JP5980624B2 - 液圧装置の慣らし運転方法及び慣らし運転装置 - Google Patents

液圧装置の慣らし運転方法及び慣らし運転装置 Download PDF

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Description

本発明は、本体と、この本体の液圧室内に収納された一対のはすば歯車とを備えた液圧装置の慣らし運転方法及び慣らし運転装置に関し、更に詳しくは、前記一対の歯車の歯先外面と前記本体の内周面との当接部を除去加工して、両者間をなじませる慣らし運転方法及び慣らし運転装置に関する。
前記慣らし運転は、油圧ポンプや油圧モータといった液圧装置を組み付ける際に行なわれるもので、一対の歯車の歯先外面とこの歯車が収納される本体の内周面との間のクリアランスを極力小さくして、これらを密接させ、このように密接させることにより、同部からの液漏れを防止するために行われるものである。そして、この慣らし運転は、一般に、相互に噛み合う一対の歯車を、その歯先外面が本体の内周面に当接した状態で、当該本体内に収納するとともに、各歯車の両端面からそれぞれ外方に延設された各回転軸を、同じく本体内に収納され且つ各歯車の両側に当接した状態の軸受部材によって回転自在に支持し、この状態で前記一対の歯車を回転させるという態様が採られ、本体の内周面に当接した状態の歯車を回転させることで、当該歯車の歯先外面によってハウジングの内周面が削られ、若しくは摩滅され(以下、これを「除去加工」という)、歯先外面と本体内周面とが密接した状態となるのである。
このような慣らし運転を行なう装置として、従来、例えば、特許第4905694号公報に開示された慣らし装置が提案されている。この慣らし装置は、吸込ポート及び吐出ポートが形成されたケースや、ケース内に組み込まれた駆動ギヤ及び従動ギヤ、ケース内に嵌合するサイドプレート、ケースに取り付けられるダミーカバー、駆動ギヤの軸部に連結されるモータなどから構成されている。
前記ダミーカバーは、サイドプレートとの間に圧力室を形成するように、当該サイドプレートの背面部を覆った状態でケースに取り付けられており、圧力室は、ダミーカバーに形成された通路とケースに形成された通路とを介して吐出ポートに連通されている。また、ダミーカバーに形成された通路には段付ピストンが設けられており、当該段付ピストンは、吐出ポート側に対する受圧面積が圧力室側に対する受圧面積よりも大きく、吐出ポートの圧力を増圧して圧力室に伝達するようになっている。
この慣らし装置では、モータによって駆動ギヤを駆動することで、吸込ポート側が低圧、吐出ポート側が高圧となり、両ポートの間に差圧が生じる。これにより、駆動ギヤ及び従動ギヤが低圧側に移動し、2つのギヤの歯先がケースの内周面に押し当てられ、これら2つのギヤの歯先外面によってケースの内周面が除去加工される。
特許第4905694号公報
ところで、従来、前記一対の歯車には各種形状のものが使用されており、その中の1つにはすば歯車がある。ところが、このはすば歯車は、歯が斜めに傾斜した構造であるが故に、このようなはすば歯車を備えた液圧装置の場合、上記従来の慣らし装置を用いても良好な慣らし運転を行うことができないという問題があった。
上述したように、はすば歯車は歯が斜めに傾斜した構造であり、このため、歯の噛み合いによって軸方向の力(スラスト力)を生じ、また、作動液体の圧力を歯面に受けることによって同様にスラスト力を生じる。更に、歯先外面とハウジングの内周面との当接部を除去加工する際に、加工に伴う反力がスラスト力として作用する。
このため、このはすば歯車を備えた液圧装置の慣らし運転を、上記従来の慣らし装置を用いて行うと、前記スラスト力によって歯車の端面が軸受部材に過度に押し付けられ、歯車の端面や軸受部材の端面に焼きつきが生じ、更に悪化すると、歯車や軸受部材自体が損傷するという問題が生じるのである。
本発明は以上の実情に鑑みなされたもので、はすば歯車を備え、このはすば歯車によってスラスト力を生じる液圧装置であっても、これに対して良好に慣らし工程を実施することができる慣らし運転方法及び慣らし運転装置の提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、両端面からそれぞれ外方に延出するように設けられた回転軸をそれぞれ有し、且つ歯部が相互に噛み合う一対のはすば歯車と、
両端部が開口し、且つ内部に前記一対の歯車が噛み合った状態で収納される液圧室を有し、該液圧室は前記各歯車の歯先外面が当接する円弧状の内周面を有する本体と、
前記本体の液圧室内にあって、前記各歯車の両側にそれぞれ配設され、前記各歯車の回転軸を回転自在に支持する一対の軸受部材と、
前記本体の両端面にそれぞれに液密状に固設されて前記液圧室を封止する一対のカバープレートとを備える液圧装置を慣らし運転する方法であって、
歯先外面が本体の液圧室内の内周面に当接した状態で前記液圧室内に収納された一対の歯車を回転させ、前記液圧装置を予め設定した液圧力の下で運転することにより、前記一対の歯車の歯先外面と本体の内周面との当接部を除去加工する慣らし運転方法において、
前記回転させる歯車に作用するトルク値を検出し、
該検出したトルク値を基に、前記一対の歯車の噛み合いによって生じるスラスト力、作動液体の圧力によって生じるスラスト力及び前記除去加工によって生じるスラスト力をそれぞれ算出し、
該算出した3つのスラスト力を基に、前記一対の歯車の内、前記3つのスラスト力が同じ方向に作用する一方の歯車の回転軸端面に、前記3つのスラスト力の合力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるとともに、他方の歯車の回転軸端面に、前記除去加工によって生じるスラスト力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるようにした慣らし運転方法に係る。
そして、この慣らし運転方法は、以下の構成を備えた慣らし運転装置によって好適に実施することができる。
即ち、この慣らし運転装置は、
前記歯車を回転させる回転駆動機構と、
前記回転軸に作用するスラスト力の作用方向下流側に設けられる前記カバープレートに代えて、前記本体の端面に固設されるダミープレートと、
前記各回転軸の端面と対向するように前記ダミープレートに穿設された貫通穴に、前記各回転軸端面に当接可能にそれぞれ嵌挿された第1及び第2押付部材と、
前記第1及び第2押付部材をそれぞれ押し付けて、該第1及び第2押付部材をそれぞれ対応する前記回転軸端面に押し当てる第1及び第2押付機構と、
前記回転駆動機構によって前記歯車に入力されるトルク値を検出するトルク検出機構と、
前記回転駆動機構、並びに前記第1及び第2押付機構の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記トルク検出機構により検出されたトルク値を入力し、入力したトルク値を基に、前記一対の歯車の噛み合いによって生じるスラスト力、作動液体の圧力によって生じるスラスト力及び前記一対の歯車の回転に伴う除去加工によって生じるスラスト力をそれぞれ算出し、
前記第1押付機構を動作させて、前記一対の歯車の内、前記3つのスラスト力が同じ方向に作用する一方の歯車の回転軸端面に、前記第1押付部材を介して、前記3つのスラスト力の合力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるとともに、
前記第2押付機構を動作させて、他方の歯車の回転軸端面に、前記第2押付部材を介して、前記除去加工によって生じるスラスト力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるように構成される。
上述したように、はすば歯車を用いた液圧装置の慣らし運転においては、歯の噛み合いによるスラスト力(以下、「噛合スラスト力」という)、作動液体の圧力が歯面に作用することによるスラスト力(以下、「受圧スラスト力」という)及び除去加工によるスラスト力(以下、「加工スラスト力」という)の3つのスラスト力が生じる。
これらスラスト力の内、受圧スラスト力は、前記一対の歯車の歯面に同様に作用することから、当該一対の歯車に対して同じ方向に作用し、また、加工スラスト力は、各歯車の歯先外面がそれぞれ本体内周面との当接部を除去加工する際の反力であることから、同様に、一対の歯車に対して同じ方向に作用する。これに対して、噛合スラスト力は、歯部の噛み合いによって生じ、相互に反力として作用するものであるから、一対の歯車に対して正反対の方向に作用する。
したがって、一方の歯車については、噛合スラスト力、受圧スラスト力及び加工スラスト力が同じ方向に作用し、当該一方の歯車には、前記3つのスラスト力の合力としてのスラスト力が作用する。一方、他方の歯車については、噛合スラスト力と、受圧スラスト力及び加工スラスト力とが正反対の方向に作用し、当該他方の歯車には、受圧スラスト力及び加工スラスト力の合力と噛合スラスト力との差分のスラスト力が作用することになる。
ここで、前記噛合スラスト力と受圧スラスト力とは、同じ大きさとなることが理論的に立証されている。
即ち、前記受圧スラスト力をFsとし、歯車の歯幅をb、歯数をZとし、作動液体の圧力によって歯車に生じるトルクをTとすると、受圧スラスト力Fsは、次式によって表される。
(数式1)
Fs=T×(2π/(b×Z))
一方、作動液体の圧力によって歯車にトルクTを生じ、このトルクTによって歯車に生じる噛合スラスト力Fsは、次式によって表される。
(数式2)
±Fs=T×(2π/(b×Z))
したがって、前記一方の歯車に作用する噛合スラスト力と受圧スラスト力との合力としてのスラスト力Fsa’は、
(数式3)
Fsa’=Fs+Fs=2T×(2π/(b×Z))
となり、前記他方の歯車に作用する噛合スラスト力と受圧スラスト力との合力としてのスラスト力Fsb’は、
(数式4)
Fsb’=Fs−Fs=0
となる。
このように、前記他方の歯車については、受圧スラスト力Fsと噛合スラスト力Fsとが干渉しあって相殺されるのである。
したがって、前記加工スラスト力をFsとすると、前記一方の歯車に作用するスラスト力Fsaは、
(数式5)
Fsa=Fs+Fs+Fs
となり、受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsの合力が作用する。
一方、前記他方の歯車に作用するスラスト力Fsbは、
(数式6)
Fsb=Fs−Fs+Fs=Fs
となり、受圧スラスト力Fsと噛合スラスト力Fsとが相殺されて、加工スラスト力Fsのみが作用することになる。
尚、前記加工スラスト力Fsは、回転方向の除去加工抵抗をFr、回転軸に対する歯先の傾きをβとすると、
(数式7)
Fs=Fr×tanβ
で表され、また、除去加工抵抗Frは、歯先半径をRとすると、
(数式8)
Fr=T/2R
で表される。したがって、数式7及び数式8から、加工スラスト力Fsは次式から得られる。
(数式9)
Fs=Ttanβ/2R
斯くして、本発明では、上記のように、前記回転駆動機構によって前記歯車に入力されるトルク値をトルク検出機構によって検出するとともに、前記制御装置は、前記トルク検出機構によって検出されたトルク値を基に、例えば、上記数式1、数式2及び数式9から、それぞれ、受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsを算出する。
そして制御装置は、受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsが同じ方向に作用する歯車の回転軸端面に対し、前記第1押付機構を作動させて前記第1押付部材を押し付け、これら3つのスラスト力の合力とほぼ釣り合う大きさの抗力を当該一方の回転軸端面に作用させる。これにより、当該一方の歯車には、スラスト力が作用しない状態が実現される。
一方、加工スラスト力Fsのみが作用する前記他方の歯車の回転軸端面に対しては、前記第2押付機構を作動させて前記第2押付部材を押し付け、加工スラスト力Fsとほぼ釣り合う大きさの抗力を当該他方の回転軸端面に作用させる。これにより、この他方の歯車についても、スラスト力が作用しない状態が実現される。
このように、本発明に係る慣らし運転方法及び慣らし運転装置によれば、前記一対の歯車の双方がスラスト方向の力を受けない状態を実現することができるので、慣らし運転時に、一対の歯車の両端面が軸受部材等に過度に押し付けられ、これらに焼きつきが生じる、或いは、これらが破損するといった上記従来における問題が生じるのを防止することができる。
尚、前記制御装置は、前記第1及び第2押付機構を動作させて前記一対の歯車のそれぞれに抗力を作用させた状態で、前記トルク検出機構によって検出されるトルク値を監視し、このトルク値が予め設定した値以下になったとき、前記回転駆動機構による前記歯車の回転を停止させて、慣らし運転を終了するように構成されているのが好ましい。
慣らし運転を開始した後、除去加工が進むと、除去加工に伴う抵抗が徐々に減少するため、前記トルク検出機構によって検出されるトルク値が徐々に減少することになる。そして、このように除去加工に伴うスラスト力が減少しているにも拘らず、継続して、歯車の回転軸端面に初期設定した抗力を作用させ続けると、逆にこの抗力が歯車に対して過負荷になり、当該抗力によって歯車の端面等が損傷する恐れがある。
そこで、前記トルク検出機構によって検出されるトルク値を監視し、このトルク値が予め設定した値、即ち、除去加工が略終了したと判断されるトルク値以下になったとき、慣らし運転を終了するようにすれば、このような問題が生じるのを防止することができ、適切なときに慣らし運転を終了することができる。
更に、前記制御装置は、前記トルク検出機構によって検出されるトルク値を一定間隔で入力し、該入力したトルク値を基に都度前記3つのスラスト力を算出して、この算出した3つのスラスト力に応じて、前記第1及び第2押付機構による押付力を変化させ、前記各歯車の回転軸端面に、都度算出したスラスト力に応じた抗力を作用させるように構成されていても良い。
上記のように、慣らし運転を開始した後、除去加工が進むと、除去加工に伴う抵抗が徐々に減少するため、前記トルク検出機構によって検出されるトルク値が徐々に減少するが、トルク検出機構によって検出されるトルク値を一定間隔で取り込み、このトルク値を基に都度前記スラスト力を算出し、算出したスラスト力に応じた抗力を、前記各歯車の回転軸端面に作用させるようにすれば、スラスト力に応じた適切な抗力を各歯車に作用させることができ、上記のような、過度な抗力によって、歯車の端面等が損傷するという問題が生じるのを防止することができる。
以上のように、本発明によれば、はすば歯車を備えた液圧装置を組み付ける際の慣らし運転において、歯車にスラスト力が作用しない状態を実現することができる。したがって、上記従来のような、歯車端面や軸受部材の端面等にスラスト力に起因した焼きつきが生じる、或いは、これらが損傷するといった問題が発生するのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る液圧装置及び慣らし運転装置を示す平断面図である。 図1における矢視A−A方向の正断面図である。 本実施形態に係る慣らし運転装置のブッシュを示す平面図である。 図3における矢視B方向の側面図である。 本実施形態に係る制御装置の概略構成を示したブロック図である。 本実施形態における制御装置の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る液圧装置及び慣らし運転装置を示す平断面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1及び図2に示すように、本例の慣らし運転装置1は、一対のはすば歯車40,43を備えた液圧装置21に対して、慣らし運転を実施するための装置である。
[液圧装置の構成]
まず、液圧装置21の構成について説明する。図1及び図2に示すように、この液圧装置21はポンプ又はモータとして機能するもので、内部に液圧室24が形成されたハウジング22と、両端面に、軸方向に沿って回転軸41,44が延設され、前記液圧室24内に配設された一対の歯車40,43と、同様に前記液圧室24内に配設された一対の軸受部材たるブッシュ60,64、及び一対の側板50,52とを備えている。
前記ハウジング22は、一方の端面から他方の端面に向けて、断面形状が略8の字状をした空間を有する前記液圧室24が形成された本体23と、この本体23の前記一方端面(前端面)にシール32を介して液密状に固定されたフロントカバー27と、図1及び図2には図示していないが、本来、本体23の他方端面(後端面)にシールを介して液密状に固定されるエンドカバーとから構成され、前記フロントカバー27及びエンドカバーによって前記液圧室24が閉塞される。
前記一対の歯車40,43は、一方が駆動歯車40、他方が従動歯車43であり、駆動歯車40の歯部は右ねじれとなり、従動歯車43の歯部は左ねじれとなっている。これら一対の歯車40,43は、相互に噛み合った状態で前記液圧室24内に挿入されて、その歯先外面が前記液圧室24の内周面23aに当接するようになっており、前記液圧室24は、この一対の歯車40,43の噛み合い部を境に、高圧側と低圧側とに二分される。また、駆動歯車40の前方側の回転軸41の端部はテーパ状に形成され、更にその先端にはねじ部42が形成されており、同部は、前記フロントカバー27に形成された貫通穴27aを通じて外方に延出し、同回転軸41の外周面と貫通穴27aの内周面との間がオイルシール30によってシールされている。
前記本体23には、その一方の側面に前記液圧室24の低圧側に通じる取入れ穴(取入れ流路)25が形成されるとともに、これと相対する他方の側面に、同じく前記液圧室24の高圧側に通じる吐出し穴(吐出し流路)26が形成されている。そして、これら取入れ穴25及び吐出し穴26は、それぞれの軸線が前記一対の歯車40,43の回転軸41,44間の中心に位置するように設けられている。
前記一対の側板50,52は、それぞれ2つの貫通穴51,53が形成された、断面形状が略8の字状をした板状の部材であり、各貫通穴51,53に前記各歯車40,43の回転軸41,44が挿通された状態で当該歯車40,43の両側に配設され、その一方端面が各歯車40,43の歯部を含む端面全面にそれぞれ当接した状態となっている。
前記ブッシュ60,64は、図3及び図4に示すように、それぞれ2つの支持穴61,65を有する、断面形状が略8の字状をした部材からなるメタル軸受で、各支持穴61,65にそれぞれ前記歯車40,43の回転軸41,44が挿通された状態で、前記一対の側板50,52の外側に配設され、当該回転軸41,44を回転自在に支持する。
また、ブッシュ60,64の前記側板50,52と対向する端面には、側面視略3の字状をした弾性を有する区画シール63,67がそれぞれ設けられている。この区画シール63,67は、ブッシュ60,64と側板50,52との間の隙間70,71を高圧側と低圧側に区画するものであり、高圧側の隙間70,71には、適宜流路を介して、前記液圧室24の高圧側の作動油が導かれるようになっており、各側板50,52は、この隙間70,71に導かれた高圧の作動油によって、その前記一方端面が前記各歯車40,43の端面にそれぞれ押し付けられ、これにより、高圧側の作動油が低圧側にリークするのが防止される。尚、側板50,52には、その歯車40,43側の端面にも液圧室24内の高圧の作動油が作用するが、隙間70,71内の受圧面積は、歯車40,43側の受圧面積よりも大きくなっており、この結果、側板50,52は、その作用力の差によって歯車40,43の端面に押し付けられる。
[慣らし運転装置の構成]
次に、上記液圧装置21を慣らし運転するための慣らし運転装置1の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本例の慣らし運転装置1は、前記駆動歯車40の回転軸41の前方側端部(ねじ42側の端部)に接続して回転動力を入力し、該回転軸41を矢示方向に回転させる駆動モータ13と、この駆動モータ13によって前記回転軸41に入力されるトルクを検出するトルク検出機構たるトルク検出器12と、前記液圧装置21の前記エンドカバーに代えて、前記本体23の他方端面(後端面)にシール33を介して液密状に固定されるダミーカバー2と、このダミーカバー2に穿設された貫通穴3a,6aにそれぞれ嵌挿された第1及び第2プランジャ4,7と、この第1及び第2プランジャ4,7をそれぞれ押し付ける第1及び第2押付機構9,10と、前記駆動モータ13、並びに第1及び第2押付機構9,10の作動を制御する制御装置11とを備える。
前記ダミーカバー2の貫通穴3aは、前記歯車40の後端側の回転軸41の端面と対向する部分に、この回転軸41と同軸に穿設され、一方、前記貫通穴6aは、前記歯車43の後端側の回転軸44の端面と対向する部分に、この回転軸44と同軸に穿設されている。
斯くして、前記貫通穴3a,6aにそれぞれ嵌挿される第1及び第2プランジャ4,7は、それぞれ軸方向に移動可能となっており、回転軸41,44の端面にそれぞれ当接可能となっている。
尚、前記貫通穴3a,6aにはそれぞれこれらより大径のシール穴3b、6bが形成されており、第1及び第2プランジャ4,7は、このシール穴3b,6bに挿入されるオイルシール5,8によってそれぞれシールされている。
前記第1及び第2押付機構9,10は、前記第1及び第2プランジャ4,7の後端面にそれぞれ接続し、所定の推力でもってこの第1及び第2プランジャ4,7の後端面をそれぞれ押し付けて、当該第1及び第2プランジャ4,7を前記回転軸41,44の端面にそれぞれ押し付ける機構であり、その発生させる押付力を含めた作動が前記制御装置11によって制御される。
これら第1及び第2押付機構9,10は、前記第1及び第2プランジャ4,7に所定の推力を与えることができる機構であれば良く、例えば、油圧シリンダ機構や、サーボモータを備えたボールねじ機構などを例示することができる。油圧シリンダ機構の場合、油圧シリンダの出力軸によって、第1及び第2プランジャ4,7を押し付け、この油圧シリンダに供給される油圧を、前記制御装置11による制御の下、圧力調整弁等によって調整することで、その押付力を調整することができる。また、ボールねじ機構の場合、ナットを固定し、ボールねじを軸方向に移動させることで、このボールねじにより前記第1及び第2プランジャ4,7を押し付けるとともに、このボールねじを駆動するサーボモータを前記制御装置11により制御することで、その推力、即ち押付力を調整することができる。
尚、図1及び図2では、第1及び第2押付機構9,10、並びに、これらの第1及び第2プランジャ4,7への接続部を、簡略化のために模式的に図示している。
前記トルク検出器12は、前記回転軸41の前方側端部(ねじ42側の端部)に接続して回転動力を入力する駆動モータ13の当該入力系に介装され、前記駆動モータ13によって前記回転軸41に入力されるトルク値を検出する機器であり、検出されたトルク値が前記制御装置11に入力される。このトルク検出器12としては、ひずみを電圧変換して較正値からトルク値に換算して出力する機器を例示することができるが、これに限定されるものではない。尚、図1及び図2では、簡略化のために、トルク検出器12を含む駆動モータ13の入力系を模式的に図示している。
前記制御装置11は、図5に示すように、主処理部11a、スラスト力算出部11b及び動作制御部11cから構成される。
前記主処理部11aは、図6に示す処理を実行する。具体的には、処理開始後、まず、動作制御部11cに駆動モータ13の駆動信号を送信して、当該動作制御部11cにより駆動モータ13を駆動させる(ステップS1)。そして、前記トルク検出器12によって検出されるトルク値Tを当該トルク検出器12から入力し(ステップS2)、入力したトルク値Tが所定の基準値以下となっているかどうかを確認し(ステップS3)、トルク値Tが基準値を超えている場合には、入力したトルク値を前記スラスト力算出部11bに送信して、このスラスト力算出部11bにより、スラスト力を算出させる(ステップS4)。
ついで、スラスト力算出部11bによって算出されたスラスト力に関するデータを動作制御部11cに送信して、当該動作制御部11cにより、第1及び第2押付機構9,10の作動を制御させる(ステップS5)。
以後、ステップS6において、処理終了信号の入力が確認されるまで、所定の時間間隔で、ステップS3〜S6の処理を繰り返し、ステップS6において、処理終了信号の入力が確認されると、動作制御部11cに駆動停止信号を出力し、駆動モータ13,第1及び第2押付機構9,10の作動を停止させて、処理を終了する(ステップS7)。
一方、ステップS3において、入力トルク値Tが所定の基準値以下となっていると判断された場合も同様に、動作制御部11cに駆動停止信号を出力し、駆動モータ13,第1及び第2押付機構9,10の作動を停止させて、処理を終了する(ステップS7)。
スラスト力算出部11bは、前記主処理部11aからの処理信号を受けて、所定時間間隔毎に前記トルク検出器12から入力されるトルク値Tを基に、都度、下式、数式1、数式2及び数式9から、前記歯車40,43に作用する受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsを算出し、算出した各スラスト力に関するデータを前記主処理部11aに送信する。
(数式1)
Fs=T×(2π/(b×Z))
(数式2)
±Fs=T×(2π/(b×Z))
(数式9)
Fs=Ttanβ/2R
尚、bは歯車40,43の歯幅、Zは同歯車40,43の歯数、βは歯車40,43の回転軸41,44に対する歯先の傾き、Rは歯車40,43の歯先半径であり、いずれも既知の値である。また、これらの数式については、上記において詳述した通りであるので、その詳しい説明は省略する。
前記動作制御部11cは、前記主処理部11aから駆動モータ13の駆動信号を受けて、当該駆動モータ13を駆動し、停止信号を受けて駆動モータ13を停止させる。また、第1及び第2押付機構9,10の駆動信号と前記スラスト力に関するデータを受信して、第1押付機構9を、受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsの合力に抗する推力(この合力に釣り合う推力)を生じるように駆動するとともに、第2押付機構10を、加工スラスト力Fsに抗する推力(加工スラスト力Fsに釣り合う推力)を生じるように駆動し、第1及び第2押付機構9,10を停止させる信号を受信して、これらを停止させる。
[慣らし運転]
以下、上記構成を備えた慣らし運転装置1を用いた、具体的な慣らし運転について説明する。
まず、作動油を貯留した適宜タンク内に接続された適宜配管を、前記液圧装置21の取入れ穴25及び吐出し穴26にそれぞれ接続する。この後、前記制御装置11による制御の下、慣らし運転を開始する。
制御装置11は、まず、駆動モータ13を駆動して駆動歯車40を図1における矢示方向に回転させる。これにより、駆動歯車40と噛み合った従動歯車43が回転し、前記液圧室24内の内周面23aと各歯車40,43の歯部によって挟まれた空間の作動油が、各歯車40,43の回転によって吐出し穴6側に移送され、前記一対の歯車40,43の噛み合い部を境として、吐出し穴26側が高圧側に、取入れ穴25側が低圧側になる。
そして、作動油が吐出し穴26側に移送されることによって取入れ穴25側が負圧になると、タンク内の作動油が配管及び取入れ穴25を介して低圧側の前記液圧室24内に吸引され、同様に前記液圧室24の内周面23aと各歯車40,43の歯部によって挟まれた空間の作動油が各歯車40,43の回転によって吐出し穴26側に移送され、高圧に加圧されて吐出し穴26及び配管を介してタンク内に送られる。
このように、吐出し穴26側が高圧側に、取入れ穴25側が低圧側になることによって吐出し穴26側と取入れ穴25側との間に差圧が生じ、これにより、各歯車40,43が低圧側に移動し、各歯車40,43の歯先外面が本体23の低圧側の内周面23aに押し当てられ、各歯車40,43の回転により当該内周面23aが除去加工される。
また、駆動歯車40の歯部は右ねじれ、従動歯車43の歯部は左ねじれとなっており、このため、駆動歯車40を矢示方向に回転(右回転)させると、当該駆動歯車40には、その歯部に高圧の作動油が作用することによって生じる後方に向けた受圧スラスト力Fsと、噛み合いによって生じる同じく後方に向けた噛合スラスト力Fsと、前記除去加工によって生じる同じく後方に向けた加工スラスト力Fsとが作用する、即ち、駆動歯車40には、後方に向けた前記3つのスラスト力の合力が作用する状態となる。
一方、従動歯車43には、後方に向けた受圧スラスト力Fsと、前方に向けた噛合スラスト力−Fsと、後方に向けた加工スラスト力Fsとが作用するが、上述したように、受圧スラスト力Fsと噛合スラスト力−Fsとは同じ値であり、これらが相殺されるため、結果として、従動歯車43には、加工スラスト力Fsのみが作用した状態となる。
ついで、制御装置11は、トルク検出器12によって検出されるトルク値Tを当該トルク検出器12から入力して、各歯車40,43に作用する受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsを算出した後、受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsの合力に抗する推力を生じるように第1押付機構9を駆動するとともに、加工スラスト力Fsに抗する推力を生じるように第2押付機構10を駆動する。
斯くして、前記第1押付機構9は、前記3つのスラスト力の合力に抗する推力で、前記第1プランジャ4を回転軸41の端面に押し付け、これにより、駆動歯車40には、前記合力に抗するスラスト方向の抗力が作用し、当該駆動歯車40にスラスト力が作用しない状態が実現される。
一方、第2押付機構10は、前記加工スラスト力Fsに抗する推力で、前記第2プランジャ7を回転軸44の端面に押し付け、これにより、従動歯車43には、前記加工スラスト力Fsに抗するスラスト方向の抗力が作用し、当該駆動歯車43についても、スラスト力が作用しない状態が実現される。
斯くして、本例の慣らし運転装置1では、一対の歯車40,43の双方がスラスト方向の力を受けない状態を実現することができ、従来のような、歯車40,43や側板50,52(他の構造によっては軸受部材60,64)にスラスト力に起因した焼きつきが生じる、或いは、これらが損傷するといった問題の発生を防止することができる。
そして、前記制御装置11は、前記トルク検出器12によって検出されたトルク値Tを、予め設定した時間間隔で当該トルク検出器12から入力して、各歯車40,43に作用する前記各スラスト力Fs,Fs,Fsを、都度、算出し、算出したスラスト力に応じた推力が生じるように前記第1押付機構9及び第2押付機構10を制御する。
前記加工スラスト力Fsは、除去加工が進むにつれて徐々に減少していくため、第1押付機構9及び第2押付機構10によって、歯車40,43にそれぞれ作用させるスラスト方向の抗力を初期値から一定にした場合、除去加工の進行により、各歯車40,43に作用するスラスト方向の力がアンバランスとなり、ひいては、過度なスラスト力が歯車40,43に作用する状態となり、スラスト力に起因した歯車40,43等の焼きつきや損傷を防止するという目的を最適な状態で達し得ないことになる。
そこで、上記のように、検出されるトルク値Tを基に、逐次、上記各スラスト力を算出し、これに応じて、これ釣り合う抗力を各歯車40,43に作用させるようにすれば、慣らし運転の間、各歯車40,43にスラスト力が作用しない状態を維持することができ、加工スラスト力Fsの減少に伴って生じる可能性のある上記焼きつきや損傷を防止することができる。
そして、制御装置11は、前記トルク検出器12によって検出されたトルク値Tが所定値以下になったとき、駆動モータ13,第1押付機構9及び第2押付機構10の作動を停止して、慣らし運転を終了する。
このように、本例の慣らし運転装置1によれば、一対の歯車40,43の双方がスラスト方向の力を受けない状態を実現することができ、従来のような、軸受部材や側板にスラスト力に起因した焼きつきが生じる、或いは、これらが損傷するといった問題の発生を防止することができる。また、加工スラスト力Fsの変化に応じて、各歯車40,43の回転軸41,44の後端面に作用させる抗力を変化させるようにしているので、慣らし運転の間、各歯車40,43にスラスト力が作用しない状態を維持することができ、加工スラスト力Fsの減少に伴って生じる可能性のある上記焼きつきや損傷を防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は何らこれに限定されるものではない。
例えば、上例では、歯車40,43とブッシュ60,64との間に、当該歯車40,43に当接するように側板50,52を設け、ブッシュ60,64と側板50,52との間の空間を区画シール63,67によって区画するように構成された液圧装置21を慣らし運転の対象としたが、本発明を適用し得る液圧装置には、このような側板50,52及び区画シール63,67を設けていない態様の液圧装置も含まれる。
また、上例では、駆動歯車40に右ねじれのはすば歯車を用い、従動歯車43に左ねじれのはすば歯車を用いた液圧装置21を対象としたが、これに限られるものではなく、図7に示すように、駆動歯車40’に左ねじれのはすば歯車を用い、従動歯車43’に右ねじれのはすば歯車を用いた液圧装置21’にも、本発明を適用することができる。
この場合、駆動歯車40’は図7に示す矢視方向に回転されるが、この液圧装置21’においても、駆動歯車40’には、受圧スラスト力Fs、噛合スラスト力Fs及び加工スラスト力Fsの合力が作用し、従動歯車43’には、加工スラスト力Fsのみが作用する。尚、図7において、図1〜図4に示した慣らし運転装置1と同じ構成については、同一の符号を付している。
また、上記の慣らし運転装置1においては、第1押付機構9及び第2押付機構10に油圧シリンダ機構やボールねじ機構といった駆動機構を採用し、第1及び第2押付機構9,10によってそれぞれ第1及び第2プランジャ4,7を押し付ける構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、前記第1及び第2プランジャ4,7の後端面に圧油を作用させることにより、当該第1及び第2プランジャ4,7を押し付けるようにしても良い。
この場合、前記ダミーカバー2に形成された前記貫通穴3a,6aに対応する部分に、それぞれ、回転軸41,44の端面に対向して開口する止り穴状のシリンダ穴を形成して、このシリンダ穴に前記第1及び第2プランジャ4,7をそれぞれ嵌挿し、シリンダ穴の底部と第1及び第2プランジャ4,7との間に圧油を供給するようにすることで、第1及び第2プランジャ4,7をそれぞれ回転軸41,44の端面に押し付けることができる。また、シリンダ穴に供給する圧油を、前記制御装置11による制御の下、適宜圧力調整弁等を介して供給することにより、押し付けのON,OFF及びその押付力を調整することができる。
1 慣らし運転装置
2 ダミーカバー
3a,6a 貫通穴
4 第1プランジャ
7 第2プランジャ
9 第1押付機構
10 第2押付機構
11 制御装置
12 トルク検出器
13 駆動モータ
21 液圧装置
22 ハウジング
23 本体
24 液圧室
27 フロントカバー
40 駆動歯車
41 回転軸
43 従動歯車
44 回転軸
50,52 側板
60,64 ブッシュ
63,67 区画シール
70,71 隙間

Claims (6)

  1. 両端面からそれぞれ外方に延出するように設けられた回転軸をそれぞれ有し、且つ歯部が相互に噛み合う一対のはすば歯車と、
    両端部が開口し、且つ内部に前記一対の歯車が噛み合った状態で収納される液圧室を有し、該液圧室は前記各歯車の歯先外面が当接する円弧状の内周面を有する本体と、
    前記本体の液圧室内にあって、前記各歯車の両側にそれぞれ配設され、前記各歯車の回転軸を回転自在に支持する一対の軸受部材と、
    前記本体の両端面にそれぞれに液密状に固設されて前記液圧室を封止する一対のカバープレートとを備える液圧装置を慣らし運転する方法であって、
    歯先外面が本体の液圧室内の内周面に当接した状態で前記液圧室内に収納された一対の歯車を回転させ、前記液圧装置を予め設定した液圧力の下で運転することにより、前記一対の歯車の歯先外面と本体の内周面との当接部を除去加工する慣らし運転方法において、
    前記回転させる歯車に作用するトルク値を検出し、
    該検出したトルク値を基に、前記一対の歯車の噛み合いによって生じるスラスト力、作動液体の圧力によって生じるスラスト力及び前記除去加工によって生じるスラスト力をそれぞれ算出し、
    該算出した3つのスラスト力を基に、前記一対の歯車の内、前記3つのスラスト力が同じ方向に作用する一方の歯車の回転軸端面に、前記3つのスラスト力の合力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるとともに、他方の歯車の回転軸端面に、前記除去加工によって生じるスラスト力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるようにしたことを特徴とする慣らし運転方法。
  2. 前記一対の歯車のそれぞれに抗力を作用させた状態で前記トルク値を監視し、該トルク値が予め設定した値以下になったとき、前記歯車の回転を停止させて、慣らし運転を終了するようにしたことを特徴とする請求項1記載の慣らし運転方法。
  3. 前記トルク値を一定間隔で検出し、該検出したトルク値を基に都度前記3つのスラスト力を算出して、この算出した3つのスラスト力に応じて、前記各歯車の回転軸端面に作用させる抗力を変化させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の慣らし運転方法。
  4. 両端面からそれぞれ外方に延出するように設けられた回転軸をそれぞれ有し、且つ歯部が相互に噛み合う一対のはすば歯車と、
    両端部が開口し、且つ内部に前記一対の歯車が噛み合った状態で収納される液圧室を有し、該液圧室は前記各歯車の歯先外面が当接する円弧状の内周面を有する本体と、
    前記本体の液圧室内にあって、前記各歯車の両側にそれぞれ配設され、前記各歯車の回転軸を回転自在に支持する一対の軸受部材と、
    前記本体の両端面にそれぞれに液密状に固設されて前記液圧室を封止する一対のカバープレートとを備える液圧装置に対して慣らし運転を実施する装置であって、
    前記歯車を回転させる回転駆動機構と、
    前記回転軸に作用するスラスト力の作用方向下流側に設けられる前記カバープレートに代えて、前記本体の端面に固設されるダミープレートと、
    前記各回転軸の端面と対向するように前記ダミープレートに穿設された貫通穴に、前記各回転軸端面に当接可能にそれぞれ嵌挿された第1及び第2押付部材と、
    前記第1及び第2押付部材をそれぞれ押し付けて、該第1及び第2押付部材をそれぞれ対応する前記回転軸端面に押し当てる第1及び第2押付機構と、
    前記回転駆動機構によって前記歯車に入力されるトルク値を検出するトルク検出機構と、
    前記回転駆動機構、並びに前記第1及び第2押付機構の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記トルク検出機構により検出されたトルク値を入力し、入力したトルク値を基に、前記一対の歯車の噛み合いによって生じるスラスト力、作動液体の圧力によって生じるスラスト力及び前記一対の歯車の回転に伴う除去加工によって生じるスラスト力をそれぞれ算出し、
    前記第1押付機構を動作させて、前記一対の歯車の内、前記3つのスラスト力が同じ方向に作用する一方の歯車の回転軸端面に、前記第1押付部材を介して、前記3つのスラスト力の合力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるとともに、
    前記第2押付機構を動作させて、他方の歯車の回転軸端面に、前記第2押付部材を介して、前記除去加工によって生じるスラスト力とほぼ釣り合う大きさの抗力を作用させるように構成されていることを特徴とする慣らし運転装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記第1及び第2押付機構を動作させて前記一対の歯車のそれぞれに抗力を作用させた状態で、前記トルク検出機構によって検出される前記トルク値を監視し、該トルク値が予め設定した値以下になったとき、前記回転駆動機構による前記歯車の回転を停止させて、慣らし運転を終了するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の慣らし運転装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記トルク検出機構によって検出されるトルク値を一定間隔で入力し、該入力したトルク値を基に都度前記3つのスラスト力を算出して、この算出した3つのスラスト力に応じて、前記第1及び第2押付機構による押付力を変化させ、前記各歯車の回転軸端面に、都度算出したスラスト力に応じた抗力を作用させるように構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の慣らし運転装置。
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