JP5985231B2 - カルシウム測定用乾式試験片 - Google Patents

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Description

本発明は、カルシウム測定用乾式試験片に関する。
カルシウムはヒトを含む種々の動物における必須元素の一つであり、生体内で生じる様々な反応に深く関与している。そのため、血清又は血漿中のカルシウム濃度の測定は重要な臨床検査項目の一つである。
集団検診の現場やスクリーニング検査等の初期診断の場面において、血中カルシウム濃度の測定を迅速に行うため、カルシウムと反応して呈色する試薬を予め支持体に塗布又は含浸させ乾燥させた乾燥試験片が広く用いられている。
特許文献1には、支持体と、支持体表面の一部上に形成された試薬層と、試薬層の少なくとも一部及び支持体の少なくとも一部を覆っている試薬保持層とを有してなり、該試薬保持層が合成繊維フィラメントを用いた編物である乾式試験片が開示されている。試薬保持層上に点着された液体試料は編物である試薬保持層に吸収されて拡がり、試薬層と接触する。液体試料中に測定対象物質が含まれている場合、これが試薬層に含まれる試薬と反応し、呈色する。呈色の有無又は強度を目視又は光学的測定手段を用いて比較する方法(比色法)により、測定対象物質を迅速かつ簡便に検出又は定量することができる。
カルシウム測定試験の呈色法の一つとして、アルカリ性条件下でカルシウムとo−クレゾールフタレインコンプレキソン(OCPC)とをキレート反応させるOCPC法が知られている。このOCPC法を用いたカルシウム乾式試験片では、ホウ酸緩衝剤(pH9.2)などのアルカリ性緩衝剤が用いられていた。
特開平5−232108号公報
OCPC法による従来のカルシウム測定用乾式試験片では、測定誤差が大きいという問題点があった。また、従来のカルシウム測定用乾式試験片では、マグネシウムを原因とする測定誤差が大きく、例えば、高マグネシウム血症検体などにおいて、マグネシウムに由来するカルシウム高値が頻繁に観測されていた。また、乾式試験片では、一般的に、保存期間が長くなるにつれて、潮解性などによる試薬の劣化により、測定誤差が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、測定誤差が小さいカルシウム測定用乾式試験片を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るカルシウム測定用乾式試験片は、o−クレゾールフタレインコンプレキソン、マグネシウムの選択的マスキング剤、及び、前記o−クレゾールフタレインコンプレキソンのカルシウムとの反応環境のpHを10.0〜11.0に緩衝するpH緩衝剤を含有し、前記pH緩衝剤が、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸とN−メチル−D−グルカミンとの混合物であることを特徴とする。
前記pH緩衝剤は、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸とN−メチル−D−グルカミンとの9対1の混合物であることが特に好ましい。
前記マグネシウムの選択的マスキング剤は8−ヒドロキシキノリンであることが好ましい。
本発明の第1の観点に係るカルシウム測定用乾式試験片は、さらに界面活性剤を含有することが好ましく、前記界面活性剤はp−t−オクチルフェノールポリオキシエチレンであることが特に好ましい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るカルシウム測定用乾式試験片は、
支持体と、
該支持体の上に設けられた試薬層と、
該試薬層の上に設けられた試薬保持層と、
を有し、
前記o−クレゾールフタレインコンプレキソン、前記マグネシウムの選択的マスキング剤、及び、前記pH緩衝剤は、それぞれ、前記試薬層と前記試薬保持層とのいずれか一方の層にのみ含まれるか、又は両方の層に含まれることを特徴とする。
本発明によれば、測定誤差が小さく、保存性が高いカルシウム測定用乾式試験片が提供される。
(a)は本発明の実施の形態1に係るカルシウム測定用乾式試験片の構成を示す斜視図、(b)は(a)のA−A縦断面図である。 (a)は本発明の実施の形態2に係るカルシウム測定用乾式試験片の構成を示す斜視図、(b)は(a)のB−B縦断面図である。 本発明の実施例のカルシウム測定用乾式試験片に対するマグネシウムの影響を示した図である。 本発明の実施例のカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値と酵素法によるカルシウム濃度測定値とをプロットして示した図(a)と、比較例のカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値と酵素法によるカルシウム濃度測定値とをプロットして示した図(b)である。 酵素法によるカルシウム濃度測定値を100%としたときの本発明の実施例の試験片を用いたカルシウム濃度測定値の乖離を示す図(a)と、酵素法によるカルシウム濃度測定値を100%としたときの比較例の試験片を用いたカルシウム濃度測定値の乖離を示す図(b)である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るカルシウム測定用乾式試験片1は、図1に示されるように、支持体2と、支持体2に担持された試薬部3とから構成されている。試薬部3は、支持体2上に形成された試薬層4と、該試薬層4を覆うように形成された試薬保持層5と、から構成されている。
支持体2は、液体浸透性のないことが好ましい。これによって、本実施の形態に係るカルシウム測定用乾式試験片1を用いてカルシウムを測定する際、試薬層4、試薬保持層5に滴下される液状試料が試薬層4及び試薬保持層5内に留まるため、精度よく測定することができる。支持体2としては、紙片、プラスチック(合成樹脂)片、金属片等を用いることができる。量産性・低コスト・保存性・耐水性等の観点からは、合成樹脂片を用いるのが好ましい。
また、液状試料を滴下して検出反応を起こさせた後の光学的分析において、光を支持体側から照射する場合には、支持体2は光透過性を有する必要がある。これに対して、光を試薬保持層5側から照射する場合には、光透過性は要求されない。
試薬層4は、o−クレゾールフタレインコンプレキソン(OCPC)、及び、マグネシウムの選択的マスキング剤を含有する。マグネシウムの選択的マスキング剤は、例えば、8−ヒドロキシキノリン等を用いることができる。
試薬層4は、液体浸透性を有する材質を主体として構成される。特に、水溶性の材質を主体として、その中に試薬が分散していることが好ましい。これにより、測定時に、試薬層4に含有される試薬は、上層に位置する試薬保持層5に滴下された液状試料に取り込まれる。水溶性の材質としては、ポリビニルピロリドン(PVP)を始めとする水溶性高分子化合物等を用いることができる。また、試薬層4は、液体浸透性を有する紙、編物、織物等の布帛材中に、試薬が分散している構成であってもよい。
試薬保持層5は、pH緩衝剤を含有する。pH緩衝剤は、OCPCのカルシウムとの反応環境のpHを10.0〜11.0の範囲内に調節し、かつ、乾燥させても成分が揮発しないものが好ましい。保存性の観点から、低い潮解性と高い溶解性とを兼ね備えることがさらに好ましい。pH緩衝剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N−メチル−D−グルカミン(MEG)、炭酸緩衝剤等を用いることができる。特に、潮解性と溶解性との面で、CAPSとMEGとを9:1で混合した混合緩衝剤を用いることが好ましい。このように低い潮解性と高い溶解性とを兼ね備える緩衝剤を用いることで、長期保存後も測定誤差の拡大の少ないカルシウム測定用乾式試験片1がもたらされる。
試薬保持層5は、液体浸透性を有する材質を主体として構成される。特に、水溶性の材質を主体として、その中に試薬が分散していることが好ましい。これにより、測定時に、試薬保持層5に滴下された液状試料は、試薬保持層5中を迅速かつ均一に拡散する。水溶性の材質としては、ポリビニルピロリドン(PVP)を始めとする水溶性高分子化合物等を用いることができる。また、試薬保持層5は、液体浸透性を有する紙、編物、織物等の布帛材中に、試薬が分散している構成であってもよい。
試薬保持層5は、試薬層4上に直接形成されていてもよいし、液体浸透性を有する層を間に介して試薬層4上に配置されていてもよい。
カルシウム測定用乾式試験片1の測定対象として意図している液状試料が、微量、例えば、5μl程度である場合、試薬層4及び試薬保持層5は、数mm×数mm程度の面積であればよい。さらに、手などでこれらの層を保持することは困難であるため、持ち手として用いることができるように、支持体2を、数mm〜1cm程度の幅の細長い片として設けることが好ましい。
本発明の実施の形態1に係るカルシウム測定用乾式試験片1は、次のようにして作製することができる。
まず、支持体2となる所定の材質の所定の厚さを有するシートを、所定の寸法を有する細長い片として切り出す。この細長い片を洗浄、乾燥することにより、支持体2が作製される。
次に、試薬層4を作製する。まず、液体浸透性を有する材質にo−クレゾールフタレインコンプレキソン(OCPC)、及び、マグネシウムの選択的マスキング剤を分散させる。
液体浸透性を有する材質が、水溶性高分子化合物等の水溶性の材質である場合には、純水に溶解させて水溶液として、この水溶液に上記各試薬を溶解させて攪拌することによって、分散させる。そして、支持体2の所定箇所に塗布し、乾燥して試薬層4とする。
液体浸透性を有する材質が、紙、編物、織物等の布帛材の場合には、純水に上記各試薬を溶解させて攪拌した水溶液を、所定の寸法の布帛材に吸収させることで、分散させる。そして、乾燥して水分を除去して、試薬層4とする。その後、試薬層4を、支持体2に積層する。その方法としては、この試薬層4が水溶性の材質を主体としたものである場合には、底面を純水で濡らして、支持体2の所定の位置に圧着する。これによって、底面の水溶性の材質が溶解して、接着剤としての役割を果たす。別の方法としては、接着剤で試薬層4を支持体2上に接着してもよい。
次に、試薬保持層5を作成する。まず、試薬保持層5は、液体浸透性を有する材質に、pH緩衝剤を分散させる。
液体浸透性を有する材質が、水溶性高分子化合物等の水溶性の材質である場合には、純水に溶解させて水溶液として、この水溶液にpH緩衝剤を溶解させて攪拌することによって、分散させる。そして、平坦な基材の上に塗布し、乾燥して、基材から引き剥がして、試薬保持層5とする。
液体浸透性を有する材質が、紙、編物、織物等の布帛材の場合には、純水にpH緩衝剤を溶解させて攪拌した水溶液を、所定の寸法の布帛材に吸収させることで、分散させる。そして、乾燥して水分を除去して試薬保持層5とする。
試薬保持層5を作成した後、試薬保持層5を、試薬層4上に積層する。
例えば、試薬保持層5を、接着剤からなる接着層(図示せず)を介して、試薬層4上に積層してもよい。接着層は、液体浸透性を有する必要がある。接着剤を試薬層4上のほぼ全面に塗布することで接着層を形成する場合、接着剤は、液体浸透性を有することが好ましい。また、接着剤を試薬層4上のほぼ全面に塗布するのではなく、試薬層4上に液体浸透性を有するように塗布することで、接着層を液体浸透性としてもよい。
別の方法としては、試薬保持層5が水溶性の材質を主体としたものである場合には、底面を純水で濡らして、試薬層4の所定の位置に圧着する。これによって、底面の水溶性の材質が溶解して、接着剤としての役割を果たす。
このようにして、本発明の実施の形態1に係るカルシウム測定用乾式試験片1を作製することができる。
本発明の実施の形態1に係るカルシウム測定用乾式試験片1を用いたカルシウムの測定は、次のように行うことができる。
予め定められた一定量の液状試料(血清または血漿)を、試薬保持層5に滴下する。液状試料は、試薬保持層5の全体に瞬時に拡散し、更にその下の試薬層4にも浸透して、全ての試薬を一体化させ、pH10.0〜11.0の反応液を形成する。アルカリ性の反応液中で、OCPCは、液状試料中のカルシウムと錯体を形成する。一般的に、アルブミン等のタンパク質と結合しているカルシウムはOCPCとの反応性が悪いが、反応液のpHが10.0〜11.0と高いことにより、本実施の形態1に係る試験片においては、こうしたタンパク質と結合しているカルシウムともOCPCは反応し、錯体を形成する。
また、OCPCは、液状試料中のマグネシウムと錯体を形成し得るものの、OCPCよりも強固にマグネシウムとキレート反応を生じるマスキング剤が存在するため、OCPCとマグネシウムとの錯体形成は阻害される。特に、マスキング剤として8−ヒドロキシキノリンが用いられている場合、pH10.0〜11.0の反応環境では、従来のpH9.2の反応環境と比較して、8−ヒドロキシキノリンがより特異性高くマグネシウムと結合するため、高いマスキング効果が期待できる。
以上により、カルシウムを選択的に検出することができる。OCPCとカルシウムとの錯体の吸収ピークは570nm付近にあるので、試薬層4は赤紫に呈色する。反応終了後、この呈色の度合い(K/S値)を、試薬保持層5に可視光を照射して反射光を受光することによって算出する。K/S値は、呈色の度合いを表す数値で、対象の呈色の度合い(濃度)が高いほど反射光の強度も大きくなることを利用して算出される。すなわち、K/S値は、可視光の反射率をRとすると、下記の式で算出される。
(式) K/S=(1−R)/2R
このような分析方法を応用した光学分析装置としては、例えば、富士フィルム株式会社の富士ドライケム(登録商標)7000、コニカミノルタ株式会社のコレステックLDX(登録商標)KM、アークレイ株式会社のスポットケム(登録商標)EZ、等がある。
このようにして得られたK/S値から、液状試料中の正確なカルシウム濃度を知ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係るカルシウム測定用乾式試験片1では、試薬層4が、o−クレゾールフタレインコンプレキソン(OCPC)、マグネシウムの選択的マスキング剤を、試薬保持層5が、pH緩衝剤を、それぞれ、含有するが、これらの試薬は、試薬層4及び試薬保持層5のどちらに含まれていてもよい。なぜなら、これらの試薬が試薬層4に含まれていようと試薬保持層5に含まれていようと、液状試料を滴下した後に形成される反応液中にこれら試薬が混合されることには代わりはないからである。これらの試薬が試薬層4又は試薬保持層5のどちらか一方のみに含有される場合、試薬を含有しない層を省略することも可能である。試薬層4を省略する場合、試薬保持層5は、支持体2上に配置される。試薬層4を省略する場合のカルシウム測定用乾式試験片10を図2に示す。実施の形態2に係るカルシウム測定用乾式試験片10では、試薬保持層5は、支持体2上に接着層6を介して配置されてもよいし、塗布などにより支持体2上に直に形成されてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るカルシウム測定用乾式試験片では、実施の形態1または2に係る試薬に加えて、試薬層4又は試薬保持層5が界面活性剤をさらに含む。
OCPCを含む一般の金属キレート反応系を用いて、血清又は血漿中のカルシウム濃度を測定する場合、試料中のタンパク質、特に、アルブミンの影響を受けることが知られている。正常人の場合、血清又は血漿中のカルシウムのうち、アルブミンに吸着するカルシウムの割合は約40%とほぼ一定しているため、測定時の適当な数値補正により打ち消すことが可能であるので、実用上は実施の形態1または2の試験片でも通常問題とならない。しかし、まれに存在する極端なアルブミン高濃度の試料の場合、単純な数値補正ではアルブミンの影響を打ち消すことができない場合もある。
実施の形態3に係るカルシウム測定用乾式試験片では、試薬層4又は試薬保持層5に含まれる界面活性剤が、測定の際に、試料中に含まれるタンパク質を可溶化する。可溶化されたアルブミンはカルシウムとの結合性が低下するため、極端なアルブミン高濃度の試料においても、アルブミンへのカルシウムの吸着の影響を受けずにカルシウム濃度を測定することが可能となる。非イオン性界面活性剤としては、p−t−オクチルフェノールポリオキシエチレン(トリトンX−45,トリトンX−100,トリトンX−114,トリトンX−305など)等が、イオン性界面活性剤の例としては、アニオン系界面活性剤ではドデシル硫酸ナトリウム、カチオン系ではテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドが具体例として挙げられるが,同様の作用を有する界面活性剤であればいずれの化合物を使用してもよいことは当業者ならば明らかであろう。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲に限定されるものではない。なお、特にことわりのない限り、純水は脱イオン水を用いた。
(実施例)
まず、厚さ0.2mmの白色のポリエチレンテレフタレート(PET)シートから、長さ70mm×幅5mmの寸法の細長い片を切り出して支持体とした。
次に、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)(同仁化学研究所株式会社製)とN−メチル−D−グルカミン(MEG)(和光純薬工業株式会社製)との混合緩衝液を調製した。混合緩衝液は、CAPS 0.89gとMEG 3.12gを蒸留水に溶解し、37℃でのpHが10.5になるように4N−NaOH溶液を加えた。そして、25mlにメスアップした。
次に、0044で調製した混合緩衝液 4mlに、o−クレゾールフタレインコンプレキソン(同仁化学研究所株式会社製)36mg、8−ヒドロキシキノリン(和光純薬工業株式会社製)0.36gを溶解させた。この水溶液を十分攪拌した後、遠心脱泡して、その全量を支持体の一端に、長さ7mm×幅5mm×厚さ0.15mmの寸法になるように塗布した。その後、40℃で20分間乾燥させて、水分を完全に蒸発させて、フィルム状の試薬層とした。
この試薬層の上に、布帛材を主体として構成した試薬保持層を積層した。布帛材としては、KBセーレン株式会社のザヴィーナ(登録商標)を用いた。10mLの純水に、トリトンX−305(和光純薬工業株式会社製)0.1gを溶解させた。この水溶液を十分攪拌した後、脱泡して、全量を、長さ7mm×幅5mm×厚さ0.2mmのザヴィーナに染み込ませた。そして、40℃で20分間乾燥して水分を蒸発させた。
この試薬保持層を、アクリル系接着剤を用いて試薬層の上に接着して積層した。
(比較例)
比較例では、CAPS/MEG混合緩衝液の代わりに、ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.2)(和光純薬工業株式会社製)を用いて、試薬層を形成した。その他の点については実施例と同様にして試験片を作成した。
(測定操作)
測定装置として、アークレイ株式会社の卓上反射率測定装置スポットケム(登録商標)EZを使用した。37℃に温度調整されたテーブル上にカルシウム測定用乾式試験片を乗せ、上から5.0μlの試料を点着した。3分後に波長575nmにおける反射率(R)を測定した。反射率(R)はクベルカ−ムンクの式(K/S=(1−R)/2R)によりK/S値に換算した。既知濃度試料を測定することにより、「K/S値−カルシウム濃度」間の検量線をあらかじめ作製した。この検量線をもとに試料中のカルシウム濃度を算出した。
(マグネシウムの影響の比較)
カルシウム測定用乾式試験片へのマグネシウムの影響を比較するため、実施例及び比較例のカルシウム測定用乾式試験片を用いて、2.5〜10.0mg/dLの塩化マグネシウム水溶液を試料としてそれぞれの試験片上に点着し上記のとおり測定装置にかけた。カルシウム測定用乾式試験片とマグネシウムとの反応(呈色)の程度をカルシウム濃度としてプロットして示したものが図3である。正常人の場合、血清マグネシウム濃度は2.5mg/dL程度であるが、実施例のカルシウム測定用乾式試験片はこのマグネシウム濃度においてほとんど非特異的な反応を示さなかった。また、実施例のカルシウム測定用乾式試験片は、マグネシウム濃度10.0mg/dLまででは、カルシウム濃度換算値で0.50mg/dL程度の非特異的な反応しか示さなかった。これは、正常人の血清カルシウム濃度8.4〜10.2mg/dlに対して5%程度であり、十分に低い値である。
(相関試験)
カルシウム測定用乾式試験片の正確性を比較するため、実施例及び比較例のカルシウム測定用乾式試験片を用いて、化学法により予めカルシウム濃度を測定してあった80人分の血清試料中のカルシウム濃度を測定した。化学法によるカルシウム濃度の測定は、カルシウムE−HAテストワコー(和光純薬工業株式会社製)を用いた。化学法によるカルシウム濃度測定値とカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値とをプロットして示したものが図4である。また、化学法によるカルシウム濃度測定値を100%としたときのカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値の乖離を示したものが図5である。実施例のカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値は、比較例のカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値と比べて、化学法によるカルシウム濃度測定値と、高い相関係数を示した。また、化学法によるカルシウム濃度測定値に対するカルシウム測定用乾式試験片を用いたカルシウム濃度測定値の乖離は、比較例のカルシウム測定用乾式試験片の場合、−20〜+15%の間で広くバラつき、また、バイアスのかかった分布を示したが、実施例のカルシウム測定用乾式試験片の場合、−10〜+10%の間の比較的狭い範囲で均等な分布を示した。
1,10 カルシウム測定用乾式試験片
2 支持体
3 試薬部
4 試薬層
5 試薬保持層

Claims (6)

  1. o−クレゾールフタレインコンプレキソン、マグネシウムの選択的マスキング剤、及び、前記o−クレゾールフタレインコンプレキソンのカルシウムとの反応環境のpHを10.0〜11.0に緩衝するpH緩衝剤を含有し、
    前記pH緩衝剤が、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸とN−メチル−D−グルカミンとの混合物である、カルシウム測定用乾式試験片。
  2. 前記pH緩衝剤は、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸とN−メチル−D−グルカミンとの9対1の混合物である、請求項に記載のカルシウム測定用乾式試験片。
  3. 前記マグネシウムの選択的マスキング剤は8−ヒドロキシキノリンである、請求項1又は請求項2に記載のカルシウム測定用乾式試験片。
  4. さらに界面活性剤を含有する、請求項1からのいずれか1項に記載のカルシウム測定用乾式試験片。
  5. 前記界面活性剤はp−t−オクチルフェノールポリオキシエチレンである、請求項に記載のカルシウム測定用乾式試験片。
  6. 支持体と、
    該支持体の上に設けられた試薬層と、
    該試薬層の上に設けられた試薬保持層と、
    を有し、
    前記o−クレゾールフタレインコンプレキソン、前記マグネシウムの選択的マスキング剤、及び、前記pH緩衝剤は、それぞれ、前記試薬層と前記試薬保持層とのいずれか一方の層にのみ含まれるか、又は両方の層に含まれることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のカルシウム測定用乾式試験片。
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