JP5978523B2 - 殻なし有精卵の人工孵化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鳥類等の殻なし有精卵の人工孵化方法に関する。
ニワトリの発生を連続的に観察するには、卵殻に窓を開ける「窓開け法」や茶碗に内容物を移しガラス等でフタをして保温する「茶碗法」などの方法が有名である。また、茶碗法の発展型ともいえる透明プラスチックラップを使う「ラップ法」は見たい部分を全方位から確実に観察できるすぐれた方法といえる。しかし、茶碗法同様に正常発生は保温7日目から9日目位までとされており、保温14日目まで観察できることはまれである。ましてや、21日間正常に発生を続けヒヨコが誕生するなどということは決してあり得ないとされてきた。
1995年に、人工容器内を用いて世界で初めてウズラの誕生に成功した上平正道教授(九州大学)らによると、無殻卵の発生にはカルシウム剤添加と酸素通気性向上が重要との事である。実験では、乳酸カルシウムの添加と、酸素透過性の高い白く濁ったテフロン(登録商標)膜を用いて孵化に成功している。しかし、2000年以降、上平教授を含め人工容器を使った研究は進んでいない。本発明以前に透明なプラスチックフィルムを用いるラップ法により殻なし有精卵の孵化に成功した例は報告されていない。
坂倉京子,1984.「ニワトリの発生の学習」.遺伝.pp.70-73. 高樋龍一,1987.「身近な自然を生かした生物教材の研究」 全国理科教育センター研究協議会編東洋館出版社.pp.180-183. M.M.Perry・etc,1988. A complete culture system for the chick embryo. NATURE VOL.331 JANUARY.pp70-72 上平正道・他,1995.鳥類胚の卵殻外培養における環境因子の影響. 化学工学会第60年会.pp.5. 上平正道・他,1996.人工環境下における鳥類胚培養法の開発. 化学工学会第61年会.pp.3. 上平正道・他,1997.人工卵殻を用いた鳥類胚培養法の開発. 化学工学会第62年会.pp.2. Masamichi Kamihira.etc,1998. Improved hatching for in vitro quail embryo culture using surrogate eggshell and artificial vessel. Develop Growth Differ.pp.449-445.
本発明の目的は、透明なプラスチックフィルム内で殻なし有精卵を保持しながら保温する方法(ラップ法)により、有精卵の人工孵化を達成することである。
本願発明者は、長年に亘り様々な試行錯誤を繰り返した結果、様々な条件の組み合わせにより、世界で初めてラップ法による殻なし有精卵の孵化に成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
酸素透過性を有する透明なプラスチックフィルムを凹状に延伸成形することにより形成され、容器内に懸架されたシワのない凹状のプラスチックフィルム成形体の凹部に殻付き有精卵を割り込む工程と、
前記容器をインキュベーター内に置き、割り込んだ殻なし有精卵を、液体の水及び固体のカルシウム塩と接触させた状態で保温する工程と、
保温開始から孵化までの期間の少なくとも最後の10%の期間は、前記容器内に加湿酸素を供給する工程とを含み、前記有精卵が鳥類の有精卵である、
殻なし有精卵の人工孵化方法を提供する。
本発明により、ラップ法による殻なし有精卵の孵化方法が初めて提供された。ラップ法による殻なし有精卵の孵化に成功したのは本発明が世界で初めてであり、下記実施例において具体的に記載する通り、孵化率は80%(n=5)と高く、再現性良く孵化させることが可能になった。本発明の方法では、雛誕生まで、胚は透明プラスチックフィルムの中に保持されるので、あらゆる方向から胚の状態を目視観察することが可能になる。また、各種物質や遺伝子を胚と直接接触させることが容易であるので、発生学の研究や創薬研究、さらには卵内に有用物質を生産する動物を作り出すためのトランスジェニック動物の作製にも貢献できる可能性がある。また、貴重な野生鳥類、爬虫類などの破損卵の救命も可能になる。
本発明の実施例で作製した容器の作製方法を説明する図である。 本発明の実施例で作製した、凹状のプラスチックフィルム成形体の作製方法を説明する図である。 本発明の実施例で行った、ニワトリの殻なし有精卵の保温方法を説明する図である。
本発明の方法を適用する卵は、殻を有する有精卵であれば特に限定されず、鳥類、爬虫類などの卵が挙げられ、鳥類の卵が好ましい。下記実施例ではニワトリを用いているが、人工孵化は卵のサイズが小さい方が容易であると考えられており、従って、ニワトリよりも卵のサイズが小さいウズラ等の他の鳥類にも容易に適用可能であると考えられる。実際、下記実施例記載の方法と同じ方法によりウズラの殻なし有精卵の人工孵化にも成功している。有精卵は、ニワトリ等のように食用のものが市販されているものがあり、このような市販の食用の有精卵を用いることもできる。
本発明の方法では、殻なし有精卵を保持するために、酸素透過性を有する透明なプラスチックフィルムを用いる。このようなプラスチックフィルムとしては、特に限定されないが、ポリメチルペンテンフィルムが好ましい。ポリメチルペンテンフィルムは、食品保存用のラップとして市販されており、酸素透過性が高く、野菜の保存に適しているフィルムである。食品保存用のポリメチルペンテンフィルムは市販されている(商品名「フォーラップ」)ので、この市販の食品保存用ポリメチルペンテンフィルムを好ましく用いることができる。
本発明の方法では、前記プラスチックフィルムを凹状に延伸成形することにより形成した、プラスチックフィルムの凹部に殻なし有精卵を保持して保温する。ここで、「延伸成形」はプラスチックフィルムに張力をかけることにより塑性変形させることを意味し、人の手を使って行うことができる。この延伸成形は、凸状の押型にプラスチックフィルムを押し当てて局所的にプラスチックフィルムを延伸し、プラスチックフィルムを凹状に塑性変形させることにより行うことができる。ここで、形成される凹部に殻なし有精卵を保持し、ここで雛を孵化させるので、凹部のサイズは卵のサイズと同程度になることが好ましい。従って、凸状の押型としては、卵の長手方向が鉛直方向になるように殻付き卵を支持したものを利用することができる。例えば、下記実施例に記載の通り、殻付き卵を牛乳瓶の口に、卵の長手方向が鉛直方向になるように置き、この状態で、他のフィルムや布等(下記実施例では、ストッキングタイプの水切り袋を使用)でこの状態に固定し、固定された殻付き卵を押型として利用することができる。なお、殻付き卵は、生卵であっても、長手方向の圧縮強度は大きいので、押型として用いて大きな圧力をかけても割れない。もっとも、押型は卵に限定されるものではなく、卵を用いた場合と同様な凹部が形成されるものであればいずれのものでもよく、例えば、ペットボトルロケットの頭部用に市販されているクッションを少し先端を切り詰めた物等を利用することもできる。このような押型に上記プラスチックフィルムをかぶせ、プラスチックフィルムの端部を両手で持って押型に対して上から強く押し当てることによりプラスチックフィルムが延伸され、塑性変形して、凸状の押型に対応する形状の凹部が形成される。この工程は2人で行い、矩形のプラスチックフィルムの四隅を持って行う方が、プラスチックフィルムが均一によく延伸されるので好ましい。上記の通り、殻付き卵を押型として用いた場合には、殻付き卵に対応する形状、サイズの凹部が形成される。なお、この延伸成形によりフィルムの厚さが減少するので、酸素透過性がさらに高まると考えられる。
殻なし有精卵を保持する凹部にはシワが存在しないことが重要である。本発明者は、凹状のフィルムにシワがあると、孵化が困難になることを見出した。押型を用いた上記の方法のみでもシワのない凹部を形成することが可能であるが、シワが存在しないことを確保するために、凹状に塑性変形させたプラスチックフィルムを懸架した状態で、凹部の底部方向にアスピレーターで吸引してフィルムを均一にさらに引っ張ることが好ましい。この吸引処理により、フィルムは均一に凹部の底方向に引っ張られ、確実にシワが残らなくなる。
上記のようにして作製したシワのない凹状のプラスチックフィルム成形体を、容器内に懸架する。容器としては特に限定されないが、透明な熱可塑性プラスチック製のものが好ましく、透明な蓋付きのものが好ましい。下記実施例に具体的に記載する通り、先に作製した凹状のプラスチックフィルム成形体の周縁部を容器の蓋と容器の開口部の周縁との間に挟み込むことにより、凹状のプラスチックフィルム成形体を容易に容器内に懸架することができる。もちろん、蓋を用いなくても、凹状のプラスチックフィルム成形体の周縁部を容器の開口部周縁に接着剤、輪ゴム、粘着テープ等で固定することも可能である。容器には少なくとも1個の空気孔を開けておくことが、十分な酸素供給の観点から好ましい。この場合、空気孔を解した雑菌の混入を防止するために、空気孔には綿栓を詰めておくことが好ましい。また、プラスチックフィルムにも、有精卵と接触する部分よりも上の部分に少なくとも1個、好ましくは6個〜12個程度の空気孔を空けておくことが好ましい。
プラスチックフィルム成形体は、上記の通り、単に容器内に懸架しておくこともできるが、プラスチックフィルム成形体を、前記容器内に懸架される、逆円錐台状のかご状の台座内に配置してもよい。これにより、プラスチックフィルム成形体の凹部が有精卵や雛の重量で垂れ下がることが防止できるが、この台座は用いなくても孵化可能である。このようなかご状の台座としては、例えば、植木鉢の底部に載置するポリプロピレン製の園芸用品等を利用することができる。
次に上記のような器具を用いた本発明の孵化方法について説明する。まず、準備段階として、殻を割る前に、殻付き有精卵をインキュベータ内で保温する。保温は、各動物に適した温度であり、ニワトリの場合には38℃が好ましい。殻付きの状態での保温期間は、2〜3日が好ましい。
次に、上記の通り作製した、容器内に懸架されている凹状のプラスチックフィルム成形体の凹部に、保温した有精卵を割り込む。すなわち、料理の際に生卵を割る要領で、卵を割り、中身を凹部に入れる。この際、黄身が殻で傷つかないように一気に割ることが好ましい。孵化のためには、殻なし有精卵が液体の水及び固体のカルシウム塩と接触した状態で保温することが重要である。固体のカルシウム塩としては、乳酸カルシウムが好ましい。ニワトリの場合、乳酸カルシウムの量としては、0.2g〜0.35g程度が好ましく、水の量は2mL〜3mL程度が好ましい。カルシウム塩と液体の水は、有精卵を割り込む前に凹状のプラスチックフィルム成形体の凹部に入れておき、この上に有精卵を割り込むことが好ましい。カルシウム塩と液体の水は、このようにして最初に凹部に入れておけばその後の補充は不要である。なお、乳酸カルシウム粉末を用いる場合、乳酸カルシウムが水に溶けないように、乳酸カルシウム粉末及び純水を静かに投入して、水中で撹拌したり移動させたりしないことが好ましい。また、雑菌の混入防止と水分の補給のために、容器の底部には塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤の水溶液を入れておくことが好ましい。
この状態で、前記容器をインキュベータ内に置き、保温する。保温は、各動物に適した温度であり、ニワトリの場合には38℃が好ましい。また、乾燥を防止するために、インキュベータ内の湿度は100%にすることが好ましい。また、インキュベータ内は、殺菌剤水溶液を噴霧すること等により予め殺菌しておくことが好ましい。
インキュベータ内での保温中に容器を転動させることが好ましい。ここで「転動」は、胚にかかる重力の方向を胚に対して相対的に変化させることを意味する。転動は、例えば、容器を載置する棚を5度〜15度程度傾けておき、容器の向きをときどき変えることにより容易に行うことができる。転動の頻度は特に限定されないが、例えば1日1回〜2回でよい。
上記の状態で保温を続けることにより、卵割が進み、胚が発達して雛となり、最後に孵化する。ここで、保温開始から孵化までの期間の少なくとも最後の10%、好ましくは10%〜25%の期間は、容器内に加湿酸素を供給することが重要である。ニワトリの場合、通常、保温開始から18日〜21日で孵化するが、好ましくは保温開始(殻付きの状態での保温期間を含めて)16日目以降、孵化まで継続的に加湿酸素を供給する。加湿酸素の供給量は、特に限定されないが、通常、300mL/h〜1000mL/h程度、好ましくは、400mL/h〜600mL/h程度である。
孵化に際し、雛は、自力で嘴でしょう尿膜を破って出てくるが、自力でしょう尿膜を破ることができない場合には、雛の嘴近傍のしょう尿膜を切開することが好ましい。これにより孵化率を高めることができる。
以下、ニワトリの殻付き食用有精卵を人工孵化させた本発明の実施例を詳細に説明する。
1.容器の作製(図1)
開口部から底部に向けて径が小さくなっている、市販のスチロール樹脂製の透明プラスチック容器(容量430mL)10を購入した。ターボライター12で、容器10の下から1/3程度の位置に直径約1cmの孔14を開け(図1の1)、孔14に綿栓16を押し込んだ(図1の2)。一方、開口部にフランジが設けられた円錐状のカゴ状のポリプロピレン製園芸用品18の円錐の頂部近傍と、フランジの余剰部分をハサミで切り取り、フランジを有する逆円錐台状の形状として(図1の3)、容器10の内部に懸架し、台座18aとした(図1の4)。なお、本実施例では、この台座を用いた場合と用いない場合の両方について行った。
2. プラスチックフィルム成形体の作製
市販の食品保存用ポリメチルテンペンフィルム(商品名フォーラップ、リケンテクノス社製)を購入した(図2の1)。一方、殻付きの鶏卵21を牛乳瓶19の開口部に、鶏卵21の長手方向が鉛直方向になるように載置し、ストッキングタイプの水切り袋20で被覆し、輪ゴム22で固定し、押型を作製した(図2の2)。一方、ポリメチルテンペンフィルム17を矩形に切り取り、中央部が鶏卵21から成る押型に当たるように上から被せ、矩形のフィルムの四隅を2人の両手で把持して下向きに押し下げることにより、押型をフィルム中央に食い込ませてフィルムを延伸し、塑性変形させて押型の形状及びサイズに対応した凹部23aを形成した。フィルムを勢いよく引き上げて押型から分離し、凹状のプラスチックフィルム成形体23を得た。
一方、図2の5に示すように、アスピレーター24にプラスチック製のロート26を接続し、ロート26に、底部に孔がある吸引用カップ28を押しつけ、先に形成した凹状のプラスチックフィルム成形体23を吸引用カップ28の開口部に図示のように取付け、アスピレーターにより吸引してプラスチックフィルム成形体23の凹部の底部方向にプラスチックフィルムをさらに引っ張って延伸し、シワを完全に排除した。
3. 殻なし有精卵の保温準備
市販の殻付き食用有精卵を購入し、冷蔵庫内で15℃で保存した。賞味期限内に、卵をインキュベータに移し、38℃で55時間保温した。
先に作製した容器10の底部に塩化ベンザルコニウム水溶液30(商品名1000倍希釈オスバン液)を、綿栓に触れない程度まで入れ、容器10の開口部に先に形成した凹状のプラスチックフィルム成形体23を被せた(図3の1)。カゴ状の台座18a(図1の4参照)を用いる場合には、凹部23aがカゴ状の台座18a(図3には台座は図示せず)の内側に収容されるようにした。凹部23aの底部に乳酸カルシウム粉末31を0.25g又は0.3gと、純水33を2.5mL又は3mLを置いた。この時、乳酸カルシウム粉末31と純水33が混じらないように静かに置いた。
先に保温しておいた上記殻付き食用有精卵の殻を割り、中身を凹部23a内に割り込んだ。この時、割った殻で黄身が傷つかないように一気に殻を開いた(図3の2)。プラスチックフィルム成形体23の、殻なし有精卵36よりも上部の領域に半田ごてで空気孔32を6箇所〜8箇所開けた。透明プラスチックの蓋34を被せてプラスチックフィルム成形体23の周縁部を容器の開口部周縁との間に挟み込んでプラスチックフィルム成形体23を懸架した(図3の4)。容器10の外側にはみ出た余分なフィルムを切り取り除去した。
4. 殻なし有精卵の保温
上記のようにして構築した、殻なし有精卵を保持する容器をインキュベータ内で、38℃、湿度100%下で保温した。なお、保温に先立ち、インキュベータ内に塩化ベンザルコニウム水溶液を散布して殺菌した。インキュベータ内の棚は、8度の角度で、扉に近い側が下になる方向に傾斜しており、1日2回、容器の向きを変えて転動した。保温開始(殻付きの状態での保温も含め)16日目から、市販のレギュレーター付き酸素ガスボンベと加湿器付き酸素流量計を用いて、カテーテルで容器10内に酸素を500mL/hの流量で孵化まで連続的に供給した。なお、これは、インキュベータの外部においた酸素ガスボンベにガス管を接続し、このガス管を、インキュベータにもともと設けられている、ガス管等を通すための孔を介してインキュベータ内部に通し、インキュベータ内部に配置した加湿器付き酸素流量計に接続し、その後ガス管を分岐させて数本のカテーテルに接続し、各カテーテルを各容器の綿栓付空気孔から容器内に挿入することにより行った。孵化する可能性がある保温開始18日目から胚を注意深く観察し、自力でしょう尿膜をなかなか破れない雛については、保温開始18日目又は19日目に嘴近傍のしょう尿膜を約5mm切開して雛がしょう尿膜を破って外に出てくることを助けた。
5. 結果
上記した方法で、5例(台座なし3例、台座有り2例)の殻なし有精卵の人工孵化を行ったところ、4例で雛が保温開始20日目に孵化した(残る1例は、台座なしで保温開始13日目に死亡)。また、孵化した4例のうち、自力でしょう尿膜を破って出てきた雛が1例、しょう尿膜を切開した例が3例であった。なお、誕生した雛のうち3例についてはその後も飼育観察を続けており(出願時で誕生から約6週間)、正常に順調に育っている。
10 容器
12 ターボライター
14 空気孔
16 綿栓
17 ポリメチルテンペンフィルム
18a 台座
18 円錐状のカゴ状のポリプロピレン製園芸用品
19 牛乳瓶
20 ストッキングタイプの水切り袋
21 鶏卵
22 輪ゴム
23 凹状のプラスチックフィルム成形体
23a 凹部
24 アスピレーター
26 ロート
28 吸引用カップ
30 塩化ベンザルコニウム水溶液
31 乳酸カルシウム粉末
32 空気孔
33 純水
34 蓋
36 殻なし有精卵

Claims (13)

  1. 酸素透過性を有する透明なプラスチックフィルムを凹状に延伸成形することにより形成され、容器内に懸架されたシワのない凹状のプラスチックフィルム成形体の凹部に殻付き有精卵を割り込む工程と、
    前記容器をインキュベーター内に置き、割り込んだ殻なし有精卵を、液体の水及び固体のカルシウム塩と接触させた状態で保温する工程と、
    保温開始から孵化までの期間の少なくとも最後の10%の期間は、前記容器内に加湿酸素を供給する工程とを含み、前記有精卵が鳥類の有精卵である、
    殻なし有精卵の人工孵化方法。
  2. 前記プラスチックフィルムがポリメチルペンテンフィルムである請求項1記載の方法。
  3. 前記カルシウム塩が乳酸カルシウムである請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記カルシウム塩と液体の水は、前記有精卵を割り込む前に前記凹状のプラスチックフィルム成形体の凹部に入れておき、この上に前記有精卵を割り込む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記延伸成形は、凸状の押型に前記プラスチックフィルムを押し当てて該プラスチックフィルムを凹状に塑性変形させることを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 凹状に塑性変形させたプラスチックフィルムを懸架した状態で、凹部の底部方向に吸引して凹部内にシワが存在しないことを確保する請求項5記載の方法。
  7. 前記容器の底部に殺菌剤水溶液を入れた状態で保温する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記容器が少なくとも1個の空気孔を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記プラスチックフィルムが、前記有精卵と接触する部分よりも上の部分に少なくとも1個の空気孔を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記プラスチックフィルム成形体を、前記容器内に懸架される逆円錐台状のかご状の台座内に配置する請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 保温中に容器を転動させる工程をさらに含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 孵化時に雛が自力でしょう尿膜を破ることができない場合には、雛の嘴近傍のしょう尿膜を切開する工程をさらに含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記鳥類がニワトリである請求項記載の方法。
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