有する全活性エネルギー線硬化化合物
70重量%
・光開始剤 3重量%
・メチルエチルケトン 27重量%
2.高屈折率層形成用の組成物の調製
容器内に、活性エネルギー線硬化性樹脂として、高屈折率コート剤(アトミクス(株)製、アトムコンポブリッドHUV SRZ100、高屈折率剤としてのナノメートルサイズの酸化ジルコニウム微粒子含有、固形分濃度:30重量%、液体成分:2−ブタノン)を100重量部と、光開始剤(BASF(株)製、イルガキュア907、固形分濃度100重量%)を0.9重量部と、レベリング剤(ビックケミ−(株)製、BYK−355、固形分濃度:52重量%、液体成分:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を0.03重量部と、希釈溶剤として、メチルイソブチルケトンを1492.5重量部と、シクロヘキサノンを1492.5重量部と、を収容した後、均一に混合し、固形分濃度:1重量%である高屈折率層形成用の組成物を調製した。
3.低屈折率層形成用の組成物の調製
容器内に、活性エネルギー線硬化性樹脂として、ハードコート剤(荒川化学工業(株)製、ビームセット575CB、固形分濃度:100重量%)を100重量部と、中空シリカゾル(日揮触媒化成(株)製、スルーリア4320、平均粒径50nm、固形分濃度:20重量%)を488重量部と、光開始剤(BASF(株)製、イルガキュア907、固形分濃度:100重量%)を0.9重量部と、レベリング剤(ビックケミ−(株)製、BYK−355、固形分濃度:52重量%)を0.1重量部と、希釈溶剤として、メチルイソブチルケトンを9700重量部と、シクロヘキサノンを9700重量部と、を収容した後、均一に混合し、固形分濃度:1重量%である低屈折率層形成用の組成物を調製した。
なお、ハードコート剤(荒川化学工業(株)製、ビームセット575CB、固形分濃度:100重量%)の組成は以下の通りである。
・ウレタンアクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性化合物 95重量%
・光開始剤 5重量%
4.中屈折率層の形成
透明プラスチックフィルム基材として、厚さ(L):125μm、主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1):0.43、主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2):0.05、T1/L:0.0034、T2/L:0.0004のPETフィルムを用意した。
次いで、用意したPETフィルムの表面に、中屈折率層形成用の組成物をマイヤーバー#4にて塗工した。
なお、主配向軸の方向は、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−WR)を用いて測定した。
また、T1およびT2は、基材を150℃で1時間加熱する前後での各方向の長さを比較することにより算出した。
次いで、70℃のオーブンで1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプを用いて200mJ/cm2の紫外線を照射し、PETフィルムの表面に厚さ150nm、屈折率1.49の中屈折率層を形成した。
5.高屈折率層の形成
次いで、形成した中屈折率層上に、高屈折率層形成用の組成物をマイヤーバー#4にて塗工した。
次いで、70℃のオーブンで1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプを用いて200mJ/cm2の紫外線を照射し、中屈折率層上に厚さ23nm、屈折率1.87の高屈折率層を形成した。
6.低屈折率層の形成
次いで、形成した高屈折率層上に、低屈折率層形成用の組成物をマイヤーバー#4にて塗工した。
次いで、70℃のオーブンで1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプを用いて200mJ/cm2の紫外線を照射し、高屈折率層上に厚さ74nm、屈折率1.39の低屈折率層を形成し、PETフィルム上に3層構造の光学調整層を形成した。
7.透明導電性膜の形成
次いで、光学調整層を形成したPETフィルムを縦90mm×横90mmにカットした後、ITOターゲット(酸化錫10重量%、酸化インジウム90重量%)を用いてスパッタリングを行い、光学調整層上の中央部に縦60mm×横60mmの正方形状、厚さ30nmの透明導電性膜を形成した。
次いで、得られた透明導電性膜の表面上に格子状にパターン化されたフォトレジスト膜を形成した。
次いで、室温下にて、10重量%の塩酸に1分間浸漬することによりエッチング処理を行った後、フォトレジスト膜を除去し、パターン化された透明導電性膜を有する透明導電性フィルムを得た。
当該透明導電性フィルムは、光学調整層上の全面に、線幅2mmの透明導電性の線部により1辺2mmの正方形の空隙が格子状に区画化されたパターン形状を有する厚さ30nmの透明導電性膜を有するものであった。
8.評価
得られたパターン化された透明導電性膜を有する透明導電性フィルムを加熱した際に、パターン化された透明導電性膜と、光学調整層と、の境界部分において歪みが視認されるか否かを評価した。
すなわち、得られた透明導電性フィルムを、それぞれ150℃に設定したオーブンにて1時間加熱した後、反射光の下、目視にて透明導電性膜と、光学調整層と、の境界部分において歪みが生じているか否かを観察した。
より具体的には、透明導電性フィルムを白色蛍光灯から1mの位置に設置し、透明導電性フィルムに白色蛍光灯を映り込ませた状態で、白色蛍光灯が設置されているのと同じ側における透明導電性フィルムから30cmの位置より、目視にて歪みが生じているか否かを観察した。
そして、得られた観察結果を、下記判定基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、実際の透明導電性フィルムの使用態様としては、ライン状にパターン化された透明導電性膜を有する透明導電性フィルム2枚を、90°回転させて配置することにより格子状のパターンが形成されるのが一般的であるが、本評価では、簡略化のため、1枚の透明導電性フィルムにおける透明導電性膜を格子状にパターン形成して評価した。
○:反射光の下で、透明導電性膜のパターンが視認されない。
×:反射光の下で、透明導電性膜のパターンが視認される。
[実施例2]
実施例2では、透明プラスチックフィルム基材として、厚さ(L):125μm、主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1):021、主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2):0.24、T1/L:0.0016、T2/L:0.0019のPETフィルムを用いたほかは、実施例1と同様に透明導電性フィルムを製造するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例3では、透明プラスチックフィルム基材として、厚さ(L):50μm、主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1):0.19、主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2):0.15、T1/L:0.0038、T2/L:0.003のPETフィルムを用いたほかは、実施例1と同様に透明導電性フィルムを製造するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1では、透明プラスチックフィルム基材として、厚さ(L):125μm、主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1):0.76、主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2):0.84、T1/L:0.0061、T2/L:0.0067のPETフィルムを用いたほかは、実施例1と同様に透明導電性フィルムを製造するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2では、透明プラスチックフィルム基材として、厚さ(L):125μm、主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1):0.6、主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2):0.44、T1/L:0.0048、T2/L:0.0035のPETフィルムを用いたほかは、実施例1と同様に透明導電性フィルムを製造するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3では、透明プラスチックフィルム基材として、厚さ(L):50μm、主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1):0.8、主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2):0.57、T1/L:0.016、T2/L:0.0114のPETフィルムを用いたほかは、実施例1と同様に透明導電性フィルムを製造するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005988867
また、図3に示すように、T1/L(%/μm)と、透明導電性膜のパターンの視認性と、の関係について、実施例1〜3および比較例1〜3の結果に基づいて、散布図を作成して検証した。
すなわち、図3においては、T1/L(%/μm)を横軸に採り、透明導電性膜のパターンの視認性の相対評価値(−)を縦軸に採った散布図が示してある。
なお、透明導電性膜のパターンの視認性の相対値は、以下のように設定した。
相対値5:反射光の下で、透明導電性膜のパターンが視認されない。
相対値1:反射光の下で、透明導電性膜のパターンが視認される。
かかる散布図から理解されるように、T1/L(%/μm)の値と、透明導電性膜のパターンの視認性(−)との間には、明確な相関関係が存在すること確認できた。
すなわち、T1/L(%/μm)の値が0.0045未満のときには、透明導電性膜のパターンが視認されにくい一方、T1/L(%/μm)の値が0.0045以上のときには、透明導電性膜のパターンが視認されやすくなるという相関関係の存在が確認できた。
また、図4に示すように、T2/L(%/μm)と、透明導電性膜のパターンの視認性と、の関係についても、実施例1〜3および比較例1〜3の結果に基づいて、散布図を作成して検証した。
すなわち、図4においては、T2/L(%/μm)を横軸に採り、透明導電性膜のパターンの視認性の相対評価値(−)を縦軸に採った散布図が示してある。
なお、透明導電性膜のパターンの視認性の相対値は、図3におけるのと同様の基準にて設定した。
かかる散布図から理解されるように、T2/L(%/μm)の値と、透明導電性膜のパターンの視認性(−)との間には、明確な相関関係が存在することが確認できた。
すなわち、T2/L(%/μm)の値が0.0035未満のときには、透明導電性膜のパターンが視認されにくい一方、T2/L(%/μm)の値が0.0035以上のときには、透明導電性膜のパターンが視認されやすくなるという相関関係の存在が確認できた。
したがって、フィルム構成が簡略である所定の透明導電性フィルムにおいて、関係式(1)および(2)を満足することにより、透明導電性膜のパターン形状を視認されにくくすることができるという本発明の効果が、実施例により十分に確認されたことになる。
以上、詳述したように、本発明によれば、透明プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、光学調整層と、透明導電性膜と、を順次に積層してなる透明導電性フィルムにおいて、透明プラスチックフィルム基材として、その主配向軸を基準とした所定の熱収縮率が所定の関係式を満足するものを用いることにより、フィルム構成が簡略である一方で、アニール処理を施した場合であっても、透明導電性膜のパターン形状が視認されにくい透明導電性フィルムを得ることができるようになった。
したがって、本発明の透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置の高品質化に著しく寄与することが期待される。
1:透明導電性膜、2:光学調整層、2a:低屈折率層、2b:高屈折率層、2c:中屈折率層、3:透明プラスチックフィルム基材、10:透明導電性フィルム

Claims (8)

  1. 透明プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、光学調整層と、透明導電性膜と、を順次に積層してなる透明導電性フィルムであって、
    前記透明プラスチックフィルムが、150℃で1時間加熱した場合の前記透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と直交する方向における熱収縮率をT1(%)とし、前記透明プラスチックフィルム基材の主配向軸と平行な方向における熱収縮率をT2(%)とし、前記透明プラスチックフィルム基材の厚さをL(μm)としたときに、下記関係式(1)および(2)を満足することを特徴とする透明導電性フィルム。
    T1/L<0.0045 (1)
    T2/L<0.0035 (2)
  2. 前記透明プラスチックフィルム基材の前記主配向軸と直交する方向における熱収縮率(T1)が0〜0.5%であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明プラスチックフィルム基材の前記主配向軸と平行な方向における熱収縮率(T2)が0〜0.4%であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記透明プラスチックフィルム基材の厚さ(L)が25〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記光学調整層が、透明プラスチックフィルム基材側から中屈折率層と、高屈折率層と、低屈折率層と、を順次に積層されてなり、前記中屈折率層が、屈折率1.4以上1.7未満であるとともに、前記低屈折率層の屈折率よりも高く、かつ、前記高屈折率層の屈折率よりも低い層であり、前記高屈折率層が、屈折率1.6以上2未満であり、前記低屈折率層が、屈折率1.3以上1.6未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記中屈折率層の厚さが50〜5000nmであり、前記高屈折率層の厚さが20〜130nmであり、かつ、前記低屈折率層の厚さが10〜150nmであることを特徴とする請求項5に記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記透明導電性膜が、インジウム錫酸化物からなるとともに、パターン状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  8. 前記透明導電性膜の厚さが5〜500nmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
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