JP3132910U - 水電池式電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自然界に存在する無公害物質により、地球にやさしく汚染のおそれのない電池を提供する。
【解決手段】 水を収容する容器と、その容器内の水中に所定間隔をおいて配置される、イオン化傾向に差を有する金属からなるプラス電極及びマイナス電極と、そのプラス電極及びマイナス電極に接続される配線と、その配線と接続される電子駆動対象とを含む。水中の前記プラス電極及びマイナス電極のイオン化傾向の差により両電極間に生じる電流を前記配線を介して前記電子駆動対象に導き、その電子駆動対象を駆動する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、電池に関し、特に環境保全にやさしい水電池に関する。
従来、実用に供される電池として、特許文献1に示すようなリチウム電池、あるいはニッケル電池などが知られており、また、希硫酸等の電解質液を用いた一次又は二次電池が知られている。
特開2006−139978号公報
しかしながら、リチウム電池やニッケル電池、あるいは希硫酸等の電解質液を用いる電池では、電池が寿命になった際にその廃棄が問題となり、電池内に封入された固定電解質あるいは電池内に注入された希硫酸等の電解質流体が環境を汚染したりする等の問題がある。
この考案の課題は、地球の環境汚染を招くことなく、自然界に存在するものを利用して手軽に起電力が得られ、かつ環境にやさしい電池を提供することにある。
課題を解決するための手段及び考案の効果
本考案は、水を収容する容器と、その容器内の水中に所定間隔をおいて配置される、イオン化傾向に差を有する金属からなるプラス電極及びマイナス電極と、そのプラス電極及びマイナス電極に接続される配線と、その配線と接続される電子駆動対象とを含み、水中の前記プラス電極及びマイナス電極のイオン化傾向の差により両電極間に生じる電流を前記配線を介して前記電子駆動対象に導き、その電子駆動対象を駆動することを特徴とする。
また、プラス電極とマイナス電極は互いに板状をなす電極板であって、各電極板は波状に形成され、双方の波形の山と山及び谷と谷とが互いに対応するように対向配置されるように構成できる。
さらに、プラス電極とマイナス電極は互いに板状をなす電極板であって、各電極板は渦巻状に形成され、それら各電極板が互いに同心的に、かつ所定の間隔をおいて同方向の渦巻形態をなすように対向した状態で組合せ配置されるように構成できる。
なお、前記電子駆動対象は例えば電子温度計として、その温度表示の電子表示部が前記水電池の起電力による電流により駆動されるようにすることができる。
このように、自然界に存在する無公害物質たる水(例えば水道水、ペットボトル飲料水、井戸水、蒸留水、結露水、地下水、雨水、河川水、湖沼水、海水その他の水)を利用し、それと電極たる金属の反応により電力を生成し、環境保護に貢献する次世代のエネルギー源とすることができる。つまり、従来の電解液である希硫酸等を用いず、一般の上記水道水などの水を用いて発電することにより、環境にやさしく、汚染の心配のない電池となる。発電の媒体となる上記水は、言うまでもなく地球上に大量に存在し、簡単に入手可能であり、かつ安価であるところから、そうしたものを利用して容易に電力を得ることができる。
また、通常、湿度を嫌う乾電池に対し、水を使用している多湿度の環境下でも使用できるし、電池の媒体が水のため、補給・交換が容易である。さらに、電池の媒体が水のため安価であるほか、基本的な構造が簡単で、取り扱いが容易である。そして、前述のように、電池に使用する物質が水であって地球環境にやさしい。そして、水を入れなければ起動しないので、保管が容易で長期保存が可能であるなどの多数の利点がある。
また、この水電池と、水の収容容器(水容器)とを兼ねるようにすれば、非常時等において、飲料水として使用したり、あるいは緊急の発電用電池としたりして、汎用的に使用することができる。
また、それぞれ波状に形成した各電極板を、一方の山と他方の谷とが互いに対向するように配置すれば、限られたスペース内で電極の対向面積、ひいては電極面積を広く取ることができ、それによって電池の容量を高めることができる。
また、各電極板をそれぞれ渦巻状に形成して互いに対向配置すれば、波形状の電極板を用いる場合と同等又はそれ以上に電極面積を広く取ることができ、いっそう容量を増大する上で有効となる。
なお、電子駆動対象としては、例えば電子温度計として、その温度表示のための電子表示部を水電池の起電力による電流で駆動するようにしてもよいし、電子温度計に限らず、例えば電子時計を電子駆動対象として、その時刻表示のための電子表示部を水電池により駆動することもできる。その他電子駆動対象としては、電子オルゴール、電卓、電子ブザー、各種ランプ、その他適宜のものを対象とすることができる。
例えば、水容器に収容される水を封止する着脱可能な蓋部材を備え、プラス電極及びマイナス電極はその蓋部材に固定されて該蓋部材から突出するとともに、それら突出する両電極がその蓋部材による水容器の封止の際に該水容器中に収容されて、それら一体化された蓋部材と水容器が携帯可能な水電池を構成し、かつその蓋部材には前記両電極間に生じる電流を電源として点灯する発光部が設けられて水電池式携帯ライトとされるように構成することができる。
このようにすれば、手軽に携帯できる水電池式携帯ライトが実現し、必要なときに水容器に水を入れて蓋部材で封止すれば、地震や台風、洪水その他の緊急時等においてすぐに使える照明具となる。また、その水容器に水を収容しておけば、緊急時にその水を飲料水として使用することも可能であり、災害対策用備具として複合的に有効利用できる。
以下、本考案の実施の態様を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、この考案に係る水電池式電子機器の一実施例である水電池式温度計の全体を示す概念図である。水電池10として、この例では2個のものが直列に接続される。水電池10は、水容器(水収容容器)11内に、板状の電極板12及び13が互いにほぼ平行に対向配置され、それぞれ同様な構造の水電池10が2個直列に接続される。プラス電極となる電極板12は、イオン化傾向が小さい例えば銅板が採用され、マイナス電極となる電極板13は、イオン化傾向が大きい例えば亜鉛板が採用される。
プラス極の電極板12は配線14により温度計本体20に接続され、プラス極の電極板13は配線15により同様に温度計本体20に接続される。図2はその等価回路を示すもので、2つの水電池10,10が直列に接続され、これが温度計本体20に導かれる。温度計本体20には測定部22が接続され、この測定部22の測定結果が温度計本体20に形成された電子表示部(例えば液晶表示部や、エレクトロルミネッセンス表示部、その他適宜の電子表示部)21に表示される。
直列に接続された水電池10,10と並列にコンデンサ23が設けられ、このコンデンサ23は水電池10で生じた電力の温度計本体20への電流の流れを整流化する機能を果たす。各水電池10の原理はボルタ電池と同様であり、一般の水、例えば水道水、ペットボトル飲料水、井戸水、蒸留水、結露水、地下水、雨水、河川水、湖沼水、海水その他の水(以下同じ)を電解液とし、前述のように、プラス極に例えば銅を、マイナス極に例えば亜鉛を用いることにより、それら金属のイオン化傾向の違いにより両電極間に電圧が生じ、電気が発生する。その水電池10で発生した起電力が温度計本体20に対し、電子表示部21を駆動する電源として供給され、測定部22で測定された温度情報が電子表示部21に表示されることとなる。
図3は、プラス側及びマイナス側の電極板32,33を、いずれも波形断面の電極板とした例を示している。そして、双方の電極板の山と山及び谷と谷とが対応するように互いに対向配置することにより、両電極32,33の対向距離が幅方向にわたってほぼ等しくなる。このようにすれば、電極の対向面積ひいては電極面積が、限られたスペース内でより広く取れるため、起電力の電流値ひいては電池容量を増大することができる。
また図4に示すように、プラス側及びマイナス側の電極板42,43をそれぞれ渦巻状の電極板とし、双方の電極板42,43の渦巻方向を同じにし、かつその位相をずらして同心的に配置することにより、電極板42及び43の対向面積を著しく増大させることができる。これにより、水電池10により発生する電流値を増大させ、ひいては電池容量を大きくすることができる。なお、14,15は各電極板32又は42,33又は43から引き出される配線である。
図5に別の実施例を説明する。この実施例では、プラス及びマイナスの電極52,53が蓋部材51に固定され、そこからほぼ平行に突出している。これらの電極52,53が水容器50とともに水電池56を構成する。水容器50と蓋部材51とは着脱可能に結合・分離するものであり、必要なときに水容器50に前記水を入れて蓋部材51で封入すれば、水電池56となる。蓋部材51には、例えば電子駆動対象として発光ダイオード等からなる発光部54が組み込まれ、水電池56の起電力により発光部(LED)54が発光するようになっている。
また、図6に等価回路を示すように、水電池56とLED等の発光部54とをつなぐ回路中にスイッチ55を設けてもよい。このスイッチ55の切替えでLED等の発光部54が点灯したり消灯したりする。
図5において、水容器50と蓋部材51とは、例えばシール材を介してのネジ嵌合、あるいは同じくシール材を介しての摩擦嵌合もしくは嵌合後相対的にねじり動作を加えることによる結合等、水容器50内の水が外部に漏れない構造であれば、種々の構造を採用することができる。
このような水電池式携帯ライトによれば、災害等必要なときに水容器50に前記水を収容して、蓋部材51で水容器50の水を密封し、電極52,53がその水中に浸漬されるようにすれば、それによって構成される水電池56の起電力により、緊急時の照明等に利用することができる。なお、スイッチ55はなくてもよい。また、このような水電池式携帯ライトによれば、水容器50内に収容した水を緊急時等に飲料水として使用することができ、この水電池式携帯ライトがいわば水筒代わりにもなる。
本考案に係る水電池式電子機器の一実施例である水電池式温度計の全体を概略的に示す全体図。 図1の等価回路を示す回路図。 双方の電極板を波状に形成して対向配置した例を示す概念図。 双方の電極板を渦巻状に形成して同心的に配置した例を示す概念図。 本考案に係る水電池式電子機器の別の実施例である水電池式携帯ライトを示す斜視図。 図5の等価回路を示す回路図。
符号の説明
10,56 水電池
12,13,32,33,42,43,52,53 電極板又は電極
11,50 水容器
20 温度計本体
22 測定部
51 蓋部材
54 LED(発光部)

Claims (5)

  1. 水を収容する水容器と、その水容器内の水中に所定間隔をおいて配置される、イオン化傾向に差を有する金属からなるプラス電極及びマイナス電極と、そのプラス電極及びマイナス電極に接続される配線と、その配線と接続される電子駆動対象とを含み、水中における前記プラス電極及びマイナス電極のイオン化傾向の差により両電極間に生じる電流を前記配線を介して前記電子駆動対象に導き、その電子駆動対象を駆動することを特徴とする水電池式電子機器。
  2. 前記プラス電極とマイナス電極は互いに板状をなす電極板であって、各電極板は波状に形成され、双方の波形の山と山及び谷と谷とが互いに対応するように対向配置される請求項1に記載の水電子式電子機器。
  3. 前記プラス電極とマイナス電極は互いに板状をなす電極板であって、各電極板は渦巻状に形成され、それら各電極板が互いに同心的に、かつ所定の間隔をおいて同方向の渦巻形態をなすように対向した状態で組合せ配置される請求項1に記載の水電子式電子機器。
  4. 前記電子駆動対象は電子温度計であり、その温度表示の電子表示部が前記水電池の起電力による電流により駆動される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水電池式電子機器。
  5. 前記水容器に収容される水を封止する着脱可能な蓋部材を備え、前記プラス電極及びマイナス電極はその蓋部材に固定されて該蓋部材から突出するとともに、それら突出する両電極がその蓋部材による水容器の封止の際に該水容器中に収容されて、それら一体化された蓋部材と水容器が携帯可能な水電池を構成し、かつその蓋部材には前記両電極間に生じる電流を電源として点灯する発光部が設けられて水電池式携帯ライトとされた請求項1に記載の水電池式電子機器。
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