JP5980762B2 - 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物 - Google Patents

使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物 Download PDF

Info

Publication number
JP5980762B2
JP5980762B2 JP2013238792A JP2013238792A JP5980762B2 JP 5980762 B2 JP5980762 B2 JP 5980762B2 JP 2013238792 A JP2013238792 A JP 2013238792A JP 2013238792 A JP2013238792 A JP 2013238792A JP 5980762 B2 JP5980762 B2 JP 5980762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
mgo
refractory
less
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013238792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015098415A (ja
Inventor
均 澤田
均 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2013238792A priority Critical patent/JP5980762B2/ja
Publication of JP2015098415A publication Critical patent/JP2015098415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5980762B2 publication Critical patent/JP5980762B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Description

本発明は、例えば、混銑車の炉口に施工される不定形耐火物、即ち、使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物に関する。
従来より、溶銑を装入する混銑車、溶銑鍋、或いは、溶鋼を装入する取鍋、転炉等の内部には耐火物が施工されている。耐火物として、キャスタブル等から構成された不定形耐火物があり、例えば、特許文献1〜3等に開示されているような不定形耐火物が開発されている。
特許文献1には、分子量20000〜100000のスルホン化メラミン重縮合物が0.001〜0.1質量%添加され、粒度10〜40mmである耐火性粗大粒が50%以下添加された流し込み用施工用不定形耐火物が開示されている。
特許文献2には、不定形耐火物に関して、黒鉛を含有する造粒骨材を15〜40質量%含有し、この造粒骨材の中に10〜20質量%の黒鉛を含有していること、造粒骨材は粒径が1〜10mmであること、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛、炭素繊維の内から選ばれるいずれか1種類以上の黒鉛と、アルミナ、マグネシア、スピネル及び炭化珪素のうちから選ばれるいずれか1種類以上の耐火性粉末とをバインダーと共に加圧、造粒して得られたものを用いること、造粒骨材の一部または全部は、鱗状黒鉛、薄肉黒鉛のうちから選ばれるいずれか1種類以上の黒鉛を含むAl−MgO−Cれんが屑、Al−Cれんが屑、MgO−Cれんが屑及びAl−SiC−Cれんが屑のいずれか1種又は2種以上の未使用品及び/又は使用済み品を破砕して得たものを用いることが開示されている。
特開2006−335580号公報 特開2005−335966号公報
溶銑を輸送する混銑車の炉口は、溶銑の装入、払い出しに応じて、熱衝撃が繰り返し加わることとなり、不定形耐火物の剥離・脱落の可能性が懸念される。そのため、混銑車の炉口に施工される不定形耐火物に対しては、熱衝撃に強く耐剥離性、耐脱落性を有するものが熱望されている。係る観点から従来技術である特許文献1及び2を考えてみる。
まず、特許文献1では、例えば、Al/MgO比が適正でないため、熱の急激な変動が発生すると耐火物の剥離・脱落が生じる虞があった。また、耐火物を構成する原料の粒径が大き過ぎるために耐火物の内部に空隙が生じたり、亀裂(剥離脱落)が発生する虞があった。また、特許文献2では、耐火物の最大粒径を規定しているものの、その粒径が10mmと比較的小さいことから、剥離・脱落の抑制効果が低下してしまうことがあった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、混銑車の炉口に施工する不定形耐火物であって、使用済みの耐火物(MgO−C煉瓦、及びアルミナマグネシア質の不定形耐火物)を用いて構成でき、且つ、亀裂の発生を抑制し、剥離脱落が抑制できる使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
すなわち、本発明にかかる不定形耐火物は、混銑車の炉口に施工される不定形耐火物であって、使用済みのMgO−C煉瓦を粉砕することで粒径が16mm以上31.5mm以下に構成した粗大粒と、使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物を粉砕すると共
に未使用のアルミナ原料を加えることで構成した粒径が0.2mm以上5mm以下である中粒と、粒径が0.2mm未満である微粒とで構成され、前記粗大粒は、MgO−Cの成分で主構成されるものであり、前記MgO−Cの含有量は、粗大粒と中粒と微粒と合わせた全質量に対して24質量%以上34質量%以下でとされ、前記中粒は、Al が主成分、MgOが副成分で構成され、前記Al の含有量は、全質量に対して15質量%以上27質量%以下とされ、前記MgOの含有量は、2質量%以下とされていて、前記微粒は、Al が主成分、MgO,SiO 及びCaOが副成分で構成され、前記Al の含有量は、全質量に対して33質量%以上38質量%以下とされ、前記MgOの含有量は、3質量%以上8質量%以下とされ、前記SiO の含有量は、1質量%以下とされ、前記CaOの含有量は、0.5質量%以上5質量%以下とされていて、全質量でのMgOに対するAl2O3の質量比は1.5以上3.0であり、微粒に対する粗大粒の質量比は0.46以上0.67以下であることを特徴とする。
本発明によれば、混銑車の炉口に施工する不定形耐火物を、使用済みのMgO−C煉瓦及びアルミナマグネシア質の不定形耐火物を用いて構成することができ、炉口に施工した不定形耐火物の剥離・脱落を確実に抑制することができる。即ち、MgO−C煉瓦及びアルミナマグネシア質の不定形耐火物を、炉口用の不定形耐火物としてリサイクルすることができる。
(a)混銑車の全体側面図、(b)混銑車の内部図である。 (a)混銑車の炉口の拡大図、(b)混銑車の内部拡大図である。 混銑車の炉口に施工するキャスタブル耐火物の構成を示す図である 剥離・脱落の評価テストに用いるサンプルの全体を示す斜視図である。 剥離・脱落の評価テスト(スポーリングテスト)の説明図である。 サンプルの剥離・脱落の状態を示す図である。 空隙の評価テストの説明図である。 脱枠時の欠落確認テストの説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る不定形耐火物について図面に基づき説明する。
本発明のマグカーボンを利用した不定形耐火物は、溶銑(銑鉄)を運搬する混銑車に施工されるものであって、特に、混銑車の炉口に施工されるものである。
図1及び図2に示すように、混銑車1は、例えば、高炉から出銑した溶銑を脱りん炉や脱炭炉(転炉)等が設置されている精錬処理工場に搬送するものである。この混銑車1は、溶銑を一時的に貯留するための容器2と、この容器2を搬送するための搬送装置3とを備えている。
混銑車1の容器2は、前後両側が塞がった円筒状に構成されたもので、略一定の半径である中央部5と、この中央部5から前後方向にいくにしたがって徐々(連続的)に半径が小さくなる絞り部6とを備えている。容器2の中央部5には炉口7が設けられている。
混銑車1の内部には、当該混銑車1の外側を構成する鉄皮を溶銑から保護するために耐火物が施工されているが、特に、炉口7の周囲は形状が複雑なために、当該炉口7の周囲にはキャスタブルからなる不定形耐火物8が施工されている。また、混銑車1の内部には、レンガ等の定形耐火物9が施工されている。不定形耐火物8は、予めミキサーに不定形耐火物8の原料を入れ、所定量の水と混合することにより構成する。不定形耐火物8の施工は、混合後の流動性のある原料を炉口7の周辺に設置した型枠に流し込むことにより行う。
混銑車1の炉口7は、溶けた銑鉄(溶銑)を混銑車1内に注入したり、内部の銑鉄を外部に配備された取鍋に払い出す箇所である。そのため、炉口7の周囲に施工した不定形耐火物8は、銑鉄の熱によって膨張したり外気の影響で収縮し、膨張伸縮を繰り返す。膨張伸縮の繰り返しによって、不定形耐火物8は剥離したり脱落する。即ち、炉口7の不定形耐火物8は、溶けた銑鉄が混銑車1の内部に注入される際、或いは、内部の銑鉄を他の容器に払い出す際に高熱に晒される。また、それ以外の状況では、炉口7の不定形耐火物8は、外気に晒されることになり、高温,低温の繰り返しにより膨張、収縮を繰り返し、次第に亀裂が生じ、亀裂の進展によって、剥離・脱落する。
それゆえ、炉口7に用いられる不定形耐火物8は、膨張伸縮の繰り返しによる剥離・脱落が発生し難いものが望まれている。
本発明では、不定形耐火物の元である原料の大きさや成分等を適正にすることにより、剥離・脱落を抑制された不定形耐火物を構成することとしている。以下、本発明の不定形耐火物について詳しく説明する。
図3に示すように、不定形耐火物は、キャスタブル等で構成された耐火物(以降、キャスタブル耐火物という)で、粒径が異なる3つの原料を合わせることにより構成されている。詳しくは、キャスタブル耐火物は、粒径が16mm以上31.5mm以下である粗大粒と、粒径が0.2mm以上5mm以下である中粒と、粒径が0.2mm未満である微粒とで構成されている。言い換えれば、本願発明のキャスタブル耐火物は、粒径が5mmより大きく16mmより小さい粒を含まないものとなっている。なお、粗大粒、中粒及び微粒の粒径は、JISZ8801に規定された篩いで測定(選別)したものである。
粗大粒は、使用済みのMgO−C煉瓦を粉砕したものであって、例えば、溶鋼鍋、RH容器(真空脱ガス装置の脱ガス槽)などで使用したMgO−C煉瓦を粉砕することにより上述した粒度に構成したものである。なお、MgO−C煉瓦の粉砕方法は、上述した粒度に粉砕できるものであればどのような方法であってもよい。
粗大粒は、キャスタブル耐火物の骨格をなすものであるが、当該粗大粒の粒径が16mm未満であると、剥離・脱落が発生し易くなる。一方、粗大粒の粒径が31.5mmを超えると、キャスタブル耐火物を構成したときに内部に空隙が生じやすくなり、施工後の強度が低下する虞がある。つまり、キャスタブル耐火物を構成したときに内部に空隙が生じると強度が低下して、剥離・脱落し易くなる。ゆえに、粗大粒の粒径は、16mm以上31.5mm以下としている。
この粗大粒は、主に、MgO−C(マグカーボン)の成分で構成されるもので、その量(MgO−Cの量)は、当該粗大粒と、中粒と、微粒と合わせた全質量を100%としたとき、全質量に対して24質量%以上34質量%以下とされている。
MgO−Cを主成分とするMgO−C煉瓦は、他の一般的な原料(原料)と比べて熱を受けたときの膨張量が多くなる性質がある。それゆえ、MgO−Cの添加量(成分量)が多い場合、膨張に起因して剥離・脱落が生じやすくなる。具体的には、粗大粒において、MgO−Cの量が全質量に対して34質量%以上である場合、含まれる量が多すぎることから剥離・脱落が生じ易くなる。
一方、MgO−Cの量が全質量に対して24%未満であると熱膨張による剥離・脱落を抑制できるものの、亀裂が発生し易くなり、亀裂が起因した剥離・脱落が生じ易くなる。したがって、上述したように、粗大粒のMgO−Cの含有量は、全質量に対して24質量%以上34質量%以下とされている。
中粒は、使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物を粉砕した粉砕物と、未使用のアルミナ原料とを加えることによって構成したものである。
例えば、溶鋼鍋などで使用されたアルミナマグネシア質の耐火物の屑(不定形耐火物の屑)を粉砕することにより上述した粒度した粉砕物を用意する。なお、アルミナマグネシア質の不定形耐火物の粉砕方法は、上述した粒度に粉砕できるものであればどのような方法であってもよい。
また、未使用のアルミナ原料、即ち、ヴァージン原料を用意する。詳しくは、粒径が0.2mm〜1.0mmであるアルミナのヴァージン原料を用意して、このヴァージン原料と上述した粉砕物とを合わせて中粒を構成する。アルミナのヴァージン原料のことを「ヴァージンアルミナ」という。
なお、粒径が0.2mm〜1.0mmである細粒にヴァージン原料ではなく、アルミナマグネシア質の不定形耐火物の屑を用いた場合、例えば、SiOやCaOといったスラグ由来の成分が混在しやすく、熱の影響を受けて耐火物が焼き固まり易くなり、急激な温度変化にともなって割れることがあるため、粒径が0.2mm〜1.0mmである範囲では、ヴァージン原料を用いることが望ましく、特に、ヴァージンアルミナを用いることが望ましい。
この中粒は、粗大粒よりも粒径が小さいキャスタブル耐火物の構成粒で、主に粗大粒間の空隙を埋めることができるものである。中粒の粒径が5mmを超える場合は、十分に粗大粒間の空隙を埋めることができず、キャスタブル耐火物を構成したときに内部に空隙が生じやすくなり、施工後の強度が低下する虞がある。一方、中粒の粒径が0.2mm未満である場合は、粒の表面積が増大するため、流し込みに必要とする水分量が増え、強度が低下し、急激な温度変化に伴って剥離脱落し易くなると共に、中粒としての役割が無くなってしまう。
この中粒には、耐スポーリング性を向上させるために、AlとMgOとが含有されている。中粒のAlの含有量は、全質量に対して15質量%以上27質量%以下とされている。中粒のAlが15質量%未満である場合、高温時に耐火物組織の一部が焼き固まり易くなり、急激な温度変化が発生すると、焼き固まった部分などが割れ易くなる。即ち、急激な温度変化により剥離して脱落し易くなる。一方、中粒のAlが27質量%を超えた場合、銑鉄の熱と外気温度との温度差により剥離・脱落が生じ易くなる。
また、中粒のMgOの含有量が全質量に対して2質量%を超えていて多い場合、熱の影響により膨張量が大きくなるため、この膨張に起因した剥離・脱落が生じやすくなる。
したがって、上述したように、中粒のAlは、全質量に対して15質量%以上27質量%以下、MgOは2質量%以下としている。
上述した大粒や中粒では使用済みの耐火物、即ち、使用済みの煉瓦を用いていたが、この微粒では、使用済みの耐火物を用いずに構成したものである。言い換えると、微粒は、使用済みの耐火物ではなく、ヴァージン原料で構成したものである。
なお、この微粒において、使用済みの耐火物(廃耐火物)を用いると、例えば、SiOやCaOといったスラグ由来の成分が混在しやすく、熱の影響を受けて耐火物が焼き固まり易くなり、急激な温度変化にともなって割れることがあるため、微粒には廃耐火物を用いないこととしている。
この微粒は、中粒よりも粒径が小さいキャスタブル耐火物の構成粒で、主に粗大粒間や中粒間のの空隙を埋めることができるものである。微粒の粒径が0.2mmを超える場合は、十分に粗大粒間や中粒間の空隙を埋めることができず、キャスタブル耐火物を構成したときに内部に空隙が生じやすくなり、施工後の強度が低下する虞がある。一方、微粒の粒径を0.2mm未満とした場合、耐火物の流動性と充填性が向上し、微粒としての役割を十分に発揮する。
この微粒には、耐スポーリング性を向上させるために、AlとMgOとが含有されると共に、不純物として不可避的にSiOが含有される。また、微粒には、セメントの主成分であるCaOが含有されている。セメントの主成分であるCaOは、耐火物を固化するために必要である。
微粒のAlの含有量は、全質量に対して33質量%以上38質量%以下とされている。微粒のAlが33質量%未満である場合、高温時に耐火物組織の一部が焼き固まり易くなり、急激な温度変化が発生すると、焼き固まった部分などが割れ易くなる。即ち、急激な温度変化により剥離して脱落し易くなる。一方、微粒のAlが38質量%を超えた場合、銑鉄の熱と外気温度との温度差により剥離・脱落が生じ易くなる。
また、微粒のMgOの含有量が全質量に対して8質量%を超えていて多い場合、熱の影響により膨張量が大きくなるため、この膨張に起因した剥離・脱落が生じやすくなる。一方、微粒のMgOの含有量が全質量に対して3%未満の場合も、剥離・脱落が生じやすくなる。
微粒のSiOは、不可避的に不純物として入ってしまうものであるが、SiOの含有量が1%を超えると、銑鉄の熱と外気温度との温度差により剥離・脱落が生じ易くなる。微粒のCaOは、耐火物を固化するためのものであるが、CaOの含有量が全質量に対して0.5質量未満である場合、耐火物を固化するセメント量が極端に少なくなり、施工後の強度が低下し、脱枠時に欠け等が発生し易くなる。一方、CaOの含有量が全質量に対して5質量を超えると、割れが発生して、剥離・脱落し易くなる。
したがって、微粒のAlは、上述したように、全質量に対して33質量%以上38質量%以下とし、MgOは3質量%以上8質量%以下とし、SiOは1質量%以下とし、CaOは0.5質量%以上5質量%以下としている。
粗大粒と中粒と微粒とを合わせた粒全体の質量(全質量と呼ぶこともある)において、AlとMgOとのバランスにより、剥離・脱落の有無があることが実操業により分かってきている。本発明では、全質量に含有されるAlとMgOとの質量比(Al/MgO比)を、1.5以上3.0以下としている。Al/MgO比が1.5未満の場合は、急激な温度変化によって剥離・脱落し易いことが知見された。また、Al/MgO比が3.0を超えた場合も、急激な温度変化によって剥離・脱落し易いことを本願発明者は知見している。なお、Al/MgO比も、実験や実操業の結果により求めたものである。
さらに、本発明では、上述した条件に加え、粗大粒と微粒との比(粗大粒/微粒の質量比)を0.46以上0.67以下としている。粗大粒/微粒の質量比が0.46未満である場合、微粒が多すぎ、粗大粒が少なすぎるため、粗大粒による剥離・脱落の抑制効果が低下してしまい、剥離・脱落が発生し易くなる。一方、粗大粒/微粒の質量比が0.67を超えると、粗大粒が多すぎ、微粒が少なすぎるため、微粒によって粗大粒間の充填が十分にできず、空隙が生じ易くなる。その場合、空隙に起因する剥離・脱落の発生の虞がある。
表1〜表3は、本発明の不定形耐火物を施工した実施例と、本発明とは異なる不定形耐火物を施工した比較例とをまとめたものである。
まず、実施例及び比較例での実施条件について説明する。
転炉又は/及び溶鋼鍋で使用済みのMgO−C煉瓦を所定の大きさに粉砕した粉砕物、溶鋼鍋で使用したアルミナマグネシア質の不定形耐火物を所定の大きさに粉砕した粉砕物、所定の大きさのヴァージン原料などを用いて、所定成分及び比率となるように配合及び混合することにより不定形耐火物を製作した。上述した粉砕物やヴァージン原料等をミキサに入れて混合した後、混合後の原料を型枠に流し込むことにより耐火物(不定形耐火物)を施工した。
なお、表1〜表3では、溶鋼鍋で使用したアルミナマグネシア質の不定形耐火物のことを「溶鋼鍋アルマグ」と表記している。また、表1〜表3において材料名(使用耐火物名)に続く数値は、それぞれの材料の比率を示しており、例えば、「転炉MgO−C煉瓦80%」、「溶鋼鍋MgO−C煉瓦20%」は、転炉MgO−C煉瓦を80%使用し、溶鋼鍋MgO−C煉瓦を20%使用していることを示している。また、中粒においては、粒径によって使用する耐火物が異なっている。
また、使用耐火物の組成は、表4に示す通りである。
また、原料の分級は、JISZ8801に規定する篩いによって行った。不定形耐火物を使用する混銑車は図1及び2に示したものである。
ミキサは、内容量が30Lで1回当たりの混合量は20kgのものを使用した。事前に所定量計量した材料(不定形耐火物の元となる材料)をミキサに投入し、ミキサの回転数を140rpmに設定して、約10秒間回転させることによって原料を混合した。また、混合原料に8〜10質量%の水を添加し、その後、ミキサーの回転数を192rpmに設定して3分間混練した。
そして、混合材料を型枠に流し込み、図4に示すような長方立方体形状(210mm×100mm×60mm)のサンプルSを作成した。型枠に混合材料を流し込む際には、型枠をテーブルバイブレーター(エクセン株式会社製、型番:TV−900)上に乗せ、振動を加えた。テーブルバイブレーターの振動条件は、振動数57.5Hz、振動時間10秒とした。そして、型枠への混合材料の流し込みが終了してから、17時間後に脱枠した。脱枠後のサンプルSに対して、剥離・脱落の評価テスト、空隙の評価テストを行った。
剥離・脱落の評価テストとしてスポーリングテストを採用した。スポーリングテストとは、サンプルSを急加熱,急冷を繰り替えすことで、サンプルSに急激な膨張、収縮を加え、強制的に亀裂を発生させるテストである。このテストは一般的な方法で実施した。
詳しくは、脱枠後、サンプルSを110℃にて24時間乾燥した。そして、サンプルS内の結晶水を抜くために、前処理として500℃で3時間、仮焼成を行った。なお、仮焼成は、電気炉内での急加熱によって、サンプルが結晶水の水蒸気圧により破裂する危険を取り除く目的で行った。
図5(a)に示すように、仮焼成後のサンプルSの上半分を電気炉10内に入れて当該上半分の加熱を行った。加熱温度は1200℃とし、加熱時間は加熱面の温度が均一となる40分間とした。図5(b)に示すように、加熱後のサンプルSを電気炉10から取り出し、加熱したサンプルSの上半分の急冷を3分間行った。なお、急冷時は、サンプル自体を上下反転し、サンプルSの上半分を下側にした上で、常温の流水に漬すようにした。
サンプルの上半分を急冷した後、図5(c)に示すように、サンプルSを設置台11に置いて空冷を12分間行った。図5に示したような加熱、急冷、空冷を1サイクルとして、同じサンプルに対して5サイクル行った。
上述したように、加熱、急冷、空冷を5サイクル繰り返し、実施したのち、サンプルSの上半分(加熱側)について、剥離・脱落の評価を行った。図6に示すように、サンプルSの上半分に剥離・脱落等の有無を目視にて確認した。
なお、図1及び2に示すように、混銑車1の炉口7付近に施工した不定形耐火物8は、内側が溶銑に近く、外側が溶銑に遠くて外気に触れやすい。それゆえ、スポーリングテストでは、電気炉10で加熱するサンプルSの上半分を、炉口7付近に施工された不定形耐火物8の内側に対応する部分とし、サンプルSの下半分を、不定形耐火物8の外側に対応する部分として評価を行った。
空隙の評価テストでは、まず、脱枠後、サンプルSを110℃にて24時間乾燥した。そして、図7も示すように、サンプルSの厚み方向の真ん中部分(厚み30mmのところ)を上下に切断して、サンプルSの断面において空隙の有無を目視にて確認した。
さて、上述したようにキャスタブル耐火物を型枠に流し込んだ後、当該キャスタブル耐火物が硬化すると、この型枠を取り除く脱枠を行うが、その際にキャスタブル耐火物(サンプル)に欠落が発生すると、構造体としての耐火物強度が低下し、炉口に用いたときの寿命が低下する要因となる。それゆえ、脱枠時にサンプルSが欠落しないか否かを確認するテスト(脱枠時の欠落確認テスト)を行う必要がある。脱枠時の欠落確認テストでは、図8に示すように、脱枠直後にサンプルSを目視し、サンプルSの欠落の発生の有無を目視にて確認した。
実施例1〜10では、粗大粒の粒径を16mm以上31.5mm以下とし、中粒の粒径を0.2mm以上5mm以下とし、微粒の粒径を0.2mm未満としたうえで、粗大粒のMgO−Cは24質量%〜34質量%であり、中粒のAlは15質量%〜27質量%、MgOは2質量%以下である。
また、実施例1〜10では、微粒のAlは33質量%〜38質量%、MgOは3質量%〜8質量%、SiOは1質量%以下、CaOは0.5質量%〜5質量%であり、Al/MgO質量比は、1.5〜3.0、粗大粒/微粒との質量比は、0.46〜0.67である。
さらに、実施例1〜10では、粗大粒は、使用済みのMgO−C煉瓦(転炉MgO−C煉瓦、溶鋼鍋MgO−C煉瓦)を粉砕して構成した。中粒は、使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物(溶鋼鍋アルマグ)及び未使用のアルミナ原料(ヴァージンアルミナ)で構成した。それゆえ、実施例1〜10では、使用済みの耐火物(MgO−C煉瓦及びアルミナマグネシア質の不定形耐火物)を用いたとしても、剥離・脱落が無く、空隙も無く、脱枠時の欠落も無かった。
一方、比較例では、粗大粒の粒径、中粒の粒径、微粒の粒径、粗大粒のMgO−Cの量、中粒のAlの量、微粒のAlの量、MgOの量、SiOの量、CaOの量、Al/MgO質量比、粗大粒/微粒との質量比のいずれかが上述した条件を外れていたため、剥離・脱落が発生したり、空隙が発生したり、脱枠時の欠落が発生することがあった。加えて、中粒を構成するにあたって、未使用のアルミナ原料を用いなかったため、亀裂や剥離が発生した。
以上、本発明によれば、混銑車の炉口に施工される不定形耐火物において、一度使用した耐火物を用いて、混銑車の炉口に施工する不定形耐火物を構成したとしても、上述した条件を満たせば、剥離・脱落の発生などを抑制することができ、加えて、空隙の発生や脱枠時の欠落の発生を抑制することができた。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 混銑車
2 容器
3 搬送装置
5 中央部
6 絞り部
7 炉口
8 不定形耐火物
9 れんが

Claims (1)

  1. 混銑車の炉口に施工される不定形耐火物であって、
    使用済みのMgO−C煉瓦を粉砕することで粒径が16mm以上31.5mm以下に構成した粗大粒と、使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物を粉砕すると共に未使用のアルミナ原料を加えることで構成した粒径が0.2mm以上5mm以下である中粒と、粒径が0.2mm未満である微粒とで構成され、
    前記粗大粒は、MgO−Cの成分で主構成されるものであり、前記MgO−Cの含有量は、粗大粒と中粒と微粒と合わせた全質量に対して24質量%以上34質量%以下でとされ
    前記中粒は、Al が主成分、MgOが副成分で構成され、前記Al の含有量は、全質量に対して15質量%以上27質量%以下とされ、前記MgOの含有量は、2質量%以下とされていて
    前記微粒は、Al が主成分、MgO,SiO 及びCaOが副成分で構成され、前記Al の含有量は、全質量に対して33質量%以上38質量%以下とされ、前記MgOの含有量は、3質量%以上8質量%以下とされ、前記SiO の含有量は、1質量%以下とされ、前記CaOの含有量は、0.5質量%以上5質量%以下とされていて
    全質量でのMgOに対するAl2O3の質量比は1.5以上3.0であり、微粒に対する粗大粒の質量比は0.46以上0.67以下であることを特徴とする使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物。
JP2013238792A 2013-11-19 2013-11-19 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物 Expired - Fee Related JP5980762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013238792A JP5980762B2 (ja) 2013-11-19 2013-11-19 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013238792A JP5980762B2 (ja) 2013-11-19 2013-11-19 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015098415A JP2015098415A (ja) 2015-05-28
JP5980762B2 true JP5980762B2 (ja) 2016-08-31

Family

ID=53375314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013238792A Expired - Fee Related JP5980762B2 (ja) 2013-11-19 2013-11-19 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5980762B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6621784B2 (ja) * 2016-10-12 2019-12-18 Jfeスチール株式会社 耐火物煉瓦および耐火物煉瓦の製造方法
CN111960852A (zh) * 2020-09-04 2020-11-20 辽宁科技大学 基于二次造孔法的镁质隔热耐火材料及其制备的方法
CN113860895A (zh) * 2021-11-02 2021-12-31 江苏嘉耐高温材料股份有限公司 一种循环经济型挡渣墙及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59227779A (ja) * 1983-06-07 1984-12-21 新日本製鐵株式会社 溶融金属容器用塩基性不定形耐火物
JP3781316B2 (ja) * 1996-06-07 2006-05-31 黒崎播磨株式会社 使用後の耐火物の原料リサイクル方法
JP4077774B2 (ja) * 2003-08-19 2008-04-23 新日本製鐵株式会社 使用済み耐火物の再利用方法
JP4351526B2 (ja) * 2003-12-19 2009-10-28 黒崎播磨株式会社 使用済耐火物を配合した湿式吹付け用不定形耐火物
JP4583795B2 (ja) * 2004-03-31 2010-11-17 住友金属工業株式会社 MgO−C質レンガ廃材を含有する乾式振動施工用耐火物
JP2005335966A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Jfe Steel Kk 黒鉛含有キャスタブル耐火物
JP5409550B2 (ja) * 2006-01-13 2014-02-05 新日鐵住金株式会社 使用済み耐火物のリサイクル方法及びこれを用いて製造したリサイクル耐火物原料並びに不定形耐火物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015098415A (ja) 2015-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007145684A (ja) 耐火れんが
JP5980762B2 (ja) 使用済みのMgO−C煉瓦屑及び使用済みのアルミナマグネシア質の不定形耐火物屑を利用した不定形耐火物
CN108472722B (zh) 包含沸石型微结构的可浇筑耐火材料组合物及其用途
WO2007011038A1 (ja) カーボン含有耐火物及びその製造方法並びにピッチ含有耐火原料
JP6621784B2 (ja) 耐火物煉瓦および耐火物煉瓦の製造方法
JP5073791B2 (ja) アルミナ−マグネシア質耐火れんが及びその製造方法
JP5980747B2 (ja) マグカーボンを利用した不定形耐火物
EP2792656A1 (en) Method for producing silicon carbide whisker-reinforced refractory composition
JP6154772B2 (ja) アルミナ−炭化珪素−炭素質れんが
JP6441685B2 (ja) 溶融金属容器蓋用キャスタブル耐火物
JP2009228042A (ja) スラグ除去材およびスラグの除去方法
JP7377635B2 (ja) 溶銑鍋用れんが及びこれをライニングした溶銑鍋
JP6441684B2 (ja) 溶融金属容器蓋用キャスタブル耐火物
JP7032084B2 (ja) 不定形耐火物
JP2017206414A (ja) アルミナ−クロミア質焼成煉瓦の製造方法
JP2015171991A (ja) 製鉄用容器
JP5760266B2 (ja) 溶融金属出湯用マッド材
JP2018127376A (ja) 耐火物煉瓦
JP5341135B2 (ja) アルミナ・マグネシア質流し込み材およびその製造方法
KR20130082155A (ko) 슬라이딩 노즐 플레이트
JP2743783B2 (ja) 耐火物損耗量の測定方法
JP2018168014A (ja) 不焼成れんが耐火物および不焼成れんが耐火物の製造方法
JP6384511B2 (ja) キャスタブル耐火物
JP2000263013A (ja) アルミドロス残灰の利用方法及びアルミナスピネル質キャスタブル耐火物
JP4464487B2 (ja) 耐溶損性に優れた不定形耐火物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5980762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees