JP5974883B2 - 熱電発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱源物質の廃熱を利用した熱電発電技術に関するものであり、例えば、鉄鋼製造プロセスにおけるスラブヤードや圧延後の製品ヤードのような、高温の鋼材を長時間保管するヤードにおいて、鋼材(廃熱)を熱源として発電することができる熱電発電方法及び設備に関するものである。
近年、地球温暖化防止を目的として、鉄鋼製造プロセスなどのようなCOを多量に発生する製造プロセスにおける更なる省エネルギー化が求められている。省エネルギー対策の一つとして廃熱回収があり、特に鉄鋼製造のような大量生産プロセスにおいては、廃熱として捨てられるエネルギーが大きいため、廃熱回収により得られる省エネルギー効果は非常に大きい。
従来、廃熱回収方法の一つとして、熱電素子を用いた廃熱利用熱電発電が知られている。この熱電発電は、ゼーベック効果を利用して温度差から直接電力を回収する方法であり、近年では熱電素子の特性向上により、一部実用化もされている。例えば、特許文献1には、自動車等の排気ガスの熱エネルギーを用いて熱電発電をする方法が示されている。
しかしながら、例えば鉄鋼製造分野においては、廃熱回収への熱電発電の適用は十分には進んでいない。その理由としては、熱電素子のコストが高いことに加えて、鉄鋼製造プロセスの廃熱自体が安定な熱源として利用しにくいため熱電素子の最適設計ができず、十分な発電効率や稼働率が得られないことが挙げられる。熱電素子の発電効率や稼働率が十分でないと、結果的に単位発電量あたりのコストが嵩むことになり、費用対効果の点で熱電発電の適用が著しく困難になる。
鉄鋼製造プロセスで生じる高温鋼材の廃熱回収を考えた場合、廃熱が安定な熱源として利用できないのは、鋼材温度が材質造り込みを目的として時々刻々と変化することと、鋼材がコイルやシート単位で製造されるバッチプロセスであることが主な理由である。また、製造ライン上で粉塵や蒸気等に晒される場所が多いことによる配置上の制約なども、熱電発電の適用が難しい要因の一つである。
熱電発電に用いる熱源の温度ばらつきの影響を緩和する技術として、例えば、可動フィンにより流体の流れを制御する方法が特許文献2に示されている。
特開2004−208476号公報 特開2008−104317号公報
しかし、鉄鋼製造プロセスの廃熱は、室温から1000℃以上の高温まで温度範囲が広く、廃熱の伝熱形態も様々であるため、特許文献2に開示されるような方法の適用は難しい。よって、鉄鋼製造プロセスの廃熱を利用して熱電発電を行う場合には、熱源の温度ばらつきによる熱電素子の温度変動を予め考慮しておく必要がある。
一方で、熱電素子は、その効率を最大化するための適正温度が素子によって決まっている。図11に、熱電素子の性能を示す無次元性能指数ZT(Z:性能指数)の温度依存性のグラフを示す。熱電素子には、低温用(100℃程度)から高温用(700℃程度)まで様々な種類があるが、図11のように、何れの素子についてもZTはある温度域でピーク値を取る傾向があり、その温度域以外ではZTが低下して素子の発電効率が低下する。また、各熱電素子には、耐熱性の観点から決まる適用温度の上限もある。したがって、上記のように温度が変化する鋼材からの廃熱回収では熱電素子の選定が難しく、鋼材側の温度条件が変わった場合など、期待された発電効率が得られなくなる懸念がある。
ところで、温度変化が比較的小さい熱源(鋼材)を考えた場合、例えば、スラブヤードや圧延後の製品ヤードなどの鋼材保管ヤードでは、比較的長い時間、緩やかな温度降下で鋼材が空冷保持されるので、準安定的な熱源であると言える。このような鋼材保管ヤードについては、設備配置上の制約も少ないため、熱電発電を適用できる可能性が十分にある。しかしながら、保管されるスラブやコイルのような鋼材のヤード受け入れ温度についても、上工程のプロセス的要因で変動するケースがある。また、鋼材のサイズも製品毎に異なるため、結果として上述したと同様の理由により、十分な熱電発電効率が得られないことが懸念される。
したがって本発明の目的は、鉄鋼製造プロセスにおける高温鋼材などのような熱源物質の廃熱を利用して効率的かつ安定的な発電を行うことができる熱電発電方法及び設備を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]熱源物質の廃熱を利用して熱電発電を行う方法において、
外面に熱電素子(e)が組み込まれた壁体及び/又は架台(a)を備えた発電ヤードを設けるとともに、該発電ヤードに対して熱源物質(m)を搬入・搬出するための搬送手段(f)を設け、該搬送手段(f)により熱源物質(m)を前記発電ヤードに搬入し、壁体及び/又は架台(a)に対して熱源物質(m)を対面させた状態で、熱電素子(e)による熱電発電を行うに際し、
複数の熱源物質(m)の温度又は総熱量をそれぞれ測定し、測定された温度又は総熱量に応じて熱源物質(m)を発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出することで、温度又は総熱量を測定した複数の熱源物質(m)のなかで温度又は総熱量が高い熱源物質(m)が優先的に発電ヤードに供給され、発電ヤード内で熱源として用いるようにする熱電発電方法であって、
先行の熱源物質(m)が発電ヤードに搬入された状態で、後行の熱源物質(m)が搬送されてきた場合において、先行の熱源物質(m)の温度又は総熱量T と、後行の熱源物質(m)の温度又は総熱量T をそれぞれ測定し、測定された温度又は総熱量T ,T に応じて、下記(ア)及び(イ)の条件で熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
(ア)T <T の場合には、発電ヤードに対する先行の熱源物質(m)と後行の熱源物質(m)の入れ替え行う。
(イ)T >T の場合には、そのまま先行の熱源物質(m)を熱源とした熱電発電を継続する。
[2]上記[1]の熱電発電方法において、熱電素子(e)の発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との距離Xcを求め、壁体及び/又は架台(a)に対して距離Xcをおいた位置で熱源物質(m)を対面させた状態で、熱電素子(e)による熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
[3]上記[2]の熱電発電方法において、壁体及び/又は架台(a)と対面する熱源物質(m)の外面の温度Tss及び有効放熱面積Aに基づき、壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との距離Xに応じた熱電素子(e)の発生電力P又は熱電変換効率ηを計算により求め、この計算結果から、熱電素子(e)の発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との距離Xcを求めることを特徴とする熱電発電方法。
[4]上記[3]の熱電発電方法において、温度計により測定される熱源物質(m)の外面温度に部位による温度分布がある場合、その平均値を熱源物質(m)の外面温度Tssとすることを特徴とする熱電発電方法。
[5]上記[2][4]のいずれかの熱電発電方法において、壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との限界接近距離Xを設定し、距離Xcに関わりなく、限界接近距離Xpを超えて熱源物質(m)を壁体及び/又は架台(a)に接近させないことを特徴とする熱電発電方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの熱電発電方法において、搬送手段(f)が、水平2軸方向での熱源物質(m)の位置調整機能を有することを特徴とする熱電発電方法。
本発明によれば、高温鋼材などのような熱源物質の廃熱を安定的に熱電素子に供給することができ、熱電素子の効率を最大限に発揮させることができる。このため従来では殆ど顕熱回収がなされていなかった鉄鋼製造プロセスにおける高温鋼材などの廃熱を利用して効率的な発電を行うことができ、エネルギーの有効利用を図ることができる。
本発明において、鋳造されたスラブ(鋼材)の保管ヤードに発電ヤードを設けた場合の一実施形態を示す斜視図 本発明における熱源物質と壁体(熱電素子)との最適な配置例を示す平面図 熱源物質から熱電素子への輻射伝熱の計算方法を説明するための図面 本発明において、搬送手段によって温度又は総熱量が異なる熱源物質を発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出する場合の一実施形態を示す平面図 本発明において、搬送手段によって温度又は総熱量が異なる熱源物質を発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出する場合の他の実施形態を示す平面図 本発明において、厚鋼板の連続冷却床に発電ヤードを設けた場合の一実施形態を示す斜視図 図6の実施形態において、発電ヤードに対して厚鋼板の入れ替えを行う状況を示す斜視図 本発明設備の一実施形態を示す説明図 本発明において、発生電力P及び熱電交換効率ηが最大となる熱源物質と壁体(熱電素子)との距離Xcを求めるための計算方法を示すフロー図 熱源物質と壁体(熱電素子)との距離Xと発生電力Pとの関係を示すグラフ 各種の熱電素子について温度と無次元性能指数ZTとの関係を示すグラフ
本発明は、高温鋼材などのような熱源物質の廃熱を利用して熱電発電を行う方法及び設備であり、外面に熱電素子eが組み込まれた壁体及び/又は架台aを備えた発電ヤードを設けるとともに、この発電ヤードに対して熱源物質mを搬入・搬出するための搬送手段fを設けるものである。そして、この発電ヤードに搬送手段fにより熱源物質mを搬入し、壁体及び/又は架台aに対して熱源物質mを対面させた状態で、熱電素子eによる熱電発電を行うものである。ここで、搬送手段fは、熱電素子eの発電量が最大となるように高温の熱源物質mを発電ヤードに優先的に搬入可能なもの、すなわち、そのような搬入を可能とする設備構成を有するものであることが好ましい。
熱源物質mの種類や温度に特別な制限はない。熱源物質mの代表例は、常温を超える顕熱を保有する鋼材、好ましくは高温の鋼材であり、例えば、スラブ、熱延コイル、管体、厚板などが挙げられる。
また、熱源物質mを保管するヤードとしては、高温鋼材(スラブや熱延コイル等)を保管し、空冷するためのヤードが代表的なものであり、通常は屋根が設置されている。また、鋼材を一定時間かけて冷却(空冷)するための場所であるという意味で、鋼材(例えば厚鋼板)などの連続冷却床も保管ヤードの一種と見なすことができるが、この連続冷却床において、移動床ではない領域(例えば、移動床の出側又は入側領域)に発電ヤードを設け、この発電ヤード内に鋼板を一時的に留め置き、熱電発電を行うようにしてもよい。
熱源物質mが鋼材である場合、ヤード内での鋼材表面温度は、鋼材の種類やプロセス的な要因により様々であるが、例えば、スラブの場合には、通常は200〜700℃程度である。
以下、本発明を、熱源物質mが鋼材(高温鋼材)である場合を例に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す斜視図であり、鋳造されたスラブ(鋼材)を保管するためのヤードに発電ヤードを設けたものである。
壁体及び/又は架台a(以下、壁体aを例に説明する。)は、パネル状の本体1の少なくとも片側の壁面(本実施形態では壁面の全面)に複数の熱電素子eが組み込まれ、対面する熱源物質mの熱を受熱できるようにしてある。熱電素子eは温度差により発電を行うため、上記熱電素子eの冷却側については、水冷又は空冷するための機構(図示せず)が設けてある。
上記壁体aと、この壁体aと対面して熱源物質mが配置されるスペースが発電ヤードを構成する。本実施形態では、熱源物質mの一部の側面のみに対面するようにして壁体aを設けているが、例えば、熱源物質mの上面と対面する上部壁体や、熱源物質mの下面と対面する下部架台を設け、これらに複数の熱電素子eを組み込むようにしてもよい。
また、発電ヤードに対して熱源物質mを搬入・搬出する搬送手段fとして、パイリングクレーンが用いられている。なお、このクレーンによる熱源物質mの搬送時に、荷揺れによって熱源物質mが壁体aと衝突し、熱電素子eが破損しないようにするため、クレーンによる荷揺れ幅を考慮して、壁体aとの衝突が起こらない程度の退避距離を予め設けたエリア内に熱源物質mを搬入することが好ましい。また、搬送手段fは、クレーン以外に、例えば、レール上を走行させながら熱源物質mを搬入・搬出するようなものでもよい。
また、搬送手段fは、熱電素子eの発電量が最大となるように、複数の熱源物質mのなかでより高温の熱源物質mを発電ヤードに優先的に搬入できるような設備構成を有するものが好ましい。
また、熱源物質mの温度が変化した場合などに熱源物質mを位置調整し、熱電素子eとの間隔(距離)を調整できるようにするため、搬送手段fは、水平2軸方向(90°の関係にある2軸方向)での熱源物質mの位置調整機能を備えることが好ましい。後述するように、搬送手段fとしては、例えば、テーブルローラーと横行用チェーン搬送装置を組み合わせた装置、ウォーキングビーム方式の搬送装置、天井クレーンなどを用いることができるが、これらの搬送装置に、水平2軸方向(90°の関係にある2軸方向)での熱源物質mの位置調整、すなわち小移動量での移動を可能とする機能を備えさせればよい。
熱源物質mを壁体aと対面させ、熱電素子eによる熱電発電を行うに当たっては、熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体aと熱源物質mとの距離Xcを求め、壁体aに対して距離Xcをおいた位置で熱源物質mを対面させることが好ましい。ただし、上述したクレーン荷揺れ幅や熱電素子の耐熱性等を考慮して、壁体aと熱源物質mとの限界接近距離Xを設定し、距離Xcに関わりなく、限界接近距離Xpを超えて熱源物質mを壁体aに接近させないことが好ましい。図2に、熱源物質mと壁体a(熱電素子)との最適な配置例(平面図)を示す。
さきに述べたように、熱電素子は、その効率を最大化するための適正温度が素子によって決まっている(図11参照)。一方、熱源物質mは、ヤード受け入れ温度がプロセス的要因で変動する場合があり、また、熱源物質mのサイズによってもヤード受け入れ温度が異なり、これらの点が、熱電素子が十分な熱電発電効率で発電する阻害要因になる。これに対して、上記のように熱源物質mと壁体aとの距離を、熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となるように距離Xcに設定して熱源物質mの位置を決め、熱源物質mの熱による発電を行うことにより、熱源物質mの温度と熱電素子eの特性に応じた効率的な熱電発電を行うことができる。
ここで、熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体aと熱源物質mとの距離Xcは、例えば、以下のような手法で求める。
熱源物質mと熱電素子eとの距離が一定以上(例えば、熱源物質mが段積みスラブ側面であれば200mm程度の距離)離れている場合、熱源物質mから熱電素子eの表面(受熱面)への熱移動は輻射伝熱が支配的となる。熱電素子の表面温度Thは、図3に示すように、熱源物質の表面温度Tss、熱電素子の冷却側温度Tc、熱源表面の放射率εss、熱電素子表面の放射率εms、及び熱電素子の特性値(熱抵抗Ωsys等)から計算で求められる。そして、熱電素子の表面温度Th(高温側)と冷却側温度Tc(低温側)との温度差ΔT(=Th−Tc)により、熱電素子の性能指数Zに応じた発生電力Pが得られる(図3において、q:入熱量,q:低温側の排熱量,q−q=P)。熱電素子表面に入射する輻射熱流束と熱電素子内部の熱流束との釣り合い式は、以下のようになる。
Figure 0005974883
ここで、放射係数Γhcは、熱電素子表面と熱源物質mとの距離Xから求められる。すなわち、放射係数Γhcは、下記の計算式に従い、熱源物質の有効放熱面積A、熱源物質表面の放射率εss、熱電素子表面積A、熱電素子表面の放射率εms、及び、熱源物質の有効放熱面積Aと熱電素子表面積Aとの位置関係から幾何学的に求まる形態係数Fhc(このFhcは、本発明が対象とするような位置関係が単純な系では、面積比などを用いて既知のグラフから簡単に求めることができる。)により計算される。
Figure 0005974883
ここで、熱源物質の有効放熱面積Aは、熱電素子eの受熱面と平行な面に対する熱源物質mの投影面積である。例えば、熱源物質mが段積みされたスラブであり、その側面と熱電素子eの受熱面が平行である場合には、[スラブ厚さ×段積み数×スラブ長さ]が熱電素子eの受熱面と平行な面に対する熱源物質mの投影面積であり、これが有効放熱面積Aとなる。なお、段積み時に寸法ばらつきに伴う段差がある場合は、それぞれのスラブ寸法の平均値から求まる近似的な矩形形状の投影面積を上記有効放熱面積Aとする。また、電流Iも、熱電素子の性能指数Z、内部抵抗re、及び温度条件から一義的に求められる。したがって、熱電素子の冷却側温度Tcを一定とした場合、上記釣り合い式を用いて、距離Xに応じた熱電素子の表面温度Thが計算できる。
ある温度条件が与えられた際における最適な熱電素子の発生電力P及び熱電変換効率ηは、内部抵抗reと外部負荷抵抗Reとの比を以下とした際に得られ、それぞれ性能指数Zを含む関数として以下のように表される。
(i)発生電力P
Figure 0005974883
(ii)熱電変換効率η
Figure 0005974883
例えば、発生電力Pの最大化を図る場合、発生電力Pが温度によって変化するため、発生電力Pが最大となる温度条件を与えることにより、発生電力Pの最大値Pmaxが得られる。よって、発生電力Pが最大となる温度条件になるような熱源物質mと壁体a間の距離Xcを求める必要がある。輻射伝熱を考える場合、一般に熱源に近づくほど輻射熱を受け易くなり、熱電素子eの表面温度Thが上昇して温度差ΔTが大きくなる。発生電力PはΔTの2乗で大きくなるため、熱電素子eを熱源物質mに近接させてΔTを大きくするのが効果的である。しかし、一方で、熱電素子eの性能指数Zは、図11に示されるように温度に対してピーク特性を持つ温度依存性があり、ピーク温度以上では性能指数Zは急激に低下する。よって、熱電素子eと熱源との距離が近過ぎてΔTが熱電素子特性のピーク温度を超えるまで大きくなると、逆に性能指数Zの低下の影響により発生電力Pが低下する。このため、距離Xを変化させた条件毎に発生電力Pを計算し、発生電力Pが最大値Pmaxとなる距離Xcを求める。
熱電変換効率ηについても同様の方法で、熱電変換効率ηが最大値ηmaxとなる距離Xcを求める。但し、熱電変換効率の場合には、上記式のように熱電発電効率ηを与える内部抵抗reと外部負荷抵抗Reとの比率自体が温度依存性を有する。そのため、可変抵抗を用いて温度に応じた負荷調整を行う必要がある。
以上述べたように、本発明では、壁体aと対面する熱源物質mの外面温度Tss及び有効放熱面積Aに基づき、壁体aと熱源物質mとの距離Xに応じた熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηを計算により求め、この計算結果から、熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体aと熱源物質mとの距離Xcを求めることが好ましい。
熱源物質mの外面(側面など)の温度Tssは、接触式又は非接触式の温度計で測定する。特に熱源物質mの外面に近接することが難しい環境下では、非接触式温度計(放射温度計)を用いた測定が好ましい。また、温度の面分布を測定できるサーモビュアーにより、熱源物質mの外面の平均的な温度を測定するようにしてもよい。
図1のように段積みされた高温鋼材が熱源物質mである場合、段積みされるタイミングや段積み後の空冷条件等により、鋼材面の温度Tssが部位(位置)により温度分布(ばらつき)を有する場合がある。そのような鋼材面からの輻射伝熱を計算する場合、厳密には温度分布と熱電素子表面との位置関係を考慮しつつ、領域を細かく分けて領域毎に計算する必要がある。しかし、輻射伝熱の場合には、熱源からの距離がある程度離れてくると、平均的な輻射入熱という形で捉えることができるので、温度分布が比較的小さい熱源については、平均温度で取り扱うことにより計算を簡略化できる。すなわち、温度計により測定される熱源物質mの外面温度に部位による温度分布がある場合、その平均値を熱源物質mの外面温度Tssとすることが好ましい。例えば、熱電素子に併設する形で複数の放射温度計を一定間隔ごとに設置し、これらの放射温度計で熱源物質mの外面(側面など)の温度をそれぞれ測定し、得られた温度データを平均化して求める。また、上記のようなサーモビュアーにより、熱源物質mの外面の平均的な温度を測定してもよい。
一般に高温の熱源物質mほど廃熱によるエネルギーロスが大きく、特に輻射による熱エネルギーは温度の4乗で増加するため、温度による影響が非常に大きい。一方、熱源物質mのサイズが小さい場合には、温度が高くても、熱源物質mの持つ総熱量が小さいため、回収可能な廃熱の熱量も小さくなる。以上のことから本発明では、複数の熱源物質mの温度又は総熱量をそれぞれ測定し、これら複数の熱源物質mのなかで温度又は総熱量が高い熱源物質m(通常、温度又は総熱量が最も高い熱源物質m)を選択して発電ヤード内で熱源として用いることが好ましい。具体的には、以下のようにすることが好ましい。
上述したように、一般に高温の熱源物質mほど廃熱によるエネルギーロスが大きく、特に輻射による熱エネルギーは温度の4乗で増加するため、温度による影響が非常に大きい。このため、様々な温度の熱源物質mが短いピッチで順次搬送されてくるような保管ヤードにおいては、搬送手段fによって、温度が異なる熱源物質mを発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出することで、より高温の熱源物質m(通常、温度が最も高い熱源物質m)が優先的に発電ヤードに供給される、すなわち発電ヤード内で熱源として用いられるようにすることが好ましい。換言すると、測定された温度(それぞれ個別の温度計で測定された熱源物質mの温度)に応じて熱源物質mを発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出することで、温度を測定した複数の熱源物質mのなかで温度が高い熱源物質m(通常、温度が最も高い熱源物質m)が優先的に発電ヤードに供給される、すなわち発電ヤード内で熱源として用いられるようにすることが好ましい。これにより、エネルギーロスが大きい高温の熱源物質mが常に発電ヤードに供給されている状態で運用されるため、発電ヤードの利用効率が向上する。また、熱源物質mの入れ替えにより熱源物質mの温度変動幅を小さくすることもできるため、熱源物質mに対する熱電素子eの選定も容易になる。高温の熱源物質mを選定する方法としては、接触式又は非接触式の温度計により実測される温度を用いる方法、熱源物質の空冷条件から計算で予想される温度を用いる方法などを適用できる。
また、対象とする熱源物質mのサイズが大きく異なる場合など、上記のような温度条件のみでは発生電力の最大化を図れない場合には、以下のようにすることが好ましい。すなわち、熱源物質mのサイズが小さい場合には、温度が高くても、熱源物質mの持つ総熱量が小さいため、回収可能な廃熱の熱量も小さくなる。よって、特に熱源物質mの温度がほぼ同等の場合においては、搬送手段fによって、総熱量が異なる熱源物質mを発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出することで、より総熱量が大きい熱源物質m(通常、総熱量が最も高い熱源物質m)が優先的に発電ヤードに供給される、すなわち発電ヤード内で熱源として用いられるようにすることが好ましい。換言すると、測定された総熱量(それぞれ個別の温度計で測定された熱源物質mの温度に基づいて算出された総熱量)に応じて熱源物質mを発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出することで、総熱量を測定した複数の熱源物質mのなかで総熱量が高い熱源物質m(通常、総熱量が最も高い熱源物質m)が優先的に発電ヤードに供給される、すなわち発電ヤード内で熱源として用いられるようにすることが好ましい。
熱源物質mの総熱量は、室温と当該温度との熱容量差であり、熱源物質の温度、質量(寸法・形状と比重から求まる)、比熱から求めることができる。熱源物質mの総熱量を求めるに当たり、必要に応じて、熱源物質mの形状を判定するための形状判定手段(例えばイメージセンサーなど)が用いられる。なお、事前に熱源物質mの形状や質量の情報が得られる場合(例えば、熱延コイルや厚鋼板の場合には、質量及びサイズが工程上管理されているので、そのような情報は得られやすい。)には、形状判定手段は必要でない。また、熱源物質mの温度は、さきに述べたような手段と方法で測定される。
図4と図5は、上記のように搬送手段fによって温度又は総熱量が異なる熱源物質を発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出し、より高温の若しくはより総熱量が大きい熱源物質m(通常、温度又は総熱量が最も高い熱源物質m)が優先的に発電ヤードに供給されるようにした実施形態をそれぞれ示している。
図4は、熱源物質mが段積み状態に積まれた板状である場合の平面図であり、壁体aが設けられた発電ヤードに対して、熱源物質mを90°の関係にある水平2軸方向に搬入・搬出できる搬送手段fを有している。ここで、図4(ア)に示すように温度T(又は総熱量T)の先行の熱源物質mが発電ヤードに供給されているものとする。その発電ヤードに対して、温度T(又は総熱量T)の後行の熱源物質mが搬送されてきた場合、T<Tであれば、図4(イ)のように温度T(又は総熱量T)の先行の熱源物質mを発電ヤード外に搬出し、引き続いて温度T(又は総熱量T)の後行の熱源物質mを発電ヤードに搬入する。逆に、T>Tであれば、現状のままで発電を行った方が発電効率が良いので、熱源物質mの入れ替えは行わない。また、T=Tの場合には、先行の熱源物質mと後行の熱源物質mの入れ替えを行ってもよいし、入れ替えを行わなくてもよい。
なお、図4に示すように水平2軸方向に熱源物質mを搬送するための搬送手段fとしては、例えば、テーブルローラーと横行用チェーン搬送装置を組み合わせた装置や、ウォーキングビーム方式のように昇降・移動を繰り返す搬送装置などを用いることができる。また、搬送手段fとしては、天井クレーンのように3軸方向に対して熱源物質mを搬送可能な手段を単独で或いは他の手段と組み合わせて用いてもよい。
図5は、熱源物質がコイル状である場合の斜視図であり、この場合には、壁体aが設けられた発電ヤードに対して、熱源物質mを1方向(水平方向)に移送することにより搬入・搬出できる搬送手段fを有している。この場合も、図5(ア)に示すように温度T(又は総熱量T)の先行の熱源物質mが発電ヤードに供給されているものとする。その発電ヤードに対して、温度T(又は総熱量T)の後行の熱源物質mが搬送されてきた場合、T<Tであれば、図5(イ)のように温度T(又は総熱量T)の先行の熱源物質mを発電ヤード外に搬出し、引き続いて温度T(又は総熱量T)の後行の熱源物質mを発電ヤードに搬入する。逆に、T>Tであれば、現状のままで発電を行った方が発電効率が良いので、熱源物質mの入れ替えは行わない。また、T=Tの場合には、先行の熱源物質mと後行の熱源物質mの入れ替えを行ってもよいし、入れ替えを行わなくてもよい。なお、搬送手段fとしては、天井クレーンなどを用いてもよい。
また、本発明では、発電ヤードに搬入される前の複数の熱源物質mの温度又は総熱量をそれぞれ測定し、測定された温度又は総熱量が高い順に熱源物質mを優先的に発電ヤードに搬入するようにしてもよい。この場合には、例えば、保管ヤードに搬入された複数の熱源物質mについて、発電ヤードに搬入される前に温度又は総熱量をそれぞれ測定し、温度又は総熱量が最も高い熱源物質mを搬送手段fにより発電ヤードに優先的に搬入し、熱電発電の熱源として用いる。これを繰り返すことにより、発電ヤードに対する熱源物質mの入れ替えを行う際に、発電ヤードに搬入される前の複数の熱源物質mのなかで温度又は総熱量が最も高い熱源物質mを優先的に発電ヤードに搬入するようにする。
図6及び図7は、本発明の他の実施形態を示す斜視図であり、厚鋼板の連続冷却床に発電ヤードを設けたものである。
図において、2は厚鋼板の連続冷却床であり、この連続冷却床2は厚鋼板を図中矢印方向に移送する移動床20を備えている。3は厚鋼板を搬送するためのテーブルローラーであり、このテーブルローラー3で圧延設備から搬送されてきた厚鋼板が連続冷却床2(移動床20)に装入される。4は連続冷却床2の出側に設けられる発電ヤードであり、下面に複数の熱電素子eが組み込まれた壁体aが、厚鋼板の上面と対面するように、上方に配置されている。また、発電ヤード4に対して厚鋼板を搬入・搬出する搬送手段fとして、横行用チェーン搬送装置などの搬送装置fとパイリングクレーンfが設けられている。
この連続冷却床2では、圧延設備からテーブルローラー3で搬送されてくる厚鋼板m(熱源物質m)が移動床20に移され、移動床20により図中矢印方向に移送されながら冷却される。厚鋼板mは、製造条件に応じて様々なサイズや温度で圧延されるため、移動床20に移された厚鋼板mのうち、サイズが大きく温度が高いものをパイリングクレーンfを用いて発電ヤード4に搬送し、図6に示すように、この厚鋼板mp1を熱源物質として熱電発電を行う。その後、発電ヤード4内の厚鋼板mp1の温度Tと、移動床20に移された後行の厚鋼板mp2の温度Tとの関係がT<Tであれば、図7に示すように、その後行の厚鋼板mp2をパイリングクレーンfを用いて発電ヤード4に搬送し、搬送装置fを利用して厚鋼板mp1と厚鋼板mp2の入れ替えを行い、厚鋼板mp2による熱電発電を行う。
なお、その他の構成や好ましい実施条件などは、さきに図1〜図5に基づいて説明したとおりである。
以上のような本発明の熱電発電方法の実施に供される本発明の設備は、外面に熱電素子eが組み込まれた壁体及び/又は架台aを備えた発電ヤードを設けるとともに、この発電ヤードに対して熱源物質mを搬入・搬出するための搬送手段fを設けた熱電発電設備である。また、搬送手段fは、熱電素子eの発電量が最大となるように、複数の熱源物質mのなかでより高温の熱源物質mを発電ヤードに優先的に搬入できるような設備構成を有するものが好ましい。
この熱電発電装置は、さらに、熱源物質mの外面温度を測定する温度計bと、熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる熱源物質mと壁体aとの距離Xcを求める演算手段cと、該演算手段cで求められた距離Xcの位置に搬送手段fにより熱源物質mを搬送させる制御手段dを備えることができる。
温度計bは、さきに述べた本発明法の各実施形態を実行できるように熱源物質mの外面温度を測定するものであり、発電ヤード内、発電ヤード外の適当な場所に設置される。
図8は、本発明設備の一実施形態を示すもので、c1が演算装置(演算手段c)、d1が搬送手段fの制御装置(制御手段d)である。
温度計bが壁体aに設置され、この温度計bにより測定された熱源物質mの外面温度情報が演算装置c1に出力される。演算装置c1では、この温度情報と予め得られている情報(熱源物質mの有効放熱面積Aなど)に基づき、上述したような手順で距離Xcが求められ、それに対応する信号が制御装置d1に出力される。制御装置d1では、搬送手段fにより壁体aに対して距離Xc(又は限界接近距離X)を隔てた位置に熱源物質を搬入する。
さらに、この熱電発電装置は、上述したような本発明法を実行するために、以下のような構成及び機能を備えることが好ましい。
(i)演算手段cは、熱源物質mの外面温度Tss及び有効放熱面積Aに基づき、壁体aと熱源物質mとの距離Xに応じた熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηを計算により求め、この計算結果から、熱電素子eの発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体aと熱源物質mとの距離Xcを求める機能及びこの機能を実行するための手段を備える。
(ii)演算手段cは、温度計bにより測定される熱源物質mの外面温度に部位による温度分布がある場合、その平均値を熱源物質mの外面温度Tssとして用いる機能及びこの機能を実行するための手段を備える。
(iii)演算手段cは、温度計bにより測定される熱源物質mの外面温度を用いて熱源物質mの総熱量を求める機能及びこの機能を実行するための手段を備える。
(iv)制御手段dは、温度又は総熱量が測定された複数の熱源物質mのなかで温度又は総熱量が高い熱源物質m(通常、温度又は総熱量が最も高い熱源物質m)を選択して発電ヤード内で熱源として用いるための機能及びこの機能を実行するための手段を備える。
図9は、本発明において、発生電力P及び熱電交換効率ηが最大となる熱源物質mと壁体aとの距離Xcを求めるための計算方法をフロー図で示したものである。まず、熱源物質mと熱電素子eとの距離Xを仮定し、これと熱源物質mの外面温度Tss及び寸法・段積み条件に関するInputデータに基づき、さきに述べた熱流束釣り合い式を用いて熱電素子eの高温側温度Thを計算する。ここでは、熱源物質mの外面温度Tssとして、熱源物質外面の平均温度を用いるものとする。熱電素子eの低温側温度Tcは一定に保たれるので、ThとTcの温度差ΔTから発生電力P及び効率ηが算出される。このような計算を、仮定した距離X毎にそれぞれ行い、計算で求められる発生電力P及び効率ηからそれらが最大となる距離Xcを求める。
図10は、熱源物質mの外面温度:700℃、熱源物質サイズ:3m×3m、熱電素子eの受熱面サイズ:0.1m×0.1mとした場合における、熱源物質mと壁体a(熱電素子)との距離Xと発生電力Pとの関係(計算結果)の一例を示したものである。熱電素子はBi−Te系とし、性能指数Zは一般的な文献値と近似するように温度の関数として与えた。また、距離Xが変化する時の放射係数Γhcについては、輻射伝熱に関する形態係数の文献値を用いて計算した。距離Xは、1.1mから0.2mピッチで小さくしたケースを仮定してそれぞれ計算を行っている。図10によれば、発生電力Pは距離X=0.3mで最大化しており、この位置が距離Xcに相当する位置となる。また、図10のグラフ中に、熱電素子eの高温側温度Thを併記した。ここで、限界接近距離Xを、クレーン荷揺れ幅及び熱電素子eの耐熱温度を考慮して、例えばX=0.7m(図中鎖線)に設定した場合、この限界接近距離Xpを超えて熱源物質mを壁体aに接近させないようにする。
a 壁体(又は架台)
b 温度計
c 演算手段
d 制御手段
e 熱電素子
f 搬送手段
搬送装置
パイリングクレーン
m 熱源物質
,mp1,mp2 厚鋼板
c1 演算装置
d1 制御装置
1 本体
2 連続冷却床
3 テーブルローラー
4 発電ヤード
20 移動床

Claims (6)

  1. 熱源物質の廃熱を利用して熱電発電を行う方法において、
    外面に熱電素子(e)が組み込まれた壁体及び/又は架台(a)を備えた発電ヤードを設けるとともに、該発電ヤードに対して熱源物質(m)を搬入・搬出するための搬送手段(f)を設け、該搬送手段(f)により熱源物質(m)を前記発電ヤードに搬入し、壁体及び/又は架台(a)に対して熱源物質(m)を対面させた状態で、熱電素子(e)による熱電発電を行うに際し、
    複数の熱源物質(m)の温度又は総熱量をそれぞれ測定し、測定された温度又は総熱量に応じて熱源物質(m)を発電ヤードに対して選択的に搬入・搬出することで、温度又は総熱量を測定した複数の熱源物質(m)のなかで温度又は総熱量が高い熱源物質(m)が優先的に発電ヤードに供給され、発電ヤード内で熱源として用いるようにする熱電発電方法であって、
    先行の熱源物質(m)が発電ヤードに搬入された状態で、後行の熱源物質(m)が搬送されてきた場合において、先行の熱源物質(m)の温度又は総熱量T と、後行の熱源物質(m)の温度又は総熱量T をそれぞれ測定し、測定された温度又は総熱量T ,T に応じて、下記(ア)及び(イ)の条件で熱電発電を行うことを特徴とする熱電発電方法。
    (ア)T <T の場合には、発電ヤードに対する先行の熱源物質(m)と後行の熱源物質(m)の入れ替え行う。
    (イ)T >T の場合には、そのまま先行の熱源物質(m)を熱源とした熱電発電を継続する。
  2. 熱電素子(e)の発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との距離Xcを求め、壁体及び/又は架台(a)に対して距離Xcをおいた位置で熱源物質(m)を対面させた状態で、熱電素子(e)による熱電発電を行うことを特徴とする請求項1に記載の熱電発電方法。
  3. 壁体及び/又は架台(a)と対面する熱源物質(m)の外面の温度Tss及び有効放熱面積Aに基づき、壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との距離Xに応じた熱電素子(e)の発生電力P又は熱電変換効率ηを計算により求め、この計算結果から、熱電素子(e)の発生電力P又は熱電変換効率ηが最大となる壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との距離Xcを求めることを特徴とする請求項に記載の熱電発電方法。
  4. 温度計により測定される熱源物質(m)の外面温度に部位による温度分布がある場合、その平均値を熱源物質(m)の外面温度Tssとすることを特徴とする請求項に記載の熱電発電方法。
  5. 壁体及び/又は架台(a)と熱源物質(m)との限界接近距離Xを設定し、距離Xcに関わりなく、限界接近距離Xpを超えて熱源物質(m)を壁体及び/又は架台(a)に接近させないことを特徴とする請求項のいずれかに記載の熱電発電方法。
  6. 搬送手段(f)が、水平2軸方向での熱源物質(m)の位置調整機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱電発電方法。
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