JP5983216B2 - 新規(メタ)アクリル酸エステル、その重合体および該重合体の製造方法 - Google Patents

新規(メタ)アクリル酸エステル、その重合体および該重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、新規(メタ)アクリル酸エステル、その重合体および該重合体の製造方法に関する。
イソシアネート基は、炭素原子が電子不足となっているため反応性に富み、様々な求核剤が容易に付加する。その特性を利用して、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルやこれを重合して得られるイソシアネート基を側鎖に有するポリ(メタ)アクリル酸エステルが、光学材料、電子材料、印刷、医療、繊維・紙・木材、自動車、家電、建築材料等として多岐にわたる分野で使用されている。
しかしながら、イソシアネート基が大気中の水とも反応してしまうため、上記イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルやその重合体は安定性の点で問題があった。そのため、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルを重合させる際は、イソシアネート基をあらかじめ保護すること(特許文献1)、或いはドライルームや窒素雰囲気下で取り扱うことが必須となっていた。また、これによって得られる重合体のイソシアネート基を変換させる際も、同様にドライルームや窒素雰囲気下で取り扱うことが必須となっており、ハンドリングが容易ではなかった。
特開2010−10608号公報
本発明は、反応性に富み、且つ大気中の水と反応しにくく安定性に優れる新規(メタ)アクリル酸エステル、その重合体および該重合体の製造方法を提供することに関する。
そこで、本発明者らは、シアナト基を有する特定の(メタ)アクリル酸エステルが、反応性に富み、且つ大気中の水と反応しにくく安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される化合物を提供するものである。
〔式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、または炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−(C=O)−O−および−O−(C=O)−から選ばれる少なくとも1種を有する2価の基を示す。〕
また、本発明は、下記式(2)で表される構造単位を有する重合体を提供するものである。
〔式(2)中、R1およびR2は前記と同義である。〕
更に、本発明は、上記式(1)で表される化合物を重合させる工程を含む上記式(2)で表される構造単位を有する重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の化合物(1)、および構造単位(2)を有する重合体は、反応性に富み、且つ大気中の水と反応しにくく安定性に優れる。また、構造単位(2)を有する重合体は優れた熱安定性を有する。
したがって、本発明の製造方法によれば、大気中でも効率よく構造単位(2)を有する重合体を合成できる。
実施例1で得た化合物の1H−NMRスペクトル(CDCl3)を示す図である。 実施例1で得た化合物の13C−NMRスペクトル(CDCl3)を示す図である。 実施例1で得た化合物のIRスペクトルを示す図である。 実施例2で得た重合体の1H−NMRスペクトル(DMSO−d6)を示す図である。 実施例2で得た重合体のIRスペクトルを示す図である。 実施例3で得たコポリマーの1H−NMRスペクトル(CDCl3)を示す図である。 参考例1で得た重合体の1H−NMRスペクトル(DMSO−d6)を示す図である。 参考例1で得た重合体のIRスペクトルを示す図である。 参考例2で得たネットワークポリマーのIRスペクトルを示す図である。
まず、下記式(1)で表される化合物について説明する。
式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を示す。
また、式(1)中、R2は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、または炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−(C=O)−O−および−O−(C=O)−から選ばれる少なくとも1種を有する2価の基を示す。
上記R2で示される炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基が挙げられ、これらのうち2種以上を組み合わせた炭素数7〜20の2価の基であってもよい。該炭素数7〜20の2価の基としては、直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基少なくとも1つと2価の芳香族炭化水素基少なくとも1つとが連結した炭素数7〜20の2価の基が挙げられる。
斯様なR2で示される炭素数1〜20の2価の炭化水素基の中でも、合成の簡便性の観点から、脂環式基および芳香環のうち少なくとも一方を含むものが好ましく、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基、直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基少なくとも1つと2価の芳香族炭化水素基少なくとも1つとが連結した炭素数7〜20の2価の基がより好ましい。
なお、上記直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基および脂環式炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
また、上記炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜16であり、より好ましくは1〜12であり、さらに好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜6であり、特に好ましくは1〜4である。
また、該直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基としては、メチレン基、アルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
また、上記炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12であり、より好ましくは3〜7である。
また、該2価の脂環式炭化水素基としては、シクロアルキレン基の他、アダマンチレン基等の2価の橋かけ環炭化水素基が挙げられるが、好ましくはシクロアルキレン基である。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
なお、2価の脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素上でもよい。
また、上記炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜18であり、より好ましくは6〜12である。
また、該2価の芳香族炭化水素基としては、アリーレン基が好ましい。該アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
なお、上記2価の芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよい。
また、直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基少なくとも1つと2価の芳香族炭化水素基少なくとも1つとが連結した炭素数7〜20の2価の基の炭素数は、好ましくは7〜17であり、より好ましくは7〜14であり、更に好ましくは7〜11である。また、上記2価の基としては、直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基1つまたは2つと2価の芳香族炭化水素基1つとが連結した炭素数7〜20の2価の基の炭素数が好ましい。
なお、上記2価の基に含まれる2価の芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよい。
斯様な2価の基の具体例としては、フェニレンメチレン基(−C64−CH2−)等のアリーレンメチレン基;フェニレンエチレン基(−C64−CH2−CH2−)等のアリーレンアルキレン基;フェニレンジメチレン基(−CH2−C64−CH2−)等のアリーレンジメチレン基;フェニレンジエチレン基(−CH2−CH2−C64−CH2−CH2−)等のアリーレンジアルキレン基等が挙げられ、アリーレンメチレン基、アリーレンアルキレン基が好ましい。なお、アリーレンメチレン基、アリーレンアルキレン基に含まれるアリーレン基は、式中のエステル結合と結合していてもよく、式中のシアナト基と結合していてもよい。
また、R2で示される炭素数1〜20の2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、スルファニル基が挙げられる。なお、これら置換基の位置および数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
また、上記R2で示される炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−(C=O)−O−および−O−(C=O)−から選ばれる少なくとも1種を有する2価の基としては、炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−を有する2価の基が好ましく、−R3(OR4n−*で表される2価の連結基(R3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、R4は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示し、*は式中のシアナト基と結合する位置を示す)がより好ましい。
また、上記R3で示される炭素数1〜10の2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。斯かる2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜6である。また、該2価の炭化水素基としては、メチレン基、アルキレン基が好ましい。
また、上記R4で示される炭素数2〜4の2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。斯かる2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは2〜3である。また、該2価の炭化水素基としてはアルキレン基が好ましい。
なお、R3、R4におけるアルキレン基の具体例としては、上記R2で示されるものと同様のものが挙げられる。
また、上記2価の連結基中、nは1〜10の整数を示すが、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。なお、nが2〜10の整数である場合、n個のR4は同一でも異なっていてもよい。
そして、上記化合物(1)は、シアナト基を有するため反応性に富み、且つ大気中の水と反応しにくく安定性に優れ、運搬する際の化学変化等も少ない。
したがって、化合物(1)は、光学材料、電子材料、印刷、医療、繊維・紙・木材、自動車、家電、建築材料等として多岐にわたる分野で利用可能な重合体の合成原料として有用であり、構造単位(2)を有する重合体の合成中間体として特に有用である。
次に、下記式(2)で表される構造単位を有する重合体について説明する。
〔式(2)中、R1およびR2は前記と同義である。〕
上記重合体は、構造単位(2)を有するホモポリマーであってもよく、構造単位(2)以外の構造単位を有するコポリマーであってもよい。斯様なコポリマーが有する構造単位(2)以外の構造単位としては、化合物(1)以外のエチレン性不飽和単量体(重合性エチレン性不飽和結合をもつもの)に由来する構造単位が好ましい。
化合物(1)以外のエチレン性不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸類、芳香族ビニル化合物類、インデン類、マレイミド類、不飽和カルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、シアン化ビニル化合物類、不飽和アミド類、カルボン酸ビニルエステル類、不飽和エーテル類、脂肪族共役ジエン類、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロ化合物等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。斯様な単量体を有する共重合体はアルカリ可溶性樹脂に有用であり、これらの中でも、芳香族ビニル化合物類、不飽和カルボン酸エステル類が好ましい。
上記不飽和カルボン酸類としては、クロトン酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(M−5300:東亞合成(株))、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕(M−5400:東亞合成(株))等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記芳香族ビニル化合物類としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
上記インデン類としては、インデン、1−メチルインデン等が挙げられる。
上記マレイミド類としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングルコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類としては、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記シアン化ビニル化合物類としては、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。
上記不飽和アミド類としては、(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記カルボン酸ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
上記不飽和エーテル類としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記脂肪族共役ジエン類としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
上記重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロ化合物における重合体分子鎖としては、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等が挙げられる。
また、構造単位(2)を有する重合体が上記のような構造単位(2)以外の構造単位を有するコポリマーである場合は、構造単位(2)の合計含有量としては、全繰り返し単位中、1〜99モル%が好ましく、10〜99モル%がより好ましく、30〜99モル%が更に好ましい。他方、構造単位(2)以外の構造単位の合計含有量は、その残余である。
なお、これら繰り返し単位の含有量は、1H−NMRスペクトル等により測定可能である。
また、構造単位(2)を有する重合体の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜80万が好ましく、1万〜70万がより好ましく、1万〜10万が更に好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)としては、1〜8が好ましく、1.5〜7がより好ましく、1.5〜6が更に好ましい。
なお、上記重量平均分子量および分子量分布は、後述する実施例に記載の方法に従い測定すればよい。
次に、構造単位(2)を有する重合体の製造方法について説明する。
構造単位(2)を有する重合体は、化合物(1)を重合させることで製造できる。斯かる方法によれば、大気中でも反応を進行させることが可能であり(仮に窒素雰囲気やドライルームで行わない場合であっても反応を進行させることができる)、効率よく構造単位(2)を有する重合体を合成できる。具体的には、<工程1>化合物(3)と化合物(4)を塩基存在下で反応させ、<工程2>得られた化合物(1)を重合開始剤存在下で重合させることで合成できる。なお、コポリマーを得る場合は、上記他のエチレン性不飽和単量体を化合物(1)とともに重合させればよい。
〔式中、Xは、ハロゲン原子等の脱離基を示し、R1およびR2は前記と同義である。〕
<工程1>
工程1で用いる化合物(3)としては、2−(4−ヒドロキシフェニル)メチル(メタ)アクリラート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル(メタ)アクリラート等が挙げられる。
化合物(3)は、市販品を用いてもよく、特開平4−257543号公報等を参考にして合成したものを用いてもよい。
また、化合物(4)としては、ハロゲン化シアンが挙げられ、具体的には、塩化シアン、臭化シアン、ヨウ化シアンが挙げられる。
化合物(4)の使用量は、化合物(3)1モルに対し、通常0.1〜5モル当量である。
工程1は、塩基存在下で行うものである。塩基としては、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン;ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、キノリン等の芳香族アミン等が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(3)1モルに対し、通常0.1〜5モル当量である。
また、工程1は、溶媒存在下で行うのが好ましい。該溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラメチル尿素等のウレア類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;C13の低級アルコール類が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
溶媒の使用量は、化合物(3)1モルに対し、通常0.1〜10Lである。
工程1の反応時間は、通常、15分〜72時間であり、好ましくは1〜48時間である。また、反応温度は特に限定されないが、好ましくは−20℃〜溶媒の沸点であり、より好ましくは−20℃〜80℃である。
<工程2>
工程2で用いる化合物(1)としては、2−(4−シアナトフェニル)メチル(メタ)アクリラート、2−(4−シアナトフェニル)エチル(メタ)アクリラート等が挙げられる。
工程2で使用する重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。斯様な開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてよい。
熱重合開始剤としては、加熱により分解してラジカルを発生し重合を開始させるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート等のパーオキシド系重合開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生し重合を開始させるものであれば特に限定されず、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、通常、化合物(1)1モルに対し、通常0.001〜3モル当量であり、好ましくは0.005〜1モル当量である。
また、工程2は、溶媒存在下で行うのが好ましい。該溶媒としては、アミド類、ラクトン類、スルホキシド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭化水素類、C13の低級アルコール類が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これら溶媒の具体例は工程1で使用されるものと同様である。
溶媒の使用量は、化合物(1)1モルに対し、通常、0.1〜10L程度である。
本反応の反応時間は、通常、1分〜72時間であり、好ましくは3分〜48時間である。また、反応温度は特に限定されないが、好ましくは0℃〜溶媒の沸点であり、より好ましくは20〜200℃であり、さらに好ましくは25〜175℃である。
なお、上記各工程において、各反応生成物の単離は、必要に応じて、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、再沈殿、透析、遠心分離、各種溶媒による抽出、中和、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて行えばよい。
そして、上記のようにして得られる構造単位(2)を有する重合体は、シアナト基を有するため反応性に富み、且つ大気中の水と反応しにくく安定性に優れ、運搬する際の化学変化等も少なく貯蔵安定性が高く、優れた熱安定性も有する。
したがって、構造単位(2)を有する重合体は、光学材料、電子材料、印刷、医療、繊維・紙・木材、自動車、家電、建築材料等として多岐にわたる分野で利用可能な架橋剤、密着助剤、分散剤、高屈折材料等の他、プレポリマーとしても有用である。例えば、構造単位(2)を有する重合体に、シアナト基と反応可能な架橋剤を反応させることでネットワークポリマーを合成でき、また、構造単位(2)を有する重合体のシアナト基に単官能の求核剤を反応させることもできる。
<ネットワークポリマーの合成>
上記ネットワークポリマーの合成に使用する架橋剤としては、第1級アミノ基および第2級アミノ基から選ばれるアミノ基を2個以上有する多官能アミン、多価アルコールが挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記多官能アミンとしては、多官能脂肪族アミン、多官能芳香族アミンが挙げられる。
上記多官能脂肪族アミンとしては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;2,2’,2’’−ニトリロトリエタンアミン、1,2,3−プロパントリアミン等の脂肪族トリアミンが挙げられる。
上記多官能芳香族アミンとしては、ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族ジアミン、2,4,6−トリアミノピリミジン、1,3,5−トリアミノベンゼン等の芳香族トリアミンが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の2価のアルコール;グリセリン等の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価のアルコールが挙げられる。
上記架橋剤の使用量は、構造単位(2)1モルに対し、通常、0.01〜5モル当量である。
また、ネットワークポリマーの合成は、溶媒存在下で行うのが好ましい。溶媒は、構造単位(2)を有する重合体の製造における工程1と同様のものを使用すればよい。
溶媒の使用量は、構造単位(2)を有する重合体1モルに対し、通常0.1〜10Lである。
また、ネットワークポリマー合成の反応時間は、通常、1分〜72時間であり、好ましくは1分〜48時間である。また、反応温度は特に限定されないが、好ましくは−20℃〜溶媒の沸点であり、より好ましくは−20℃〜80℃である。
<単官能の求核剤との反応>
求核反応に用いる単官能の求核剤としては、アンモニア、第1級アミノ基または第2級アミノ基を1個有する単官能アミン、複素環式環状アミン、N−無置換又はN−1置換アミド基を1個有するアミド化合物が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記第1級アミノ基を1個有する単官能アミンとしては、エチルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、3−クロロ−n−プロピルアミン、n−オクチルアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、フェニルアミン、フェノキシアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン等が挙げられる。
上記第2級アミノ基を1個有する単官能アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ウンデシルアミン、ジ(2−ブテニル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、ジフェノキシアミン、ジ(4−ブロモシクロヘキシル)アミン、メチルエチルアミン、t−ブチル−n−ブチルアミン、メチルフェニルアミン、4−シアノ−n−デシルネオペンチルアミン、2−エトキシエチル−t−ブチルアミン、N−クロロ−N−フェニルアミン、N−エトキシ−N−エチルアミン、N−3,5−ジメチルヘキシル−N−2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。
上記複素環式環状アミンとしては、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、インドール、2,5−ジメチルピロリジン、モルホリン、4−クロロ−2,5−ジヒドロキノリン等が挙げられる。
上記N−無置換又はN−1置換アミド基を1個有するアミド化合物としては、カプロアミド、3−ブロモベンズアミド、エトキシカルボニルアミン、N−ブロモアセトアミド、4−フルオロアセトアニリド、メトキシカルボニルプロピルアミン、カルボキシルグリシン、フェノキシカルボニルフェニルアミン等が挙げられる。
上記求核剤の使用量は、構造単位(2)1モルに対し、通常、0.01〜5モル当量である。
求核反応の反応時間は、通常、1分〜72時間であり、好ましくは1分〜48時間である。また、反応温度は特に限定されないが、好ましくは−20℃〜溶媒の沸点であり、より好ましくは−20℃〜80℃である。
なお、上記ネットワークポリマーの合成と求核反応はいずれも、架橋剤や求核剤の活性を向上させる観点で、触媒存在下で行ってもよい。該触媒としては、ルイス酸触媒、ルイス塩基触媒が挙げられる。
上記ルイス酸触媒としては、BF3、BCl3、AlCl3、FeCl3、SnCl3、トリエチルアルミニウム、BF3テトラヒドロフラン錯体、BF3ジエチルエーテル錯体等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、上記ルイス塩基触媒としては、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO33−LV(登録商標)等)、N,N’,N’’−ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、トリフェニルホスフィン(TPP)等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記触媒の使用量は、構造単位(2)を有する重合体1モルに対し、好ましくは0.0001〜5質量部である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔分析条件〕
実施例における各分析条件は以下に示すとおりである。
<分子量測定>
重合体の分子量は、東ソー株式会社製HLC−8320 SEC SYSTEMを用いて、THFを溶離液としてGPC測定を行いポリスチレン換算で求めた。
<NMRスペクトル>
1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペクトルは、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質として用いて、日本電子株式会社製JNM−AL300および日本電子株式会社製JNM−ECS400により測定した。
<IRスペクトル>
IRスペクトルは、Thermo Scientific社製のSMARTiTRサンプリングユニット付NICOLET iS10を用いてATR法またはKBr法により測定した。
<熱重量分析(TGA)>
セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200により、アルミパンを用いて、50mL/minの窒素気流中10℃/minで上昇させて測定した。
<示差走査熱分析(DSC)>
セイコーインスツルメント社製DSC−6200により、アルミパンを用いて、10mL/minの窒素気流中−100℃〜200℃までの温度範囲を10℃/minで昇温させて測定した。
合成例1 2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリラートの合成(特開平4−257543号公報を参考にして合成)
4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール(12.0g,86.9mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解させ、これにN−メチルピロリドン(20mL)を加えた。この溶液にメタクリル酸クロリド(9.25mL,95.5mmol)を0℃でゆっくりと滴下した後、室温で12時間撹拌した。反応終了後、この溶液を500mLの純水へ投入した。沈殿した固体をろ集した後、これを純水で洗浄し、減圧乾燥することにより目的化合物を収率94.5%で得た。得られた化合物の構造式を以下に示す。
実施例1 2−(4−シアナトフェニル)エチルメタクリラートの合成
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリラート(6.0g,29.1mmol)をジエチルエーテル(40mL)に溶解させ、これにトリエチルアミン(8.1mL,58.2mmol)を加えた。この溶液に臭化シアンの3Mジエチルエーテル溶液(10.7mL,臭化シアン32mmol)を−10℃でゆっくりと滴下した後、1.5時間撹拌した。反応終了後、エーテル溶液を水および飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を抽出しこれを硫酸マグネシウムで乾燥し、ヘキサンで希釈した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)により精製し目的化合物を収率41%で得た。
NMRスペクトル(図1および2)とIRスペクトル(図3)で目的化合物の生成を確認した。図3に示すように、2260cm-1にC≡N結合の伸縮振動に由来するピークが観測され、シアナト基の導入が確認できる。得られた化合物の構造式を以下に示す。
実施例2 2−(4−シアナトフェニル)エチルメタクリラートの重合
2−(4−シアナトフェニル)エチルメタクリラート(0.50g,2.16mmol)をトルエン(1.1mL)に溶解させ、これに2,2’−アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル(10.7mg,0.0432mmol)を加えた後、凍結脱気を3回行った。次いで窒素置換をした後、60℃で24時間撹拌し、反応終了後、溶液を室温まで冷却し、エーテルに投入して沈殿を析出させた。デカンテーションによりエーテル層を取り除き、沈殿した固体をテトラヒドロフランに溶解させ、大量のヘキサンから再沈殿させた。沈殿した固体をろ集し、減圧乾燥して目的の重合体を67%の収率で得た。
NMRスペクトル(図4)とIRスペクトル(図5)で目的の重合体の生成を確認した。得られた重合体の構造式及び分析結果を以下に示す。
GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は28,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.79であった。また、TGAおよびDSC測定の結果、5%重量減少温度(Td5)は261℃であり、ガラス転移温度(Tg)は66℃であった。
実施例3 コポリマーの合成
2−(4−シアナトフェニル)エチルメタクリラート(0.347g,1.5mmol)およびメチルメタクリラート(0.15g,1.5mmol)をトルエン(1.5mL)に溶解させ、これに2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(14.9mg,0.06mmol)を加えた後、凍結脱気を3回行った。次いで窒素置換をした後、60℃で24時間撹拌し、反応終了後、溶液を室温まで冷却し、エーテルに投入して沈殿を析出させた。デカンテーションによりエーテル層を取り除き、沈殿した固体をテトラヒドロフランに溶解させ、大量のヘキサンから再沈殿させた。沈殿した固体をろ集し、減圧乾燥して目的のコポリマーを54%の収率で得た。
1H−NMRスペクトル(図6)で目的のコポリマーの生成を確認した。得られたコポリマーの構造式及び分析結果を以下に示す。
1H−NMRスペクトルからコポリマー中の2−(4−シアナトフェニル)エチルメタクリラートに由来する構造単位とメチルメタクリラートに由来する構造単位とのモル比を算出したところ、1:1であった。
また、GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は15,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は5.71であった。また、TGAおよびDSC測定の結果、5%重量減少温度(Td5)は240℃であり、ガラス転移温度(Tg)は77℃であった。
参考例1 ポリマーに対するイソウレア結合の導入
NMRチューブ中に、実施例2で得た重合体(0.02g,0.088mmol)および重ジメチルスルホキシド(0.5mL)を加え、これにn−プロピルアミン(7.2μL,0.97mmol)を添加して室温で振とうし、1H−NMR測定により反応の経時変化を追った。10分間後には反応が進行し、イソウレアが形成した。
NMRスペクトル(図7)とIRスペクトル(図8)で目的の重合体の生成を確認した。図8に示すように、2260cm-1のC≡N結合の伸縮振動に由来するピークが消失し、新たにC=N結合の伸縮振動に由来するピークが1640cm-1に観測された。また、シアナト基の転化率が95%であることがわかった。得られた重合体の構造式を以下に示す。
参考例2 ネットワークポリマーの合成
実施例2で得た重合体(0.1g,0.43mmol)をテトラヒドロフラン(0.22mL)に溶解させ、エチレンジアミン(5.8μL,0.086mmol)を加えて室温で5分撹拌したところ、溶液が速やかにゲル化した。このゲルを大量のエーテルに投入ししばらく撹拌してからろ集し、エーテルおよびヘキサンを用いて洗浄し、減圧乾燥後、目的のネットワークポリマーを得た。
IRスペクトル(図9)でネットワークポリマーの生成を確認した。得られたネットワークポリマーの構造式を以下に示す。
試験例1 安定性試験
NMRチューブ中に、実施例2で得られた重合体(0.02g,0.088mmol)および重ジメチルスルホキシド(0.5mL)を加え、これに純水(16μL,0.88mmol)を添加して室温で振とうし、1H−NMR測定により反応の経時変化を追ったところ、24時間経過しても1H−NMRスペクトルに変化が見られなかった。
したがって、実施例2で得られた重合体は、大気中の水と反応しにくく安定性に優れる。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    〔式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、脂環式基および芳香環のうち少なくとも一方を含む炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。〕
  2. 下記式(2)で表される構造単位を有する重合体。
    〔式(2)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、脂環式基および芳香環のうち少なくとも一方を含む炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。〕
  3. 下記式(1)で表される化合物を重合させる工程を含む下記式(2)で表される構造単位を有する重合体の製造方法。
    〔式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、脂環式基および芳香環のうち少なくとも一方を含む炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。〕
    〔式(2)中、R1およびR2は前記と同義である。〕
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