1 実施形態1
1.1 構成
本実施形態の行動管理装置1は、図1に示すように、データ取得部101、記憶部102、情報取得部103、評価部104、出力部105および通信部106を備えている。
行動管理装置1は、プロセッサおよびメモリを有しており、情報取得部103、評価部104、データ取得部101および出力部105の各機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
行動管理装置1は、ユーザの生活費用の変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力する装置である。推奨情報は、ユーザの生活費用に関連する生活費用関連情報に対応する情報である。
生活費用関連情報は、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報と、ユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3(図2参照)についての特定機器情報の少なくとも一方を含んでいる。生活費用関連情報は、ユーザとは異なる者が生成して住宅10(図2参照)外から送信された住宅外データに含まれている。
施策情報は、ユーザと電気事業者との間で授受される電力料金に関する情報である。施策情報は、例えば、買電価格の変更、売電価格の変更、電力料金プランの変更を含む情報である。また、施策情報は、消費税率の変更であってもよい。買電価格は、ユーザが商用電力を買い取る際の価格である。売電価格は、太陽電池(太陽光発電設備)の発電電力のうちで蓄電された電力をユーザが外部(電気事業者等)へ売る際の価格である。電力料金プランは、ユーザが電気事業者と契約することができる契約プランである。すなわち、電力料金プランの変更を含む施策情報は、電力事業者が新しい電力料金プランを出したときに、この新しい電力料金プランをユーザに知らせるための情報である。特に、本実施形態の施策情報は、上述したように、ユーザの生活費用に関連する施策の変更を表す。
また、特定機器情報は、例えば、予め定められた電気機器(特定の電気機器)3の性能の変化を表す性能変化情報、および特定の電気機器3の価格の変化を表す価格変化情報の少なくとも一方を含んでいる。特定の電気機器3は、HEMS(Home Energy Management System)関連機器である。本実施形態の特定の電気機器3は、発電、蓄電および蓄熱の少なくとも1つを行う機器であり、例えば太陽光発電設備(太陽電池を含む)、蓄電池、自然冷媒ヒートポンプ給湯機等である。ここで、予め定められた電気機器は、住宅10に既に設置されている電気機器3(例えばエアコン32)であってもよいし、未だ設置されていない電気機器(例えば、太陽光発電設備、蓄電池)であってもよい。
性能変化情報は、特定の電気機器3の効率の変化を表す機器効率情報、特定の電気機器3の消費電力の変化を表す消費電力情報である。特定の電気機器3の効率とは、特定の電気機器3における入力(電力)に対する出力(発電電力、定格出力、照度など)の比率をいう。機器効率情報は、例えば太陽光を用いて発電する太陽光発電設備(太陽電池)による発電電力の変化(発電電力についての年月に対する推移)を表す情報である。また、別の例として、機器効率情報は、太陽光発電設備(太陽電池)を含む特定の電気機器3の定格出力の変化(定格出力についての年月に対する推移)を表す情報、太陽光発電設備(太陽電池)における太陽光を電力に変換する変換効率の変化(変換効率についての年月に対する推移)を表す情報等である。なお、価格が異なる機器同士では、比較の対象とはなりにくいので、機器効率情報は、同じ価格帯における出力の変化を含む情報であることが好ましい。また、性能変化情報は、機器効率情報、消費電力情報に限定されず、特定の電気機器3の性能を表す指標を含む情報であればよい。
価格変化情報とは、特定の電気機器(太陽光発電設備、太陽電池、蓄電池を含む)3の価格の変化(価格についての年月に対する推移)を表す情報である。
推奨情報は、ユーザの生活費用の変化に応じた行動を表す種々のメッセージを表す。例えば、推奨情報は、電力料金プランの変更に関する情報およびユーザの住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報である。さらに、推奨情報は、電力料金プランの変更に関する情報、およびユーザの住宅10に設けられる電気機器の購入または買い替えに関する情報であり、変更または購入の時期であってもよい。
本実施形態では、行動管理装置1は、図2に示すように、戸建住宅からなる住宅10に設置されている。行動管理装置1が用いられる場合を例に説明する。また、本実施形態では、住宅10の住人として、少なくとも夫、妻で構成された家族を想定し、この2人が行動管理装置1のユーザであることとして説明する。ただし、行動管理装置1は、この例に限らず、例えば集合住宅の各住戸や2世帯住宅等、種々の住宅に用いることができ、さらには事務所や店舗等の非住宅の建物(施設)にも用いることができる。
行動管理装置1は、住宅10に設置された分電盤2と通信するための通信機能を有している。具体的には、行動管理装置1は、分電盤2のキャビネット21内に収納された通信ユニット22と通信可能に構成されている。本実施形態では一例として、行動管理装置1は分電盤(通信ユニット22)2との間で、電波を媒体とした無線通信により通信を行う。ただし、行動管理装置1と分電盤(通信ユニット22)2との間の通信方式は、無線通信、有線通信を問わず適宜の方式が適用可能である。
ここで、分電盤2について説明する。分電盤2のキャビネット21内には、通信ユニット22に加えて、電気負荷(電気機器3)で消費されている電力値を計測する計測装置23が収納されている。計測装置23は、通信ユニット22と電気的に接続されており、計測した電力値に関する情報を電力情報として通信ユニット22経由で行動管理装置1へ出力するように構成されている。
計測装置23の詳細について説明する。本実施形態では、計測装置23は、上述したように分電盤2に設けられている。分電盤2は、複数の分岐ブレーカを有しており、電力系統や発電設備、あるいは蓄電設備等からの電力を複数の分岐回路に分配するように構成されている。計測装置23は、これら複数の分岐回路の各々について電力を計測する。
計測装置23は、複数の分岐回路と一対一に対応する複数の電流センサを有しており、各分岐回路に流れる電流の値を電流センサによって計測する。電流センサとしては、変流器(カレントトランス)、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗等のセンサが用いられる。一例として、ここでは電流センサは、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルからなり、内側を通過する電流に応じた出力を生じるロゴスキコイルである。
また、計測装置23は、例えば分電盤2における主幹ブレーカの二次側において、複数の分岐回路に印加されている電圧の値(瞬時値)を電圧情報として計測する機能を有している。計測装置23は、複数の電流センサで計測された電流値と、電圧情報とに基づいて、複数の分岐回路の各々を通過する電力(瞬時電力)の値を計測値として求める。本実施形態においては、計測装置23はさらに、複数の分岐回路の各々について、瞬時電力を所定時間(例えば5分、10分等)に亘って積算した電力量を、計測値として求めるように構成されている。つまり、計測装置23で計測される電力値には、瞬時電力と電力量との両方が含まれている。
計測装置23は、複数の分岐回路の各々について計測した電力値に関する情報を電力情報とし、分電盤2の通信ユニット22を介して、行動管理装置1へ電力情報を定期的に送信するように構成されている。
また、本実施形態においては、行動管理装置1は、住宅10に設置される機器であって少なくとも表示装置31を含む種々の機器と通信し、これらの機器を制御するコントローラとしての機能を有している。ここでいう機器はHEMS対応機器である。
HEMS対応機器は、表示装置31、エアコン32、テレビ受像機33、洗濯機34、IH(Induction Heating)クッキングヒータ35、電気自動車の充電器36のように、電力を消費する電気機器だけでなく、発電設備等の機器を含む。なお、電気機器は、図示例に限らず、例えば照明器具、給湯装置等を含んでいてもよい。
行動管理装置1は、ルータ41に接続されており、例えばLAN(Local Area Network)、あるいは電波を媒体とした無線通信等によって、(HEMS対応)機器との間で通信を行う。ただし、行動管理装置1と機器との通信方式は、無線通信、有線通信を問わず適宜の方式が適用可能である。なお、以下、表示装置31、エアコン32、テレビ受像機33、洗濯機34、IHクッキングヒータ35、充電器36等の電気機器を特に区別しない場合には、まとめて「電気機器3」という。
さらにまた、ルータ41は、インターネット等のネットワーク42に接続されている。これにより、行動管理装置1は、ネットワーク42に接続される情報端末43との間でも通信可能である。ここでいう情報端末43は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パソコン(パーソナルコンピュータ)等の情報端末であって、ユーザからの操作入力を受け付け且つ表示を行うユーザインタフェースとしての機能を備えている。
このような構成により、行動管理装置1は、電気機器(表示装置31、エアコン32、テレビ受像機33等)3で消費されている電力の値(電力値)を表す電力情報を計測装置23から取得可能である。そのため、行動管理装置1は、取得した電力情報を表示装置31や情報端末43に表示させることにより、電力情報を可視化(見える化)したり、あるいは電力情報に基づいて(HEMS対応)機器を制御したりすることが可能である。
なお、分電盤(通信ユニット22)2、あるいは電気機器3と、行動管理装置1との間で行われる電波を媒体とした無線通信は、一例として、920MHz帯の特定小電力無線等である。
以下、行動管理装置1の構成について、図1を参照して説明する。
(1)データ取得部101
データ取得部101は、生活費用関連情報を含むデータ(外部データ)を住宅10外の外部装置から取得する機能を持つ。つまり、データ取得部101は、後述の通信部106を介して外部装置から外部データを取得する。住宅10外から取得される外部データは、ユーザとは異なる者が生成したデータである。生活費用関連情報は、上述したように、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報と、ユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3についての特定機器情報の少なくとも一方を含んでいる。
(2)記憶部102
記憶部102は、例えば書き換え可能な半導体メモリであって、複数の生活費用関連情報のそれぞれに、1つまたは複数の推奨情報を対応付けて記憶している。
例えば、生活費用関連情報の施策情報が「買電価格の変更(値上げ)」である場合、ユーザはなるべく商用電力に頼らずに太陽電池の発電電力で賄うようにすることが好ましい。このため、記憶部102は、施策情報「買電価格の変更(値上げ)」に推奨情報「太陽電池の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。さらに、この場合、太陽電池の発電電力のうち余った電力を蓄電池に蓄電させたり、自然冷媒ヒートポンプ給湯器に蓄熱させたりことが好ましい。このため、記憶部102は、施策情報「買電価格の変更(値上げ)」に推奨情報「蓄電池または自然冷媒ヒートポンプ給湯器の新規購入または買い替えを促すメッセージ」をさらに対応付けて記憶している。
一方、施策情報が「買電価格の変更(値下げ)」である場合、ユーザはあえて高額な太陽電池等を新規購入したり、買い替えたりする必要がないことが多い。このため、記憶部102は、施策情報「買電価格の変更(値下げ)」に推奨情報「太陽電池等の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」を対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の施策情報が「売電価格の変更(値上げ)」である場合、ユーザは多くの電力を電気事業者に売ることが好ましい。このため、記憶部102は、施策情報「売電価格の変更(値上げ)」に推奨情報「太陽電池の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
一方、施策情報が「売電価格の変更(値下げ)」である場合、ユーザは電気事業者に電力を売るよりは蓄電池へ蓄電したり、自然冷媒ヒートポンプ給湯器へ蓄熱したりするほうが好ましい。このため、記憶部102は、施策情報「売電価格の変更(値下げ)」に推奨情報「蓄電池または自然冷媒ヒートポンプ給湯器の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の施策情報が「電力料金プランの変更」または「電力自由化」である場合、ユーザは電力料金プランを変更したほうが好ましい場合が多い。このため、記憶部102は、施策情報「電力料金プランの変更」および「電力自由化」に推奨情報「電力料金プランの変更を促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の施策情報が「消費税率の変更(増税)」である場合、ユーザは増税前に電気機器の新規購入または買い替えを行うことが好ましい。このため、記憶部102は、施策情報「消費税率の変更(増税)」に推奨情報「電気機器の増税前の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶する。
一方、施策情報が「消費税率の変更(減税)」である場合、ユーザは減税後に電気機器の新規購入または買い替えを行うことが好ましい。このため、記憶部102は、施策情報「電気機器の減税後の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の特定機器情報が「太陽光発電設備の発電電力の変化(推移)」である場合、行動管理装置1は、太陽光発電設備の発電電力の能力の変化(推移)から、太陽光発電設備の新規購入または買い替えに好ましいタイミングを判断する。
発電電力の能力が一定期間変化していない場合(発電電力の能力が上がり続けた後に一定となった場合)、今後、発電電力の能力が急激に上がる可能性は低いから、行動管理装置1は、上記期間を、太陽光発電設備の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「太陽光発電設備の発電電力の変化(推移)」に推奨情報「太陽光発電設備の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
一方、発電電力の能力が変動している期間は、まだ発電電力の能力は上がり続ける可能性が高い。このため、行動管理装置1は、上記期間を、太陽光発電設備の新規購入または買い替えには好ましくないタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「太陽光発電設備の発電電力の変化(推移)」に推奨情報「太陽光発電設備の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」をさらに対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の特定機器情報が「特定の電気機器の定格出力の変化(推移)」である場合、行動管理装置1は、特定の電気機器の定格出力の変化(推移)から、特定の電気機器の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであるか否かを判断する。
定格出力が一定期間変化していない場合(定格出力の上昇が緩やかになった場合)、今後、定格出力が急激に上がる可能性は低いから、行動管理装置1は、上記期間を、特定の電気機器の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「特定の電気機器の定格出力の変化(推移)」に推奨情報「特定の電気機器の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
一方、定格出力が変動している期間は、まだ定格出力は上がり続ける可能性が高いから、行動管理装置1は、上記期間を、特定の電気機器の新規購入または買い替えには好ましくないタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「特定の電気機器の定格出力の変化(推移)」に推奨情報「特定の電気機器の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」をさらに対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の特定機器情報が「特定の電気機器の効率の変化(推移)」である場合、行動管理装置1は、特定の電気機器の効率の変化(推移)から、特定の電気機器の新規購入または買い替えのタイミングを判断する。
効率が一定期間変化していない場合(効率の上昇が緩やかになった場合)、今後、効率が急激に上がる可能性は低いから、行動管理装置1は、上記期間を、特定の電気機器の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「特定の電気機器の効率の変化(推移)」に推奨情報「特定の電気機器の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
一方、効率が変動している期間は、まだ効率が上がり続ける可能性が高いから、行動管理装置1は、上記期間を、特定の電気機器の新規購入または買い替えには好ましくないタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「特定の電気機器の効率の変化(推移)」に推奨情報「特定の電気機器の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」をさらに対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の特定機器情報が「太陽光発電設備の価格の変化(推移)」である場合、行動管理装置1は、太陽光発電設備の価格の変化(推移)から、太陽光発電設備の新規購入または買い替えに好ましいタイミングを判断する。
価格が一定期間変化していない場合(価格が下がり続けた後に下げ止まった場合)、今後、価格が急激に下がる可能性は低いから、行動管理装置1は、上記期間を、太陽光発電設備の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。別の例として、下げ止まっていた価格が上がり始めた場合、価格は今後上がり続ける可能性が高いから、行動管理装置1は、上記のような価格が上がり始めたタイミングを、太陽光発電設備の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「太陽光発電設備の価格の変化(推移)」に推奨情報「太陽光発電設備の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
一方、価格が下がり続けている期間は、まだ価格が下げ止まっていないから、行動管理装置1は、上記期間を、太陽光発電設備の新規購入または買い替えには好ましくないタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「太陽光発電設備の価格の変化(推移)」に推奨情報「太陽光発電設備の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」をさらに対応付けて記憶している。
生活費用関連情報の特定機器情報が「蓄電池の価格の変化(推移)」である場合、行動管理装置1は、蓄電池の価格の変化(推移)から、蓄電池の新規購入または買い替えに好ましいタイミングを判断する。
価格が一定期間変化していない場合(価格が下がり続けた後に下げ止まった場合)、今後、価格が急激に下がる可能性は低いから、行動管理装置1は、上記期間を、蓄電池の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。別の例として、下げ止まっていた価格が上がり始めた場合、価格は今後上がり続ける可能性が高いから、行動管理装置1は、上記のような価格が上がり始めたタイミングを、太陽光発電設備の新規購入または買い替えに好ましいタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「蓄電池の価格の変化(推移)」に推奨情報「蓄電池の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を対応付けて記憶している。
一方、価格が下がり続けている期間は、まだ価格が下げ止まっていないから、行動管理装置1は、上記期間を、蓄電池の新規購入または買い替えには好ましくないタイミングであると判断する。このため、記憶部102は、施策情報「蓄電池の価格の変化(推移)」に推奨情報「蓄電池の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」をさらに対応付けて記憶している。
また、記憶部102は、推奨情報で推奨される推奨行動について必要レベルを評価するための情報を記憶している。
(3)情報取得部103
情報取得部103は、推奨情報を記憶部102から取得するように構成されている。推奨情報とは、上述したように、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に対応する情報であって、ユーザの生活費用の変化に応じた行動をユーザに促す情報である。
情報取得部103における情報取得処理のアルゴリズムについては後述する。
(4)評価部104
評価部104は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に対応する推奨情報で推奨される(促される)行動(推奨行動)の必要の程度を表す必要レベルを、推奨行動の内容に基づいて決定するように構成されている。例えば、生活費用関連情報および推奨行動の内容に対応した必要レベルが、推奨情報に対応付けられて記憶部102に記憶されている。評価部104は、情報取得部103で取得された推奨情報に対応する必要レベルを取得する。
また、評価部104は、推奨情報で推奨される(促される)行動(推奨行動)の必要の程度を表す必要レベルを評価するように構成されてもよい。ここで、推奨行動の必要レベルは、推奨行動の実行がユーザにとってどの程度必要であるかを表す評価指数である。具体的には、推奨行動の必要レベルは、推奨行動を実行しないことによりユーザが被る不利益や、推奨行動を実行することでユーザが得られるメリットや、世間一般で推奨行動がどの程度実行されているか、といった項目に基づいて判断される。
評価部104は、情報取得部103から推奨情報を取得し、取得した推奨情報で推奨される推奨行動について必要レベルを評価する。評価部104が推奨行動の必要レベルを評価するために用いる情報は、例えば記憶部102に記憶されている。評価部104は、これらの情報を記憶部102から読み出して、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されている。
評価部104における評価処理のアルゴリズムについては後述する。
(5)出力部105
出力部105は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に対応する推奨情報を出力するように構成されている。すなわち、出力部105は、情報取得部103から取得された推奨情報を出力するように構成されている。
特に、本実施形態の出力部105は、評価部104の評価結果を用いて、情報取得部103で取得された推奨情報を出力するように構成されている。具体的には、出力部105は、データ取得部101が生活費用関連情報を取得し、評価部104で評価された推奨行動の必要レベルが所定の条件を満たす場合に、推奨情報を出力するように構成されている。一方、出力部105は、データ取得部101が生活費用関連情報を取得した場合であっても、評価部104で評価された推奨行動の必要レベルが所定の条件を満たされない場合には、推奨情報を出力しないように構成されている。
つまり、出力部105は、例えばデータ取得部101で生活費用関連情報が取得され、且つ評価部104で推奨行動の必要レベルが比較的高いと評価される場合、推奨情報を出力することで、生活費用関連情報に応じた推奨行動を実行するようにユーザに促す。行動管理装置1は、出力部105自体が表示や音声により、推奨情報をユーザに提示(報知)するように構成されている。または、行動管理装置1は、行動管理装置1とは異なる他装置に推奨情報を伝送して他装置にて表示や音声による推奨情報の提示が行われるように構成されていてもよい。後者の場合、出力部105は、通信部106に推奨情報を出力することによって、通信部106から他装置へ推奨情報を伝送させる。
ここで、推奨情報を提示する他装置は、行動管理装置1と通信可能な電気機器(表示装置31やテレビ受像機33)3、あるいはネットワーク42に接続されている情報端末43などである。また、出力部105は、推奨情報をリアルタイムで他装置に提示させるだけでなく、例えば電子メールのように、推奨情報をサーバ等に一旦蓄積し、他装置が任意のタイミングで推奨情報を取得し提示するように構成されていてもよい。
推奨情報は、上述したように、ユーザの生活費用の変化に応じて実行すべき、または実行することが好ましい行動(推奨行動)をユーザに促す情報である。例えば、推奨情報は、「電力料金プランの変更を促すメッセージ」、「特定の電気機器の新規購入または買い替えを促すメッセージ」、「準備品の購入を促すメッセージ」、「省エネルギーに関するアドバイス」などである。
以下、具体例を用いて、出力部105が出力する推奨情報について説明する。
例えば、出力部105は、データ取得部101が施策情報として「電力料金プランの変更」を取得すると、情報取得部103は、この施策情報に対応する推奨情報「電力料金プランの変更を促すメッセージ」を記憶部102から取得する。そして、取得した推奨情報で推奨される推奨行動「電力料金プランの変更の手続き」の必要レベルが閾値以上である(比較的高い)と評価部104で評価されると、出力部105は、取得した推奨情報を出力する。一方、該推奨行動の必要レベルが閾値未満(比較的低い)と評価部104で評価されると、出力部105は、推奨情報の出力を行わない。
出力部105における出力処理のアルゴリズムについては後述する。
本実施形態では、出力部105は、評価部104の評価に基づいて、生活費用関連情報に対応する推奨情報を出力するか否かを決定したが、これに限定されない。
例えば、出力部105は、生活費用関連情報に対応する推奨情報を評価結果に関係なく出力し、出力の際に評価結果を併せて出力してもよい。
(6)通信部106
通信部106は、通信ユニット22、および電気機器3(HEMS対応機器を含む)を含む他装置との通信を行う通信機能を有している。
本実施形態では、通信部106は、少なくともネットワーク42に接続される第1通信インタフェースと、計測装置23に接続される第2通信インタフェースとを備えている。ここでは、通信部106は、第1通信インタフェースと第2通信インタフェースとで異なる通信方式を採用している。ただし、通信部106は、第1通信インタフェースと第2通信インタフェースとで共通の通信方式を採用してもよい。
1.2 情報取得部103の情報取得処理
以下に、情報取得部103における情報取得処理のアルゴリズムについて説明する。
情報取得部103は、データ取得部101で取得された生活関連情報に対応する推奨情報を、記憶部102から取得する。
以下、具体例を用いて説明する。
データ取得部101が生活費用関連情報として「売電価格の変更(値上げ)」を取得すると、情報取得部103は、「太陽光発電設備(太陽電池)の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を推奨情報として記憶部102から取得する。
データ取得部101が生活費用関連情報として「電力料金プランの変更」を取得すると、情報取得部103は、「電力料金プランの変更を促すメッセージ」を推奨情報として記憶部102から取得する。
また、データ取得部101が生活費用関連情報として「消費税率の変更(増税)」を取得した場合、消費税率の増加が導入される前に電気機器を購入したほうがユーザにとっては好ましい。このため、情報取得部103は、「電気機器の増税前の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を推奨情報として記憶部102から取得する。情報取得部103は、現在から消費税率の増加が導入される日前までの期間を購入タイミングとして定めて上記メッセージに含める。
データ取得部101が生活費用関連情報として「太陽光発電設備による発電電力の変化(推移)」を取得した場合、発電電力が一定期間変化していなければ、情報取得部103は、「太陽光発電設備の新規購入または買い替えを促すメッセージ」を推奨情報として記憶部102から取得する。
データ取得部101が生活費用関連情報として「蓄電池の価格の変化(推移)」を取得した場合、価格が変動していれば、情報取得部103は、施策情報「蓄電池の新規購入または買い替えを見合わせたほうがよい旨の注意喚起のメッセージ」を推奨情報として記憶部102から取得する。
なお、推奨情報が「電気機器の新規購入または買い替え」である場合には、情報取得部103は、他の装置から電気機器の価格の推移に関する情報を受け取り、受け取った価格の推移から、将来において電気機器が安くなる時期(新規購入または買い替え時期)を予測してもよい。この場合、出力部105は、新規購入または買い替え時期を含んだ推奨情報を出力する。
また、推奨情報が「電力料金プランの変更」である場合には、情報取得部103は、他の装置から電力料金プランについて新しいプランの実施時期を受け取り、将来において電力料金プランの変更時期を特定してもよい。この場合、出力部105は、電力料金プランの変更時期を含んだ推奨情報を出力する。
1.3 評価部104の評価処理
以下に、評価部104における評価処理のアルゴリズムについて説明する。
評価部104は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に対応付けられた推奨情報で推奨される推奨行動の必要レベルを評価する。
推奨行動の必要レベルは、上述したように、推奨行動の実行がユーザにとってどの程度必要であるかを表す評価指数である。
すなわち、推奨行動であってもユーザにとって必要のない(必要レベルが所定の閾値未満である)行動であれば、推奨行動をユーザに促す必要はない。そこで、本実施形態に係る行動管理装置1は、評価部104で推奨行動の必要レベルを評価した上で、推奨情報を出力するように構成されている。
本実施形態では、評価部104は、推奨行動の必要レベルを、複数段階(例えば10段階)で数値化して評価する。行動管理装置1は、所定の閾値と必要レベルの評価値とを比較し、必要レベルが閾値以上である場合にのみユーザの生活費用の変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力し、必要レベルが閾値未満である場合には推奨情報を出力しない。
評価部104は、例えばユーザが推奨行動を実行しない場合のリスクを表すリスク情報と、ユーザが推奨行動を実行した場合のメリットを表すメリット情報との少なくとも一方を用いて、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されている。
すなわち、推奨行動は実行しなければユーザが不利益を被る行動等であるから、ユーザが推奨行動を実行しない場合には、ユーザにとって何らかのリスク(不利益)を生じることがある。例えば推奨行動が「電気機器の新規購入または買い替え」である場合に、ユーザが推奨行動を実行しないことにより、ユーザが所持している電気機器が故障する可能性が高くなる、という情報がリスク情報であると仮定する。この場合、評価部104は、リスクが大きい(電気機器が故障する可能性が高い)ほど、「電気機器の新規購入または買い替え」という推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
また、推奨行動は実行することでユーザにメリットがある行動等であるから、ユーザが推奨行動を実行した場合には、ユーザにとって何らかのメリット(得)を生じることがある。例えば、生活費用関連情報が「電力料金プランの変更」であり、その生活費用関連情報に対する推奨行動が「電力料金プランの変更」であると仮定する。この場合、電力料金プランを変更することで、電力料金が安くなる。という情報がメリット情報である。
また、このようにリスク情報とメリット情報との少なくとも一方を用いて必要レベルを評価する構成の場合、評価部104は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭換算するように構成されていてもよい。つまり、評価部104は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭価値に換算した金額が大きいほど必要レベルが高くなるように、当該金額に応じて必要レベルを評価するように構成されていてもよい。
例えば、推奨行動が、「電力料金プランの変更」である場合、ユーザが現在契約している電力料金プランに基づいて支払う電気料金よりも、契約変更後の電力料金プランに基づいて支払う電気料金のほうが安いという情報がメリット情報であると仮定する。この場合、評価部104は、メリット情報を金銭価値に換算した金額(現在の支払い金額と契約変更後の支払い金額との差額)が大きいほど、「電力料金プランの変更」という推奨行動の必要レベルを高く評価する。
さらにまた、評価部104は、行動管理装置1とは異なる他装置から取得する情報であって複数のユーザの推奨行動に関する統計を表す統計情報を用いて、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されている。推奨行動の内容によっては、実行しない場合のリスクや、実行した場合のメリットがないこともある。このような行動であっても、他のユーザ(多数のユーザ)が実行している行動であればユーザにとって必要レベルが高い行動となり得ることがある。例えば、推奨行動が「電化製品の新規購入または買い替え」である場合に、評価部104は、他のユーザ(多数のユーザ)において推奨行動と同様の行動を行っている他のユーザが多いほど、該推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
ところで、評価部104は、上述した複数の情報(リスク情報、メリット情報、統計情報等)を用いることにより、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されていてもよい。例えば評価部104は、リスク情報およびメリット情報の各々を用いて推奨行動の必要レベルを評価し、これらの必要レベルの代表値を推奨行動の必要レベルとすることができる。ここでいう代表値は、最大値や平均値などである。代表値が最大値であれば、評価部104は、リスク情報を用いて評価した推奨行動の必要レベルと、メリット情報を用いて評価した推奨行動の必要レベルとのうち、大きいほうの値を用いて推奨行動の必要レベルが所定の条件を満たすか否かを判断することになる。
なお、上述した各種情報(リスク情報、メリット情報および統計情報)が、推奨情報で推奨される推奨行動について必要レベルを評価するための情報に相当している。
1.4 出力部105の出力処理
以下に、出力部105における出力処理のアルゴリズムについて説明する。
出力部105は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報と、評価部104の評価結果とを用いて推奨情報の出力を行うか否かを決定するように構成されている。具体的には、出力部105は、生活費用関連情報がデータ取得部101で取得され、且つ取得された生活費用関連情報に応じた推奨情報で表される推奨行動の必要レベルが高いと評価部104で評価された場合に、該推奨情報を出力するように構成されている。
出力部105は、情報取得部103が取得した推奨情報で推奨される推奨行動の必要レベルの評価が評価部104で行われると、その評価結果を用いて、推奨情報を出力するか否かを判断する。具体的には、出力部105は、推奨行動の必要レベルが高いと評価部104で評価された場合に、推奨情報を出力すると判断する。出力部105は、推奨行動の必要レベルが低いと評価部104で評価された場合に、推奨情報を出力しないと判断する。
出力部105は、推奨情報を出力すると判断した場合には、該推奨情報を出力する。なお、上述したように、情報取得部103で、新規購入または買い替え時期が予測されている場合には、出力部105は、予測された新規購入または買い替え時期を推奨情報に含めて出力する。
2 実施形態2
本実施形態の行動管理装置1は、住宅10外から送信された住宅外データを用いて出力すべき推奨情報を取得し、住宅内データを用いて、推奨情報で促される推奨行動の必要レベルを評価する。
以下、本実施形態では、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の行動管理装置は、図3に示すように、データ取得部101、記憶部102、情報取得部103、評価部104、出力部105および通信部106とともに、推測部107を備えている。
データ取得部101は、実施形態1で説明した機能に加えて、ユーザの生活環境に関連する住宅内データをユーザの住宅10内から取得するように構成されている。データ取得部101は、取得した住宅内データを記憶部102に記憶する。
記憶部102は、時系列に従ってユーザの生活環境に関連するデータを記憶する。記憶部102は、現時点から過去に遡った一定の期間(例えば、18ヶ月間)のデータを記憶する。
記憶部102は、さらに、過去または将来のユーザの生活パターンに変化が生じる複数の事象(複数の変化事象)を記憶する。ここで、変化事象とは、例えば「出産」、「共働き」、「結婚」、「電化製品の過度の使用」等である。
推測部107は、ユーザの生活環境に関連するデータを用いて、過去または将来のユーザの生活パターンの変化事象を推測するように構成されている。
推測部107は、データ取得部101で取得された各種データを用いて、ユーザの生活パターンに変化が生じる事象を推測する。
具体的には、推測部107は、ユーザの生活環境に関連するデータとして、ユーザの住宅10内で取得される住宅内データを用いて変化事象を推測する。住宅内データとは、例えば、住宅10内で発生するデータ、およびユーザにて生成されるデータといった、ユーザが直接または間接的に関与して発生した(生成された)データである。具体的には、計測装置23で計測された電力値、電気機器3から得られるデータ、および情報端末43でユーザにより入力されたデータである。
情報取得部103は、実施形態1と同様に、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に応じた推奨情報を記憶部102から取得する。
評価部104は、情報取得部103で取得された推奨情報で推奨される推奨行動の必要の程度を表す必要レベルを、住宅内データを用いて評価するように構成されている。
以下、データ取得部101が行う取得について、具体例を用いて説明する。
データ取得部101は、少なくとも機器データ、入力データおよび会話データの3種類の住宅内データを取得可能に構成されている。
ここで、機器データは、住宅10に設けられた電気機器3のオンオフを含むデータ、電気機器3で消費される電力の大きさを含むデータのうち少なくとも1つである電力使用量情報を含んだデータである。例えば、電力使用量情報は、電気機器3が運転中(オン)であるか、停止中(オフ)であるかを表すオンオフ情報と、電気機器3の消費電力の大きさを表す電力情報との両方を含んでいる。
データ取得部101は、行動管理装置1と電気機器3との間で通信を行うことによりオンオフ情報を取得し、電力情報については計測装置23から取得することにより、機器データを取得する。
データ取得部101は、取得した機器データを、該機器データの取得された日時を表す情報に対応付けて記憶部102に記憶する。
さらに、本実施形態では、行動管理装置1は電気機器3との通信により電気機器3から取得可能な種々の情報についても、機器データに含めてデータ取得部101により取得する。通信により電気機器3から取得可能な情報としては、例えばエアコン32であれば設定温度、テレビ受像機33であれば視聴した番組、洗濯機34であれば洗濯物の量等の情報がある。
入力データは、情報端末43で入力されたデータであり、例えばユーザの家族のライフプランを表すデータ(プランデータ)である。プランデータは、ユーザの住宅10内で生活する家族の構成に関する家族構成情報であり、家族に属する人ごとの年齢を表す年齢情報が含まれている。年齢情報とは、例えば生年月日である。また、家族構成情報には、出産計画を含めてもよい。行動管理装置1は、例えば家族に子供が含まれている場合には、その子供の年齢情報を用いて、何年後に小学校入学、卒業、中学校入学、卒業等のライフプランを検出することができる。なお、入力データは、情報端末43で入力されるとしたが、これに限定されない。行動管理装置1はキーボード等の入力部を備え、ユーザは入力部を用いて、入力データを操作入力してもよい。ここで、情報端末43および入力部の少なくとも1つが操作部に相当する。すなわち、家族構成情報は、ユーザが操作部から入力した情報である。
また、データ取得部101は、上述した全ての機能を含む必要はない。データ取得部101は、上述した機能のうち少なくとも1つ機能を含んでいればよい。
以下に、推測部107における推測処理のアルゴリズムについて説明する。
推測部107は、データ取得部101で取得された住宅内データを用いて、ユーザの生活パターンの変化事象を推測する。ここでいう住宅内データは、機器データ、入力データおよび会話データ等である。
具体的には、推測部107は、住宅内データに基づいて、ユーザがとり得る行動について予め定められた特定行動を行う時間帯、ユーザの趣向に基づく行動、ユーザの人生におけるイベントの少なくとも1つに関する変化を、変化事象として推測する。ここで、ユーザの特定行動を行う時間帯に関する変化とは、例えば「共働き」、「夜間勤務」、「夜型の生活に変更した」等が相当する。また、ユーザの趣向に基づく行動に関する変化とは、例えば「電化製品の過度の使用」、「入浴の長時間化」等が相当する。また、ユーザの人生におけるイベントに関する変化とは、例えば「家族構成の変化(出産等)」、「子供入学」等が相当する。
一例として、推測部107は、機器データの変化パターンから変化事象を推測する。例えば、推測部107は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部101が取得した機器データを用いて、平日昼間の時間帯における電気機器3の使用の変化を検出する。例えば、推測部107は、機器データに含まれるオンオフ情報から平日昼間の時間帯に電気機器3の使用が継続して検出されていたが、ある日を境に、オンオフ情報から平日昼間の時間帯に電気機器3の使用が検出されなくなったと仮定する。
この場合、推測部107は、平日昼間の時間帯において、電気機器3を使用していた生活パターンから不使用となる生活パターンへと変化したことを検出する。推測部107は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として、「共働き」を推測する。通常、夫および妻の一方が出勤し、他方が平日昼間に住宅に居る場合、平日昼間のエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせは使用される。一方、共働きの場合には、平日昼間のエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせは使用されなくなる。そのため、第1期間での平日昼間のエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせの使用が検出され、第2期間では検出されない場合には、推測部107は、共働きという変化事象を推測することができる。
なお、推測部107は、平日夜間の時間帯において、電気機器3の不使用である生活パターンから、平日昼間の時間帯に使用する生活パターンへと変化したことを検出することによって、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として、「夜間勤務」を推測することができる。
次に、機器データに含まれる電力情報を用いた推測について説明する。
この場合、「オンオフ情報」を用いた推測と同様に、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部101が取得した機器データに含まれる電力情報を用いて、平日昼間の時間帯における電気機器3の使用を検出する。
例えば、推測部107は、電気機器3で消費されている電力量が待機電力量より大きいパターンが検出され、ある日を境に、電気機器3の待機電力量のみのパターンが検出されたと仮定する。
この場合、推測部107は、平日昼間の時間帯において、電気機器3を使用していた生活パターンから不使用となる生活パターンへと変化したことを検出する。推測部107は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として、「共働き」を推測する。
また、推測部107は、夜間の時間帯に取得された電力情報から、例えば「夜間勤務」を検出することができる。
また、別の例として、推測部107は、住宅10内に設置された複数の電気機器3を使用する時間帯における電力使用量の増減を分析して変化事象を推測する。具体的には、推測部107は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部101が取得した、複数の電気機器3それぞれの機器データを用いて、所定の期間における電力使用量の合計の推移を抽出する。推測部107は、電力使用量の推移から電力使用量の増減の傾向を分析する。例えば、第1時間帯を7:00〜22:00とし、第2時間帯を22:00〜7:00とする。推測部107は、所定の期間において、第1時間帯では電力使用量の多く、第2時間帯では少ない状態で電力使用量が推移していたが、その後日が経過するにつれて第2時間帯での電力使用量が多く、第1時間帯では少なくなったと仮定する。この場合、推測部107は、住宅10内で生活するユーザは「夜型の生活に変更した」という、特定行動を行う時間帯に関する変化事象を推測する。
なお、推測部107は、機器データについて変化後の生活パターンが予め定められた期間(例えば1ヶ月間)継続しているかを判断することが好ましい。
ここで、行動管理装置1の動作の具体例について図4を参照して説明する。図4は、平日昼間の時間帯に電気機器3(例えばエアコン32)の使用を検出したことを模式的に表している。図4では横軸を時間軸とし、時間軸上の黒丸印は、第1機器データのパターンからエアコン32の使用が検出されたことを表している。
推測部107は、第1期間T1で平日昼間の時間帯にエアコン32の使用を検出し、第2期間T2では平日昼間の時間帯にエアコン32の使用を検出しない。これにより、推測部107は、第1期間T1と第2期間T2とで、平日昼間の時間帯での生活パターンが変化していることを検出することができる。この検出結果に基づいて、または、この検出結果と他の情報とに基づいて、推測部107は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として「共働き」を検出する。
また、推測部107は、特定の電気機器の電力使用量が増加しているという分析結果を得た場合、ユーザの趣向に基づく行動の変化に関する変化事象であって現在の変化事象または将来起こりうる変化事象として「電化製品の過度の使用」を検出してもよい。ここで、電化製品の過度の使用とは、電化製品(電気機器3)の1日の電力使用量、増加傾向となる前と比較して2倍以上となることをいう。なお、この数値は一例であり、他の数値であってもよい。
また、推測部107は、例えば、風呂場に設けられた電気機器3(例えば照明機器)の電力使用量の推移から電力使用量が増加傾向であることを抽出し、「入浴の長時間化」という分析結果を得ることができる。推測部107は、この場合、趣向に基づく行動に関する変化事象として「入浴の長時間化」を検出する。
また、推測部107は、電力使用量の増減の分析について、上述した全ての機能を含む必要はない。データ取得部101は、上述した機能のうち少なくとも1つ機能を含んでいればよい。また、上述した機能を組み合わせて、変化事象を検出してもよい。上述した機能を組み合わせることで、推測部107は、例えば、子供部屋(特定の場所)でエアコン32(特定の電気機器3)が深夜の時間帯に多く使用されていることを、変化事象として検出することができる。
なお、推測部107は、第2機器データを用いて電力使用量の増減の変化が生じてから予め定められた期間(例えば1ヶ月間)継続しているかを判断することが好ましい。
また、推測部107は、電力使用量情報を用いて住宅10内で生活する人数の増減を分析して、変化事象を推測することが好ましい。
例えば、推測部107は、電力使用量情報から得られる電力使用量の増減に基づいて、平日昼間において住宅10内で生活する人数の増減の分析を行う。例えば、電力使用量が減少している場合には、平日昼間の時間帯において住宅10内で生活する人数は減少しているという分析結果を得る。この場合、推測部107は、変化事象として「共働き」を推測する。
また、推測部107は、データ取得部101が取得した家族構成情報に含まれる年齢情報を用いて、人生におけるイベントに関する将来の変化事象(「子供の入学」、「出産」)を推測してもよい。
以上説明したように、行動管理装置1は、住宅内データを用いて、ユーザの特定行動を行う時間帯、ユーザの趣向に基づく行動、ユーザの人生のイベントの少なくとも1つに関する変化を、生活パターンの変化事象として推測することができる。
また、推測部107は、機器データとプランデータとの双方を用いて、将来の電力使用量を分析して、変化事象を推測することが好ましい。
具体的には、推測部107は、機器データを用いて現在の電力使用量を検出する。推測部107は、現在までの電力使用量と、家族構成情報とから将来の電力使用量の増減を分析する。
以下、評価部104が行う評価について、具体例を用いて説明する。
まず、情報取得部103で取得された推奨情報が「電力料金プランの変更」である場合について説明する。ユーザが夜型の生活を送っている場合、すなわち、ユーザの電力使用の主な時間帯が夜である場合、夜の電力料金が安い電力料金プランがユーザにとって好ましい。このため、推測部107が変化事象として「夜型の生活に変更」を検出すると、ユーザのライフスタイルに合った料金体系で契約することが望ましく、電力料金プランを変更することでユーザにメリットがあるから、評価部104は、「電力料金プランの変更」の推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
例えば、評価部104は、現在契約中の電力料金プランを基に現在の電力使用量を金銭価値(第1金銭価値)に換算する。評価部104は、新しい電力料金プランを基に現在の電力使用量を金銭価値(第2金銭価値)に換算する。評価部104は、第1金銭価値から第2金銭価値を減算し、減算結果の値が大きいほど推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
続いて、情報取得部103で取得された推奨情報が「電力料金プランの変更」である場合について説明する。推測部107が電力使用量の増減に基づいて平日昼間において住宅10内で生活する人数の増減の分析から変化事象として「共働き」を推測すると、評価部104は、新しい電力料金プランのほうがユーザにとってメリットがある場合、「電力料金プランの変更」の推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
次に、データ取得部101で取得された特定機器情報(生活費用関連情報)が「蓄電池の価格の変化」であり、かつ、情報取得部103で取得された推奨情報が「蓄電池の新規購入または買い替え」である場合について説明する。ユーザが夜型の生活を送っている場合、すなわち、電力使用の時間帯が夜である場合、昼に太陽光発電設備の発電電力を蓄電池が充電し、夜に蓄電池から放電させることによって、電力料金を低減させることができる。このため、推測部107が変化事象として「夜型の生活に変更」を検出すると、蓄電池の新規購入または買い替えは、ユーザにとってメリットがあるから、評価部104は、「蓄電池の新規購入または買い替え」の推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
3 実施形態3
本実施形態に係る行動管理装置1は、図5に示すように、ローカル装置(第1装置)200と、センタ装置(第2装置)210とに分かれている点で、実施形態2に係る行動管理装置1と相違する。ローカル装置200とセンタ装置210とは、ネットワーク42を介して通信可能に構成されている。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態において、ローカル装置200は、例えば実施形態2の行動管理装置1と同様に住宅10(図2参照)内に設置され、インターネットなどのネットワーク42に接続される装置である。ローカル装置200は、データ取得部101、出力部105、第1記憶部201および第1通信部202を備えている。
第1記憶部201は、実施形態2の行動管理装置1における記憶部102と同様に機能する。
第1通信部202は実施形態1の行動管理装置1における通信部106と同様に機能する。したがって、ローカル装置200は、推測部107、情報取得部103および評価部104がないものの、それ以外の機能については実施形態2の行動管理装置1と同等の機能を実現する。
一方、センタ装置210は、例えば住宅10外に設置されたサーバ等のコンピュータであって、ネットワーク42に接続されている。センタ装置210は、推測部107、情報取得部103、評価部104、第2記憶部211および第2通信部212を備えている。
第2記憶部211は、ローカル装置200の第1記憶部201と同期し、実施形態1の行動管理装置1における記憶部102と同様に機能する。
第2通信部212は、ローカル装置200の第1通信部202とネットワーク42を介して通信可能に構成されている。したがって、センタ装置210は、ローカル装置200と通信することにより、ローカル装置200と協働して実施形態1の行動管理装置1と同等の機能を実現する。
なお、図5の例では、1台のセンタ装置210に1台のローカル装置200が接続されている構成を示しているが、この例に限らず、1台のセンタ装置210に複数台のローカル装置200が接続されていてもよい。
また、センタ装置210は、サーバ等のコンピュータに限らず、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。センタ装置210が、CPUおよびメモリを有するコンピュータである場合、メモリに格納されたプログラムを実行することにより、センタ装置210としての機能を実現する。ここでいうプログラムは、コンピュータをセンタ装置210として機能させるプログラムである。
以上説明した本実施形態の構成によれば、行動管理装置1は、少なくとも変化事象を検出する推測部107の処理については、ローカル装置200でなくセンタ装置210で行うことになるので、ローカル装置200の処理負荷を低減することが可能である。すなわち、行動管理装置1は、複数の機能を2以上の装置に分散して担わせることにより、全ての機能を1つの筐体内に収めた装置に担わせる場合に比べて、1つの装置当たりの処理負荷を低減することができる。
また、ローカル装置200およびセンタ装置210の各々の構成は、図5の例に限らず、例えば出力部105がセンタ装置210に設けられていてもよい。ただし、行動管理装置1の中では、推測部107や情報取得部103や評価部104の処理負荷は比較的大きい。そのため、ローカル装置200の処理負荷を低減するように、推測部107、情報取得部103および評価部104の少なくとも一つ、あるいは各々の一部の機能はセンタ装置210に設けられることが好ましい。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
4 変形例
本発明は、上述した各実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態1または実施形態2では、記憶部102は、行動管理装置1に備えられているとしたが、これに限定されない。
記憶部102は、行動管理装置1とは異なる装置(外部装置)に設けられていてもよい。
この場合、行動管理装置1は、外部装置と通信を行うことで、例えば推奨情報を外部装置から受け取る。
(2)上記各実施形態では、行動管理装置1は行動の主体を区別していないが、行動管理装置1は行動の主体を区別するように構成されていてもよい。上述のように住宅10の住人として夫、妻を少なくとも含む家族を想定している場合、行動管理装置1は、これらのうち誰が行動の主体となるかを区別する。
この変形例においては、行動管理装置1は、推奨情報の出力について、各々を対象に個別に行うことになる。例えば、ある生活費用関連情報を取得した場合、行動管理装置1は、夫に対して推奨情報を出力し、妻に対しては出力しない。
(3)上記各実施形態の出力部105は、推奨情報の内容に応じて、該推奨情報を出力するタイミングを変更する機能を備えるように構成されてもよい。
具体的には、出力部105は、推奨情報が「電力料金プランの変更を促すメッセージ」である場合には、夫婦が揃って在宅する曜日(例えば、土曜日、または日曜日)に、推奨情報(例えば「電力料金プランの変更」を推奨行動とする情報)を出力する。このように、推奨情報で推奨される推奨行動を行う者全員が在宅しているときに、推奨情報を出力することで、行動管理装置1は、推奨行動を行う者全員に対して推奨行動を意識付けることができる。
(4)上記各実施形態の出力部105は、推奨情報で推奨される推奨行動に応じて、該推奨情報を出力するタイミングを変更する機能を備えるように構成されてもよい。
具体的には、出力部105は、推奨情報で推奨される推奨行動が「太陽光発電設備の新規購入または買い替え」である場合、所定期間において割引セールがあるとき、該所定期間前に、該推奨情報を出力する。
(5)上記実施形態2または実施形態3の行動管理装置1は、住宅10内に設置された他の装置から会話データを受け取り、会話データから変化事象を推測してもよい。ここで、会話データは、ユーザの音声から認識されるデータであって、ユーザの会話の内容を表している。
この場合、データ取得部101は、行動管理装置1と他の装置との間で通信を行うことにより会話データを取得する。データ取得部101は、取得した会話データを、会話データの取得された日時を表す情報に対応付けて記憶部102に記憶する。
推測部107は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)での会話データから会話の内容を抽出し、会話の内容からパターンの変化を検出する。例えば、推測部107は、会話データから赤ちゃんの泣き声を抽出していなかったが、ある日を境に、会話データから赤ちゃんの泣き声を抽出したと仮定する。この場合、推測部107は、変化事象として「出産」を推測する。
なお、推測部107は、会話データの変化を検出するだけでなく、変化後のパターンが予め定められた期間(例えば1ヶ月間)継続しているかを判断することが好ましい。
(6)上記実施形態および変形例を組み合わせてもよい。
5 まとめ
以上説明したように、本願の行動管理装置1は、データ取得部101と、出力部105とを備える。データ取得部101は、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報、およびユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3についての特定機器情報の少なくとも一方を含む生活費用関連情報を取得する。出力部105は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に対応する情報であって、ユーザの生活費用の変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力する。
この構成によると、行動管理装置1は、生活費用関連情報に対応する推奨情報を出力し、生活費用の変化に応じた行動をユーザに促すことができる。そのため、ユーザは、生活費用の変化に応じて実行すべき行動、または実行することが好ましい行動を実行することができる。
ここで、行動管理装置1は、評価部104をさらに備えることが好ましい。評価部104は、推奨情報で促される行動に対して、ユーザにとっての必要の程度を表す必要レベルを評価する。出力部105は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報と評価部104の評価結果とを用いて、推奨情報を出力するように構成されていることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、推奨情報で促される行動に対する必要レベルの評価に基づいて、推奨情報を出力することができる。
ここで、評価部104は、リスク情報と、メリット情報との少なくとも一方を用いて、必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。リスク情報は、推奨情報で促される行動をユーザが実行しない場合のリスクを表す情報である。メリット情報は、推奨情報で促される行動をユーザが実行した場合のメリットを表す情報である。
この構成によると、行動管理装置1は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を用いて、推奨情報で促される行動の必要レベルを評価することができる。例えば、行動管理装置1は、リスクが高い場合またはメリットが高い場合に推奨情報を出力し、リスクが低い場合またはメリットが低い場合に推奨情報を出力しないようにすることができる。
ここで、評価部104は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭価値に換算した金額が大きいほど必要レベルが高くなるように、当該金額に応じて必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭価値に換算した金額を基に、推奨情報で促される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、評価部104は、他装置から取得する情報であって複数のユーザの推奨情報で促される行動に関する統計を表す統計情報を用いて、必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、統計情報を用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。例えば、行動管理装置1は、複数のユーザが実行しているような行動が実行されなかった場合に推奨情報を出力するので、ユーザにとって有用な推奨情報を出力することができる。
ここで、施策情報は、電力料金に関する情報であり、買電価格の変更、売電価格の変更、電力料金プランの変更の少なくとも1つを含むことが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、買電価格の変更、売電価格の変更、電力料金プランの変更の少なくとも1つを用いて、それに対応する推奨情報を出力することができる。
ここで、特定機器情報は、特定の電気機器3の性能の変化を表す性能変化情報、特定の電気機器3の価格の変化を表す価格変化情報の少なくとも一方を含むことが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、特定の電気機器3の性能の変化を表す性能変化情報、特定の電気機器3の価格を表す価格変化情報の少なくとも一方を用いて、それに対応する推奨情報を出力することができる。例えば、特定の電気機器3の性能の変化が小さくなった場合、または、特定の電気機器3の価格の変化が小さくなった場合に、行動管理装置1は、特定の電気機器3の購入または買い替えをユーザに促すことができる。
ここで、性能変化情報は、特定の電気機器3の効率の変化を表す機器効率情報、特定の電気機器3の消費電力の変化を表す消費電力情報の少なくとも一方の情報であることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、機器効率情報、消費電力情報の少なくとも一方を用いて、それに対応する推奨情報を出力することができる。例えば、特定の電気機器3の効率の変化が小さくなった場合、または、特定の電気機器3の消費電力の変化が小さくなった場合に、行動管理装置1は、特定の電気機器3の購入または買い替えをユーザに促すことができる。
ここで、推奨情報は、電力料金プランの変更に関する情報およびユーザの住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方であることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力料金プランの変更に関する情報および住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方を推奨情報として出力することができる。
ここで、推奨情報は、電力料金プランの変更に関する情報およびユーザの住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方であり、変更または購入の時期を含むことが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力料金プランの変更に関する情報および住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方を推奨情報として、変更または購入の時期とともに出力することができる。
ここで、データ取得部101は、更に、ユーザの生活環境に関連する住宅内データをユーザの住宅10内から取得することが好ましい。評価部104は、住宅内データに基づいて、必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、住宅内データを用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、データ取得部101は、住宅内データとして、住宅10に設けられた電気機器3のオンオフを含むデータ、電気機器3で消費されている電力の大きさを含むデータのうち少なくとも1つである電力使用量情報を取得することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力使用量情報を用いて、必要レベルを評価することができる。
ここで、評価部104は、住宅内データから得られる電力使用量の増減から住宅10内で生活する人数の増減を分析して、必要レベルを評価することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、住宅10内で生活する人数の増減に基づいて、必要レベルを評価することができる。
ここで、データ取得部101は、住宅内データとして、住宅10内で生活する家族の構成に関しユーザが操作部から入力した家族構成情報であり、年齢情報を含むデータを取得することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、家族構成情報を基に、必要レベルを評価することができる。
ここで、データ取得部101は、住宅内データとして、将来の出産計画を含む家族構成情報を取得することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、将来の出産計画を基に、必要レベルを評価することができる。
また、本願の行動管理方法は、データ取得処理と、出力処理とを含む。データ取得処理は、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報、およびユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3についての特定機器情報の少なくとも一方を含む生活費用関連情報を取得する処理である。出力処理は、データ取得処理で取得された生活費用関連情報に対応する情報であって、ユーザの生活費用の変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力する処理である。
この方法によれば、生活費用関連情報に対応する推奨情報が出力され、生活費用の変化に応じた行動を促す情報をユーザに与えることができる。そして、ユーザは、生活費用の変化に応じて実行すべき行動、または実行することが好ましい行動を実行することができる。
また、本願のプログラムは、コンピュータを、データ取得部101および出力部105として機能させるためのプログラムである。データ取得部101は、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報、およびユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3についての特定機器情報の少なくとも一方を含む生活費用関連情報を取得する。出力部105は、データ取得部101で取得された生活費用関連情報に対応する情報であって、ユーザの生活費用の変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力する。
この構成によれば、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを備えたコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより、行動管理装置1を容易に実現することができる。その結果、生活費用管理情報に対応する推奨情報を出力し、生活費用の変化に応じた行動をユーザに促すことができる。そのため、ユーザは、生活費用の変化に応じて実行すべき行動、または実行することが好ましい行動を実行することができる。