JP5982959B2 - 積層シート、発泡積層シート及びそれらの製造方法 - Google Patents

積層シート、発泡積層シート及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層シート、発泡積層シート及びそれらの製造方法に関する。前記発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。また、前記積層シートは、前記発泡積層シートの発泡前の状態(いわゆる未発泡原反)を意味するか又は発泡樹脂層を有していない状態で各種装飾材として有用なシートを意味する。
従来、繊維質シート上に樹脂層を積層した積層シートが各種知られている(例えば、特許文献1参照)。これらの積層シートは、内装材等として長期間一定の場所に貼合して使用される。そのため、表面には耐汚染性が要求されており、表面に汚染物質が付着し難く、また、付着しても拭き取り易いように、シリコーン樹脂を含む表面保護層を設けることが提案されている。
しかしながら、このような積層シートであっても、高所など日常的な拭き取りが困難な場所に設置された場合には、局所的に汚染物質(例えば、煙草のヤニ等)が付着することがあり、それらが切掛となって経時的に汚れが蓄積すると、周囲の汚れが付着していない箇所と対比されて、汚れが目立つという問題がある。
よって、耐汚染性が良好であり、且つ、長期間使用しても局所的な汚れが目立ち難い、新たな積層シート及び発泡積層シートの開発が求められている。
特開2006−272848
本発明は、耐汚染性が良好であり、且つ、長期間使用しても局所的な汚れが目立ち難い、新たな積層シート及び発泡積層シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含有する表面保護層を有する積層シート及び発泡積層シートにおいて、表面保護層が、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理されている構成とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シート、発泡積層シート及びそれらの製造方法に関する。
1.基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を有し、前記表面保護層は、ぬれ張力が30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下であることを特徴とする積層シート。
2.前記表面保護層は、全面に亘ってぬれ張力が30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下である、上記項1に記載の積層シート。
3.前記基材と、前記表面保護層との間に発泡剤含有樹脂層を有する、上記項1又は2に記載の積層シート。
4.上記項3に記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
5.以下の工程1及び2を有する、積層シートの製造方法:
(1)基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を積層する工程1、
(2)前記表面保護層の表面を、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理して、前記表面保護層のぬれ張力を30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下にする工程2。
6.前記工程2は、(2)前記表面保護層の表面を、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理して、前記表面保護層のぬれ張力を全面に亘って30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下にする工程である、上記項5に記載の積層シートの製造方法。
.前記工程1に先立って、基材上に発泡剤含有樹脂層を積層する、上記項5又は6に記載の積層シートの製造方法。
.上記項に記載の製造方法により得られた積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させる、発泡積層シートの製造方法。
以下、本発明の積層シート、発泡積層シート及びそれらの製造方法について詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を有し、前記表面保護層は、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理されていることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を有することにより、耐汚染性に優れている。また、上記表面保護層が、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理されているので、汚染物質(例えば、煙草のヤニ等)の局所的な付着が抑制され、且つそれらを切掛とする経時的な汚れの蓄積も抑制されており、長期間使用しても局所的な汚れが目立ち難い。
この効果は、積層シートが発泡剤含有樹脂層を有し、この発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シートにおいても同じである。
基材
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;合成繊維混抄紙などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜120g/m程度がより好ましい。
表面保護層
本発明の積層シートが有する表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む。
(電離放射線硬化型樹脂)
表面保護層に用いられる電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線硬化型樹脂として慣用される重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。以下に代表例を記載する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、他の(メタ)と記載された部分についても同様である。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、中でもラジカル重合性不飽和基を持つアクリレート系オリゴマーが好ましく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
電離放射線硬化型樹脂組成物として紫外線硬化型樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等が挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化型樹脂組成物として電子線硬化型樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化型樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
(シリコーン樹脂)
表面保護層に用いられるシリコーン樹脂は、電離放射線硬化型樹脂との相乗効果により、主に積層シートに耐汚染性等の表面物性を付与する目的で添加されるものである。
上記シリコーン樹脂としては、シロキサン結合の繰り返し単位からなる主鎖を有し、アルキル基やアリール基などの側鎖を有する重合体であればよく、反応性官能基を導入し変性したものも用いることができる。変性処理としては、たとえば、アミノ変性、カルビノール変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、アルキル変性、エーテル変性等が挙げられる。また、シリコーン樹脂として好適なものとしては、シリコーン(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記シリコーン(メタ)アクリレートは、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのうち、または片方乃至両方の末端に(メタ)アクリル基を導入した変性シリコーンオイルの中の一つである。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であれば特に限定されず、該有機基を1〜6つ有する変性シリコーンオイルを好ましく用いることができる。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。
上記シリコーン樹脂の含有量は、表面保護層の耐汚染性の向上とその使用効果を十分に得る観点から、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.5〜4質量部が好ましく、1.0〜2.5質量部がより好ましい。また、シリコーン樹脂の官能基当量(分子量/官能基数)としては、例えば1000〜20000の条件を有するものが挙げられる。
また、電離放射線硬化型樹脂組成物には、得られる表面保護層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。
上記表面保護層の形成においては、重合性モノマーや重合性オリゴマー等の電離放射線硬化型樹脂、シリコーン樹脂、及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合して得られる電離放射線硬化型樹脂組成物を調製する。この電離放射線硬化型樹脂組成物の粘度は、塗工方式により基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はないが、必要に応じて溶剤を添加してもよい。
このようにして調製された電離放射線硬化型樹脂組成物を、基材の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する表面保護層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
次いで、上記の未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜60kGy(1〜6Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。また、電離放射線として紫外線を用いる場合、紫外線の照射時間は、10〜60秒であることが好ましい。
このようにして、形成された表面保護層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することもできる。
(表面処理)
本発明の積層シートは、局所的な汚染物質の付着を抑制し、且つそれらを切掛とする経時的な汚れの蓄積を抑制することにより、長期間使用した場合であっても局所的な汚れを目立ち難くすることを目的として、上記表面保護層が、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理されている。
上記コロナ処理を行う方法としては特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。上記コロナ処理の際の放電量は、20〜80W・min/mであることが好ましく、40〜60W・min/mであることがより好ましい。
上記紫外線照射処理を行う方法としては特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。上記紫外線照射の際の紫外線の波長は、315〜400nmであることが好ましい。また、紫外線の照射時間は、10〜50時間であることが好ましい。
上記表面処理後の表面保護層のぬれ張力は、30dyne/cmを超えることが好ましく、32dyne/cm以上であることがより好ましい。また、上記表面保護層のぬれ張力は、38dyne/cm以下であることが好ましく、36dyne/cm以下であることがより好ましい。上記表面保護層のぬれ張力が小さ過ぎると、長期間使用した場合でも局所的な汚れを目立ち難くするとの効果を十分に発揮できないおそれがあり、大き過ぎると、耐汚染性に劣るおそれがある。
なお、上記ぬれ張力は、JIS K6768に準拠して測定した値である。
発泡剤含有樹脂層
本発明の積層シートは、基材と、表面保護層との間に発泡剤含有樹脂層を有することが好ましい。上記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種を含有することが好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、アクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜25g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部分と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009−197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度となることが好ましい。
非発泡樹脂層A及びB
発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。例えば、発泡剤含有樹脂層の裏面(基材が積層される面)には、基材としての繊維質シートとの接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層がその片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
絵柄模様層
発泡剤含有樹脂層上(又は非発泡樹脂層A上)には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。即ち、本発明の製造方法は、絵柄模様層を形成する工程を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、絵柄模様層を形成する下層の樹脂の種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
≪発泡積層シート≫
本発明の発泡積層シートは、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
本発明の発泡積層シートは、最表面層の上からエンボス加工が施されていてもよい。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪積層シート及び発泡積層シートの製造方法≫
積層シートの製造方法としては、例えば、(1)基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を積層する工程1及び、(2)前記表面保護層の表面を、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理する工程2を有する製造方法が挙げられる。
工程1
上記工程1は、基材上に電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を積層する工程である。基材上に電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を積層する方法としては限定されず、例えば、上述の方法により積層することができる。積層態様としては限定されず、基材上に電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を積層する態様のほか、基材と表面保護層との間に発泡剤含有樹脂層を1層積層する態様、上記発泡剤含有樹脂層の上に、さらに絵柄模様層を積層する態様、若しくは上記発泡剤含有樹脂層の片面又は両面に非発泡樹脂層を積層する態様などが挙げられる。
本発明の積層シートの製造方法は、上記工程1に先立って、基材上に発泡剤含有樹脂層を積層する工程を有することが好ましい。
これらの各層は、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることで積層することができる。コーティング、押出し製膜等は常法に従って行うことができる。
工程2
上記工程2は、上記表面保護層の表面を、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理する工程である。表面保護層の表面を、上記コロナ処理により表面処理する方法としては限定されず、上述の方法により表面処理を行うことができる。また、表面保護層の表面を、上記紫外線照射処理により表面処理する方法としては限定されず、上述の方法により表面処理を行うことができる。
発泡積層シートの製造方法としては、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する方法が挙げられる。
発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度である。
本発明の積層シート及び発泡積層シートは、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を有することにより、耐汚染性に優れている。また、上記表面保護層が、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理されているので、局所的に付着した汚染物質(例えば、煙草のヤニ等)を切掛とする経時的な汚れの蓄積が抑制されており、長期間使用しても局所的な汚れが目立ち難い。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層Tダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み8μm/70μm/8μmになるように繊維質シートの上に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/繊維質シートからなる積層体を得た。繊維質シートとしては、壁紙用紙「WK−665、興人製」を用いた。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は130℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は120℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層Aは、ポリエチレン樹脂「ペトロセン208、東ソー製」により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン樹脂「ペトロセン208、東ソー製」80質量部、エチレン−αオレフィン共重合樹脂「LUMITAC54−1、東ソー製」20質量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、白石工業製」30質量部、着色剤「タイピュアR350、デュポン製」30質量部、発泡剤「ビニホールAC♯3、永和化成工業製」5質量部、発泡助剤「アデカスタブOF−101、ADEKA製」4質量部、架橋助剤「オプスター JUA702、JSR製」1質量部により形成した。
非発泡樹脂層Bは、EVA「ウルトラセン750、東ソー製」により形成した。
次に非発泡樹脂層Aをコロナ放電処理した後、グラビア印刷機により絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック、大日精化工業製」を用いて織物絵柄を印刷し、印刷意匠を付与した。更にグラビアコート装置を用いて、シリコーンアクリレート含有のトップコート用電離放射線硬化型インキ「セイカビーム、大日精化工業製」をコートして表面保護層を形成した。次に表面保護層から電子線(195KV 50KGy)を照射して非発泡樹脂層Aと表面保護層とを同時に架橋させた。
次に220℃で35秒加熱して発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした後、織物調の凹凸パターンを有する金属ロール(エンボス版)を押し当ててエンボス凹凸模様を賦型した。
最後に、表面保護層に、放電量60W・min/mの条件でコロナ放電処理を行い、発泡積層シートを得た。
実施例2
表面保護層に、コロナ放電処理に代えて、紫外線フェードメーターを用いて、光源:紫外線カーボンアーク灯、放射照度:500KW/m、ブラックパネル温度:63℃の条件で、紫外線照射処理を40時間行った以外は実施例1と同様にして、発泡積層シートを作製した。
比較例1
表面保護層に、コロナ放電処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、発泡積層シートを作製した。
比較例2
実施例1と同様にして、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/繊維質シートからなる積層体を得た。非発泡樹脂層A側から電子線(195KV 30KGy)を照射した。また、表面保護層として、グラビアコート装置を用いて水性トップコート用インキ「ALTOP、大日精化工業製」を塗布した。当該表面保護層には、電子線照射を行わなかった。また、表面保護層には、コロナ放電処理を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、発泡積層シートを作製した。
比較例3
上記シリコーンアクリレート含有のトップコート用電離放射線硬化型インキ「セイカビーム、大日精化工業製」から、シリコーンアクリレートを除去した樹脂組成物を用いて表面保護層を形成した以外は実施例1と同様にして、発泡積層シートを作製した。
比較例4
上記シリコーンアクリレート含有のトップコート用電離放射線硬化型インキ「セイカビーム、大日精化工業製」に代えて、水性トップコート用インキ「ALTOP、大日精化工業製」100重量部、シリコーン樹脂「BYK‐348、ビックケミー・ジャパン製」3重量部からなる樹脂組成物を用いて表面保護層を形成した以外は実施例1と同様にして、発泡積層シートを作製した。
試験例
実施例及び比較例で作製した発泡積層シートについて、1)耐汚染性及び2)長期使用時の局所的な汚れに対する耐汚染性について試験を行い、また、3)ぬれ張力を測定した。
各試験方法及び評価方法は次の通りとした。
≪耐汚染性≫
汚染物質(中性洗剤、醤油、コーヒー、クレヨン、水性ペン)をサンプル上に乗せたガーゼに各々滴下、または直に線を描き、24時間後に水及び中性洗剤を用いて拭き取った。目視評価にて、拭き取り後にやや汚れが残るものが2種以上ある場合は「C」、汚れが残るものが1種である場合は「B」、全て拭き取り可能な場合を「A」とした。
≪耐煙曝露性≫
長期間使用時の局所的な汚れに対する耐汚染性を測定する促進試験として、以下の耐煙曝露性試験を行った。
縦450mm×巾250mm×奥行250mmのケースを準備し、ケースの内側の側面4面に発泡積層シートを貼り付けた。次に、線香「毎日香、日本香堂製」2本に火を付けてケース内に入れ、煙が漏れないようにシールを施して発泡積層シートに煙を曝露させた。線香が燃え尽きてから発泡積層シートを取り出して曝露面を観察し、以下の評価基準に従って評価した。
A:煙のヤニが斑に付着しておらず、目立たないもの
B:煙のヤニが斑に付着した部分が若干見られるもの
C:煙のヤニが斑になって付着し、よく目立つもの
≪ぬれ張力≫
JIS K6768に準拠して測定した。
各試験の評価結果を下記表1に示す。
Figure 0005982959
結果
実施例1及び2の発泡積層シートは、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を有し、表面保護層が、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理されているので、耐汚染性が良好であり、且つ、長期使用時の耐汚染性(耐煙曝露性)に優れていた。
一方、比較例1の発泡積層シートは、表面保護層が電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含むが、表面処理が施されていないので、局所的に汚染物質が付着し、長期使用時の耐汚染性(耐煙曝露性)に劣っていた。また、比較例2の発泡積層シートは、表面保護層が電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含まず、且つ表面処理が施されていないので、耐汚染性に劣っていた。また、比較例3の発泡積層シートは、表面保護層がシリコーン樹脂を含まないので、耐汚染性に劣っていた。更に、比較例4の発泡積層シートは、表面保護層が電離放射線硬化型樹脂を含まないので、耐汚染性に劣っていた。

Claims (8)

  1. 基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を有し、前記表面保護層は、ぬれ張力が30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下であることを特徴とする積層シート。
  2. 記表面保護層は、全面に亘ってぬれ張力が30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記基材と、前記表面保護層との間に発泡剤含有樹脂層を有する、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 請求項3に記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
  5. 以下の工程1及び2を有する、積層シートの製造方法:
    (1)基材上に、電離放射線硬化型樹脂及びシリコーン樹脂を含む表面保護層を積層する工程1、
    (2)前記表面保護層の表面を、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理して、前記表面保護層のぬれ張力を30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下にする工程2。
  6. 前記工程2は、(2)前記表面保護層の表面を、コロナ処理及び紫外線照射処理から選択される少なくとも1種により表面処理して、前記表面保護層のぬれ張力を全面に亘って30dyne/cmを超え、34dyne/cm以下にする工程である、請求項5に記載の積層シートの製造方法。
  7. 前記工程1に先立って、基材上に発泡剤含有樹脂層を積層する、請求項5又は6に記載の積層シートの製造方法。
  8. 請求項に記載の製造方法により得られた積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させる、発泡積層シートの製造方法。
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