以下、本実施形態の照明器具10を図1ないし図6に基づいて説明する。なお、図中において同じ部材に対しては、同じ番号を付している。
本実施形態の照明器具10は、図1に示すように、LED光源部1を収納する収納部21とLED光源部1からの熱を放熱する放熱部22とを有する灯具本体2を備えている。照明器具10は、LED光源部1へ給電してLED光源部1を点灯させる電源装置3と、灯具本体1と電源装置3とをつなぐアーム4と、を備えている。灯具本体2は、灯具本体2の窪み23に取付台5を収容している(図2を参照)。アーム4は、取付台5に対して回動可能で、取付台5に収納可能としている(図3を参照)。
これにより、本実施形態の照明器具10は、光出射方向を変更することが比較的に容易で、アーム4と灯具本体2との一体感の高い外観意匠とすることが可能となる。
以下、本実施形態の照明器具10の具体的な構成について説明する。本実施形態の照明器具10は、より具体的には、建物の造営材たる天井材や壁材側に電源装置3を取り付けて、照明対象のライトアップなどを行うことが可能なスポットライトを構成している。
本実施形態の照明器具10は、複数個のLED11を有するLED光源部1と、内部にLED光源部1を保持する灯具本体2とを備えている。LED光源部1は、円板状の配線基板12を備えており、配線基板12の一表面12a側にLED11を実装している。
灯具本体2は、LED光源部1を収納する収納部21と、LED光源部1からの熱を外部に放熱する放熱部22とを備えている。灯具本体2は、LED光源部1を収納する凹部21aを備えた有底円筒状の収納部21と、収納部21と反対側に凹部22aを備えた有底円筒状の放熱部22とを一体として備えている。灯具本体2は、収納部21と放熱部22とを一体として、灯具本体2全体の外形形状を円柱状にしている。灯具本体2は、収納部21と放熱部22とを一体に形成したものを用いているが、収納部21と放熱部22とを別体に形成させたものを結合して構成するものでもよい。灯具本体2は、収納部21や放熱部22の材料として、たとえば、アルミニウム、ステンレス、銅や鉄などを用いることができる。なお、放熱部22は、凹部22aを覆うカバー24を備えている。照明器具10は、LED11を配線基板12に実装させたLED光源部1を、金属材料からなる収納部21に保持させている。
照明器具10は、LED光源部1を放熱部22と一体となった収納部21に保持することにより、灯具本体2の小型化を図りつつLED光源部1で発生した熱を灯具本体2から外部に効率よく放熱させることが可能となる。本実施形態の照明器具10は、灯具本体2の放熱性を向上させることにより、LED光源部1の温度上昇を抑制し、LED光源部1からの光出力を向上させることもできる。
照明器具10は、天井材(図示していない)などに固定可能な電源装置3を備えている。電源装置3は、LED光源部1に給電して点灯可能な点灯回路を構成する電源ユニット32を備えている。電源装置3は、外形形状が直方体状の筐体31の内部に電源ユニット32を配置している。照明器具10は、灯具本体2と電源装置3とをつなぐ長尺状のアーム4を備えている。照明器具10は、アーム4の一端401側を電源装置3の筐体31に取り付けている。照明器具10は、アーム4の一端401側と反対側の他端402側を灯具本体2に取り付けている。
本実施形態の照明器具10は、収納部21の凹部21aの内底面にLED光源部1を保持している。照明器具10は、LED11の光出射側の前方であって、配線基板12の一表面12a側を覆うように枠体部13を備えている。枠体部13は、LED光源部1を灯具本体2の収納部21に収納し保持するために好適に用いられる。枠体部13は、LED光源部1を収納部21に保持する固定螺子(図示していない)の螺子頭などが照明器具10の外部から見えることで、外観意匠の見栄えが損なわれることを抑制することが可能となる。枠体部13は、アルミニウムなどの金属材料や合成樹脂材料を用いて形成することができる。枠体部13は、円盤状であって複数個(ここでは、18個)の開口部13aを設けている。照明器具10は、枠体部13の開口部13aからLED11の光を取り出す。LED光源部1は、枠体部13によって、LED11の前方に配置するレンズ14を保持している。枠体部13は、枠体部13の開口部13aにおける内端部でレンズ14を保持している。照明器具10は、レンズ14を保持する枠体部13を収納部21の凹部21aに収納して収納部21の内底面側に固定している。レンズ14は、LED11からの光を所定の配光にするために好適に設けている。レンズ14は、たとえば、レンズ14の材料として、ガラスやアクリル樹脂などを用いることができる。レンズ14は、配線基板12の一表面12a上に実装されたLED11を囲む凹部14aを配線基板12側に備え、凹部14aとは反対側が平滑な表面14bを備えた平凸レンズ状に形成している。照明器具10は、LED11からの光がレンズ14に入射され、レンズ14のレンズ効果により屈折することで、LED11から照射された光を所定の配光分布で照射するように構成している。
照明器具10は、金属材料により構成された棒状のアーム4を備えている。アーム4は、アーム4の一端401側が電源装置3の筐体31側に保持されている。アーム4は、一端401とは反対側の他端402側で灯具本体2を保持している。アーム4は、アームの他端402側において、アーム4の側面403から外方に突出する円柱状の軸部41を設けている。軸部41は、円柱形状の第1円柱体41aと、第1円柱体41aの中心軸と中心軸が同じで第1円柱体41aよりも外形形状が大きい円柱の一部からなる第2円柱体41bとを備えている(図4および図5を参照)。言い換えれば、軸部41は、第2円柱体41bの周面から内部に一部が窪んで第1円柱体41aの周面が露出する構成としている。軸部41は、第2円柱体41bの中心軸に対して、たとえば、120度の角度で、第1円柱体41aの周面が第2円柱体41bの周面から外部に露出している。アーム4は、軸部41が取付台5側に保持される。取付台5は、灯具本体2の窪み23に収容可能なものであり、灯具本体2に取付台5を収容した状態で取付台5の外表面511が灯具本体2の外表面211と面一な表面を形成している。取付台5は、外表面511側から見て、C字形状をしており、基体部位52aと基体部位52aの両端からそれぞれ突出する一対の保持枠52bを一体に備えている。取付台5は、一対の保持枠52bの間にアーム4の他端402側を挿入可能としている。言い換えれば、取付台5は、一対の保持枠52bで挟むようにC字形状の窪みにアーム4を取付台5に挿入して取付台5に保持している。取付台5は、アーム4を収納可能であって、取付台5にアーム4を収納した状態で取付台5の外表面511がアーム4の外表面411と面一な表面を形成している。
すなわち、本実施形態の照明器具10では、取付台5は、灯具本体2の窪み23に収容した状態で取付台5の外表面511が灯具本体2の外表面211と面一な表面を形成している。また、アーム4は、取付台5にアーム4を収納した状態でアーム4の外表面411が取付台5の外表面511と面一な表面を形成している。これにより、本実施形態の照明器具10は、アーム4を取付部5に収納した状態で、アーム4と灯具本体2との一体感が、より増した外観意匠とすることが可能となる。
本実施形態の照明器具10は、電源装置3の筐体31に貫設する貫通孔(図示していない)に電線(図示していない)を通して、外部の交流電源(たとえば、商用電源)と電源ユニット32とを電気的に接続している。また、照明器具10は、電源コード7を介して、電源ユニット32からLED光源部1に電力を給電可能に構成している(図6を参照)。
アーム4は、アーム4の長手方向と垂直な方向に沿った断面において、C字形状をしている。アーム4は、C字形状における凹所に、電源コード7を収納している。アーム4は、C字形状における凹所の内側面から突出する半円柱状の突出体43を備えている。突出体43は、凹所における空間を部分的に狭めている。照明器具10は、突出体43と突出体43に対向する凹所の内側面との間に電源コード7を保持するため、突出体43をアーム4の凹所に適宜に設けている。アーム4は、アーム4の長手方向の長さに応じて、アーム4の長手方向に沿って複数個の突出体43を適宜に設けることができる。
すなわち、アーム4は、電源装置3からLED光源部1へ給電する電源コード7を収納可能な電源コード収納部42を有している。照明器具10は、電源コード7がアーム4の電源コード収納部42に収納されており、照明器具10の外部にむき出し状態ではないので、外観意匠が損なわれことを抑制することができる。
本実施形態の照明器具10では、取付台5は、アーム4の両側の保持枠52bそれぞれにアーム4の軸部41を保持する軸受部51を備えている。軸受部51は、取付台5の外表面511とは反対の裏面512側において、半円柱状に窪んだ形状をしている。軸受部51は、半円柱状に窪んだ軸受溝51aの内面が軸部41の第2円柱体41bの外周よりも若干大きな形状をしている。軸受部51は、半円柱状に窪んだ軸受溝51aの内面側から突出する突起51bを備えている。軸受部51は、アーム4の軸部41を軸部41回りに回動可能としており、突起51bが軸部41の第2円柱体41bと当接することで、軸部41回りの回転を所定の角度範囲内に抑制する回り止めの機能を果たす。アーム4は、軸部41を軸受溝51aに収納された状態で、第2円柱体41bの一部分が取付台5の裏面512側から突出している(図4および図5を参照)。アーム4は、軸部41を軸受部51に収納した状態で、取付台5の裏面512側から突出する第2円柱体41bを取付台5側に押し圧するばね材6を備えている。ばね材6は、図示していない螺子により取付台5の裏面512側に保持される。ばね材6は、取付台5の裏面512側に保持できるように、外形形状がC字形状の板材で構成している。ばね材6は、基部61と、基部61の両端から延出する一対の延出部62、62を備えている。また、ばね材6は、一対の延出部62、62間の基部61に、板状の基部61の表面に対して垂直方向に突出する突出板63を備えている。突出板63は、アーム4の電源コード収納部42から導出する電源コード7を灯具本体2側に案内する機能を果たすことができる。
各延出部62は、延出部62の延出方向の中央部において、取付台5側から離れる外向きに湾曲した湾曲部位621を備えている。延出部62は、湾曲部位621を介して、基部61と反対側に先端部位622を備えている。ばね材6は、先端部位622において、取付台5の裏面512側にばね材6を固定するための第1螺子(図示していない)を挿通する挿通孔62aを設けている。また、ばね材6は、基部61の中央部に第2螺子(図示していない)を挿通する挿通孔61aを設けている。ばね材6は、取付台5の外表面511側の孔部50a(図1および図4を参照)から挿通する上記第2螺子を基部61の挿通孔61aを通して、取付台5側にばね材6を保持している。ばね材6は、たとえば、上記第2螺子と図示しないナットとにより、取付台5側にばね材6を保持することができる。ばね材6は、挿通孔61aに雌螺子を螺子切りしておき、雄螺子となる上記第2螺子とばね材6の雌螺子とにより、取付台5側に保持してもよい。ばね材6は、上記第2螺子によりばね材6と取付台5との距離を調整して、軸部41を取付台5側に押し圧する力を調整可能としている。湾曲部位621は、軸部41の第2円柱体41bと当接し、軸部41が回動可能なように第2円柱体41bを取付台5側に押し圧して保持可能としている。したがって、ばね材6は、取付台5の裏面512側に螺子止めされる2本の上記第1螺子と、取付台5の外表面511側から挿通される上記第2螺子とにより、3箇所で取付台5に保持可能としている。なお、本実施形態の照明器具10は、アーム4の軸部41が取付台5側とばね材6とに当接することで、LED光源部1からの熱をアーム4側に熱伝導しアーム4から外部に放熱することもできる。
ところで、照明器具10では、灯具本体2を放熱性に優れた金属材料により構成することで、樹脂材料などにより灯具本体2を構成する場合と比較して重量が重くなる。また、本実施形態の照明器具10は、アーム4の軸部41を取付台5で保持し、取付台5を灯具本体2の窪み23に収容することで、比較的任意に灯具本体2の重心位置の設計を行うことが可能となる。これにより本実施形態の照明器具10は、アーム4の軸部41を灯具本体2の外表面211側に設け、灯具本体2の重量を利用して灯具本体2の回転を容易に行えるようにすることができる。
また、上述した特許文献1の照明器具1010では、ボルトを固定する増し締め方向と、器具本体1015の角度を調整する回転方向とが同じ向きであれば、器具本体1015の固定の際し器具本体1015が回転し、所定の光出射方向からずれる恐れがある。
これに対し、本実施形態の照明器具10は、上記第2螺子により、ばね材6を取付台5側に螺子合いすることで、軸部41の回転方向と垂直方向からばね材6を押し圧している。本実施形態の照明器具10は、1箇所の上記第2螺子を螺子締めすることにより、軸部41とばね材6、軸部41と軸受部51とをそれぞれ圧接する。また、本実施形態の照明器具10は、灯具本体2の回転を抑制する増し締めを1箇所で行うことが可能となる。すなわち、本実施形態の照明器具10は、灯具本体2の固定に際し上記第2螺子を螺子締めしても灯具本体2が回転することが抑制でき、所定の光出射方向に灯具本体2を固定することが容易となる。
本実施形態の照明器具10は、アーム4の軸部41を、取付台5の軸受部51とばね材6とで挟み、上記第2螺子により、ばね材6を取付台5側に近づく向きに近づけることで、ばね材6の形状を変形させる。照明器具10は、ばね材6の形状を変形させて、軸部41と軸受部51との間および軸部41とばね材6との間で摩擦力を大きくすることにより、軸部41の軸部41回りの回転を抑制することが可能となる。言い換えれば、照明器具10は、ばね材6を取付台5側に螺子合いする上記第2螺子と、ばね材6と、取付台5とにより、ばね材6の力を調整するばね力調整部を構成している。
電源装置3は、直方体状の筐体31を備えている。筐体31は、筐体31の材料として、たとえば、アルミニウムやステンレスなどを用いることができる。筐体31は、アーム4の一端401側を筐体31の固定面30aに固定してもよい。筐体31は、筐体31の固定面30aに対し、固定面30aと平行な面に沿ってアーム4を回動可能に構成してもよい。すなわち、電源装置3は、電源装置3に対して、アーム4を回転自在に固定していてもよい。筐体31は、筐体31の側周面30bに沿って固定面30aと平行な複数個のフィン31aを備えている。本実施形態の照明器具10は、複数個のフィン31aを筐体31が備えていることにより、電源ユニット32で生じた熱を外部に放熱しやすくすることができる。また、本実施形態の照明器具10は、アーム4を介して、灯具本体2側からの熱が筐体31側に伝熱しても、複数個のフィン31aを筐体31が備えていることにより、筐体31から外部に放熱しやすくすることもできる。
本実施形態の照明器具10は、光出射方向を電源装置3の固定面30aと垂直な方向に沿った方向とする灯具本体2の図3(a)で示す位置から、固定面30aと傾斜した光出射方向とする灯具本体2の図3(b)に示す位置との間で適宜に固定することができる。これにより本実施形態の照明器具10は、比較的に容易に光出射方向を変更することが可能となる。
以下、本実施形態の照明器具10の各構成について、詳細に説明する。
LED光源部1は、照明器具10の光源となるものであって、少なくとも1つのLED11を備えている。LED11は、給電により光を照射することが可能な半導体発光素子である。LED11は、たとえば、青色光や紫外線を発するLEDチップと、LEDチップから放射された光エネルギーにより励起されて、より長波長の光を放射する粒子状の蛍光体を備えた構成とすることができる。蛍光体は、たとえば、青色光により励起され発光波長域がブロードな黄色系の光を放射する蛍光体や紫外線により励起され青色、緑色および赤色をそれぞれ発光可能な3種類の蛍光体などが挙げられる。LED11は、青色光を発するLEDチップと、青色光により励起され発光波長域がブロードな黄色系の光を発光する蛍光体とを備えることで、白色光などの混色光を照射させることができる。LED11は、蛍光体が透光性樹脂に含有されたドーム状の色変換部材でLEDチップを被覆する構成とすることができる。
LED11は、たとえば、発光層に青色光を放射するInGaNなどの窒化ガリウム系化合物半導体を用いたLEDチップを用いることができる。LED11は、たとえば、青色光を吸収して補色となる黄色光などを放射する蛍光体として、たとえば、Euで付活された(Sr,Ba)2SiO4などの希土類でドープされた珪酸塩系の蛍光体を用いることができる。LED11は、蛍光体として、ドープされた珪酸塩系の蛍光体だけでなく、Ceで付活されたY3Al5O12やCeで付活されたTb3Al5O12などの希土類でドープされたアルミネート系の蛍光体を用いることができる。
LED11は、上記色変換部材を用いる代わりに蛍光体を含有しない透光性部材を備えた構成としてもよい。LED11は、赤色光を発光する赤色LEDチップ、緑色光を発光する緑色LEDチップおよび青色光を発光する青色LEDチップを備える構成により、白色光を発光させることもできる。LED11は、リフロー半田付けなどにより、配線基板12の一表面12aに設けられた配線に表面実装するとともに電気的に接続させることができる。
LED11は、ベアチップとなるLEDチップでもよいし、LEDチップを合成樹脂などのパッケージで被覆させ外部に給電のためのリード端子が設けられた表面実装型発光ダイオードなどを用いてもよい。LED11は、所望に応じて配線基板12の一表面12a上に複数個設けることができ、各LED11を配線基板12の一表面12a側の上記配線を用いて電気的に直列接続、並列接続や直並列接続させてもよい。配線基板12の一表面12a側のLED11は、平面視において、マトリックス状、千鳥状や円形状など適宜に配置させることができる。また、LED光源部1は、図示していないが各LED11それぞれに並列接続する複数個のツェナダイオードを配線基板12に備えてもよい。LED光源部1は、各ツェナダイオードを各LED11と並列接続することで、LED11に静電破壊などが生ずることを抑制することが可能となる。
本実施形態の照明器具10では、LED光源部1は、複数個(ここでは、18個)のLED11を1つの配線基板12上に搭載してLEDユニットを構成している。LED光源部1は、各LED11を点灯させた状態における個々のLED11の発熱量は比較的少ないものの、LED11の数が増加するに伴って、LED光源部1の発熱量が多くなる。そのため、LED光源部1は、LED光源部1全体の温度が上昇しやすい傾向にある。
照明器具10は、LED光源部1の点灯に伴うLED11の発熱により、LED11自体の温度が高くなる。LED11は、LED11自体の温度が高くなり過ぎると、熱劣化してLED11の寿命が急激に短くなる特性を備えている。
LED光源部1は、LED11が実装された配線基板12の一表面12aとは反対の配線基板12の他表面12b側を、収納部21の内底面側から突出する基台部21bに熱結合する形で実装している。これにより照明器具10は、LED光源部1で生じた熱を効率よく灯具本体2側に熱伝導させることができる。なお、LED光源部1は、たとえば、熱伝導性に優れ電気絶縁性を有する絶縁層を介して、収納部21の基台部21b上に固定してもよい。なお、照明器具10は、複数個のLED11から照射される光の配光を個別に制御するため複数個の反射部(図示していない)を配線基板12の一表面12a側に設けてもよい。
灯具本体2は、LED光源部1を収納可能な収納部21と、LED光源部1で生じた熱を外部に放熱可能な放熱部22とを備えている。灯具本体2は、LED光源部1を収納した収納部21と、円筒形状の放熱部22とを一体として固定している。灯具本体2は、アーム4を取り付けた取付台5を収容可能な窪み23を備えている。灯具本体2は、取付台5を介して、アーム4とつなげている。
灯具本体2は、灯具本体2の材料として、金属材料(たとえば、アルミニウム、ステンレス、銅や鉄など)や各種の樹脂材料で構成することができる。灯具本体2は、灯具本体2の材料として、熱伝導率の高い金属材料により構成することが好ましい。灯具本体2は、灯具本体2を金属材料で構成することにより、樹脂材料で形成させたものと比較して、LED光源部1で生じた熱を外部に効率よく放熱することができる。灯具本体2は、外形形状を円柱状に形成しているが、円柱状に限られず、直方体状などであってもよい。
灯具本体2は、アーム4の他端402側に設けた軸部41を支持する取付台5に保持されており、灯具本体2がアーム4に対して、規制された所定の角度(たとえば、120度)の範囲内で回転可能としている。照明器具10は、灯具本体2の外表面211と連続する面一な表面を有する取付部5の外表面511側の孔部50aから挿通する上記第2螺子を、取付部5の灯具本体2となる裏面512側で板ばねを構成するばね材6と螺子合いする。照明器具10は、アーム4の軸部41と取付部5の軸受部51との接触面、アーム4の軸部41とばね材6の湾曲部位621との接触面に摩擦が生じてアーム4の回転を抑制するように構成している。灯具本体2は、アーム4から導出されたLED光源部1への給電用の電源コード7を挿通する挿通孔(図示していない)を放熱部22に備えている。灯具本体2は、アーム4から導出されたLED光源部1への給電用の電源コード7を挿通する挿通孔(図示していない)を収納部21にも備えている。
電源装置3は、LED光源部1へ給電可能なものである。電源装置3は、内部にLED光源部1を点灯駆動させる電源ユニット32を備えている。電源ユニット32は、外部の商用電源などから供給される電力に基づいてLED光源部1を点灯可能な点灯回路を備えている。点灯回路は、外部の商用電源(図示していない)から供給される交流電力を整流した後に、平滑化して直流電流を出力する整流平滑部(図示していない)と、整流平滑部からの直流電流をLED11に一定の電流として供給するための定電流電源部(図示していない)とを備えた構成とすることができる。
電源装置3は、電源ユニット32から導出された電源コード7がアーム4の電源コード収納部42、灯具本体2の放熱部22および収納部21それぞれの挿通孔を通してLED光源部1の配線基板12の配線と電気的に接続している。電源装置3は、不図示の造営材たる天井材に固定するものだけでなく、壁面からアーム4が突出するように壁内に電源装置3を埋め込んでもよい。
アーム4は、灯具本体2と電源装置3とをつなぐことが可能なものである。アーム4は、アーム4の材料として、たとえば、金属材料や樹脂材料により構成することができる。アーム4は、アルミニウム、ステンレス、銅や鉄などの熱伝導率の高い金属材料により構成することが、放熱性や機械的強度の観点からより好ましい。アーム4は、たとえば、金属製であって長尺状に形成し、電源装置3に固定することができる。本実施形態の照明器具10では、灯具本体2の収納部21、放熱部22、取付台5およびアーム4を介してLED光源部1からの熱が熱伝導し外部に放熱させることが可能としている。これにより、照明器具10は、LED光源部1のLED11の温度を所定の許容温度以下に維持することでLED11の寿命を確保している。アーム4は、アーム4の他端402側を、灯具本体2に対して軸部41回りで回動可能となるように灯具本体2側で結合している。照明器具10は、光出射方向を変更することができ、目的とする照明対象の位置に応じて灯具本体2の向きを適宜に調節することができる。アーム4は、アーム4の他端402側において、アーム4の両側面403それぞれから突出する軸部41を備えている。アーム4は、アーム4の長手方向と垂直な方向に沿った断面においてアーム4のC字形状とし、アーム4のC字形状の凹所に電源コード7を収納している。アーム4は、C字形状の凹所が電源コード収納部42を構成しており、電源コード7の通線経路を形成している。言い換えれば、アーム4は、電源装置3からLED光源部1へ給電する電源コード7を収納可能な電源コード収納部42を有している。
アーム4は、取付台5に対して回転可能な一対の軸部41を突設しており、軸部41が取付台5に設けた軸受部51とばね材6とで挟み込んで保持され、ばね材6が軸部41を押し圧する力を調整する。言い換えれば、アーム4は、取付台5に対して回動可能な軸部41を備えており、軸部41を取付台5に設けた軸受部51とばね材6とで挟み込んで保持しており、ばね材6の力を調整するばね力調整部を構成している。
取付台5は、アーム4を灯具本体2に回動可能に取り付け可能なものである。取付台5は、取付台5の軸受部51が、軸部41の外径に略等しい内径を有していればよく、必ずしも、軸受溝51aとばね材6とで軸部41を圧接する構成のものだけに限られない。本実施形態の照明器具10は、上記第2螺子により、取付台5の軸受部51とばね材6とで軸部41を挟み込んで保持している。取付部5は、アーム4がアーム4の軸部41の軸部41回りに回転することを所定の角度範囲内に規制する突起51bを備えている。照明器具10は、ばね材6が取付台5に螺子合いされることにより、ばね材6が塑性変形して大きな摩擦力を生み出す。したがって、照明器具10は、上記第2螺子により、より大きな摩擦力を創生して回転の抑制力の向上と回転位置の保持とを行うことが可能となる。
照明器具10は、上記第2螺子の螺子合いに伴い、軸部41と軸受部51との間に生ずる摩擦力に加えて、軸部41とばね材6との間に摩擦力が生ずる。これにより、照明器具10は、大きな摩擦力が創生されるために、灯具本体2の重量が重く、灯具本体2の重心位置が軸部41の回転中心から離れたとしても、灯具本体2の回転位置を比較的容易に固定することができる。
本実施形態の照明装置10は、上記第2螺子を螺子合いすることにより、ばね材6を塑性変形させて、ばね材6の基部61の両端から延出する一対の延出部62の湾曲部位621それぞれがアーム4から突出する一対の軸部41、41それぞれを圧接する。したがって、照明器具10は、比較的簡単な構成で軸部41の軸部41回りの回転を抑制し、回転位置の保持を行うことが可能となる。
取付台5は、灯具本体2の窪み23に収容できるように、窪み23よりも若干小さい外形形状に形成している。取付台5は、アーム4の軸部41が軸受けされる軸受溝51aが形成された軸受部51を備えている。取付台5は、取付台5の裏面512側にばね材6の先端部位622を固定するため、雌螺子部を好適に備えている。取付台5は、灯具本体2の放熱部22における側面側の設けた窪み23に取付台5を嵌め込んで固定することにより、灯具本体2と取付台5とを結合している。
ばね材6は、アーム4の軸部41と取付台5とを圧接可能なものである。ばね材6は、ばね材6の材料として、ステンレスなどの金属材料を好適に用いることができる。ばね材6は、上記第1螺子により取付台5の雌螺子部に螺子合い可能に構成するため、ばね材6の先端部位622に挿通孔62aを好適に設けている。ばね材6は、上記第2螺子の螺子合いにより、ばね材6の取付台5側への塑性変形で、軸部41への押し圧する力を調整することが可能となる。