JP5971616B2 - 硬質材料、硬質材料の製造方法、切削工具及び摩擦撹拌接合用ツール - Google Patents
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Description
本発明の硬質材料は、硬質相を主体とする硬質材料であり、この硬質相は第一硬質相を含む。その第一硬質相は、WCからなるコアと、Ni基耐熱合金で構成されて、前記コアを覆うシェルとを有する。
本発明の硬質材料の製造方法は、硬質相を含む硬質材料を作製する硬質材料の製造方法であって、次の工程を備える。
準備工程:硬質相を主体とする原料粉末を準備する。
混合工程:原料粉末を混合して混合粉末とする。
成形工程:混合粉末を所定の圧力にて圧縮して成形体を得る。
焼結工程:成形体を所定の温度にて焼結する。
この製造方法において、前記準備工程における硬質相は第一硬質相を含み、その第一硬質相は、WCからなるコアと、前記コアの外周に成膜されたNi基耐熱合金からなるシェルとを有する。そして、前記混合工程は、前記シェルを損傷しないように、粉砕メディアを用いることなく前記原料粉末を混合する。
本発明の切削工具は、鋼の高速加工に用いられる切削工具であって、その少なくとも一部が上述した本発明に係る硬質材料からなる基材から構成される。さらに、この基材を覆う硬質被覆を備えてもよい。
本発明の摩擦撹拌接合用ツールは、鋼の接合に用いられる摩擦撹拌接合用ツールであって、その少なくとも一部が上述した本発明に係る硬質材料から構成される。さらに、この硬質材料を覆う硬質被覆を備えてもよい。
本発明の硬質材料は、図1(A)にその一例を示すように、硬質相10の粉末を結合相20で結合した焼結体で構成される。この硬質材料の主たる特徴は、その硬質相の材質と構造にある。具体的には、コア11の外周をシェル12で覆ったコアシェル構造の第一硬質相粒子10Aを硬質相10に含み、コア11の材質をWCとし、シェル12の材質をNi基耐熱合金としている。この硬質材料は、結合相20を含まず、硬質相10のみからなる場合もある。以下、この硬質材料、その製造方法、並びに硬質材料を用いた切削工具、硬質材料を用いた摩擦撹拌接合用ツールを順次詳しく説明する。
{硬質相}
硬質相は、コアシェル構造の第一硬質相を含み、必要に応じて、第一硬質相とは異なる第二硬質相を含む。
本発明における第一硬質相のコアシェル構造は、原料粉末の段階でWCのコアにNi基耐熱合金のシェルを被覆したコアシェル構造の複合粒子を用いる。
コアは、コアシェル構造の硬質相の中心部を構成し、十分な硬度を備えることで、主に硬質材料の耐摩耗性の向上に寄与する機能を有する。
コアの材質はWCとする。WCでコアを構成することで、硬質材料として十分な硬度を確保できることに加え、硬質材料の熱伝導率の確保にも寄与する。
コアの平均粒径は1μm以上5μm以下とすることが好ましい。硬質相の粒径が小さいと、粒界が多くなるため、硬質材料の熱伝導率が低下する。そのため、コアの平均粒径を1μm以上とすれば、硬質材料の熱伝導率の向上効果が得られ易い。また、このようなサイズのコア粒子は製造し易い。特に、硬質材料の高熱伝導化を考慮すると、この平均粒径は1.5μm以上、さらには2μm以上とすることが好ましい。一方、コアの平均粒径の上限は5μm程度である。コアの平均粒径が5μm以下であれば、高強度の硬質材料が得られ易いからである。この平均粒径は、焼結後の硬質材料に対して切断面を平面研削後に鏡面研磨して、走査型電子顕微鏡(SEM)で写真撮影を行い、フルマンの式を用いて算出した値である。この明細書における他の粒子の平均粒径も同様に測定される。なお、本発明の硬質材料におけるコアの平均粒径(焼結後の平均粒径)は、後述するように粉砕メディアを用いない混合方法を経て製造されるため、原料粉末におけるコア粒子の平均粒径がほぼ維持されている。
シェルは、コアの外周を覆い、硬質材料の靭性を確保すると共に、硬質材料中に高耐塑性変形性の骨格を形成することを主たる機能とする。
シェルがNi基耐熱合金からなることにより、硬質材料中に優れた耐塑性変形性を有するNi基耐熱合金骨格のネットワークを形成し易く、硬質材料の耐塑性変形性を高めることができ、従来の超硬合金の欠点である1000℃近辺の温度域における耐塑性変形性の低さを改善できる。また、シェルがNi基耐熱合金であることにより、鉄族金属との濡れ性に優れるため、結合相原料として鉄族金属を用いると焼結性が向上して緻密な焼結体を得ることができ、耐欠損性に優れた硬質材料とできる。鉄族金属の結合相を用いた場合、Ni基耐熱合金からなるシェルは、硬質材料の組織をEDXマッピングなどすれば、構成元素の濃淡から結合相と区別することができる。また、結合相原料を用いない場合でも、シェルを構成するNi基耐熱合金の優れた焼結性により、緻密な焼結体を得ることができる。
Ni基耐熱合金で構成されるシェルの平均厚みは0.01〜1μm程度であることが好ましい。これは、平均厚みが0.01μm以上であればシェルを耐塑性変形性に優れる骨格として硬質材料を高耐塑性変形化する効果が得られ易く、1μm以下であればシェルに亀裂が生じ難く、硬質材料の耐塑性変形性を向上させる効果を維持しやすいためである。特に、硬質材料の高耐塑性変形化の効果を顕著にするには、シェルの平均厚みを0.01μm以上、0.1μm以下とすることが好ましく、シェルの亀裂をより確実に抑制するには、シェルの平均厚みを1μm以下、特に0.3μm以下とすることが好ましい。この平均厚みの測定は、硬質材料の切断面を集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)加工して、透過型電子顕微鏡(TEM)で写真撮影を行い、複数の第一硬質相粒子における10点以上の測定点のシェルの厚みを平均することにより行う。
第二硬質相は、第一硬質相以外の硬質相であり、その材質、配合量などに応じて、硬質材料の耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐欠損性などの特性を改善する機能を有する。例えば、図1(B)に示すように、第二硬質相を含む硬質材料は、第一硬質相粒子10Aと第二硬質相粒子10Bが混在して結合相20で結合された構造となる。
第二硬質相の材質としては、周期表4,5,6族元素から選ばれる少なくとも一種の金属元素とC及びNの少なくとも一種の元素との化合物、即ち、上記金属元素の炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種が利用できる。特に、WC及びTiCNの少なくとも一方が好適に利用できる。第二硬質相としてWC及びTiCNの少なくとも一方を含むと硬質材料の耐熱衝撃性、耐摩耗性をさらに高めることができる。また、第二硬質相としてTaCとNbCの少なくとも一方を含むと鋼に対する耐反応性を向上でき、ZrC、ZrCN、及びZrNの少なくとも一種を含むと高温での硬質材料の強度を向上させることができる。その他、第二硬質相として、Cr3C2及びMo2Cの少なくとも一方を含むと焼結性を高めることができる。
WCとWC以外の材料を含む場合、第二硬質相全体に占めるWCの含有量を50質量%以上とすることが耐熱衝撃性(耐欠損性)の向上の点で好ましい。
第二硬質相の構造は、単相構造のものが一般的であるが、従来のサーメットに含まれる有芯構造であっても構わない。その具体例としては、内芯部が実質的にTi(C,N)からなり、周辺部が、(Ti,W,Mo)(C,N),(Ti,W,Nb)(C,N),(Ti,W,Mo,Nb)(C,N),(Ti,W,Mo,Nb,Zr)(C,N)等からなる有芯構造が挙げられる。
第二硬質相の平均粒径は、0.1〜4μm程度が好ましい。0.1μm以上の平均粒径とすることで、原料粉末を扱い易く、工業的に入手可能だからである。また、4μm以下の平均粒径とすることで、硬質材料の強度や耐摩耗性を確保し易いからである。特に、第一硬質相の粒径よりも第二硬質相の粒径を小さくした場合には、第一硬質相の粒子間に第二硬質相を介在させ易く、硬質相の充填率を高めることで耐摩耗性や耐塑性変形性を向上させ易いからである。
硬質相(第二硬質相がある場合は第二硬質相も含む)の含有量は、硬質材料全体に対して90質量%以上100質量%以下とすることが好ましい。硬質相を90質量%以上、特に95質量%以上、より好ましくは97質量%以上含有することで、硬質材料の強度や耐摩耗性を確保し易い。硬質相の含有量は100質量%であっても構わない。硬質相のみからなり結合相を含まない硬質材料であっても、第一硬質相がNi基耐熱合金のシェルを備えるため、焼結体とすることができる。硬質相の含有量が100質量%の硬質材料は、特に耐塑性変形性に優れる。
《材質》
結合相は必要に応じて含有されることで硬質相の粒子を結合する材料で、鉄族金属が好ましい。特に、CoとNiの少なくとも一方は硬質相と濡れ性が高く好ましい。結合相がCoを主体とすると特に焼結性が向上し、焼結体を緻密とし易く、強度、破壊靱性を向上できる。一方、Niは耐食性に優れる。また、結合相中にはW、Cr、Ru、Cなど、硬質相の構成元素が固溶していても構わない。特にW、Cr、Ruの少なくとも一種の固溶量が多いと結合相が固溶強化され、硬質材料の靭性を向上できて好ましい。
結合相は、硬質材料全体に対して0.5質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。結合相の含有量が多いほど硬質材料の靱性や焼結性が高くなる傾向があるが、特に耐塑性変形性を要求する用途、具体的には鋼の摩擦撹拌接合用途では結合相は3質量%以下であることが好ましい。
本発明の硬質材料は、代表的には、原料粉末の準備→混合→成形→焼結・冷却という工程を経て製造される。必要に応じて、焼結後に別途熱処理を施しても良い。
準備工程では、硬質相を主体とする硬質相粉末を準備する。その硬質相粉末には第一硬質相粉末が含まれる。その際、必要に応じて、第二硬質相粉末と結合相粉末の少なくとも一方の原料粉末を準備する。第一硬質相粉末以外の原料粉末の多くは、例えば市販品を利用することができるため、以下の説明は主に第一硬質相粉末を得る方法について述べる。
上述した各原料粉末は、適宜な混合手段でできるだけ均一に混合して混合粉末とされる。この混合工程においては、第一硬質相のコアシェル構造を損傷しないように原料粉末を混合することが重要である。つまり、この混合工程では、シェルに亀裂が生じたり、剥離が生じたりすることのないような混合手段を選択する。具体的には、例えば、原料粉末にエタノールやアセトンなどの有機溶媒を合わせてスラリーとし、このスラリーに超音波を照射しながら、粉砕メディアを用いることなく混合する。この混合方法によれば、原料粉末を実質的に粉砕することなく、かつシェルを損傷させることなく原料粉末を混合することができる。
混合工程で得られた混合粉末の成形は、混合粉末を金型に充填し、所定の圧力で所定の形状に成形する。成形方法としては、乾式加圧成形法、冷間静水圧成形法、射出成形法、押出成形法などが挙げられる。この成形時の圧力は、50〜200MPa程度が好ましい。また、成形体の形状は、求められる製品の形状に応じて、過度に複雑形状とならないような適宜な形状を選択する。最終的な製品形状へは、必要に応じて、仮焼後もしくは焼結後に適宜な機械加工を行えばよい。
成形体の焼結は、液相の生じる温度域で成形体を所定時間保持して行うことが好適である。焼結温度は1300℃以上1600℃以下程度が好ましい。焼結温度を高くし過ぎると、硬質相を構成する粒子が成長し易い。保持時間は0.5時間以上2.0時間以下程度、特に1.0時間以上1.5時間以下程度が好ましい。加熱時の雰囲気は、窒素,アルゴンなどの不活性ガス雰囲気又は真空(0.1〜0.5Pa程度)とすることが好ましい。また、焼結工程において、焼結温度を所定の時間保持して加熱した成形体を冷却する際、真空、又はアルゴン(Ar)といった不活性ガス雰囲気で冷却することが好ましい。
焼結後の焼結体に対し、溶体化処理や時効硬化処理を行っても良い。溶体化処理は800〜1500℃×5分〜2時間、時効硬化処理は500〜1000℃×1時間〜50時間行う。この熱処理を行うことで、硬質材料の組織制御を行い、強度や硬さを向上させることができる。
本発明の硬質材料を用いた切削工具は、例えば図2に示すように、基材110と、基材110を覆う硬質被覆120とを備える。図2では、切削工具の上面がすくい面、左斜面が逃げ面で、両面の稜線部が切刃である。
この切削工具では、基材全体を上述した本発明の硬質材料で構成し、基材110の全面を硬質被覆120で覆っている。但し、本発明の硬質材料で構成する箇所は、少なくとも切削に関与する領域、つまり切刃とその近傍を含む切刃周辺領域であればよい。切刃周辺領域は、逃げ面摩耗、クレータ摩耗が生じ易い領域や、切り屑が接触する領域をも含む。
この切削工具は、基材110の少なくとも切刃周辺領域に硬質被覆120を備えていることが好ましい。硬質被覆を設けることで、より高い耐摩耗性を得ることができる。
本発明の硬質材料を用いた摩擦撹拌接合用ツール30は、図3に例示するように、軸部30Sと、軸部30Sの先端から突出したプローブ30Pとを備える。軸部30Sは、図示しない回転機構に支持される棒状部材であり、回転機構を駆動することで回転する。一方、プローブ30Pは、軸部30Sよりも細径の棒状部材であって、摩擦撹拌接合を行う際に、接合対象の接合界面に圧接される箇所である。このプローブ30Pは、軸部30Sに一体に設けられていても良いが、軸部30Sに対して着脱自在に形成されていても良い。後者の場合、例えば、ネジ嵌合により軸部30Sにプローブ30Pを固定するネジ止め方式や、軸部30Sの凹部にプローブ30Pを押し込んで固定するセルフグリップ方式とすることが挙げられる。本例では、軸部30Sとプローブ30Pを一体の基材31として本発明の硬質材料で構成し、その基材31の外周全体に硬質被覆32を形成している。この硬質被覆32の材質や厚さには、上述した切削工具の硬質被覆120と同様の材質や厚さが利用できる。
コア粉末として平均粒径3μmのWC粉末を準備し、その粉末をステンレス製容器に装入して真空引きした後、容器を回転させながら、Arガスを流し、組成が質量%でNi-10Cr-3Mo-15Co-5.5Al-4.7Ti-0.18CのNi基耐熱合金(IN100相当材)のターゲットを用いて、圧力3Paの条件でWC粉末の各粒子(コア)に平均厚み0.08μmのNi基耐熱合金(シェル)を被覆して複合粉末(耐熱シェル付きWC)とする。この被覆粉末のシェルの平均厚みはコアの平均粒径の約2.7%である。シェルの平均厚みはTEMにより測定できる。作製したコアシェル構造を有する複合粉末にCo、WC、TiCN、TaC、NbC、TaNbC、Cr3C2、ZrCなどの原料粉末を添加して、複合粉末のシェルを壊さないように混合する。具体的には、粉砕メディアを用いずに超音波を用いてエタノール中で原料粉末を混合し、コアシェル構造の粒子を用いた発明品1-1〜1-8と、コアシェル構造の粒子を用いていない比較品1-1〜1-4の混合粉末を作製する(表1参照)。なお、コアシェル構造の粒子を用いない比較品のNi基耐熱合金の原料粉末にはアトマイズ法で作製した平均粒径100μmの合金粉末を使用する。発明品の混合粉末は樟脳とエタノールを用いて造粒する。比較品の混合粉末はエタノール中でボールミルを用いて48時間、粉砕・混合し、得られた混合粉末を樟脳とエタノールを用いて造粒する。発明品及び比較品の造粒された各混合粉末を1ton/cm2(約98MPa)の圧力でプレス成型して成形体とする。その後、室温から1200℃の温度範囲において25Torr(約3.3kPa)の水素ガスを導入し、最高温度1410℃、1時間保持の条件で真空下にて成形体を焼結して、焼結体を得る。さらに、その焼結体を熱間静水圧プレス装置を用いて、アルゴン雰囲気中にて100MPaの圧力下で、1380℃、1時間保持して緻密化させた。焼結体の組成はほぼ原料粉末の配合組成と一致していることをEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)にて確認できる。
試験例1と同様にして、コア粉末の平均粒径、並びにシェルの平均厚みが異なるコアシェル構造の複合粉末を準備する。シェルの組成は質量%でNi-10Cr-3Mo-15Co-5.5Al-4.7Ti-0.18CのNi基耐熱合金(IN100相当材)である。その複合粉末のコアの平均粒径(d)、シェルの平均厚み(t)、厚みtの平均粒径dに対する比率(厚み/径)を表3に示す。これらの複合粉末が87.9質量%、WCが10質量%、Cr3C2が0.1質量%、Coが2質量%の組成となるように、試験例1と同様に混合粉末を作製し、続いて同様にプレス成型、焼結、機械加工を行い、摩擦撹拌用ツールの基材31を作製する。この基材は、図3に示すように、略円柱形状の軸部30Sと、その軸部30Sの先端中央部に軸部30Sと同心状に突設された略円柱形状のプローブ30Pとを有する。軸部は直径10mm、高さ20mmであり、プローブ30Pは直径4mm、高さ0.7mmである。さらに、試験例1と同様にして、基材31にPVD法でAlTiCrSiN膜(硬質被覆32)を平均厚み5μmに被覆して摩擦撹拌接合用ツールとし、耐欠損性テスト及び耐塑性変形性テストを行う。テストは鋼板として板厚2mmの980MPa級超高張力鋼とし、回転数1000rpm、1.3tonの押込み荷重、押込み時間3秒の点接合条件とする。耐欠損性テストは欠損するまでの寿命、耐塑性変形性テストは250点加工時点でのプローブ長の減少量で評価を行う。測定は50点おきに行う。
表5に示すように、試験例1の発明品1-1と同様の製造条件でシェルの組成と厚みが異なる発明品3-1、3-2、3-3、3-4と比較品3-1、3-2を作製する。シェルの組成の異なる粒子は、シェルを被覆するときに用いるターゲットの組成を変更することで得られる。発明品3-1〜3-4はNi基耐熱合金製ターゲットを用い、比較品3-1、3-2は耐熱合金でない合金ターゲットを用いた。発明品3-1はInconel625相当材、発明品3-2はUdimet520相当材、発明品3-3はD979相当材、発明品3-4はIN738相当材である。これら発明品3-1〜3-4、比較品3-1、3-2の摩擦撹拌接合用ツールに対して、試験例2と同様にして、耐欠損性テスト及び耐塑性変形性テストを行う。
11 コア 12 シェル
20 結合相
30 摩擦撹拌接合用ツール 30S 軸部 30P プローブ
31 基材 32 硬質被覆
110 基材 120 硬質被覆
Claims (13)
- 硬質相を主体とする硬質材料であって、
前記硬質相は第一硬質相を含有し、
その第一硬質相は、
WCからなるコアと、
Niを主成分とし、Cr:2〜30質量%を必須で、Co:1〜30質量%、及びW:0.5〜5.0質量%の少なくとも一種を含むNi基耐熱合金で構成されて、前記コアを覆うシェルとを有する硬質材料。 - さらに鉄族金属を含む結合相を含有する請求項1に記載の硬質材料。
- さらに前記硬質相は第二硬質相を含有し、
その第二硬質相は、周期表4,5,6族元素から選ばれる少なくとも一種の金属元素とC及びNの少なくとも一種の元素との化合物からなり、
硬質材料全体に対する第二硬質相の含有量が5〜70質量%である請求項1又は請求項2に記載の硬質材料。 - 前記結合相の含有量が3質量%以下である請求項2に記載の硬質材料。
- 前記コアの平均粒径は1μm以上5μm以下である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の硬質材料。
- 前記シェルの平均厚みは、前記コアの平均粒径の3%未満である請求項1から請求項5いずれか一項に記載の硬質材料。
- 硬質相を含む硬質材料を作製する硬質材料の製造方法であって、
前記硬質相として第一硬質相の原料粉末を準備する準備工程と、
前記原料粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を所定の圧力にて圧縮して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を所定の温度にて焼結する焼結工程とを備え、
前記準備工程における第一硬質相は、WCからなるコアと、Niを主成分とし、Cr:2〜30質量%を必須で、Co:1〜30質量%、及びW:0.5〜5.0質量%の少なくとも一種を含むNi基耐熱合金で構成されて、前記コアの外周に成膜されたシェルとを有し、
前記混合工程は、粉砕メディアを用いることなく前記原料粉末を混合する硬質材料の製造方法。 - 前記準備工程では、さらに前記硬質相として第二硬質相の原料粉末も準備し、前記第二硬質相は、周期表4,5,6族元素から選ばれる少なくとも一種の金属元素とC及びNの少なくとも一種の元素との化合物からなり、
前記混合工程は、第一硬質相の原料粉末と第二硬質相の原料粉末とを混合する請求項7に記載の硬質材料の製造方法。 - 前記準備工程では、さらに鉄族金属を含む結合相の原料粉末も準備し、
前記混合工程は、硬質相の原料粉末と結合相の原料粉末とを混合する請求項7又は請求項8に記載の硬質材料の製造方法。 - 前記シェルは、前記準備工程において物理蒸着法により前記コアの外周に成膜される請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の硬質材料の製造方法。
- 前記物理蒸着法はスパッタ法であり、
この方法のターゲットにはNi基耐熱合金を用いる請求項10に記載の硬質材料の製造方法。 - 鋼の高速加工に用いられる切削工具であって、
少なくとも一部が請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の硬質材料からなる切削工具。 - 鋼の接合に用いられる摩擦撹拌接合用ツールであって、
少なくとも一部が請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の硬質材料からなる摩擦撹拌接合用ツール。
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