JP5978981B2 - サイフォン部 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄スクラップをコークスを用いて溶解する竪型炉の出銑口に設けられ、溶銑およびスラグを保持するためのサイフォン部に関する。
溶銑を製造する設備として、鉄鉱石を還元する高炉のほかに、近年CO削減の観点から、鉄スクラップを原料とする竪型炉(「シャフト炉」ともいう)が注目されている。
竪型の溶解炉であるシャフト炉では、炉頂部から、原料である鉄スクラップおよびコークスを装入し、下部の羽口より空気を送ってコークスを燃焼させ、鉄スクラップを溶解し、溶銑を得る。炉底部に溜まった溶銑およびスラグは、定常状態では一定のレベルに維持され、溶銑およびスラグの生成速度に応じて、炉底付近に設置された出銑口から出銑口に連結したサイフォン部へ連続的に排出される。サイフォン部には定常状態ではほぼ一定量の溶銑およびスラグが保持されて、溶銑およびスラグの流入速度に応じて、サイフォン部に連結した溶銑樋およびスラグ樋から溶銑およびスラグが連続的に排出される。
このようなシャフト炉の操業において、溶銑およびスラグによって損耗しやすいのが出銑口に施工された耐火物である。出銑口の耐火物としては、従来、Al−SiC−C系(ASC系)耐火物が用いられているが、損耗速度を低減する目的で、例えば、特許文献1には、ZrOを主成分とする耐火物が提案されている。
特開2009−263203号公報
溶銑およびスラグにより、出銑口の次に損耗しやすいのが、サイフォン部に施工された耐火物である。サイフォン部の耐火物としては、出銑口または高炉の出銑樋と同様に、従来、ASC系耐火物が用いられている。サイフォン部の中でも、溶銑とスラグとの界面およびスラグと大気との界面に当たる部位は、これらの界面レベルが一定していることもあって特に鋭く侵食され、またスラグが浮上してくる、出銑口の上方の部位の損耗速度も大きい。
これらの耐火物が損耗した場合には補修を要するが、補修時には操業を停止しなければならず、そうすると、炉の稼働率が落ちて、生産性が低減してしまう。
そのため、サイフォン部に施工される耐火物の損耗速度を低減させて、より長期の連続操業を実現させたいという要望が高まっている。
なお、本発明者らが、サイフォン部の使用済みASC系耐火物を丹念に解析したところ、耐火物の損耗形態はスラグによる溶損であり、1mm以上の骨材(Al)よりも、AlおよびSiCを主成分とするマトリックスの方が先行して溶損していた。
また、本発明者らが、従来高炉で使用されているスピネル系(MgAl)の耐火物(スピネル−SiC−C)をシャフト炉のサイフォン部に施工したところ、やはり十分な耐食性は得られなかった。これは、高炉スラグに含まれるMgOがシャフト炉スラグにはほとんど含まれないため、MgOを飽和させても耐食性の効果を得ることができなかったものと推測される。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、長期の連続操業を可能とし、炉の稼働率を向上させて生産性を増加できるサイフォン部を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、サイフォン部に特定の耐火物を施工することにより、損耗速度を大幅に低減できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)鉄スクラップをコークスを用いて溶解する竪型炉の出銑口に設けられ、溶銑およびスラグを保持するためのサイフォン部であって、マグクロ系耐火物が施工されていることを特徴とする、サイフォン部。
(2)上記記マグクロ系耐火物の組成が、MgO含有量が50〜70質量%であって、Cr含有量が18〜35質量%である、上記(1)に記載のサイフォン部。
(3)上記記マグクロ系耐火物が、マグクロ系煉瓦および/またはマグクロ系キャスタブル耐火物である、上記(1)または(2)に記載のサイフォン部。
本発明によれば、長期の連続操業を可能とし、炉の稼働率を向上させて生産性を増加できるサイフォン部を提供することができる。
シャフト炉1を模式的に示す断面図である。
まず、図1に基づいて、本発明が適用される竪型炉(シャフト炉)の一例を説明する。図1は、シャフト炉1の断面を概略的に示す模式図である。シャフト炉1の本体3は、原料が装入される炉頂部2と、この原料から製造される溶銑が溜まる炉底部5とを有する。本体3は、全体的に本体ワーク耐火物3aが施工されて構成され、炉底部5付近の本体ワーク耐火物3aを覆うようにして、本体永久耐火物3bが施工されている。本体永久耐火物3bの施工部位よりも上方位置には、本体3の内部に通じる羽口4が形成されている。さらに、本体3の炉底部5には、溜まった溶銑を出銑するための出銑口6が設けられている。出銑口6も、耐火物が施工されて構成されている。
そして、シャフト炉1においては、出銑口6に連結させて、サイフォン部7が設けられている。サイフォン部7は、所定の耐火物が施工されて構成されている。サイフォン部7には、スラグを溶銑流から分離するための図示しないスキンマーが設置され、さらに図示しない溶銑樋およびスラグ樋が連結されている。なお、図1では、1組の出銑口6およびサイフォン部7だけしか図示していないが、シャフト炉1を上面から見て略90度の位置には、もう1組の出銑口およびサイフォン部が設けられている。
また、特に図示しないが、シャフト炉1の炉頂部2には、排ガス導出用の環状ガス管部や、この環状ガス管部に接続されたガス上昇管などが設けられている。
このような構成のシャフト炉1において、炉頂部2から、鉄スクラップ、コークス、および造滓材などの副原料が装入される。このとき、羽口4から送風(酸素供給)を行なうとともに、必要に応じて微粉炭や粒状プラスチック等の炭素材を鉄源還元剤や燃料として吹き込む。こうして、炉頂部2から装入されたコークス、さらには、羽口4から吹き込まれた炭素材の燃焼熱によって、鉄スクラップが溶解し、溶銑が製造され、炉底部5に溜まる。このとき、スラグも生じる。
炉底部5に溜まった溶銑およびスラグは、出銑口6から出銑されるが、このとき、サイフォン部7を経由して排出され、溶銑鍋等によって受銑される。この場合、炉底部5に溜まった溶銑およびスラグの液面は定常状態では一定のレベルに維持され、溶銑およびスラグの生成速度に応じてサイフォン部7を経由した溶銑およびスラグの排出量が調整される。この際、サイフォン部における溶銑およびスラグの液面レベルも定常状態では一定のレベルとなる。
このようなシャフト炉1の操業において、高温の溶銑およびスラグの出銑滓により、出銑口6の耐火物が損耗しやすいが、次に、損耗しやすいのが、サイフォン部7であり、とりわけ、溶銑とスラグの界面及びスラグと大気の界面に当たる部位は、これらの界面レベルが一定していることもあって特に鋭く侵食され、またスラグが浮上してくる、出銑口6の上方領域(図1中、7aで示す)も損耗しやすい。
酸化物系の耐火物と炭素や炭化物を含有する耐火物とでは、溶銑とスラグとの界面近傍での溶損形態が異なると考えられ、従来からサイフォン部に使用されるASC系耐火物では、次のような形態であると考えられる。すなわち、溶銑とスラグとの界面近傍でASC系耐火物中のアルミナ粒子が露出している部分はスラグに濡れるため、アルミナ粒子は徐々にスラグに侵食されるが、アルミナ粒子が侵食されて次に炭素または炭化物の粒子が露出するようになると、今度は溶銑に濡れるようになり、炭素または炭化物の粒子は徐々に溶銑に溶解して侵食される。このように溶銑とスラグとの界面近傍では、スラグと溶銑とに交互に侵食されることによって、特に鋭く侵食される。
これに対して酸化物系の耐火物の場合、溶銑とスラグとの界面近傍では、耐火物はスラグに濡れるため、耐火物表面にスラグフィルムが形成されるが、このスラグフィルム中に耐火物中の酸化物成分が少量でも溶解すると、組成が大きく変化するため、バルクスラグとスラグフィルムとの間でスラグ成分に濃度勾配が生じる。この濃度勾配によって表面張力勾配が生じると、スラグフィルム部分に流動が誘起されて、溶銑とスラグとの界面近傍の耐火物のスラグによる浸食が促進される。このようにして、酸化物系耐火物の場合においても溶銑とスラグとの界面近傍が特に鋭く侵食され、特にサイフォン部のように、スラグおよびメタルの流動が乏しく、界面位置が一定しているような場合には、他の部位に比べて相対的な損耗速度が非常に大きなものとなる。
しかしながら、本発明においては、サイフォン部7の少なくとも溶銑とスラグとの界面およびスラグと大気との界面に当たる領域ならびに領域7a(以下、単に「サイフォン部(サイフォン部7)」ともいう)にマグクロ系耐火物(マグネシア−クロム系耐火物)を施工することで、サイフォン部7の損耗速度を大幅に低減できる。
シャフト炉1で生じるスラグは、一般的に、塩基度(CaOとSiOとの質量比(CaO/SiO)で、「C/S」とも標記される)が0.8〜1.1程度であるが、本発明に用いるマグクロ系耐火物は、このスラグに溶解しやすいAl、および、銑鉄に溶解しやすいSiCを主成分としないため、耐食性に優れるものと推測される。
ここで、本発明に用いられるマグクロ系耐火物の組成は、MgOを主成分、Crを副成分とし、さらに、少量の組成として、Al、SiO、Fe等を含有するものである。
マグクロ系耐火物やアルクロ系耐火物などのクロム含有耐火物は、スラグに対する耐食性が優れていることが定性的に知られているが、溶銑が共存する場合には、耐火物中の酸化クロムが溶銑中の炭素で還元されるため、耐食性が低下することが考えられる。本発明者らが、塩基度が0.8〜1.1程度のスラグと溶銑とが共存する場合の耐食性を検討した結果、アルクロ系耐火物では耐食性の低下が著しいのに対して、マグクロ系耐火物では耐食性が良好であることが見出された。
すなわち、塩基度が0.8〜1.1程度のスラグに対する耐食性では、アルクロ系耐火物と同程度の耐食性であるマグクロ系耐火物であっても、同じスラグと溶銑とが共存する場合には、アルクロ系耐火物に対して大幅に優れた耐食性を示すことが明らかとなった。
このような現象となる機構は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。アルクロ系耐火物では酸化クロムはアルミナに固溶しているので、耐火物表面で溶銑により酸化クロムが還元されると、耐火物内部の酸化クロムが表面に拡散してきて、結果として酸化クロムの欠乏層の厚みが大きくなる。これに対して、マグクロ系耐火物では酸化クロムはマグネシアとスピネル鉱物とを形成しているため、表面で酸化クロムが還元されても、内部まではその影響が及ばないことが、上記の耐食性の結果に影響していると考えられる。また、アルクロ系耐火物とクロム含有耐火物とでは、溶銑および溶融スラグに対する濡れ性が異なるため、前述した耐火物表面でのスラグフィルムの形成状況が異なることや、両者ではスラグへの溶出成分や濃度が異なるため、前述したスラグフィルム部分の流動状況が異なることも、上記の耐食性の結果に影響していると考えられる。定性的には、マグクロ系耐火物では溶銑との接触角が比較的小さくなってスラグフィルムが形成されにくくなり、耐火物溶出成分の濃度勾配が誘起する流動が比較的軽微であると考えられる。
もっとも、本発明に用いられるマグクロ系耐火物のMgO含有量としては、50〜70質量%であるのが好ましく、50〜60質量%であるのがより好ましい。MgO含有量が50質量%以上であればCrの含有量が多すぎることがなく、後述するCrの還元による損耗が大きくならず、耐食性が優れる。一方、MgO含有量が70質量%以下であればCrの含有量が少なすぎることがなく、十分な耐食性が発揮される。
また、マグクロ系耐火物のCr含有量としては、18〜35質量%であるのが好ましく、21〜35質量%であるのがより好ましい。
マグクロ系耐火物の耐食性はCr含有量に大きく依存する。すなわち、マグクロ系耐火物のCr含有量が少なすぎると、シャフト炉のスラグに対する耐食性が十分でない場合があり、多すぎると、溶銑中のカーボンによってマグクロ系耐火物が還元されて損耗が大きくなる場合がある。シャフト炉で溶製される溶銑中の炭素濃度は3.5〜5.5質量%であり、溶銑温度は1500℃以上であるため、耐火物中のCrが還元されてCr含有量が低下すると、スラグによる侵食速度が増大する場合があるが、特にCrの含有量が35質量%より多い場合に顕著となる。
これに対して、Cr含有量が上記範囲内であれば、マグクロ系耐火物がスラグに対しても十分な耐食性を発揮し、また、溶銑中のカーボンによる損耗を抑制するため、このようなマグクロ系耐火物を施工したサイフォン部の損耗速度をより低減できる。
また、MgOおよびCr以外の組成(例えば、Al、SiO、Fe等)については、その含有量は特に限定されないが、これらの成分は低融点物を形成して耐火物の耐食性を低下させるため、15質量%未満であるのが好ましい。
なお、マグクロ系耐火物における各含有量については、理論化学組成が目的の数値となるように原料を配合することで調整し得る。
マグクロ系耐火物においては、骨材としてMgOやクロム鉱が使用され、マトリックスとしてもMgOやクロム鉱が使用される。ここで、本明細書では、1mm以上の粗粒を「骨材」とし、骨材を除く微粉から構成される組織を「マトリックス」とする。
このようなマグクロ系耐火物の形態としては、原料をスラリー状にして施工成形する不定形のマグクロ系キャスタブル耐火物と、定形のマグクロ系煉瓦とに大別される。なお、後述するキャスタブル耐火物の場合は、骨材がMgCr、マトリックスがMgCrやAlとなり、煉瓦の場合、骨材がMgOとなり、マトリックスがMgCrとなる。
定形のマグクロ系煉瓦は、さらに、ダイレクトボンド煉瓦、リボンド煉瓦、およびセミリボンド煉瓦に大別される。
ダイレクトボンド煉瓦は、高純度の合成マグネシアクリンカーと、天然のクロム鉱との配合物にバインダーを添加してプレス成形し、高温焼成して製造されるものである。
リボンド煉瓦は、マグネシアクリンカーとクロム鉱とを事前に電気炉で溶融、冷却後粉砕した低不純物の電融クリンカーを使用し、上記と同様にして得られるものである。
セミリボンド煉瓦は、ダイレクトボンドとリボンドとの中間的な性質を有し、マグネシアクリンカー、クロム鉱、電融マグクロの配合物を使用するものである。
本発明に用いられるマグクロ系耐火物としては、耐食性により優れるという理由から、定形煉瓦を用いるのが好ましく、なかでも、リボンド煉瓦、セミリボンド煉瓦を用いるのがより好ましい。
また、一般的に、サイフォン部7などに耐火物として定形煉瓦を施工するに際しては、目地部としてモルタルを用いるが、目地部は煉瓦よりも先行して溶損しやすい。そこで、目地部を構成するモルタルを、マグクロ系またはマグネシア系とすることで、目地部の損耗速度を低減することができる。このとき、Cr含有量を5〜20質量%とするのが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
発明例1〜4では、マグクロ系キャスタブル耐火物を用い、発明例5では、マグクロ系ダイレクトボンド煉瓦を用い、発明例6ではマグクロ系リボンド煉瓦を用いた。また、比較例1では、シャフト炉のサイフォン部等で従来使用されているAl−SiC−C系キャスタブル耐火物を用い、比較例2では、従来高炉で使用されているスピネル系のキャスタブル耐火物を用い、比較例3〜6ではアルクロ系キャスタブル耐火物を用い、比較例7ではアルクロ系焼成煉瓦を用いた。
具体的には、発明例1〜4および比較例1〜6では、原料を配合後、水を添加して2分間混練し、53(75)mm×35mm×100mmの台形柱に成形した。これを、1日間養生した後に脱型し、110℃×24時間乾燥し、その後、1400℃×3時間焼成して、下記第1表の組成(単位:質量%)を有するキャスタブル耐火物のサンプルを得た。
また、発明例5〜6および比較例7では、下記第1表の組成(単位:質量%)を有する焼成煉瓦を上記台形柱と同形状に切り出し、110℃×24時間乾燥して、サンプルを得た。
これらのサンプルを8本1組にして、回転ドラム試験によって、スラグに対する耐食性評価を行った。試験条件は1600℃×3時間とし、使用したスラグの組成は、CaO=40質量%、SiO=43.5質量%、Al=16.5質量%とした。スラグは1時間ごとに入れ替えを行い、1時間当たりのスラグ使用量は350g/時間とした。
試験の前後でサンプルの長手方向10mm毎に厚さを測定し、スラグによる厚さの減少を求めて平均して、サンプル毎の溶損厚さを算出した。各例において、溶損厚さを比較例1のAl−SiC−Cキャスタブル耐火物サンプルの溶損厚さを100としたときの相対的な溶損指数として表した。溶損指数が小さいほど、耐食性は良好であると評価できる。結果を下記第1表に示す。
また、これらのサンプルを8本1組にして、高周波溶解炉内張り試験によって、スラグと溶銑とに対する耐食性評価を行った。溶銑を7kg溶解して、試験条件は1600℃×3時間とし、使用したスラグの組成は、CaO=40質量%、SiO=43.5質量%、Al=16.5質量%とした。スラグは1時間ごとに入れ替えを行い、1時間当たりのスラグ使用量は200g/時間とした。
試験の前後でサンプルの厚さを測定し、最大溶損位置での厚さの減少を求めて、サンプル毎の溶損厚さとした。各例において、溶損厚さを比較例1のAl−SiC−Cキャスタブル耐火物サンプルの溶損厚さを100としたときの相対的な溶損指数として表した。溶損指数が小さいほど、耐食性は良好であると評価できる。結果を下記第1表に示す。
Figure 0005978981
上記第1表に示す結果から明らかなように、発明例1〜6はいずれも、回転ドラム試験および高周波溶解炉内張り試験ともに、溶損指数が比較例1〜2よりも小さく、スラグおよび溶銑に対する耐食性が良好であることが分かった。とりわけ、リボンドマグクロ煉瓦を用いた発明例6では、回転ドラム試験で比較例1に対して1/25の溶損指数、高周波溶解炉内張り試験でも約3割減少となり、画期的に耐食性が改善された。比較例3〜7のアルクロ系耐火物は、いずれも回転ドラム試験での溶損指数は50未満であり、スラグに対する耐食性は比較的良好であるが、高周波溶解炉内張り試験での溶損指数は100を大きく超えており、スラグと溶銑とが共存する場合の耐食性が大幅に劣っていた。
そこで、次に、上記第1表に示す結果から耐食性が最も良好であった発明例6のリボンドマグクロ煉瓦を、シャフト炉のサイフォン部の出銑口上およびスラグライン(溶銑浴面〜スラグ浴面を含む範囲)に、Cr含有量18質量%のマグクロモルタルを目地材として使用して施工し、17,000t通銑した。一方、別のサイフォン部は、比較例1のAl−SiC−Cキャスタブル耐火物のみを施工し、同様に17,000t通銑した。
その結果、発明例6のセミリボンドマグクロ煉瓦を施工したサイフォン部では2週間補修無で通銑することができ、さらに、休風時に点検したところ、残厚に十分余裕があった。一方、比較例1のAl−SiC−Cキャスタブル耐火物を施工したサイフォン部では、10,000t通銑した後から、毎日吹付け補修を行うことを要した。
以上のことから、本発明によれば、サイフォン部の損耗速度を低減できるため、長期の連続操業が可能となり、シャフト炉の稼働率を向上させて、生産性を増加させることができる。
1 シャフト炉
2 炉頂部
3 本体
3a 本体ワーク耐火物
3b 本体永久耐火物
4 羽口
5 炉底部
6 出銑口
7 サイフォン部
7a サイフォン部の出銑口上方領域

Claims (3)

  1. 鉄スクラップをコークスを用いて溶解する竪型炉の出銑口に設けられ、溶銑およびスラグを保持するためのサイフォン部であって、マグクロ系耐火物が施工されていることを特徴とする、サイフォン部。
  2. 前記マグクロ系耐火物の組成が、MgO含有量が50〜70質量%であって、Cr含有量が18〜35質量%である、請求項1に記載のサイフォン部。
  3. 前記マグクロ系耐火物が、マグクロ系煉瓦および/またはマグクロ系キャスタブル耐火物である、請求項1または2に記載のサイフォン部。
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