JP5981171B2 - 加熱異常検出装置及び電気加熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、導電性の被加熱部材に電流を流すことによってその被加熱部材を加熱する際にその加熱が正常に行われない加熱異常を検出する加熱異常検出装置、及びその加熱異常検出装置を備えた電気加熱システムに関する。
自動車等の車両で用いられる、スタビライザやトーションバー、コイルばねなどの部品は、一般に、製造の過程で、所望の機械的特性を付与するために熱処理が行われる。従来、この熱処理は加熱炉によって行われていたが、近年、これら部品に電流を流すことにより加熱を行う電気加熱による熱処理が検討され、一部実用化されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1,2には、加熱対象のワークの一端と他端をそれぞれ電極でクランプし、両電極間に電圧を印加することでワークへ通電を行ってその通電電流によるジュール熱でワークを加熱させる電気加熱(以下「通電加熱」ともいう)工法が記載されている。また、電気加熱としては、電磁誘導によりワークに誘導電流を生じさせてその誘導電流によるジュール熱でワークを加熱させる電気加熱(以下「誘導加熱」ともいう)工法も知られている。このような通電加熱あるいは誘導加熱を採用することで、熱処理に必要な設備の簡素化や急速加熱が可能となる。
しかし、通電加熱は、ワークに電極を接触させて通電させるものであるため、ワークと電極との接触状態やワーク表面のスケール等の影響によって、通電時にスパーク(火花放電)が発生したり、ワークにおける電極との接触部分の温度が過度に上昇してしまう過加熱が発生したりすることがある。誘導加熱においても、交番磁界を発生させるコイルとワークとの間でスパークが発生するなど、何らかの要因でスパークが発生するおそれがある。そして、スパークや過加熱といった異常が発生すると、これらに起因してワークに何らかの不具合が生じるおそれがある。
そのため、電気加熱を行うにあたっては、加熱されたワークにおける不具合の有無を目視でチェックするようにしているのが現状である。
特開2011−189892号公報 特開2011−195919号公報
しかし、目視によるワークの不具合チェックは、全てのワークに対して1つずつ行う必要があるため、多大な工数を要する。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ワークを電気加熱するにあたって生じうるスパークや過加熱の発生を低工数で検出することにより、ワークの不具合チェックにかかる工数を全体として低減することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、導電性の被加熱部材に電流を流すことによってその被加熱部材を加熱する電気加熱手段を有する電気加熱システムで用いられ、電気加熱手段による加熱が正常に行われない加熱異常を検出する加熱異常検出装置であって、一又は複数の光度検出手段と、背景光度設定手段と、加熱異常判断手段とを備えていることを特徴とする。
光度検出手段は、被加熱部材の周囲の光度を直接又は間接的に検出する。背景光度設定手段は、光度検出手段毎に、電気加熱手段による加熱の開始前にその光度検出手段により検出された光度を背景光度として設定する。
そして、加熱異常判断手段は、加熱の開始前に光度検出手段により検出された背景光度に対する、加熱の開始後に光度検出手段により検出された光度の変化量に基づいて、加熱異常を検出するものであって、電気加熱手段による加熱の開始後、光度検出手段毎に、その加熱の開始後に光度検出手段により検出された光度である加熱時光度と背景光度設定手段により設定されている背景光度との差が所定の光度上昇閾値より大きいか否かの光度比較を行い、何れか1つ又は複数の光度検出手段において上記差が光度上昇閾値より大きい光度超過状態となっている場合に加熱異常が生じているものと判断する。なお、「加熱の開始後」とは、実際に被加熱部材に電流が流れて温度が上昇し始めた後を意味するものではなく、電気加熱手段による加熱のための動作が開始された後を意味する。
被加熱部材を電気加熱するにあたって生じうるスパークや過加熱等の加熱異常に共通する事項の1つとして、これらが発生すると光が発生するということが挙げられる。スパークについては言うまでもなく、過加熱の場合も、温度にもよるが被加熱部材においてその過度に加熱されている部分が高温により変色する。
そこで本発明では、加熱の開始前に検出された光度を予め背景光度として設定しておき、加熱開始後、その加熱開始後の光度(加熱時光度)と背景光度との差に基づいて加熱異常の有無を判断する。このように構成された加熱異常検出装置によれば、電気加熱時に生じ得るスパークや過加熱等の加熱異常の発生を低工数で検出することができ、これにより被加熱部材の不具合チェックにかかる工数を全体として低減することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱異常検出装置であって、光度上昇閾値を異なる複数の値のうちの何れかに選択的に設定する光度上昇閾値設定手段を備えることを特徴とする。
このように構成された加熱異常検出装置によれば、被加熱部材周囲の環境や検出すべき加熱異常の具体的態様(例えばスパークや過加熱など)に応じて適切な光度上昇閾値を設定することができるため、周囲環境にかかわらず、検出すべき態様の加熱異常を高い精度で検出することができる。また、例えば光度上昇閾値を高めに設定して検出感度を低くしたり逆に光度上昇閾値を低めに設定して検出感度を高くしたりするなど、検出感度を所望のレベルに設定することもできる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の加熱異常検出装置であって、加熱異常判断手段は、何れか1つ又は複数の光度検出手段において光度超過状態が予め設定された光度上昇持続時間以上継続した場合に、加熱異常が生じているものと判断する。
周囲環境によっては、加熱異常が生じていないにもかかわらず瞬間的に光度超過状態と判断されてしまうおそれがある。また、例えばノイズ等の影響で、実際の光度は背景光度以下であるにもかかわらず瞬間的に光度超過状態と誤判断されてしまうおそれもある。
そこで、単に光度超過状態になったことをもって加熱異常と判断するのではなく、光度超過状態が光度上昇持続時間継続したことをもって加熱異常と判断することで、上述した周囲環境やノイズ等の外乱に起因した誤判断を防ぐことが可能となり、これにより加熱異常検出装置の信頼性を高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の加熱異常検出装置であって、光度上昇持続時間を異なる複数の時間のうちの何れかに選択的に設定する持続時間設定手段を備えることを特徴とする。
このように構成された加熱異常検出装置によれば、周囲環境やノイズ等の外乱の影響を考慮して適切な光度上昇持続時間を設定することができるため、外乱に影響されにくい、より信頼性の高い加熱異常検出装置の提供が可能となる。また、例えば光度上昇持続時間を長めに設定して検出感度を低くしたり逆に光度上昇持続時間を短めに設定して検出感度を高くしたりするなど、検出感度を所望のレベルに設定することもできる。
ここで、上述した光度比較は、実際に加熱時光度と背景光度との差を演算して、その演算結果が光度上昇閾値より大きいか否かを判断することにより行うようにしてもよいが、このような演算及び判断を行うことは必須ではなく、実質的に同じ(等価な)方法である限り、光度比較の具体的方法は適宜考えられる。具体的には、例えば請求項5に記載のように光度比較を行うことができる。
即ち、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、光度検出手段毎に背景光度よりも光度上昇閾値だけ高い光度を比較用基準光度として設定する比較用基準光度設定手段を備える。そして、加熱異常判断手段は、光度検出手段毎に加熱時光度が比較用基準光度より大きいか否かを判断することにより光度比較を行い、何れか1つ又は複数の光度検出手段において加熱時光度が比較用基準光度より大きい光度超過状態となっている場合に加熱異常が生じているものと判断する。
即ち、予め比較用基準光度(背景光度+光度上昇閾値)を設定しておき、その比較用基準光度と加熱時光度とを比較することにより光度比較を行うのであり、このような方法によっても光度比較を確実に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、背景光度設定手段は、光度検出手段毎に、その光度検出手段により検出された光度を異なるタイミングで複数回取得し、その複数回分の光度の平均値を背景光度として設定することを特徴とする。なお、ここでいう平均値とは、例えば相加平均や相乗平均などの各種の平均演算方式による演算結果に限らず、中央値や最頻値などの各種の代表値も含む広い概念である。
このように構成された加熱異常検出装置によれば、例えば周囲環境やノイズ等の影響によって瞬間的に本来の光度とは異なる異常な光度が検出されてしまうことがあっても、複数の光度の平均化を行うことによってその異常な光度の影響を除去することができるため、背景光度の精度・信頼性を向上させることができ、ひいては加熱異常の判断の精度・信頼性をより高めることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、背景光度設定手段により設定された光度検出手段毎の背景光度のうち何れか1つ又は複数が、予め設定した異常判定基準光度よりも大きい場合に、加熱異常の検出を正常に行うことができない状態であると判断する検出異常判断手段を備えることを特徴とする。
例えば、光度検出手段が故障していると加熱異常の正常な判断は困難である。また例えば、被加熱部材周囲の通常時の光度が高すぎる(過度に明るすぎる)といった、検出環境が悪化している状況下でも、加熱異常の正常な判断が困難となるおそれがある。
そこで、背景光度設定手段により設定された背景光度が異常判定基準光度より大きいか否かを判断する。この異常判定基準光度は、通常はそれを超えることはないような範囲内の値である。そのため、背景光度がその異常判定基準光度より大きい場合は、光度検出手段の故障や検出環境の悪化など、加熱異常を正常に検出できない状態にあると判断できる。このように、加熱異常を正常に検出できない状態にあるか否かを背景光度に基づいて判断することで、加熱異常の判断結果が信頼できるものであるか否かを容易に確認することができ、これにより当該加熱異常検出装置の信頼性をさらに高めることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、加熱異常判断手段により加熱異常が生じているものと判断された場合にその旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
このように構成された加熱異常検出装置によれば、電気加熱システムの使用者等は、加熱異常が発生された場合にその旨を知ることができるため、その加熱異常に対する適切な対応を早い段階で行うことが可能となる。
請求項9に記載の発明は、導電性の被加熱部材に電流を流すことによってその被加熱部材を加熱する電気加熱手段と、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の加熱異常検出装置と、被加熱部材に対する加熱が開始された後、加熱異常判断手段により加熱異常が生じているものと判断された場合に、その被加熱部材に対して所定の異常処理を行う異常処理手段と、を備えることを特徴とする電気加熱システムである。
このように構成された電気加熱システムによれば、加熱異常が生じた場合に対応する被加熱部材に対して適切な処理を行うことができ、これにより、被加熱部材の不具合チェックにかかる工数を効果的に低減することができる。
実施形態の通電加熱システムの概略構成を表す構成図である。 通電加熱システムを構成する通電スパーク検出装置の内部構成を表す構成図である。 スパーク検出に用いられる電圧低下閾値及び電圧低下持続時間を設定するためのディップスイッチの構成、及び設定可能な設定値の一覧を表す説明図である。 通電スパーク検出装置において実行される異常検出メイン処理を表すフローチャートである。 図4の異常検出メイン処理におけるS190のスパーク検出対応処理の詳細を表すフローチャートである。 通電スパーク検出装置において実行されるADサンプリング処理(AD割り込みルーチン)を表すフローチャートである。 通電スパーク検出装置において実行される異常検出処理(タイマ割り込みルーチン)を表すフローチャートである。 加熱制御装置において実行される通電加熱制御処理を表すフローチャートである。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)通電加熱システムの全体構成
図1に示すように、電気加熱システムとしての本実施形態の通電加熱システム1は、ワークWを通電により熱処理するためのシステムであり、ワークWに電流を流すことによりワークWを加熱(通電加熱)する加熱用電源装置2と、この加熱用電源装置2に接続された4つの電極3a,3b,3c,3dと、加熱用電源装置2を制御することによりワークWの通電加熱を制御する加熱制御装置4と、ワークWの通電加熱時に生じるおそれのある加熱異常のうち特にスパークを検出する通電スパーク検出装置6とを備えている。
ワークWは、導電性の鋼材であり、より具体的には、自動車等の車両で用いられる棒状のトーションバーである。
加熱用電源装置2は、加熱制御装置4からの制御指令に従ってワークWへの通電を行うものであり、本実施形態では所定の直流電圧又は交流電圧をワークWへ印加可能に構成されている。この加熱用電源装置2の各出力端子(図示略)のうち、一方は、2つの電極3a,3b(以下これらを「第1電極」ともいう)に接続され、他方は、他の2つの電極3c,3d(以下これらを「第2電極」ともいう)に接続されている。このような構成により、加熱用電源装置2は、各第1電極3a,3bと各第2電極3c,3dとの間に所定の直流電圧又は交流電圧を発生させることができる。
ワークWの通電加熱を行う際は、図1に示すように、ワークWの一端を各第1電極3a,3bによってクランプすると共に、ワークWの他端を各第2電極3c,3dによってクランプする。これにより、各電極3a〜3dがそれぞれワークWに電気的に接触し、加熱用電源装置2と各電極3a〜3dとワークWとによって1つの電気回路(閉ループ)が形成される。このため、加熱用電源装置2から所定の電圧が出力されると、各電極3a〜3dを介してワークWに電流が流れ、そのジュール熱によってワークWが加熱される。
加熱制御装置4は、加熱用電源装置2からの出力電圧やその出力のオン・オフ等を制御することによりワークWの通電加熱を制御する。通電する電圧の種類(直流又は交流)や通電電圧・電流値などは、ユーザ操作や外部指令等によって適宜設定変更可能である。また、ワークWへの通電のオン・オフも、ユーザ操作や外部指令等によって切り替え可能である。また、加熱制御装置4は、スパーク報知部4a及びシステム異常報知部4bを備えているが、これらについては後述する。
このように構成された通電加熱システム1では、各電極3a〜3dとワークWとの接触状態やワークWの表面のスケール等の影響によって、通電時に、スパーク(加熱異常の一例)が発生するおそれがある。そして、スパークが発生すると、ワークWの品質に影響を及ぼすおそれがある。これに対して従来のようにワークWの全数を目視で確認するようにすると、多大な工数を要する。
そこで本実施形態の通電加熱システム1は、4つの光センサ10,11,12,13、及びこれら各光センサ10〜13からの光検出信号に基づいて通電加熱時のスパークの発生を検出する通電スパーク検出装置6を備えている。そして、通電スパーク検出装置6によりスパークが検出されたら、その旨が加熱制御装置4へ通知され、これによりワークWの通電加熱が停止されるよう構成されている。
4つの光センサ10〜13は、本実施形態ではいずれも、受光光度(光量)が大きいほど電気抵抗が小さくなる特性を持つ周知のCDS(CDSセル)である。これら4つの光センサ10〜13は、ワークWと各電極3a〜3dとの接触部分の近傍に設けられている。
具体体には、一方の第1電極3bとワークWとの接触部分の近傍であってその第1電極3bよりもワークWの中心部側に、その接触部分から発する光を受光できるように一つの光センサ10が設置されている。以下、この光センサ10をch0光センサ10ともいう。なお、「ch」は「チャンネル」の略称である。
また、一方の第2電極3dとワークWとの接触部分の近傍であってその第2電極3dよりもワークWの中心部側に、その接触部分から発する光を受光できるように一つの光センサ11が設置されている。以下、この光センサ11をch1光センサ11ともいう。
また、ワークWの他端よりもそのワークWの長さ方向の外側であって各第2電極3c,3dとワークWとの接触部分の近傍に、それら各接触部分から発する光を受光できるように一つの光センサ12が設置されている。以下、この光センサ12をch2光センサ12ともいう。
また、ワークWの一端よりもそのワークWの長さ方向の外側であって各第1電極3a,3bとワークWとの接触部分の近傍に、それら各接触部分から発する光を受光できるように一つの光センサ13が設置されている。以下、この光センサ13をch3光センサ13ともいう。
そして、ch0光センサ10からの光検出信号(ch0光検出信号)、ch1光センサ11からの光検出信号(ch1光検出信号)、ch2光センサ12からの光検出信号(ch2光検出信号)、及びch3光センサ13からの光検出信号(ch3光検出信号)が、それぞれ通電スパーク検出装置6に入力される。尚、各光センサ10〜13と通電スパーク検出装置6との接続状態の詳細については、後で図2を用いてより具体的に説明する。
通電スパーク検出装置6は、4つの光センサ10〜13からの各chの光検出信号に基づいてその接触部分近傍の光度を検出し、その光度の変化(上昇)に基づいてスパークを検出するものである。
(2)通電スパーク検出装置の構成
通電スパーク検出装置6は、より詳しくは、図2に示すように、光センサ信号処理回路21と、マイコン22と、システムI/F(インタフェース)回路23と、LCD(Liquid Crystal Monitor;液晶モニタ)24と、検出感度調整用ディップスイッチ25と、異常検出モニタLED群26と、検出有効モニタLED27と、を備えている。
光センサ信号処理回路21は、4つの光センサ10〜13からの各光検出信号を各種信号処理を施した上でマイコン22に入力するためのものであり、ch毎の4つの信号入力回路30〜33と、ch毎の4つのローパスフィルタ(LPF)35〜38と、ch毎の4つのアンプ40〜43とを備えている。
このうちch0についてより具体的に説明すると、ch0に対応した信号入力回路30は、一端が直流電圧5Vの電源ラインに接続されて他端がch0光センサ10の一端に接続された第1の抵抗R11と、一端が接地されて他端がch0光センサ10の他端に接続された第2の抵抗R12とを備えている。
このような構成により、直流電圧5Vが、第1の抵抗R11、ch0光センサ10、及び第2の抵抗R12により分圧され、そのうちch0光センサ10と第1の抵抗R11との接続点の電圧が、ch0光検出信号として、後段のLPF35に入力される。そのため、ch0光センサ10に照射される光の光度が高くなるほど、ch0光検出信号は小さい値となる。
信号入力回路30を介して入力されたch0光センサ10からのch0光検出信号は、LPF35に入力され、高周波ノイズがカットされる。このLPF35のカットオフ周波数は、本実施形態では1kHzであり、これにより1kHzより高い周波数帯域の高周波成分がカットされることとなる。尚、このカットオフ周波数は適宜設定することができる。このLPF35にて高周波ノイズがカットされたch0光検出信号は、さらに、アンプ40において所定の増幅率にて増幅されて、マイコン22へ入力される。
他の各ch1〜3についても全く同様の構成であり、ch1については、ch1光センサ11からのch1光検出信号が信号入力回路31、LPF36、及びアンプ41を経てマイコン22に入力され、ch2については、ch2光センサ12からのch2光検出信号が信号入力回路32、LPF37、及びアンプ42を経てマイコン22に入力され、ch3については、ch3光センサ13からのch3光検出信号が信号入力回路33、LPF38、及びアンプ43を経てマイコン22に入力される。
マイコン22は、CPU51、ROM52、RAM53、タイマ54、ADコンバータ55、及びパラレルI/O56とを備えている。
CPU51は、ROM52に記憶されている各種プログラムを実行することにより、通電スパーク検出装置6が有する各種機能を実現する。
ROM52は、詳しくはマスクROMやフラッシュROMなどの各種ROMからなるものであり、後述する異常検出メイン処理(図4)やADサンプリング処理(図6)、異常検出処理(図7)を含む各種のプログラムや設定値等が記憶されている。RAM53は、CPU51が各種プログラムの実行時に演算領域等として適宜用いるものである。
タイマ54は、より詳しくはch毎に(即ちch0〜ch3それぞれに対して)個別に設けられ、ch毎に個別に計時できるよう構成されている。本実施形態では、ch毎の各タイマがそれぞれ、0.5msec(ミリ秒)毎にタイマ割り込み要求信号を発生する。CPU51は、ch毎の各タイマからタイマ割り込み要求信号が発生する毎に、対応するchに対して後述する図7の異常検出処理(タイマ割込ルーチン)を実行する。
ADコンバータ55は、光センサ信号処理回路21から入力されるch毎の各光検出信号をそれぞれ所定周期でAD変換する。本実施形態のADコンバータ55は、各chの光検出信号のAD変換を約67μsec毎に行い、AD変換を行う毎にAD変換割り込み要求信号を発生する。CPU51は、ADコンバータ55からAD変換割り込み要求信号が発生する毎に、後述する図6のADサンプリング処理(AD割込ルーチン)を実行する。
パラレルI/O56は、一般的なマイコンが通常備えている周知の入出力回路である。CPU51は、このパラレルI/O56を介して、マイコン22の外部のシステムI/F回路23と各種信号の送受を行ったり、LCD24の表示制御、検出感度調整用ディップスイッチ25の設定内容の入力、異常検出モニタLED群26及び検出有効モニタLED27の点灯制御等を行ったりする。
システムI/F回路23は、加熱制御装置4との間で各種信号の送受信を行うものである。具体的には、ch毎のスパーク検出信号、及びシステム異常報知信号を出力する。また、加熱制御装置4からのスパーク検出リセット信号及び検出有効信号を受信する。
ch毎のスパーク検出信号は、通常時(スパークが発生していないとき)はH(High)レベルの信号である。そして、何れかのchの光センサからの光検出信号に基づいてスパークが検出された場合に、対応するchのスパーク検出信号がL(Low)レベルとなる。
システム異常報知信号も、通常時(システム異常が発生していないとき)はHレベルの信号であり、システム異常が発生するとLレベルとなる。尚、システム異常については後で説明する。
スパーク検出リセット信号及び検出有効信号も、Hレベル又はLレベルの二値デジタル信号であり、加熱制御装置4から出力される。
LCD24には、通電スパーク検出装置6の動作状態や各種設定値などの各種情報が表示されるが、その詳細については説明を省略する。
検出感度調整用ディップスイッチ(以下単に「ディップスイッチ」と略す)25は、スパークを検出する際の検出感度をユーザにより任意に設定するためのものであり、本実施形態では、図3(a)に示すように8bit分のスイッチにより構成されている。
本実施形態の通電スパーク検出装置6におけるスパークの検出は、ワークWへ通電する前の光度と通電加熱開始後の光度とを比較して、その両者の差が所定量より大きい場合(但し、通電加熱開始後の光度>通電開始前の光度)にスパークが発生したものと判断することにより行われる。より具体的には、各光センサ10〜13による各光検出信号に基づき、何れかのchにおいて、通電加熱の開始前後でその光検出信号の差(電圧差)が電圧低下閾値より大きい(但し、通電加熱開始後の光検出信号<通電開始前の光検出信号)状態が継続して電圧低下持続時間続いた場合に、スパークが発生したものと判断される。ディップスイッチ25では、上述したスパーク検出の際に用いられる電圧低下閾値及び電圧低下持続時間を、それぞれ可変設定することができる。
図3(a)、(b)に示すように、ディップスイッチ25が有する8bit分のスイッチのうち、下位4bit分の4つのスイッチが、電圧低下閾値の設定に用いられる。本実施形態では、図3(b)に示すように、0mV〜1466mVまで、約98mV刻みで16種類の電圧低下閾値を設定できるよう構成されている。但し、電圧低下閾値を0mVに設定するとスパークを検出できないため、実質的には、98mV〜1466mVの間で設定することとなる。
また、図3(a)、(c)に示すように、ディップスイッチ25が有する8bit分のスイッチのうち、上位4bit分の4つのスイッチが、電圧低下持続時間の設定に用いられる。本実施形態では、図3(c)に示すように、0msec〜30msecまで、2msec刻みで16種類の電圧低下持続時間を設定できるよう構成されている。尚、この電圧低下持続時間は、マイコン22の内部においては、その電圧低下持続時間を示すデジタル値である持続時間設定データAD_DTTBが設定され、後述する各種処理において用いられる。
そのため、ディップスイッチ25が図3(a)に図示されているような状態、即ち2bit目及び6bit目がオン(ON)されていて他が全てオフ(OFF)されている状態では、通電開始前の光検出信号よりも通電開始後の光検出信号が小さくなり且つその差が196mVより大きくなった場合であって、その状態が4msec続いた場合に、スパークが発生したものと判断されることとなる。
そのため、電圧低下閾値及び電圧低下持続時間を適宜設定することで、スパークの検出感度を所望の感度に設定することができる。即ち、電圧低下閾値については、その設定値を小さくすればするほど、検出感度が高くなって、小さな光度変化でもスパークと判断するようにすることができる。電圧低下持続時間についても、その設定時間を短くすればするほど、検出感度が高くなって、短時間の光度変化をもってスパークと判断するようにすることができる。
異常検出モニタLED群26は、ch毎の4つのLED(ch0異常検出モニタLED60、ch1異常検出モニタLED61、ch2異常検出モニタLED62、ch3異常検出モニタLED63)により構成されている。これら4つのLED60〜63は、いずれも、点灯時には赤色の光を発する。そして、何れかのchにおいてスパークが検出された場合に、対応するchのLEDが点灯する。
検出有効モニタLED27は、加熱制御装置4からLレベルの検出有効信号が入力されている場合に点灯するものである。この検出有効モニタLED27は、点灯時には緑色の光を発する。
(3)通電スパーク検出装置及び加熱制御装置の動作の説明
次に、通電スパーク検出装置6においてCPU51が実行する各種制御処理、及び加熱制御装置4において実行される処理について、図4〜図8を用いて説明する。
まず、通電スパーク検出装置6のCPU51が実行する異常検出メイン処理について、図4を用いて説明する。通電スパーク検出装置6のCPU51は、その動作を開始すると、ROM52から図4の異常検出メイン処理を読み込んで実行する。CPU51は、この異常検出メイン処理を開始すると、まずS110にて、各種初期化処理を行う。具体的には、パラレルI/O56の全ての出力のオフ、タイマ54における各chのタイマの初期化及び計時開始、各種フラグの初期化などを行う。この初期化処理により、システムI/F回路23からの各出力信号は全てHレベルとなり、各LED27,60〜63は全て消灯状態となる。
各種初期化処理の後、S120にて、ディップスイッチ25の設定状態を読み込む。即ち、ディップスイッチ25にて設定されている、電圧低下閾値AD_DLTと電圧低下持続時間AD_DTTBとを読み込み、これら各値(デジタルデータ)をRAM53に記憶する。
S130では、各chの残時間カウント値AD_DTTn(n=0〜3)を初期化する。具体的には、ch0に対応した残時間カウント値AD_DTT0、ch1に対応した残時間カウント値AD_DTT1、ch2に対応した残時間カウント値AD_DTT2、及びch3に対応した残時間カウント値AD_DTT3をそれぞれ、S120で読み込んだ電圧低下持続時間AD_DTTBに設定する。
そして、S140で、各chの背景光度電圧値ADAVn(n=0〜3)を計算する。背景光度とは、ワークWへの通電が開始される前(通電加熱開始前)の各光センサ10〜13の検出光度であり、その検出光度を示す電圧値、即ち各光センサ10〜13からの各光検出信号がAD変換された値が、背景光度電圧値ADAVnである。本実施形態では、背景光度電圧値ADAVnの計算を、ch毎に、256回分のAD変換値の平均値を計算することにより行う。
ここで一旦、図4の異常検出メイン処理の説明を離れ、図6のADサンプリング処理について説明する。既に説明したように、本実施形態では、ADコンバータ55が周期的に(約67μsec毎に)、各chの光検出信号のAD変換を行ってそのAD変換結果をch毎に所定のレジスタへ格納すると共に、そのAD変換終了後にAD割り込み要求信号を発生する。そして、CPU51は、そのAD割り込み要求信号が発生する毎に、図6のADサンプリング処理(AD割込ルーチン)を実行する。
CPU51は、AD割り込み要求信号によって図6のADサンプリング処理を開始すると、まずS410にて、各chのAD変換が終了しているか否かを判断する。具体的には、ADコンバータ55内のAD変換終了フラグADFが1に設定されているか否かを判断する。そして、ADF=1ならば(S410:YES)、AD変換が終了しているものとして、S420に進み、各chのAD変換結果(ADデータ)を取得する。そして、S430にて、ADコンバータ55のAD変換終了フラグADFを0にクリアし、S440にて、取得した各chのADデータをそれぞれ光度検出電圧値ADSMPn(n=0〜3)としてRAM53に保存する。
これにより、RAM53には、ch0の光度検出電圧値ADSMP0、ch1の光度検出電圧値ADSMP1、ch2の光度検出電圧値ADSMP2、及びch3の光度検出電圧値ADSMP3がそれぞれ保存される。これら各光度検出電圧値ADSMPnは、ADサンプリング処理が実行される度(即ちS440の処理が実行される度)に更新される。つまり、RAM53における各chの光度検出電圧値ADSMPnは、約67μsec毎に更新されていくのである。
図4に戻り、異常検出メイン処理の説明を続ける。S140の背景光度電圧ADAVnの計算は、上述した図6のAD割り込みルーチンが実行される毎に更新される光度検出電圧値ADSMPnを256回に渡って順次取得し、その取得した256回分の光度検出電圧値ADSMPnをch毎に平均演算することにより行う。即ち、ch0については、ch0の光度検出電圧値ADSMP0を256回分取得してその平均値を演算することにより、ch0の背景光度電圧値ADAV0を得る。他の各ch1〜3の各背景光度電圧値ADAV1〜ADAV3についても同様である。
この平均演算は、相加平均、相乗平均、あるいは調和平均などの各種の平均演算方式を採用できる。また、文字通り平均値を演算することに限定されず、例えば中央値や最頻値などの各種代表値を演算するようにしてもよい。このようにして、通電加熱が開始される前の各電極3a〜3d近傍の光度(背景光度)を予め検出しておくのである。
なお、256回分の光度検出電圧値ADSMPnを平均化することは必須ではなく、いくつの光度検出電圧値ADSMPnを用いて平均化するかについては適宜決めることができる。さらには、平均値を計算すること自体、必須というわけではなく、周囲環境やノイズ等の影響で誤検知するおそれが小さい場合は、あるタイミングにおける光度検出電圧値ADSMPnをそのまま背景光度電圧値ADAV0としてもよい。
背景光度の検出(背景光度電圧値ADAVnの計算)後、S150にて、システム異常の有無を判断する。システム異常とは、各光センサ10〜13の異常や故障、あるいはワークWの周囲の光度が過度に高すぎるなど、スパークの検出を正常に行うことが困難な状態にあることを意味する。S150では、ch毎に、背景光度電圧値ADAVnと電圧低下閾値AD_DLTとを比較し、何れかのchで背景光度電圧値ADAVnが電圧低下閾値AD_DLTよりも小さい場合に、システム異常であるものと判断する(S150:YES)。
S150でシステム異常と判断されると、S210にて、各chの異常検出モニタLED60〜63のうち、該当するch(すなわち背景光度電圧値ADAVnが電圧低下閾値AD_DLTよりも小さいch)に対応した異常検出モニタLEDを点灯させると共に、検出有効モニタLED27も点灯させる。そして、S220にて、加熱制御装置4へのシステム異常報知信号をLレベルとすることで、加熱制御装置4へシステム異常を通知する。その後、S230にて100msec待機した上で、S110に戻る。
S110に戻ると、再び各種初期化が行われるため、S210で点灯された各LEDはいずれも消灯することとなる。そして、その後S150で再びシステム異常と判断された場合は、S210で再び各LEDが点灯することとなる。つまり、システム異常の状態が継続している間は、該当chの異常検出モニタLED及び検出有効モニタLED27が点滅を繰り返すことになり、これにより、ユーザはシステム異常が生じていることを認識することができる。
なお、加熱制御装置4は、通電スパーク検出装置6からLレベルのシステム異常報知信号が入力されると、システム異常報知部4bが、通電スパーク検出装置6においてシステム異常と判断された旨の報知を行う。この報知は、例えば、音声あるいは警報音を出力したり、LCDやLEDなどを用いた表示をしたりすること等により行われる。
S150でシステム異常と判断されなかった場合は(S150:NO)、S160に進み、各chのスパーク判定基準値ADREFnを計算する。即ち、ch毎に、背景光度電圧値ADAVnから電圧低下閾値AD_DLTを減算するのであり、例えばch0については、ch0の背景光度電圧値ADAV0〜電圧低下閾値AD_DLTを減算することにより、ch0のスパーク判定基準値ADREF0が得られる。他の各ch1〜3の各スパーク判定基準値ADREF1〜ADREF3についても同様である。このようにして、ch毎に、背景光度電圧値ADAVnよりも電圧低下閾値AD_DLTだけ低い値の電圧値を、スパーク検出の判定基準であるスパーク判定基準値ADREFnとして設定する。
そして、S170にて、当該通電スパーク検出装置6がスパーク検出モードであるか否かを判断する。具体的には、加熱制御装置4からの検出有効信号がLレベルであるか否かを判断する。この検出有効信号は、後述するように、加熱制御装置4によるワークWへの通電加熱が開始される直前にLレベルとされてスパーク検出が有効とされ、通電加熱終了後に再びHレベルとされてスパーク検出が無効とされるものである。そのため、検出有効信号がHレベルの場合はワークWの通電加熱が行われていないことを示し、検出有効信号がLレベルの場合はワークWの通電加熱が開始されて実行中であることを示す。
検出有効信号がHレベルならば、まだスパーク検出モードではないものとして(S170:NO)、S110に戻る。一方、検出有効信号がLレベルならば、スパーク検出モードであるものとして(S170:YES)、S180にて検出有効モニタLED27を点灯させ、続くS190にて、スパーク検出対応処理を行う。
S190のスパーク検出対応処理の具体的内容は図5に示す通りであるが、このスパーク検出対応処理の説明の前に、図7に示す異常検出処理(タイマ割込ルーチン)について説明する。
図7のタイマ割込ルーチンは、既述の通り、ch毎に個別に実行されるものである。CPU51は、ch毎の各タイマから0.5msec毎に発生するタイマ割り込み要求信号をトリガとして、ch毎にこのタイマ割込ルーチンを実行する。
CPU51は、何れかのchのタイマからタイマ割り込み要求信号が発生することによってそのchについて図7のタイマ割込ルーチンを開始すると、まずS510にて、当該chの光度検出電圧値ADSMPnが当該chのスパーク判定基準値ADREFn以上であるか否かを判断する。
光度検出電圧値ADSMPnが当該chのスパーク判定基準値ADREFn以上ならば、当該chについては通電加熱開始前後の光度変化が少なくてスパークは発生していないものと判断して、S550に進む。S550では、残時間カウント値AD_DTTnを初期化する。即ち、当該chの残時間カウント値AD_DTTnを電圧低下持続時間AD_DTTBに設定する。
一方、S510にて、光度検出電圧値ADSMPnが当該chのスパーク判定基準値ADREFnよりも小さい(光度超過状態)ならば、通電加熱開始前よりも光度が大きく上昇しているということであることから、スパークが発生しているとの仮判定を行って、S520に進む。S520では、当該chの残時間カウント値AD_DTTnをデクリメントする。
例えばディップスイッチ25において電圧低下持続時間が4msecに設定されているとすると、この場合、持続時間設定データAD_DTTBは「8」であって、当該chの残時間カウント値AD_DTTnの初期値は「8」に設定されている。そのため、最初のS520の処理では、この残時間カウント値AD_DTTnが「8」から「7」にデクリメントされることになる。つまり、S520の処理が繰り返される度に、残時間カウント値AD_DTTnは1つずつデクリメントされていく。そのため、タイマ割込ルーチンは0.5msec毎に実行されることから、光度超過状態が継続している限り、残時間カウント値AD_DTTnは0.5msec毎に1つずつデクリメントされていき、4msec後には「0」となる。
S520で残時間カウント値AD_DTTnをデクリメントした後は、S530に進み,光度超過状態となってからその状態のまま電圧低下持続時間が経過したか否か、即ち残時間カウント値AD_DTTnが0になっているか否かを判断する。ここで、残時間カウント値AD_DTTnが0でない場合は(S530:NO)、そのままこのタイマ割込ルーチンを終了するが、残時間カウント値AD_DTTnが0ならば(S530:YES)、光度超過状態が継続して電圧低下持続時間続いたことから、スパークが発生したものと正式に判定して、S540にて、当該ch(n)のスパーク異常フラグであるchnスパーク異常フラグDT_FLGnを1にセットする。そして、S550で残時間カウント値AD_DTTnを初期化して、このタイマ割込ルーチンを終了する。
このように、図7のタイマ割込ルーチンがch毎に個別に且つ周期的に(本例では0.5msec毎に)実行されることによって、何れかのchで光度超過状態が電圧低下持続時間継続した場合に、当該chにおいてスパークが発生したものと判断される。
図4の異常検出メイン処理に戻り、S190のスパーク検出対応処理について説明する。S190のスパーク検出対応処理は、具体的には図5に示す通りであり、まずS310にて、スパーク検出モードであるか否かを判断する。このS310の判断処理は、図4のS170と全く同じである。そして、スパーク検出モードでなければ(S310:NO)、図4のS110に戻るが、スパーク検出モードであれば(S310:YES)、S320に進み、ch0についてスパークが検出されているか否かを判断する。
この判断は、ch0スパーク異常フラグDT_FLG0が1にセットされているか否かを判断することにより行う。即ち、ch0スパーク異常フラグDT_FLG0が1にセットされているならば(S320:YES)、ch0についてスパークが発生していると判定されているということであるため、S330に進む。S330では、加熱制御装置4へのch0スパーク検出信号をLレベルとし、且つ、ch0異常検出モニタLED60を点灯させると共に検出有効モニタLED27を消灯させる。これにより、ユーザは、ch0においてスパークが検出されたことを認識できる。また、ch0スパーク検出信号がLレベルとされることで、加熱制御装置4においても、そのch0スパーク検出信号に基づく所定の処理(後述の図8参照)が行われる。
S320にて、ch0スパーク異常フラグDT_FLG0が0ならば(S320:NO)、ch0についてはスパークが発生していないものとして、S340に進む。S340では、ch1についてスパークが検出されているか否かの判断、具体的にはch1スパーク異常フラグDT_FLG1が1にセットされているか否かの判断を行う。そして、ch1スパーク異常フラグDT_FLG1が1にセットされているならば(S340:YES)、ch1についてスパークが発生していると判定されているということであるため、S350に進む。S350では、加熱制御装置4へのch1スパーク検出信号をLレベルとし、且つ、ch1異常検出モニタLED61を点灯させると共に検出有効モニタLED27を消灯させる。これにより、ユーザは、ch1においてスパークが検出されたことを認識できる。また、ch1スパーク検出信号がLレベルとされることで、加熱制御装置4においても、そのch1スパーク検出信号に基づく所定の処理(後述の図8参照)が行われる。
S340にて、ch1スパーク異常フラグDT_FLG1が0ならば(S340:NO)、ch1についてもスパークが発生していないものとして、S360に進む。S360では、ch2についてスパークが検出されているか否かの判断、具体的にはch2スパーク異常フラグDT_FLG2が1にセットされているか否かの判断を行う。そして、ch2スパーク異常フラグDT_FLG2が1にセットされているならば(S360:YES)、ch2についてスパークが発生していると判定されているということであるため、S370に進む。S370では、加熱制御装置4へのch2スパーク検出信号をLレベルとし、且つ、ch2異常検出モニタLED62を点灯させると共に検出有効モニタLED27を消灯させる。これにより、ユーザは、ch2においてスパークが検出されたことを認識できる。また、ch2スパーク検出信号がLレベルとされることで、加熱制御装置4においても、そのch2スパーク検出信号に基づく所定の処理(後述の図8参照)が行われる。
S360にて、ch2スパーク異常フラグDT_FLG2が0ならば(S360:NO)、ch2についてもスパークが発生していないものとして、S380に進む。S380では、ch3についてスパークが検出されているか否かの判断、具体的にはch3スパーク異常フラグDT_FLG3が1にセットされているか否かの判断を行う。そして、ch3スパーク異常フラグDT_FLG3が1にセットされているならば(S380:YES)、ch3についてスパークが発生していると判定されているということであるため、S390に進む。S390では、加熱制御装置4へのch3スパーク検出信号をLレベルとし、且つ、ch3異常検出モニタLED63を点灯させると共に検出有効モニタLED27を消灯させる。これにより、ユーザは、ch3においてスパークが検出されたことを認識できる。また、ch3スパーク検出信号がLレベルとされることで、加熱制御装置4においても、そのch3スパーク検出信号に基づく所定の処理(後述の図8参照)が行われる。
S390の処理が実行された後は、S200(図4参照)に進むこととなるが、S380にて、ch3スパーク異常フラグDT_FLG3が0ならば(S380:NO)、ch3についてもスパークが発生していないものとして、S310に戻る。加熱制御装置4からの検出有効信号は、通電加熱が終了したら再びHレベルに戻るため、S190のスパーク検出対応処理の実行開始後、スパークが検出されることなく通電加熱が終了した場合は、図5のS310で否定判定されることから、S200に進むことなくS110に戻ることになる。一方、S190のスパーク検出対応処理において、何れかのchでスパークが検出された場合には、S200に進むことになる。
S200では、スパーク検出モードがリセットされたか否かを判断する。具体的には、加熱制御装置4からのスパーク検出リセット信号がLレベルであるか否かに基づいて判断し、Lレベルとなった場合に(S200:YES)、スパーク検出モードがリセットされたものとしてS110に戻る。スパーク検出リセット信号は、常時はHレベルであるが、加熱制御装置4において、通電加熱が終了したとき、又は何れかのchでスパークが検出されたことによって所定の異常処置を行った後に、所定時間(本例では1秒間)だけLレベルに転じるものである。
次に、加熱制御装置4において実行される通電加熱制御処理について、図8を用いて説明する。加熱制御装置4も、図示は省略したもののCPUを備え、そのCPUにより、ワークWへの通電が制御される。図8の通電加熱制御処理は、ユーザ操作や外部指令等によってワークWへの通電加熱をすべき旨の操作・指示がなされたときにCPUが実行するものである。
加熱制御装置4のCPUは、この通電加熱制御処理を開始すると、S610にて検出有効信号をLレベルとして、S620にてワークWへの通電を開始(即ち通電加熱を開始)する。尚、ここでいうLレベルとは、通電スパーク検出装置6からみてLレベルと判断されるレベルという意味である。また、図示は省略したものの、通電加熱制御処理が開始された直後(S610の前)は、検出有効信号及びスパーク検出リセット信号の初期化が行われる。具体的には、検出有効信号についてはHレベルにセットされ、スパーク検出リセット信号については、1秒間Lレベルとされた後にHレベルにセットされる。
このように検出有効信号をLレベルとすることで、通電スパーク検出装置6におけるスパーク検出が有効化され、これにより通電スパーク検出装置6では図4の異常検出メイン処理においてS180以降の処理に進むことになる。
S620で通電を開始した後は、S630以降の処理にて、ch毎にスパークの検出有無を判定し、何れかのchでスパークが検出されているならば異常処置を行う。即ち、まずS630にて、ch0においてスパークが検出されているか否かを判断する。具体的には、通電スパーク検出装置6からのch0スパーク検出信号がLレベルであるか否かを判断し、Lレベルならば(S630:YES)、S640に進んで、そのLレベルの状態が10msec持続するか否かを判断する。そして、Lレベルの状態が10msec持続したら(S640:YES)、S750に進む。S630にてch0スパーク検出信号がLレベルではなかった場合(S630:NO)又はS640にてLレベルの状態が10msec持続しなかった場合は(S640:NO)、S650に進む。
S630及びS640は、ch0についてスパーク検出の有無を判定する処理であったが、他の各ch1〜3についても、全く同じようにスパーク検出の有無を判定する。即ち、ch1については、S650においてch1でスパークが検出されているか否か(即ちch1スパーク検出信号がLレベルであるか否か)の判断を行い、S660において、そのLレベルの状態が10msec持続するか否かを判断する。ch2についても、S670においてch2でスパークが検出されているか否か(即ちch2スパーク検出信号がLレベルであるか否か)の判断を行い、S680において、そのLレベルの状態が10msec持続するか否かを判断する。ch3についても、S690においてch3でスパークが検出されているか否か(即ちch3スパーク検出信号がLレベルであるか否か)の判断を行い、S700において、そのLレベルの状態が10msec持続するか否かを判断する。
なお、S640,S660,S680,およびS700の判断処理における持続時間の判断基準である10msecはあくまでも一例であり、10msecとは異なる時間を判断基準として設定してもよい。
そして、何れのchでもスパークが検出されることなくS710に進んだ場合は、通電加熱が完了したか否かを判断し、まだ完了していなければ(S710:NO)S630に戻り、完了したならば(S710:YES)S720に進む。
一方、何れかのchでスパークが検出され、S750に進んだ場合は、異常処置を行う。本実施形態では、ワークWへの通電を停止させると共に、その通電を行っていたワークWを排出させるなどの処置を行う。つまり、スパークが検出されたことから、ワークWがそのスパークによって何らかの影響を受けている可能性があるため、そのワークWについては正規の通電加熱ルートから除去するのである。なお、S750の異常処置では、通電を完全に停止させることは必須ではなく、例えば通電電圧又は通電電流を下げるなど、通電を制限するようにしてもよい。また、S750の異常処置では、加熱制御装置4のスパーク報知部4aにてスパーク検出の旨の報知を行う。この報知は、例えば、音声あるいは警報音を出力したり、LCDやLEDなどを用いた表示をしたりすること等により行われる。この報知により、ユーザは、加熱制御装置4の設置場所においてもスパーク発生を認識することができる。
S720で通電が正常に終了された後、又はS750にて異常処置が行われた後は、S730にて検出有効信号を無効(即ちHレベル)とし、続くS740にて、スパーク検出リセット信号を1秒間Lレベルとして再びHレベルに戻す。これら各信号のレベルは、いずれも、通電スパーク検出装置6からみた場合のレベルである。
なお、スパーク検出を正常に行うためには、まず通電スパーク検出装置6の動作を開始させることによって少なくとも図4の異常検出メイン処理におけるS110〜S160の処理を実行させておき(即ち、通電加熱開始前に各chのスパーク判定基準値ADREFnを計算しておき)、その後に、加熱制御装置4によるワークWの通電加熱を開始させることが望ましい。
(4)実施形態の効果等
以上説明した本実施形態の通電加熱システム1によれば、通電加熱の開始前の各chの光度である背景光度に基づいて(具体的には背景光度電圧値ADAVnに基づいて)ch毎にスパーク判定基準値ADREFnを計算しておき、通電加熱開始後、その開始後の光度を示す光度検出電圧値ADSMPnとスパーク判定基準値ADREFnとを比較することによって、スパークの有無を判断する。そして、通電加熱前に対して通電加熱開始後の光度が過度に上昇した場合(具体的にはADSMPn<ADREFnとなった場合)に、スパーク発生と判断して、所定の異常処置を行うようにしている。
そのため、通電加熱時に生じるスパークの発生を低工数で検出することができ、これによりワークWの不具合チェックにかかる工数を全体として低減することが可能となる。更に、スパーク発生に対する適切な処置を迅速に行うことができ、これにより、ワークWの不具合チェックにかかる工数をより効果的に低減することができる。
また、スパーク検出の判断基準として用いられる、電圧低下閾値(AD_DLT)及び電圧低下持続時間(AD_DTTB)は、ディップスイッチ25によってユーザにより所望の値に可変設定できる。そのため、検出感度を所望のレベルに設定することができ、周囲環境や外乱等の影響にかかわらず、高精度且つ高信頼性のスパーク検出が可能となる。
また、単に光度超過状態になったことをもってすぐにスパーク発生と判断するのではなく、光度超過状態が電圧低下持続時間継続したことをもってスパーク発生と判断するようにしている。そのため、周囲環境やノイズ等の外乱に起因した誤判断を防ぐことが可能となり、これによりスパーク検出の信頼性をより高めることができる。
また、通電開始前の背景光度を示す背景光度電圧値ADAVnは、複数回(本例では256回)分のAD変換結果の平均値である。そのため、周囲環境やノイズ等の影響によって瞬間的に本来の光度とは異なる異常な光度が検出されてしまうことがあっても、複数の光度の平均化を行うことによってその異常な光度の影響を除去することができるため、背景光度電圧値ADAVnの精度・信頼性を向上させることができ、ひいてはスパーク発生の判断の精度・信頼性をより高めることができる。
また、通電開始前の背景光度電圧値ADAVnに基づき、その背景光度電圧値ADAVnが電圧低下閾値AD_DLTよりも小さい場合には、システム異常と判断し、スパークの検出は行わないようにしている。そのため、スパーク発生の誤判断を事前に抑制することができ、通電スパーク検出装置6の信頼性をさらに高めることができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、ワークWは本発明の被加熱部材の一例に相当し、加熱用電源装置2及び加熱制御装置4により本発明の電気加熱手段の一例が構成され、通電スパーク検出装置6は本発明の加熱異常検出装置の一例に相当し、各光センサ10〜13は本発明の光度検出手段の一例に相当し、電圧低下閾値AD_DLTは本発明の光度上昇閾値を間接的に示す値の一例に相当し、電圧低下持続時間AD_DTTBは本発明の光度上昇持続時間の一例に相当し、ディップスイッチ25は本発明の光度上昇閾値設定手段及び持続時間設定手段の一例に相当し、異常検出モニタLED群26は本発明の報知手段の一例に相当する。
また、図4の異常検出メイン処理において、S140の処理は本発明の背景光度設定手段が実行する処理の一例に相当し、S150の処理は本発明の検出異常判断手段が実行する処理の一例に相当し、S160の処理は本発明の比較用基準光度設定手段が実行する処理の一例に相当する。また、図7の異常検出処理(タイマ割込ルーチン)において、S510〜S530の処理は本発明の加熱異常判断手段が実行する処理の一例に相当する。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、通電加熱により生じうる加熱異常の1つであるスパークを検出する装置について説明したが、本発明の適用はスパークの検出に限定されるものではなく、光度の変化を引き起こす種々の加熱異常の検出について本発明を適用可能である。
具体的には、ワークWと各電極3a〜3dとの接触部分において発生するおそれのある過加熱を検出することも可能である。即ち、その接触部分の接触面積が小さくて点接触に近い状態になると、その接触部分に電流が集中し、これによりその接触部分がピンポイント的に過度に高温(過加熱)状態となるおそれがある。そして、過加熱状態になると、ワークWにおけるその過加熱状態の部分が赤く変色(発光)することがある。そこで、その過加熱により生じる発光を検出できるように電圧低下閾値ADAVnを適宜設定することで、過加熱を検出することも可能となる。
また、上記実施形態では、ワークWの電気加熱方式として通電加熱を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば誘導加熱などの他の電気加熱方式であっても適用可能である。つまり、結果としてワークWに電流を流すことによりワークWを加熱する電気加熱方式である限り、種々の電気加熱方式に対して本発明を適用可能である。ワークWの種類や材質等についても、上述した鋼材からなるトーションバーはあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、4つの光センサ10〜13を適宜配置した例を示したが、光センサの数や設置位置も任意に決めることができる。上記実施形態の場合も、図1に示した設置位置は必須ではなく、ワークWの周囲のうち特に各電極3a〜3dとワークWとの接触部分の近傍の光度を検出できる位置であればよい。
つまり、検出すべき加熱異常が発生する可能性のある部位の近傍、換言すれば加熱異常に伴う光度上昇が発生する可能性のある部位の近傍であって、その光度上昇を検出可能な位置に適宜設置すればよい。好ましくは、光度上昇の検出の死角が生じないようにしつつ必要最小限の数の光センサを用いるようにするとよい。
上記実施形態では、検出すべき加熱異常がスパークであり、そのスパークは各電極3a〜3dとワークWとの接触部分で発生する可能性があることから、その接触部分の近傍(周囲)においてその接触部分の光度上昇が検出できるように各光センサ10〜13を配置したものである。
そのため、通電加熱とは異なる他の電気加熱方式にてワークWを加熱するようなシステムにおいては、その電気加熱方式においてどのような加熱異常を検出しようとしているのか、またその加熱異常はどの部位に発生するのか、などといったシステムの要件や仕様等に応じて、加熱異常に伴う光度上昇を検出できる位置に光センサを適宜設置すればよい。
例えば誘導加熱によりワークを加熱するシステムであって、誘導加熱のための交番磁界を発生させるコイルとワークとの間でスパークが発生する可能性があるのであれば、そのコイルとワークの間の空間の近傍、即ちその空間の光度上昇が検出できるような部位に、一又は複数の光センサを設置すればよい。
また、上記実施形態では、光センサとしてCDSを用いたが、これもあくまでも一例に過ぎず、例えばフォトトランジスタやフォトダイオードなどの他の光センサを用いても良い。
また、上記実施形態では、4つのchのうち1つでもスパーク発生と判断されたら全体としてスパークが検出されたものとして異常処置を実行させるようにしたが、複数のchでスパークと判断された場合に異常処置を実行させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電圧低下閾値ADAVn及び電圧低下持続時間AD_DTTBの可変設定をディップスイッチ25を用いて行うようにしたが、このようにディップスイッチ25を用いて可変設定する構成はあくまでも一例にすぎない。
また、上記実施形態では、各chにおいてスパークが発生したか否かの判断を行うにあたり、各chいずれも同じ電圧低下閾値ADAVn及び電圧低下持続時間AD_DTTB(即ちディップスイッチ25で設定された値)を共用する例を示した(例えば図4のS130やS160等参照)。しかし、このように各chで同じ電圧低下閾値ADAVn及び電圧低下持続時間AD_DTTBを用いることは必須ではなく、電圧低下閾値ADAVn及び電圧低下持続時間AD_DTTBのうち一方又は双方をch毎に個別に設定できるように構成してもよい。その場合、全てのchで個別設定できるようにしてもよいし、例えばいずれか2つのchは個別に設定できるようにして、他の2つのchは同じ設定値を共用する、といった構成でもよい。
このように、電圧低下閾値ADAVn及び電圧低下持続時間AD_DTTBの少なくとも一方をch毎に個別に設定できるようにすることで、検出精度のさらなる向上が可能となる。
1…通電加熱システム、2…加熱用電源装置、3a,3b…第1電極、3c,3d…第2電極、4…加熱制御装置、4a…スパーク報知部、4b…システム異常報知部、6…通電スパーク検出装置、10〜13…光センサ、21…光センサ信号処理回路、22…マイコン、23…システムI/F回路、24…LCD、25…検出感度調整用ディップスイッチ、26…異常検出モニタLED群、27…検出有効モニタLED、30〜33…信号入力回路、35〜38…LPF、40〜43…アンプ、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…タイマ、55…ADコンバータ、56…パラレルI/O、60…ch0異常検出モニタLED、61…ch1異常検出モニタLED、62…ch2異常検出モニタLED、63…ch3異常検出モニタLED、R11,R12…抵抗、W…ワーク

Claims (9)

  1. 導電性の被加熱部材に電流を流すことによってその被加熱部材を加熱する電気加熱手段を有する電気加熱システムで用いられ、前記電気加熱手段による前記加熱が正常に行われない加熱異常を検出する加熱異常検出装置であって、
    前記被加熱部材の周囲の光度を直接又は間接的に検出する一又は複数の光度検出手段と、
    前記光度検出手段毎に、前記電気加熱手段による前記加熱の開始前にその光度検出手段により検出された光度を背景光度として設定する背景光度設定手段と、
    前記加熱の開始前に前記光度検出手段により検出された前記背景光度に対する、前記加熱の開始後に前記光度検出手段により検出された光度の変化量に基づいて、前記加熱異常を検出するものであって、前記電気加熱手段による前記加熱の開始後、前記光度検出手段毎に、その加熱の開始後に前記光度検出手段により検出された光度である加熱時光度と前記背景光度設定手段により設定されている前記背景光度との差が所定の光度上昇閾値より大きいか否かの光度比較を行い、何れか1つ又は複数の前記光度検出手段において前記差が前記光度上昇閾値より大きい光度超過状態となっている場合に前記加熱異常が生じているものと判断する加熱異常判断手段と、
    を備えることを特徴とする加熱異常検出装置。
  2. 請求項1に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記光度上昇閾値を異なる複数の値のうちの何れかに選択的に設定する光度上昇閾値設定手段を備える
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記加熱異常判断手段は、何れか1つ又は複数の前記光度検出手段において前記光度超過状態が予め設定された光度上昇持続時間以上継続した場合に、前記加熱異常が生じているものと判断する
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  4. 請求項3に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記光度上昇持続時間を異なる複数の時間のうちの何れかに選択的に設定する持続時間設定手段を備える
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記光度検出手段毎に前記背景光度よりも前記光度上昇閾値だけ高い光度を比較用基準光度として設定する比較用基準光度設定手段を備え、
    前記加熱異常判断手段は、前記光度検出手段毎に前記加熱時光度が前記比較用基準光度より大きいか否かを判断することにより前記光度比較を行い、何れか1つ又は複数の前記光度検出手段において前記加熱時光度が前記比較用基準光度より大きい前記光度超過状態となっている場合に前記加熱異常が生じているものと判断する
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記背景光度設定手段は、前記光度検出手段毎に、その光度検出手段により検出された光度を異なるタイミングで複数回取得し、その複数回分の光度の平均値を前記背景光度として設定する
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記背景光度設定手段により設定された前記光度検出手段毎の前記背景光度のうち何れか1つ又は複数が、予め設定した異常判定基準光度よりも大きい場合に、前記加熱異常の検出を正常に行うことができない状態であると判断する検出異常判断手段を備える
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の加熱異常検出装置であって、
    前記加熱異常判断手段により前記加熱異常が生じているものと判断された場合にその旨を報知する報知手段を備える
    ことを特徴とする加熱異常検出装置。
  9. 導電性の被加熱部材に電流を流すことによってその被加熱部材を加熱する電気加熱手段と、
    請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の加熱異常検出装置と、
    前記被加熱部材に対する前記加熱が開始された後、前記加熱異常判断手段により前記加熱異常が生じているものと判断された場合に、その被加熱部材に対して所定の異常処理を行う異常処理手段と、
    を備えることを特徴とする電気加熱システム。
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