JP5975848B2 - 清掃装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板に粘性流体を印刷するための印刷用マスクの清掃装置に関するものである。
回路基板に、クリームはんだ等の粘性流体が印刷される際には、印刷用マスクが用いられる。印刷用マスクには、回路基板のパッド等のパターンに合わせてパターン孔が形成されている。そして、回路基板上に載置された印刷用マスクに、粘性流体が塗布されることで、パターン孔を介して、粘性流体が回路基板に印刷される。
また、回路基板には、表面に凹部が形成された基板、所謂、キャビティ基板が存在し、キャビティ基板に対応した印刷用マスクも存在する。キャビティ基板に対応した印刷用マスクには、キャビティ基板の凹部に嵌合可能な凸部が形成されており、その凸部には、パターン孔が形成されている。そして、凸部の内部に粘性流体が充填されることで、キャビティ基板の凹部の底面に、パターン孔を介して、粘性流体が印刷される。粘性流体の印刷作業終了後には、新たな基板への印刷作業に備えて、印刷用マスクの清掃が行われる。ただし、キャビティ基板に対応した印刷用マスクには、凸部により段差があるため、工夫を凝らした清掃を行う必要がある。そこで、下記特許文献には、段差のある印刷用マスクの下側の面、つまり、基板に接触する側の面を、クリーニングペーパを用いて拭き取るための技術が記載されている。
特開2011−126048号公報
上記特許文献に記載の技術によれば、キャビティ基板に対応した印刷用マスクの下側の面を適切に清掃することが可能である。しかしながら、キャビティ基板への粘性流体印刷時には、上述したように、印刷用マスクの凸部内に粘性流体が充填されるため、凸部内に充填された粘性流体を除去する必要がある。粘性流体が充填される凸部の内部は、上記特許文献に記載の技術におけるクリーニングペーパによる拭き取り面と反対側の面に開口している。このため、上記特許文献に記載の技術では、凸部内に充填された粘性流体を除去することはできない。また、凸部内の開口をクリーニングペーパによって拭き取っても、凸部の内部に入り込んでいる粘性流体を適切に除去することができない。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、キャビティ基板の印刷用マスクの凸部内に充填された粘性流体を除去し、キャビティ基板の印刷用マスクを適切に清掃することが可能な清掃装置の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の清掃装置は、キャビティ基板の凹部に嵌合可能な凸部を有し、その凸部の内部に粘性流体が充填されることで、前記凸部に形成されたパターン孔から粘性流体を印刷するための印刷用マスクの清掃装置であって、当該清掃装置が、少なくとも1つの前記凸部を収容可能な収容キャビティが形成され、その収容キャビティに前記少なくとも1つの凸部を収容した状態で前記印刷用マスクの一方の面に密着する第1清掃ユニットと、前記少なくとも1つの凸部の内部の開口を覆う状態で前記印刷用マスクの他方の面に密着する第2清掃ユニットと、前記第2清掃ユニットに形成された第2ユニット側貫通孔を介して、前記少なくとも1つの凸部の内部からエアを吸引する吸引装置とを備え、前記第1清掃ユニットと前記第2清掃ユニットとによって挟まれた前記印刷用マスクの前記少なくとも1つの凸部を清掃することを特徴とする。
また、請求項2に記載の清掃装置では、請求項1に記載の清掃装置において、前記吸引装置が、前記第2ユニット側貫通孔を介して、前記少なくとも1つの凸部の内部からエアを吸引するとともに、前記第1清掃ユニットに形成された第1ユニット側貫通孔を介して、前記収容キャビティの内部からもエアを吸引することを特徴とする。
また、請求項3に記載の清掃装置は、請求項1に記載の清掃装置において、前記第1清掃ユニットに形成された第1ユニット側貫通孔を介して、前記収容キャビティの内部にエアを噴出する噴出装置を備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の清掃装置では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の清掃装置において、前記収容キャビティが、1つの前記凸部のみを収容可能な形状に形成され、前記第1清掃ユニットが、前記収容キャビティに前記1つの凸部を収容した状態で前記印刷用マスクの一方の面に密着することを特徴とする。
また、請求項5に記載の清掃装置は、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の清掃装置において、前記第1清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間と、前記第2清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間との少なくとも一方に、超音波振動を発生させる振動発生装置を備えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の清掃装置は、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の清掃装置において、前記第1清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間と、前記第2清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間との少なくとも一方に、洗浄液を注入する洗浄液注入装置を備えることを特徴とする。
また、請求項7に記載の清掃装置は、請求項6に記載の清掃装置において、前記吸引装置の作動を制御する制御装置を備え、前記制御装置が、前記洗浄液注入装置によって、前記第1清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間と、前記第2清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間との少なくとも一方に洗浄液が注入されてから、所定時間が経過した後に、前記吸引装置によるエアの吸引を開始する洗浄後エア吸引部を有することを特徴とする。
また、請求項8に記載の清掃装置は、請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の清掃装置において、前記収容キャビティの容積の異なる複数の前記第1清掃ユニットを備え、それら複数の第1清掃ユニットのうちの任意のものと前記第2清掃ユニットとによって挟まれた前記印刷用マスクの前記少なくとも1つの凸部を清掃することを特徴とする。
請求項1に記載の清掃装置は、印刷用マスクの凸部を収容した状態で印刷用マスクの一方の面に装着される第1清掃ユニットと、凸部の内部の開口を覆った状態で印刷用マスクの他方の面に装着される第2清掃ユニットとを有している。それら2つのユニットが、印刷用マスクに装着されることで、印刷用のマスクの凸部が、2つのユニットによって挟まれる。そして、第2清掃ユニットに形成された貫通孔を介して、凸部の内部からエアが吸引される。これにより、凸部内に充填されている粘性流体が、エアとともに、吸引される。したがって、請求項1に記載の清掃装置によれば、印刷用マスクの凸部内に充填された粘性流体を除去し、キャビティ基板の印刷用マスクを適切に清掃することが可能となる。
また、請求項2に記載の清掃装置では、凸部の内部からエアが吸引されるとともに、第1清掃ユニットに形成された貫通孔を介して、収容キャビティの内部からもエアが吸引される。つまり、請求項2に記載の清掃装置では、凸部を収容する空間が真空に近い状態とされ、凸部内の粘性流体が吸引される。これにより、印刷用マスクの凸部内に充填された粘性流体を、効果的に除去することが可能となる。
また、請求項3に記載の清掃装置では、前記第1清掃ユニットに形成された第1ユニット側貫通孔を介して、収容キャビティの内部にエアが噴出される。噴出されたエアは、印刷用マスクの凸部のパターン孔を介して、凸部内に流れ込む。この際、凸部内に充填されていた粘性流体が、凸部内から剥がされる。そして、凸部内から剥がされた粘性流体が、エアとともに吸引される。これにより、印刷用マスクの凸部内に充填された粘性流体を、効果的に除去することが可能となる。
また、請求項4に記載の清掃装置では、収容キャビティが、1つの凸部の寸法より僅かに大きな形状とされ、第1清掃ユニット内に、その1つの凸部が収容される。これにより、凸部を収容する空間の容積が小さくなり、吸引効果を高くすることが可能となる。
また、請求項5に記載の清掃装置では、凸部を収容する空間に超音波振動を発生させる振動発生装置が設けられる。これにより、粘性流体が凸部内から剥がれ易くなり、粘性流体を効果的に除去することが可能となる。
また、請求項6に記載の清掃装置では、凸部を収容する空間に洗浄液を注入する洗浄液注入装置が設けられる。これにより、粘性流体が凸部内から剥がれ易くなり、粘性流体を効果的に除去することが可能となる。
また、請求項7に記載の清掃装置では、凸部を収容する空間に洗浄液が注入されてから、所定時間が経過した後に、凸部内からエアが吸引される。これにより、凸部内から容易に粘性流体を剥がすことが可能となり、粘性流体を効果的に除去することが可能となる。
また、請求項8に記載の清掃装置では、収容キャビティの容積の異なる複数の第1清掃ユニットが設けられており、それら複数の第1清掃ユニットのうちの任意のものが、印刷用マスクに装着される。つまり、凸部の寸法に応じて第1清掃ユニットを交換することが可能となる。これにより、凸部の寸法に応じて、凸部を収容する空間の容積を小さくすることが可能となり、吸引効果を高くすることが可能となる。
本発明の実施例である清掃装置を示す断面図である 印刷用マスクが載置された状態のキャビティ基板を示す断面図である。 凹部の底面にクリーム半田が印刷される際のキャビティ基板を示す断面図である。 トップ面にクリーム半田が印刷される際のキャビティ基板を示す断面図である。 清掃装置の備える制御装置を示すブロック図である。 下部ハウジングが交換された清掃装置を示す断面図である。 変形例の清掃装置を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<実施例>
図1に、本発明の実施例の清掃装置10を示す。清掃装置10は、印刷用マスク12を清掃するための装置である。印刷用マスク12は、半田印刷機(図2参照)20によってキャビティ基板(図2参照)22にクリーム半田を印刷する際に用いられるものである。
半田印刷機20は、図2に示すように、回路基板保持装置24と印刷装置26とを備えている。回路基板保持装置24は、キャビティ基板22を固定的に保持する装置である。印刷装置26は、回路基板保持装置24に保持されたキャビティ基板22に、スキージ28によってクリーム半田を塗布する装置である。
印刷装置26によるクリーム半田の印刷作業時には、図2に示すように、キャビティ基板22の上に、印刷用マスク12が載置される。キャビティ基板22とは、表面に凹部30が形成された基板であり、凹部30の底面および、凹部30が形成されていないトップ面32に、電子部品が実装される。印刷用マスク12は、凹部30の底面に半田を印刷するためのものである。印刷用マスク12には、下方に突出する凸部36が形成されており、印刷用マスク12は、凸部36を凹部30に嵌合させた状態でキャビティ基板22の上に載置される。これにより、印刷用マスク12の凸部36は、キャビティ基板22の凹部30に密着し、印刷用マスク12の凸部36以外の部分である平板部38は、キャビティ基板22のトップ面32に密着する。
印刷用マスク12の凸部36には、複数の貫通孔50が形成されている。そして、凸部36の内部にクリーム半田が充填され、貫通孔50を介して、キャビティ基板22の凹部30の底面にクリーム半田が印刷される。詳しくは、印刷用マスク12の上に、クリーム半田が、スキージ28によって塗布される。これにより、図3に示すように、クリーム半田52が、凸部36の内部に充填されるとともに、貫通孔50の内部にも充填される。貫通孔50内に充填されたクリーム半田52は、キャビティ基板22の凹部30の底面に付着する。そして、印刷用マスク12がキャビティ基板22から取り外されることで、凹部30の底面にクリーム半田52が印刷される。
キャビティ基板22の凹部30の底面にクリーム半田52が印刷されると、キャビティ基板22のトップ面32にクリーム半田52が印刷される。詳しくは、図4に示すように、印刷用マスク60がキャビティ基板22の上に載置される。印刷用マスク60は、平板状とされており、キャビティ基板22のトップ面32に密着する。印刷用マスク60のトップ面32に密着する箇所には、複数の貫通孔62が形成されている。一方、印刷用マスク60は、キャビティ基板22の凹部30に接触しない状態で凹部30を覆っており、印刷用マスク60の凹部30を覆う箇所に、貫通孔62は形成されていない。
そして、印刷用マスク60の上に、クリーム半田が、スキージ28によって塗布される。これにより、クリーム半田52が、印刷用マスク60の貫通孔62の内部に充填される。貫通孔62内に充填されたクリーム半田52は、キャビティ基板22のトップ面32に付着する。そして、印刷用マスク60がキャビティ基板22から取り外されることで、キャビティ基板22のトップ面32にクリーム半田52が印刷される。
このようにして、キャビティ基板22の凹部30の底面およびトップ面32に、クリーム半田が印刷され、半田印刷機20による半田の印刷作業が終了する。キャビティ基板22への半田の印刷作業が終了すると、次のキャビティ基板22への半田の印刷作業に備えて、印刷用マスク12,60の清掃が行われる。
具体的には、印刷用マスク60の表面若しくは、裏面に、清掃ペーパ等を接触させる。そして、印刷用マスク60の表面、若しくは裏面に清掃ペーパを接触させた状態で、印刷用マスク60と清掃ペーパとを相対移動させる。印刷用マスク60は、平板状であることから、印刷用マスク60に残存しているクリーム半田は、清掃ペーパによって適切に拭き取られる。一方、印刷用マスク12には、凸部36が形成されており、その凸部36の内部に充填されたクリーム半田52は、清掃ペーパによって拭き取ることは困難である。このため、印刷用マスク12は、清掃装置10を用いて清掃される。
清掃装置10は、図1に示すように、上部ハウジング70と下部ハウジング72とを備えている。上部ハウジング70は、概してブロック状とされており、上部ハウジング70の下面には、第1キャビティ76が形成されている。第1キャビティ76は、印刷用マスク12の凸部36の内部の開口、つまり、凸部36の平板部38への開口より僅かに大きな寸法とされている。そして、凸部36の内部開口を第1キャビティ76によって覆った状態で、上部ハウジング70が、印刷用マスク12の上面に装着されている。これにより、第1キャビティ76と印刷用マスク12の上面とによって囲まれる空間が密閉される。
一方、下部ハウジング72は、概してブロック状とされており、下部ハウジング72の上面には、第2キャビティ78が形成されている。第2キャビティ78は、印刷用マスク12の凸部36より僅かに大きな寸法とされている。そして、第2キャビティ78に凸部36を収容した状態で、下部ハウジング72が、印刷用マスク12の下面に装着されている。これにより、第2キャビティ78と印刷用マスク12の下面とによって囲まれる空間が密閉される。
上部ハウジング70には、第1キャビティ76に開口する貫通路80が形成されており、貫通路80は、連通路82を介して、吸引ポンプ86に接続されている。吸引ポンプ86は、エアを吸引するためのポンプであり、第1キャビティ76と印刷用マスク12の上面とによって密閉された空間からエアを吸引する。
上部ハウジング70には、さらに、第1キャビティ76に開口する貫通路88が形成されており、貫通路88は、連通路90を介して、洗浄液注入装置92に接続されている。洗浄液注入装置92は、洗浄液を送出するための装置であり、第1キャビティ76と印刷用マスク12の上面とによって密閉された空間に、洗浄液を注入する。なお、洗浄液注入装置92は、洗浄液を吸引することも可能とされており、上記空間に注入された洗浄液を吸引する。
下部ハウジング72には、第2キャビティ78に開口する貫通路100が形成されており、貫通路100は、連通路102を介して、噴出ポンプ106に接続されている。噴出ポンプ106は、エアを噴出するためのポンプであり、第2キャビティ78と印刷用マスク12の下面とによって密閉された空間にエアを噴出する。
また、清掃装置10には、図5に示すように、制御装置110が設けられている。制御装置110は、コントローラ112および複数の駆動回路114を有している。複数の駆動回路114は、吸引ポンプ86,洗浄液注入装置92,噴出ポンプ106に接続されている。コントローラ112は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路114に接続されている。これにより、吸引ポンプ86,洗浄液注入装置92,噴出ポンプ106の作動が、コントローラ112によって制御される。
上述したように構成された清掃装置10では、上部ハウジング70および下部ハウジング72が、印刷用マスク12に装着されることで、図1に示すように、印刷用マスク12の凸部36が、第1キャビティ76と第2キャビティ78とによって密閉された空間内に収容される。そして、密閉された空間内に収容された印刷用マスク12の凸部36が、清掃装置10によって清掃される。
具体的には、制御装置110のコントローラ112の指令により、洗浄液注入装置92から第1キャビティ76に洗浄液が注入される。そして、第1キャビティ76に洗浄液が注入された後に、所定時間、放置される。これにより、印刷用マスク12の凸部36内に充填されているクリーム半田52が、洗浄液に浸され、クリーム半田52の凸部36内からの分離が促進される。そして、所定時間経過後に、第1キャビティ76に注入された洗浄液が、洗浄液注入装置92によって吸引される。
続いて、制御装置110のコントローラ112の指令により、吸引ポンプ86は、第1キャビティ76内からエアを吸引するとともに、噴出ポンプ106は、第2キャビティ78内にエアを噴出する。噴出ポンプ106から噴出されたエアは、印刷用マスク12の凸部36の貫通孔50を介して、第1キャビティ76内に流れ込む。この際、貫通孔50の内部および周辺に付着しているクリーム半田52が、第1キャビティ76内に流れ込む。さらに、凸部36の内部に充填されていたクリーム半田52が、凸部36の内部から剥がされる。そして、第1キャビティ76内に流れ込んだクリーム半田52,凸部36の内部から剥がされたクリーム半田52が、吸引ポンプ86によって、吸引される。これにより、貫通孔50の内部および周辺に付着しているクリーム半田52、凸部36の内部に充填されていたクリーム半田52が除去され、印刷用マスク12が適切に清掃される。なお、上記手順により印刷用マスク12を清掃するための機能部として、洗浄後エア吸引部(図5参照)118が、制御装置110のコントローラ112に設けられている。
また、清掃装置10では、下部ハウジング72と異なる寸法の下部ハウジングが複数用意されており、印刷用マスクの凸部の大きさに応じて、下部ハウジングを交換することが可能となっている。具体的には、図6に示す下部ハウジング120が用意されている。下部ハウジング120の第2キャビティ122の容積は、下部ハウジング72の第2キャビティ78の容積より小さくされている。また、下部ハウジング120は、第2キャビティ122を除き、下部ハウジング72と同じ構成とされている。そして、印刷用マスク12の凸部36より小さな寸法の凸部124を清掃する際には、下部ハウジング72の代わりに、下部ハウジング120が印刷用マスク12に装着される。つまり、印刷用マスク12に、下部ハウジング120と上部ハウジング70とが装着される。これにより、凸部124を収容する空間が小さくなり、吸引効果が増大し、クリーム半田52を効果的に除去することが可能となる。
<変形例>
上記実施例の清掃装置10では、洗浄液によりクリーム半田52の剥離を促進しているが、超音波振動によりクリーム半田52の剥離を促進してもよい。また、清掃装置10では、エアの噴出と吸引とによりクリーム半田52の除去作業が行われているが、エアの吸引のみによりクリーム半田52の除去作業を行うことが可能である。このように、超音波振動によりクリーム半田52の剥離を促進するとともに、エアの吸引のみによるクリーム半田52の除去作業を行うことが可能な清掃装置130を、図7に示す。清掃装置130は、エアを吸引するための経路,超音波を発生するための装置等を除いて、上記清掃装置10と同様の構成であるため、清掃装置10と同様の機能の構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略あるいは簡略に行う。
清掃装置130は、清掃装置10と同様に、上部ハウジング70と下部ハウジング72とを備えている。下部ハウジング72に形成されている貫通路100は、連通路132を介して、連通路82に接続されている。連通路82は、清掃装置10と同様に、吸引ポンプ86と貫通路80とを連通し、上部ハウジング70の第1キャビティ76からエアを吸引するための吸引経路である。このため、吸引ポンプ86の作動により、上部ハウジング70の第1キャビティ76だけでなく、下部ハウジング72の第2キャビティ78からもエアが吸引される。
また、清掃装置130は、振動発生装置134を備えている。振動発生装置134は、下部ハウジング72に取り付けられており、高い周波数の振動、具体的には、超音波振動を発生する。超音波振動は、下部ハウジング72を介して、印刷用マスク12に伝達する。これにより、印刷用マスク12が高周波で振動し、印刷用マスク12の凸部36内に充填されているクリーム半田52の剥離が促進される。
上記構造の清掃装置130では、下記の手順により、印刷用マスク12の凸部36の清掃が行われる。まず、上部ハウジング70と下部ハウジング72とを、印刷用マスク12に装着することで、印刷用マスク12の凸部36を、第1キャビティ76と第2キャビティ78とによって密閉された空間内に収容する。そして、振動発生装置134を所定時間作動させる。続いて、吸引ポンプ86を作動させる。吸引ポンプ86は、第1キャビティ76および第2キャビティ78内からエアを吸引し、貫通孔50の内部および周辺に付着しているクリーム半田52、凸部36の内部に充填されていたクリーム半田52が、吸引ポンプ86によって、吸引される。これにより、凸部36からクリーム半田52が除去され、印刷用マスク12が適切に清掃される。
ちなみに、上記実施例において、清掃装置10,130は、清掃装置の一例である。印刷用マスク12は、印刷用マスクの一例であり、印刷用マスク12の凸部36,124は、凸部の一例である。キャビティ基板22は、キャビティ基板の一例であり、キャビティ基板22の凹部30は、凹部の一例である。貫通孔50は、パターン孔の一例である。クリーム半田52は、粘性流体の一例である。上部ハウジング70は、第2清掃ユニットの一例である。下部ハウジング72,120は、第1清掃ユニットの一例である。第2キャビティ78は、収容キャビティの一例である。貫通路80は、第2ユニット側貫通孔の一例である。吸引ポンプ86は、吸引装置の一例である。洗浄液注入装置92は、洗浄液注入装置の一例である。貫通路100は、第1ユニット側貫通孔の一例である。噴出ポンプ106は、噴出装置の一例である。制御装置110は、制御装置の一例である。洗浄後エア吸引部118は、洗浄後エア吸引部の一例である。振動発生装置134は、振動発生装置の一例である。
なお、本発明は、上記実施例および変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例および変形例では、上部ハウジング70および下部ハウジング72が、1つの凸部を収容可能な形状とされているが、複数の凸部を収容可能な形状とされてもよい。
また、上記実施例では、洗浄液によりクリーム半田52の剥離が促進され、上記変形例では、超音波振動によりクリーム半田52の剥離が促進されているが、洗浄液と超音波振動とによりクリーム半田52の剥離を促進してもよい。つまり、清掃装置に、洗浄液注入装置92および振動発生装置134を設けてもよい。
10:清掃装置 12:印刷用マスク 22:キャビティ基板 30:凹部 36:凸部 50:貫通孔(パターン孔) 52:クリーム半田(粘性流体) 70:上部ハウジング(第2清掃ユニット) 72:下部ハウジング(第1清掃ユニット) 78:第2キャビティ(収容キャビティ) 80:貫通路(第2ユニット側貫通孔) 86:吸引ポンプ(吸引装置) 92:洗浄液注入装置 100:貫通路(第1ユニット側貫通孔) 106:噴出ポンプ(噴出装置) 110:制御装置 118:洗浄後エア吸引部 120:下部ハウジング(第1清掃ユニット) 124:凸部 130:清掃装置 134:振動発生装置

Claims (8)

  1. キャビティ基板の凹部に嵌合可能な凸部を有し、その凸部の内部に粘性流体が充填されることで、前記凸部に形成されたパターン孔から粘性流体を印刷するための印刷用マスクの清掃装置であって、
    当該清掃装置が、
    少なくとも1つの前記凸部を収容可能な収容キャビティが形成され、その収容キャビティに前記少なくとも1つの凸部を収容した状態で前記印刷用マスクの一方の面に密着する第1清掃ユニットと、
    前記少なくとも1つの凸部の内部の開口を覆う状態で前記印刷用マスクの他方の面に密着する第2清掃ユニットと、
    前記第2清掃ユニットに形成された第2ユニット側貫通孔を介して、前記少なくとも1つの凸部の内部からエアを吸引する吸引装置と
    を備え、
    前記第1清掃ユニットと前記第2清掃ユニットとによって挟まれた前記印刷用マスクの前記少なくとも1つの凸部を清掃することを特徴とする清掃装置。
  2. 前記吸引装置が、
    前記第2ユニット側貫通孔を介して、前記少なくとも1つの凸部の内部からエアを吸引するとともに、前記第1清掃ユニットに形成された第1ユニット側貫通孔を介して、前記収容キャビティの内部からもエアを吸引することを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
  3. 当該清掃装置が、
    前記第1清掃ユニットに形成された第1ユニット側貫通孔を介して、前記収容キャビティの内部にエアを噴出する噴出装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
  4. 前記収容キャビティが、
    1つの前記凸部のみを収容可能な形状に形成され、
    前記第1清掃ユニットが、
    前記収容キャビティに前記1つの凸部を収容した状態で前記印刷用マスクの一方の面に密着することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の清掃装置。
  5. 当該清掃装置が、
    前記第1清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間と、前記第2清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間との少なくとも一方に、超音波振動を発生させる振動発生装置を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の清掃装置。
  6. 当該清掃装置が、
    前記第1清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間と、前記第2清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間との少なくとも一方に、洗浄液を注入する洗浄液注入装置を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の清掃装置。
  7. 当該清掃装置が、
    前記吸引装置の作動を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置が、
    前記洗浄液注入装置によって、前記第1清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間と、前記第2清掃ユニットと前記印刷用マスクとによって密閉される空間との少なくとも一方に洗浄液が注入されてから、所定時間が経過した後に、前記吸引装置によるエアの吸引を開始する洗浄後エア吸引部を有することを特徴とする請求項6に記載の清掃装置。
  8. 当該清掃装置が、
    前記収容キャビティの容積の異なる複数の前記第1清掃ユニットを備え、それら複数の第1清掃ユニットのうちの任意のものと前記第2清掃ユニットとによって挟まれた前記印刷用マスクの前記少なくとも1つの凸部を清掃することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の清掃装置。
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