JP5983345B2 - 車両用ルーフのレーザロウ付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ルーフのレーザロウ付け方法に関する。
車両用のルーフパネルにおける車体幅方向の両端部とサイドアウタパネルにおけるルーフサイドレールアウタ部とを接合した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような接合には、例えば、レーザを用いた溶接又はロウ付けが適用される場合がある。
特許第3644290号公報
しかしながら、レーザを用いたロウ付けでは、ルーフパネルの湾曲形状に応じた条件設定がなされないと、ロウ付け品質にばらつきが生じる可能性があり、この点で改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、ルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部のロウ付け品質を安定させることができる車両用ルーフのレーザロウ付け方法を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両用ルーフのレーザロウ付け方法は、車体側面視で車体上方側へ凸状に湾曲したルーフパネルの車体幅方向外側端部において車体下方側へ曲げられた部位と、サイドアウタパネルの上端部の車体幅方向内側端部において車体下方側へ曲げられた部位と、によって車体正面視でV字状の溝部を形成するように前記ルーフパネルと前記サイドアウタパネルとを配置する第一工程と、前記溝部の内面に対して、車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ順次連続してワイヤ状のロウ材を供給しつつレーザ光を照射し、かつレーザ光の照射軸方向を車体下方へ向けて前記車体前後方向の一方側に傾斜させると共に車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度を徐々に大きくする第二工程と、を有する。
請求項1に記載する本発明の車両用ルーフのレーザロウ付け方法によれば、第一工程では、車体側面視で車体上方側へ凸状に湾曲したルーフパネルの車体幅方向外側端部において車体下方側へ曲げられた部位と、サイドアウタパネルの上端部の車体幅方向内側端部において車体下方側へ曲げられた部位と、によって車体正面視でV字状の溝部を形成するようにルーフパネルとサイドアウタパネルとを配置する。第二工程では、溝部の内面に対して、車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ順次連続してワイヤ状のロウ材を供給しつつレーザ光を照射し、かつレーザ光の照射軸方向を車体下方へ向けて車体前後方向の一方側に傾斜させると共に車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度を徐々に大きくする。なお、鉛直方向とは、重力の方向を意味する。
ここで、第二工程においてレーザ光が照射されたワイヤ状のロウ材は、供給側の移動供給に伴って発生する慣性力によって車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ移動しようとすると共に、自重(ロウ材に作用する重力)の分力によって移動しようとする。但し、車体側面視でのルーフパネルの湾曲の程度は基本的にはさほど大きくないので、この自重の分力は、慣性力よりも小さい力となる。このことより、慣性力及び自重の分力の二つの力のみで考えると、自重の分力の向きにかかわらず、レーザ光が照射されたロウ材は、溝部のいずれの部位においても車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ移動しようとする。そして、仮に、レーザ光が照射されたロウ材が、供給された位置に止まらずに車体前後方向の他方側へ移動してしまうと、車体前後方向の他方側へ行くほどロウ材の量が多くなり、品質が悪くなってしまう。
しかし、第二工程では、レーザ光の照射軸方向を車体下方へ向けて車体前後方向の一方側に傾斜させることで、レーザ光によってロウ材を噴き出させる力が、慣性力の向きとは反対方向に作用する。このため、溶融状態にあるロウ材の車体前後方向の他方側への移動が抑えられる。
また、レーザ光が照射されたロウ材には、車体前後方向の一方側の上り勾配では、慣性力とは反対方向の自重の分力が作用し、車体前後方向の他方側の下り勾配では、慣性力と同じ方向の自重の分力が作用する。このため、慣性力及び自重の分力の二つの力のみで考えると、レーザ光が照射されたロウ材を車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ移動させようとする力は、車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ向かうに従って大きくなる。
しかし、第二工程では、車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度を徐々に大きくすることで、慣性力とは反対方向に作用するロウ材を噴き出させる力を、車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ向かうに従って徐々に大きくしている。このため、溶融状態にあるロウ材を車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ移動させようとする力が効果的に抑えられ、ロウ材の量が溝部の全長に亘って均一又はほぼ均一になる。
請求項2に記載する本発明の車両用ルーフのレーザロウ付け方法は、請求項1記載の構成において、前記第二工程では、車体正面視で、溶融前の前記ロウ材と前記ルーフパネルとの接点における第一接線と、溶融前の前記ロウ材と前記サイドアウタパネルとの接点における第二接線と、の成す角の二等分線上にレーザ光の照射軸を位置させている。
請求項2に記載する本発明の車両用ルーフのレーザロウ付け方法によれば、第二工程では、車体正面視で、溶融前のロウ材とルーフパネルとの接点における第一接線と、溶融前のロウ材とサイドアウタパネルとの接点における第二接線と、の成す角の二等分線上にレーザ光の照射軸を位置させている。このため、ロウ材とその両側の溝部の内面は、レーザ光によってバランス良く加熱される。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両用ルーフのレーザロウ付け方法によれば、ルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部のロウ付け品質を安定させることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両用ルーフのレーザロウ付け方法によれば、ルーフパネルとサイドアウタパネルとの接合部のロウ付け品質を向上させることができるという優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法によりロウ付けされた車体を示す斜視図である。 図1の2−2線に沿った拡大断面図である。 車体側面及びレーザロウ付け時におけるレーザトーチの傾きを示す側面図である。 レーザロウ付け時におけるレーザトーチの傾きを示す車体正面視の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法に用いられるレーザロウ付け装置の概略構成を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法(レーザブレージング方法)について図1〜図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車体前方側を示しており、矢印UPは車体上方側を示しており、矢印INは車体幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法によりロウ付けされた車体10が示されている。また、図2には、図1の2−2線に沿った拡大断面図が示されている。まず、本実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法によりロウ付けされた車体10について説明する。
(ロウ付けされた車体の概要)
図1に示されるように、車体10は、ルーフパネル14を備えている。ルーフパネル14は、キャビン12の上端部を構成する車体上部10Aの最外側に配置されている。ルーフパネル14は、車体側面視で車体上方側へ凸状に緩やかに湾曲している。図2に示されるように、ルーフパネル14の車体幅方向外側端部には、車体下方側へ曲げられて車体下方へ向けて車体幅方向内側に傾斜した傾斜壁部14Aが形成されている。
図1に示されるように、ルーフパネル14の車体幅方向外側には、左右一対のサイドアウタパネル16の上端部が配置されている。このサイドアウタパネル16は、車体側部10Bに配置されている。図2に示されるように、サイドアウタパネル16の上端部には、車体上方斜め車体幅方向外側に膨出した開断面形状の膨出部20が形成されている。膨出部20の内側には、ルーフサイドレール24が車体前後方向を長手方向として配置されている。
ルーフサイドレール24は、車体上部10Aの両サイドに配置され、車室内側に配置されるインナパネル26と、車室外側に配置されるアウタパネル28と、とを含んで閉断面構造に形成されている。インナパネル26は、車体正面視で僅かに車体幅方向内側に凸状とされて車体幅方向外側に開口した開断面形状の凸部26Bを備えると共に、上フランジ部26A及び下フランジ部26Cを備えている。上フランジ部26Aは、凸部26Bの上端から車体幅方向内側へ曲げられて延出されており、下フランジ部26Cは、凸部26Bの下端から曲げられて車体下方へ向けて車体幅方向外側に若干傾斜するように延出されている。アウタパネル28は、車体正面視で車体幅方向外側に凸状とされて車体幅方向内側に開口した開断面形状の凸部28Bを備えると共に、上フランジ部28A及び下フランジ部28Cを備えている。上フランジ部28Aは、凸部28Bの車体幅方向内側端から僅かにクランク状に曲げられて車体幅方向内側へ延出されており、下フランジ部28Cは、凸部28Bの下端から曲げられて車体下方へ向けて車体幅方向外側に若干傾斜するように延出されている。
ルーフサイドレール24は、インナパネル26の上フランジ部26Aとアウタパネル28の上フランジ部28Aとが接合されると共にインナパネル26の下フランジ部26Cとアウタパネル28の下フランジ部28Cとが接合されている。これにより、ルーフサイドレール24は、閉断面構造に形成されている。
これに対して、サイドアウタパネル16は、膨出部20の下端から曲げられて車体下方へ向けて車体幅方向外側に傾斜する下フランジ部22がルーフサイドレール24の下フランジ部26C、28Cの車体幅方向外側に重ね合わせられて接合されている。また、サイドアウタパネル16は、膨出部20の車体幅方向内側端から曲げられて車体幅方向内側へ延出された上フランジ部18がルーフサイドレール24の上フランジ部26A、28Aの車体上方側に重ね合わせられて接合されている。
また、サイドアウタパネル16の膨出部20には、その上端側かつ車体幅方向内側において車体下方側へ曲げられて車体下方へ向けて車体幅方向内側に傾斜した傾斜壁部20Aが形成されている。そして、ルーフパネル14の傾斜壁部14Aとサイドアウタパネル16の傾斜壁部20Aとは、車体正面視でV字状の溝部30を形成するように配置され、互いにロウ付けされている。ルーフパネル14の傾斜壁部14Aとサイドアウタパネル16の傾斜壁部20Aとを接合するロウ材32は、金属材料(本実施形態では一例として銅合金)からなり、V字状の溝部30の内側に配置されている。また、本実施形態では、ルーフパネル14は、概ね傾斜壁部14Aの上部のR状の湾曲部がロウ付け対象とされている。
なお、このようにルーフパネル14とサイドアウタパネル16との間に矩形状の所謂モヒカン溝部が形成されずかつモールが配置されない構造は、モールレス構造と呼ばれることがある。このようなモールレス構造は、モヒカン溝部にモールが配置された構造に比べて、すっきりした外観によって商品性が高く、部品点数の減少に伴ってコストが低減されるうえ、モール廃止に伴って組付工程及び塗装・シーラ工程も削減できる。
(レーザロウ付け装置の概要)
次に、ルーフパネル14の傾斜壁部14Aとサイドアウタパネル16の傾斜壁部20Aとをロウ付けするためのレーザロウ付け装置について簡単に説明する。図5には、本実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法に用いられるレーザロウ付け装置40の概略構成が斜視図にて示されている。
図5に示されるように、レーザロウ付け装置40は、レーザトーチ42を備えている。レーザトーチ42は、図示しない光ファイバを介して図示しないレーザ発振器に接続されており、前記レーザ発振器で発振されたレーザ光Lを照射する投光部42Aを備えている。投光部42Aから照射されるレーザ光Lの焦点径(直径)は、ロウ材32の直径よりも大きく設定されている。レーザトーチ42は、図示しない移動機構によって上下前後左右に移動可能とされると共に、図示しない傾倒機構によって前後左右への傾倒角度を設定できるようになっている。
なお、本実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法にレーザロウ付け装置40を用いる場合、レーザトーチ42は、前記移動機構によって図中の左側から右側へ移動する(矢印C方向参照)。また、この場合、レーザトーチ42は、レーザ光Lの照射軸方向を図中の下方へ向けて図中の左側に傾斜させるように前記傾倒機構によって傾倒の設定がなされると共に、図中の紙面に垂直な方向にも所定角度で傾倒の設定がなされる(詳細後述)。なお、レーザ光Lの照射軸方向とは、レーザ光Lの照射軸CLの延在方向である。
また、レーザトーチ42の側部にはダンパ44が取り付けられている。ダンパ44には、支持部材46を介して、ロウ材供給ガイド48及びガスノズル50が取り付けられている。支持部材46は、ダンパ44によって図5の下方向に付勢されつつ、ダンパ44に対して図5の上下方向に相対移動可能に取り付けられている。
支持部材46の下端部に固定されたロウ材供給ガイド48は、図示しないロウ材供給装置から供給されるワイヤ状のロウ材32を通過させて照射位置の方向に案内する。また、支持部材46の下端部に固定されたガスノズル50は、ホース52を介してガス供給源に接続されており、前記ガス供給源から供給される冷却ガスを照射位置の近傍に供給可能となっている。さらに、ダンパ44は、ロウ材32によるロウ付け対象Xへ押圧力が所定値以上の場合に支持部材46の図5の上方側への変位を許容して過大な押圧力を吸収する構造になっている。また、レーザロウ付け装置40は、ワイヤ状のロウ材32をロウ付け対象Xの所定位置に供給するために、図示しない倣い機構を備えており、ヘッド部分が首振り可能となっている。
(車両用ルーフのレーザロウ付け方法及び作用・効果)
次に、本実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法について説明しながら本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、第一工程では、図2に示されるルーフパネル14の車体幅方向外側端部において車体下方側へ曲げられた傾斜壁部14Aと、サイドアウタパネル16の上端部の車体幅方向内側端部において車体下方側へ曲げられた傾斜壁部20Aと、によって車体正面視でV字状の溝部30を形成するようにルーフパネル14とサイドアウタパネル16とを配置する。なお、図2は、レーザロウ付け後の状態を示しているため、溝部30の内側にロウ材32が配置されているが、第一工程後で第二工程前においては、この図2からロウ材32を除いた状態になっている。
次に、第二工程では、溝部30の内面に対して、図3に示されるように、車体後方側(車体前後方向の一方側)から車体前方側(車体前後方向の他方側)へ(矢印A、B参照)順次連続してワイヤ状のロウ材32(図4参照)を供給しつつレーザ光Lを照射する。ロウ材32は、その長手方向を溝部30の延在方向に沿わせるように供給される。また、本実施形態では、溝部30へのロウ材32の供給は、供給側であるレーザロウ付け装置40を等速で移動させながら行われ、レーザトーチ42のレーザ出力も、一定としている。そして、この第二工程では、レーザトーチ42からのレーザ光Lの照射軸方向を車体下方へ向けて車体後方側(車体前後方向の一方側)に傾斜させると共に車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度θ1、θ2、θ3を徐変して徐々に大きくする。言い換えれば、第二工程の初期における鉛直方向に対する照射軸方向の角度θ1、第二工程の中期における鉛直方向に対する照射軸方向の角度θ2、第二工程の終期における鉛直方向に対する照射軸方向の角度θ3の関係は、θ1<θ2<θ3となっている。なお、本実施形態において、鉛直方向とは、重力の方向を意味する。
ここで、第二工程においてレーザ光Lが照射されたロウ材32は、供給側の移動供給に伴って発生する慣性力f1、f2によって車体後方側(車体前後方向の一方側)から車体前方側(車体前後方向の他方側)へ移動しようとすると共に、自重の分力fa、fbによって移動しようとする。自重の分力fa、fbは、ロウ材32に作用する重力の分力であって溝部30の溝方向に沿う分力である。但し、車体側面視でのルーフパネル14の湾曲の程度はさほど大きくないので、この自重の分力fa、fbは、慣性力f1、f2よりも小さい力となる。このことより、慣性力f1、f2及び自重の分力fa、fbの二つの力のみで考えると、自重の分力fa、fbの向きにかかわらず、レーザ光Lが照射されたロウ材32は、溝部30のいずれの部位においても車体後方側から車体前方側へ移動しようとする。そして、仮に、レーザ光Lが照射されたロウ材32が、供給された位置に止まらずに車体前方側へ移動してしまうと、車体前方側へ行くほどロウ材32の量が多くなり、品質が悪くなってしまう。
しかし、第二工程では、レーザ光Lの照射軸方向を車体下方へ向けて車体後方側に傾斜させることで、レーザ光Lによってロウ材32を噴き出させる力F1、F2、F3が、慣性力f1、f2の向きとは反対方向に作用する。よって、溶融状態にあるロウ材32の車体前方側への移動が抑えられる。
また、車体後方側のロウ付け線(ロウ付け方向)に沿った上り勾配では、レーザ光Lが照射されたロウ材32には、慣性力f1とは反対方向の自重の分力faが作用する。これに対して、車体前方側のロウ付け線(ロウ付け方向)に沿った下り勾配では、レーザ光Lが照射されたロウ材32には、慣性力f2と同じ方向の自重の分力fbが作用する。また、車体前後方向中間部の水平部では、レーザ光Lが照射されたロウ材32の自重の分力は生じない。このため、慣性力f1、f2及び自重の分力fa、fbの二つの力のみで考えると、レーザ光Lが照射されたロウ材32を車体後方側から車体前方側へ移動させようとする力は、車体後方側から車体前方側へ向かうに従って大きくなる。
しかし、第二工程では、車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度θ1、θ2、θ3を徐々に大きくすることで、慣性力f1、f2とは反対方向に作用するロウ材32を噴き出させる力F1、F2、F3を、車体後方側から車体前方側へ向かうに従って徐々に大きくしている。このため、ロウ材32を車体後方側から車体前方側へ移動させようとする力が効果的に抑えられ、換言すれば溶融状態にあるロウ材32がコントロールされ、ロウ材32の量が溝部30の全長に亘って均一又はほぼ均一になる。
また、図4に示されるように、第二工程では、車体正面視で、溶融前のロウ材32とルーフパネル14との接点における第一接線L1と、溶融前のロウ材32とサイドアウタパネル16との接点における第二接線L2と、の成す角の二等分線上にレーザ光Lの照射軸CLを位置させている。このため、ロウ材32及び溝部30の内面の左右両側は、レーザ光Lによってバランス良く(均等に)加熱される。すなわち、溝部30の内面の左右一方側に過剰な加熱がなされるのを防止することができる。その結果として、ルーフパネル14とサイドアウタパネル16との接合部のロウ付け品質が向上する。なお、本実施形態では、車体正面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度θa(「トーチ角」ということもある)は、一定となっている。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用ルーフのレーザロウ付け方法によれば、ルーフパネル14とサイドアウタパネル16との接合部のロウ付け品質を安定させることができる。
なお、ルーフパネル14とサイドアウタパネル16との接合部は、非常に見易い部位であるので、高いロウ付け品質(ひいては境界部の見栄え)が求められるが、本実施形態では上記の方法により高いロウ付け品質の安定化を図ることができる。
また、車体成形時にルーフパネル14のロウ付けは最終工程でなされるため、仮にそのロウ付けで接合不良が生じると、車体全体を破棄しなければならないが、本実施形態では上記の方法によって、接合不良の発生を抑えることができる。その結果としてコスト削減も可能となる。
また、例えば、ラゲージドアのアッパパネルとロアパネルとのロウ付けでは、接合対象が二枚一箇所であるのに対して、ルーフパネル14と左右一対のサイドアウタパネル16とのロウ付けは、接合対象が三枚二箇所となる。このため、ルーフパネル14と左右一対のサイドアウタパネル16とのロウ付けは、ラゲージドアのアッパパネルとロアパネルとのロウ付けに比べて接合位置の制約が大きい分だけ良好なロウ付け品質の確保が難しい。しかし、本実施形態によれば、上記の方法によって、良好なロウ付け品質を確保できる。
(実施形態の補足説明)
なお、車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度(「前進角」ということもある)及び車体正面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度は、ルーフパネル及びサイドアウタパネルの各意匠に応じて設定される。
また、上記実施形態の変形例として、第二工程では、溝部の内面に対して、車体前方側(車体前後方向の一方側)から車体後方側(車体前後方向の他方側)へ順次連続してロウ材を供給しつつレーザ光を照射してもよい。この場合の第二工程では、レーザ光の照射軸方向を車体下方へ向けて車体前方側(車体前後方向の一方側)に傾斜させると共に鉛直方向に対する照射軸方向の角度を徐々に大きくする。
また、上記実施形態の変形例として、第二工程では、V字状の溝部(30)の形状によっては、車体正面視で第一接線(L1)と第二接線(L2)との成す角の二等分線上から若干ずれる位置にレーザ光(L)の照射軸(CL)を位置させる設定も採り得る。
また、上記実施形態の変形例として、ルーフパネルの車体幅方向外側端部において車体下方側へ曲げられた部位は、車体下方へ向けて車体幅方向外側に傾斜してもよいし、車体下方へ垂下されてもよい。また、上記実施形態の変形例として、サイドアウタパネルの上端部の車体幅方向内側端部において車体下方側へ曲げられた部位は、車体下方へ向けて車体幅方向外側に傾斜してもよいし、車体下方へ垂下されてもよい。
また、ルーフパネルには、面剛性を高くして面歪みを抑えるために、車体幅方向に延びる稜線を備えた補強ビードが形成されていてもよい。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
14 ルーフパネル
16 サイドアウタパネル
30 溝部
32 ロウ材
CL 照射軸
L レーザ光
L1 第一接線
L2 第二接線
θ1、θ2、θ3 車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度

Claims (2)

  1. 車体側面視で車体上方側へ凸状に湾曲したルーフパネルの車体幅方向外側端部において車体下方側へ曲げられた部位と、サイドアウタパネルの上端部の車体幅方向内側端部において車体下方側へ曲げられた部位と、によって車体正面視でV字状の溝部を形成するように前記ルーフパネルと前記サイドアウタパネルとを配置する第一工程と、
    前記溝部の内面に対して、車体前後方向の一方側から車体前後方向の他方側へ順次連続してワイヤ状のロウ材を供給しつつレーザ光を照射し、かつレーザ光の照射軸方向を車体下方へ向けて前記車体前後方向の一方側に傾斜させると共に車体側面視での鉛直方向に対する照射軸方向の角度を徐々に大きくする第二工程と、
    を有する車両用ルーフのレーザロウ付け方法。
  2. 前記第二工程では、車体正面視で、溶融前の前記ロウ材と前記ルーフパネルとの接点における第一接線と、溶融前の前記ロウ材と前記サイドアウタパネルとの接点における第二接線と、の成す角の二等分線上にレーザ光の照射軸を位置させている、請求項1記載の車両用ルーフのレーザロウ付け方法。
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