JP5978963B2 - ブイ - Google Patents

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本発明はブイに関する。
海、湖、及び川等の水面に浮かべて使用するブイは様々な用途に使用される。例えば、水温センサや流速センサを設けたブイを海面に浮かべることにより海の状況をモニタすることができ、モニタした結果を漁業等に役立てることができる。
このようにセンサを利用する場合には、センサを駆動したりセンサの信号を無線送信したりするための電源が必要となるが、岸から離れたブイに有線で電力を供給するのは困難であるため、ブイは自力で発電をしなければならない。その発電方式としては、例えば、太陽発電、風力発電、及び波力発電がある。
しかし、太陽電池は、発電パネルの表面が汚れるとその出力が低下するという問題がある。また、風力発電や波力発電には羽根等の機械的な駆動部分を要するため、台風や漂流物等によってその駆動部分が破損するおそれがある。よって、いずれの発電方式においても、長期間にわたって安定的にブイに電力を供給するのが難しい。
これらに代わる発電方式として熱電発電がある。熱電発電は、温度差によって二つの導体の接合点に起電力が生じるゼーベック効果を利用したものであって、機械的な駆動部分がなく寿命が長いという特徴があり、惑星間探査機等において実用化されている。
熱電発電によって十分な起電力を得るには二つの導体の温度差を十分に大きくするのが有効であるが、互いに接触しているこれらの導体を異なる温度に保つのは難しく、導体間の温度差を維持するという点において熱電発電は改善の余地がある。
特開2004−24551号公報 特開2005−197151号公報
熱電発電によって十分な電力を得ることができるブイを提供することを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、水に浮かべられるフロートと、前記フロートに固定され、前記水と熱的に接続された第1の部分と、大気と熱的に接続された第2の部分とを備え、内部が減圧されたチャンバと、前記チャンバ内において前記第1の部分と前記第2の部分の各々に熱的に接続された熱電素子と、前記熱電素子から出力される第1の電力が充電される第1の充電池と、前記第1の電力が充電される第2の充電池と、前記第1の電力及び/又は前記第1の充電池から出力される第2の電力によって駆動し、前記水の中に設けられたセンサから出力された信号を処理する処理部と、前記チャンバ内に設けられ、前記第2の充電池から出力される第3の電力により発熱するゲッタ材料を含む電熱線と、前記第1の充電池の電圧が第1の所定電圧以上のときに、前記第1の電力を前記第2の充電池に供給することにより該第2の充電池を充電し、前記電圧が前記第1の所定電圧よりも低いときに、前記第2の充電池への前記第1の電力の供給を停止する第1の制御部とを有するブイが提供される。
以下の開示によれば、チャンバ内を減圧するため、水と大気との温度差がチャンバ内で低減するのを防止し、その温度差を利用して熱電素子から十分な大きさの第1の電力を得ることができる。
また、第1の充電池の電圧が第1の所定電圧以上で第1の充電池に十分な余力があるときに熱電素子で第2の二次電池を充電する。よって、余裕がある状態の第1の充電池で処理部を駆動しつつ、第2の蓄電池で電熱線を発熱させてゲッタ材料を蒸散させることでチャンバ内の真空度を維持することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るブイの外観図である。 図2は、本実施形態に係るブイが備えるチャンバの断面図である。 図3は、本実施形態に係るブイが備える第1のフランジの平面図である。 図4は、本実施形態に係るブイが備えるチャンバ内の機能ブロック図である。 図5は、本実施形態に係るブイを利用した観測システムの模式図である。
以下に、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るブイの外観図である。
このブイ1は、海、湖、及び川等において使用されるものであり、水Wに浮かべられるフロート2と、フロート2に固定されたチャンバ3とを有する。
このうち、チャンバ3は、円筒状のシリンダ6、第1のフランジ4、及び第2のフランジ7によりその外壁が画定される。第1のフランジ4と第2のフランジ7はそれぞれ第1の部分と第2の部分の一例であって、互いに平行に配される。
第1のフランジ4にはジュラルミン等の金属を材料とする伝熱体11が設けられる。実使用下においては、伝熱体11が水Wに浸漬することにより、伝熱体11を介して水Wと第1のフランジ4とが熱的に接続される。
なお、伝熱体11の端部には不図示の錨を接続するためのフック11aが設けられる。
また、水Wにはセンサ15が沈められる。センサ15は、水Wの水温や流速等を計測するのに使用され、その計測結果をアナログ値の信号Sとして出力する。その信号Sは、ケーブル14を介してチャンバ3に有線送信される。
一方、第2のフランジ7には大気との接触面積を増やすためのジュラルミン製の伝熱フィン12が設けられており、これにより第2のフランジ7と大気とが熱的に接続される。
そして、伝熱フィン12の上方にはアンテナ13が設けられる。センサ15の信号Sは、チャンバ3の内部において後述の所定の処理を施した後、アンテナ13を介して無線送信される。
図2は、チャンバ3の断面図である。
なお、図2において、図1で説明したのと同じ要素には図1におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
チャンバ3内の雰囲気は10-5mTorr〜10-3mTorr程度の圧力にまで減圧されており、チャンバ3の内側には熱電素子18、回路ユニット20、第1の充電池21、ゲッタ用の電熱線23、及び多孔質体25が設けられる。
熱電素子18は、水Wと大気との温度差で発電するものであって、その種類は特に限定されない。本実施形態では、第1の基板18aと第2の基板18bとの間にn型半導体18nとp型半導体18pとを交互に配列してなるπ型の熱電素子18を用いる。この場合、n型半導体18nの材料としてはn型BiTeを使用し、p型半導体18pの材料としてはp型BiTeを使用し得る。この熱電素子18の平面形状は一辺の長さが50mmの正方形であり、熱電素子18の出力は125μW/K2である。
熱電素子18の第1の基板18aは、第1のフランジ4に固定されており、既述の水Wと熱的に接続される。一方、第2の基板18bは、ヒートパイプ28と第2のフランジ7とを介して大気と熱的に接続される。
これにより、熱電素子18は水Wと大気との温度差によって発電することができ、熱電素子18の電力によってブイ1が自律的に駆動することができる。
また、本実施形態ではチャンバ3内を減圧したため、大気を介した熱の移動がチャンバ3内で起こりにくくなり、大気と水Wとの温度差を最大限に利用して熱電素子18の発電効率を高めることが可能となる。
ヒートパイプ28は、熱伝導性に優れたステンレス等を材料とする金属パイプの内部を減圧し、その内部に水を保持するウィック28aを設けてなる。金属パイプ自身の熱伝導に加え、ウィック28aに保持された水が気化と液化とを繰り返すことにより、第2のフランジ7から熱電素子18への熱の移動が速やかに行われる。
また、ヒートパイプ28の中途部には伸縮可能な蛇腹28bが設けられる。チャンバ3は、外界の温度変化によって膨張や収縮等の熱変形をすることがあるが、上記の蛇腹28bがその熱変形を吸収するため、チャンバ3の熱変形に伴う機械的なダメージを熱電素子28が受けるのを防止できる。
特に、第1のフランジ4の内側表面の法線方向nに延びるようにヒートパイプ28を設けることで、温度変化に伴う当該法線方向nへのチャンバ3の伸縮を蛇腹28bで吸収するのが容易となり、熱電素子28のダメージを低減し易くなる。
チャンバ3の底面は第1のフランジ4によって画定される。水Wと熱電素子18とを熱的に良好に接続するため、第1のフランジ4の材料としては樹脂よりも熱伝導性に優れた金属を採用するのが好ましい。本実施形態では、アルマイト処理によって耐食性が向上したジュラルミンを第1のフランジ4の材料として使用する。
また、チャンバ3の上面は第2のフランジ7によって画定されるが、大気とヒートパイプ28とを熱的に良好に接続するために、第2のフランジ7の材料としても金属を使用するのが好ましい。本実施形態では、表面にアルマイト処理が施されたジュラルミンを第2のフランジ7の材料として使用する。
一方、シリンダ6は、上記のチャンバ3の壁面を形成すると共に、第1のフランジ4と第2のフランジ7の各々に圧接される第1の開口端6aと第2の開口端6bとを有する。
第1のフランジ4と第2のフランジ7との間の熱の移動を抑制するために、シリンダ6の材料としては金属よりも熱伝導率が小さいテフロン(登録商標)等の樹脂を使用するのが好ましい。これにより、本実施形態では各フランジ4、7間の温度差を十分に維持し、その温度差によって熱電素子18の発電効率を高めることができる。
なお、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂も、熱伝導率が小さく機械的強度が高いという点で、シリンダ6の材料として好適である。
また、第1のフランジ4の内側表面には、シリンダ6の第1の開口端6aに沿って第1の突起4bが設けられる。第1の突起4bの断面形状は略三角形であり、その頂点にシリンダ6が圧接することでシリンダ6と第1のフランジ4との接触面積が低減され、それによりこれらの間の熱の移動を抑制して熱電素子18の発電効率を更に高めることができる。
同様に、第2のフランジ7の内側表面には、シリンダ6との間の熱の移動を抑制するための略三角形状の第2の突起7bがシリンダ6の第2の開口端6bに沿って設けられる。
なお、第1の突起4bと第2の突起7bに代えてOリングを用いることによりチャンバ3内の気密性を維持するようにしてもよい。
また、第1のフランジ4と第2のフランジ7の各々にはボルト5が通される第1の孔4aと第2の孔7aが設けられる。ボルト5の一方の端部5aには第1のナット16が嵌合し、他方の端部5bには第2のナット17が嵌合しており、これらのナット16、17の締め付け力によって各フランジ4、7とシリンダ6とが機械的に接続される。
また、第1のナット16の外周側面16aは傾斜面とされる。これにより、第1の孔4aの開口端と第1のナット16とが当接する面積が低減するため、第1のフランジ4と第2のフランジ7との間の熱の移動を更に抑制して、熱電素子18の発電効率を一層高めることができる。
同様に、第2のナット17の外周側面17aも傾斜面とされ、第2の孔7aの開口端と第2のナット17とが当接する面積が低減される。
更に、第1及び第2のナット16、17とボルト5の材料も特に限定されないが、テフロンやABS樹脂等のように金属よりも熱伝導率が低い樹脂でボルト5を形成することにより、各フランジ4、7間の熱の移動を抑制するのが好ましい。
また、回路ユニット20は、後述のように第1の充電池21によって駆動し、例えばセンサ15の信号Sに対して所定の処理を施す。
電熱線23は、リード線24から供給される電流によって発熱するゲッタ材料を含む金属細線であって、多孔質体25と対向する位置に設けられる。金属細線に含まれるゲッタ材料は特に限定されないが、本実施形態ではゲッタ材料としてチタンを使用する。
この場合、発熱した電熱線23からチタン原子が蒸散することになるが、チタン原子はゲッタ作用があるためチャンバ3内に残留する酸素、窒素、及び水等の分子を捕獲してチャンバ3内の真空度が高められる。
電熱線23を常に通電する必要はなく、チャンバ3内の真空度が上昇する時期を見計らって所定の時間間隔をおいて電熱線23を通電し、定期的にチャンバ3内の真空度を維持すればよい。本実施形態ではその時間間隔として一年を採用する。
また、多孔質体25の材料は特に限定されないが、例えば多孔質アルミナで多孔質体25を形成し得る。
なお、チャンバ3内の真空度を維持するには、チャンバ3内の熱電素子18等の各部品に揮発性の接着剤を使用せず、各部品とチャンバ3とをネジ等により機械的に固定するのも有効である。また、回路ユニット20等にははんだが使用されるが、そのはんだとしてフラックスを含有しないものを使用することで、フラックスが原因でチャンバ3内の真空度が低減するのを防止できる。
図3は、第1のフランジ4の平面図である。
図3に示すように、第1のフランジ4には、電熱線23に電流を供給するための第2の充電池22が設けられる。
この第2の充電池22と上記の第1の充電池21の種類は特に限定されない。但し、チャンバ3内の真空度を維持するために、液体成分が少ないリチウムイオン電池等の全固体電池を第1の充電池21や第2の充電池22として使用するのが好ましい。なお、リーク電流が小さいという点でもリチウムイオン電池は第1の充電池21や第2の充電池22として好適である。
更に、この例では第1のフランジ4に第1の充電池21と第2の充電池22をそれぞれ一つずつ設けているが、各充電池21、22として複数の充電池を用いてもよい。
また、本実施形態では熱電素子18等を第1のフランジ4に固定する。既述のように、第1のフランジ4は水Wと熱的に接続されており、水Wは大気と比べて温度変化が少ない。よって、熱電素子18、回路ユニット20、第1の充電池21、及び第2の充電池22を第1のフランジ4に固定することで、温度変化が原因でこれらの部品が劣化するのを防止でき、ブイ1の長寿命化を図ることが可能となる。
更に、第1のフランジ4には、センサ15の信号Sを受けるハーメチックシールコネクタ27が設けられ、このハーメチックシールコネクタ27と回路ユニット20とが電気的に接続される。なお、ハーメチックシールコネクタ27はチャンバ3内を気密に維持する機能があるため、ハーメチックシールコネクタ27によってチャンバ3の真空度が低くなることはない。
なお、第1のフランジ4の外周には、フロート2(図1参照)を固定するための複数の固定金具4xが設けられる。
図4は、チャンバ3内の機能ブロック図である。
なお、図4において、図1〜図3で説明したのと同じ要素にはこれらの図におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図4に示すように、チャンバ3内には、処理部30、第1〜第3の制御部31〜33、及び昇圧回路38が設けられる。これらは回路ユニット20(図2参照)内に設けられる。
このうち、処理部30は、センサ15の信号Sに対してアナログデジタル変換をする信号処理回路36と、デジタル信号に変換された信号Sが入力される無線回路37とを有する。信号Sが入力された無線回路37は、信号Sを変調してアンテナ13に無線信号SRを出力する。その無線信号SRには水Wの温度や流速等の情報が含まれる。
センサ15、信号処理回路36、及び無線回路37は、後述の第1の制御部31を介して第1の充電池21の正極と負極に接続されており、第1の充電池21の電力によって駆動する。
また、昇圧回路38は、熱電素子18の正極+と負極−に接続されており、熱電変換素子18から出力された第1の電力P1が供給される。熱電素子18の出力電圧は100mV程度であるが、昇圧回路38はそれを4V程度にまで昇圧して正極+と負極−に出力する。
第1の制御部31は、充放電制御回路41と、スイッチ回路42とを有する。
充放電制御回路41は、昇圧回路38から出力された上記の第1の電力P1を第1の充電池21に充電するか、或いは第1の充電池21から出力される第2の電力P2を処理部30に出力するのかのいずれかを選択する。なお、充放電制御回路41から処理部30に出力される電力には、第1の充電池21から出力された第2の電力P2だけでなく、昇圧回路38から出力された上記の第1の電力P1が含まれてもよい。
また、充放電制御回路41は、第1の充電池21の電圧V1を監視する機能を有しており、その電圧V1が第1の所定電圧Vs1以上のときにスイッチ回路42に対してスイッチング信号Ssを出力する。
第1の所定電圧Vs1は特に限定されない。本実施形態では、フル充電の状態の第1の充電池21から出力される電圧(約3V)を第1の所定電圧Vs1として採用する。
スイッチ回路42は、昇圧回路38の正極+と負極−に接続される。上記のスイッチング信号Ssが入力されると、スイッチ回路42と昇圧回路38の各々の正極+同士が接続されると共にそれらの負極−同士が接続され、昇圧回路38の第1の電力P1がスイッチ回路42の後段に出力される。なお、スイッチング信号Ssが入力されていない場合には、スイッチ回路42は後段に第1の電力P1を出力するのを停止する。
そして、第2の充電池22の正極と負極は、スイッチ回路42の正極+と負極−にそれぞれ接続される。
上記したスイッチング信号Ssにより、第1の制御部31は、第1の充電池21の電圧V1が第1の所定電圧Vs1以上のときに第1の電力P1を第2の充電池22に供給することにより該第2の充電池22を充電する。そして、第1の充電池21の電圧V1が第1の所定電圧Vs1よりも低いときには、第1の制御部31は、第2の充電池22への第1の電力P1の供給を停止する。
なお、第1の充電池21と第2の充電池22とは電気的に隔離されており、第1の充電池21の第2の電力P2が第2の充電池22に供給されることはない。
一方、第2の制御部32は、第2の充電池22の電圧V2を監視する機能を有する。そして、電圧V2が第2の所定電圧Vs2以上のときに、第2の制御部32は、所定の時間間隔で第2の充電池22の正極と負極の電圧をそれぞれ自身の正極+と負極−に出力することで、第2の充電池22の第3の電力P3を後段に出力する。
第2の所定電圧Vs2は特に限定されない。本実施形態では、フル充電の状態の第2の充電池22から出力される電圧(約3V)を第2の所定電圧Vs2として採用する。
なお、第2の制御部32が後段に第3の電力P3を出力するタイミングは特に限定されず、本実施形態では一年の時間間隔で第3の電力P3を出力する。
その第3の電力P3を出力するタイミングは第2の制御部32自身が判断してもよい。或いは、信号処理回路36が所定の時間間隔でタイミング信号STを第2の制御部32に出力し、そのタイミング信号STを受けて第2の制御部32が第3の電力P3を出力してもよい。
第2の制御部32の正極+と負極−にはキャパシタ43の各電極が接続され、上記の第3の電力P3がキャパシタ43に充電される。
更に、キャパシタ43の各電極は第3の制御部33に接続され、その第3の制御部33の正極+と負極−との間に上記の電熱線23が接続される。
第3の制御部33は、キャパシタ43の電圧V3を監視する機能を有する。そして、当該電圧V3が第3の所定電圧Vs3に達したときに、第3の制御部33はキャパシタ43の正極と負極の電圧をそれぞれ自身の正極+と負極−に出力し、キャパシタ43の第3の電力P3を電熱線23に供給する。
第3の所定電圧Vs3は特に限定されないが、本実施形態では上記の第2の所定電圧Vs2と同じ3V程度とする。
このような回路構成によれば、第1の充電池21の電圧V1が第1の所定電圧Vs1以上となっており第1の充電池21に余裕がある場合にのみ、熱電素子18の第1の電力P1で第2の充電池22を充電する。
よって、余裕がある状態の第1の充電池21で処理部30を駆動することができ、ブイ1の主機能である信号SRの無線送信をおろそかにすることなく、電熱線23用の第2の充電池22を充電することができる。
また、第2の充電池22の第3の電力P3をキャパシタ43に蓄え、そのキャパシタ43から第3の電力P3を取り出して電熱線23に通電を行うので、電熱線23を流れる電流が第2の充電池22の内部抵抗によって低減するのを防止できる。よって、第2の充電池22を電熱線23に直接接続する場合よりも電熱線23に大電流を流すことができ、電熱線23から十分な量のゲッタ材料を蒸散させてチャンバ3内を高真空に維持することが可能となる。
図5は、ブイ1を利用した観測システムの模式図である。
この観測システム40は、上記のブイ1と、陸上に設けられたパーソナルコンピュータ等の計算機41と、陸上アンテナ42とを有する。計算機41は、ブイ1から無線送信される無線信号SRを陸上アンテナ42を介して取り込み、無線信号SRに含まれる水Wの水温や流速等の情報をディスプレイに表示する。
海にブイ1を浮かべる場合には、漁業等においてこれらの情報を利用することで、魚の成育等に関して新たな知見を得るのに役立てることができる。
また、ブイ1の動力源は上記のように熱電素子18であるが、風力発電用の発電機とは異なり熱電素子18には機械的な駆動部分がない。そのため、台風や漂流物によって駆動部分が損傷してブイ1の動力源が失われる可能性が少なく、長期間にわたって水温等を観測し続けることができる。
以上説明した本実施形態によれば、図2を参照して説明したように、チャンバ3内を減圧するため、水Wと大気との温度差がチャンバ3内で低減するのを防止し、その温度差を利用して熱電素子18が十分な電力を発電することができる。
更に、チャンバ3内にゲッタ材料を含む電熱線23を設け、定期的に電熱線23を通電することによりチャンバ3内の真空度を維持することができる。本願発明者が調査したところ、電熱線23から蒸散したチタンのゲッタ作用によって十年以上にわたってチャンバ3内の真空度を維持できることが確認された。
また、図4を参照して説明したように、第1の二次電池21に余力があるときのみ熱電素子18の余剰電力で第2の二次電池22を充電する。よって、余裕がある状態の第1の充電池21で処理部30を駆動しつつ、充電が完了した第2の蓄電池22でゲッタ用の電熱線23を通電してチャンバ3内の真空度を維持することが可能となる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 水に浮かべられるフロートと、
前記フロートに固定され、前記水と熱的に接続された第1の部分と、大気と熱的に接続された第2の部分とを備え、内部が減圧されたチャンバと、
前記チャンバ内において前記第1の部分と前記第2の部分の各々に熱的に接続された熱電素子と、
前記熱電素子から出力される第1の電力が充電される第1の充電池と、
前記第1の電力が充電される第2の充電池と、
前記第1の充電池から出力される第2の電力によって駆動し、前記水の中に設けられたセンサから出力された信号を処理する処理部と、
前記チャンバ内に設けられ、前記第2の充電池から出力される第3の電力により発熱するゲッタ材料を含む電熱線と、
前記第1の充電池の電圧が第1の所定電圧以上のときに、前記第1の電力を前記第2の充電池に供給することにより該第2の充電池を充電し、前記電圧が前記第1の所定電圧よりも低いときに、前記第2の充電池への前記第1の電力の供給を停止する第1の制御部と、
を有するブイ。
(付記2) 前記第2の充電池の電圧が第2の所定電圧以上のときに、所定の時間間隔で前記第3の電力を前記電熱線に供給する第2の制御部を更に有することを特徴とする付記1に記載のブイ。
(付記3) 前記第3の電力が充電されるキャパシタを更に有し、
前記電熱線は、前記キャパシタを介して前記第3の電力の供給を受けることを特徴とする付記1に記載のブイ。
(付記4) 前記キャパシタの電圧が第3の所定電圧に達したときに、前記キャパシタの前記第3の電力を前記電熱線に供給する第3の制御部を更に有することを特徴とする付記3に記載のブイ。
(付記5) 前記チャンバの壁面を形成し、かつ、第1の開口端と第2の開口端とを備えた樹脂製のシリンダを更に有し、
前記第1の開口端が前記第1の部分に接続され、前記第2の開口端が前記第2の部分に接続されたことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載のブイ。
(付記6) 前記第1の開口端に沿って前記第1の部分の表面に設けられ、前記第1の開口端に圧接された第1の突起と、
前記第2の開口端に沿って前記第2の部分の表面に設けられ、前記第2の開口端に圧接された第2の突起とを更に有することを特徴とする付記5に記載のブイ。
(付記7) 前記第1の部分と前記第2の部分の各々に第1の孔と第2の孔が設けられて該第1の孔と該第2の孔にボルトが通され、
前記ボルトの一方の端部に、前記第1の孔の開口端と当接する外周側面が傾斜した第1のナットが嵌合し、
前記ボルトの他方の端部に、前記第2の孔の開口端と当接する外周側面が傾斜した第2のナットが嵌合したことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載のブイ。
(付記8) 前記熱電素子と前記第2の部分とを接続するヒートパイプを更に有することを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載のブイ。
(付記9) 前記ヒートパイプの中途部に、伸縮可能な蛇腹を設けたことを特徴とする付記8に記載のブイ。
(付記10) 前記熱電素子は、前記第1の部分の表面に固定され、
前記ヒートパイプは、前記表面の法線方向に延びることを特徴とする付記9に記載のブイ。
(付記11) 前記熱電素子、前記処理部、前記第1の制御部、前記第1の充電池、及び前記第2の充電池は、前記チャンバ内において前記第1の部分に固定されたことを特徴とする付記1乃至付記10のいずれかに記載のブイ。
(付記12) 前記第1の部分に、前記センサの前記信号を受けるハーメチックシールコネクタが設けられ、
前記ハーメチックシールコネクタと前記処理部とが電気的に接続されたことを特徴とする付記1乃至付記11のいずれかに記載のブイ。
(付記13) 前記第1の部分と前記第2の部分の材料は金属であることを特徴とする付記1乃至付記12のいずれかに記載のブイ。
1…ブイ、2…フロート、3…チャンバ、4…第1のフランジ、4a…第1の孔、4x…固定金具、5…ボルト、5a、5b…端部、6…シリンダ、7…第2のフランジ、7a…第2の孔、11…伝熱体、11a…フック、12…伝熱フィン、13…アンテナ、14…ケーブル、15…センサ、16…第1のナット、16a…外周側面、17…第2のナット、17a…外周側面、18…熱電素子、18a…第1の基板、18b…第2の基板、18p…p型半導体、18n…n型半導体、20…回路ユニット、21…第1の充電池、22…第2の充電池、23…電熱線、24…リード線、25…多孔質体、27…ハーメチックシールコネクタ、28…ヒートパイプ、28a…ウィック、28b…蛇腹、30…処理部、31〜33…第1〜第3の制御部、36…信号処理回路、37…無線回路、38…昇圧回路、41…充放電制御回路、42…スイッチ回路、43…キャパシタ。

Claims (5)

  1. 水に浮かべられるフロートと、
    前記フロートに固定され、前記水と熱的に接続された第1の部分と、大気と熱的に接続された第2の部分とを備え、内部が減圧されたチャンバと、
    前記チャンバ内において前記第1の部分と前記第2の部分の各々に熱的に接続された熱電素子と、
    前記熱電素子から出力される第1の電力が充電される第1の充電池と、
    前記第1の電力が充電される第2の充電池と、
    前記第1の電力及び/又は前記第1の充電池から出力される第2の電力によって駆動し、前記水の中に設けられたセンサから出力された信号を処理する処理部と、
    前記チャンバ内に設けられ、前記第2の充電池から出力される第3の電力により発熱するゲッタ材料を含む電熱線と、
    前記第1の充電池の電圧が第1の所定電圧以上のときに、前記第1の電力を前記第2の充電池に供給することにより該第2の充電池を充電し、前記電圧が前記第1の所定電圧よりも低いときに、前記第2の充電池への前記第1の電力の供給を停止する第1の制御部と、
    を有するブイ。
  2. 前記第2の充電池の電圧が第2の所定電圧以上のときに、所定の時間間隔で前記第3の電力を前記電熱線に供給する第2の制御部を更に有することを特徴とする請求項1に記載のブイ。
  3. 前記第3の電力が充電されるキャパシタを更に有し、
    前記電熱線は、前記キャパシタを介して前記第3の電力の供給を受けることを特徴とする請求項1に記載のブイ。
  4. 前記熱電素子と前記第2の部分とを接続するヒートパイプを更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブイ。
  5. 前記ヒートパイプの中途部に、伸縮可能な蛇腹を設けたことを特徴とする請求項4に記載のブイ。
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