JP5985838B2 - 気体溶解方法及び気体溶解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、界面活性剤を含む水溶液に対してオゾン、酸素等の気体を、従来提唱されてきた気液の平衡濃度を越えて溶解させる方法、及び装置に関する。
オゾン、酸素等の難溶解性の溶質を含む溶液が、気相と液相のガス分圧と平衡にあるときには、気相内のオゾン、酸素等の溶質の分圧(P)は、溶液中の濃度(X)に比例することが知られており、次式1の関係が成立する(ヘンリーの法則)。
Figure 0005985838
ここで、Hはヘンリー定数(atm/mol fraction)である。
上記の数式1を変形すると、次式2のようになり、ヘンリー定数が小さいほど、溶液中のオゾン、酸素等の溶質の濃度が高くなる。
Figure 0005985838
オゾンのヘンリー定数については、多くの研究者が実験からヘンリー定数を求め報告している。その中でも、以下の非特許文献1で報告されたRoth & Sullivanの次式が最も近似する。
Figure 0005985838
従来、上記の数式3を基に気液平衡濃度は算出されてきたが、この気液平衡濃度を越えて、気相の溶質を液体に溶解される技術は未だ提案されていない。例えば、気相の溶質を所定の水溶液に溶解させるには、従来、充填塔、曝気槽、エゼクタ等が用いられてきた。これらの方法は、液相/気相の体積比(L/G)が非常に大きく、すなわち気相と液相の接触面積が小さいことから、気体を液体に溶解させる効率が悪かった。特に気体がオゾンガスである場合は、水に触れると容易に分解してしまうため、オゾン水を製造するにあたってオゾンガスを高濃度に溶解させる方法の開発が望まれていた。
ところで、気体を所定の水溶液に溶解させる技術は多くの分野で実用化されており、例えば、特許文献1のように、オゾンガスを石鹸水に溶解させて手洗い、洗濯の際の洗浄溶液として使用することが提案されている。
特許文献1の生成装置から供給される洗浄溶液は常に泡として供給されるので、洗浄液の体積が大きく、用途が限定されるという問題があった。また、気泡は自然には流動しないため、菌体周辺や汚染物質周辺での気泡の入れ替えが生じにくく、洗浄能力や殺菌能力に劣るという問題があった。
実用新案登録第3136370号
Solubility of Ozone in Water, Industrial & Engineering Chemistry
Fundamentals, 1981, 20, 137-140頁
所定の気体を、界面活性剤を含む水溶液に対して、従来提唱されてきた平衡濃度を越えて溶解させる気体溶解方法、及び気体溶解装置を提供することを目的とする。
界面活性剤を含む水溶液に対して気体を混合して気泡を発生させ、気泡を構成する液膜に気泡内の気体を溶解させ、該気泡を消泡させることで気泡を構成する液体を分離し、界面活性剤を含む水溶液に前記気体を溶解させることを特徴とする気体溶解方法により、上記の課題を解決する。
界面活性剤を含む水溶液を供給する水溶液供給部と、気体を供給する気体供給部と、前記水溶液供給部及び気体供給部を接続して水溶液供給部から供給される界面活性剤を含む水溶液と気体供給部から供給される気体とを混合して発泡させる気泡発生器と、からなる気体溶解装置であって、気泡発生器は、多孔質板からなる気泡発生部と、該気泡発生部で発生させた気泡を通して気泡径を調整する気泡径調整部とを備えることを特徴とする気体溶解装置により、上記の課題を解決する。
前記気泡発生器としては、水溶液供給部から供給される界面活性剤を含む水溶液の流入路となる水溶液供給管と、気体供給部から供給される気体の流入路となる気体供給管と、水溶液供給管及び気体供給管の下流に配される多孔質板からなる気泡発生部と、該気泡発生部の下流に配される気泡径調整部と、該気泡径調整部の下流に配される吐出管とを備え、水溶液供給管から供給される界面活性剤を含む水溶液と、気体供給管から供給される気体とは、多孔質板上で混合されて発泡するように構成したものを好適に使用することができる。
気泡発生器で発生させた気泡が消滅するのに時間を要する場合がある。その場合は、気体溶解装置は消泡器を備える構成とすることが好ましい。消泡器としては、気泡発生器の吐出管から供給される気泡を受け入れる受入容器と、受入容器の上に配置される吸引ファンと、吸引ファンを回転させる駆動と、前記受入容器及び吸引ファンを収容する貯留槽とを備え、気泡は吸引ファンによって吸い上げられて、吸引ファンの回転による遠心力によって半径方向に飛ばされて貯留槽の壁面に衝突させて消泡させるように構成したものを好適に使用することができる。
本発明の方法及び装置によれば、界面活性剤を含む水溶液と、気体の接触面積を増大させて、すなわち、液相/気相の体積比(L/G)を減少させて、気体を界面活性剤を含む水溶液に対して高濃度に溶解させることが可能になる。しかも、本発明の方法及び装置によれば、気体を溶解させた界面活性剤を含む水溶液を泡ではなく、液体で提供することができる。
本発明の気体溶解装置を示したブロック図である。 本発明の気体溶解装置の別の実施例を示すブロック図である。 気泡発生器の断面図である。 消泡器の断面図である。 実施例1及び2、比較例1及び2の殺菌能力を示したグラフである。
本発明は、界面活性剤を含む水溶液(以下、界面活性剤水溶液と呼ぶ)に対して気体を混合して気泡を発生させ、気泡を構成する液膜に気泡内の気体を溶解させ、該気泡を消泡させることで気泡を構成する液体を分離することを特徴とする。すなわち、本発明の方法は、気体を気泡の中に包み込み、気体と水溶液の接触面積を増大させて、気体を、気泡を構成する液膜に溶解させるものである。気泡内の気体を、気泡を構成する液膜に溶解させた後に、気泡を回収してこれを消泡すれば、目的の気体が高濃度に溶解した界面活性剤水溶液を得ることができる。換言すると、気泡の形成は気体を界面活性剤水溶液に溶解させる手段に過ぎず、気体を溶解させた後は、気泡は消滅させて構わない。気体の溶解は泡の液膜と、気泡内の気体の界面で行われる。
本発明は、界面活性剤水溶液からなる気泡ではなくて、液状の界面活性剤水溶液を調整する方法である。したがって、本発明では、気泡の状態で気体を界面活性剤水溶液に溶解させた後は、必ず消泡させる。消泡させる方法は、界面活性剤の種類やその濃度を最適化することによって、気泡が自然消滅しやすいように調整したり、後述する気泡発生器の気泡径調整部の流路の内径を調節することにより気泡の径が大きくなるようにすればよい。また、後述するような消泡器を用いて強制的に気泡を消滅させるようにしてもよい。
気体を界面活性剤水溶液に効率的に溶解させるには、いったん気泡を形成し、気泡を破壊することが必要である。したがって、界面活性剤水溶液の濃度は、多孔質板等を通過した際に気泡が発生する程度の濃度にする必要がある。具体的な濃度は、界面活性剤の種類と、溶解させる気体の種類に応じて調整する。本発明で使用する界面活性剤の種類は特に限定されず、溶解させるガスと反応して界面活性剤の性質が損なわれるようなもの以外であれば使用可能である。例えば、非イオン性界面活性剤を好適に使用することができる。界面活性剤水溶液に溶解させる気体の種類も特に限定されず、例えばオゾンガス、酸素ガス等を好適に使用することができる。
気泡の大きさは、小さければ小さいほど、気体と界面活性剤水溶液の接触面積が増大し、気体が溶解しやすくなる。しかし、過度に気泡を小さくすると消泡する際に時間を要するので直径0.1〜2.0mmとすることが好ましく、より好ましくは直径0.2〜1.6mmである。
上述の気体溶解方法を実施するには、例えば図1のブロック図に示した気体溶解装置を用いればよい。図1のブロック図に示したように、本装置は、界面活性剤水溶液を供給する水溶液供給部1と、気体を供給する気体供給部2と、前記水溶液供給部1及び気体供給部2を接続してそれらから供給される界面活性剤水溶液と気体とを混合して発泡させる気泡発生器3とからなる。
水溶液供給部1は、気泡発生器3に界面活性剤水溶液を供給する部分である。水溶液供給部1の構成は特に限定されないが、例えば、図1のように、界面活性剤水溶液を貯留するタンク11と、タンク11に貯留された界面活性剤水溶液を引き込んで気泡発生器3に圧送するポンプ12から構成する。
気体供給部2は、気泡発生器3に気体を供給する部分である。気体供給部2の構成は特に限定されないが、例えば、後述するようにオゾンガスを界面活性剤水溶液に溶解させる場合は、図1に示したように、コンプレッサー21と、オゾン発生器22とから構成する。この場合、使用するオゾン発生器22は特に限定されず、例えば、再表2008−108331号公報に記載されたオゾン発生装置を用いればよい。
気泡発生器3は、気体供給部2から供給される気体と、水溶液供給部1から供給される界面活性剤水溶液を混合して発泡させる機器である。図3に気泡発生器3の断面図を示す。図3の気泡発生器3は、水溶液供給部1から供給される界面活性剤水溶液の流入路となる水溶液供給管31と、気体供給部2から供給される気体の流入路となる気体供給管32と、水溶液供給管31及び気体供給管32の下流に配される気泡発生部33と、該気泡発生部33の下流に配され気泡発生部33で発生させた気泡の径を調節する気泡径調整部34と、気泡径調整部35の下流に配される吐出管35とを備える。
本発明の気泡発生器3は、多孔質板からなる気泡発生部33と、気泡発生部33で発生させた気泡の径を調節する気泡径調整部34を備えることを特徴とする。すなわち、水溶液供給管31から供給される界面活性剤水溶液と、気体供給管32から供給される気体は気泡発生部33上で混合され、気体を包含する気泡を発生させるのであるが、そのままでは、気泡が大きすぎたり、気泡が小さすぎて容易に消滅し難かったりする。そこで、本発明では、生じた気泡を気泡径調整部34の流路341に通すのである。このとき流路341の内径Aを水溶液供給管31の内径Bより大きく構成すると(すなわち、流路を拡径管とすると)、水溶液供給管内の圧力を逃がし、気泡が大きくなって速やかに消滅し殺菌能力の高いオゾン水を速やかに生成することが可能になる。一方、流路341の内径Aを水溶液供給管31の内径Bよりも小さく構成すると(すなわち、流路を縮径管とすると)、水溶液供給管内の圧力を高めて、気泡の径を小さくし、液相/気相の体積比(L/G)を減少させて、気体の溶解効率を高めることができる。流路341の内径は、界面活性剤水溶の濃度、吐出される気泡の性質等により、調節すればよい。
気泡径調整部34は、水溶液供給管31の内径に対して拡径又は縮径した内径の流路341を備えるものであれば、その外形状や材質は特に限定されない。図3の気泡調整部34は、ポリ塩化ビニル製の成形体であって、外形状は円柱形状であり、円心に沿うように貫通孔を穿孔して気泡の流路341としている。気泡径調整部34は、着脱可能に構成されており、気泡径調整部34を取り換えることによって流路341の内径を変更することができる。流体を流しながら内径の大きさを調節できる可変弁を使用してもよい。図3の気泡径調整部34は、2枚のメッシュ36で挟み込んである。
水溶液供給管31から供給される界面活性剤水溶液と、気体供給管32から供給される気体とは、多孔質板33上で混合されて発泡するように構成することが好ましい。このように構成すれば、界面活性剤水溶液と気体をむらなく混合し、生成される気泡に均一な濃度で気体を包含させることが可能になる。多孔質板の素材は特に限定されず、例えば発泡樹脂(スポンジ)を用いることができる。
気泡が消滅し難い場合は、図1の気体溶解装置に加えて、消泡器4を備える構成としてもよい(図2、図4)。消泡器4は、気泡発生器3で発生した気泡を強制的に消泡させる機器であり、気泡発生器3の吐出管35に接続して使用する。消泡器4は、気泡発生器3の吐出管35から供給される気泡(F)を受け入れる受入容器41と、受入容器41の上に配置される吸引ファン42と、吸引ファン42を回転させる駆動43(電動モーター)とを備える。気泡は吸引ファン42によって吸い上げられ、吸引ファン42の回転による遠心力で半径方向に飛ばされ、貯留槽44の壁面45に衝突して消泡する。壁面45に衝突した液体は壁面45をつたって貯留槽44に溜まり、オゾン水(W)となる。このような装置を用いれば、たとえ気泡発生器3から吐出される気泡に液体が混入していても、気泡だけを吸い上げて消泡し、貯留槽44に消泡した界面活性剤水溶液を分離することができる。この場合、気泡にならなかった液体は受入容器41上に残るので、気泡の液膜を介して気体の溶解が行われなかった液体がオゾン水(W)に混入することがない。
次に、実施例と比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
上述の図2の気体溶解装置を用いて、以下のようにしてオゾン水を生成した。流速30ml/minで内径4mmの水溶液供給管からpH7、温度15℃、1.2重量%となるように調整したポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液を、気泡発生器の多孔質板に供給するとともに、オーニット株式会社製のオゾナイザー(SRG100)で発生させた1600ppmのオゾンガスを内径4mmの気体供給管を経て流速300ml/minで気泡発生器の多孔質板に供給した。多孔質板は発泡倍率100倍、厚み8mmの発泡メラミン樹脂から構成した。液相/気相の体積比(L/G)は0.1である。気泡径調整部の流路の内径は1mmとした。
気泡発生器の吐出管から吐出される気泡を、消泡器の受入容器に供給し、吸引ファンを3600rpmで回転させて貯留槽の壁面に衝突させて消泡し、オゾン水を得た。受入容器に供給された気泡の一部を回収し、気泡の直径を測定したところ0.3mmであった。
[実施例2]
上述の図1の気体溶解装置を用いて、以下のようにしてオゾン水を生成した。流速30ml/minで内径4mmの水溶液供給管からpH7、温度15℃、1.2重量%となるように調整したポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液を、気泡発生器の多孔質板に供給するとともに、オーニット株式会社製のオゾナイザー(SRG100)で発生させた1600ppmのオゾンガスを内径4mmの気体供給管を経て流速300ml/minで気泡発生器の多孔質板に供給した。多孔質板は倍率100倍、厚み8mmの発泡メラミン樹脂から構成した。液相/気相の体積比(L/G)は0.1である。気泡径調整部の流路の内径は、8mmとした。図1の気泡発生器の吐出管から吐出された気泡は、消泡器に供給せずに、気泡だけを別の容器に移して1分間静置し、自然に気泡が消えるのを待った。吐出管から吐出された気泡の直径を測定したところ0.6mmであった。
[比較例1]
実用新案登録第3136370号公報の図6の装置を用いて、オゾン泡を生成した。界面活性剤水溶液として、pH7、温度15℃、1.2重量%となるように調整したポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液を使用し、オゾン発生器から流速300ml/minで1600ppmのオゾンガスを多孔質板の下に供給した。多孔質板は、発泡倍率100倍、厚み8mmの発泡メラミン樹脂から構成した。石鹸泡放出管から放出されるオゾン泡を容器に受けて、オゾン泡を得た。
実施例1及び2のオゾン水のオゾンの溶解濃度(mg/l)を、以下に示すKI法によって測定した。測定結果を表1に示す。測定は3回繰り返し、オゾン濃度を平均化した。
[KI法]
1.過剰量のヨウ化カリウム(KI)と所定量のオゾン水(表1の検水量)をフラスコに入れる。
2.1の混合水溶液に10重量%クエン酸水溶液を約5ml加える。
3.100mlの純粋にデンプン(バレイショ)1gを入れて加熱して作製したデンプン水溶液を、2で得られた混合水溶液に添加して、溶液を紫色にする。
4.0.0001mol/lのチオ硫酸ナトリウムを、3で得られた混合水溶液に滴下し、水溶液が無色になるまでに要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量(ml)を計測する。
5.次式によって、オゾン濃度を算出する。
オゾン濃度(mg/l)=滴下したチオ硫酸ナトリウム(ml)×0.0024×1000/検水量(ml)
実施例1及び2の検水量、滴下したチオ硫酸ナトリウム、それらから計算したオゾン濃度、及びオゾン濃度から逆算して求めたヘンリー定数を表1に示す。実施例1のオゾン濃度は、3.16mg/lであり、実施例2のオゾン濃度は3.01mg/lであった。比較例1についても、KI法によってオゾン濃度を測定しようとしたが、気泡が消失せず、オゾン濃度を滴定により求めることは不可能であった。
Figure 0005985838
ところで、オゾンガスと水が気液平衡状態にあるときの水中のオゾン濃度(水中オゾン平衡濃度、ppm)は次式4で計算される。
Figure 0005985838
ここで、Xは液体中のオゾンのモル分率である。
ヘンリーの法則より、次式5の関係が成り立つ。
Figure 0005985838
ここで、Pは気体中のオゾン分圧(atm)、Hはヘンリー定数(atm/mol fraction)である。
式5を変形すると次式6になる。
Figure 0005985838
気体中のオゾン分圧Pは、次式7により求められる。
Figure 0005985838
ここで、Pは気体中のオゾン分圧(atm)、Ptは気体圧力(atm)、Cは気体中のオゾン濃度(g/Nm)、Tは温度(K)である。
式4、式6及び式7をまとめると、次式8になる。
Figure 0005985838
オゾンの水に対するヘンリー定数は、Roth &
Sullivanが実験から導き出した次式9が最も近似する。
Figure 0005985838
pH=7([OH]=10−7)、1気圧(Pt=1atm)、水温15℃(K=288.15K、オゾンガス濃度1600ppm(C=3.429g/Nm)とすると、上記の式9からヘンリー定数は約4788と算出され、式8からオゾンガスの平衡濃度は約0.94mg/lと算出される。ところが、KI法で実際に計測されたオゾン濃度は、実施例1は表1に示すように3.16mg/l、実施例2は3.01mg/lであるから、理論上溶解するオゾン濃度の約3倍のオゾンが界面活性剤水溶液に溶解したことがわかる。また、KI法で測定したオゾン濃度からヘンリー定数を逆算すると、表1に示したように実施例1では約1424.31、実施例2では約1495.28となる。従来、オゾンガスの水に対するヘンリー定数は、式9から算出される値が最も近似するとされ、ph7、15℃におけるヘンリー定数は、4788である(表2参照)。ヘンリー定数は易溶解性気体ほど小さくなるので、この点からも本発明の溶解方法は従来の溶解方法に比べて格段にオゾンの溶解度が向上していることが分かる。
Figure 0005985838
ところで、酸素、オゾン等の気体を溶解させる際には、ほぼ例外なく曝気槽が用いられる。この場合、気液接触面積を大きくするためにできるだけ径の小さいマイクロバブル、ナノバブルが用いられる。このときの液相と気相の体積を比較すると、液相の体積が圧倒的に大きく、気相の体積は極めて小さい。したがって、液中のガス分圧を飽和に近い値とするためには、液を槽内に長時間留めてオゾンガス等の気体を曝気する必要があり、液体を槽内に入れてから排出されるまでの時間は数時間にも及ぶ。この間にオゾンガスが分解してしまう。これに対して、本発明では、界面活性剤水溶液とオゾンガスが混合されて発泡し、消泡してオゾン水となるまでの時間が数分程度に抑えられる。このため、オゾンガスが分解されたとしてもごくわずかであり、この点が曝気槽内でのオゾンの分解を加味したRoth & Sullivanの式で求めた値と大きく異なる要因であると思われる。
また、化学工学界においては、酸素、オゾン等の難溶解性のガスの水に対する溶解速度は、主として気液界面における液側の境膜内の拡散速度に大きく支配されると考えられている(化学工学便覧改定七版、436頁、8・1ガス吸収の基礎、e項参照)。本発明の方法及び装置では、気泡の状態でオゾンガス等を界面活性剤水溶液に溶解させる。この場合、気泡を構成する液膜の厚さ(液側の境膜の厚さ)は30μm程度であり、かつ液膜の表裏両面がオゾンガス等の気体に接触している。そのため、液側の境膜の抵抗は事実上無視できる程度に小さく、この点も上述のRoth & Sullivanの式で求めた値と大きく異なる要因であると思われる。
次に、実施例1及び2のオゾン水と、比較例1のオゾン泡の殺菌能を比較した。試験は、Pseudomonas fluorescensを付着させたPET樹脂製の棒を、実施例1、実施例2のオゾン水、又は比較例1のオゾン泡を入れたビーカーに浸し、浸漬時間と菌数の減少の関係を調べた。比較のために、1.2重量%のポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液についても、殺菌能を調べた(比較例2)。結果を図1のグラフに示す。X軸は浸漬後の経過時間を、Y軸は浸漬前の菌数をNとし、浸漬後所定時間経過後の菌数をNとして、菌数の減少を対数で表示した。
図5のグラフから明らかなように、1.2重量%のポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液(比較例2)には、殺菌効果は認められなかった。比較例1のオゾン泡は、2分が経過するまでは菌数の減少が観察されたが、その後、菌数の減少は停止し、十分な殺菌効果は得られなかった。一方、オゾンを含有する気泡を消泡させてオゾン水とした実施例1及び2では、浸漬開始後速やかに菌数の低下が観察された。4〜6分経過した時点で、菌数は処理前の1/10000にまで低下し、その後も菌数の低下が続いた。
本発明の方法で製造したオゾン水は、比較例1に比べて強い殺菌能を示す。これは本発明の方法で製造したオゾン水は、従来提唱されてきた平衡濃度を越えるオゾン濃度を溶解していたことに起因すると思われる。また、菌体の周囲のオゾン泡は自然には流動しないため、菌体周辺での気泡の入れ替えが生じにくく、十分な殺菌能力が発揮されなかったものと思われる。
本発明によれば、従来提唱されてきた平衡濃度を越えてオゾンを界面活性剤水溶液に溶解させることが可能になる。比較的低い濃度のオゾンガスであっても、水溶液に十分な濃度のオゾンを溶解させることができるので、水溶液に溶解させるオゾンガスを発生させるに際して濃縮酸素を用いたり、オゾン分解の原因となる水分を脱湿する必要がなくなる。
1 水溶液供給部
11 タンク
12 ポンプ
2 気体供給部
21 コンプレッサー
22 オゾン発生器
3 気泡発生器
31 水溶液供給管
32 気体供給管
33 気泡発生部
34 気泡径調整部
35 吐出管
36 メッシュ
4 消泡器
41 受入容器
42 吸引ファン
43 駆動
44 貯留槽
45 壁面

Claims (3)

  1. 界面活性剤を含む水溶液とオゾンガスとを混合してLに対してGが大きくなるように液相/気相の体積比(L/G)を減少させて発泡することにより直径0.1〜2.0mmの気泡を発生させ、気泡を構成する液膜に気泡内のオゾンガスを溶解させ、該気泡を消泡させることで気泡を構成する液体を分離し、界面活性剤を含む水溶液に前記気体を溶解させることを特徴とするオゾン水の生成方法
  2. 界面活性剤を含む水溶液を供給する水溶液供給部と、オゾンガスを供給する気体供給部と、前記水溶液供給部及び気体供給部を接続して水溶液供給部から供給される界面活性剤を含む水溶液と気体供給部から供給されるオゾンガスとを混合して発泡させる気泡発生器と、からなる気体溶解装置であって、
    気泡発生器は、水溶液供給部から供給される界面活性剤を含む水溶液の流入路となる水溶液供給管と、気体供給部から供給される気体の流入路となる気体供給管と、水溶液供給管及び気体供給管の下流に配される多孔質板からなる気泡発生部と、該気泡発生部の下流に配され気泡発生部で発生させた気泡を通して気泡径を調整する気泡径調整部とを備え、
    水溶液供給管から供給される界面活性剤を含む水溶液と、気体供給管から供給されるオゾンガスとは、Lに対してGが大きくなるように液相/気相の体積比(L/G)を減少させた状態で多孔質板上で混合させることにより直径0.1〜2.0mmの気泡を生じさせる気体溶解装置
  3. 気体溶解装置は気体発生器に接続される消泡器をさらに備えており、
    該消泡器は、気泡発生器の吐出管から供給される気泡を受け入れる受入容器と、受入容器の上に配置される吸引ファンと、吸引ファンを回転させる駆動と、前記受入容器及び吸引ファンを収容する貯留槽とを備え、
    気泡は吸引ファンによって吸い上げられて、吸引ファンの回転による遠心力によって半径方向に飛ばされて貯留槽の壁面に衝突させて消泡される請求項2に記載の気体溶解装置。
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