JP5975401B2 - 獣忌避剤および獣忌避方法 - Google Patents

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本発明は、イノシシ、シカ、モグラ、イタチ、イヌ、ネコ、ネズミ等の有害な獣に対する忌避剤、および忌避方法に関するものである。
より詳細には、本発明は、環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物、および環式セスキテルペン類から選ばれる化合物のそれぞれ少なくとも一種以上の組み合せを有効成分として含有することを特徴とする獣忌避剤、およびそれを用いる忌避方法に関するものである。
さらに詳細には、本発明は、環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物の少なくとも一種以上と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンとの組み合せを有効成分として含有し、かつ、テルペノイド化合物モノマーの重量平均分子量1000以下の低重合或いは/及び低共重合化合物を含有しないことを特徴とする獣忌避剤、およびそれを用いる忌避方法に関するものである。
イノシシ、シカ、モグラ、イタチ、イヌ、ネコ、ネズミ等は、樹木、農作物、花弁、食物等を加害する獣である。例えば、シカは悪喰で、ツツジやアジサイなど毒性のある樹木、まずい味やいやな臭いがするワラビやアセビ、棘のあるサンショなどを除き、ほとんどの植物を食べる。そして、近年、日本各地の森林では、シカの生息数の増大に伴い、シカの幅広い食性が食害という大きな問題を引き起こしている。
従来から、多くの獣忌避剤が提案されている。例えば、犬、猫、鼠、鳥類に環式ケトン、特定のアルコール、アルデヒド類が忌避剤として有効とされ(特許文献1)、さらに、犬、猫、および鳥の忌避剤としてトウガラシ、カラシ、ワサビ等やチョウジ、タイム、ハッカ等の香辛物質含有植物の粉末、および特定リモネン等の併用(特許文献2)が提案され、また、ニホンジカ、ノウサギ、カモシカ、イノシシ、ネズミ等の野生獣の食害忌避剤として、鶏卵の乾燥卵黄にロジンを組み合せたもの(特許文献3)などが知られている。
しかしながら、これら従来の忌避剤には、忌避効果が不十分であるうえ、その効果の持続性が短いという問題があった。
また、猛獣の糞尿が、シカなどの獣に対して忌避する効果(特許文献4、特許文献5)が知られているが、糞尿の取り扱いに負担が大きいうえ、それらを大量に入手することが困難である。
特開昭61−289003号公報 特開平1−139515号公報 特開2003−192506号公報 特開平10−191868号公報 特開2013−189418号公報
本発明は、上記従来技術が抱える問題点を踏まえ、簡便に使用でき、従来の獣忌避剤に較べて忌避効果が高く、持続性に優れ、しかも、人畜及び農作物等に対してより低毒性で土壌汚染も無い獣忌避剤とこれを用いた獣忌避方法の提供を目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意誠意検討を重ねた結果、特定構造のテルペノイド類および特定構造のテルペン類の併用により忌避効果が増大し、持続性に優れることを見出した。しかも、それら物質はそれぞれ天然植物精油中の成分としても知られているものであり、人畜及び農作物等に対して低毒性の物質であり、土壌汚染の問題もない。
この知見をもとに本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の(1)〜(4)に記載の獣忌避剤、および(5)に記載の獣忌避方法を要旨とする。
(1)環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物の少なくとも一種以上と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンとの組み合せを有効成分として含有し、かつ、テルペノイド化合物モノマーの重量平均分子量1000以下の低重合或いは/及び低共重合化合物を含有しないことを特徴とする獣忌避剤。
(2)環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物の少なくとも一種以上と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンとの組み合せを有効成分として、0.5〜100重量%含有することを特徴とする上記(1)に記載の獣忌避剤。
(3)環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンを1:9〜9:1の重量比で組み合せることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の獣忌避剤。
(4)忌避剤中の忌避成分の揮散速度を調節する保留剤として安息香酸フェニル、安息香酸べンジル、フタル酸ジメチル 、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ジフェニル、メチルナフタレン、エチルナフタレンの少なくとも一種以上、または担体との混合物よりなる上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の獣忌避剤。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の獣忌避剤を噴霧、散布、塗布、送風式揮散、または燻煙のいずれかの手段で用いる獣忌避方法。
本発明の獣忌避剤は、環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物、および環式セスキテルペン類から選ばれる化合物のそれぞれ少なくとも一種以上の組み合せを有効成分として含有することを特徴とするものであり、その併用効果により、従来の獣忌避剤に較べて忌避効果が高く、持続性に優れ、しかも、その成分は、人畜及び農作物等に対してより低毒性であり、土壌汚染も無く、簡便に使用できるという効果を有するものである。
さらに、本発明の獣忌避剤は、忌避剤中の忌避成分の揮散速度を調節する保留剤、または担体との混合物とすることにより、一層持続性、使用性に優れるものであるという効果を有する。
そして、この獣忌避剤を、噴霧、散布、塗布、送風式揮散、または燻煙のいずれかの手段で用いる獣忌避方法により、イノシシ、シカ、モグラ、イタチ、イヌ、ネコ、ネズミ等の有害な獣を、樹木、農作物、花弁、食物等の加害から有効に忌避するという効果を有する。
本発明の必須の併用成分の一つである、環式モノテルペンアルコール類としては、イソプレゴール、メントール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルピネオール−4、カルベオール、ジヒドロカルベオール、ペリラアルコール、ミルテノール、ノポール、ピノカルベオール、フェンキルアルコール、ボルネオール、イソボルネオール、ツヤノールなどの化合物が挙げられる。
本発明の必須の併用成分の一つである、環式セスキテルペン類としては、ビサボレン、カリオフィレン、バレンセン、グアイエン、セドレン、カジネン、ツヨプセン、ロンギホレンなどの化合物が挙げられる。
上記環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物、および環式セスキテルペン類から選ばれる化合物は、植物の精油由来のもの、化学合成品のいずれをも使用することができる。
本発明の獣忌避剤の有効成分の含有量は、0.5〜100重量%である。環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物は上記に例示した化合物をそれぞれ少なくとも一種以上用いることができ、環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物を1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3の重量比で組み合せて用いることができる。
本発明の獣忌避剤は忌避剤中の忌避成分の揮散速度を調節する保留剤、又は担体との混合物でも用いられる。固形の剤型の他、使用目的により溶剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、可塑剤、噴射剤などを添加し、油剤(液剤)、乳剤、水和剤、ペースト剤、ゲル剤、エアゾール剤、マイクロカプセル剤などの形状で利用することができる。
上記保留剤としては、本発明では分子量の大きい蒸気圧の小さい、忌避機能を損なわないものが利用できる。例えば、酸エステル系として安息香酸エステル(フェニル、ベンジル)、フタル酸エステル(ジメチル、ジエチル、ジブチル);エーテルとしてジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル;アルコール系としてオレイルアルコール、ステアリルアルコール;炭化水素としてジフェニル、メチルナフタレン、エチルナフタレンなどを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記担体としては、例えば、珪藻土、カオリン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ゼオライト、酸性白土、アルミナ、ベントナイト、石膏、シリカ、活性炭などの鉱物質又は無機質粉末;木粉、大豆粉、小麦粉、デンプンなどの植物質粉末;紙、パルプ;フェノール樹脂、ポリアミド、ポリブタジエン等のプラスチック、繊維又はゴムの粉末などを挙げることができ、これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明では、これらの担体を用いて、固形の剤型に調製することができ、粉剤、粒剤、錠剤などの剤型にすることができる。
また、使用時の形状として、例えば、ハニカム形状、網形状、スリット形状、格子形状、もしくは開孔を設けた紙類等の構造のものとすることができる。
本発明で使用される溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ−ル、などのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;ヘキサン、ケロシン、パラフィンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;灯油などを挙げることができる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、本発明では、使用目的により、公知の乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、可塑剤、噴射剤などを添加し、油剤(液剤)、乳剤、水和剤、ペースト剤、ゲル剤、エアゾール剤、マイクロカプセル剤などの形状で利用することができる。
マイクロカプセル剤とする方法は、特に限定されるものではなく、界面重合法、in−site重合法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法等、従来公知の方法が用いられ、マイクロカプセルの膜材としては、シクロデキストリン膜、ゼラチン膜、ウレタンウレア膜、尿素樹脂膜、ナイロン膜、ポリウレタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂等公知のものが使用できる。
マイクロカプセル剤とすると、これを獣の喫食対象物に塗布する塗布剤に混入したり、忌避シートに分散塗布または含浸することにより、有効成分がゆっくりと揮散し忌避効果が長期にわたって持続する。
さらに本発明の獣忌避剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の獣忌避剤、効力増強剤、酸化防止剤、殺菌剤、防カビ剤、着香料、着色材、紫外線吸収剤などを配合することができる。
本発明の忌避剤は噴霧、散布、塗布、送風式揮散、または燻煙のいずれかの手段で用いられる。
忌避剤を忌避シートに塗布または含浸して用いる場合のシート材としては、不織布、薄葉紙、晒クラフト紙、チタン紙、板紙、石膏ボード紙等の紙、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ナイロンフイルム等のプラスチックフイルム等が使用できる。
以下に、試験例、及び実施例により、本発明の効果を含めて本発明を更に具体的に説明するが、当該試験例、実施例の内容により本発明の技術的範囲が限定解釈されるものではない。
[試験例1] シカに対する忌避効果(併用効果)
ある動物園で飼育されているシカ5頭に対して、試験物質を与えて2か月間観察した。
下記の表中に示す忌避成分▲1▼〜▲6▼(環式モノテルペンアルコール類)と忌避成分▲7▼〜▲10▼(環式セスキテルペン類)の試験物質への添加量を変化させ、忌避成分単一の場合と併用した場合の忌避効果を調べた。
試験物質は、プレーンクラッカーに忌避成分をシリンジで均等になるように添加したものである。(註:メントールの添加については、メントール(80%)をペンタン(20%)に溶解して添加後、ペンタン分を揮散させた。)
(1)忌避成分20%添加
(2)忌避成分25%添加
の各試験物質を与えた時の観察結果を下記の表1、表2に示す。
なお、餌(青草)を与えられて食事中のシカは空腹と思われ、餌場から離れたシカは空腹を満たされていると考えられる。空腹時のシカに対しては忌避効果が現れ難かった。
Figure 0005975401
Figure 0005975401
[結果の検討]
上記表1のNo.1〜10は、試験物質へ各単一の忌避成分を20%添加した場合であるが、それら単一の忌避成分の添加では食事中のシカ(空腹と思われるシカ)に対して、いずれも忌避効果が認められなかった。
しかし、No.11〜14に示されるように、環式モノテルペンアルコール類と環式セスキテルペン類の併用添加(添加量は各成分10%で合計20%)では、ある程度の忌避効果が認められた。
この結果により環式モノテルペンアルコール類および環式セスキテルペン類の組合せに併用効果(相乗効果)が認められる。
Figure 0005975401
[結果の検討]
上記表2のNo.1〜10に示されるように、試験物質への添加量25%では、各単一の忌避成分の添加でも、餌場から離れたシカに対しては、忌避効果が認められるものが多かったが、食事中のシカ(空腹と思われるシカ)に対してはいずれも忌避効果が十分ではなかった。
しかし、No.11〜14に示されるように、環式モノテルペンアルコール類と環式セスキテルペン類の併用添加(添加量は各12.5%で合計25%)では、食事中のシカ(空腹と思われるシカ)に対しても十分な忌避効果が認められた。
この結果により環式モノテルペンアルコール類および環式セスキテルペン類の組合せに併用効果(相乗効果)が認められる。
[試験例2] マウスに対する忌避効果(併用効果)
生後6週目のマウス(ICR系)を用いて、下記のBellack−DeWitt法に準じた方法で忌避試験をおこなった。
オス2頭、メス2頭を一群として、忌避成分▲1▼、▲2▼、▲6▼(環式モノテルペンアルコール類)と忌避成分▲8▼、▲9▼、▲10▼(環式セスキテルペン類)の試験物質への添加量を変化させ、忌避成分単一の場合と併用した場合の忌避効果(忌避係数)を調べた。
[試験法] <Bellack−DeWitt法>
Figure 0005975401
じた方法で忌避試験をおこなった。
▲1▼試験物質(処理飼料):粉末飼料に一定量の忌避成分を均一になるように擂り潰 して混合する。
▲2▼ケージにマウスを1頭ずついれ、これに上記の処理飼料と無処理飼料をそれぞれ 別々に、次の表に示すように与えて、4日間の喫食量を調べた。
Figure 0005975401
▲3▼忌避係数の計算方法
飼料をPM4:00頃与え、翌日9:00〜10:00に飼料の喫食量を測定し、 次式により忌避係数を求めた。
Figure 0005975401
但し、T〜T:4日間毎日の処理区の喫食量(g)
〜U:3日間毎日の無処理区の喫食量(g)
〜X:3日間毎日の無処理区の残存量(g)
W :マウスの体重(Kg)
粉末飼料への忌避成分の添加量は
(1)忌避成分5.0%添加
(2)忌避成分10.0%添加
とし、結果を下記の表3、表4に示す。
なお、表中の忌避係数は、試験マウス4頭(オス2頭とメス2頭)の平均値である。
Figure 0005975401
[結果の検討]
上記表3に示されるように、各単一忌避成分の添加(No.1〜6;添加量5.0%)よりも、環式モノテルペンアルコール類と環式セスキテルペン類の併用添加(No.7〜12;添加量は各成分2.5%で合計5.0%)が、いずれも忌避係数が大きかった。
この結果により環式モノテルペンアルコール類および環式セスキテルペン類の組合せに併用効果(相乗効果)が認められる。
Figure 0005975401
Figure 0005975401
[結果の検討]
上記表4に示されるように、各単一忌避成分の添加(No.1〜6;添加量10.0%)よりも、環式モノテルペンアルコール類と環式セスキテルペン類の併用添加(No.7〜12;添加量は各成分5.0%で合計10.0%)が、いずれも忌避係数が大きかった。
この結果により環式モノテルペンアルコール類及び環式セスキテルペン類の組合せに併用効果(相乗効果)が認められる。
しかも先の表3のNo.7〜12(併用添加)の忌避係数と上記表4のNo.1〜6(単一成分添加)の忌避係数を比較してわかるように、該併用の場合(添加量は各成分2.5%で合計5.0%)の忌避係数は、その2倍の添加量の単一忌避成分の添加(添加量10.0%)の忌避係数に近い値であり、併用による相乗効果が大きいことが認められる。
以下に、実施例(剤型例)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
[粒剤]
シリカゲル(5〜10メッシュ)70部にプロピレングリコール5部を混合した後に環式モノテルペンアルコール類12.5部と環式セスキテルペン類12.5部を加えて混合し、顆粒状の獣忌避剤を得た。
[乳剤]
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20部に環式モノテルペンアルコール類2.0部と環式セスキテルペン類3.0部を加えて混合した後に、撹拌しながら水75部を徐々に加えて、乳状の獣忌避剤を得た。
本発明の獣忌避剤は、環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物、および環式セスキテルペン類から選ばれる化合物のそれぞれ少なくとも一種以上の組み合せを有効成分として含有することを特徴とし、その併用効果により、従来の獣忌避剤に較べて忌避効果が高く、持続性に優れ、しかも、その成分は、人畜及び農作物等に対してより低毒性であり、土壌汚染も無く、簡便に使用できるという効果を有するものであるので、産業上の利用可能性は大きい。
さらに、本発明の獣忌避剤は、忌避剤中の忌避成分の揮散速度を調節する保留剤、または担体との混合物とすることにより、一層持続性、使用性に優れるものであるという効果を有し、このような獣忌避剤を、噴霧、散布、塗布、送風式揮散、または燻煙のいずれかの手段で用いる獣忌避方法により、イノシシ、シカ、モグラ、イタチ、イヌ、ネコ、ネズミ等の有害な獣を、樹木、農作物、花弁、食物等の加害から有効に忌避できるという効果を有し、例えば、近年問題となっている、森林のシカの食害に対しても有効であるので、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (5)

  1. 環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物の少なくとも一種以上と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンとの組み合せを有効成分として含有し、かつ、テルペノイド化合物モノマーの重量平均分子量1000以下の低重合或いは/及び低共重合化合物を含有しないことを特徴とする獣忌避剤。
  2. 環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物の少なくとも一種以上と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンとの組み合せを有効成分として、0.5〜100重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の獣忌避剤。
  3. 環式モノテルペンアルコール類から選ばれる化合物と環式セスキテルペン類から選ばれる化合物であるロンギホレンを1:9〜9:1の重量比で組み合せることを特徴とする請求項1または2に記載の獣忌避剤。
  4. 忌避剤中の忌避成分の揮散速度を調節する保留剤として安息香酸フェニル、安息香酸べンジル、フタル酸ジメチル 、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ジフェニル、メチルナフタレン、エチルナフタレンの少なくとも一種以上、または担体との混合物よりなる求項1〜3のいずれか一項に記載の獣忌避剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の獣忌避剤を噴霧、散布、塗布、送風式揮散、または燻煙のいずれかの手段で用いる獣忌避方法。
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