JP5843171B2 - 硬質材料、及び切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼や鋳鉄、焼結合金などの金属材料の切削に好適な硬質材料、及びその硬質材料を用いた切削工具に関する。
従来、鋼や鋳鉄、焼結合金を切削するための硬質材料としては超硬合金、或いはそれらの表面にセラミックスの硬質被覆を設けた被覆超硬合金が知られている。超硬合金は強度と破壊靱性に優れ、熱伝導率にも優れているため、鋼や鋳鉄の粗加工や断続切削などに用いる切削工具に適している。
超硬合金の主要原料であるタングステンは原料供給の地域偏在性が高く、供給リスクが懸念されるため、タングステンの使用量を削減し、かつ超硬合金の代替となり得る硬質材料の開発が望まれている。特許文献1には、Tiの炭化物及びTiの炭窒化物の少なくとも一方からなるコアと、WCで構成されてコアを覆うシェルとを有するコアシェル構造の硬質相を備える硬質材料が開示されている。この硬質材料は、硬質相と鉄族金属を含む結合相とを含む原料粉末を混合し、所定の圧力にて圧縮して成形体とし、その成形体を焼結することで製造される。
特開2013−14792号公報
しかし、硬質材料中にWCによる熱伝導パスを形成させ、硬質材料の耐熱衝撃性を向上させるにあたり、原料粉末にコアシェル構造の硬質相を用いただけでは、十分とは言い難いことがある。例えば、コアの組成や、シェルの被覆厚みによっては、焼結過程において、WCが溶解してしまい、熱伝導パスを形成できない場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、超硬合金の代替となり得る耐熱衝撃性を備える硬質材料を提供することにある。また、本発明の別の目的は、耐熱衝撃性に優れる切削工具を提供することにある。
本発明の硬質材料は、硬質相と、鉄族金属を主成分とする結合相とを備える硬質材料である。前記硬質相は、Wを除く周期表4,5,6族元素及びSiから選択される一つ以上の元素を含有する炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種で構成されるコアと、WCで構成されて、前記コアを覆うシェルとを有する。前記結合相は、V及びCrの双方を含有する。
本発明の硬質材料は、耐熱衝撃性に優れる。
実施形態に係る硬質材料の組織の一例を示す模式図である。 実施形態に係る切削工具の切刃近傍を示す模式断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態の硬質材料は、硬質相と、鉄族金属を主成分とする結合相とを備える硬質材料である。前記硬質相は、Wを除く周期表4,5,6族元素及びSiから選択される一つ以上の元素を含有する炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種で構成されるコアと、WCで構成されて、前記コアを覆うシェルとを有する。前記結合相は、V及びCrの双方を含有する。
上記した実施形態の硬質材料によれば、結合相にV及びCrを含有することで、硬質材料の焼結過程において生成する液相に、WCが溶解することを抑制することができる。よって、コアの外周をシェルで覆ったコアシェル構造の硬質相を結合相で結合した焼結体とできる。従って、シェルを熱伝導パスとすることで、高熱伝導率の硬質材料とでき、耐熱衝撃性に優れる硬質材料とできる。
結合相がVを含有することで、焼結過程において、液相へ溶解したWCが液相中で再析出することを抑制できる。また、結合相がCrを含有することで、焼結過程において、WCの結合相への溶解度を低下させることができる。つまり、結合相にV及びCrの双方を含有することで、焼結条件が高温である場合でも、WC被覆を維持し易い。
(2)実施形態の硬質材料としては、前記結合相は、Vの含有量が結合相全体に対して5質量%以下であることが挙げられる。
Vの含有量は多いほど上記溶解・再析出を抑制することができ、WC被覆の維持に効果的であるが、多過ぎるとVが析出し易く脆化の原因となる。よって、Vの含有量が結合相全体に対して5質量%以下であることで、結合相中のVの含有量を適量にでき、脆化を防止することができる。
(3)実施形態の硬質材料としては、前記結合相は、Crの含有量が結合相全体に対して10質量%以下であることが挙げられる。
Crの含有量は多いほどWCの結合相への溶解度を低下でき、WC被覆の維持に効果的であるが、多過ぎるとCrが析出し易く脆化の原因となる。よって、Crの含有量が結合相全体に対して10質量%以下であることで、結合相中のCrの含有量を適量にでき、脆化を防止することができる。
(4)実施形態の切削工具は、逃げ面及びすくい面の両面の稜線部で構成される切刃とその近傍とを含む切刃周辺領域を備える。少なくとも前記切刃周辺領域は、上記した実施形態の硬質材料からなる基材と、前記基材を覆う硬質被覆とを備える。前記基材を構成する硬質材料は、前記逃げ面及びすくい面の少なくとも一部において前記コアが露出することなく前記シェルで覆われている。
実施形態の硬質材料で基材を構成し、その基材表面に硬質被覆を設けた切削工具とした場合、切刃周辺領域、特に切削工具の逃げ面及びすくい面の少なくとも一部の基材を構成するコアがシェルで覆われていることで、硬質被覆がWCのシェルに対して成膜されることになる。そのため、コアが露出している基材に対して硬質被覆を成膜する場合に比べて、硬質被覆の基材への密着力を高めることができる。その結果、切削工具としての寿命を長くできる。この切削工具は、上述した硬質材料を用いているため、耐熱衝撃性に優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔硬質材料〕
実施形態に係る硬質材料は、図1にその一例を示すように、硬質相10の粉末を結合相20で結合した焼結体で構成される。
《硬質相》
硬質相10は、コア11の外周をシェル12で覆ったコアシェル構造を有する。コア11は、コアシェル構造の硬質相の中心部を構成し、十分な硬度を備えることで、主に硬質材料の耐摩耗性の向上に寄与する機能を有する。シェル12は、コア11の外周を覆い、硬質材料の靱性を確保すると共に、硬質材料中に高熱伝導率の熱伝導パスを形成することで、主に硬質材料の耐欠損性及び耐熱衝撃性の向上に寄与する機能を有する。
(コア)
コアの材質は、Wを除く周期表4,5,6族元素及びSiから選択される一つ以上の元素を含有する炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種である。具体的には、TiC,TiN,TiCNなどが挙げられる。これらTi系化合物をコアの材質に選択することで、シェルを構成するWCとの線膨張係数差を比較的小さくでき、シェルの形成過程や硬質材料の焼結過程における熱履歴でシェルに亀裂が生じたり、シェルが部分的に剥がれたりすることを抑制し易い。また、WCに比べて硬度の高い材料でコアを構成することができる。なお、硬質相のコアは、全ての硬質相のコアを同じ材質で構成しても良いし、異なる材質からなるコアの硬質相が混在していても良い。
コアの平均粒径は、0.5μm以上であることが挙げられる。硬質相の粒径が小さいと、粒界が多くなるため、硬質材料の熱伝導率が低下する。そのため、コアの平均粒径は0.5μm以上であることで、硬質材料の熱伝導率の向上効果が得られ易い。また、このようなサイズのコア粒子は製造し易い。特に、硬質材料の高熱伝導化を考慮すると、この平均粒径は1.5μm以上、さらには2μm以上であることが挙げられる。一方、コアの平均粒径の上限は7μm程度である。コアの平均粒径が7μm以下であれば、高強度の硬質材料が得られ易いからである。この平均粒径は、焼結後の硬質材料に対して切断面を平面研削後に鏡面研磨して、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で写真撮影を行い、フルマンの式を用いて算出した値である。なお、本実施形態の硬質材料におけるコアの平均粒径(焼結後の平均粒径)は、後述するように粉砕メディアを用いない混合方法を経て製造されるため、原料粉末におけるコア粒子の平均粒径がほぼ維持されている。
(シェル)
シェルがWCからなることにより、硬質材料中に優れた熱伝導率を有するWC骨格のネットワークを形成し易く、硬質材料の熱伝導率を高めることができる。また、シェルがWCであることにより、鉄族金属との濡れ性に優れるため、結合相原料として鉄族金属を用いると焼結性が向上して緻密な焼結体を得ることができ、耐欠損性に優れた硬質材料とできる。
シェルの平均厚みは、0.01μm以上2μm以下程度であることが挙げられる。平均厚みが0.01μm以上であればシェルを熱伝導パスとして硬質材料を高熱伝導化する効果が得られ易く、2μm以下であればシェルに亀裂が生じ難く、やはり硬質材料を高熱伝導化する効果が得られ易い。硬質材料の高熱伝導化の効果を顕著にするには、シェルの平均厚みは0.02μm以上、特に0.04μm以上であることが挙げられる。シェルの亀裂をより確実に抑制するには、シェルの平均厚みは1.5μm以下、特に0.3μm以下であることが挙げられる。この平均厚みの測定は、硬質材料の切削面を集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)加工して、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)で写真撮影を行い、複数の硬質相粒子における10点以上の測定点のシェルの厚みを平均することにより行う。
また、WCで構成されるシェルの平均厚みをコアの平均粒径との比率で示すと、コアの平均粒径の3%未満であることが好ましい。これは、前記比率を3%未満とすることで前述の理由により硬質材料の高熱伝導化の効果が大きくなるためである。
つまり、シェルの亀裂抑制のために好ましい条件としては、コアシェル構造の複合粒子に占めるコアの体積含有率をシェルの体積含有率よりも大きくすることが挙げられる。コアのサイズに応じて、一定比率未満の厚みのシェルが形成されていれば、シェルの亀裂発生を抑制し易い。
《結合相》
結合相20は、硬質相の粒子を結合する材料で、鉄族金属とV及びCrとを含む。鉄族金属としては、CoとNiの少なくとも一方が硬質相と濡れ性が高く好ましい。結合相がCoを主体とすると特に焼結性が向上し、焼結体を緻密とし易く、強度、破壊靭性を向上できる。一方、Niは耐食性に優れる。
結合相20にV及びCrを含有することで、硬質材料の焼結過程において生成される液相に、WCが溶解することを抑制することができる。よって、コア11の外周をWCのシェル12でより確実に覆ったコアシェル構造の硬質相10を結合相20で結合した焼結体とできる。具体的には、硬質相の断面におけるコアの周囲長の30%超、好ましくは50%以上、さらに70%以上、特に全周に亘って、シェルが被覆された硬質相とできる。
硬質相の組成やシェルの被覆厚み、及び焼結温度などの条件によっては、焼結過程において、WCが結合相の液相中に溶解してしまい、コアシェル構造を十分に維持できず、コア11がシェル12から露出することがある。よって、シェルによる熱伝導パスを形成できず、硬質材料の熱伝導率の低下を招き易くなる。結合相にVが含有されることで、焼結過程において、液相へ溶解したWCが液相中で再析出することを抑制できる。結合相にCrが含有されることで、焼結過程において、WCの結合相への溶解度を低下させることができる。
Vの含有量は、結合相全体に対して1質量%以上10質量%以下であることが挙げられる。Vの含有量が1質量%以上であることで、上記WCの溶解・再析出を抑制でき、コアの外周に覆われたWCを維持し易く、さらに2質量%以上、特に5質量%以上であることが挙げられる。Vの含有量は多いほどWC被覆の維持に効果的であるが、多過ぎるとVが析出し易く脆化の原因となるため、10質量%以下、さらに5質量%以下であることが挙げられる。
Crの含有量は、結合相全体に対して2質量%以上15質量%以下であることが挙げられる。Crの含有量が2質量%以上であることで、上記WCの結合相への溶解度を低下でき、コアの外周に覆われたWCを維持し易く、さらに5質量%以上、特に10質量%以上であることが挙げられる。Crの含有量は多いほどWC被覆の維持に効果的であるが、多過ぎるとCrが析出し易く脆化の原因となるため、15質量%以下、さらに10質量%以下であることが挙げられる。
VとCrの含有割合は、質量比でV:Cr=0.5:1.5〜1.5:0.5とすることが挙げられる。特に、Vの含有量が2質量%超5質量%以下であり、かつCrの含有量が2質量%以上10質量%以下である場合に、VとCrの含有割合が上記割合のときに、WCが結合相の液相中に溶解することを効果的に抑制することができる。さらにV:Cr=0.8:1.2〜1.2:0.8、特にV:Cr=1:1であることが挙げられる。
結合相中のV及びCrの各含有量は、硬質材料(焼結体)に対して、電子線マイクロアナライザー(Electron Probe Micro Analyzer:EPMA)にて計測できる。
他に、結合相中にはW、Ru、Cなど、硬質相の構成元素が固溶していても構わない。特にW及びRuの少なくとも一種の固溶量が多いと結合相が固溶強化され、硬質材料の靭性を向上できて好ましい。
結合相は、硬質材料全体に対して3質量%以上20質量%以下含有することが挙げられる。結合相の含有量が多いほど硬質材料の靱性や焼結性が高くなる傾向があり、少ないと強度や靭性が低下する傾向にある。
《その他の硬質相》
硬質材料は、上述した実施形態の硬質相以外に、必要に応じて他の硬質相(第二硬質相)を含有しても良い。第二硬質相としては、周期表4,5,6族元素から選ばれる少なくとも一種の金属元素とC及びNの少なくとも一種の元素との化合物、即ち、上記金属元素の炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種が利用できる。TaCとNbCの少なくとも一方を含むと鋼に対する耐反応性を向上でき、ZrC、ZrCN、及びZrNの少なくとも一種を含むと高温での硬質材料の強度を向上させることができる。
〔硬質材料の製造方法〕
本実施形態の硬質材料は、代表的には、原料粉末の準備→混合→成形→焼結という工程を経て製造される。
《準備工程》
準備工程では、硬質相粉末と、結合相粉末とを準備する。コアシェル構造の硬質相粉末を得るには、まずコアとなる粒子からなる粉末として、Wを除く4,5,6族元素及びSiから選択される一つ以上の元素を含有する炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種で構成されるコア粉末を用意する。次に、用意したコア粉末の各粒子に、シェルとなるWCを被覆する。このシェルの形成には、CVD法、PVD法などの気相成長法の他、ゾルゲル法などの液相法を用いることができる。シェルの成膜を気相成長法により行うことで、緻密なシェルを比較的容易に形成することができる。
例えば、CVD法の場合には、コア粉末を容器に入れ、その容器を真空引き後に、容器を回転させながら所定のガスを容器内に導入して、所定の温度で保持することにより、コア粉末の各粒子の表面にWCのシェルを成膜する。容器を回転させることで、コア粉末の各粒子に満遍なくシェルを成膜することができる。容器に導入するガスとしては、原料ガスとしてタングステンのフッ化物(例えばWFガス)とメタン(CH)若しくはアセトニトリル(CHCN)が挙げられ、キャリアガスとして水素若しくはアルゴンガスが挙げられる。特に、CHCNガスを用いると、脆性のWCよりも化学的に安定で高熱伝導率のWCを成膜し易く、中でも結晶性の高いWCを成膜できるため好ましい。成膜温度は700〜1100℃程度が好ましい。この温度範囲でWCを成膜すると、WCの結晶性が高くなり、WC中での結晶欠陥に伴うフォノンの散乱を抑制でき、シェルを高熱伝導率にできる。また、この温度範囲で成膜を行うと、コアとシェルとの密着性が高くなり、WCの剥がれや、それに伴う焼結工程でのWCのTi元素との固溶体化によるシェルの熱伝導率の低下が抑制できるため、好ましい。
一方、PVD法の場合には、例えば次の方法が挙げられる。まず、コア粉末を容器に入れ、その容器を真空引き後に、容器を回転させながらタングステン製ターゲットを用いてタングステンをコア粉末にスパッタ蒸着する。次に、得られたタングステン被覆コア粉末を1700〜2000℃程度の温度で炭化してコア粉末の各粒子表面にWCを形成させる。
結合相粉末を得るには、鉄族金属を主成分とし、V及びCrの双方を均一分散した粉末を用意する。例えば、鉄族金属を主成分とする金属粉末と、V及びCrの双方を含有する炭化物粉末とを所定の組成比で配合し、これをボールミルにより粉砕混合することで、V及びCrを均一分散することが挙げられる。他に鉄族金属を主成分とする金属粉末にV及びCrを被覆したり、金属粉末にV及びCrを溶解した合金体を粉砕したり、といった手法を用いることもできる。
《混合工程》
上述した各原料粉末を、適宜な混合手段でできるだけ均一に混合して混合粉末とする。この混合工程においては、硬質相のコアシェル構造を損傷しないように原料粉末を混合することが重要である。つまり、この混合工程では、シェルに亀裂が生じたり、剥離が生じたりすることのないように混合手段を選択する。具体的には、例えば、原料粉末にエタノールやアセトンなどの有機溶媒を合わせてスラリーとし、このスラリーに超音波を照射しながら、粉砕メディアを用いることなく混合する。この混合方法によれば、原料粉末を実質的に粉砕することなく、かつシェルを損傷させることなく原料粉末を混合することができる。
原料粉末を混合して混合粉末としたら、通常、この混合粉末にバインダを加え、スプレードライヤーなどの乾燥手段を用いて噴霧乾燥して造粒する。バインダとしては、パラフィンワックスやポリエチレングリコールなどが挙げられる。このバインダの含有量は、上記原料粉末とバインダの合計に対して、1質量%以上4質量%以下程度が挙げられる。
《成形工程》
混合工程で得られた混合粉末の成形は、混合粉末を金型に充填し、所定の圧力で所定の形状に成形する。成形方法としては、乾式加圧成形法、冷間静水圧成形法、射出成形法、押出成形法などが挙げられる。この成形時の圧力は、0.5ton/cm(約50MPa)以上2.0ton/cm(約200MPa)以下程度が好ましい。また、成形体の形状は、求められる製品の形状に応じて、過度に複雑形状とならないような適宜な形状を選択する。最終的な製品形状へは、必要に応じて、仮焼後もしくは焼結後に適宜な機械加工を行えばよい。
《焼結工程》
成形体の焼結は、液相の生じる温度域で成形体を所定時間保持して行うことが好適である。焼結温度は1300℃以上1600℃以下程度が挙げられる。焼結温度を高くし過ぎると、硬質相を構成する粒子が成長し易い。保持時間は0.5時間以上2.0時間以下程度、特に1.0時間以上1.5時間以下程度が好ましい。加熱時の雰囲気は、窒素,アルゴンなどの不活性ガス雰囲気又は真空(0.1Pa以上0.5Pa以下程度)とすることが好ましい。
この焼結工程において、原料粉末の段階からシェルに亀裂や剥離などの損傷が実質的にない硬質粒子を用いているため、シェルがバリアとなって液相がコアに接触することを阻止し、コアと液相の間で構成元素同士の相互拡散が抑止される。また、結合相中にV及びCrの双方が均一分散されているため、液相中へのWCの溶解が抑制される。結合相中のCrによって、WCの結合相への溶解度を低下し、結合相中のVによって、WCが溶解したとしても、その溶解したWCが液相中やシェル上の溶解した場所以外で再析出することを抑制するため、大半の硬質相は、コアの外周がシェルで覆われた状態が維持される。硬質相の断面におけるコアの周囲長の30%超、好ましくは50%以上、さらに70%以上、特に全周に亘って、シェルが被覆された硬質相が、硬質相全体のうち、60%以上、さらに70%以上、特に80%以上存在することが好ましい。特に、硬質相全体のうち、硬質相の断面におけるコアの全周に亘ってWCのシェルが被覆された硬質粒子の個数の割合は、20%以上、さらに30%以上、特に50%以上であることが好ましい。また、硬質相全体のうち、硬質相の断面におけるコアの周囲長の70%以上がシェルから露出した硬質粒子の個数の割合は、40%以下、さらに30%以下、特に20%以下であることが好ましい。この割合は、SEMによる焼結体の断面の観察により行うことができる。その際、断面の視野中に100個前後の硬質粒子が含まれるようにSEM像を取得して観察を行う。
また、焼結工程において、焼結温度を所定の時間保持して加熱した成形体を冷却する際、真空、又はアルゴンといった不活性ガス雰囲気で冷却することが好ましい。
〔切削工具〕
製造した硬質材料を用いた切削工具は、例えば図2に示すように、基材110と、基材110を覆う硬質被覆120とを備える。図2では、切削工具の上面がすくい面、左斜面が逃げ面で、両面の稜線部が切刃である。
《切刃周辺領域》
実施形態の切削工具では、基材全体を上述した実施形態の硬質材料で構成し、基材110の全面を硬質被覆120で覆っている。但し、実施形態の硬質材料で構成する箇所は、少なくとも切削に関与する領域、つまり切刃とその近傍を含む切刃周辺領域であればよく、硬質被覆120の形成領域も同様である。切刃周辺領域は、逃げ面摩耗、クレータ摩耗が生じ易い領域や、切り屑が接触する領域をも含む。実施形態の硬質材料からなる基材110を切刃周辺領域に用いることで、耐摩耗性、耐熱衝撃性に加え、耐欠損性に優れた切削工具とすることができる。特に、基材110を構成する硬質材料では、コアがシェルに覆われて露出されていないため、次述する硬質被覆120がコアではなくシェルを構成するWC上に形成されることになり、硬質被覆120の基材110に対する密着性を高めることができる。これは、硬質被覆120が部分的に異なる材質(TiC、TiCN、WC)に対して形成されるのではなく、一様な材質(WC)に対して形成されるためであると考えられる。特に、硬質被覆120をPVD法で成膜した場合、硬質被覆120の構成材料の核がWC上に形成され易いことも、この密着力の向上に寄与していると考えられる。一方、切削工具では刃先処理を行うことがある。その場合、刃先処理領域はシェルが損傷し、コアが露出されることがある。但し、その場合でも、刃先処理領域でない逃げ面とすくい面の少なくとも一部では、コアが露出することなくシェルに覆われている。そのため、基材110の全被覆領域に亘ってシェルの損傷した硬質粒子の割合が高い場合に比べれば、硬質被覆120の基材110に対する密着性は十分に高い。
《硬質被覆》
この切削工具は、基材110の少なくとも切刃周辺領域に硬質被覆120を備えていることが好ましい。硬質被覆を設けることで、より高い耐摩耗性を得ることができる。
硬質被覆120の材質は、周期表4,5,6族の金属,Al,Si及びBからなる群から選択される1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素及び硼素からなる群から選択される1種以上の元素との化合物からなる化合物とすることが好ましい。具体例としては、TiCN,Al,TiAlN,TiN,AlCrNなどが挙げられる。硬質被覆120の膜構造は、1層でも多層でもよい。硬質被覆120の合計厚さは1μm以上20μm以下程度が好ましい。硬質被覆120の形成方法は、熱CVD法などのCVD法、カソードアークイオンプレーティング法などのPVD法のいずれもが利用できる。
なお、図2では硬質被覆120を有する切削工具を示しているが、この被覆がなく基材110だけで構成される切削工具であってもよい。
〔試験例1〕
コア粉末として平均粒径3μmのTiC0.50.5粉末を準備し、その粉末をステンレス製容器に装入して真空引きした後、容器を回転させながら、1000℃に容器を加熱して、WFガスとCHCN、H、Arガスを流し、圧力6kPaの条件でTiC0.50.5粉末の各粒子(コア)に平均厚み0.08μmのWC(シェル)を被覆して硬質相粉末を作製した。この被覆粉末のシェルの平均厚みはコアの平均粒径の約2.7%であった。シェルの平均厚みはTEMにより測定できる。
結合相粉末として、Coを主成分とし、V及びCrの双方を均一分散した粉末を準備する。この結合相粉末は、Coを主成分とする金属粉末とV及びCrの双方を含有する炭化物粉末とを表1に記載の割合で配合し、これをボールミルにより粉砕混合して作製した。
上記硬質相粉末と結合相粉末とを85:15の質量比で配合し、硬質粒子のシェルを壊さないように混合した。具体的には、粉砕メディアを用いずに超音波を用いてエタノール中で原料粉末を混合した。
これらの混合粉末を樟脳とエタノールを用いて造粒し、1ton/cm(約98MPa)の圧力でプレス成型して成形体とする。
最高温度1410℃、1時間保持の条件で真空下にて成形体を焼結して、焼結体を得た。焼結体の組成はほぼ原料粉末の配合組成と一致していることをEPMAにて確認できる。
Figure 0005843171
得られた焼結体(硬質材料)を切断し、切断面を鏡面仕上げ後、視野中に100個前後(この試験例では89個〜108個)の硬質粒子が含まれるように観察倍率5000倍でSEM像を取得して、WCの被覆状態を観察した。SEM像において、シェルであるWCは輝度の高い白色組織として、コアであるTiCNは輝度の低い黒色組織として観察することができる。なお、(Ti,W)CNなどの複合炭化物と、Coなどの結合相は、WCとTiCNの中間の輝度を有する組織として観察される。このように観察したWCとTiCNの分布状態から、TiCNの周囲を完全にWCが被覆している硬質相を「完全被覆」、TiCNの周囲長の70%以上がWC被覆から露出している硬質相を「無被覆」、その他の硬質相を「一部被覆」と分類し、これらの硬質相の個数を視野中の全硬質粒子から調べた。さらに、被覆状態の総合判定として、無被覆の硬質相が全体の50%以上を占める硬質材料を「C(不良)」、無被覆の硬質相が全体の10%未満である硬質材料を「A(優)」、その他の硬質材料を「B(良)」と判定した。その結果を表1に示す。
さらに、上記硬質材料を#200のダイヤモンド砥石で座面の平面研削を行い、刃先処理を行って、形状がSNGN120408(逃げ面、すくい面は研削加工なし)なる形状の基材とする。この基材をSEMやTEMで観察したところ、逃げ面、すくい面のうち、刃先処理が及んでいない領域はシェルに亀裂や剥離の生じたコアシェル構造の複合粒子が実質的に存在しなかった。さらに、この基材の表面に公知のPVD法でTiAlN膜(硬質被覆)を5μmの平均厚みに被覆して切削工具とした。
この切削工具を用いて、切削速度200m/min、送り量0.2mm/rev、切り込み2.0mm、切削時間5分間、湿式の条件で、S50C製の溝なしの被削材をフライス切削試験し、切削工具の硬質材料(基材)に生じた亀裂本数を計測して耐熱衝撃性を評価した。亀裂本数は、基材表面(逃げ面及びすくい面)のSEMの組成像で観察して計測した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、結合相にV及びCrの双方が含有された試料No.1〜試料No.16の硬質材料は、無被覆の硬質相の割合が全体の50%未満であり、安定してWC被覆を維持することができていることがわかる。中でも、Crの含有量が結合相全体に対して10質量%以上であり、かつVの含有量が結合相全体に対して2質量%以上である試料No.7,8,11,12,15,16の硬質材料は、無被覆の硬質相の割合が10%未満であり、WCによる熱伝導パスを安定して形成できると期待できる。特に、Crの含有量が結合相全体に対して10質量%以上であり、かつVの含有量が結合相全体に対して5質量%以上である試料No.11,12,15,16の硬質材料は、完全被覆の硬質相の割合が50%以上であり、安定してWC被覆を維持でき、熱伝導パスを安定して形成できると期待できる。
また、表1の耐熱衝撃性の評価結果に示すように、結合相にV及びCrの双方が含有された試料No.1〜試料No.16の硬質材料は、結合相にV及びCrのどちらも含有していない試料No.101や、結合相にVのみもしくはCrのみを含有した試料No.102〜試料No.106に比較して、熱き裂本数が少なく、耐熱衝撃性に優れることがわかる。試料No.1〜試料No.16について、Vの含有量が結合相全体に対して5%超、あるいはCrの含有量が結合相全体に対して10質量%超である試料No.4,8,12〜16の硬質材料は、WC被覆の維持に優れるものの、熱き裂本数が微増する傾向にあることがわかる。これは、結合相中のV及びCrの含有量が増加したことで、Coが固溶硬化すると共に靱性が低下し、耐熱き裂性が若干低下したことによると考えられる。
本発明の硬質材料は、従来の超硬合金の代替原料としての利用が期待される。特に、この硬質材料は、鋼と反応し難いことから、焼結体とした場合に、鋼加工用の切削工具として好適に利用することができる。
10 硬質相
11 コア 12 シェル
20 結合相
110 基材 120 硬質被覆

Claims (2)

  1. 硬質相、鉄族金属を主成分とする結合相とを備える硬質材料であって、
    前記硬質相は、Wを除く周期表4,5,6族元素及びSiから選択される一つ以上の元素を含有する炭化物、窒化物、及び炭窒化物の少なくとも一種で構成されるコアと、WCで構成されて、前記コアの少なくとも一部を覆うシェルとを有する硬質相であり、前記硬質相の断面において、以下の完全被覆硬質相、一部被覆硬質相、及び無被覆硬質相を有し、
    完全被覆硬質相:前記コアと、前記コアの全周を覆う前記シェルとを有する硬質相
    一部被覆硬質相:前記コアと、前記コアの周囲長の30%以上100%未満を覆う前記シェルとを有する硬質相
    無被覆硬質相:前記コアと、前記コアの周囲長の30%未満を覆う前記シェルとを有する硬質相
    前記完全被覆硬質相、前記一部被覆硬質相、及び前記無被覆硬質相のうち、前記無被覆硬質相の個数割合は、50%未満であり、
    前記結合相は、V及びCrの双方を含有すると共に、Vの含有量が結合相全体に対して2質量%以上5質量%以下であり、Crの含有量が結合相全体に対して5質量%以上10質量%以下である硬質材料。
  2. 逃げ面及びすくい面の両面の稜線部で構成される切刃とその近傍とを含む切刃周辺領域を備える切削工具であって、
    少なくとも前記切刃周辺領域は、
    請求項1に記載の硬質材料からなる基材と、
    前記基材を覆う硬質被覆とを備え、
    前記基材を構成する硬質材料は、前記逃げ面及びすくい面の少なくとも一部において前記コアが露出することなく前記シェルで覆われている切削工具。
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