JP5979080B2 - 内燃機関のブローバイガス処理装置 - Google Patents

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この発明は、クランクケースから吸気通路にブローバイガスを排出する内燃機関のブローバイガス処理装置に関する。
特許文献1に記載のブローバイガス処理装置は、クランクケースから吸気通路にブローバイガスを排出するブローバイガス通路が途中で分岐している。分岐した一方の分岐通路は吸気通路におけるスロットルバルブよりも吸気上流側であって過給機よりも吸気上流側の部位に接続されており、他方の分岐通路は吸気通路におけるスロットルバルブよりも吸気下流側の部位に接続されている。そして、このブローバイガス処理装置では、ブローバイガス通路における分岐部よりも上流側(クランクケース側)の部位にオイルセパレータが設けられている。
特開2011−236827号公報
ところで、吸気通路に生じている負圧を利用し、スロットルバルブよりも吸気下流側に接続されている分岐通路を介してクランクケース内のブローバイガスを排出しようとする場合、上記特許文献1のブローバイガス処理装置では、次の問題が生じるおそれがある。すなわち、上記オイルセパレータによる圧力損失が大きい場合、上記分岐通路には、上記オイルセパレータが設けられたブローバイガス通路を介してブローバイガスが導入されるのではなく、過給機よりも吸気上流側に接続された他方の分岐通路を介して吸気通路の吸気が導入されるようになる。これにより、クランクケース内のブローバイガスの排出が滞ってしまう。
尚、上記特許文献1のブローバイガス処理装置では、ブローバイガス通路における分岐部よりも上流側に2つのオイルセパレータを設け、これらオイルセパレータの接続態様を切り替えることより、排出経路の圧力損失の大きさを切り替えられるようにしている。この場合、圧力損失の大きなオイルセパレータを備えた経路を形成するようにした場合や、2つのオイルセパレータを直列に接続させて圧力損失の大きな経路を形成するようにした場合などのように、圧力損失が大きくなるように経路を切り替えた場合には、特に上記の問題が生じやすくなる。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は一方の分岐通路から負圧を作用させたときに、他方の分岐通路を介して吸気が導入されてしまい、ブローバイガスの排出が滞ってしまうことを抑制することのできるブローバイガス処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのブローバイガス処理装置は、ブローバイガス通路を介してクランクケース内のブローバイガスを吸気通路に排出するものであって、吸気通路のスロットルバルブよりも上流側に過給機が設けられており、ブローバイガス通路の一端はクランクケースに接続されている。ブローバイガス通路は分岐部にて第1分岐通路と第2分岐通路とに分岐しており、第1分岐通路は吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側の部位に接続されている一方、第2分岐通路は吸気通路における過給機よりも上流側の部位に接続されている。そして、ブローバイガス通路における分岐部よりもクランクケース側の部位に第1オイルセパレータが設けられ、第2分岐通路に第1オイルセパレータよりも圧力損失の大きな第2オイルセパレータが設けられている。
上記構成では、第2分岐通路に、第1オイルセパレータよりも圧力損失の大きな第2オイルセパレータが設けられている。したがって、吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側に負圧が生じる際に、第1分岐通路を介して負圧が第1オイルセパレータ及び第2オイルセパレータに作用するようになる。これによって、圧力損失の大きな第2オイルセパレータが設けられた第2分岐通路を通じて吸気が吸気通路に還流されるのではなく、圧力損失の小さな第1オイルセパレータが設けられた分岐部よりも上流側のブローバイガス通路を通じてクランクケース内のブローバイガスが吸気通路に排出されるようになる。したがって、一方の分岐通路から負圧を作用させたときに、他方の分岐通路を介して吸気が導入されてしまい、ブローバイガスの排出が滞ってしまうことを抑制することができる。
第2オイルセパレータとしては、例えば、下方に延びて開口するオイルの排出通路が設けられたものが採用可能である。
吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側に負圧が生じる状況下であって機関回転速度が高いときには、スロットルバルブよりも下流側だけでなく、吸気通路における過給機よりも上流側にも負圧が生じる。この場合には第1分岐通路と第2分岐通路の双方に負圧が作用する。仮に、ブローバイガス通路における分岐部よりも上流側の部位に上記のように排出通路が形成されるオイルセパレータを設けた場合には、そのオイルセパレータに第1分岐通路からの負圧と第2分岐通路からの負圧とが集中して作用するようになるため、同オイルセパレータ内の圧力が急激に低下する。こうしてオイルセパレータ内の圧力が急激に低下すると、同オイルセパレータ内には、ブローバイガス通路におけるオイルセパレータよりも上流側の部位やオイルセパレータの排出通路から、多量のブローバイガスや気体が噴出するおそれがある。そして、こうしてオイルセパレータ内に噴出したブローバイガスや気体は、同オイルセパレータから第1分岐通路内や第2分岐通路内に過剰に流入するようになってしまう。
上記構成では、ブローバイガス通路における分岐部よりも上流側の部位に第1オイルセパレータが設けられ、第2分岐通路に第2オイルセパレータが設けられている。このため、上記のように吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側と吸気通路における過給機よりも上流側との双方に負圧が生じるような状況下であっても、第2オイルセパレータに双方の負圧が集中して作用することはない。したがって、上記構成によれば、過剰な負圧が第2オイルセパレータに集中して作用することがないため、多量のブローバイガスや気体が第2オイルセパレータ内に噴出してしまうことを抑制することができる。
また、第2オイルセパレータの排出通路としては、例えば、内燃機関のカム室内に開口して設けられたものを採用することができる。この排出通路においては、ブローバイガスから分離されたオイルが、第2オイルセパレータ内の圧力がカム室内の圧力よりも小さいことによって内部に貯留されて油筒が形成される。
第2オイルセパレータとクランクケースとはブローバイガス通路における分岐部よりも上流側の部位を介して連通しているため、第2オイルセパレータ内の圧力はブローバイガス通路における分岐部よりも上流側の部位の通路抵抗を受けてクランクケース内の圧力よりも低くなる。一方、カム室とクランクケースとの間にはそうした通路抵抗が生じにくいため、カム室内の圧力はクランクケース内の圧力とほぼ等しくなる。すなわち、第2オイルセパレータ内の圧力は、カム室内の圧力よりも低くなっている。
第2オイルセパレータによってブローバイガスから分離されたオイルは、下方に延びた排出通路を通じてカム室に排出される。このとき、排出通路に油筒が形成される第2オイルセパレータにおいては、上記のように第2オイルセパレータ内の圧力がカム室内の圧力よりも低くなっていることにより、その圧力差によって排出通路内にオイルが貯留され、油筒が形成されることになる。尚、第2オイルセパレータの排出通路は、第2オイルセパレータ内の圧力をP1、カム室内の圧力をP2、油筒の高さをh、オイルの密度をρ、重力加速度をgとしたときに「P2−P1≦ρgh」の関係を満たすように形成されている。このように分離されたオイルの一部が油筒を形成して排出通路を閉塞することにより、排出通路を通じてカム室側から第2オイルセパレータに気体が流入することが抑制されるようになっている。
ここで、上述のように、第1分岐通路と第2分岐通路の双方に負圧が作用する状況下では、仮に、ブローバイガス通路における分岐部よりも上流側の部位にオイルセパレータを設けると、そのオイルセパレータに第1分岐通路からの負圧と第2分岐通路からの負圧とが集中して作用して同オイルセパレータ内の圧力が急激に低下する。このオイルセパレータが上記構成のように内部に油筒が貯留される排出通路を備えるものである場合には、排出通路で油筒を形成しているオイルがオイルセパレータ内に噴出し、オイルを含んだ気体がカム室内からオイルセパレータ内、更には第1分岐通路内や第2分岐通路内に流入するようになってしまう。尚、油筒が形成される排出通路の長さを予め長く設定しておけば、上記のように過剰な負圧がオイルセパレータに集中して作用したとしても、排出通路で油筒を形成しているオイルがオイルセパレータ内に噴出してしまうことを抑制することができる。しかしながら、排出通路の長さを長くすると、その分ブローバイガス処理装置の大型化を招くこととなる。
上記構成では、ブローバイガス通路における分岐部よりも上流側の部位に第1オイルセパレータが設けられ、第2分岐通路に第2オイルセパレータが設けられている。このため、上記のように吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側と吸気通路における過給機よりも上流側との双方に負圧が生じるような状況下であっても、第2オイルセパレータに双方の負圧が集中して作用することはない。したがって、上記構成によれば、過剰な負圧が第2オイルセパレータに集中して作用することがないため、ブローバイガス処理装置の大型化を抑制しつつ、排出通路で油筒を形成しているオイルが第2オイルセパレータ内に噴出してしまうことを抑制することができる。
また、具体的には、第1オイルセパレータとしてラビリンス式のオイルセパレータを採用するとともに、第2オイルセパレータとしてサイクロン式のオイルセパレータを採用することが可能である。こうした構成によれば、ラビリンス式のオイルセパレータによって粒径の大きいオイルが取り除かれたブローバイガスがサイクロン式のオイルセパレータに流入するため、同サイクロン式のオイルセパレータによるオイルの捕集効率を向上させることができる。
一実施形態のブローバイガス処理装置及びその周辺構造を示す模式図。 同実施形態のブローバイガス処理装置におけるサイクロン式のオイルセパレータの構造を示す模式図。
以下、内燃機関のブローバイガス処理装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路19には、上流から順に、吸気を濾過するエアクリーナ21、排気駆動式の過給機30(厳密にはコンプレッサ33)、吸気を冷却水との熱交換を通じて冷却するインタークーラ22、スロットルモータによりその開度が調節されるスロットルバルブ23が設けられている。過給機30は、吸気通路19に設けられるコンプレッサ33と排気通路20に設けられるタービン31とを備えている。コンプレッサ33の内部にはコンプレッサインペラ34が収容されており、タービン31の内部にはタービンホイール32が収容されている。そして、これらコンプレッサインペラ34とタービンホイール32とはシャフト35を介して一体回転可能に連結されている。こうした過給機30において、タービンホイール32に排気が吹き付けられると、同タービンホイール32及びコンプレッサインペラ34が一体回転し、これにより吸気通路19を流れる吸気が圧送されて内燃機関10の燃焼室18に強制的に送り込まれるようになる。内燃機関10では、燃料噴射弁から噴射された燃料が燃焼室18に供給され、吸気と燃料との混合気が燃焼される。
更に、内燃機関10には、シリンダ16の内壁とピストン17との摺動面の隙間を通じて燃焼室18からクランクケース14内に漏れ出したブローバイガスを吸気通路19に排出するブローバイガス処理装置40が設けられている。ブローバイガス処理装置40は、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12、シリンダヘッドカバー13を通り抜け、吸気通路19に接続されたブローバイガス通路60を介してブローバイガスを排出する。ブローバイガス通路60は、その途中にブローバイガスとオイルとを分離させるための第1オイルセパレータ50が設けられた連通路41を備えている。第1オイルセパレータ50は、その内部にブローバイガスが流通する経路を複雑化するための仕切り板が設けられた、いわゆるラビリンス式のオイルセパレータである。連通路41はシリンダブロック11及びシリンダヘッド12の内部に形成されており、その一端がクランクケース14に接続されているとともに、他端がシリンダヘッドカバー13の内部に設けられた容積室42に接続されている。ブローバイガス通路60では、この容積室42を分岐部として、その下流側(吸気通路19側)が第1分岐通路46と第2分岐通路58とに分岐されている。すなわち、ブローバイガス通路60においては、上記分岐部としての容積室42よりも上流側(クランクケース14側)の部位に第1オイルセパレータ50が設けられていることとなる。
容積室42には、PCVバルブ44を介して第1通路45が接続されている。PCVバルブ44は、吸気通路19で生じた負圧と容積室42の内部の圧力との差に応じてその開度が自立的に調節される圧力作動式の調節弁である。PCVバルブ44は吸気通路19内に負圧が生じており、容積室42内の圧力よりも吸気通路19内の圧力が低くなっているときに開弁する。このように容積室42に接続されたPCVバルブ44と第1通路45とによって第1分岐通路46が構成されており、第1分岐通路46は吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部位に接続されている。
更に、容積室42には連通路42aが接続されており、同連通路42aに第2オイルセパレータ51が接続されている。第2オイルセパレータ51は、その内部でブローバイガスを旋回させてブローバイガスに含まれるオイルを遠心分離するいわゆるサイクロン式のオイルセパレータである。
図2に示すように、第2オイルセパレータ51は、その上流側(クランクケース14側)から順に、整流部52、サイクロン部53、及び排出口53aを備えている。整流部52では、下流側(吸気通路19側)のサイクロン部53で旋回流が生じやすくなるようにブローバイガスの流れが整流される。整流部52によって整流されたブローバイガスは、同整流部52から各サイクロン部53に導入される。サイクロン部53では、ブローバイガスが旋回して遠心力が生じることにより、ブローバイガスからオイルが分離される。こうしてオイルが分離されたブローバイガスは、各サイクロン部53から同サイクロン部53の上部に設けられた排出口53aに排出される。そして、オイルが分離されたブローバイガスは、排出口53aから第2オイルセパレータ51に接続された第2通路55に排出される。尚、第2オイルセパレータ51は、サイクロン部53で高速の旋回流を発生させるために排出口53aや整流部52が狭められている。そのため、第2オイルセパレータ51の圧力損失は、第1オイルセパレータ50の圧力損失よりも大きくなっている。
また、第2オイルセパレータ51におけるサイクロン部53の下方には、下方に延びるとともに、シリンダヘッド12とシリンダヘッドカバー13とで形成された空間であってカムシャフトが配置される空間であるカム室の内部に開口する排出通路54が設けられている。各サイクロン部53によってブローバイガスから分離されたオイルは、各サイクロン部53から滴下し、この排出通路54を通じてカム室内に排出される。
ここで、第2オイルセパレータ51とクランクケース14とは連通路41を介して連通されている。そのため、第2オイルセパレータ51内の圧力は連通路41における通路抵抗を受けてクランクケース14内の圧力よりも低くなる。一方で、カム室とクランクケース14との間にはそうした通路抵抗が生じにくいため、カム室内の圧力はクランクケース14内の圧力とほぼ等しくなる。すなわち、第2オイルセパレータ51内の圧力は、カム室内の圧力よりも低くなっている。こうして第2オイルセパレータ51内の圧力がカム室内の圧力よりも小さいことによって、排出通路54内にはオイルの一部が貯留され、油筒が形成されることになる。尚、第2オイルセパレータ51の排出通路54は、第2オイルセパレータ51内の圧力をP1、カム室内の圧力をP2、油筒の高さをh、オイルの密度をρ、重力加速度をgとしたときに「P2−P1≦ρgh」の関係を満たすように形成されている。このように分離されたオイルの一部が油筒を形成して排出通路54を閉塞することにより、排出通路54を通じてカム室側から第2オイルセパレータ51に気体が流入することが抑制されるようになっている。
また、図1に示すように、第2通路55はジェットポンプの一種であるエゼクタ57に接続されている。エゼクタ57には、吸気通路19におけるコンプレッサ33よりも下流側の部位、具体的には吸気通路19におけるインタークーラ22とスロットルバルブ23との間の部位に接続された流入通路56が接続されている。尚、吸気通路19における流入通路56の接続部位は、コンプレッサ33とインタークーラ22との間の部位としてもよい。すなわち、流入通路56は、吸気通路19におけるコンプレッサ33とスロットルバルブ23との間の部位に接続されていればよい。更に、エゼクタ57には、吸気通路19におけるコンプレッサ33よりも上流側の部位であり且つエアクリーナ21の下流側の部位に接続された流出通路59が接続されている。すなわち、エゼクタ57の内部には、流入通路56、流出通路59、及び第2通路55が開口している。尚、ブローバイガス通路60における連通路42a、第2通路55、エゼクタ57、及び流出通路59によって上記の第2分岐通路58が構成されている。すなわち、ブローバイガス処理装置40においては、第2分岐通路58に第2オイルセパレータ51が設けられていることとなる。
更に、ブローバイガス処理装置40は、吸気通路19からクランクケース14の内部に空気を導入する第1導入通路61及び第2導入通路62を備えている。第1導入通路61は、その一端が吸気通路19における流出通路59が接続されている部位よりも上流側の部位であり且つエアクリーナ21の下流側の部位に接続されているとともに、他端がシリンダヘッドカバー13の内部に設けられた第3オイルセパレータ63に接続されている。そして、この第1導入通路61及び第3オイルセパレータ63は、同第3オイルセパレータ63に接続された第2導入通路62を介してクランクケース14の内部と連通している。
次に、このブローバイガス処理装置40の作用について説明する。
過給機30による過給がなされているときには、同過給機30よりも下流側の吸気通路19内の圧力が高くなり、過給機30の上流と下流との間で吸気通路19の内部に圧力差が生じることとなる。そして、こうした圧力差が大きくなると、流入通路56、エゼクタ57、流出通路59を介して過給機30よりも下流側の吸気が過給機30よりも上流側の吸気通路19に還流されるようになる。こうしてエゼクタ57を介して各通路56,59を吸気が流通すると、その際にエゼクタ57の内部空間に負圧が生じることとなる。そして、このときエゼクタ57の内部空間に生じた負圧によって、クランクケース14内のブローバイガスが、連通路41、第1オイルセパレータ50、容積室42、連通路42a、第2オイルセパレータ51、及び第2通路55を通じてエゼクタ57の内部に吸引される。そして、こうしてエゼクタ57の内部に吸引されたブローバイガスが、吸気と併せて流出通路59を介して吸気通路19に排出される。すなわち、このときには第2分岐通路58を通じてブローバイガスが排出されるようになる。
これに対して過給機30による過給がなされていないときにスロットルバルブ23の開度が小さく調節されると、吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側に負圧が生じる。こうして吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側に負圧が生じる状況下では、この吸気通路19に生じた負圧によってPCVバルブ44が開弁されることにより、クランクケース14内のブローバイガスが、連通路41、第1オイルセパレータ50、容積室42、PCVバルブ44、及び第1通路45を通じて吸気通路19に排出される。すなわち、このときには第1分岐通路46を通じてブローバイガスが排出される。尚、第1分岐通路46は、容積室42及び連通路41を介して第1オイルセパレータ50と接続されているとともに、容積室42及び第2分岐通路58を介して吸気通路19における過給機30よりも上流側の部位と接続されている。しかしながら、第2分岐通路58に設けられている第2オイルセパレータ51の圧力損失が第1オイルセパレータ50の圧力損失よりも大きいため、吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側に負圧が生じるようになっても第2分岐通路58、容積室42、及び第1分岐通路46を通じた吸気の還流は生じにくくなっている。
また、過給がなされておらず、吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側に負圧が生じる状況下であって、機関回転速度が高いときには、吸気通路19におけるコンプレッサ33よりも上流側も負圧となるとともに、吸気通路19におけるインタークーラ22とスロットルバルブ23との間の部位が正圧となる。そして、これらの差圧によって、エゼクタ57が作動するようになる。こうした状況下にあっては、仮に、第2オイルセパレータ51を第2分岐通路58でなくブローバイガス通路60における容積室42よりも上流側(クランクケース14側)の部位に設けた場合には、第2オイルセパレータ51に第1分岐通路46からの負圧と第2分岐通路58からの負圧とが集中して作用するようになる。このため、第2オイルセパレータ51内の圧力が急激に低下して、排出通路54で油筒を形成しているオイルが第2オイルセパレータ51内に噴出し、オイルを含んだ気体がカム室内から第2オイルセパレータ51内、更には第1分岐通路46内や第2分岐通路58内に流入するようになってしまう。尚、油筒が形成される排出通路54の長さを予め長く設定しておけば、上記のように過剰な負圧が第2オイルセパレータ51に集中して作用したとしても、排出通路54で油筒を形成しているオイルが第2オイルセパレータ51内に噴出してしまうことを抑制することができる。しかしながら、排出通路54の長さを長くすると、その分ブローバイガス処理装置40の大型化を招くこととなる。
本実施形態のブローバイガス処理装置40では、ブローバイガス通路60における容積室42よりも上流側(クランクケース14側)の部位である連通路41に第1オイルセパレータ50が設けられ、ブローバイガス通路60における容積室42よりも下流側(吸気通路19側)の部位である第2分岐通路58に第2オイルセパレータ51が設けられている。このため、上記のように吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側と吸気通路19におけるコンプレッサ33の上流側との双方に負圧が生じるような状況下では、第1分岐通路46を通じて作用する負圧は第2オイルセパレータ51よりも圧力損失の小さな第1オイルセパレータ50が設けられた連通路41にも作用する。これにより、連通路41、第1オイルセパレータ50及び第1分岐通路46を通じてブローバイガスが排出されるようになり、過給機30の上流側と下流側の双方の負圧が第2オイルセパレータ51に集中して作用することはない。
上述したブローバイガス処理装置40によれば以下の効果を奏することができる。
(1)吸気通路19におけるコンプレッサ33よりも上流側の部位に接続される第2分岐通路58に、第1オイルセパレータ50よりも圧力損失の大きな第2オイルセパレータ51が設けられている。したがって、吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側に負圧が生じる際に、第1分岐通路46を介して第1オイルセパレータ50及び第2オイルセパレータ51に負圧が作用するようになる。これによって、第2オイルセパレータ51が設けられた第2分岐通路58を通じて吸気が吸気通路19に還流されるのではなく、圧力損失の小さな第1オイルセパレータ50が設けられた連通路41を通じてクランクケース14内のブローバイガスが吸気通路19に排出されるようになる。したがって、一方の分岐通路から負圧を作用させたときに、他方の分岐通路を介して吸気が導入されてしまい、ブローバイガスの排出が滞ってしまうことを抑制することができる。
(2)ブローバイガス通路60における容積室42よりも上流側(クランクケース14側)の部位である連通路41に第1オイルセパレータ50が設けられ、ブローバイガス通路60における容積室42よりも下流側(吸気通路19側)の部位である第2分岐通路58に第2オイルセパレータ51が設けられている。このため、上記のように吸気通路19におけるスロットルバルブ23よりも下流側と吸気通路19におけるコンプレッサ33の上流側との双方に負圧が生じるような状況下であっても、過剰な負圧が第2オイルセパレータ51に集中して作用することがない。したがって、排出通路54を長くしなくても油筒を形成しているオイルの噴出を抑制することができる。すなわち、ブローバイガス処理装置40の大型化を抑制しつつ、排出通路54で油筒を形成しているオイルが第2オイルセパレータ51内に噴出してしまうことを抑制することができる。
(3)過給機30の過給時には、ラビリンス式のオイルセパレータである第1オイルセパレータ50によって粒径の大きいオイルが取り除かれたブローバイガスがサイクロン式のオイルセパレータである第2オイルセパレータ51に流入するため、同第2オイルセパレータ51によるオイルの捕集効率を向上させることができる。
(4)第1オイルセパレータ50は、第1分岐通路46を通じて吸気通路19に排出されるブローバイガスに含まれるオイルを分離するメインセパレータとして機能している。さらに、第1オイルセパレータ50は、第2分岐通路58を通じて吸気通路19に排出されるブローバイガスに含まれるオイルを第2オイルセパレータ51よりも上流側(クランクケース14側)で分離するプリセパレータとしても機能している。すなわち、各分岐通路46,58にそれぞれメインセパレータとプリセパレータとを設ける場合と比較して、オイルセパレータの数を低減することができる。
尚、上述の実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1オイルセパレータ50としてラビリンス式のオイルセパレータを採用するとともに、第2オイルセパレータ51としてサイクロン式のオイルセパレータを採用していたが、第1オイルセパレータ50及び第2オイルセパレータ51の双方にラビリンス式のオイルセパレータを採用してもよい。第1オイルセパレータ50及び第2オイルセパレータ51の双方にサイクロン式のオイルセパレータを採用してもよい。また、第1オイルセパレータ50や第2オイルセパレータ51として、ラビリンス式のオイルセパレータやサイクロン式のオイルセパレータ以外のオイルセパレータを採用してもよい。要するに、第2オイルセパレータ51が第1オイルセパレータ50よりも圧力損失が大きければ、これら第1オイルセパレータ50及び第2オイルセパレータ51の種類は自由に選択可能である。その場合であっても、上述の実施形態で得ることのできる効果(1)、(2)、(4)と同様の効果を奏することができる。
・連通路41に一つの第1オイルセパレータ50を設けていたが、連通路41に二つ以上のオイルセパレータを設けるようにしてもよい。また、第2分岐通路58に一つの第2オイルセパレータ51を設けていたが、第2分岐通路58に二つ以上のオイルセパレータを設けるようにしてもよい。この場合にも、第2分岐通路58のオイルセパレータのうちで最も圧力損失の大きいオイルセパレータ(第2オイルセパレータ)の圧力損失が、連通路41の全てのオイルセパレータ(第1オイルセパレータ)よりも大きければ、上述の実施形態での効果(1)及び(2)と同様の効果を奏することができる。要するに、連通路41の圧力損失よりも第2分岐通路58の圧力損失が大きくなるように第1オイルセパレータ50と第2オイルセパレータ51の圧力損失が設定されていればよい。
・第2オイルセパレータ51における排出通路54の配設箇所は、クランクケース14内等、カム室内に限らない。
・第2オイルセパレータ51の排出通路54は、その内部に油筒が形成されるものに限らず、第2オイルセパレータ51からオイルを排出する通路として機能するものであればよい。尚、上述のように吸気通路19におけるスロットルバルブ23の下流側とコンプレッサ33の上流側との双方に負圧が生じる状況下では、仮に、本形態の第2オイルセパレータ51をブローバイガス通路60における容積室42よりも上流側(クランクケース14側)の部位に設けても、第2オイルセパレータ51に過剰な負圧が集中して作用する。そして、本形態の第2オイルセパレータ51内の圧力が急激に低下すると、同第2オイルセパレータ51内に、連通路41や第2オイルセパレータ51の排出通路から多量のブローバイガスや気体が噴出するおそれがある。そして、こうして本形態の第2オイルセパレータ51内に噴出したブローバイガスや気体は、同第2オイルセパレータ51から第1分岐通路46内や第2分岐通路58内に過剰に流入するようになってしまう。しかしながら、本形態においても、連通路41に第1オイルセパレータ50を設け、第2分岐通路58に第2オイルセパレータ51を設けるようにすれば、上記のように過剰な負圧が第2オイルセパレータ51に集中して作用することがない。これにより、多量のブローバイガスや気体が第2オイルセパレータ51内に噴出してしまうことを抑制することができる。
・第2オイルセパレータ51は排出通路54を備えるものに限らず、この排出通路54以外の構成によって第2オイルセパレータ51からオイルを排出するものとしてもよい。こうした形態であっても、上述の実施形態で得ることのできる効果(1)、(3)、(4)と同様の効果を奏することができる。
・PCVバルブ44として電動式の調節弁を採用してもよい。こうした形態でも、吸気通路19内に負圧が生じ、容積室42内の圧力よりも吸気通路19内の圧力が低くなっているときにPCVバルブ44の開度を開弁するようにすれば、上記実施形態と同様にクランクケース14内のブローバイガスを吸気通路19に排出することができる。
10…内燃機関、12…シリンダヘッド、14…クランクケース、19…吸気通路、23…スロットルバルブ、30…過給機、40…ブローバイガス処理装置、41,42a…連通路、42…容積室、44…PCVバルブ、45…第1通路、46…第1分岐通路、50…第1オイルセパレータ、51…第2オイルセパレータ、54…排出通路、55…第2通路、56…流入通路、57…エゼクタ、58…第2分岐通路、59…流出通路、60…ブローバイガス通路。

Claims (4)

  1. ブローバイガス通路を介してクランクケース内のブローバイガスを吸気通路に排出する内燃機関のブローバイガス処理装置において、
    前記吸気通路のスロットルバルブよりも上流側に過給機が設けられており、
    前記ブローバイガス通路の一端はクランクケースに接続されており、
    前記ブローバイガス通路は分岐部にて第1分岐通路と第2分岐通路とに分岐しており、
    前記第1分岐通路は前記吸気通路における前記スロットルバルブよりも下流側の部位に接続されており、
    前記第2分岐通路は前記吸気通路における前記過給機よりも上流側の部位に接続されており、
    前記ブローバイガス通路における前記分岐部よりも前記クランクケース側の部位に第1オイルセパレータが設けられ、
    前記第2分岐通路に前記第1オイルセパレータよりも圧力損失の大きな第2オイルセパレータが設けられている
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス処理装置。
  2. 前記第2オイルセパレータには、下方に延びて開口するオイルの排出通路が設けられている
    請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス処理装置。
  3. 前記排出通路は、前記内燃機関のカム室内に開口して設けられており、
    ブローバイガスから分離されたオイルが、前記第2オイルセパレータ内の圧力が前記カム室内の圧力よりも小さいことによって前記排出通路内に貯留されて油筒を形成する
    請求項2に記載の内燃機関のブローバイガス処理装置。
  4. 前記第1オイルセパレータはラビリンス式のオイルセパレータであり、
    前記第2オイルセパレータはサイクロン式のオイルセパレータである
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス処理装置。
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