JP5972053B2 - イオン性高分子を利用した土壌浸食防止方法 - Google Patents

イオン性高分子を利用した土壌浸食防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、土壌の飛散を防止し、かつ降雨や浸水による土壌浸食を防止する土壌浸食防止方法に関する。
廃棄物処理場や工場の跡地、また事後等による有害物質の漏洩により一時的に土壌が汚染されてしまうことがある。重金属や有害な有機物質等の汚染物質により土壌が汚染された場合は、すみやかにその土壌の除染作業を行なう必要がある。しかし、この除染作業を行なうまでの間に放置された土壌は、その表面部分から土砂などの粒状の粒子が風などによって飛散し、近隣地域に土壌と共に汚染物質が飛散してしまう問題がある。また、草や木の生えていない裸地や斜面の場合は降雨や浸水により土壌が浸食されやすく、有害物質を拡散させてしまう危険性が高い。
このような汚染された土壌に関しては、除染作業を完了するまでの間、風などによる土壌の飛散、降雨や浸水による土壌浸食を防止しなければならない。汚染の範囲が狭い場合ではブルーシートで覆うなどの簡易な方法を取ることができるが、範囲が広大でかつ危険性が高く長期に作業できないような環境においては土壌を固定化する方法が有効である。そこで、水性エマルジョン等を土壌表面に散布し固化させて土壌の飛散防止を行なう方法が知られている(特許文献1)。この方法では散布後は土壌表面を強固に固めることができ土壌の飛散防止効果を有するが、降雨や浸水により高分子成分が少しずつ流されてしまい、長期間の土壌固定化を達成することが困難であった。除染作業に大きな時間を要する場合は、長期間土壌を固定化する必要がある為、土壌飛散防止機能を有しかつ降雨や浸水による土壌浸食を防止できる薬剤が強く望まれている。
非特許文献1では、適切な塩濃度の水溶液中で正電荷をもつポリカチオンと負電荷をもつポリアニオンと溶解させたポリイオンコンプレックスを土壌に散布する方法が開示されているが、固定化強度で必ずしも満足する結果が得られているわけではなく、ポリイオンコンプレックス溶液を調製するのに時間を要し作業効率が低下するといった課題がある。
特開2004−8897号公報 「ポリイオンコンプレックスを固定化剤として用いる土壌表層の放射性セシウムの除去」、日本原子力学会和文論文誌、Vol.10、No.4、p.227−234(2011)
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、長期間に渡り土壌の飛散を防止し、かつ降雨や浸水による土壌の浸食を防止することができる土壌浸食防止方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定のイオン性高分子から選択される2種類のイオン性高分子と無機塩類を含有する混合溶液を土壌表面に散布することにより、課題を達成できることがわかり、本発明に到達した。
本発明の土壌浸食防止方法によれば、長期間土壌を安定に固定化することができる為、風による飛散を防止し、かつ降雨や浸水による土壌浸食を防止することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の土壌浸食防止方法で利用するイオン性高分子は特定のイオン性高分子とカチオン性高分子あるいは重縮合系高分子を組み合わせたものであり、両方の高分子を無機塩類を含む水溶液に混合し、その混合溶液を土壌表面に散布することを特徴とする。
本発明で使用するイオン性高分子は、一般式(1)で表されるアニオン性単量体を2〜100モル%、共重合可能な非イオン性単量体0〜98モル%含有する単量体あるいは単量体混合物を重合した共重合体である。
一般式(1)
は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
前記一般式(1)で表されるアニオン性単量体としては、スルホン酸基含有単量体でも良いが、好ましくはカルボキシル基含有単量体あるいはカルボキシル基含有単量体を主体とした単量体混合物が適する。カルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。さらにこのアニオン性高分子は、他の非イオン性単量体との共重合体でも良い。例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられ、これら水溶性アニオン性単量体から選択された一種以上と非イオン性単量体から選択された一種以上との共重合体である。最も好ましい組み合わせとしては、アクリル酸及びアクリルアミドである。又、カチオン性単量体との共重合体であっても良く、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの塩などの三級アミノ基含有カチオン性単量体や、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体が挙げられる。その他、アリルアミン、ジアリルメチルアミンおよびこれらの塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等も挙げられる。
アニオン性単量体の共重合モル比は、2〜100モル%であり、好ましくは5〜80モル%である。さらに共重合可能な水溶性非イオン性単量体の共重合モル%としては0〜98モル%であり、好ましくは20〜95モル%である。
本発明のイオン性高分子のアニオン性基は、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質で中和してもよいが、未中和の方が好ましい。
本発明のイオン性高分子の製品形態は、油中水型エマルジョン、粉末、塩水中分散液など特に限定はないが、特に好ましい形態は、塩水中分散液タイプである。塩水中分散液タイプは、無機塩類を含有する水溶液中に可溶な高分子分散剤を共存させ、攪拌下、分散重合して得られた重合体微粒子の分散液である。塩水中分散液タイプは酸性から中性域においては水に不溶となっていることが特徴である。
上記分散重合して得られた重合体微粒子の分散液は、製品粘度が油中水型エマルジョン、粉末に比べて低く、溶解液粘度も極めて低くなる。例えば、アニオン性単量体未中和で塩水溶液中において重合した分散液を1.0質量%に水で希釈した分散液粘度は、4mPa・s(pH3.2)である。そのため、カチオンポリマーを混合しても粘性が低く安定した分散液状態であるため散布、浸透が良好であり、最大限の効果を発揮することができる。
塩水溶液を形成するに使用する無機塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどとの塩であるが、多価アニオンとの塩がより好ましい。特に好ましいのは硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムなどニ価アニオン塩である。これら塩類の塩濃度としては、7質量%〜飽和濃度まで使用できる。
塩水溶液に可溶な高分子分散剤としては、非イオン性あるいはイオン性高分子のいずれでも使用可能であるが、イオン性高分子のほうがより好ましい。
高分子分散剤として利用するアニオン性高分子の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸スチレンスルホン酸あるいはそれらの塩などのアニオン性単量体の(共)重合体である。さらに非イオン性の単量体であるアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのなどとの共重合体も使用可能である。その他、アニオン変性ポリビニルアルコール、スチレン/無水マレイン酸共重合物、ブテン/無水マレイン酸共重合物、あるいはそれらの部分アミド化物である。最も好ましいイオン性高分子は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸重合物である。
高分子分散剤として利用するカチオン性高分子としては、(メタ)アクリル系カチオン性単量体、たとえば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの無機酸や有機酸の塩、あるいは塩化メチルや塩化ベンジルによる四級アンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体である。例えばカチオン性単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などがあげられ、これら単量体重合物あるいは共重合物、または非イオン性単量体との共重合体でも良い。またジメチルジアリルアンモニウム塩化物重合体などジアリルアミン系(共)重合体でも使用できる。
上記高分子分散剤として利用するイオン性高分子の分子量としては、5、000から300万、好ましくは5万から150万である。また、非イオン性高分子分の分子量としては、1,000〜100万であり、好ましくは1,000〜50万である。これら高分子分散剤の単量体に対する添加量は、1/100〜30/100であり、好ましくは5/100〜20/100である。
本発明においては、適宜複数のビニル基を有する単量体を共存させ架橋あるいは分岐重合体とすることができる。そのようは複数のビニル基を有する多官能性単量体の例として、メチレンビスアクリルアミドやエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。またN、N−ジメチルアクリルアミドあるいはN、N−ジエチルアクリルアミドのような熱架橋性単量体なども使用することができる。
重合時の温度は5〜75℃であり、好ましくは15〜45℃である。75℃より高くすると重合の制御は難しく、急激な温度上昇や重合液の塊状化などが起きて、安定な分散液は生成しない。
重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物である。
本発明で使用するカチオン性高分子は、一般式(2)あるいは(3)で表される単量体を必須として含有する重合体である。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。

一般式(3)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
前記一般式(2)あるいは(3)で表されるカチオン性単量体のうち三級アミノ基含有カチオン性単量体の例としてはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの塩などが挙げられる。また四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体の例としては(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。また、アリルアミン、ジアリルメチルアミンおよびこれらの塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等があげられる。これらのカチオン性水溶性単量体を複数組み合わせて使用することも可能である。
上記カチオン性高分子の変わりに重縮合系高分子を利用してもよく、その例としてモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどとエピクロロヒドリンとの縮合物、あるいは、上記脂肪族アミン/エピクロロヒドリン縮合物をさらにエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンあるいはヘキサメチレンジアミンと縮合させたものなどが挙げられる。更にその他のカチオン性高分子として、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアミジンなどを利用しても良い。
本発明においては、土壌へ散布することを目的に、イオン性高分子とカチオン性高分子を無機塩類を含有する水溶液中で混合する必要がある。ここで使用する無機塩類としては、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられるが、特に好ましいのは硫酸アンモニウムである。
上記混合溶液に含まれるイオン性高分子とカチオン性高分子の総含有量は、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.5〜6質量%、さらに好ましくは1〜4質量%である。含有量が大きすぎると溶液の粘性が大きく土壌への浸透性が悪くなり、含有量が小さすぎると土壌固定化の強度が小さくなってしまう。また、無機塩類の含有量は0.1〜5質量%であり、好ましくは0.5〜3質量%である。
上記混合溶液の粘度は1〜100mPa・s(B型粘度計により25℃で測定)の範囲内であることが望ましく、さらに好ましくは1〜30mPa・sの範囲である。粘度が大きすぎる場合は土壌へのしみ込みが悪くなり、土壌固定化の強度が小さくなってしまう。
本発明のイオン性高分子混合水溶液の土壌への散布方法は特に限定されず、シャワーノズル、噴霧器、散水器等を用い、従来公知の方法で散布することができる。また、散布時の作業性や散布効率等を考慮して、必要に応じてさらに水で希釈して用いてもよい。
以下、本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明する。
(合成例1)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:109.2g、60%アクリル酸:22.7g、50%アクリルアミド:80.7g、硫酸アンモニウム64.0g、及び15質量%水溶液のアクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩重合体(分子量:30万)18.0g(対単量体5質量%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.2質量%のペルオキソ二硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.2質量%水溶液をそれぞれこの順で0.675g(対単量体、250ppm)添加し重合を開始させた。開始剤添加2時間後、反応物液の粘性が、やや上昇したがそれ以上増加せず、重合開始後6時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品を試作1とする。この試作1のアクリル酸/アクリルアミドのモル比は25/75であり、粘度は470mPa・sであった。
(合成例2)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:107.3g、60%アクリル酸:45.4g、50%アクリルアミド:65.6g、硫酸アンモニウム64.0g、20質量%水溶液のアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド重合体(分子量:約80万)15.0g(対単量体5質量%)、及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合物(分子量:12万)を8.6g添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.2質量%のペルオキソ二硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.2質量%水溶液をそれぞれこの順で0.675g(対単量体、250ppm)添加し重合を開始させた。開始剤添加2時間後、反応物液の粘性が、やや上昇したがそれ以上増加せず、重合開始後6時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品を試作2とする。この試作2のアクリル酸/アクリルアミドのモル比は55/45であり、粘度は500mPa・sであった。
(試料1〜15)
イオン性高分子として、合成例1、2で得られた試作1あるいは2を用い、カチオン性高分子および無機塩類を混合した土壌固定化水溶液試料1〜15を調製し表1に示した。含有量は水溶液試料中のそれぞれの質量%を表す。土壌固定化水溶液試料1〜15を用いて、後述の項目を評価した。
(表1)
(比較試料1〜5)
表2に示す土壌固定化水溶液比較試料1〜5を調製した。含有量は水溶液試料中のそれぞれの質量%を表す。土壌固定化水溶液比較試料1〜5を用いて、後述の項目を評価した。
(表2)
水分を4%程度含有する砂を半径7cm、高さ3cmのポリプロピレン製容器に550g敷き詰め、砂表面に表1で示す土壌固定化水溶液試料1〜15を均等に散布した。その後、50℃の乾燥機で24時間乾燥させ、固化した砂を容器から取り出し土壌固定化サンプルとした。土壌固定化サンプルを以下に記載の方法にて各項目の評価を4段階で評価した。結果を表3に示す。
(土壌固定化水溶液の土壌へのしみ込みやすさの評価)
土壌固定化水溶液を砂表面に散布した時のしみ込みの様子を下記4段階で評価した。
1:すみやかに土砂にしみ込んだ
2:少し時間をかけて土砂にしみ込んだ
3:しみ込みにかなりの時間を要した
4:ほとんどしみ込まなかった
(固定土壌の固化評価)
容器から取り出した時の土壌固定化サンプルの固化の様子を4段階で評価した。
1:ほとんど崩れずに固化していた
2:少し崩れた部分があったが大部分は固化していた
3:半分がくずれてしまった
4:大部分がくずれてしまった
(固定土壌の耐水性評価)
土壌固定化サンプルの上部より水をシャワーにて20L/分で20分間散布し、土壌表面の様子を4段階で評価した。
1:ほとんどひびがはいらなかった
2:少しひび割れが発生したが崩れなかった
3:ひび割れが発生し、半分以上が崩壊した
4:大部分が崩壊した
(固定土壌の耐候性評価)
土壌固定化サンプルを屋外に1ヶ月程度放置し、その様子を4段階で評価した。
1:ほとんど崩れずに元の形を維持していた
2:少し崩れた部分があったが大部分は元の形を維持していた
3:半分が崩れてしまった
4:大部分が崩れてしまった
(比較例)
水分を4%程度含有する砂を半径7cm、高さ3cmのポリプロピレン製容器に550g敷き詰め、砂表面に表2で示す土壌固定化水溶液試料1〜5を均等に散布した。その後、50℃の乾燥機で24時間乾燥させ、固化した砂を容器から取り出し土壌固定化サンプルとした。土壌固定化サンプルを実施例1と同様に各項目の評価を4段階で評価した。結果を表3に示す。
(表3)
実施例1及び比較例の結果から次のことが分かる。すなわち、表3に示すように、土壌固定化水溶液のしみ込みに関しては、試料1〜15及び比較試料1、2、5のように粘度が小さいものは良好であった。しかし、比較試料3、比較試料4のように粘度が大きいものはほとんどしみ込まず、砂表面に溜まる様子がみられた。この結果から、散布する土壌固定化水溶液の粘度は30mPa・s以下に調整することが必要であることがわかる。
固定土壌の様子に関しては、比較試料2〜4は簡単に崩れてしまった。この結果より、土壌固定化水溶液のしみ込み易さが重要であり、また、比較試料2のようにしみ込みやすくても高分子の分子量が小さいものは固化強度が小さいことが分かった。
固化した土砂の耐水性に関しては、試料1〜15は良好な結果が得られたが、比較試料1〜5は散水により崩れる部分が多かった。実施例では乾燥過程でイオン性高分子とカチオン性高分子がイオンコンプレックスを形成し不溶性のゲルを形成しており、散水による高分子の流出があまり起こらない。比較試料1〜5は、散水により高分子成分が水と共に流れ、崩れやすくなっている。
固化した土砂の耐候性に関しては、試料1〜15が良好な結果が得られたが、比較試料1〜5は大部分が崩れてしまった。この結果より、本発明の土壌浸食防止方法を利用することで、長期間土壌を安定に固定化することができる為、風による飛散を防止し、かつ降雨や浸水による土壌浸食を防止することができる。

























Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるアニオン性単量体を2〜100モル%、共重合可能な非イオン性単量体0〜98モル%を含有する単量体あるいは単量体混合物を塩水溶液中に可溶な高分子分散剤を共存させ、攪拌下、分散重合して得られた重合体微粒子の分散液であるイオン性高分子と、下記一般式(2)あるいは(3)で表される単量体を必須として含有するカチオン性高分子あるいは重縮合系高分子として、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンとエピクロロヒドリンとの縮合物から選択される1種以上、あるいはポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアミジンから選択される1種以上および無機塩類を含有する混合水溶液を土壌表面に散布することを特徴とする土壌浸食防止方法。
    一般式(1)
    ここでRは水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす
    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記一般式(1)のアニオン性単量体が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸またはこれらの塩から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の土壌浸食防止方法。
  3. 前記イオン性高分子のアニオン性基が未中和であることを特徴とする請求項1あるいはに記載の土壌浸食防止方法。
  4. 請求項1に記載のカチオン性高分子が、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミド−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミド−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アクリルアミド−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド共重合体から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の土壌浸食防止方法。
  5. 請求項1に記載の無機塩類が硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の土壌浸食防止方法。
  6. 請求項1に記載の混合水溶液の粘度が1〜30mPa・s(B型粘度計により25℃で測定)であることを特徴とする請求項1に記載の土壌浸食防止方法。
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