JP5987137B2 - トリミング装置 - Google Patents
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Description
そして、自動車天井パネルは、基本的にはほぼ長方形状(若干湾曲している)をしているが、照明装置(ライト)が取り付けられる部分やサンルーフが形成される場所には孔が形成されているとともに、その四隅は角が落とされている。
そのトリミング装置は、下型及び上型を有している。例えば、下型は、位置固定的な固定型である。上型は、下型から離隔した離隔位置(上昇位置)と、下型に最接近した最接近位置(最下降位置)との間を移動(昇降)可能な可動型である。
そして、下型の上面(型面)にパネルが配設された状態で上型が下降し、上型に設けられた刃によってパネルが切断される。
一方で、効率良くトリミングする(ひいては自動車天井パネルを効率良く製造する)ためには、上型(可動型)が高速で昇降する必要がある。
油圧による装置では、容易に所定の推進力を得ることができる。しかしながら、上型(可動型)を高速で昇降させることは困難である。
一方、モータによる装置では、それとは逆に、上型(可動型)を高速で昇降させることは容易であるが、所定の推進力を得ることは困難である。
第1型と第2型とが離隔した状態、すなわち、第1型が第1型待避位置に位置し、第2型が第2型待避位置に位置する状態で、両型間にパネルが配設される。
その状態で、第1型が第1型接近位置まで移動され、その第1型接近位置に位置する第1型は、第1型固定装置によって、第1型待避位置の側に移動することが阻止される。すなわち、ガイドロッドに形成された被係止部に対して、第1型に設けられた係止装置が係脱可能に係止することによって、第1型接近位置に位置する第1型が、第1型接近位置から第1型待避位置の側に移動することが阻止される。
その状態で、第2型が第2型接近位置まで移動する。
こうして、第1型及び第2型によって、パネルがトリミングされる。
一方、第2型は、油圧シリンダによって駆動されるものであるため、第2型待避位置から第2型接近位置まで大きな推進力で移動することができる。それとともに、第1型は、第1型固定機構によって、第1型接近位置において第1型待避位置の側に移動することが阻止されている。このため、第2型の大きな推進力に基づいて、パネルを挟んで第1型と第2型との間に大きな押圧力が生じ、それによってパネルが確実にトリミングされる。
なお、第2型は油圧シリンダで駆動されるものであるため、第2型待避位置から第2型接近位置までは高速では移動できない(モータで駆動される場合と比較して低速である)。
しかしながら、両型が移動する距離の合計のうち、第2型の移動距離はその一部であり、前述したように第1型はモータの駆動によって高速で移動するものであるため、全体として高速で(油圧シリンダのみで駆動される場合と比較して高速で)トリミングを行うことができる。
このようにして、このトリミング装置では、能率的にかつ確実にパネルをトリミングすることができるのである。
すなわち、この発明のトリミング装置は、第1型が上型であり第2型が下型であって、パネルが下型の上面である型面に載置されることによって両型間に配設されるものであるため、重力に基づいてパネルを容易に配設することが可能である。
図1及び図3A等に示すように、このトリミング装置は、ベース10,上型20(第1型),下型40(第2型)を有している。
ベース10は位置固定的に設置されている。
上型20は、上型プラテン21に支持されている。下型40は、下型プラテン41に支持されている。
上型プラテン21(上型20)は、電動モータ30(モータ)によって昇降可能である。下型プラテン41(下型40)は油圧シリンダ50によって昇降可能である。
このトリミング装置には制御装置(図示省略)が伴っており、上型20及び下型40の昇降等は、その制御装置によって制御される。
ねじ軸32は、上型プラテン21に設けられたナット22に螺合されている。
こうして、電動モータ30の駆動によってねじ軸32が自身の軸回り方向に回転することに伴って、上型20(上型プラテン21)が、上昇位置(図1,図3A)と下降位置(図3B−1,図3C−1,図3D−1,図3E)との間を上下動(昇降)する。
上型20(第1型)の上昇位置が本発明の第1型待避位置に該当し、同じく下降位置が本発明の第1型接近位置に該当する。
そして、下型40(その上面の型面45)に、トリミングされる前の自動車天井パネル(単に「パネル」ともいうこととする)Pが配設された状態で下型40と上型20とが接近することによって、パネルPがトリミングされ、自動車天井パネルが形成される。
こうして、油圧機構(図示省略)の作用による油圧シリンダ50の駆動によって、下型40(下型プラテン41)が、下降位置(図1,図3A,図3B−1,図3C−1,図3D−1)と上昇位置(図3E)との間を上下動(昇降)する。なお、下型40は、ガイド(図示省略)によって鉛直に上下動するようにされている。
下型40の昇降距離は、上型20の昇降距離に比べて、非常に短い。
下型40(第2型)の下降位置が本発明の第2型待避位置に該当し、同じく上昇位置が本発明の第2型接近位置に該当する。
各ガイドロッド60は、丸軸状をしている。すなわち、その長さ方向におけるほぼすべての位置において、同一の大きさの円形断面を有している。
各ガイドロッド60は、上型20に形成された貫通孔28を相対的に自身の軸線方向に摺動可能に貫通している。
こうして、上型20が鉛直に上下動するようにされている。
図2A及び図2B等に示すように、各固着装置70は、上型プラテン21に固定されたベース71上に、一対の割ナット(挟持部材)(第1割ナット75a,第2割ナット75b)を有している。各割ナット75a,75bは、ガイドロッド60を挟んでベース71上を摺動可能に設けられている。各割ナット75a,75bには、ガイドロッド60の被固着部65に対応して切欠部(符号省略)が形成されている。
一対の割ナット75a,75bの厚み(ガイドロッド60の長さ方向の長さ)は、被固着部65の幅(ガイドロッド60の長さ方向の長さ)よりも若干小さなものとされている。
両割ナット75a,75bは、一対の連結ロッド76によって連結されている。両連結ロッド76は第1割ナット75aを摺動可能に貫通しており、その基端部はエアシリンダ73のプレート72に固定され、その先端部は第2割ナット75bに固定されている。
エアシリンダ73のピストンロッド74は、第1割ナット75aに固定されている。
一方、図2Bに示すように、エアシリンダ73のピストンロッド74が突出状態になることによって、両割ナット75a,75bは近接状態となる。
このようにして、固着装置70は、非固着状態(図2A)と固着状態(図2B)との間を変位するのである。
そのような位置関係にされている。
固着装置70(係止装置)と被固着部65の上縁部66a(被係止部)とによって、本発明の第1型固定機構に該当する。
まず、図1及び図3Aに示すように、両型20,40は全開状態とされる。すなわち、下型40が下降位置に位置するとともに、上型20が上昇位置に位置する。その状態で、下型40(その型面45)に対してパネルPが供給(配設)される。パネルPは、重力に基づいて容易に下型40に対して配設される。
上型20が下降位置に到達した時点で、上型20の下降は停止する。下降位置とは、固着装置70の一対の割ナット75a,75bがガイドロッド60の被固着部65に対応する位置である。これは、電動モータ30の回転数に基づく位置制御によって行われる。
その下降位置において、上型20(その刃25)とパネルPとは近接している。
正確にいうと、下降位置には所定の幅があり、上型20は、両割ナット75a,75bの高さが被固着部65の幅(ガイドロッド60の長さ方向の長さ)のうちの中間位置(ほぼ中央高さ位置)に位置する状態で停止する(図3C−2も参照)。
これについては、制御装置の制御の下、電動モータ30の回転に所定の負荷がかかったことを検知することによって、各割ナット75a,75bが被固着部65の上縁部66aに当接したことを認識する。
そのように認識したのを受けて、電動モータ30の回転が停止される。
このようにして、各割ナット75a,75bが被固着部65の上縁部66aに当接し、上型20は、上方に向けて押圧力を受けても上昇することが阻止され、下降位置に留まる。
こうして、下型40と上型20とはさらに接近し、相対的に、下型40(その型面45)を受けとして、上型20の刃25がパネルPを押圧し、パネルPを切断する。
すなわち、下型40が下降位置から上昇して上昇位置に到る前の位置(下降位置と上昇位置との間の位置)に位置する状態で、パネルPに対して上型20の刃25が当接する(その状態の下型40の位置をパネル当接位置ということとする)。
そして、下型40がパネル当接位置からさらに上昇して上昇位置に到るまでの間、パネルPを挟んで上型20と下型40との間には押圧力が生じる。
その押圧力に基づいて、刃25によってパネルPが切断される。
こうして、パネルPは、所定の形状にトリミングされる。
上型20については、図3E・図3D→図3Cに示すように、まずは若干下降して両割ナット75a,75bの高さが被固着部65の幅のうちのほぼ中央高さ位置に戻り、図3C→図3Bに示すように、固着装置70が非固着状態となり、その後に、図3B→図3Aに示すように、上昇して上昇位置に戻る。
こうして、1つのパネルPに対してトリミングが完了する。
こうして、順次、自動車天井パネルが形成されていく。
図3A→図3B〜図3Dに示すように、上型20が上昇位置から下降位置に下降する際には、上型20の刃25はパネルPから離隔している。このため、上型20にはパネルPを切断しようとする際の負荷がかからない。このため、上型20は、電動モータ30の駆動によって、高速で下降することが可能である。
しかしながら、下型40は油圧シリンダ50によって駆動されるため、その負荷に対抗できるだけの大きな推進力で上昇し得る。
また、上型20は、前述したように、下降位置に留まる。
第1型及び第2型は水平方向に移動するものであってもよい。
30 電動モータ(モータ)
40 下型(第2型)
50 油圧シリンダ
60 ガイドロッド
65 被固着部
65a 上縁部(被係止部)
70 固着装置(係止装置)
Claims (2)
- 第1型と第2型とが離隔した状態で当該両型間にパネルが配設され、当該両型が接近することによって当該パネルをトリミングするトリミング装置であって、
前記第1型は、モータによって前記第2型から離隔した第1型待避位置と前記第2型に接近した第1型接近位置との間を駆動されるものであり、
前記第2型は、油圧シリンダによって前記第1型から離隔した第2型待避位置と前記第1型に接近した第2型接近位置との間を駆動されるものであって、
前記第1型の移動方向に延び、当該第1型の前記第1型待避位置と前記第1型接近位置との間の移動をガイドするガイドロッドと、
前記第1型接近位置に位置する状態の前記第1型を当該第1型接近位置から前記第1型待避位置の側に移動することを阻止する第1型固定機構とを有し、
前記第2型が前記第2型待避位置に位置する状態で、前記第1型が前記第1型待避位置から前記第1型接近位置まで移動するまでの間において、前記パネルを挟んで前記第1型と前記第2型との間には押圧力が生じず、
前記第1型が前記第1型接近位置に位置する状態で、前記第2型が前記第2型待避位置から前記第2型接近位置に移動するまでの間の少なくとも一部において、前記パネルを挟んで前記第1型と前記第2型との間に押圧力が生じ、それによって当該パネルがトリミングされる位置関係にあり、
前記第1型固定機構が、
前記ガイドロッドに形成された被係止部と、
前記第1型に設けられ、当該第1型が前記第1型接近位置に位置する状態で前記被係止部に対して係脱可能に係止する係止装置と
を有するものである、
トリミング装置。 - 請求項1に記載のトリミング装置であって、
第1型は上型であり、第2型は下型であって、
前記パネルは、前記下型の上面である型面に載置されることによって前記上型と当該下型との間に配設されるものである、
トリミング装置。
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