JP5977091B2 - 冷却器 - Google Patents
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Description
こうした状況の中で、比較的低消費電力型ヒートシンクの分野では、押出し成型タイプのヒートシンクが現在主流となっているが、引き抜き型のものも多く、近時は薄板をコルゲート状に繰り返し折り曲げ形成しベースプレートと接合させたいわゆるコルゲートフィンも多く使われるようになってきている。また、切削加工しか製造方法がないが故にコスト高であることから敬遠されているが、丸棒金属材料から、薄い円盤を何層にも切り出した、いわゆるディスク型フィンも採用されている。いずれのものも放熱の原理は、フィンを外気に接触させることによるものであるため、限られたスペースの中で、大きな表面積のものをどのような形態で配置するのかが基本テーマであると言える。
また、薄板をコルゲート状に繰り返し折り曲げ形成しベースプレートと接合させたコルゲートフィンや、コルゲートの一部をオフセット曲げして放熱性を高めたオフセットフィンなどが開発された。これらは軽量化は果たすものとなったが、前記押出し型フィンなどと同様、一定方向に対して放熱性が高まるような指向性を有しており採用し得る箇所が制限される。
更に、外気と接触する部分の表面積を大きくしてゆくという意味においては、薄い放熱板が僅かな隙間を以て多数積層されているという構造は非常に好適であるが、この隙間距離を小さくしてゆくと、隙間内の空気が循環しにくくなり、かえって十分な冷却効果が得られないということもあり得る。
即ち本発明は、薄い放熱板を僅かな隙間を以て多数積層させるという従来構造が持っていた種々の利点は残しながら、隙間内の空気が循環しにくくなるという欠点は解消するものであると言える。
集熱能力に関しては、発熱体との密着面積を大きくする、重複部分の体積を大きくする、積層の際に冷却板同士の密着性を上げる、といったことで対応できる。
放熱能力に関しては、放熱部自体を大きくする、放熱部先端側に向けてその厚みを減少させてゆく、先端にジグザグの切り込みを入れる等して表面積を拡大する、等々の方策がある。
冷却板の厚さは、0.15mm乃至1.50mm程度が現実的であるが、上述したように一定厚としない場合もあり得る。そこで、厚さに関しても本発明において限定はしない。
これを本発明に適用する場合、冷却板には上記「孔」と「突出部」の双方を設けておく必要がある。そして、仮に冷却板を回転させずにそのまま積層すると、「孔」同士、「突出部」同士が対向することになるため、「孔」と「突出部」の配置が逆であるものと合わせ、二種類の冷却板必要となる。しかし本発明において各冷却板は、一定角度ずつ回転させて積層することを必須要件としているので、「孔」と「突出部」の設置位置を、この角度に合致するよう設計することで冷却板は一種類で済み好都合である。
(1) 切削して放熱フィンを形成させるという方法ではなく、複数の同形冷却板を積層固定して冷却器となすものであるので、製造コストが小さい。
(2) 放熱効率を向上させるために、放熱部を折曲させることが容易にできる。
本発明冷却器1はまた、冷却板2を複数枚(図示した例では9枚)積層してなるものであり、各冷却板2は図2に示す形状のものである。本例の冷却板2は、正方形部分を二つ、点対称位置に配置したという形状のものであるが、一つだけ設けても良いし、三つを等間隔(120度間隔)で設けるようにしても良い(図示略)。
なお本例の冷却板2には、厚さ約1.0mmのアルミニウム板を用いたので、本発明冷却器1の厚さは、約9.0mmとなっている。
また本例では、円孔21を突出した円筒状突出22を加圧変形させる加工が加えられるので、この変形が冷却板2の実質厚さを変更することがないよう円孔21には図3に示すような皿穴加工を施している。これによって冷却板2同士の密着性が保持される。
なお、冷却板同士の連結方法は、これ以外にも種々あり状況が要求するものを適宜採用して良い。また、以下の図面においては、円孔21、円筒状突出22、その他連結のための構造部分についての描出を省略するものとする。
同じ長方形でも、回転の中心位置を変えると冷却器の全体形状は違ってくる。その一例を同図(d)に示す。
同図(a)は非重複部分Bの先端側をジグザグ状に切欠した例、(b)は非重複部分Bの厚さを先端側に向けて薄くした例、を示すものである。いずれの場合も、放熱能力は向上する。
一方、暖められた空気は上方に移動しようとする。
従って、放熱部分を折曲或いは湾曲させ、空気の上方への移動が案内されるようにすると、空気の循環は円滑になり放熱効果が増大する。
図7(b)は、集熱部の平面形状を円形とした例であり、これに起因することになるが非重複部分を湾曲させた例である。放熱部分の大きさ・形状、湾曲の程度については設計上の要求に従って適宜調整すれば良く、図示した形状に限られるものではない。
図7(c)は、冷却板2の形状は図1或いは図6と同形であり、積層枚数も同じく九枚であるが、折曲稜線位置並びに傾斜角度が3種である例を示すものである。これを、非重複部分Bの傾斜は下層三枚では緩く(水平に近く)、上層三枚ではきつく(直角に近く)、中層三枚はその間の傾斜となるよう折曲した例である。
2 冷却板
21 円孔
22 円筒状突出
A 重複部分
B 非重複部分
Claims (1)
- 同形である冷却板複数枚を積層一体化してなる冷却器であって、該冷却板を、該冷却板上の定められた一点を中心に一定角度ずつ回転させながら積層固定することで、一の冷却板とこれに隣接する冷却板とに重複部分と非重複部分を形成させたものであることを特徴とする冷却器。
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