JP5973880B2 - コンベヤベルトおよびコンベヤベルト装置 - Google Patents
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Description
そこで、カバーゴムの表面の摩耗量に応じた磁石部材の長さの減少量を大きくするため、前記側面視において、磁石部材の傾斜部がカバーゴムの裏面に対して傾斜する傾斜角度を可能な限り小さくした構成を採用することが考えられる。
そのため例えば、磁石部材の耐摩耗性が、カバーゴムの耐摩耗性に比べて低い場合、傾斜部の露出面が摩耗し易くなり、カバーゴムの表面が摩耗されていないにも関わらず、傾斜部が摩耗されて磁石部材の長さが小さくなることがある。さらに例えば、磁石部材の耐摩耗性が、カバーゴムの耐摩耗性に比べて高い場合、傾斜部の露出面が摩耗し難くなり、カバーゴムの表面が摩耗されているにも関わらず、傾斜部が摩耗されずに磁石部材の長さが小さくならないことがある。
これらの場合、磁気センサの検出結果に基づいて求められたカバーゴムの摩耗量と、実際の摩耗量と、の間に差異が生じ易く、これらの摩耗量を精度良く求めることができなくないという問題がある。
本発明に係るコンベヤベルトは、表面に搬送物が積載される帯状のカバーゴムと、前記カバーゴムに埋設され、このコンベヤベルトをベルト厚さ方向から見た平面視においてベルト長手方向に連続して延在する磁石部材と、を備えるコンベヤベルトであって、前記磁石部材には、板厚方向に磁化されるとともに表裏面がベルト厚さ方向を向く板状に形成され、このコンベヤベルトをベルト幅方向から見た側面視において、前記カバーゴムの裏面に対して傾斜する一対の傾斜部が備えられ、これらの両傾斜部は、ベルト長手方向にずらされて配置されるとともに、ベルト長手方向に対向し合い、前記両傾斜部のうち、ベルト長手方向に沿って一方側に位置する第1傾斜部は、ベルト長手方向に沿って前記一方側から他方側に向かうに従い漸次、ベルト厚さ方向に沿って前記カバーゴムの表面側から裏面側に向かって延在し、前記両傾斜部のうち、ベルト長手方向に沿って前記他方側に位置する第2傾斜部は、ベルト長手方向に沿って前記他方側から前記一方側に向かうに従い漸次、ベルト厚さ方向に沿って前記カバーゴムの前記表面側から前記裏面側に向かって延在していることを特徴とする。
このように、カバーゴムの表面の摩耗が大きく進行した状態で、カバーゴム内に連結部を残存させることができる。したがって、カバーゴムの表面の摩耗が大きく進行した状態で、コンベヤベルトがベルト長手方向に走行するときであっても、磁気センサにより、連結部からの磁界を検出することが可能になり、カバーゴムの表面の摩耗量を確実に求めることができる。
また磁石部材に、前記連結部が備えられているので、第1傾斜部、第2傾斜部および連結部を、例えば板状に形成された1つのゴム磁石などにより形成することが可能になり、コンベヤベルトの製造を簡便にすることもできる。
図1から図4に示すように、コンベヤベルト装置10は、コンベヤベルト11と、磁気センサ12と、処理部13と、を備えている。
カバーゴム14は、例えば硫黄加硫可能なゴム材料などで、無端帯状に形成されている。前記ゴム材料として、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等を、単独でまたは混合して使用してもよい。
第1傾斜部17において、ベルト長手方向Lに沿って一方側に位置する一端部17aは、このコンベヤベルト11の使用開始時に、カバーゴム14の表面14aから露出している。第1傾斜部17において、ベルト長手方向Lに沿って他方側に位置する他端部17bは、前記抗張体16に、ベルト厚さ方向Tに沿ってカバーゴム14の表面14a側から近接もしくは当接している。
第2傾斜部18において、ベルト長手方向Lに沿って他方側に位置する他端部18aは、このコンベヤベルト11の使用開始時に、カバーゴム14の表面14aから露出している。第2傾斜部18において、ベルト長手方向Lに沿って一方側に位置する一端部18bは、前記抗張体16に、ベルト厚さ方向Tに沿ってカバーゴム14の表面14a側から近接もしくは当接している。
第1傾斜部17のベルト厚さ方向Tに沿った大きさと、第2傾斜部18のベルト厚さ方向Tに沿った大きさと、は互いに同等とされている。第1傾斜部17のベルト厚さ方向Tの位置と、第2傾斜部18のベルト厚さ方向Tの位置と、も互いに同等とされている。第1傾斜部17における他端部17bのベルト厚さ方向Tの位置と、第2傾斜部18における一端部18bのベルト厚さ方向Tの位置と、は互いに同等とされている。
前記側面視において、第1傾斜部17がカバーゴム14の裏面14bに対して傾斜する傾斜角度θ1と、第2傾斜部18がカバーゴム14の裏面14bに対して傾斜する傾斜角度θ2と、は互いに異なっており、第1傾斜部17の前記傾斜角度θ1が、第2傾斜部18の前記傾斜角度θ2よりも小さくなっている。
コンベヤベルト11の表面14aにおいて、第1傾斜部17の磁界の極性と、第2傾斜部18の磁界の極性と、連結部19の磁界の極性と、は、互いに同じである。
このように、カバーゴム14の表面14aの摩耗に伴って両傾斜部17、18が徐々に摩耗される。しかしながら、カバーゴム14の表面14aの摩耗が大きく進行しても、第1傾斜部17の他端部17bおよび第2傾斜部18の一端部18bが摩耗されるまでは、カバーゴム14内に連結部19が残存する。
コンベヤベルト11がベルト長手方向Lに走行する過程で、磁石部材15が磁気センサ12上を通過するときには、磁気センサ12が、磁石部材15からの磁界を、磁石部材15のベルト長手方向Lの全長にわたって連続して検出する。磁気センサ12の検出結果は、図5に示すグラフのように、磁石部材15からの磁界の時間変化パターンP0、P1として表される。図5に示すグラフは、時間の経過に伴う磁気センサ12の出力値の変化を表している。横軸は、磁気センサ12により磁界を検出した時間(s)を示し、縦軸は、磁気センサ12の出力値(V)を示している。磁気センサ12の出力値は、磁気センサ12により検出された磁界の強さを表している。
一定期間使用されたコンベヤベルト11は、カバーゴム14の表面14aが摩耗された摩耗状態とされている。摩耗状態のコンベヤベルト11では、カバーゴム14の表面14aが摩耗に伴って、磁石部材15のベルト長手方向Lに沿った長さが小さくなっており、磁石部材15からの磁界の強さが弱くなる。したがって、摩耗状態の磁界の時間変化パターンP1がなす波形状の幅および高さはそれぞれ、未摩耗状態の時間の時間変化パターンP0がなす波形状の幅および高さよりも小さくなる。
磁界の強さの閾値tは、例えば事前に摩耗試験などを実施することにより設定される。磁界の強さの閾値tは、例えば磁石部材15のうち、第1傾斜部17の他端部17b、第2傾斜部18の一端部18bおよび連結部19のみがカバーゴム14内に残存した状態で検出される磁界の強さと同等の値などであってもよい。
磁界の時間変化パターンP0、P1についての閾値tでの波形幅W0、W1とは、磁界の時間変化パターンP0、P1において、磁界の強さが閾値tを上回る時刻から、その後に磁界の強さが閾値tを下回る時刻までの時間である。
換算関数としては、例えば波形幅W0、W1の比W1/W0と、摩耗量T1と、の相関関係を示す関数などが挙げられる。換算関数は、例えば事前試験やシミュレーションなどにより求められる。
まず、コンベヤベルト11がベルト長手方向Lに走行する過程で、磁石部材15が磁気センサ12上を通過するときに、磁石部材15からの磁界を磁気センサ12により検出する。そして処理部13が、磁気センサ12の検出結果を、摩耗状態の磁界の時間変化パターンP1として取得して、前記摩耗量の算出方法により、カバーゴム14の表面14aの摩耗量T1を算出する。
なお、磁気センサ12による磁界の検出は、磁石部材15が磁気センサ12上を通過する度に毎回行ってもよく、複数回に一回行ってもよい。
また磁石部材15に、前記連結部19が備えられているので、第1傾斜部17、第2傾斜部18および連結部19を、例えば本実施形態のように、板状に形成された1つのゴム磁石などにより形成することが可能になり、コンベヤベルト11の製造を簡便にすることもできる。
例えば、スクレーパ21a、幅方向ガイド22および厚さ方向ガイド23はなくてもよい。さらに例えば処理部13は、前記実施形態に示した構成に限られない。
さらに前記実施形態では、第1傾斜部17のベルト厚さ方向Tに沿った大きさと、第2傾斜部18のベルト厚さ方向Tに沿った大きさと、は互いに同等とされているものとしたが、これに限られず、互いに異なっていてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、前記側面視において、第1傾斜部17がカバーゴム14の裏面14bに対して傾斜する傾斜角度θ1と、第2傾斜部18がカバーゴム14の裏面14bに対して傾斜する傾斜角度θ2と、は互いに異なっているものとしたが、これに限られず、同等であってもよい。
11 コンベヤベルト
12 磁気センサ
13 処理部
14 カバーゴム
14a 表面
14b 裏面
15 磁石部材
17 第1傾斜部
17b 第1傾斜部の他端部
18 第2傾斜部
18b 第2傾斜部の一端部
19 連結部
Claims (3)
- 表面に搬送物が積載される帯状のカバーゴムと、
前記カバーゴムに埋設され、このコンベヤベルトをベルト厚さ方向から見た平面視においてベルト長手方向に連続して延在する磁石部材と、を備えるコンベヤベルトであって、
前記磁石部材には、板厚方向に磁化されるとともに表裏面がベルト厚さ方向を向く板状に形成され、このコンベヤベルトをベルト幅方向から見た側面視において、前記カバーゴムの裏面に対して傾斜する一対の傾斜部が備えられ、
これらの両傾斜部は、ベルト長手方向にずらされて配置されるとともに、ベルト長手方向に対向し合い、
前記両傾斜部のうち、ベルト長手方向に沿って一方側に位置する第1傾斜部は、ベルト長手方向に沿って前記一方側から他方側に向かうに従い漸次、ベルト厚さ方向に沿って前記カバーゴムの表面側から裏面側に向かって延在し、
前記両傾斜部のうち、ベルト長手方向に沿って前記他方側に位置する第2傾斜部は、ベルト長手方向に沿って前記他方側から前記一方側に向かうに従い漸次、ベルト厚さ方向に沿って前記カバーゴムの前記表面側から前記裏面側に向かって延在していることを特徴とするコンベヤベルト。 - 請求項1記載のコンベヤベルトであって、
前記第2傾斜部において前記一方側に位置する一端部は、前記第1傾斜部において前記他方側に位置する他端部よりも、前記他方側に位置し、
前記第1傾斜部における前記他端部のベルト厚さ方向の位置と、前記第2傾斜部における前記一端部のベルト厚さ方向の位置と、は互いに同等とされ、
前記磁石部材には、板厚方向に磁化されるとともに表裏面がベルト厚さ方向を向く板状に形成され、前記第1傾斜部の前記他端部と、前記第2傾斜部の前記一端部と、を連結する連結部が備えられていることを特徴とするコンベヤベルト。 - 請求項1記載のコンベヤベルトと、
前記カバーゴムの表面に対向して配置され、前記磁石部材からの磁界を検出する磁気センサと、
前記磁気センサの検出結果に基づいて、前記カバーゴムの表面の摩耗量を求める処理部と、を備えていることを特徴とするコンベヤベルト装置。
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