[第1実施形態]
図1には、本発明に係るボリュームデータ処理装置としての超音波診断装置の第1実施形態が示されている。図1は、その全体構成を示すブロック図である。この超音波診断装置は医療分野において用いられ、超音波の送受波により生体内の組織の三次元画像を生成する機能を備えている。一例として、画像化の対象となる組織は胎児である。もちろん、他の組織が画像化されてもよい。
プローブ10は超音波を送受波する送受波器である。本実施形態においては、プローブ10は2Dアレイ振動子を有している。2Dアレイ振動子は、複数の振動素子が二次元的に配列されて形成されたものである。この2Dアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、その超音波ビームは二次元的に走査される。これにより、三次元エコーデータ取込空間としての三次元空間12が形成される。または、プローブ10は、1Dアレイ振動子とそれを機械的に走査する走査機構とを内蔵していてもよい。1Dアレイ振動子による超音波ビームの電子走査により走査面が形成され、その走査面を機械的に走査してもよい。このような方式によっても、三次元空間12が形成される。電子走査方式としては、電子セクタ走査、電子リニア走査等が知られている。胎児の超音波診断を行う場合には、プローブ10が母体の腹部表面上に当接され、その状態において超音波の送受波が行われる。
送受信部14は、送信ビームフォーマ及び受信ビームフォーマとして機能する。送信時において、送受信部14は、プローブ10の複数の振動素子に対して一定の遅延関係をもった複数の送信信号を供給する。これにより、超音波の送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波はプローブ10において受波され、これによりプローブ10から送受信部14へ複数の受信信号が出力される。送受信部14では、複数の受信信号に対する整相加算処理が実行され、これにより整相加算後の受信信号としてビームデータが出力される。なお、超音波の送受波において、送信開口合成等の技術が利用されてもよい。
ビームデータに対しては、信号処理部16によって、検波、対数圧縮、座標変換等の信号処理が適用される。信号処理後のビームデータは、3Dメモリ18に格納される。もちろん、そのような処理が行われないビームデータが3Dメモリ18に格納されてもよい。ビームデータの読み出し時に、上記の処理が行われてもよい。
3Dメモリ18は、送受波空間としての三次元空間に対応する記憶空間を有している。3Dメモリ18には、三次元空間12から取得されたエコーデータ集合体としてのボリュームデータが格納される。ボリュームデータは、実際には、複数本のビームデータに対する座標変換及び補間処理により構成されるデータである。ビームデータの読み出し時に、ビームデータに対する座標変換等が行われてもよい。
三次元画像生成部20は、3Dメモリ18からボリュームデータを読み出し、制御部38から与えられたレンダリング条件に従って、三次元関心領域(3D−ROI)内の部分ボリュームデータに対してレンダリング処理を実行する。これにより、三次元画像が生成される。その画像データは表示処理部34に出力される。レンダリング処理としては各種の手法が知られており、様々な手法を採用することができる。例えば、ボリュームレンダリング法等の画像処理法が適用される。
断面画像生成部22は、二次元の断面画像(Bモード断層画像)を生成する機能を備えている。例えば、断面画像生成部22は、ユーザによって任意に設定された断面における断面画像を生成する機能を備えている。具体的には、制御部38から断面画像生成部22に対して任意断面の座標情報等が与えられると、断面画像生成部22は、その任意断面に対応するデータを3Dメモリ18から読み出す。断面画像生成部22は、読み出したデータに基づいて二次元の断面画像を生成する。この画像データは表示処理部34に出力される。なお、断面画像生成部22は、ユーザによって指定された任意の数の断面画像を生成してもよい。
なお、本実施形態では、断面画像生成部22は、二次元の走査面に対する超音波の送受波により取得されたビームデータに基づいて、Bモード断層画像を生成してもよい。
グラフィック画像生成部24は、制御部38から供給されるグラフィック作成用のパラメータに従って、断面画像や三次元画像に対してオーバーレイ表示されるグラフィックデータを生成する。例えば、グラフィック画像生成部24は、三次元関心領域の断面を表すグラフィックデータやカットラインを表すグラフィックデータ等のデータを生成する。このように生成されたグラフィックデータは表示処理部34に出力される。
カット面設定部26は、ボリュームデータに対して変形可能なカット面を設定する。カット面はレンダリング処理の開始面に相当し、画像化対象組織と非対象組織とを分離する機能を有する。カット面を基準にして、手前側の組織(レンダリング処理における投影視点側の組織)は、画像化の非対象組織に相当し、奥側の組織(投影視点とは反対側の組織)は、画像化の対象組織に相当する。カット面は、ユーザのマニュアル操作によって指定されてもよいし、自動的に設定されてもよい。マニュアル設定においては、例えば、ボリュームデータの代表断面を表す画像が表示部36に表示され、その画像上に、三次元関心領域の断面を表すボックスが表示される。そして、ボックスの上辺の形状がユーザによって操作される。ボックスの上辺がカットラインに相当し、そのカットラインに基づいてカット面が形成される。カットラインは、例えば、少なくとも3点に基づいて形成されるスプライン曲線であってもよいし、任意の形状のラインであってもよい。例えば、ユーザが入力部40を利用して断面画像上において少なくとも3点を指定すると、カット面設定部26は、それらの点に基づいてスプライン曲線を生成する。このスプライン曲線がカットラインとして利用される。もちろん、別の手法によってカットラインが生成されてもよい。カット面設定部26は、例えば、カットラインを通る複数のスプライン曲線を生成し、これにより、カット面を生成する。自動設定においては、例えば、ボリュームデータ中の胎児データと子宮壁データとの間の羊水データが検出され、その羊水データの中にカット面が設定される。もちろん、別の手法によってカット面が設定されてもよい。
関心領域設定部28は、カット面を含む三次元関心領域をボリュームデータに対して設定する。三次元画像生成部20は、三次元関心領域内の部分ボリュームデータに対してレンダリング処理を適用する。これにより、三次元関心領域内の三次元画像が生成される。
モデル生成部30は、三次元関心領域の座標情報に基づいて、三次元関心領域を模式的に表す三次元モデルとしての関心領域モデルを生成する。関心領域モデルは、カット面の三次元形状を模式的に表すカット面モデルを含む。また、関心領域モデルは、三次元関心領域における水平面(例えば底面や中間面)の三次元形状を模式的に表す水平面モデルを含んでいてもよい。
カット面画像生成部32は、カット面の全部又は一部に対応する面データをボリュームデータから抽出し、その面データに基づいてカット面画像を生成する。カット面の形状が操作されると、カット面画像生成部32は、その操作によるカット面の形状の変化に応じて、カット面画像の内容を変化させる。カット面画像は、カット面の三次元形状に応じた三次元形状を有している。カット面画像は、カット面の全体を表す画像であってもよいし、カット面上において対象組織を横切った部分を表す画像であってもよい。対象組織は、例えば胎児や子宮壁等である。例えば、カット面画像生成部32は、カット面上の面データから胎児データの一部や子宮壁データの一部を抽出し、抽出されたデータに基づいてカット面画像を生成してもよい。また、カット面画像生成部32は、カット面画像を、三次元関心領域の水平面(例えば底面や中間面)に投影してもよい。これにより、水平面に投影された投影カット面画像が生成される。
表示処理部34は、三次元画像や断面画像やカット面画像等の画像に対して、必要なグラフィックデータをオーバーレイ処理し、これによって表示画像を生成する。表示画像のデータは表示部36に出力され、表示モードに従った表示態様で1又は複数の画像が表示される。例えば、断面画像や三次元画像やカット面画像等の画像がリアルタイムで動画像として表示される。表示部36は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成されている。
本実施形態では、表示処理部34は、関心領域モデルを表示部36に表示させ、その関心領域モデルに組み込まれた態様でカット面画像を表示部36に表示させる。例えば、カット面画像は、関心領域モデル中のカット面モデルに組み込まれた態様で表示される。別の例として、カット面画像は、関心領域モデル中の水平面モデル(例えば底面モデルや中間面モデル)に組み込まれた投影カット面画像として表示される。もちろん、表示処理部34は、カット面画像を関心領域モデルに組み込まずに、カット面画像を表示部36に表示させてもよい。
制御部38は、図1に示されている各構成の動作制御を行っている。制御部38には入力部40が接続されている。入力部40は操作パネルによって構成され、その操作パネルはキーボードやトラックボール等を有するデバイスである。ユーザは入力部40を用いて、三次元関心領域の設定にあたって必要な数値や任意断面の座標等の情報を入力することが可能である。
図2には、断面画像の一例が示されている。断面画像60は、例えば、三次元空間12の中央の走査面における画像である。もちろん、断面画像60は、別の面における画像であってもよい。断面画像60は、例えばXY断面を表す画像であり、その断面画像60内にはグラフィックイメージとしてのボックスSxyが含まれている。このボックスSxyは、三次元関心領域のXY断面を表している。ボックスSxyの上辺は、カットラインLxyである。端点Pa,Pbは、カットラインLxyの両端点に相当する。ボックスSxyの下辺は、三次元関心領域の底面を規定するラインである。断面画像60は、一例として、胎児像62、子宮壁像64及び羊水像66を含む。例えば、断面画像60が表示部36に表示され、ユーザは断面画像60を観察しながら入力部40を利用することにより、カットラインLxyの位置、回転角度、曲率、形状及び長さ等のパラメータを変更することができる。カットラインLxya(破線)は、変更後のカットラインの一例である。また、ユーザは入力部40を利用することにより、端点Pa,PbのX方向及びY方向のそれぞれの位置を変更することができる。端点Pa,Pbの位置を変更することにより、ボックスSxyのX方向の長さ(幅)及びY方向の長さ(高さ)のそれぞれを変更することができる。これにより、三次元関心領域の幅及び高さが変更される。カットラインLxyのパラメータが変更されると、カット面設定部26は、その変更に応じてカット面の形状、位置及びサイズ等を変更する。カット面の形状等が変更されると、関心領域設定部28は、変更後のカット面を有する三次元関心領域を設定する。このように、ユーザの操作によって、三次元関心領域の形状、位置及びサイズ等を変更することができる。なお、ボックス及びカットラインのグラフィックイメージは、グラフィック画像生成部24によって生成される。
図3には、三次元関心領域の一例が示されている。三次元関心領域V1は、データ処理空間上において仮想的に存在する領域である。すなわち、三次元関心領域V1は、レンダリング処理範囲の条件として数値上存在しているだけであり、実際にはそのような形状が生成されるわけではない。ただし、本実施形態の説明にあたっては、その理解を助けるために、三次元関心領域V1を視覚的に認識できる図形であるものとみなす。
図3において、三次元関心領域V1が有する8個の角が、符号a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8で表されている。また、各辺の中点が符号a12,a23,a34,a14,a56,a67,a78,a58で表されている。
図2に示されているボックスSxyは、三次元関心領域V1において、Z方向の中央のXY断面に対応する。従って、図2に示されている断面画像60は、Z方向の中央のXY断面における画像を表していることになる。もちろん、ボックスSxyは、Z方向の中央のXY断面に限定されるものではなく、Z方向の任意の位置の断面に対応していてもよい。ユーザによってその位置が指定されてもよい。例えば、胎児の顔のデータの中心断面等に、その断面が設定されることが想定される。もちろん、これ以外の場所に断面が設定されてもよい。
三次元関心領域V1のX方向、Y方向及びZ方向のそれぞれのサイズは、ユーザが入力部40を利用することによって定められる。例えば、三次元関心領域V1のX方向及びY方向のそれぞれのサイズは、図2に示されているボックスSxyのX方向及びY方向のそれぞれのサイズによって定められる。Z方向のサイズは、入力部40から入力されるパラメータに従って定められる。
例えば、カットラインLxyaがユーザによって指定されたものとする。カットラインLxyaは、中点a14,a23(端点Pa,Pbに相当する点)を結ぶ経路である。カット面設定部26は、例えば、Z方向に平行な辺b2と辺b4との間に、複数のスプライン曲線(例えばスプライン曲線d1,d2,・・・)を順次生成する。具体的には、カット面設定部26は、X方向に平行な辺b1,b3に対して、等間隔で複数の端点c1,c2,c3,c4,・・・を設定し、同様に、カットラインLxya上においても、X方向に等間隔で複数の通過点を設定する。そして、カット面設定部26は、X方向の各位置において、2つの端点と1つの通過点とを用いてスプライン補間演算を行うことにより、スプライン曲線を生成する。図3に示す例では、スプライン曲線d1は、端点c1,c2を結び、カットラインLxya上の通過点を通過する曲線である。また、スプライン曲線d2は、端点c3,c4を結び、カットラインLxya上の通過点を通過する曲線である。そのようなスプライン曲線を、X方向の各位置において生成することにより、結果として曲線アレイが形成され、それによって、カット面70が構成される。カット面70は、実際には、三次元形状データからなる。そして、カット面70を含む三次元関心領域V1がボリュームデータに対して設定される。
なお、上述したカット面生成処理は一例に過ぎない。他の手法によってカット面が生成され、そのカット面を含む三次元関心領域が設定されてもよい。
三次元画像生成部20は、三次元関心領域V1内の部分ボリュームデータに対してレンダリング処理を適用することにより、三次元関心領域V1内の三次元画像を生成する。カット面70がレンダリング開始面に相当する。図3に示す例においては、レンダリング処理における各レイがY方向に沿って設定されており、投影視点はY方向上方である。従って、カット面70を基準にして投影視点側の組織は画像化されず、投影視点とは反対側の組織(三次元関心領域V1内の組織)が画像化される。なお、レンダリング処理にあたっては、各ボクセルデータは、周辺に存在する複数のエコーデータを参照することにより補間処理によって生成される。補間処理を行う場合において、三次元関心領域V1外のデータが参照されることもある。
本実施形態では、モデル生成部30は、三次元関心領域V1を模式的に表す関心領域モデルを生成する。この関心領域モデルには、カット面70を模式的に表すカット面モデルが含まれる。また、関心領域モデルには、三次元関心領域V1の底面(端点a5,a6,a7,a8で規定される面)を模式的に表す底面モデルや、カット面と底面との間の中間面を表す中間面モデルが含まれていてもよい。
また、カット面画像生成部32は、カット面70の全部又は一部に対応する面データをボリュームデータから抽出し、面データに基づいてカット面画像を生成する。カット面画像生成部32は、カット面画像を底面や中間面に投影することにより、投影カット面画像を生成してもよい。
三次元画像及びカット面画像が生成されると、表示部36には、三次元画像及びカット面画像が表示される。
図4には、表示部36に表示される画像の一例が示されている。例えば、複合モデル画像80と三次元画像90とが、並べて表示部36に表示される。複合モデル画像80は、関心領域モデル82とカット面画像88とを含む。関心領域モデル82は、三次元関心領域を模式的に表す三次元モデルである。関心領域モデル82には、三次元関心領域のカット面を模式的に表すカット面モデル84と、三次元関心領域の底面を模式的に表す底面モデル86とが含まれている。カット面画像88は、三次元関心領域のカット面(カット面モデル84によって示されている面)における画像である。図4に示す例では、カット面画像88は、カット面モデル84に組み込まれた態様で表示されている。つまり、カット面画像88は、カット面モデル84上においてカット面モデル84に沿った態様で表示されている。三次元画像90は、関心領域モデル82によって示される三次元関心領域内の三次元画像である。
関心領域モデル82は、三次元関心領域を任意の視点から見たときの画像に相当する。カット面画像88は、その視点からカット面上の像を見たときの画像に相当する。例えば、ユーザは入力部40を利用することにより、その視点を変更することができる。モデル生成部30は、ユーザによって指定された視点から三次元関心領域を見たときの関心領域モデル82を生成する。また、カット面画像生成部32は、ユーザによって指定された視点からカット面を見たときのカット面画像88を生成する。例えば、ユーザによって、関心領域モデル82の回転操作や拡大操作等が行われ、その操作に応じた関心領域モデル82及びカット面画像88が生成されて表示される。
ユーザが入力部40を利用することにより、関心領域モデル82及びカット面モデル84の形状が直接操作されてもよい。例えば、ユーザによってカット面モデル84の形状が操作されると、カット面設定部26は、その形状操作に応じたカット面を設定し、関心領域設定部28は、そのカット面を含む新たな三次元関心領域を設定する。三次元画像生成部20は、その新たな三次元関心領域内の三次元画像を生成する。これにより、三次元画像90が更新される。カット面画像生成部32は、新たなカット面上の面データに基づいてカット面画像を生成する。これにより、カット面画像88が更新される。また、モデル生成部30は、形状操作に応じた三次元関心領域を模式的に表す関心領域モデルを生成する。これにより、関心領域モデル82が更新される。これにより、カット面モデル84も更新される。
以上のように、本実施形態によると、カット面画像88がカット面モデル84に組み込まれた態様で表示される。カット面画像88には、カット面上の組織が表されている。従って、カット面画像88を観察することにより、カット面と実際の組織との対応関係を容易に把握することが可能となる。すなわち、カット面がどの組織をどのように横切っているのかを、より直接的に認識することが可能となる。一般的に、羊水データの輝度は低く、胎児データや子宮壁データの輝度は高い。従って、カット面が羊水データ内に設定されていれば、カット面画像88の輝度が低くなり、カット面が胎児データ内や子宮壁データ内に設定されていれば、カット面画像88の輝度が高くなる。このように、カット面画像88を観察することにより、カット面が横切っている組織を容易に把握することが可能となる。これにより、カット面の良否を判断することが容易となる。
また、三次元画像90とは異なる視点でカット面画像88を表示することにより、カット面上の組織を異なる視点から観察することが可能となる。これにより、三次元画像90のみを観察して三次元関心領域を設定する場合と比べて、カット面の良否の判断が容易となり、適切なカット面の設定が容易となる。
また、カット面画像88や三次元画像90を観察しながらカット面モデル84の形状を直接操作することにより、カット面が適切に設定されているか否かを確認しながら、カット面の形状を操作することが可能となる。カット面と実際の組織との対応関係を容易に把握できるので、カット面の形状を適切な形状に変更することが容易となる。このように、本実施形態によると、手動でのカット面の形状の操作を支援することが可能となる。
図5には、表示部36に表示される画像の別の例が示されている。例えば、複合モデル画像100と三次元画像90とが、並べて表示部36に表示される。複合モデル画像100は、関心領域モデル82と投影カット面画像102とを含む。図5に示す例では、投影カット面画像102は、底面モデル86に組み込まれた態様で表示されている。投影カット面画像102は、三次元関心領域のカット面(カット面モデル84によって示されている面)における画像(カット面画像)が、底面モデル86によって示されている底面に投影された画像である。カット面画像生成部32は、カット面における画像を三次元関心領域の底面に投影し、ユーザによって指定された視点からその底面を見たときの投影カット面画像102を生成する。なお、カット面画像は、底面以外の水平面に投影されて表示されてもよい。例えば、カット面と底面との間に位置する水平面にカット面画像が投影されて表示されてもよい。
ユーザによってカット面モデル84の形状が操作されると、上記のように、新たなカット面及び新たな三次元関心領域が設定される。そして、新たな三次元関心領域内の三次元画像が生成され、三次元画像90が更新される。また、新たなカット面上の面データに基づいてカット面画像が生成され、そのカット面画像に基づいて新たな投影カット面画像が生成される。これにより、投影カット面画像102が更新される。また、形状操作に応じた関心領域モデルが生成され、関心領域モデル82が更新される。
以上のように、投影カット面画像102を表示する場合も、カット面と実際の組織との対応関係を容易に把握することが可能となる。また、カット面画像をカット面モデル84に組み込まずに底面に投影して表示することにより、カット面モデル84が見やすくなるという利点が得られる。これにより、カット面の形状の把握及び操作が容易となる。
図6には、図5に示されている例の変形例が示されている。例えば、複合モデル画像100aと三次元画像90とが、並べて表示部36に表示されている。複合モデル画像100aは、関心領域モデル82と投影カット面画像102とを含む。複合モデル画像100aは、図5に示されている複合モデル画像100とは異なる視点から見たときの画像である。図5に示す例では、カット面モデル84が関心領域モデル82の上面に表示されるように視点が設定されているが、図6に示す例では、カット面モデル84が関心領域モデル82の側面(手前側の側面)に表示されるように視点が設定されている。この場合、カット面における画像は、カット面モデル84に対向する側面モデル86aによって示されている側面(奥側の側面)に投影される。これにより、側面モデル86aに投影カット面画像102が表示される。もちろん、別の視点から見た複合モデル画像が表示されてもよい。例えば、左横の側面(又は右横の側面)にカット面モデル84が表示されるように視点を変更することにより、左横の側面に対向する右横の側面(左横の側面)に、投影カット面画像102が表示される。この視点は、ユーザが任意に変更することができる。
なお、図4に示す例においても、ユーザによって視点が変更されてもよい。例えば、カット面が手前側の側面に表示されるように視点が変更されてもよい。もちろん、任意の位置に視点が設定されてもよい。
図7には、表示部36に表示される画像の別の例が示されている。例えば、カット面画像110と三次元画像90とが、並べて表示部36に表示される。図7に示す例では、関心領域モデルは表示されていない。カット面画像110は、三次元関心領域のカット面における画像である。なお、関心領域モデルが表示されてもよい。この場合、カット面画像110と関心領域モデルとは別々に表示される。
以上のように、カット面画像110を単独で表示した場合も、カット面と実際の組織との対応関係を容易に把握することが可能となる。
[第2実施形態]
図8には、第2実施形態に係る超音波診断装置が示されている。図8は、その全体構成を示すブロック図である。第2実施形態に係る超音波診断装置は、図1に示されている第1実施形態に係る超音波診断装置のカット面画像生成部32の代わりに投影画像生成部42を備えている。投影画像生成部42以外の構成は、第1実施形態に係る超音波診断装置の構成と同じである。以下では、投影画像生成部42の機能について説明する。
投影画像生成部42は、三次元画像生成部20によって生成された三次元画像を、三次元関心領域の水平面(例えば底面や中間面)に投影する。これにより、水平面に投影された投影三次元画像が生成される。
表示処理部34は、関心領域モデルを表示部36に表示させ、その関心領域モデルに組み込まれた態様で三次元画像を表示部36に表示させる。例えば、表示処理部34は、関心領域モデル中の水平面モデル(例えば底面モデルや中間面モデル)に組み込まれた態様で投影三次元画像を表示部36に表示させる。もちろん、表示処理部34は、投影三次元画像を関心領域モデルに組み込まずに表示部36に表示させてもよい。
図9には、表示部36に表示される画像の一例が示されている。例えば、複合モデル画像120と三次元画像90とが、並べて表示部36に表示される。複合モデル画像120は、関心領域モデル82と投影三次元画像122とを含む。図9に示す例では、投影三次元画像122は、底面モデル86に組み込まれた態様で表示されている。投影三次元画像122は、三次元画像90が底面モデル86によって示されている底面に投影された画像である。投影画像生成部42は、三次元画像90を三次元関心領域の底面に投影し、ユーザによって指定された視点からその底面を見たときの投影三次元画像122を生成する。なお、三次元画像は、底面以外の水平面に投影されて表示されてもよい。例えば、カット面と底面との間に位置する水平面に三次元画像が投影されて表示されてもよい。
ユーザによってカット面モデル84の形状が操作されると、上記のように、新たなカット面及び新たな三次元関心領域が設定される。そして、新たな三次元関心領域内の三次元画像が生成され、三次元画像90が更新される。また、新たな三次元画像に基づいて新たな投影三次元画像が生成され、投影三次元画像122が更新される。また、関心領域モデル82も更新される。
以上のように、本実施形態では、互いに視点が異なる2つの画像(三次元画像90及び投影三次元画像122)が表示される。これにより、異なる視点から組織像を観察してカット面の良否を判断することが可能となる。
図10には、図9に示されている例の変形例が示されている。例えば、複合モデル画像120aと三次元画像90とが、並べて表示部36に表示される。複合モデル画像120aは、関心領域モデル82と投影三次元画像122とを含む。複合モデル画像120aは、図9に示されている複合モデル画像120とは異なる視点から見たときの画像である。図9に示す例では、カット面モデル84が関心領域モデル82の上面に表示されるように視点が設定されているが、図10に示す例では、カット面モデル84が関心領域モデル82の側面(手前側の側面)に表示されるように視点が設定されている。この場合、投影三次元画像122は、カット面モデル84に対向する側面モデル86aによって示されている側面(奥側の側面)に投影される。これにより、側面モデル86aに投影三次元画像122が表示される。もちろん、別の視点から見た複合モデル画像が表示されてもよい。例えば、左横の側面(又は右横の側面)にカット面モデル84が表示されるように視点を変更することにより、左横の側面に対向する右横の側面(左横の側面)に、投影三次元画像122が表示される。この視点は、ユーザが任意に変更することができる。
[第3実施形態]
図11には、第3実施形態に係る超音波診断装置が示されている。図11は、その全体構成を示すブロック図である。第3実施形態に係る超音波診断装置は、図1に示されている第1実施形態に係る超音波診断装置の構成に加えて、制御点設定部44を備えている。制御点設定部44以外の構成は、第1実施形態に係る超音波診断装置の構成と同じである。以下では、制御点設定部44の機能について説明する。
制御点設定部44は、関心領域モデル中のカット面モデル上に複数の制御点を設定する。例えば、制御点設定部44は、カット面モデル上に格子を設定し、その格子上の格子点を制御点として設定する。各制御点は等間隔に設定されていてもよいし、非等間隔に設定されていてもよい。または、制御点設定部44は、複数の制御点をランダムに分散して設定してもよい。この制御点は、カット面の形状をユーザが操作するために用いられる。
表示処理部34は、関心領域モデルを表示部36に表示させ、関心領域モデル中のカット面モデル上に複数の制御点を表示させる。
ユーザが入力部40を利用して制御点を指定すると、制御部38は、指定された制御点の座標情報を断面画像生成部22に出力する。断面画像生成部22は、指定された制御点の位置に対応する断面における断面画像を生成する。表示処理部34は、その断面画像を表示部36に表示させる。また、表示処理部34は、ユーザによって指定された制御点をその断面画像上に表示させる。この制御点に基づいてカットラインが規定される。例えば、ユーザが入力部40を利用することにより、断面画像上に表示された制御点の位置を変更すると、カット面設定部24は、変更後の制御点に基づいてカットラインを生成し、そのカットラインに基づいてカット面を設定する。このように、制御点を利用することにより、カットラインの形状及び位置が変更され、そのカットラインに基づくカット面の形状が変更される。すなわち、制御点の操作によって、カット面の形状を操作することが可能となる。
図12には、表示部36に表示される画像の一例が示されている。例えば、複合モデル画像130と三次元画像140とが、並べて表示部36に表示される。複合モデル画像130は、関心領域モデル132と投影カット面画像138とを含む。関心領域モデル132は、カット面モデル134及び底面モデル136を含む。投影カット面画像138は、カット面(カット面モデル134によって示されている面)における画像(カット面画像)が、底面モデル136によって示されている底面に投影された画像である。カット面モデル134上には複数の制御点(例えば制御点P1〜P4)が表示されている。例えば、カット面モデル134上に格子が表示され、格子点が制御点として表示される。なお、4個の制御点が表示されているが、この数は一例に過ぎない。5個以上又は3個以下の制御点が設定されて表示されてもよい。制御点P1〜P4の間隔は等間隔であってもよいし、非等間隔であってもよい。三次元画像140は、関心領域モデル132によって示されている三次元関心領域内の三次元画像である。
例えば、ユーザが入力部40を利用して制御点P1を指定すると、制御部38は、指定された制御点P1の座標情報を断面画像生成部22に出力する。断面画像生成部22は、制御点P1の位置に対応する断面における断面画像を生成する。図13には、この処理の具体例が示されている。例えば、断面画像生成部22は、制御点P1を含むXY断面(符号Sxyaで示されている断面)に対応するデータを3Dメモリ18から読み出し、そのデータに基づいて断面画像を生成する。そして、表示処理部34は、その断面画像を表示部36に表示させる。なお、断面画像生成部22は、制御点P1を含むYZ断面又はZX断面における断面画像を生成してもよいし、制御点P1を含む任意断面における断面画像を生成してもよい。
図14には、表示部36に表示される画像の一例が示されている。例えば、断面画像150と三次元画像140とが、並べて表示部36に表示される。断面画像150は、制御点P1を含む断面における画像である。一例として、断面画像150は、制御点P1を含むXY断面における画像である。カット面モデル134上で制御点P1が指定されると、表示処理部34は、複合モデル画像130に代えて断面画像150を表示部36に表示させる。断面画像150は、一例として、胎児像62、子宮壁像64及び羊水像66を含む。断面画像150内にはグラフィックイメージとしてのボックスSxyaが含まれている。このボックスSxyaは、三次元関心領域において制御点P1を含むXY断面を表している。ボックスSxyaの上辺は、カットラインLxyb(破線)である。カットラインLxybは、形状操作前の現状のカット面に含まれ、制御点P1を通るラインである。つまり、制御点P1を通るXY断面で現状のカット面を切断したときに形成されるラインが、カットラインLxybに対応する。なお、ボックス及びカットラインのグラフィックイメージは、グラフィック画像生成部24によって生成される。
また、断面画像150と共に、複合モデル画像152が表示部36に表示されてもよい。この複合モデル画像152は、例えば、図12に示されている複合モデル画像130の縮小画像である。
ユーザが入力部40を利用して制御点P1の位置を変更すると、カット面設定部26は、変更後の制御点P1に基づいてカットラインを形成する。例えば、カット面設定部26は、変更後の制御点P1及び端点Pa,Pbに基づいてスプライン曲線を形成する。このスプライン曲線が新たなカットラインとして利用される。図14に示す例では、制御点P1が上方(矢印の方向)に移動され、これにより、新たなカットラインLxycが形成される。カット面設定部26は、そのカットラインLxycに基づいて新たなカット面を形成する。このように、ユーザによってカット面の形状が操作される。
カット面の形状が操作されると、関心領域設定部28は、形状操作後のカット面を含む新たな三次元関心領域をボリュームデータに設定する。三次元画像生成部20は、その三次元関心領域内の部分ボリュームデータに対してレンダリング処理を適用する。これにより、新たな三次元画像が生成される。また、モデル生成部30は、新たな三次元関心領域を模式的に表す関心領域モデルを生成する。その関心領域モデルは、形状操作後のカット面を模式的に表すカット面モデルを含む。また、カット面画像生成部32は、形状操作後のカット面に対応する面データをボリュームデータから抽出し、その面データに基づいてカット面画像を生成する。
カット面の形状操作が終了すると、表示処理部34は、断面画像150に代えて、新たな複合モデル画像を表示部36に表示させる。例えば、カットラインの形状操作が終了すると、カット面の形状操作が終了する。図15には、カット面が操作された後の画像が示されている。三次元画像142は、新たな三次元関心領域内の部分ボリュームデータに基づいて生成された画像である。複合モデル画像160は、関心領域モデル162と投影カット面画像168とを含む。関心領域モデル162は、カット面モデル164及び底面モデル166を含む。カット面モデル164は、ユーザ操作後のカット面を模式的に表すモデルである。投影カット面画像168は、ユーザ操作後のカット面(カット面モデル164によって示されている面)における画像(カット面画像)が、底面モデル166によって示されている底面に投影された画像である。カット面モデル164上には制御点P1〜P4が表示されている。そして、制御点P1〜P4の中からユーザによって制御点が指定されると、指定された制御点を含む断面における断面画像が表示され、その断面画像上において、カットラインの形状を操作することが可能となる。
以上のように、本実施形態によると、制御点の操作によってカット面の形状を操作することが可能となる。また、投影カット面画像及び三次元画像を観察しながら、カット面モデル上で、カット面の形状を変更したい箇所を指定することが可能となる。これにより、適切な変更箇所を指定することが可能となり、その指定も容易である。また、指定された制御点を含む断面における断面画像が表示され、その断面画像上でカットラインの形状を操作することができる。これにより、断面画像及び三次元画像を観察しながら、カットラインの形状を適切な形状に変更することが可能となる。これにより、カット面の形状を適切な形状に変更することが可能となる。投影カット面画像、断面画像及び三次元画像を観察することにより、カット面と実際の組織との対応関係を容易に把握できるので、カット面の形状を適切な形状に変更することが容易となる。また、カットラインの形状操作に応じて、三次元画像、投影カット面画像及び関心領域モデルが更新される。その形状操作が画像に反映されるので、更新後の画像を観察することにより、カット面の良否の判断が容易となり、カット面の形状を適切な形状に容易に変更することが可能となる。
例えば、投影カット面画像及び三次元画像を観察することにより、カット面が胎児データ内又は子宮壁データ内に設定されている箇所を容易に特定することができる。そして、カット面モデル上で、その箇所に対応する制御点を指定すると、その箇所を含む断面における断面画像が表示される。その断面画像を観察することにより、その箇所において、カットラインが羊水像内に設定されるように、カットラインの形状を容易に変更することが可能となる。これにより、当初は、カット面が胎児データ内又は子宮壁データ内に設定されていた箇所において、カット面を羊水データ内に容易に設定することが可能となる。そして、カット面が胎児データ内又は子宮壁デーに設定されている箇所を対象にして、制御点によってカット面の形状を操作することにより、羊水データ内にカット面を容易に設定することが可能となる。
本実施形態では、底面に投影カット面画像138が組み込まれている。これにより、カット面上に表示されている制御点がユーザにとって見やすいという利点がある。もちろん、カット面モデル134にカット面画像が組み込まれてもよい。または、中間面モデルに投影カット面画像が組み込まれてもよい。
また、図6に示されている複合モデル画像100aに制御点を表示して、この画像を利用してカットライン及びカット面の形状を指定してもよい。もちろん、カット面モデルが他の側面(例えば右側の側面)に表示されるように視点を設定し、その状態で制御点を表示してもよい。
なお、三次元画像140上に制御点が表示されてもよい。この場合において、三次元画像140上の制御点がユーザによって操作されることにより、カット面の形状が操作されてもよい。
また、第2及び第3実施形態を組み合わせてもよい。つまり、関心領域モデルに三次元画像を組み込むとともに、制御点によってカット面の形状を操作できるようにしてもよい。この場合、投影三次元画像が関心領域モデルに組み込まれた態様で表示される。図16には、その表示例が示されている。例えば、複合モデル画像170と三次元画像140とが、並べて表示部36に表示される。複合モデル画像170は、関心領域モデル172と投影三次元画像178とを含む。図16に示す例では、投影三次元画像178は、底面モデル176に組み込まれた態様で表示されている。投影三次元画像178は、三次元画像140が底面モデル176によって示されている底面に投影された画像である。また、カット面モデル174上には制御点P1〜P4が表示されている。ユーザによって制御点が指定されると、その制御点を含む断面における断面画像が表示され、その断面画像上において、カットラインの形状を操作することが可能となる。これにより、カット面の形状が操作される。なお、投影三次元画像は、カット面モデルに組み込まれた態様で表示されてもよいし、カット面と底面との間の中間面のモデルに組み込まれた態様で表示されてもよい。
また、図10に示されている複合モデル画像120aに制御点を表示して、この画像を利用してカットライン及びカット面の形状を指定してもよい。もちろん、カット面モデルが他の側面(例えば右側の側面)に表示されるように視点を設定し、その状態で制御点を表示してもよい。
[第4実施形態]
図17には、第4実施形態に係る超音波診断装置が示されている。図17は、その全体構成を示すブロック図である。第4実施形態に係る超音波診断装置は、図1に示されている第1実施形態に係る超音波診断装置の構成に加えて、横断部分検出部46を備えている。横断部分検出部46以外の構成は、第1実施形態に係る超音波診断装置の構成と同じである。以下では、横断部分検出部46の機能について説明する。
横断部分検出部46は、カット面における特定組織の横断部分を検出する。特定組織は、例えば胎児や子宮壁等である。例えば、横断部分検出部46は、カット面上の面データをボリュームデータから抽出し、その面データの輝度値に基づいて胎児データの一部又は子宮壁データの一部を抽出する。または、横断部分検出部46は、三次元ラベリング処理を適用することによりボリュームデータから胎児データを抽出し、その胎児データとカット面との交差を判定してもよい。
カット面画像生成部32は、横断部分検出部46によって検出された横断部分を表す参照画像を生成する。この参照画像は、カット面における特定組織の横断部分を表しており、カット面画像の一部に相当する。つまり、参照画像は、カット面上の一部のデータを表す画像である。参照画像(カット面上の一部のデータ)は、特定組織のデータに連なる部分データそれ自体であってもよいし、その部分の存在を示す人工的なマークであってもよい。具体的には、参照画像は、胎児データに連なる胎児部分データ(例えば鼻、手、足等のデータ)それ自体であってよいし、胎児部分を示す人工的マークであってもよい。
表示処理部34は、参照画像を表示部36に表示させる。例えば、表示処理部34は、関心領域モデルに組み込まれた態様で参照画像を表示部36に表示させる。参照画像は、カット面モデルに組み込まれた態様で表示されてもよいし、水平面モデル(例えば底面モデルや中間面モデル)に組み込まれた投影画像として表示されてもよい。もちろん、表示処理部34は、参照画像を関心領域モデルに組み込まずに表示部36に表示させてもよい。
次に、図18から図20を参照して、具体例を挙げて第4実施形態に係る処理について説明する。図18には、三次元関心領域の一例が示されている。三次元関心領域V2は、カット面180を有する。三次元関心領域V2内には、特定組織データとしての胎児データ190が含まれている。胎児データ190とカット面180とは交差しており、胎児データ190中の一部のデータ(鼻データ192a、腕データ192b及び足データ192c)がカット面180によってカットされている。この場合、横断部分検出部46は、カット面180における胎児データの横断部分を検出する。カット面画像生成部32は、その横断部分を表す参照画像を生成する。
図19には、参照画像の一例が示されている。例えば、複合モデル画像200が表示部36に表示される。複合モデル画像200は、関心領域モデル202と三次元画像206と参照画像208a,208b,208cとを含む。関心領域モデル202は、三次元関心領域V2を模式的に表す三次元モデルである。関心領域モデル202には、三次元関心領域V2のカット面180を模式的に表すカット面モデル204と、三次元関心領域V2の底面を表す底面モデルとが含まれている。三次元画像206は、三次元関心領域V2内の部分ボリュームデータ(胎児データ)に基づいて生成された画像である。なお、三次元画像206が表示される代わりに、胎児を人工的に表す三次元のマークが表示されてもよい。参照画像208a,208b,208cはそれぞれ、カット面180上の胎児データであり、カット面モデル204に組み込まれた態様で表示されている。参照画像208aは、カット面160上の鼻の断面像を表している。参照画像208bは、カット面160上の腕の断面像を表している。参照画像208cは、カット面160上の足の断面像を表している。なお、参照画像208a,208b,208cは、カット面180上の胎児の一部を人工的に表すマークであってもよい。
図20には、参照画像の別の表示例が示されている。例えば、複合モデル画像210が表示部36に表示される。複合モデル画像210は、関心領域モデル202と参照画像208a,208b,208cとを含む。図20に示す例では、三次元画像が表示されておらず、参照画像208a,208b,208cがカット面モデル204に組み込まれた態様で表示されている。この場合も、参照画像208a,208b,208cは、カット面180上の胎児の一部を人工的に表すマークであってもよい。
なお、参照画像208a,208b,208cは、関心領域モデル202の底面モデルや中間面モデルに投影されてもよい。または、参照画像208a,208b,208cは、関心領域モデル202とは別にして表示されてもよい。
以上のように、本実施形態によると、カット面における特定組織(例えば胎児)の横断部分が検出され、その横断部分を表す参照画像が表示される。その参照画像を観察することにより、カット面が特定組織を横断しているのか否かの把握が容易となる。これにより、カット面の良否の判断が容易となる。
なお、図19及び図20に示す例において、図6及び図10に示す例と同様に、カット面モデル204が手前側の側面や横側の側面に表示されるように視点が設定されてもよい。この場合、複合モデル画像200が回転された状態で表示されることになる。
また、第3及び第4実施形態を組み合わせてもよい。つまり、関心領域モデルに参照画像を組み込むとともに、制御点によってカット面の形状を操作できるようにしてもよい。例えば、図19及び図20に示す例において、カット面モデル204上に複数の制御点が表示され、ユーザによって制御点が指定されると、その制御点を含む断面における断面画像が表示される。その断面画像上においてカットラインの形状が操作され、操作後のカットラインに基づいて新たなカット面が設定される。
図1,8,11,17に示されているプローブ10以外の構成は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源を利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、プローブ10以外の構成は、例えばコンピュータによって実現されてもよい。つまり、コンピュータが備えるCPUやメモリやハードディスク等のハードウェア資源と、CPU等の動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により、プローブ10以外の構成の全部又は一部が実現されてもよい。当該プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、図示しない記憶装置に記憶される。別の例として、プローブ10以外の構成は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。